JP3002908B2 - ポリカーボネートの製造法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造法

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康弘 押野
龍也 菅野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベンジルカルボアニオ
ン生成化合物から選択された触媒の存在下で2価フェノ
ールと炭酸ジエステルとを重縮合させて得られる高分子
量ポリカーボネートの製法に関するものである。
【0002】
【従来技術と発明が解決しようとする課題】本発明の高
分子量ポリカーボネートは、幅広い用途、特に射出成形
用又は窓ガラスの代わりのガラスシートとしての用途を
有する。汎用エンジニアリングサーモプラスチックスで
ある。
【0003】界面重縮合法は一般的にポリカーボネート
の製造に効果的であるが、有毒なホスゲンを使用するこ
とや塩素イオンが生成するポリカーボネートに残存する
ことなどの欠点を有する。
【0004】これらの欠点を除くために有毒なホスゲン
の代わりにホスゲンのダイマーである液体のトリクロロ
メチルクロロホルメートを用いて特殊な2価フェノール
とを界面重縮合反応でポリカーボネートを製造すること
が特開昭63−182336に開示されている。
【0005】しかしながら、特殊な2価フェノールであ
る9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
類についての記載があるのみである。また、有毒なホス
ゲンの代わりにトリホスゲンを用いて2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンからポリカーボネート
を得ることがAngew.Chem.(アンゲバンテ,
ヘミー)99.922(1987)に記載されている
が、ホスゲンが発生する反応機構も提唱されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、カーボネ
ート結合を生成する化合物として炭酸ジエステルと2価
フェノールをベンジルカルボアニオン生成化合物の存在
下、重縮合させることにより、毒性のホスゲンを用いず
且つ塩素イオンを本質的に含まない高分子量ポリカーボ
ネートが得られる事実を見い出すに至った。
【0007】本発明は、1)化学式1で示されるベンジ
ルカルボアニオン生成化合物から選択された触媒の存在
下で2価フェノールと炭酸ジエステルとを重縮合させる
ことを特徴とするポリカーボネートの製造法。
【0008】2)2価フェノールが化学式2、化学式
3、化学式4、化学式5で表される請求項1記載のポリ
カーボネートの製造法に関するものである。 3)前記1)又は2)記載のポリカーボネート共重合体
の製造法
【0009】本発明に使用しうるベンジルカルボアニオ
ン生成化合物の代表例としては、フェニル酢酸リチウ
ム,フェニル酢酸ナトリウム,フェニル酢酸カリウム,
二フェニル酢酸−マグネシウム,二フェニル酢酸−カル
シウム,p−メトキシフェニル酢酸リチウム,p−エト
キシフェニル酢酸リチウム,p−ブトキシフェニル酢酸
ナトリウム,p−ニトロフェニル酢酸リチウム,1−フ
ェニルプロピオン酸リチウム,1−フェニル酢酸カリウ
ム,ジフェニル酢酸リチウム,トリフェニル酢酸リチウ
ム,1−フェニル−1−メチルプロピオンナトリウム,
1−フェニル−1−エチルプロピオン酸リチウム,1−
フェニル−1−メチル酪酸カリウム,1−(p−メトキ
シフェニル)−1−メチルプロピオン酸リチウム等が挙
げられる。
【0010】また、エステル交換触媒として、これまで
公知のとアルカリ金属,アルカリ土類金属を含む化合物
やTi,Zn,Sn,Cd,Sb,Mn,Geなどを含
む化合物を併用することも可能である。
【0011】また、2価フェノールの代表例としては、
以下の化合物が挙げられる。化学式2に分類されるビス
フェノールとして、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン,2,2−ビス−(4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン,2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−4−メチルペンタン,2,2−ビス−(4−ヒ
ドロキシフェニル)オクタン,4,−4′−ジヒドロキ
シ−2,2,2−トリフェニルエタン,2,2−ビス−
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンなどが挙げられる。
【0012】化学式3に分類される2価フェノールとし
て、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパン,2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3
−イソプロピルフェニル)プロパン,2,2−ビス−
(4−ヒドロキシ−3−sec.ブチルフェニル)プロ
パン,2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン,2,2−ビス−(4−ヒドロ
キシ−3−ターシャリーブチルフェニル)プロパンなど
が挙げられる。
【0013】化学式4に分類される2価フェノールとし
て、1,1′−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−p
−ジイソプロピルベンゼン,1,1′−ビス−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンなど
が挙げられる。
【0014】化学式5に分類される2価フェノールとし
て、1,1′−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサンが挙げられる。さらに、化学式2,3,4,
5中から選択された2種又は3種以上の2価フェノール
を組み合せた共重合ポリカーボネートを製造することも
可能である。
【0015】本発明の方法は、ベンジルカルボアニオン
生成化合物から選択された触媒を用いてビスフェノール
Aのような2価フェノールを炭酸ジエステルと重縮合反
応させることによって実施される。
【0016】この反応が進む温度は、100℃以上から
約300℃までの範囲である。好ましくは130℃から
280℃の範囲である。130℃未満であると反応速度
が遅くなり、300℃を越えると副反応が起こりやすく
なる。ベンジルカルボアニオンを生成することができる
分子の中には、非置換及び置換フェニル酢酸の塩があ
る。そのような塩は、180℃以上で脱カルボキシル化
されベンジルカルボアニオンとなり高い活性を示すた
め、反応はこの温度以上で行うことが好ましい。
【0017】触媒として用いるベンジルカルボアニオン
生成化合物は反応系中に存在する2価フェノールに対し
て10−2モルから10−61モルを必要とするが、好
ましくは10−3モルから10−5モルである。10
−6モル未満であると触媒作用が少なくポリカーボネー
トの重合速度が遅くなり10−2モル以上であると触媒
として生成するポリカーボネートに残存する率が高くな
るのでポリカーボネートの物性低下をまねく。
【0018】特に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属
はポリカーボネートの色相に悪影響を及ぼすため、ポリ
カーボネートに含まれるアルカリ金属又はアルカリ土類
金属の濃度は10ppm以下であることが必要である。
また、加水分解可能な塩素イオン濃度もまた、ポリカー
ボネートの色相に悪影響を及ぼすので5ppm以下であ
ることが必要である。
【0019】また、炭酸ジエステルの必要量は反応系中
に存在する2価フェノールと当モル必要である。一般に
高分子ポリカーボネートが生成するためには、カーボネ
ート化合物1モルと2価フェノール1モルが反応しなけ
ればならない。ビスフェニルカーボネートを用いた場
合、フェノール2モルが前記反応によって生じる。これ
ら2モルのフェノールは反応系外に留去される。
【0020】しかしながら、ポリカーボネート全末端基
に対する末端水酸基の濃度が30モル%以下となるよう
仕込みのビスフェニルカーボネートは2価フェノールの
モル数に対して1.005〜1.5倍のモル数を必要と
する。以下に本発明を実施例について説明するが本発明
は、これらの実施例によって限定するものではない。
【0021】
【実施例1】2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン22.8g(0.1モル)とフェニル酢酸リチ
ウム1.4mg(1×10−5モル),ビスフェニルカ
ーボネート21.4g(0.1モル)を加え窒素下、1
80℃で1時間撹拌後、徐々に減圧にしながら昇温さ
せ、最終的に0.1Torr,270℃,1時間重縮合
反応させ生成するフェノールを留去させて、無色透明な
ポリカーボネートを得た。粘度平均分子量を測定すると
v=29,000であった。また、ガラス転移点は1
50℃であった。粘土平均分子量の測定方法は、20℃
における塩化メチレン溶液の固有粘度[η]をウベロー
デ粘度計を用いて測定し、次式を用いて粘度平均分子量
vを計算した。
【0022】
【数1】
【0023】
【実施例2】実施例1と全く同様の条件下でフェニル酢
酸リチウムの代わりにp−メトキシフェニル酢酸リチウ
ム1.7mg(1×10−5モル)を加え、窒素下、2
時間撹拌後、実施例1と同様の方法で重縮合反応を行い
無色透明のポリカーボネートを得た。粘度平均分子量を
測定するとv=28,000であった。また、ガラス
転移温度は150℃であった。
【0024】
【実施例3】2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン11.4g(50モル%),2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3−ターシャリブチルフェニル)プロパ
ン17.0g(50モル%),フェニル酢酸リチウム
1.4mg(1×10−5モル)を窒素下、2時間撹拌
後、実施例1と同様の方法で重縮合反応を行い無色透明
のポリカーボネートを得た。このポリカーボネートの粘
度平均分子量v=25,000,ガラス転移温度は1
28℃であった。
【0025】
【比較例】実施例1と全く同条件下でフェニル酢酸リチ
ウムの代わりにピリジンを用いて同様の処理を行った
が、得られたポリカーボネートの粘度平均分子量v=
4,000であり、ポリカーボネートとしての形態は成
しているものの実用には適していない低分子量であっ
た。
【0026】
【発明の効果】ベンジルカルボアニオン生成化合物を触
媒として用いることにより毒性のホスゲンを用いずに実
質的に塩素イオンを含まない高分子量で無色透明なポリ
カーボネートを得ることができた。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42 CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学式1で示されるベンジルカルボアニオ
    ン生成化合物から選択された触媒の存在下で2価フェノ
    ールと炭酸ジエステルとを重縮合させることを特徴とす
    るポリカーボネートの製造法。 【化1】 (Rは水素又は炭素数1〜5のアルコキシル基又はニ
    トロ基、R,Rは水素又は炭素数1〜5のアルキル
    基又はフェニル基、Mはアルカリ金属原子又はアルカリ
    土類金属原子)
  2. 【請求項2】2価フェノールが化学式2、化学式3、化
    学式4、化学式5で表される請求項1記載のポリカーボ
    ネートの製造法。 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 (R,R,R,Rは水素又は炭素数1〜8の直
    鎖又は枝分れを含むアルキル基、又はフェニル基であり
    Xはハロゲン原子でn=0〜4,m=1〜4)
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2記載のポリカーボネ
    ート共重合体の製造法。
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