JP3002907B2 - ポリカーボネートの製造法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塩基性窒素化合物触媒及
びべンジルカルボアニオン生成化合物から選択された触
媒の存在下で2価フェノールと炭酸ジエステルとを重縮
合させて得られる高分子量ポリカーボネートの製法に関
するものである。
【0002】
【従来技術と発明が解決しようとする課題】本発明の高
分子量ポリカーボネートは、幅広い用途、特に射出成形
用又は窓ガラスの代わりのガラスシートとしての用途を
有する。汎用エンジニアリングサーモプラスチックスで
ある。
【0003】界面重縮合法は一般的にポリカーボネート
の製造に効果的であるが、有毒なホスゲンを使用するこ
とや塩素イオンが生成するポリカーボネートに残存する
ことなどの欠点を有する。
【0004】これらの欠点を除くために有毒なホスゲン
の代わりにホスゲンのダイマーである液体のトリクロロ
メチルクロロホルメートを用いて特殊な2価フェノール
とを界面重縮合反応でポリカーボネートを製造すること
が特開昭63−182336に開示されている。
【0005】しかしながら、特殊な2価フェノールであ
る9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
類についての記載があるのみである。また、有毒なホス
ゲンの代わりにトリホスゲンを用いて2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンからポリカーボネート
を得ることがAngew.Chem.(アンゲバンテ,
ヘミー)99.922(1987)に記載されている
が、ホスゲンが発生する反応機構も提唱されている。
【0006】また、特開昭60−51719号公報に
は、含窒素塩基性化合物とホウ素化合物との組合せから
なる触媒を用いてポリカーボネートを製造する方法が提
案されており、この触媒を用いれば比較的淡色なポリカ
ーボネートが得られるが、この触媒は重合活性が低いと
いう問題点があった。
【0007】さらに、含窒素塩基性化合物およびアルカ
リ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物からなる触媒
を用いて芳香族系有機二水酸基化合物と炭酸ジエステル
とを溶融重縮合してポリカーボネートを製造すること
が、特開平2−124934に開示されている。
【0008】しかしながら、含窒素塩基性化合物として
テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類,アルキ
ル,アリール,アルアリール基等を有するアンモニウム
ヒドロキシド類,三級アミン類,二級アミン類,一級ア
ミン類,テトラアルキルボロハイドライド類,テトラア
ルキルアンモニウムテトラアリールボレート類などの塩
基性塩の記載があるのみである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、カーボネ
ート結合を生成する化合物として炭酸ジエステルと2価
フェノールを塩基性窒素化合物及びベンジルカルボアニ
オン生成化合物から選択された触媒の存在下、重縮合さ
せることにより、毒性のホスゲンを用いず且つ塩素イオ
ンを本質的に含まない高分子量ポリカーボネートが得ら
れる事実を見い出すに至った。
【0010】本発明は、1)塩基性窒素化合物から選択
された触媒及び化学式1で示されるベンジルカルボアニ
オン生成化合物から選択された触媒の存在下で2価フェ
ノールと炭酸ジエステルとを重縮合させることを特徴と
するポリカーボネートの製造法。
【0011】2)2価フェノールが化学式2、化学式
3、化学式4、化学式5で表され前記1)記載のポリカ
ーボネートの製造法に関するものである。 3)前記1)又は2)記載のポリカーボネート共重合体
の製造法。
【0012】本発明に使用しうる塩基性窒素化合物の代
表例としては、4−ジメチルアミノピリジン,4−(4
−メチルピロリジニル)ピリジン,4−ジエチルアミノ
ピリジン,4−ピロリジノピリジン,4−アミノピリジ
ン,2−アミノピリジン,2−ヒドロキシピリジン,2
−メトキシピリジン,4−メトキシピリジン,4−ヒド
ロキシピリジン,2−ジメチルアミノイミダゾール,2
−メトキシイミダゾール,2−メルカプトイミダゾー
ル,2−アミノピリジン,アミノキノリン,ベンズイミ
ダゾール,イミダゾール,2−メチルイミダゾール,4
−メチルイミダゾール,ジアザビシクロオクタン(DA
BCO)1,8−ジアザ−ビシクロ[5,4,0]−7
−ウンデセン(DBU)等が挙げられる。
【0013】また、ベンジルカルボアニオン生成化合物
の代表例としては、フェニル酢酸リチウム,フェニル酢
酸ナトリウム,フェニル酢酸カリウム,二フェニル酢酸
−マグネシウム,二フェニル酢酸−カルシウム,p−メ
トキシフェニル酢酸リチウム,p−エトキシフェニル酢
酸リチウム,p−ブトキシフェニル酢酸ナトリウム,p
−ニトロフェニル酢酸リチウム,1−フェニルプロピオ
ン酸リチウム,1−フェニル酢酸カリウム,ジフェニル
酢酸リチウム,トリフェニル酢酸リチウム,1−フェニ
ル−1−メチルプロピオンナトリウム,1−フェニル−
1−エチルプロピオン酸リチウム,1−フェニル−1−
メチル酪酸カリウム,1−(p−メトキシフェニル)−
1−メチルプロピオン酸リチウム等が挙げられる。
【0014】また、第3成分のエステル交換触媒とし
て、これまで公知のアルカリ金属,アルカリ土類金属を
含む化合物やTi,Sn,Zn,Cd,Sb,Mn,G
eなどを含む化合物を併用することも可能である。
【0015】また、2価フェノールの代表例としては、
以下の化合物が挙げられる。化学式2に分類されるビス
フェノールとして、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン,2,2−ビス−(4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン,2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−4−メチルペンタン,2,2−ビス−(4−ヒ
ドロキシフェニル)オクタン,4,4´−ジヒドロキシ
−2,2,2−トリフェニルエタン,2,2−ビス−
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンなどが挙げられる。
【0016】化学式3に分類される2価フェノールとし
て、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパン,2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3
−イソプロピルフェニル)プロパン,2,2−ビス−
(4−ヒドロキシ−3−sec.ブチルフェニル)プロ
パン,2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン,2,2−ビス−(4−ヒドロ
キシ−3−ターシャリーブチルフェニル)プロパンなど
が挙げられる。
【0017】化学式4に分類される2価フェノールとし
て、1,1´−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−p
−ジイソプロピルベンゼン,1,1´−ビス−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンなど
が挙げられる。
【0018】化学式5に分類される2価フェノールとし
て、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサンが挙げられる。さらに、化学式2,3,4,5
の中から選択された2種又は3種以上の2価フェノール
を組み合せた共重合ポリカーボネートを製造することも
可能である。
【0019】本発明の方法は、塩基性窒素化合物から選
択された触媒及びベンジルカルボアニオン生成化合物か
ら選択された触媒を用いてビスフェノールAのような2
価フェノールを炭酸ジエステルと重縮合反応させること
によって実施される。
【0020】この反応が進む温度は、100℃以上から
約300℃までの範囲である。好ましくは130℃から
280℃の範囲である。130℃未満であると反応速度
が遅くなり、300℃を越えると副反応が起こりやすく
なる。ベンジルカルボアニオンを生成することができる
分子の中には、非置換及び置換フェニル酢酸の塩があ
る。そのような塩は、約180℃以上で脱カルボキシル
化されベンジルカルボアニオンとなり高い活性を示すた
め、反応はこの温度以上で行うことが好ましい。
【0021】触媒として用いる塩基性窒素化合物、特に
電子供与性アミン化合物は、反応系中に存在する2価フ
ェノールに対して10−1モルから10−5モルを必要
とするが、好ましくは10−2モルから10−4モルで
ある。10−5モル未満であると触媒作用が少なくポリ
カーボネートの重合速度が遅くなり10−1モル以上で
あると触媒として生成するポリカーボネートに残存する
率が高くなるのでポリカーポネートの物性低下をまね
く。
【0022】さらに、併用触媒として用いるベンジルカ
ルボアニオン生成化合物は反応系中に存在する2価フェ
ノールに対して10−2モルから10−6モルを必要と
するが、好ましくは10−3モルから10−5モルであ
る。10−6モル未満であると触媒作用が少なくポリカ
ーボネートの重合度が所望の重合度に達せず、10−2
モル以上であると触媒として生成するポリカーボネート
に残存する率が高くなるのでポリカーボネートの物性低
下をまねく。
【0023】特に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属
はポリカーボネートの色相に悪影響を及ぼすため、ボリ
カーボネートに含まれるアルカリ金属又はアルカリ土類
金属の濃度は10ppm以下であることが必要である。
また、加水分解可能な塩素イオン濃度もまた、ポリカー
ボネートの色相に悪影響を及ぼすので5ppm以下であ
ることが必要である。
【0024】また、炭酸ジエステルの必要量は反応系中
に存在する2価フェノールと当モル必要である。一般に
高分子ポリカーボネートが生成するためには、カーボネ
ート化合物1モルと2価フェノール1モルが反応しなけ
ればならない。ビスフェニルカーボネートを用いた場
合、フェノール2モルが前記反応によって生じる。これ
ら2モルのフェノールは反応系外に留去される。
【0025】しかしながら、ポリカーボネート全末端基
に対する末端水酸基の濃度が30モル%以下となるよう
仕込みのビスフェニルカーボネートは2価フェノールの
モル数に対して1.005〜1.5倍のモル数を必要と
する。以下に本発明を実施例について説明するが本発明
は、これらの実施例によって限定されるものではない。
【0026】
【実施例1】2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン22.8g(0.1モル)と4−ジメチルアミ
ノピリジン2.4mg(2×10−5モル)及びフェニ
ル酢酸リチウム1.4mg(1×10−5モル),ビス
フェニルカーボネート21.4g(0.1モル)を加え
窒素下、180℃で1時間撹拌後、徐々に減圧にしなが
ら昇温させ、最終的に0.1Torr,270℃,1時
間重縮合反応させ生成するフェノールを留去させて、無
色透明なポリカーボネートを得た。粘度平均分子量を測
定するとv=27,600であった。また、ガラス転
移温度は150℃であった。粘度平均分子量の測定方法
は、20℃における塩化メチレン溶液の固有粘度[η]
をウベローデ粘度計を用いて測定し、次式を用いて粘度
平均分子量vを計算した。
【0027】
【数1】
【0028】
【実施例2】実施例1と全く同様の条件下でと4−ジメ
チルアミノピリジンの代わりに4−(4−メチル−ピペ
リジニン)ピリジン3.5mg(2×10−5モル)を
加え、さらにp−メトキシフェニル酢酸リチウム1.7
mg(1×10−5モル)を加え、窒素下、2時間撹拌
後、実施例1と同様の方法重縮合反応を行い無色透明の
ポリカーボネートを得た。粘度平均分子量を測定すると
v=27,000であった。また、ガラス転移温度は
150℃であった。
【0029】
【実施例3】2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン11.4g(50モル%),2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3−ターシャリブチルフェニル)プロパ
ン17.0g(50モル%),4−ジメチルアミノピリ
ジン0.0122g(1×10−4モル)とフェニル酢
酸リチウム1.4mg(1×10−5モル)を窒素下、
2時間撹拌後、実施例1と同様の方法で重縮合反応を行
い無色透明のポリカーボネートを得た。このポリカーボ
ネートの粘度平均分子量v=24,500,ガラス転
移温度は128℃であった。
【0030】
【比較例】実施例3と全く同条件下で4−ジメチルアミ
ノピリジンの代わりにピリジンを用い、さらに酢酸リチ
ウム0.00066g(1×10−5モル)を加えて同
様の処理を行ったが、得られたポリカーボネートの粘度
平均分子量v=6,000であり、ポリカーボネート
としての形態は成しているものの実用には適していない
低分子量であった。
【0031】
【発明の効果】塩基性窒素化合物及びべンジルカルボア
ニオン生成化合物から選択された触媒として用いること
により毒性のホスゲンを用いずに実質的に塩素イオンを
含まない高分子量で無色透明なポリカーボネートを得る
ことができた。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基性窒素化合物から選択された触媒及び
    化学式1で示されるベンジルカルボアニオン生成化合物
    から選択された触媒の存在下で2価フェノールと炭酸ジ
    エステルとを重縮合させることを特徴とするポリカーボ
    ネートの製造法。 【化1】 (Rは水素又は炭素数1〜5のアルコキシル基又はニ
    トロ基、R,Rは水素又は炭素数1〜5のアルキル
    基又はフェニル基、Mはアルカリ金属原子又はアルカリ
    土類金属原子)
  2. 【請求項2】2価フェノールが化学式2、化学式3、化
    学式4、化学式5で表され る請求項1記載のポリカー
    ボネートの製造法。 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 (R,R,R,Rは水素又は炭素数1〜8の直
    鎖又は枝分れを含むアルキル基、又はフェニル基であり
    Xはハロゲン原子でn=0〜4,m=1〜4)
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2記載のポリカーボネ
    ート共重合体の製造法。
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