JP2001247923A - 耐孔食性銅基合金管材 - Google Patents

耐孔食性銅基合金管材

Info

Publication number
JP2001247923A
JP2001247923A JP2000062531A JP2000062531A JP2001247923A JP 2001247923 A JP2001247923 A JP 2001247923A JP 2000062531 A JP2000062531 A JP 2000062531A JP 2000062531 A JP2000062531 A JP 2000062531A JP 2001247923 A JP2001247923 A JP 2001247923A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
copper
pitting
pipe
tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000062531A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4387027B2 (ja
JP2001247923A5 (ja
Inventor
Shinji Tanaka
真次 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SANBO COPPER ALLOY CO Ltd
Original Assignee
SANBO COPPER ALLOY CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SANBO COPPER ALLOY CO Ltd filed Critical SANBO COPPER ALLOY CO Ltd
Priority to JP2000062531A priority Critical patent/JP4387027B2/ja
Publication of JP2001247923A publication Critical patent/JP2001247923A/ja
Publication of JP2001247923A5 publication Critical patent/JP2001247923A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4387027B2 publication Critical patent/JP4387027B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Cd等の有害物質を含有せず、燐脱酸銅製の
ものと同等の施工性,加工性を有し、耐孔食性に極めて
優れる銅基合金管材であって、給水配管,給湯配管,水
道配管等の構成材として好適に使用される耐孔食性銅基
合金管材を提供する。 【解決手段】 耐孔食性銅基合金管材は、亜鉛を0.1
〜2.0重量%含有し且つ残部が銅からなる金属組成を
なす。この管材は、非酸化性雰囲気中において600℃
〜1050℃、1分〜5時間の条件で熱処理を行なうこ
とにより、耐孔食性が飛躍的に向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給水配管,給湯配
管,水道配管等の構成材として好適に使用される耐孔食
性銅基合金管材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、建造物に設置される給水配管,
給湯配管,水道配管等としては、塩化ビニル管,ステン
レス管、鋼管等の他、耐食性に優れた銅基合金管が使用
されており、特に、燐脱酸銅管は耐食性に加えて施工
性,加工性にも優れるところから、この種の用途に最適
するものである。
【0003】しかし、燐脱酸銅管等の耐食性に優れた銅
基合金管を使用した給水器や給湯器においても、使用環
境によっては孔食による漏水事故が発生することがあ
り、深刻な問題となっている。かかる銅基合金管におけ
る孔食は主として水質に起因して生じ、低pHで遊離炭
酸を多く含む水を使用する場合や水中における硫酸イオ
ンと重炭酸イオンとの比が高く([SO4 2-]/[HC
3 -]>1)残留塩素濃度が高い場合に発生し易いとの
指摘がある。一般に、前者の場合に生じる孔食(以下
「I型孔食」という)には、孔食部分に炭酸カルシウム
(CaCO3)及び塩基性炭酸銅(Cu2(OH)2
3)からなる緑色の盛り上がりが生成し、孔食内部に
軟らかい亜酸化銅(Cu2O)及び塩化第1銅(CuC
l)が含まれ、孔食部分の開口度が大きいといった特徴
があり、後者の場合に生じる孔食(以下「II型孔食」と
いう)は、I型孔食と同様に孔食内部に亜酸化銅及び塩
化第1銅が含まれるものの、孔食部分に塩基性硫酸銅
(Cu4SO4(OH)6)からなる盛り上がりが生成
し、孔食部分の開口度がI型孔食の場合に比して狭いと
いった特徴を有する。
【0004】そこで、従来からも、孔食対策として、C
dを微量添加することにより耐孔食性を向上させた銅基
合金からなる耐孔食性銅基合金管や銅基合金管の内周面
に錫等のメッキを施した内面被覆銅管が提案されてい
る。しかし、Cd含有の耐孔食性銅基合金管は、Cdが
人体に有害な物質であることから、飲料水を扱う給水,
給湯等のための配管としては使用することができず、有
害物質の含有製品を抑制する傾向にある近時においては
実用し難い。一方、内面被覆銅管は、このような材質的
な問題は生じないものであり、メッキ層により銅イオン
の溶出抑制のみならず孔食に対しても十分な耐食性を有
するものであるが、熱交換器として組み立てる際の曲げ
加工や給湯,給水器の製作において、一般的に行われる
炉中ろう付け工程により、メッキによる耐孔食性を確保
しておくことが困難であり、孔食対策として万全を期し
難いものである。すなわち、内面被覆銅管の曲げ加工時
にその曲げ加工部分におけるメッキ層に剥離或いは亀裂
等の欠陥が生じることがあり、炉中ろう付け時において
メッキ層が溶融したり母材への拡散や固溶が生じること
があり、耐孔食性を発揮するに十分なメッキ層を確保し
ておくことが困難である。このような問題を解決するた
めには、熱交換器の組立後に当該銅基合金管の内周面に
メッキを施しておくことが必要となるが、このような組
立後にメッキ処理を行うことは、熱交換器の製造工程が
必要以上に複雑化し、製造コストも大幅に向上する。
【0005】したがって、従来にあっては、上述した如
く耐孔食性に問題はあるものの、有害物質を含まない点
及び施工性や加工性に優れる点から、給水配管,給湯配
管,水道配管等の構成材として燐脱酸銅製のものが多用
されているのが実情であり、耐孔食性に優れる銅基合金
管材の開発が強く要請されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
点に鑑みてなされたもので、Cd等の有害物質を含有せ
ず、燐脱酸銅製のものと同等の施工性,加工性を有し、
耐孔食性に極めて優れる銅基合金管材を提供することを
目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成すべく、次のような耐孔食性銅基合金管材を提案す
る。
【0008】すなわち、第1発明は、亜鉛を0.1〜
2.0重量%含有し且つ残部が銅からなる金属組成をな
す耐孔食性銅基合金管材(以下「A管材」という)を提
案する。
【0009】また、第2発明は、燐を0.05〜0.2
5重量%含有し且つ残部が銅からなる金属組成をなす耐
孔食性銅基合金管材(以下「B管材」という)を提案す
る。
【0010】また、第3発明は、A管材に更に燐を0.
01〜0.25重量%含有させた金属組成をなすもので
あって、亜鉛含有量(X重量%)と燐含有量(Y重量
%)との間に0.3≦X+6Y≦3.0の関係を有する
金属組成をなす耐孔食性銅基合金材を提案する。すなわ
ち、亜鉛含有量(X重量%)と燐含有量(Y重量%)と
が0.3≦X+6Y≦3.0の関係を有することを条件
として亜鉛0.1〜2.0重量%及び燐0.01〜0.
25重量%を含有し、且つ残部が銅からなる金属組成を
なす耐孔食性銅基合金管材(以下「C管材」という)を
提案する。
【0011】また、第4発明は、A管材、B管材又はC
管材に更にコバルト0.1〜0.5重量%及びニッケル
0.05〜0.5重量%から選択された1種あるいは2
種の元素を含有させた金属組成をなす耐孔食性銅基合金
管材を提案する。すなわち、亜鉛を0.1〜2.0重量
%含有すると共に、コバルト0.1〜0.5重量%及び
ニッケル0.05〜0.5重量%から選択された1種あ
るいは2種の元素を含有し、且つ残部が銅からなる金属
組成をなす耐孔食性銅基合金管材(以下「D管材」とい
う)と、燐を0.05〜0.25重量%を含有すると共
に、コバルト0.1〜0.5重量%及びニッケル0.0
5〜0.5重量%から選択された1種あるいは2種の元
素を含有し、且つ残部が銅からなる金属組成をなす耐孔
食性銅基合金管材(以下「E管材」という)と、亜鉛含
有量(X重量%)と燐含有量(Y重量%)とが0.3≦
X+6Y≦3.0の関係を有することを条件として亜鉛
0.1〜2.0重量%及び燐0.01〜0.25重量%
を含有すると共に、コバルト0.1〜0.5重量%、ニ
ッケル0.05〜0.5重量%から選択された1種ある
いは2種の元素を含有し、且つ残部が銅からなる金属組
成をなす耐孔食性銅基合金管材(以下「F管材」とい
う)とを提案する。
【0012】また、第5発明は、A管材、B管材、C管
材、D管材、E管材又はF管材に更にアルミニウム、珪
素、ジルコニウム、クロム、マグネシウム及び希土類元
素から選択された1種の元素を0.005〜0.3重量
%含有させてなる耐孔食性銅基合金管材を提案する。す
なわち、亜鉛を0.1〜2.0重量%含有すると共に、
アルミニウム、珪素、ジルコニウム、クロム、マグネシ
ウム及び希土類元素から選択された1種の元素を0.0
05〜0.3重量%含有し、且つ残部が銅からなる金属
組成をなす耐孔食性銅基合金管材(以下「G管材」とい
う)と、燐を0.05〜0.25重量%を含有すると共
に、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、クロム、マグ
ネシウム及び希土類元素から選択された1種の元素を
0.005〜0.3重量%含有し、且つ残部が銅からな
る金属組成をなす耐孔食性銅基合金管材(以下「H管
材」という)と、亜鉛含有量(X重量%)と燐含有量
(Y重量%)とが0.3≦X+6Y≦3.0の関係を有
することを条件として亜鉛0.1〜2.0重量%及び燐
0.01〜0.25重量%を含有すると共に、アルミニ
ウム、珪素、ジルコニウム、クロム、マグネシウム及び
希土類元素から選択された1種の元素を0.005〜
0.3重量%含有し、且つ残部が銅からなる金属組成を
なす耐孔食性銅基合金管材(以下「I管材」という)
と、亜鉛を0.1〜2.0重量%を含有し、コバルト
0.1〜0.5重量%及びニッケル0.05〜0.5重
量%から選択された1種あるいは2種の元素を含有する
と共に、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、クロム、
マグネシウム及び希土類元素から選択された1種の元素
を0.005〜0.3重量%含有し、且つ残部が銅から
なる金属組成をなす耐孔食性銅基合金管材(以下「J管
材」という)と、燐を0.05〜0.25重量%を含有
し、コバルト0.1〜0.5重量%及びニッケル0.0
5〜0.5重量%から選択された1種あるいは2種の元
素を含有すると共に、アルミニウム、珪素、ジルコニウ
ム、クロム、マグネシウム及び希土類元素から選択され
た1種の元素を0.005〜0.3重量%含有し、且つ
残部が銅からなる金属組成をなす耐孔食性銅基合金管材
(以下「K管材」という)と、亜鉛含有量(X重量%)
と燐含有量(Y重量%)とが0.3≦X+6Y≦3.0
の関係を有することを条件として亜鉛0.1〜2.0重
量%及び燐0.01〜0.25重量%を含有し、コバル
ト0.1〜0.5重量%、ニッケル0.05〜0.5重
量%から選択された1種あるいは2種の元素を含有する
と共に、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、クロム、
マグネシウム及び希土類元素から選択された1種の元素
を0.005〜0.3重量%含有し、且つ残部が銅から
なる金属組成をなす耐孔食性銅基合金管材(以下「L管
材」という)とを提案する。
【0013】また、第6発明は、A管材、B管材、C管
材、G管材、H管材、I管材、J管材、K管材又はL管
材に更に錫を0.02〜0.5重量%含有させた金属組
成をなす耐孔食性銅基合金管材を提案する。すなわち、
亜鉛を0.1〜2.0重量%含有すると共に、錫を0.
02〜0.5重量%含有し、且つ残部が銅からなる金属
組成をなす耐孔食性銅基合金管材(以下「M管材」とい
う)と、燐を0.05〜0.25重量%を含有すると共
に、錫を0.02〜0.5重量%含有し、且つ残部が銅
からなる金属組成をなす耐孔食性銅基合金管材(以下
「N管材」という)と、亜鉛含有量(X重量%)と燐含
有量(Y重量%)とが0.3≦X+6Y≦3.0の関係
を有することを条件として亜鉛0.1〜2.0重量%及
び燐0.01〜0.25重量%を含有すると共に、錫を
0.02〜0.5重量%含有し、且つ残部が銅からなる
金属組成をなす耐孔食性銅基合金管材(以下「O管材」
という)と、亜鉛を0.1〜2.0重量%を含有し、ア
ルミニウム、珪素、ジルコニウム、クロム、マグネシウ
ム及び希土類元素から選択された1種の元素を0.00
5〜0.3重量%含有すると共に、錫を0.02〜0.
5重量%含有し、且つ残部が銅からなる金属組成をなす
耐孔食性銅基合金管材(以下「P管材」という)と、燐
を0.05〜0.25重量%を含有し、アルミニウム、
珪素、ジルコニウム、クロム、マグネシウム及び希土類
元素から選択された1種の元素を0.005〜0.3重
量%含有すると共に、錫を0.02〜0.5重量%含有
し、且つ残部が銅からなる金属組成をなす耐孔食性銅基
合金管材(以下「Q管材」という)と、亜鉛含有量(X
重量%)と燐含有量(Y重量%)とが0.3≦X+6Y
≦3.0の関係を有することを条件として亜鉛0.1〜
2.0重量%及び燐0.01〜0.25重量%を含有
し、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、クロム、マグ
ネシウム及び希土類元素から選択された1種の元素を
0.005〜0.3重量%含有すると共に、錫を0.0
2〜0.5重量%含有し、且つ残部が銅からなる金属組
成をなす耐孔食性銅基合金管材(以下「R管材」とい
う)と、亜鉛を0.1〜2.0重量%を含有し、コバル
ト0.1〜0.5重量%及びニッケル0.05〜0.5
重量%から選択された1種あるいは2種の元素を含有
し、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、クロム、マグ
ネシウム及び希土類元素から選択された1種の元素を
0.005〜0.3重量%含有すると共に、錫を0.0
2〜0.5重量%含有し、且つ残部が銅からなる金属組
成をなす耐孔食性銅基合金管材(以下「S管材」とい
う)と、燐を0.05〜0.25重量%を含有し、コバ
ルト0.1〜0.5重量%及びニッケル0.05〜0.
5重量%から選択された1種あるいは2種の元素を含有
し、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、クロム、マグ
ネシウム及び希土類元素から選択された1種の元素を
0.005〜0.3重量%含有すると共に、錫を0.0
2〜0.5重量%含有し、且つ残部が銅からなる金属組
成をなす耐孔食性銅基合金管材(以下「T管材」とい
う)と、亜鉛含有量(X重量%)と燐含有量(Y重量
%)とが0.3≦X+6Y≦3.0の関係を有すること
を条件として亜鉛0.1〜2.0重量%及び燐0.01
〜0.25重量%を含有し、コバルト0.1〜0.5重
量%、ニッケル0.05〜0.5重量%から選択された
1種あるいは2種の元素を含有し、アルミニウム、珪
素、ジルコニウム、クロム、マグネシウム及び希土類元
素から選択された1種の元素を0.005〜0.3重量
%含有すると共に、錫を0.02〜0.5重量%含有
し、且つ残部が銅からなる金属組成をなす耐孔食性銅基
合金管材(以下「U管材」という)とを提案する。
【0014】さらに、第7発明は、上記した各管材(A
〜U管材)に、非酸化性雰囲気(銅に対して非酸化性の
雰囲気)中において600℃〜1050℃及び1分〜5
時間の条件で熱処理を施してなる耐孔食性銅基合金管材
(以下「V管材」という)を提案する。
【0015】而して、亜鉛は銅に添加する事により銅基
合金表面に安定した酸化膜を形成し、その酸化皮膜が保
護作用を示すことで、孔食の発生や成長を抑制する効果
がある。しかし、その含有量が0.1重量%未満である
と、酸化膜を形成する作用が低く、十分な保護作用を示
さず、良好な耐孔食性を得ることができない。一方、亜
鉛の含有量が2.0重量%を超えると、管材の導電性、
熱伝導性が低下すると共に応力腐食割れに対する感受性
が高くなる。かかる点から、A管材、C管材、D管材、
F管材、G管材、I管材、J管材、L管材、M管材、O
管材、P管材、R管材、S管材及びU管材においては亜
鉛含有量を0.1〜2.0重量%とした。
【0016】また、燐は、亜鉛と同様に、銅基合金表面
に安定な酸化皮膜を形成し、良好な耐孔食性皮膜を形成
する。さらに、燐は銅に添加すると脱酸作用を示し、健
全な銅基合金の鋳塊を製造することができ、管材におけ
る表面欠陥を少なくする。ところで、管材に表面欠陥が
あると、その欠陥部分が孔食発生の起点になる可能性が
ある。したがって、健全な鋳塊を製造することは、間接
的に、当該孔食の発生が抑制する効果を示す。このよう
な燐の添加効果は、0.05重量%未満の添加では顕著
に現れず、逆に0.25重量%を超えて添加すると、銅
基合金の特性である導電性及び熱伝導性が低下すること
になり、しかも熱間加工性が低下して応力腐食割れに対
しての感受性が高くなる。かかる理由から、亜鉛を含有
しないB管材,H管材,K管材,N管材,Q管材および
T管材については燐含有量を0.05〜0.25重量%
とした。
【0017】また、燐は、亜鉛との共添により、管材の
表面に燐・亜鉛の合金皮膜を形成し、その合金皮膜は亜
鉛あるいは燐を単独添加したときに生成した酸化膜より
も安定性が数段優れている。而して、燐,亜鉛の共添に
よる効果は、燐含有量0.01重量%以上で認められる
ようになり、燐を0.25重量%を超えて添加すると、
銅基合金の特性である導電性及び熱伝導性が低下するこ
とになり、しかも熱間加工性が低下して応力腐食割れに
対しての感受性が高くなる。そのため燐,亜鉛を共添す
るC管材、E管材、F管材、I管材、L管材、O管材、
R管材、U管材では、燐の添加量を0.01〜0.25
重量%とした。ところで、このような亜鉛・燐の共添に
よる効果は、本発明者が実験により確認したところによ
れば、亜鉛含有量(X重量%)と燐含有量(Y重量%)
との相関関係によって左右され、0.3≦X+6Y≦
3.0の関係がある場合により顕著に発揮されることが
判明した。すなわち、亜鉛と燐とを共添させる場合に
は、それらの含有量を、かかる関係を満足することを前
提として上記した範囲(亜鉛:0.1〜2.0重量%,
燐:0.01〜0.25重量%)内で決定しておくこと
が、耐孔食性を向上させる上で極めて有効となる。かか
る点から、C管材、F管材、I管材、L管材、O管材、
R管材及びU管材においては、亜鉛含有量(X重量%)
と燐含有量(X重量%)との間に0.3≦X+6Y≦
3.0の関係が存することを必須条件とした。かかる亜
鉛含有量と燐含有量との関係は、共添による経済的効果
等をも考慮した場合、1.0≦X+6Y≦2.3である
ことがより好ましい。
【0018】また、コバルト及びニッケルは、その少な
くとも一方を添加することにより、管材の表面層に安定
な酸化物を形成し、孔食の発生や成長を抑制する効果を
奏する。また、これらは、万一、管材に孔食が発生した
ときにも、その内部においてそれらの元素が濃化するこ
とにより電位を卑下して、それらの酸化物の安定度が増
し、その結果、孔食の成長を抑制する効果を奏する。さ
らに、ニッケルはマトリックスへの固溶強化を図るもの
であり、コバルト及び一部のニッケルは燐と共に微細析
出物を形成して、熱交換器製造工程中の配管接合のため
のろう付け炉装入あるいは給水配管施行時の手ろう付け
等の高温加熱による結晶粒の成長抑制効果作用を発揮
し、機械的強度の大幅な低下を防止し、高温加熱前の強
度をほぼ維持する効果を奏する。かかる効果は、0.1
重量%以上のコバルト添加又は0.05重量%以上のニ
ッケル添加によって発揮される。しかし、0.5重量%
超えるコバルト添加や0.5重量%を超えるニッケル添
加は、添加量に見合う高温加熱前の強度維持効果や耐孔
食性向上効果が発揮されないばかりか、却って管材の熱
伝導性,加工性,施工性を悪化させることになり、経済
的にも不利である。かかる点から、D管材、E管材、F
管材、J管材、K管材、L管材、S管材、T管材及びU
管材においては、共添すると否とに拘わらず、コバルト
含有量を0.1〜0.5重量%とし、ニッケル含有量を
0.05〜0.5重量%とした。
【0019】また、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウ
ム、クロム、マグネシウム及び希土類は、その何れかを
添加しておくことにより、表面層の酸化皮膜の安定性を
一層向上させ孔食抑制効果を増大させる効果を発揮す
る。かかる効果は0.005重量%以上の添加によって
発揮され、0.005重量%未満の添加では十分な表面
層酸化皮膜を安定化させることはできない。しかし、耐
孔食性の増大効果は0.3重量%の添加で飽和し、添加
量が0.3重量%を超えると、却って健全な銅基合金鋳
塊の製造が妨げられることになり、管材の熱伝導性,加
工性,施工性も低下することになる。かかる点から、G
管材、H管材、I管材、J管材、K管材、L管材、P管
材、Q管材、R管材、S管材、T管材及びU管材におい
ては、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、クロム、
マグネシウム又は希土類の含有量を0.005〜0.3
重量%とした。なお、アルミニウム、ケイ素、ジルコニ
ウム、クロム、マグネシウム及び希土類から2種以上の
元素を選択して、これらを共添させるようにしても耐孔
食性が向上するが、その向上程度は何れか1種の元素を
添加させた場合と大差なく、2種以上の元素を添加させ
るメリットは殆どなく、寧ろ経済的なデメリットが大き
い。
【0020】また、錫は、コバルト,ニッケルと同様
に、管材の表面層に安定な酸化物を形成して、孔食の発
生や成長を抑制する効果を奏する。さらに、錫は、マト
リックス中に固溶して電位を貴化することにより、耐食
性を向上させる効果も奏する。かかる効果は、錫を0.
02重量%以上添加させることにより発揮される。しか
し、添加量が0.5重量%に達すると当該効果は飽和
し、0.5重量%を超えて添加しても、その添加量に見
合った耐孔食性増大は期待できず、却って管材の熱伝導
性を低下させることになる。なお、錫を添加させる場合
には、コバルト及びニッケルの一方又は両方を共添させ
ることは無意味であり、これらの共添による耐孔食性向
上効果は期待できない。かかる点から、M管材、N管
材、O管材、P管材、Q管材、R管材、S管材、T管材
及びU管材においては、錫の含有量を0.02〜0.5
重量%とし、錫との共添効果が期待できないコバルト及
びニッケルについては含有させないこととした。
【0021】また、上記した各管材は、これに適当な条
件下で熱処理(以下「熱処理」という)を施すことによ
り、当該管材の表面層に亜鉛,燐といった添加元素が拡
散、濃化して、より安定な合金皮膜を形成するものであ
る。そして、このような合金皮膜が形成されることによ
り、表面層下の母材部分に対して強力な保護作用が発揮
されることになり、管材の耐孔食性が更に向上する。熱
処理の条件としては、第1に、当該処理を雰囲気ガスと
して一酸化炭素,二酸化炭素,水素,窒素等を使用した
非酸化性雰囲気つまり銅に対する非酸化性雰囲気中で行
うことが必要である。すなわち、熱処理を大気中の如き
酸素が存在する酸化性雰囲気で行うと、管材の表面に密
着性の低い酸化スケールが生成して、効果的な保護作用
を示さないからである。また、第2に、熱処理温度を6
00℃〜1050℃としておくことが必要である。すな
わち、600℃未満の温度条件で熱処理する場合には、
管材の構成元素である亜鉛,燐等が表面層に拡散、濃化
する傾向を示すものの、その進行速度は極めて低い。し
たがって、良好な保護作用を示すに至るまでに膨大な処
理時間を要し、実用することはできない。また、105
0℃を超える温度条件で熱処理する場合には、当該処理
温度が管材を構成する銅基合金の融点に近くなるため、
熱処理時に管材がその表面側から溶解する虞れがあり、
耐孔食性に必要な合金層を形成しない。さらに、第3
に、熱処理時間は1分〜5時間としておくことが必要で
ある。すなわち、熱処理時間が1分未満では、温度条件
に拘わらず、上記した熱処理効果を発揮できない。ま
た、5時間を超えて熱処理しても、5時間以下とした場
合に比して耐孔食性がさほど向上する訳ではなく、経済
性をも考慮すれば、5時間を超える熱処理は無意味であ
る。
【0022】
【実施例】第1実施例として表1〜表6に示す金属組成
をなす銅基合金を、高周波溶解炉により木炭の被覆下に
おいて大気溶解して、直径100mm、長さ150mm
の円柱状鋳塊を得た。そして、この鋳塊を900℃に加
熱して外径20mmの丸棒状に押出加工し、その丸棒材
にドリルによる穴あけ加工を施して、内径12mm,外
径20mm,肉厚4mm,長さ200mmのA管材N
o.1、B管材No.2、C管材No.3〜No.1
1、D管材No.12〜No.14、E管材No.15
〜No.17、F管材No.18〜No.20、G管材
No.21〜No.26、H管材No.27〜No.3
2、I管材No.33〜No.38、J管材No.39
〜No.56、K管材No.57〜No.74、L管材
No.75〜No.92、M管材No.93、N管材N
o.94、O管材No.95、P管材No.96〜N
o.101、Q管材No.102〜No.107、R管
材No.108〜No.113、S管材No.114〜
No.131、T管材No.132〜No.149及び
U管材No.150〜No.167を得た。なお、管材
No.7,No.79,No.90,No.162を除
く各管材については、第2実施例において被熱処理管材
として使用するものを含めて2本製作し、管材No.
7,No.79,No.90,No.162について
は、第2実施例及び第2比較例において被熱処理管材と
して使用するものを含めて各々5本製作した。
【0023】また第2実施例として、上記の如くして得
た被処理管材No.1〜No.167を、各々、一酸化
炭素を主成分とする雰囲気ガスを使用して炉内を銅に対
する非酸化性雰囲気に保持した熱処理炉において、表7
〜表10に示す条件で熱処理を施す(被熱処理管材N
o.7,No.79,No.90,No.162につい
ては、各々3本を異なる条件で熱処理した)ことによ
り、175本のV管材を得た。なお、各V管材には、便
宜上、当該熱処理前の管材(被熱処理管材)と同一の番
号を付すこととする。
【0024】また第1比較例として、上記実施例と同一
の工程により、表11に示す金属組成をなし且つ上記の
実施例管材No.1〜No.167と同一形状(内径1
2mm,外径20mm,肉厚4mm、長さ200mm)
をなす銅基合金管材(以下「比較例管材」という)N
o.201〜No.205を得た。なお、比較例管材N
o.201〜No.203,No.205については、
後述する第2比較例において被熱処理管材として使用す
るものを含めて、各々2本製作した。比較例管材No.
204については押出加工時において大きな割れを生じ
たため、最終的な管材を得ることができなかった。とこ
ろで、比較例管材No.205は、合金組成上、冒頭で
述べた燐脱酸銅(JIS C1220)製のものに相当
する。
【0025】さらに、第2比較例として、各1本の比較
例管材No.201〜No.205を、第2実施例と同
一ガス雰囲気の熱処理炉において表12に示す条件で熱
処理して、4本の熱処理管材(以下「比較例熱処理管
材」という)を得た。なお、各比較例熱処理管材には、
便宜上、当該熱処理前の比較例管材No.201〜N
o.205(被熱処理管材)と同一の番号を付すことと
する。比較例管材No.204については、上記の如く
管材として得られないものであるため、当然に、当該比
較例管材No.204を被熱処理管材とする比較例熱処
理材も得ることができなかった。さらに、第2実施例で
使用されなかった管材No.7,No.79,No.9
0,No.162を、V管材及び比較例熱処理材の熱処
理に使用したものと同一の熱処理炉において、表12に
示す条件で熱処理して、4本の熱処理管材No.7a,
No.79a,No.90a,No.162aを得た。
なお、この熱処理管材の番号は、被熱処理管材の番号に
サフィックス「a」を付したものとしてある。例えば、
熱処理管材No.79aは、管材79を被熱処理材とす
るものである。
【0026】以上のように得られたA〜U管材No.1
〜No.167及び熱処理したV管材No.1〜No.
167並びに比較例管材No.201〜No.203,
No.205、比較例熱処理管材No.201〜No.
203,No.205及び熱処理管材No.7a,N
o.79a,No.90a,No.162aについて、
各々、耐孔食性を確認すべく次のような孔食試験(腐食
試験)を行った。
【0027】すなわち、この孔食試験は冒頭で述べたI
型孔食を生じ易い条件で行ったものであり、遊離炭酸を
40mmg/l含有し且つpH6.5〜7に調整した試
験水を、室温において、各管材に0.5m/sの流速で
6月間連続的に通水させることにより行った。そして、
各管材の耐孔食性を評価するために、6月間の通水後に
おいて各管材の内周面に生じている孔食数(単位面積当
たりの孔食個数(個/dm2))及び最大孔食深さ(μ
m)を測定した。
【0028】その結果は、A〜U管材No.1〜No.
167については表1〜表6に示す通りであり、熱処理
したV管材No.1〜No.167については表7〜表
10に示す通りであった。また、比較例管材又はこれを
熱処理した比較例熱処理管材及び熱処理管材No.7
a,No.79a,No.90a,No.162aにつ
いては表11又は表12に示す通りであった。なお、管
材の耐孔食性は、孔食数ないし最大孔食深さの値によっ
て評価することができ、当該値が小さい程、耐孔食性に
優れるものであると判定することができる。
【0029】而して、表1〜表6と表11とを比較すれ
ば明らかなように、A〜U管材No.1〜No.167
における孔食数及び孔食最大深さの測定値は、燐脱酸銅
製の管材No.205よりも小さく、更に比較例管材の
中で耐孔食性に最も優れる管材No.202よりも小さく
なっている。したがって、亜鉛又は燐を第1発明又は第
2発明で特定する範囲内で含有させた銅基合金を構成材
として使用することにより、管材の耐孔食性を従来一般
に汎用されている燐脱酸銅製のものより向上させること
ができることが確認された。さらに、C〜U管材No.
3〜No.167における孔食数及び最大孔食深さの測
定値は、燐脱酸銅製の管材No.205に比して大幅に
小さくなっており、亜鉛又は燐のみを含有させたA,B
管材に比しても小さくなっている。したがって、亜鉛及
び燐を共添させることにより、或いは亜鉛,燐にコバル
ト等を加添させることにより、管材の耐孔食性をより向
上させ得ることが理解される。
【0030】さらに、表7〜表12から明らかなよう
に、A〜U管材を熱処理したV管材No.1〜No.1
67については、A〜U管材に比して、孔食数及び孔食
最大深さの測定値が大幅に減少しており、上記した条件
で熱処理しておくことにより耐孔食性が飛躍的に向上す
ることが理解される。一方、比較例管材No.201〜
No.203,No.205についても、表12から明
らかなように、熱処理により耐孔食性は向上するが、そ
の向上程度は低く、熱処理をしないA〜U管材に比して
も耐孔食性は劣る。このように、熱処理は、A〜U管材
のような銅基合金組成をなすものに対して耐孔食性の向
上を図る上で有効且つ有意義な手段であるが、比較例管
材No.201〜No.203,No.205のように
かかる銅基合金組成をなさないものに対しては、熱処理
を行うことによる工程,ランニングコスト,イニシャル
コストの増加をも考慮した場合、無意味な処理であると
いえる。また、異なる温度条件で熱処理したV管材N
o.7,No.79,No.90,No.162につい
ての孔食試験結果(表7,表8,表10)及び熱処理管
材No.7a,No.79a,No.90a,No.1
62aについての孔食試験結果(表12)から明らかな
ように、A〜U管材のように本発明で特定する銅基合金
組成をなすものについては、管材No.7a,No.7
9a,No.90a,No.162aのように熱処理温
度が600℃未満であると、耐孔食性は殆ど向上しない
か却って低下するが、熱処理温度を600℃以上とする
ことによって耐孔食性が飛躍的に向上することが理解さ
れ、更に、処理時間との関係もあるが、一般には、熱処
理は600〜1050℃の範囲において可及的に高温
(具体的には700℃以上)で行うことが耐孔食性の向
上を図る上でより好ましいことが理解される。
【0031】ところで、孔食試験は冒頭で述べたII型孔
食が生じ易い水質条件でも行ったが、上記した如くI型
孔食が生じ易い水質条件で行った場合と同様の結果が得
られた。また、A〜U管材No.1〜No.167及び
V管材No.1〜No.167は、曲げ加工等の加工性
や一般的な耐食性等についても各種の確認試験を行った
が、何れの特性も従来一般に使用されている燐脱酸銅製
のもの(比較例管材No.205ないし比較例熱処理管
材No.205)と同等であることが確認された。
【0032】さらに、C管材No.7、L管材No.7
9,No.90、U管材No.162及び比較例管材N
o.205(燐脱酸銅)と同材質の管材を使用して製作
した熱交換器を、孔食が生じ易い実環境下において一定
期間使用するフィールド暴露試験を行い、試験期間中に
おける孔食による漏洩発生の有無を観察してみた。
【0033】すなわち、各管材No.7、No.79、
No.90、No.162及びNo.205と同材質の
銅基合金を、中周波溶解炉を使用して、木炭の被覆下に
おいて大気溶解し、直径220mm,長さ400mmの
円柱状鋳塊を作成し、これを900℃に加熱して外径6
7mm、肉厚5mmに押出後、抽伸と焼鈍を繰り返し、
内径65.8mm,外径12.7mm、肉厚0.6mm
の銅基合金管を得た。そして、この銅基合金管を、最終
500℃で30分間の熱処理を施した上で、熱交換器に
組立てて、水質条件がI型孔食の生じ易い3つの地域
〜において、18月間実際に使用した。
【0034】このようなフィールド暴露試験の結果、比
較例管材No.205と同材質の銅基合金管(燐脱酸銅
管)を使用した熱交換器にあっては、3〜7月後に孔食
が発生して漏水現象が認められた。すなわち、暴露地
においては3月経過時に、暴露地においては6月経過
時に、また暴露地においては7月経過時に、夫々、熱
交換器からの漏水が認められ、その漏水原因が孔食によ
るものであることが確認された。しかし、本発明で特定
する組成をなす銅基合金(管材No.7、No.79、
No.90及びNo.162と同質の銅基合金)製の熱
交換器にあっては、暴露地〜の何れにおいても、1
8月経過後も漏水現象が全く生じなかった。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】
【表7】
【0042】
【表8】
【0043】
【表9】
【0044】
【表10】
【0045】
【表11】
【0046】
【表12】
【0047】
【表13】
【0048】
【発明の効果】以上の説明から容易に理解されるよう
に、請求項1及び請求項2の発明によれば、従来一般に
使用されている燐脱酸銅製のものと同等の配管構成材と
して有利な特性(施工性,加工性等)を有し且つCd等
の耐孔食性の向上に寄与するものの有害なCd等の重金
属を含有しないものであるに拘わらず、耐孔食性を大幅
に向上させることができ、孔食が生じ易い環境下におい
ても給水配管,給湯配管,水道配管等の如き水と接触す
るあらゆる部位の構成材として好適に使用することがで
きる耐孔食性銅基合金管材を提供することができる。更
に、この耐孔食性銅基合金管と同一組成の条製品を円筒
等の管状に溶接接合した溶接管においても耐孔食性が認
められ、水道配管等の構成材として好適に使用すること
が出来る。また、請求項3〜請求項6の発明によれば、
かかる管材と同等若しくはそれ以上の耐孔食性を有する
耐孔食性銅基合金管材を提供することができる。さら
に、請求項7の発明によれば、これら管材の耐孔食性を
飛躍的に向上させることができる。
【0049】したがって、本発明の耐孔食性銅基合金管
材を使用した給湯,給水設備等にあっては、その使用が
孔食を生じ易い環境で行われる場合にも、長期に亘って
孔食による漏洩を生じることなく安定した運転を行うこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/08 C22F 1/08 A // C22F 1/00 626 1/00 626 640 640A 690 690 691 691B 691C 1/02 1/02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛を0.1〜2.0重量%含有し且つ
    残部が銅からなる金属組成をなすことを特徴とする耐孔
    食性銅基合金管材。
  2. 【請求項2】 燐を0.05〜0.25重量%含有し且
    つ残部が銅からなる金属組成をなすことを特徴とする耐
    孔食性銅基合金管材。
  3. 【請求項3】 更に燐を0.01〜0.25重量%含有
    し、且つ亜鉛含有量(X重量%)と燐含有量(Y重量
    %)との間に0.3≦X+6Y≦3.0の関係を有する
    金属組成をなすことを特徴とする、請求項1に記載する
    耐孔食性銅基合金材。
  4. 【請求項4】 更にコバルト0.1〜0.5重量%及び
    ニッケル0.05〜0.5重量%から選択された1種あ
    るいは2種の元素を含有する金属組成をなすことを特徴
    とする、請求項1、請求項2又は請求項3に記載する耐
    孔食性銅基合金管材。
  5. 【請求項5】 更にアルミニウム、珪素、ジルコニウ
    ム、クロム、マグネシウム及び希土類元素から選択され
    た1種の元素を0.005〜0.3重量%含有する金属
    組成をなすことを特徴とする、請求項1、請求項2、請
    求項3又は請求項4に記載する耐孔食性銅基合金管材。
  6. 【請求項6】 更に錫を0.02〜0.5重量%含有す
    る金属組織をなすことを特徴とする、請求項1、請求項
    2、請求項3又は請求項5に記載する耐孔食性銅基合金
    管材。
  7. 【請求項7】 非酸化性雰囲気中において600℃〜1
    050℃、1分〜5時間の条件で熱処理を行なったもの
    であることを特徴とする、請求項1、請求項2、請求項
    3、請求項4、請求項5又は請求項6に記載する耐孔食
    性銅基合金管材。
JP2000062531A 2000-03-07 2000-03-07 耐孔食性銅基合金管材 Expired - Fee Related JP4387027B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000062531A JP4387027B2 (ja) 2000-03-07 2000-03-07 耐孔食性銅基合金管材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000062531A JP4387027B2 (ja) 2000-03-07 2000-03-07 耐孔食性銅基合金管材

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2001247923A true JP2001247923A (ja) 2001-09-14
JP2001247923A5 JP2001247923A5 (ja) 2006-10-12
JP4387027B2 JP4387027B2 (ja) 2009-12-16

Family

ID=18582534

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000062531A Expired - Fee Related JP4387027B2 (ja) 2000-03-07 2000-03-07 耐孔食性銅基合金管材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4387027B2 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006016631A1 (ja) * 2004-08-10 2006-02-16 Sanbo Shindo Kogyo Kabushiki Kaisha Sn含有銅合金及びその製造方法
WO2007043101A1 (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Sanbo Shindo Kogyo Kabushiki Kaisha 溶融固化処理物並びに溶融固化処理用銅合金材及びその製造方法
JP2008274426A (ja) * 2007-03-31 2008-11-13 Kobelco & Materials Copper Tube Inc 銅合金部材及び熱交換器
JP2008274421A (ja) * 2007-03-31 2008-11-13 Kobelco & Materials Copper Tube Inc 銅合金部材及び熱交換器
EP2083093A1 (en) * 2006-10-04 2009-07-29 Sumitomo Light Metal Industries, Ltd. Copper alloy for seamless pipes
JP2009249675A (ja) * 2008-04-04 2009-10-29 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 継目無管
JP2012149315A (ja) * 2011-01-20 2012-08-09 Kobe Steel Ltd 銅合金管
JP2013100579A (ja) * 2011-11-08 2013-05-23 Kobe Steel Ltd ろう付け後の強度に優れた高強度銅管
JP2014043622A (ja) * 2012-08-28 2014-03-13 Kobe Steel Ltd 高強度銅合金管
JP2014173141A (ja) * 2013-03-08 2014-09-22 Kobe Steel Ltd 高強度銅合金管
WO2014148127A1 (ja) * 2013-03-19 2014-09-25 株式会社Uacj 高耐食性銅管
JP6271826B1 (ja) * 2016-09-29 2018-01-31 株式会社Uacj 高耐食性銅管
WO2018061277A1 (ja) * 2016-09-29 2018-04-05 株式会社Uacj 高耐食性銅管
WO2019031191A1 (ja) * 2017-08-10 2019-02-14 株式会社Uacj 耐蟻の巣状腐食性銅管
EP3476958A4 (en) * 2016-06-23 2020-09-02 Mitsubishi Materials Corporation Copper alloy, copper alloy block, copper alloy solution formation material, copper alloy contact wire and method of making copper alloy contact wire

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006016442A1 (ja) * 2004-08-10 2006-02-16 Sanbo Shindo Kogyo Kabushiki Kaisha 結晶粒が微細化された銅基合金鋳物
JPWO2006016631A1 (ja) * 2004-08-10 2008-05-01 三宝伸銅工業株式会社 Sn含有銅合金及びその製造方法
US10570483B2 (en) 2004-08-10 2020-02-25 Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. Copper-based alloy casting in which grains are refined
US10017841B2 (en) 2004-08-10 2018-07-10 Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. Copper alloy casting and method of casting the same
WO2006016631A1 (ja) * 2004-08-10 2006-02-16 Sanbo Shindo Kogyo Kabushiki Kaisha Sn含有銅合金及びその製造方法
US9328401B2 (en) 2004-08-10 2016-05-03 Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. Copper alloy casting having excellent machinability, strength, wear resistance and corrosion resistance and method of casting the same
EP2333125A3 (en) * 2004-08-10 2011-09-14 Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. Structure for use in seawater comprising a copper alloy material in wire or bar form
EP2333124A3 (en) * 2004-08-10 2011-09-14 Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. Copper alloy in wire- or bar-form for forming a structure for use in seawater and process for production thereof
JP4951517B2 (ja) * 2005-09-30 2012-06-13 三菱伸銅株式会社 溶融固化処理物並びに溶融固化処理用銅合金材及びその製造方法
WO2007043101A1 (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Sanbo Shindo Kogyo Kabushiki Kaisha 溶融固化処理物並びに溶融固化処理用銅合金材及びその製造方法
US9303300B2 (en) 2005-09-30 2016-04-05 Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. Melt-solidified substance, copper alloy for melt-solidification and method of manufacturing the same
EP2083093A1 (en) * 2006-10-04 2009-07-29 Sumitomo Light Metal Industries, Ltd. Copper alloy for seamless pipes
EP2083093A4 (en) * 2006-10-04 2012-03-07 Sumitomo Light Metal Ind COPPER ALLOY FOR SEAMLESS PIPES
JP2008274426A (ja) * 2007-03-31 2008-11-13 Kobelco & Materials Copper Tube Inc 銅合金部材及び熱交換器
JP2008274421A (ja) * 2007-03-31 2008-11-13 Kobelco & Materials Copper Tube Inc 銅合金部材及び熱交換器
JP2009249675A (ja) * 2008-04-04 2009-10-29 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 継目無管
JP2012149315A (ja) * 2011-01-20 2012-08-09 Kobe Steel Ltd 銅合金管
JP2013100579A (ja) * 2011-11-08 2013-05-23 Kobe Steel Ltd ろう付け後の強度に優れた高強度銅管
JP2014043622A (ja) * 2012-08-28 2014-03-13 Kobe Steel Ltd 高強度銅合金管
JP2014173141A (ja) * 2013-03-08 2014-09-22 Kobe Steel Ltd 高強度銅合金管
WO2014148127A1 (ja) * 2013-03-19 2014-09-25 株式会社Uacj 高耐食性銅管
US11808532B2 (en) 2013-03-19 2023-11-07 NJT Copper Tube Corporation Highly corrosion-resistant copper tube
EP3476958A4 (en) * 2016-06-23 2020-09-02 Mitsubishi Materials Corporation Copper alloy, copper alloy block, copper alloy solution formation material, copper alloy contact wire and method of making copper alloy contact wire
JP6271826B1 (ja) * 2016-09-29 2018-01-31 株式会社Uacj 高耐食性銅管
WO2018061277A1 (ja) * 2016-09-29 2018-04-05 株式会社Uacj 高耐食性銅管
WO2019031191A1 (ja) * 2017-08-10 2019-02-14 株式会社Uacj 耐蟻の巣状腐食性銅管

Also Published As

Publication number Publication date
JP4387027B2 (ja) 2009-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001247923A (ja) 耐孔食性銅基合金管材
JP2003268467A (ja) 熱交換器用銅合金管
JP2010156002A (ja) 銅合金管およびその製造方法ならびにヒートポンプ給湯機
EP4130311A1 (en) Copper alloy tube, for heat exchanger, having excellent thermal conductivity and fracture strength, and production method for same
JPH10130754A (ja) 耐熱性銅基合金
IL91145A (en) Piping with an oxidized layer
JP2009090340A (ja) 鉄系材料のスポット溶接用電極及び鉄系材料のスポット溶接用電極の製造方法
JPS60215729A (ja) アルミニウム合金熱交換器用フイン材とその製造方法
JP2009249699A (ja) 熱交換器用アルミニウム合金クラッド材用犠牲材の製造方法及び熱交換器用アルミニウム合金クラッド材の製造方法
JP4058650B2 (ja) 強アルカリ環境下での耐孔食性に優れた熱交換器用クラッド材
JP3374398B2 (ja) 給水給湯用耐孔食性銅合金配管
JPH04236734A (ja) Sn、Mg及びPが添加された耐腐食性に優れる黄銅
JP3628434B2 (ja) 耐食性に優れた引抜きチューブ及びその製造方法
JP2835271B2 (ja) 給水給湯用内面保護皮膜付き銅合金管及びその製造方法
JP2003013162A (ja) 耐食アルミニウム合金電線および前記アルミニウム合金を最外層に用いた耐食複合電線
JP3046932B2 (ja) 高温延性および耐焼鈍脆性に優れた耐食銅合金
JPH0688177A (ja) 銅合金管の製造方法
JP2841269B2 (ja) 耐食性及び被削性に優れた銅基合金並びに該合金を用いたバルブ部品
JPH04236735A (ja) In、Mg及びPが添加された耐腐食性に優れる黄銅
JP3265140B2 (ja) 内面被覆銅又は銅合金管及びその製造方法
JPS6189498A (ja) 水冷式Al合金製熱交換器の冷却水管
JPS59153856A (ja) 耐食性に優れた銅合金
JPS6217018B2 (ja)
JPS6082635A (ja) 耐食性に優れた銅合金
CN112481522A (zh) 锆合金以及锆合金和锆合金型材的制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060728

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060728

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080801

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080926

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20080926

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080929

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080930

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090612

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090708

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090826

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090831

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090924

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090930

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121009

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131009

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees