JP3668443B2 - 磁石式押え具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
磁石式押え具と云うのは磁石が埋め込まれた小物道具でスチ−ル家具の表面に紙を止めておくときの押えに使ったり、教室の黒板とか掲示板に文書や表を留めておくのに使用される物品である。
【0002】
【従来の技術】
従来の磁石式押え具は図5に示すような物であった。図5Aに示す物は円盤状の本体1の下面に磁石2を埋め込んだもので、吸い付いているスチ−ル面から離すとき、指を当て易いように周囲に鍔状に張り出し3が形成されている。図5Bは円盤状の形を細長形にした例で、物差しの下面に細長い磁石2を埋設したもので、この例でもスチ−ル面から離し易いように、背縁に張り出し3が形成してある。
上例は何れも下面に磁石があって、片面だけで吸着させる型である。図5Cに示す物は両面何れでも吸着させ得るようにした例である。図5Cのaは円盤状の本体1を貫通するように磁石2を埋め込んだ物で、スチ−ル面から離し易いように両凸レンズ形で両面中央を平らにしたような形にして、周縁が張り出し3になっている。図5Cのbは扁平な袋Hの中にゲル状物質Gを封入した本体1内に磁石2を封入した物で、柔軟であることが特徴で、めくるようにしてスチ−ル面から引き離せる。
図5Cの例は磁石が本体を厚さ方向に貫通するような形で本体に埋設されているので、一々吸着させる面を見て使う必要がないと言う程度の利点を有するに過ぎない。
図5A〜Bの型の磁石式押え具の背景には、従来の磁石は押え具として使うには磁力が弱いと言うことがあって、大きな磁極面積を必要とし、更には皿状の鉄板のヨ−クを併用する等の工夫がなされていたのである。しかし近時きわめて強力な磁石が提供されるようになり、きわめて小さな磁石で押え具として充分機能し得るものが安価に使えるようになった。図5Cの例はこの種の磁石を用いた例で磁石は小型であるが、磁石式押え具としての基本形は従来の図5A〜Bと変わらず、小型の強力磁石の利点を生かしたものとは言えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来例は片面式であると両面式であるとを問わず、扁平な形をしており、相手面に平行な状態で使用するものであったから、相手面から引き離すのが困難であった。本発明は磁石式押え具で、吸着力を弱めることなしに相手面からの引き離しを楽にしようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
扁平な形または輪形の本体の側面に磁石を埋設し、本体の扁平な面が相手のスチ−ル面に対して垂直な状態で吸着するようにした。
【0005】
上述した形状によると、押え具Sは図1に示すように相手面Pに対して立った状態で吸着するので、取り外すとき、指で摘み易く、また輪状であると指を入れて引き離せるので、一層力が入れ易くなり、更に取り外した押え具を取り落とすおそれもなくなる。
このように押え具が相手面に垂直に立っていると、相手面が垂直な掲示板のような場合、人や物が当り易く、当たると押え具は倒れて容易に脱落し、押えてあった紙が散ってしまうのではないかと想像されるが、押え具は物等が当られても倒れるだけで、磁石と相手面との距離が殆ど程離れないので、相手面に吸着した侭であり、縁の形によっては、また元のように垂直位置に起き直るのである。
【0006】
【発明の実施の形態】
図2は本発明の実施形態の一例を示すものである。この例は本体に輪を用いたもので1が輪形の本体で、輪の一部が肥厚して輪の孔が偏心させてあるように見える。この肥厚した部分に磁石2が埋設してある。磁石2は両極を連ねる軸に垂直な断面の寸法が上記肥厚した部分に収まる大きさで、一方の磁極を外にしてその軸を輪の外方にむけて埋設される。磁石は一個に限られない。
この押え具をスチ−ル面Pから離すには、図のように輪に指を入れて引っ張ればよい。或は立った状態で吸着しているので、指で倒すようにすると、輪の磁石が埋設してある部分の縁が支点となって、磁石を引き離す力が拡大されるので、更に離し易くなる。
【0007】
図3は本発明の他の実施形態で、図3Aでは本体1は板状であり、周側面の一部が平らにしてあって、そこに磁石2が埋設してある。使用形態は図2の場合と同じである。取り外すときは本体を指でつまんで引っ張るか少し倒し気味にして引っ張ればよい。本体は板状であるが、中央を少し凹ませてつまみ易いようにしてもよい。図の例では本体は円板状であるが、この形は円板には限らないので、図3B,C,Dのような形でもよいのである。特にDの形は押え具であると共に物を仮に吊しておくのにも利用できる。
【0008】
図4は本発明の更に他の実施形態を示す。この例では本体1は長方形で、長辺の一方に磁極を外方に向けて磁石2が複数個埋設してある。この例は図4Bのようにスチ−ル面に長辺を接して立った状態で吸着しており、引き離すときは、指でつまんで少し倒すようにして引っ張れば容易に離すことができる。この押え具は板面を机面等に沿わせて定規としても利用できる。
【0009】
【発明の効果】
本発明は板状の本体の側縁に磁石を埋設して、相手面に立った状態で吸着させるようにした点に特徴を有するものである。従来は扁平な本体に片面或は両面に磁極を設けて、相手面に扁平な状態で吸着させていたのであるから、これを立った状態で吸着させるようにしたと云うことは発想上大きな飛躍である。しかもこれは単に、相手面に沿っていたものを立っているようにしたと云う外見だけの変化ではなく、従来相手面に沿っていたために取り外し難かった物が、立っているために取り外し易くなったのであり、殊に相手面に対して立っていると物が当ったとき直ぐ脱落するのではないかと思われたものが物が当っても倒れるだけで直ぐ起き直り脱落しないのであり、物が当れば倒れるから邪魔にもならないのである。これは実際に作って見て分かったことで、予想に反したことなのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特徴を示す斜視図。
【図2】本発明の実施形態の一例を示す図。
【図3】本発明の他の実施形態を示す図。
【図4】本発明の更に他の実施形態を示す図。
【図5】従来例を示す図。
【符号の説明】
1 本体
2 磁石
3 張り出し

Claims (1)

  1. 扁平な形で周側面の少なくとも一部が平面状を呈し、その部分が他よりも肥厚した形の押え具本体の上記平面状の周側面に一乃至複数個の磁石を、両極を結ぶ軸を上記平面に垂直にして埋設し、この磁石を埋設した周側面を相手面に平行にして上記本体が相手面に対し立った状態で吸着するようにすると共に、倒したときは磁力により自動的に復帰するようにした磁石式押え具。
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