JP3265140B2 - 内面被覆銅又は銅合金管及びその製造方法 - Google Patents

内面被覆銅又は銅合金管及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物に使用される給
水若しくは給湯用の配管又はファンコイルユニット等の
空調用の配管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物に使用される給水若しくは
給湯用の配管又は空調用の配管には、加工性及びろう付
性等を考慮して、一般にりん脱酸銅管(JIS H33
00C1220T)が使用されていた。しかし、給水又
は給湯用の配管に使用される前記銅管は長年の使用によ
り、銅イオンが給水又は給湯時に溶出し、所謂青水とな
ってしまう。そこで、青水を防止するため銅管内面に錫
めっきを施す方法が開発された(特開平4−45282
号)。この従来技術においては、銅イオンが給水又は給
湯中に溶出することを防止するには極めて効果的であっ
た。また、この技術は銅管内面に無電解錫めっき液を通
流させて行うため、管径に対して比較的長い管に対して
も適用することができるという利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来技術では銅イオンの溶出防止には効果があったが、
耐食性の点については十分ではなかった。つまり、この
従来技術は、耐食性、特に耐潰食性については十分では
なく、銅管を給水又は給湯に使用している間、錫めっき
層が潰食を受け、管内面の肌が露出してしまう場合があ
った。そうすると、管内面の肌が露出した部分から、銅
イオンが溶出してしまう。
【0004】そこで、錫めっき層の表面に酸化膜を形成
させる技術(特開平4−99180号)及び錫めっき層
を合金化する技術(特開平4−131384号)が提案
されている。しかし、これらの技術によっても、銅管の
耐潰食性が十分に改善されたとはいえず、より一層耐潰
食性が優れた銅又は銅合金管の開発が望まれている。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、耐潰食性が優れており、長年の使用によっ
ても給水又は給湯に使用中に銅イオンが溶出することが
ない内面被覆銅又は銅合金管及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る内面被覆銅
又は銅合金管は、内面に錫めっき層を有する内面被覆銅
又は銅合金管において、前記錫めっき層の表面における
結晶粒が内面全体に亘って扁平化されていることを特徴
とする。
【0007】本発明に係る内面被覆銅又は銅合金管の製
造方法は、銅又は銅合金管内に置換型及び/又は還元型
の無電解錫めっき液を通流させて管内に錫めっき層を形
成する工程と、管内面全体に亘って前記錫めっき層の表
面の結晶粒を扁平化する加工を施す工程とを有すること
を特徴とする。
【0008】
【作用】銅又は銅合金管の耐潰食性は、その内面に生成
される酸化皮膜の安定性に大きく影響を受ける。一般に
錫は「中性や中性に近い環境では比較的優れた耐食性を
示す。また、軟水によって腐食せず、長年の間、蒸留水
の配管として用いられてきた。」(H.H.Uhlig
著「腐食反応とその制御」第2版、産業図書)とあるよ
うに、優れた耐食性を有する。このように錫が優れた耐
食性を有するのは、水中で使用中に錫が水と反応して錫
の表面に安定した酸化皮膜が形成されるからである。
【0009】従って、内面を錫めっき層で被覆した銅又
は銅合金管の内面に安定した酸化皮膜が形成されれば、
前記銅又は銅合金管は優れた耐食性を有することになる
が、単に無電解錫めっきにより生成された錫めっき層の
表面には安定した錫酸化皮膜が形成されず、このため、
従来の内面被覆銅又は銅合金管は耐潰食性が不十分であ
った。
【0010】本発明者は、内面に錫めっき層を有する銅
又は銅合金管において、耐潰食性を飛躍的に向上すべく
種々の実験研究を行った。その結果、錫めっき層に安定
した酸化皮膜を形成するためには、錫めっき層表面の結
晶粒の凹凸をなくし、結晶粒を潰すこと、即ち、めっき
層表面を扁平化することにより可能となることを見い出
した。
【0011】この扁平化の加工は、銅又は銅合金管の内
面の周方向及び長手方向の全てに亘って均一に加工する
ことにより行う。また、加工方法は特に限定されるもの
ではなく、例えば、抽伸、圧延、バニッシング加工、拡
管又は管の内径より大きい外径を有するスポンジボール
等をエアーガン等で管内を通過させる摩擦加工等があ
る。
【0012】また、前記加工の際に熱が発生する場合が
あり、この熱又は前記加工後の熱処理により、錫めっき
層の一部又は全部を銅−錫合金層としても、前記銅又は
銅合金管は優れた耐潰食性を有する。
【0013】なお、錫めっき層の厚さは、銅イオン溶出
を防止するため、0.1μm以上必要であり、逆に、
4.0μmを超えてめっきしても製造コストが高くなる
だけであるため、無駄である。このため、錫めっきの厚
さは0.1乃至4.0μmにすることが好ましいが、よ
り好ましくは、0.2μm以上である。
【0014】また、本発明に係る銅又は銅合金管を製造
するために、銅又は銅合金管内面に錫めっきした後に加
工を施すが、加工前にめっき層にピンホールが存在して
いる場合、そのピンホールを必ずしも塞ぐ必要はなく、
また、前記銅又は銅合金管自体に塑性加工を施す必要も
ない。これらの加工前の処理の有無は、本発明の効果に
特に影響を与えるものではなく、本発明においては、め
っき表面の結晶粒の扁平化さえ行われれば、内面被覆銅
又は銅合金管に十分優れた耐潰食性を具備させることが
できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について、その特許請
求の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
【0016】下記表1に示す試験材料を使用して、ジェ
ット試験及び通水試験を行い、潰食の発生状況並びに銅
イオンの溶出量及び腐食状況について調査した。なお、
下記表1に示す試験材料の実施例1及び比較例4の銅管
内表面の顕微鏡写真を夫々図1及び図2に示す。これら
の図1、2から、実施例1の試験材料では結晶粒が扁平
化されていることがわかる。
【0017】
【表1】
【0018】ジェット試験では、上記表1に示す各試験
材料から長さが60mmの半割管を切り出してこれを供
試材とした。この供試材を、福岡県北九州市の水道水に
80ppmのCl-イオンを加えた水中に浸潰し、この
塩素イオン含有水と同一の水を60℃に加熱し、直径2
mm及び流速10m/sのジェット流としてめっき面に
垂直に噴射した。この噴射試験を180日間継続した
後、潰食の発生状況を調べた。
【0019】また、通水試験では、上記表1に示す各試
験材料から長さが500mmの管を切り出し、供試管と
した。これらの管を直列に連結し、その管内に福岡県北
九州市の水道水に50ppmのCl-イオンを加えた水
を流速3.0m/sで150日間連続して通水を行っ
た。その後、各供試管に福岡県北九州市の水道水を充填
し、24時間後に原子吸光法により銅イオンの溶出量を
測定した。更に、その後各供試管を半割して腐食状況を
調べた。以上のジェット試験及び通水試験の結果を下記
表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】上記表2から明らかなように、めっき表面
の結晶粒の凹凸を扁平化する加工を施した実施例1乃至
3はジェット試験及び通水試験において優れた耐潰食性
を有することが確認された。
【0022】一方、めっき表面の結晶粒の凹凸を扁平化
する加工を施していない比較例4においては、耐潰食性
が不十分であり、また、熱処理により合金化を行った比
較例5においては、単に無電解錫めっきを施しただけの
比較例4に比べれば結果は良好ではあるが、めっき表面
の結晶粒が扁平化されていないため、実施例に比べると
耐潰食性が極めて劣っている。更に、錫めっきを施して
いない比較例6については、ジェット試験及び通水試験
のいずれにおいても腐食が発生した。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明及び本発明方
法によれば、耐潰食性に優れ、長年の使用によっても給
水又は給湯の通流中に銅イオンが溶出することがない内
面被覆銅又は銅合金管を得ることができる。
【0024】従って、本発明に係る内面被覆銅又は銅合
金管は、給水又は給湯用の配管として使用することによ
り、青水を防止できると共に、前記配管の信頼性及び寿
命を格段に向上させることができるという優れた効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の銅管内面のめっき層の結晶粒を示す
金属組織の顕微鏡写真である。
【図2】比較例4の銅管内面のめっき層の結晶粒を示す
金属組織の顕微鏡写真である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に錫めっき層を有する内面被覆銅又
    は銅合金管において、前記錫めっき層の表面における結
    晶粒が内面全体に亘って扁平化されていることを特徴と
    する内面被覆銅又は銅合金管。
  2. 【請求項2】 前記錫めっき層の厚さが管周方向での平
    均値で0.1乃至4.0μmであることを特徴とする請
    求項1に記載の内面被覆銅又は銅合金管。
  3. 【請求項3】 前記錫めっき層の一部又は全部が銅−錫
    合金層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    内面被覆銅又は銅合金管。
  4. 【請求項4】 銅又は銅合金管内に置換型及び/又は還
    元型の無電解錫めっき液を通流させて管内面に錫めっき
    層を形成する工程と、管内面全体に亘って前記錫めっき
    層の表面の結晶粒を扁平化する加工を施す工程とを有す
    ることを特徴とする内面被覆銅又は銅合金管の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 熱処理して前記錫めっき層の一部又は全
    てを銅−錫合金層にする工程を有することを特徴とする
    請求項4に記載の内面被覆銅又は銅合金管の製造方法。
JP28254894A 1994-10-21 1994-10-21 内面被覆銅又は銅合金管及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3265140B2 (ja)

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