JP2999158B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

パワーステアリング装置

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JP2999158B2 JP12766597A JP12766597A JP2999158B2 JP 2999158 B2 JP2999158 B2 JP 2999158B2 JP 12766597 A JP12766597 A JP 12766597A JP 12766597 A JP12766597 A JP 12766597A JP 2999158 B2 JP2999158 B2 JP 2999158B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、四輪車等の車両の
操舵時に補助操舵力を与えるパワーステアリング装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のパワーステアリング装置として
は、例えば図5に示すようなものが提案されている。こ
の図5に示すパワーステアリング装置は、特開平9−8
4300号公報に記載されたものであって、上記補助操
舵力を発生する駆動装置(電動機)1の出力軸2と、車
両の操舵装置に連結される入力軸3とが、トルクリミッ
タ4を介して連結された構成とされており、このトルク
リミッタ4はさらに、上記出力軸2と一体に回転駆動す
るように固定された有底円筒状のリミットカバー(ケー
ス)5と、このリミットカバー5の開口部から外周部に
かけてを覆う同じく有底円筒状のカバー6と、上記リミ
ットカバー5に対して相対回転可能に配置されて上記入
力軸3に連結されるリミットプレート(ボス)7と、上
記リミットカバー5と一体に駆動するように上記カバー
6とリミットプレート7との間に押圧部材(スプリング
部材)8を介して配置され、かつ上記リミットプレート
7と相対回転可能とされた摩擦板9とを備えている。
【0003】ここで、上記カバー6は、リミットカバー
5内に上記リミットプレート7、押圧部材8、および摩
擦板9を収容した上でリミットカバー5に被せられ、そ
の開口部の周縁を内側にかしめることによって固定され
ており、このカバー6の底面に上記押圧部材8が当接す
ることにより、この押圧部材8による押圧力が支持され
るようになされている。しかるに、このように構成され
たパワーステアリング装置では、通常の動作時には、押
圧部材8の押圧力によってリミットカバー5および摩擦
板9とリミットプレート7との間に生じる摩擦力によ
り、駆動装置1から生じた操舵補助力が出力軸2からト
ルクリミッタ4を介して入力軸3に適切に伝達される一
方、操舵装置の車輪側から衝撃力が作用したりした場合
には、トルクリミッタ4のリミットカバー5および摩擦
板9とリミットプレート7との間に滑りが生じて衝撃ト
ルクが吸収されるので、駆動装置1の出力軸2に過大な
トルクが作用するのを防ぐことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
パワーステアリング装置のトルクリミッタ4では、上述
のようにリミットカバー5および摩擦板9とリミットプ
レート7との間に所定の摩擦力を生じさせるため、これ
らの部材同士の間に十分な接触面積を確保する必要があ
り、これに伴いトルクリミッタ4の外径がある程度の大
きさとなることが避けられない。しかしながら、出力軸
2や入力軸3と一体に回転されるトルクリミッタ4の外
径がこのように大きくなると、このトルクリミッタ4の
イナーシャ(慣性モーメント)も大きくなり、出入力軸
2,3を回転駆動するための駆動装置1の駆動力が増大
したり、出力軸2の回転に対する入力軸3の回転の速や
かな追従性が損なわれたりするという問題が生じる。そ
して、特に上記従来のパワーステアリング装置では、上
記カバー6がリミットカバー5の外周部を覆うように配
置されているため、トルクリミッタ4の外径はさらに大
きくなり、これに伴ってイナーシャも大きくなるので、
上記問題がより顕著となるおそれがあった。
【0005】また、このようなパワーステアリング装置
のトルクリミッタ4においては、上述したとおり通常の
動作時には操舵補助力が出力軸2から入力軸3に適切に
伝達され、かつ衝撃力が作用した際には衝撃トルクが確
実に吸収されるように、上記押圧部材8による押圧力を
厳密に設定して、リミットカバー5および摩擦板9とリ
ミットプレート7との間の摩擦力が所定の範囲となるよ
うにしなければならない。ところが、上記従来のパワー
ステアリング装置では、この押圧部材8による押圧力が
リミットカバー5を覆うカバー6によって支持されてお
り、このカバー6はその開口部がかしめられてリミット
カバー5に取り付けられているだけなので、かしめ具合
によって押圧部材8の支持位置にばらつきが生じる可能
性が高いとともに、かしめられたカバー6の開口部がス
プリングバックを生じて変形したりすることによりカバ
ー6がずれて押圧部材8の支持が不安定となるおそれも
あり、これらによって所定の摩擦力がリミットカバー5
および摩擦板9とリミットプレート7との間に与えられ
なくなってしまうという問題もあった。
【0006】本発明は、このような背景の下になされた
もので、トルクリミッタのイナーシャの低減を図ること
ができるとともに、押圧部材による押圧力を厳密に設定
することが可能なパワーステアリング装置を提供するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、駆動装置の
出力軸と操舵装置の入力軸とをトルクリミッタを介して
連結してなるパワーステアリング装置において、上記ト
ルクリミッタに、上記出力軸および入力軸の一方と一体
に回転可能とされた略有底円筒状のリミットカバーと、
上記出力軸および入力軸の他方と一体に回転可能とされ
て上記リミットカバー内に収容されるリミットプレート
と、このリミットプレートを上記リミットカバーの底面
側に押圧する押圧部材とを具備せしめ、この押圧部材
を、上記リミットカバーの内周部に形成された凹部によ
り支持することを特徴とするものである。
【0008】しかるに、このように構成されたパワース
テアリング装置では、リミットカバーの内周部に形成さ
れた凹部によって上記押圧部材が支持されるので、上述
した従来のパワーステアリング装置のように押圧部材8
を支持するのにカバー6を設ける必要がなく、従ってト
ルクリミッタの外径がリミットカバーの外径よりも大き
くなるのを避けることができて、イナーシャの低減が図
られる。また、こうしてリミットカバーに形成される凹
部では、従来の開口部をかしめてリミットカバー5に取
り付けられるカバー6のようにかしめ具合によって押圧
部材の支持位置がばらついたり、スプリングバックによ
る変形等によってずれて押圧部材の支持が不安定となっ
たりすることがなく、押圧部材のリミットカバー内にお
ける位置を正確に位置決めすることができ、その押圧力
を容易かつ厳密に所定の大きさに設定することが可能と
なる。
【0009】ここで、上記凹部に、上記リミットカバー
の内周部よりも内径の小さなリング状部材を取り付け、
上記押圧部材を、このリング状部材を介して支持するこ
とにより、例えば押圧部材に上記凹部に係合する係止片
などを設けて、直接的に押圧部材を凹部により支持する
のに比べ、リミットプレートをより安定的に押圧するこ
とが可能となる。また、特にこの場合、上記凹部をリミ
ットカバーの内周部に環状に形成するとともに、上記リ
ング状部材を、縮径した状態で上記溝に嵌め込まれて拡
径する方向に付勢されるCリングとすることにより、こ
のCリングが拡径する付勢力によってリング状部材の取
付強度を向上させることができ、押圧部材を一層正確に
位置決めするとともに、さらに安定して支持することが
可能となる。
【0010】一方、上記出力軸および入力軸の一方と、
上記リミットプレートとを、メタルブッシュを介して同
軸かつ相対回転可能に連結することにより、このリミッ
トプレートに一体回転可能とされる上記出力軸および入
力軸の他方を、出力軸および入力軸の上記一方と同軸に
配置することができ、すなわち出力軸と入力軸との同軸
性を確保することが可能となる。さらに、上記リミット
カバーの底面に、この底面に対して一段隆起する凸部を
形成することにより、上記押圧部材によってこの底面側
に押圧される上記リミットプレート等との接触面を所定
の精度に成形する際、この凸部の上面を仕上げ加工する
ことで接触の安定性を確保することができ、上記底面全
体を所定の精度に仕上げる場合に比べて効率的である。
【0011】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は、本発明の第1
の実施形態を示すものである。本実施形態において駆動
装置10は、ブラケット11、ヨーク12、電機子1
3、コイル14、コア15、磁石16、整流子17、ブ
ラシ18、ベアリング19、および出力軸20を備えた
公知の電動機であり、この出力軸20が、図示されない
車両等の操舵装置の入力軸21に、トルクリミッタ22
を介して同軸に連結されている。そして、さらにこのト
ルクリミッタ22は、上記出力軸20と一体に回転可能
に取り付けられるリミットカバー23と、上記入力軸2
1に一体に回転可能に取り付けられるリミットプレート
24と、このリミットプレート24を、一対のカバーデ
ィスク(摩擦板)25A,25Bを介してリミットカバ
ー23に押圧してその摩擦力により一体に回転せしめる
押圧部材26とを備えている。
【0012】上記出力軸20は、駆動装置10の上記ブ
ラケット11から突出するその先端部が、先端側に向け
て1段縮径する段状に形成されており、このうち後端側
の大径部20Aの外周には、該出力軸20の軸線O方向
に延びる多数のセレーション溝27…が形成されてい
る。一方、上記リミットカバー23は、本実施形態では
アルミニウム等の軽量な金属材料から略有底円筒状に形
成されていて、その底板部23Aの中央には該リミット
カバー23の中心軸に沿って取付孔23Bが形成されて
いる。そして、この取付孔23Bに上記出力軸20の大
径部20Aが圧入されることにより、該リミットカバー
23は、上記セレーション溝27…がリミットカバー2
3の取付孔23Bの内壁に食い込み、かつリミットカバ
ー23の底面23Cから上記出力軸20の小径部20B
が突出した状態で、上述のように出力軸20に同軸かつ
一体回転可能に固定される。
【0013】なお、このリミットカバー23の円筒部2
3Dの内周には、その開口部側に上記中心軸を中心とし
た環状溝28が形成されていて、本実施形態における凹
部とされている。また、この円筒部23Dの内周には、
上記中心軸方向に延びる複数の係合凹部29…が周方向
に等間隔に形成されており、これらの係合凹部29…の
上記底面23C側は、上記底板部23Aを貫通するよう
に形成されている。
【0014】また、上記リミットプレート24は、円筒
状の取付部24Aの一端に円環板状のフランジ部24B
が形成されて構成されており、上記取付部24Aの内周
は、上記フランジ部24B側が大径部30Aとされると
ともに反対側が小径部30Bとされた多段状の取付孔3
0とされていて、このうち上記大径部30Aには、円筒
状のメタルブッシュ(焼結軸受)31が圧入されて取り
付けられている。そして、このリミットプレート24
は、上記リミットカバー23の底面23Cから突出する
出力軸20の上記小径部20Bが上記メタルブッシュ3
1内に挿入されることにより、この出力軸20に同軸に
リミットカバー23内に収容されるとともに、出力軸2
0およびリミットカバー23に対して上記軸線O回りに
相対的に回動自在、かつ該軸線O方向に進退可能とされ
ている。
【0015】さらに、このリミットプレート24の取付
孔30の上記小径部30Bには、該リミットプレート2
4の中心軸方向、すなわち上記軸線O方向に延びる多数
のスプライン溝32…が周方向に等間隔に形成されてい
る。一方、上記入力軸21の端部には、これらのスプラ
イン溝32…に噛み合う多数のセレーション21A…
が、それぞれ入力軸21の軸線X方向に延びるように形
成されていて、リミットプレート24は、入力軸21が
このセレーション21A…を上記スプライン溝32…に
噛み合わせて上記取付孔30の小径部30Bに挿入され
ることにより、上述のように入力軸21と同軸に上記軸
線X回りに一体に回転可能に、かつ該軸線X方向には入
力軸21に対して進退自在に、この入力軸21に取り付
けられている。
【0016】一方、上記一対のカバーディスク25A,
25Bはいずれも、外径がリミットカバー23の円筒部
23D内周に嵌挿可能な大きさとされた略円環板状に形
成されるとともに、その外周部には上記係合凹部29…
に装入可能な係合凸部25C…が突設されている。しか
るに、これらの係合凸部25C…が上記係合凹部29…
に係合することにより、該カバーディスク25A,25
Bは、リミットカバー23と一体に回転可能、かつ上記
軸線O方向に進退自在に該リミットカバー23内に収容
される。
【0017】また、これらのカバーディスク25A,2
5Bは、一方のカバーディスク25Aが上記リミットカ
バー23の底面23Cに密着してリミットプレート24
との間に介装されるとともに、他方のカバーディスク2
5Bがリミットプレート24のフランジ部24Bよりも
リミットカバー23の開口部側に位置して、このフラン
ジ部24Bを上記軸線O方向に挟み込むように配置され
ている。なお、カバーディスク25A,25Bの対向す
る端面には、例えば繊維質とフェノール樹脂等の混合材
を圧縮加工成形して成る円環状のフェーシング材33…
が、互いに密着可能にそれぞれ貼り付けられている。な
お、フェーシング材33…は断面矩形のリング体により
構成され、リミットプレート24のフランジ部24Bに
密着する面には4箇所の半径方向の溝33aが設けら
れ、その溝33aの深さはフェーシング材33の厚みの
略半分となっている。この溝33aは、フェーシング材
33の摩耗粉の逃げ溝としての作用を持つものであり、
溝33a…によりフェーシング材33が4つに分割され
ていないのは、一体に成形できてカバーディスク25
A,25Bへの貼り付けも容易となるからである。
【0018】そして、リミットカバー23の開口部側に
形成された上記環状溝28には、本実施形態におけるリ
ング状部材としてCリング34が嵌め込まれており、さ
らにこのCリング34とリミットカバー23の開口部側
に配置される上記他方のカバーディスク25Bとの間に
は、本実施形態における上記押圧部材26として、皿バ
ネが圧縮された状態で介装されている。
【0019】ここで、本実施形態における上記Cリング
34としては、例えばJIS B 2804に規定される
穴用止め輪やJIS B 2806に規定される穴用同心
止め輪等のC形止め輪が用いられており、その内径は図
3に示すようにリミットカバー23の上記円筒部23D
の内径よりも小さくされていて、このようなCリング3
4が、僅かに縮径された状態で上記環状溝28に嵌め込
まれることにより、その弾性によって拡径する方向に付
勢されてリミットカバー23内に固定される。また、上
記押圧部材26とされる皿バネは、リミットカバー23
の円筒部23D内周に緩挿可能な扁平した円錐環状に形
成されていて、その外周縁を上記Cリング34に当接さ
せるとともに、内周縁を上記他方のカバーディスク25
Bに当接させて介装されており、この皿バネの弾性に基
づく押圧力によってカバーディスク25A,25Bおよ
びリミットプレート24はリミットカバー23の底面2
3C側に押圧されている。
【0020】しかるに、このように構成されたトルクリ
ミッタ22を備えた本実施形態のパワーステアリング装
置では、上記押圧部材26が、上記Cリング34を介し
て、リミットカバー23の内周部に形成された環状溝2
8に係止されて支持されており、従来のリミットカバー
外周を覆うカバーによって押圧部材を支持するパワース
テアリング装置のように、トルクリミッタ22の外径が
リミットカバー23の外径よりも大きくなることがな
い。従って、本実施形態によれば、当該トルクリミッタ
22のイナーシャの低減を図ることができ、これにより
出入力軸20,21を回転駆動するための駆動装置10
の駆動力を軽減させることができるとともに、通常の操
舵時において、出力軸20の回転に対して入力軸21を
速やかに追従させ、高い操舵応答性を得ることが可能と
なる。
【0021】なお、本実施形態では、当該トルクリミッ
タ22の外周部を形成する上記リミットカバー23がア
ルミニウム等の軽量材料から成形されており、しかもカ
バーディスク25A,25Bの係合凸部25C…に係合
する係合凹部29…が、リミットカバー23の底板部2
3Aを貫通するように形成されて、この底板部23Aが
肉抜きされることとなるので、リミットカバー23を大
幅に軽量化することができ、これによってもトルクリミ
ッタ22のイナーシャの低減を図ることができる。ま
た、かかるアルミニウム等の軽量材料は、一般的に電動
機等の駆動装置10の出力軸20の材質となる鋼材に比
べて軟質であるので、このような材料によってリミット
カバー23を形成することにより、このリミットカバー
23の取付孔23Bに上記出力軸20の大径部20Aを
圧入する際のかじり等を防止できるとともに、圧入荷重
を抑えて駆動装置10のベアリング19等への負担を軽
減することができるといった利点も得られる。
【0022】また、本実施形態における凹部として形成
された上記環状溝28は、リミットカバー23の内周部
に直接に形成されるものであるから、該リミットカバー
23に対して精度よく所定の位置に形成することがで
き、従来のパワーステアリング装置の上記カバー6のよ
うに、かしめ具合によってその位置にばらつきを生じた
り、スプリングバックによる変形等によってその位置に
ずれが生じたりすることはない。そして、本実施形態で
は、このような環状溝28に、Cリング34を介して押
圧部材26が係止されているので、この押圧部材26を
リミットカバー23内において正確に位置決めして支持
することができる。
【0023】従って、本実施形態によれば、押圧部材2
6がカバーディスク25A,25Bを介してリミットプ
レート24を押圧する押圧力を、厳密に所定の大きさに
設定することができ、これにより、通常の操舵時におい
ては、この押圧力による摩擦によって出力軸20と入力
軸21とを安定して一体回転させることができる。一
方、操舵装置の車輪側から衝撃力が作用したりした場合
には、リミットプレート24とカバーディスク25A,
25Bとの間に確実に滑りを生じさせて衝撃トルクを吸
収することができ、リミットカバー23を介して出力軸
20に過大なトルクが作用するのを防止することが可能
となる。
【0024】ところで、本実施形態ではこのように環状
溝28にリング状部材としてCリング34を嵌装し、こ
のCリング34を介して押圧部材26を係止して支持し
ているが、例えばこの押圧部材26としての皿バネの外
周部に、上記環状溝28に係合可能な複数の係止片を突
出するように形成するなどして、上記押圧部材26を凹
部としての環状溝28に直接的に支持せしめることも可
能である。しかるに、このような構成を採った場合に
は、Cリング34が不要となるため、部品数の削減を図
ることができるといった利点が得られる。
【0025】しかしながら、その一方で、このように押
圧部材26に係止片を形成して直接的に凹部により支持
せしめた場合には、この係止片が形成された部分とそう
でない部分とで押圧部材26のバネ係数に僅かな差が生
じ、これに伴い押圧部材26による押圧力も部分的に不
均一となるおそれが生じる。そこで、本実施形態では、
このように押圧部材26を環状溝28に直接係止するこ
となく、リング状部材としてのCリング34を介して支
持するようにしているのであり、これにより上述のよう
な押圧力の不均一が生じるのを防いで、さらに安定した
リミットプレート24の押圧を可能としている。
【0026】しかも、本実施形態では、上述のようにリ
ング状部材としてC形止め輪等のCリング34が用いら
れており、このCリング34が、リミットカバー23の
円筒部23Dの内周に形成された環状溝28に縮径した
状態で嵌め込まれ、その弾性によって拡径する方向に付
勢されて固定されている。従って、このCリング34が
拡径方向に付勢されて環状溝28に押し付けられる力に
よって、Cリング34を強固にリミットカバー23内に
取り付けることが可能となるので、本実施形態によれば
押圧部材26をより安定して支持することができ、これ
によりこの押圧部材26による押圧力をさらに厳密に設
定し得て、一層確実に出力軸20と入力軸21との断続
を図ることが可能となる。なお、このようなCリング3
4に代えて、例えば上記円筒部23D内に装入可能な円
環平板の外周部に上記環状溝28に係合可能な複数の係
止片を突出するように形成したリング状部材を用いて、
押圧部材26を支持するようにしてもよい。
【0027】一方、本実施形態では、操舵装置側の入力
軸21とその軸線X回りに同軸に一体回転されるリミッ
トプレート24にメタルブッシュ31が取り付けられる
とともに、このメタルブッシュ31には、リミットカバ
ー23の底面23Cから突出した駆動装置10の出力軸
20先端の小径部20Bが挿入されており、これによっ
てリミットプレート24はこの出力軸20の軸線Oに同
軸に位置決めされる。従って、本実施形態によれば、結
果的に出力軸20と入力軸21とがリミットプレート2
4を介して互いの軸線O,Xを同軸として配置されるこ
ととなり、すなわちトルクリミッタ22の組付けに伴っ
て出力軸20と入力軸21との同軸性が自ずと確保され
るので、このように出入力軸20,21を同軸に配置す
るための調芯工程を大幅に簡略化することができ、しか
も高い同軸性を得ることが可能となる。
【0028】なお、本実施形態ではこのようにリミット
プレート24にメタルブッシュ31を取り付けて出力軸
20を挿入し、出力軸20と入力軸21とをこのリミッ
トプレート24を介して同軸となるようにしているが、
こうした出力軸20とリミットプレート24とを同軸か
つ相対回転可能に連結するといった構成を採らずに、組
付け時の調芯工程によって出入力軸20,21の同軸性
を確保するようにしても、勿論構わない。ただし、その
ような場合には、操舵装置の入力軸21側からグリス等
がリミットカバー23内に侵入するのを防ぐため、リミ
ットプレート24の取付孔30の大径部30A側は閉塞
されるのが望ましい。
【0029】また、本実施形態では、リミットカバー2
3内に、リミットプレート24の上記フランジ部24B
を挟むようにして一対のカバーディスク25A,25B
が配置されている。そして、特にリミットカバー23の
底面23C側にカバーディスク25Aを介装することに
より、押圧部材26によって押圧されたリミットプレー
ト24が密着する上記底面23C側の面の平面度を確保
して、上記押圧力により均一な摩擦力が発生するように
図られている。
【0030】ただし、このような構成を採らずとも、上
記リミットカバー23の底面23C自体に十分な平面度
を確保することができるなら、この底面23C側の一方
のカバーディスク25Aは省略することも可能であり、
これによってこのカバーディスク25A分だけトルクリ
ミッタ22が軽量化されるので、一層のイナーシャ軽減
を促すことができる。なお、上記フランジ部24Bと押
圧部材26との間に介装される他方のカバーディスク2
5Bについては、これを省略しようとすると、押圧部材
26が直接リミットプレート24に接触することにな
り、リミットプレート24とリミットカバー23との間
に滑りが生じた際に、押圧力が均一とならないことで摩
擦力が安定しなくなったり、押圧部材26が摩耗して押
圧力に変化を来したりするおそれがあり、好ましくな
い。
【0031】ところで、上述のようにリミットカバー2
3の底面23C側のカバーディスク25Aを省略する場
合でも、リミットカバー23の大きさ等によっては、こ
の底面23C全体を所定の平面度に仕上げるのに多大な
労力と時間とを要して、非効率的となるおそれがある。
そこで、そのような場合には、図4にトルクリミッタ2
2部分の断面を示す本発明の第2の実施形態のように、
上記リミットカバー23の底面23Cに、この底面23
Cに対して該リミットカバー23の開口部側に一段隆起
する凸部41を環状に形成し、この凸部41の上面41
Aにフェーシング材33を貼り付けて、リミットプレー
ト24のフランジ部24Bが密着するようにしてもよ
い。ただし、この図4に示す第2の実施形態において、
図1ないし図3に示した第1の実施形態と共通する部分
には、同一の符号を配して説明を省略してある。
【0032】しかるに、このように構成された第2の実
施形態のパワーステアリング装置によれば、押圧部材2
6によって押圧されたリミットプレート24のフランジ
24Bは、上述のように上記凸部41の上面41Aに貼
り付けられたフェーシング材33に密着することとなる
ので、リミットカバー23の底面23C側にカバーディ
スク25Aを用いなくとも、この凸部41の上面41A
だけを所定の平面度となるように仕上げ加工すればよ
く、底面23C全体を仕上げるのに比べて、時間および
労力を削減して効率化を図りつつも、リミットプレート
24とリミットカバー23とを確実に密着させて、均一
な摩擦力を発生させることが可能となる。なお、このよ
うにリミットカバー23の底面23Cに凸部41を形成
することなく、この底面23Cに上述したようなフェー
シング材を直接貼り付け、このフェーシング材の上面に
リミットプレート24を密着させることにより、同様の
効果を得るようにしてもよい。
【0033】さらに、上記第1の実施形態においては、
カバーディスク25A,25Bの対向する端面に上記フ
ェーシング材33…を貼り付けているが、これをリミッ
トプレート24のフランジ部24Bの表裏面に貼り付け
るようにしてもよく、また上記第2の実施形態を含め
て、フランジ部24Bとカバーディスク25A,25B
あるいはリミットカバー23の底面23Cとの間に十分
な摩擦力が確保できるなら、これらの間にフェーシング
材を設けないようにしてもよい。さらにまた、上記第
1、第2の実施形態では、駆動装置10の出力軸20に
トルクリミッタ22のリミットカバー23を一体回転可
能に設けるとともに、操舵装置の入力軸21にリミット
プレート24を一体回転可能に連結しているが、これと
は逆に、出力軸20にリミットプレート24を、また入
力軸21にリミットカバー23を、それぞれ一体回転可
能に取り付けるようにしてもよい。
【0034】一方、上記実施形態では、リミットカバー
23の円筒部23Dの内周に係合凹部29…を形成する
とともに、カバーディスク25A,25Bの外周には係
合凸部25C…を突設し、この係合凹部29…に係合凸
部25C…を係合させることにより、カバーディスク2
5A,25Bをリミットカバー23に対して一体回転可
能、かつリミットカバー23の中心軸方向に相対的に進
退自在としているが、これらカバーディスク25A,2
5Bとリミットカバー23との係合が、このようなもの
に限定されることはない。
【0035】例えば、上記とは逆に、カバーディスク2
5A,25Bの外周に係合凹部を形成するとともに、リ
ミットカバー23の円筒部23D内周には、この係合凹
部が係合可能な突条を上記中心軸方向に形成するように
してもよく、またリミットカバー23の上記円筒部23
Dの内周を断面正多角形状に形成するとともに、カバー
ディスク25A,25Bの平面形状を、この正多角形に
内接する円の外周に、該多角形の1ないし複数の角部に
係合する係合凸部が形成された形状とするようにしても
よい。しかるに、このうち特に前者の構成によれば、上
記実施形態の構成に対してリミットカバー23の円筒部
23Dの肉厚を薄くすることができるので、トルクリミ
ッタ22のイナーシャのさらなる低減を図ることができ
るといった利点が得られる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
トルクリミッタのリミットカバー内周部に形成された凹
部によって押圧部材が支持されているので、このリミッ
トカバーの外径をトルクリミッタの外径として、当該ト
ルクリミッタのイナーシャ低減を図ることができ、これ
により駆動装置の駆動力を軽減させることができるとと
もに、出力軸に対して入力軸を速やかに追従させて操舵
応答性を向上させることが可能となる。また、押圧部材
をリミットカバーに対して正確に位置決めすることがで
きるので、その押圧力を容易かつ厳密に所定の大きさに
設定することが可能となり、通常の操舵時には出入力軸
を安定して連動させることができる一方、操舵装置側に
衝撃力が作用したりした場合には、より確実に滑りを生
じさせて衝撃トルクが伝達されるのを防止することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す断面図であ
る。
【図2】 図1に示す実施形態のトルクリミッタ22部
分の拡大断面図である。
【図3】 図2に示すトルクリミッタ22部分を入力軸
21側から見た正面図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態を示す拡大断面図で
ある。
【図5】 従来のパワーステアリング装置を示す断面図
である。
【符号の説明】
10 駆動装置 20 出力軸 21 入力軸 22 トルクリミッタ 23 リミットカバー 23C リミットカバー23の底面 24 リミットプレート 25A,25B カバーディスク 26 押圧部材 28 環状溝(凹部) 31 メタルブッシュ 34 Cリング(リング状部材) 41 凸部 O 出力軸20の軸線 X 入力軸21の軸線

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動装置の出力軸と操舵装置の入力軸と
    をトルクリミッタを介して連結してなるパワーステアリ
    ング装置において、上記トルクリミッタは、上記出力軸
    および入力軸の一方と一体に回転可能とされた略有底円
    筒状のリミットカバーと、上記出力軸および入力軸の他
    方と一体に回転可能とされて上記リミットカバー内に収
    容されるリミットプレートと、このリミットプレートを
    上記リミットカバーの底面側に押圧する押圧部材とを備
    え、この押圧部材が、上記リミットカバーの内周部に形
    成された凹部により支持されていることを特徴とするパ
    ワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 上記凹部には、上記リミットカバーの内
    周部よりも内径の小さなリング状部材が取り付けられて
    おり、上記押圧部材は、このリング状部材を介して支持
    されていることを特徴とする請求項1に記載のパワース
    テアリング装置。
  3. 【請求項3】 上記凹部は、上記リミットカバーの内周
    部に環状に形成されるとともに、上記リング状部材は、
    縮径した状態で上記溝に嵌め込まれて拡径する方向に付
    勢されるCリングであることを特徴とする請求項2に記
    載のパワーステアリング装置。
  4. 【請求項4】 上記出力軸および入力軸の一方と、上記
    リミットプレートとは、メタルブッシュを介して同軸か
    つ相対回転可能に連結されていることを特徴とする請求
    項1ないし請求項3のいずれかに記載のパワーステアリ
    ング装置。
  5. 【請求項5】 上記リミットカバーの底面には、この底
    面に対して一段隆起する凸部が形成されていることを特
    徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のパ
    ワーステアリング装置。
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