JP2998924B2 - 内面被覆銅又は銅合金管及びその製造方法 - Google Patents

内面被覆銅又は銅合金管及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は給水・給湯用建築管
あるいはファンコイルユニットなどの空調用配管等とし
て用いられる内面錫めっき銅又は銅合金管及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、給水・給湯用配管あるいは空調用
配管としては加工性、ろう付性などの点からりん脱酸銅
管(JIS H3300 C1220T)が使用されて
いた。しかし、りん脱酸銅管は給水・給湯用配管の用途
では銅イオンが水中に溶出するため、これを抑制すると
の観点から内面に錫被覆を施す技術が考案された(特開
平4−45282号公報参照)。この技術は銅管内面に
無電解錫めっき液を流通することによりめっきを行うも
のであるので、管径に対して長尺な管でも適用でき、銅
イオン溶出防止効果に極めて優れているため非常に有意
義な技術といえる。
【0003】ところが、この技術には被覆層である錫の
耐食性についての問題があり、流水中に錫層が腐食を受
け、管の地肌が露出するといったことが生じる場合があ
った。 これに対応するため、さらに錫めっき表面に酸
化膜を形成させる技術(特開平4−99180号公報)
や、錫層を合金化する技術(特開平4−131384号
公報)などが考案され、多少の改善がなされたものの、
その効果は十分でなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点に鑑みてなされたもので、銅又は銅合金管内面の錫
めっき層の耐食性を一層向上させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題に沿って本発明
者が種々研究を行った結果、銅又は銅合金管内面に被覆
した錫めっき層の耐食性は、該錫めっき層の表面粗度あ
るいは表面粗度と膜厚の相互関係に大きく依存すること
を知見し、その錫めっき層表面粗度と膜厚をコントロー
ルすることにより、耐食性を格段に向上させた内面錫め
っき銅又は銅合金管を得るに至った。
【0006】すなわち、本発明に関わる内面被覆銅又は
銅合金管は、内面に被覆層として錫めっき層を有する銅
又は銅合金管において、そのめっき層の表面粗度がRa
(中心線平均粗さ)≦0.8μmであることを特徴とす
る。あるいは、そのめっき層の表面粗度Raとめっき層
厚さの比(Ra/めっき層厚さ)が1.5以下であるこ
とを特徴とする。なお、本発明において中心線平均粗さ
Raの定義はJISB 0601に準じる。
【0007】錫めっき層の耐食性はその表面に形成され
る安定した酸化皮膜によるものであり、Ra≦0.8μ
mあるいはRaとめっき層厚さの比(Ra/めっき層厚
さ)が1.5以下のとき、安定した錫酸化膜が均一に形
成される。逆にいえば、Ra>0.8μmでかつ(Ra
/めっき層厚さ)が1.5をこえると安定した錫酸化膜
が均一に形成されない。なお、前記特開平4−4528
2号公報で無電解錫めっきにより形成された錫めっき層
が耐食性に劣るのは、めっき表面の粗度がコントロール
されておらず、Ra>0.8μmかつRaと膜厚の比
(Ra/めっき層厚さ)が1.5をこえる箇所があり、
その部位で錫めっき層が腐食を受けたためと考えられ
る。
【0008】また、本発明に関わる内面被覆銅又は銅合
金管の製造方法は、上記要件を備えた銅又は銅合金管を
得るためのもので、銅又は銅合金管の端部から錫めっき
液を流通させてめっきを行い、内面被覆銅又は銅合金管
を製造する方法において、内表面粗度がRa≦0.8μ
mの銅又は銅合金管に80℃以下でめっき液を0.05
〜2.5m/sの速度で流通させることによりめっきす
ることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明方法には特に無電解Snめ
っきが好適に適用される。また、本発明において無電解
めっきは化学めっきと置換めっきの双方を意味する。錫
めっきの膜厚のコントロールはめっき液の温度とめっき
時間でコントロールできるが、錫めっき層のRaをコン
トロールするには母材(銅又は銅合金管自体)の内表面
粗度Ra、めっき温度、めっき液流通速度の管理が重要
である。Raを0.8μm以下にする、又はRaと膜厚
の比(Ra/めっき層厚さ)を1.5以下にするために
は母材の内表面粗度をRa≦0.8μmとしなければな
らず、めっき温度は80℃以下でなければならず、さら
にめっき液流通速度は0.05〜2.5m/sでなけれ
ばならない。
【0010】80℃を超えるめっき温度でめっきした
り、めっき液流通速度が2.5m/sを超えるとRaが
大きくなる傾向にあるため、Raを0.8μm以下又は
Raと膜厚の比(Ra/めっき層厚さ)を1.5以下に
コントロールするのが難しい。従って、めっきの温度は
80℃以下、流通速度は2.5m/s以下が必須とな
る。しかし、めっき速度は温度が高いほうが速いため工
業的に考えると30℃以上でのめっきが望ましい。一
方、流通速度が0.05m/s未満になるとSnの供給
量が少なくなり、めっきムラが生じる場合があるため
0.05m/s以上でのめっきが必須となる。
【0011】
【実施例】りん脱酸銅管(JIS H3300 C12
20T、外径15.88mm、肉厚0.71mm、長さ
4000mm)の内表面Raを変えた材料に、表1に示
す無電解めっき液を流通し供試材を作製した。各供試材
のRa、めっき条件及びめっき後特性を表2に示す。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】これらの供試材を用いジェット試験及び通
水試験を行った。ジェット試験及び通水試験の評価方法
を以下に示す。 <ジェット試験>表2に示す供試材から長さ60mmの
半割管を切り出し試験材とした。この試験材に、福岡県
北九州市の水道水にCl-を80ppm加えた60℃の
水中で、これと同じ水で直径2mm、流速10m/sの
ジェット水流をめっき面に垂直に180日間噴射して腐
食(潰食)の発生状況を調べた。 <通水試験>表2に示す材料から長さ500mmの管を
切り出し試験管とした。これらの試験管を直列に接続し
て、その管内に福岡県北九州市の水道水にCl-を50
ppm加えた水を流速1.0m/sで300日間連続通
水を行った。試験後各供試管を半割し、Sn皮膜が腐食
して剥離し母材が露出している状況を観察するため、画
像解析装置で剥離率を調べた。
【0015】めっき後の外観、ジェット試験結果、通水
試験結果を表3に示す。
【0016】
【表3】
【0017】表3に示すように、めっき後のRaが0.
8μm以下又はRaと膜厚の比(Ra/めっき層厚さ)
が1.5以下で均一にめっきされた実施例1〜6では、
ジェット試験においても腐食は認められず、通水試験に
おいてもSn層が腐食して剥離するといったことは見ら
れなかった。一方、母材のRa、流速、めっき温度が所
定の条件でない比較例7、8、10はいずれもめっき後
のRaが0.8を超えかつRaと膜厚の比(Ra/めっ
き層厚さ)が1.5を超えているため、ジェット試験で
はSn層が剥離したあと母材の腐食が進行しており、通
水試験ではSnの腐食によるSn皮膜の剥離が認められ
る。また比較例9は流速が所定の条件より遅いため、め
っきムラが発生しておりめっきムラの部分で腐食や剥離
が生じている。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、内面被覆銅又は銅合金
管の錫めっき表面層の粗度と膜厚をコントロールするこ
とにより、耐食性の優れた内面被覆銅又は銅合金管を得
ることができ、内面被覆銅又は銅合金管の信頼性と寿命
を格段に向上させることができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に被覆層として錫めっき層を有する
    銅又は銅合金管において、そのめっき層の表面粗度がR
    a(中心線平均粗さ、以下同じ)≦0.8μmであるこ
    とを特徴とする内面被覆銅又は銅合金管。
  2. 【請求項2】 内面に被覆層として錫めっき層を有する
    銅又は銅合金管において、そのめっき層の表面粗度Ra
    とめっき層厚さの比(Ra/めっき層厚さ)が1.5以
    下であることを特徴とする内面被覆銅又は銅合金管。
  3. 【請求項3】 銅又は銅合金管の端部から錫めっき液を
    流通させてめっきを行い内面被覆銅又は銅合金管を製造
    する方法において、内表面粗度がRa≦0.8μmの銅
    又は銅合金管に80℃以下でめっき液を0.05〜2.
    5m/sの速度で流通させることによりめっきすること
    を特徴とする内面被覆銅又は銅合金管の製造方法。
JP11533996A 1996-04-11 1996-04-11 内面被覆銅又は銅合金管及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2998924B2 (ja)

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