JP2994982B2 - ポリビニルアセタール系スポンジの製造方法 - Google Patents

ポリビニルアセタール系スポンジの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリビニルアセタール
(以下、「PVAt」と略記する)系スポンジに係り、
更に詳しくは吸水性能に優れ、湿潤状態での弾力性に優
れたPVAt系スポンジの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PVAt系スポンジは、吸水性,含水性
に優れると共に湿潤時に好ましい柔軟性や弾力性を有す
る素材として知られている。PVAt系樹脂多孔質体
は、かかる性質を利用して、吸水材,給水材,濾過材,
拭浄材,研磨材,洗浄用具,化粧用のパフ等に広く用い
られている。
【0003】従来、PVAt系スポンジは、概略次のよ
うな方法で製造されている。即ち、先ずポリビニルアル
コール(以下、「PVA」と略記する)水溶液に気孔形
成材としての澱粉、架橋剤としてのアルデヒド類、及び
架橋触媒としての酸類を加えて均一に混合し、次いでこ
れを所定の型枠に注型して加熱し、架橋反応せしめた
後、得られた反応生成物を型枠から取り出し、水洗等に
より気孔形成材及び未反応物を除去して連続気孔構造を
有する多孔質体とする方法である。
【0004】上記従来の製造方法における架橋反応は、
通常PVA量(水酸基2分子に対しアルデヒド1分子を
当量とする)に対してアルデヒド類を例えばPVA/ア
ルデヒド当量比が1/0.55〜1/2.00程度の大
過剰量を加え、且つ低濃度の酸触媒(例えば硫酸濃度4
〜6重量/容量%)下において、比較的低温(例えば6
0℃程度)で長時間(例えば10〜24時間)かけて反
応させている。このアセタール化反応(架橋反応)は、
その反応初期においては反応系全体が均一に反応してい
るが、反応が進むにつれて一部不均一な反応となり、P
VAt樹脂が徐々に析出し沈澱をし始める。
【0005】しかしながら、アルデヒドを過剰に添加す
る方法は、反応温度と反応時間とで反応度合い(アセタ
ール化度)を制御することが難しく、品質的に均質なも
のを安定して得るのが難しいため、効率のよい製造方法
とは言えない。また製造時におけるアルデヒド臭が強
く、作業環境の点でも問題の多い方法である。
【0006】上述のようにして製造されたPVAt系ス
ポンジは、湿潤状態で長期間保管すると黴が発生するこ
とがある。このため、PVAt系スポンジは乾燥状態で
保管し、使用するに際し吸水させて湿潤状態とすること
が望ましい。しかしながら、PVAt系スポンジの吸水
速度は乾燥状態と湿潤状態とでは大きな差があり、乾燥
状態での吸水速度は湿潤状態のそれに比べ著しく遅いも
のである。このため、乾燥状態のPVAt系スポンジを
湿潤状態にするには、若干時間を要することになる。す
なわち、PVAt系スポンジは乾燥状態における吸水速
度が速く、速やかに湿潤状態に移行するものが実用上極
めて好ましいものである。
【0007】また、PVAt系スポンジは湿潤時におけ
る反発弾力性の小さい場合、ひび割れやへたり等を生じ
易くなり、圧縮を繰り返して使用する用途には耐久性の
点で問題がある。従って、PVAt系スポンジとして
は、乾燥硬化状態から速やかに湿潤状態に移行し且つ湿
潤時の反発弾性に優れたものが好ましく、かかる性能の
一層優れたものの出現が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述の
事情に鑑み鋭意研究した結果、反応液に特定の界面活性
剤を添加混合することで、得られるPVAt系スポンジ
の水濡れ性及び湿潤時の弾力性が向上することを見出し
本発明を完成したものであって、本発明の目的とすると
ころは、水濡れ性が良く乾燥時における吸水性能に優
れ、乾燥状態から湿潤状態へと速やかに移行し、且つ湿
潤時の反発弾力性に優れたPVAt系スポンジの製造方
法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、PV
A、澱粉、架橋剤、及び架橋触媒からなる反応液を架橋
反応させた後、得られた反応生成物を洗浄して前記澱粉
及び架橋触媒を除去しPVAt系スポンジを製造するに
おいて、PVA水溶液に澱粉を分散し該澱粉を糊化せし
めたのち、該澱粉の糊化温度より低い温度にまで冷却
し、次いでこの水溶液に硫酸エステル塩系アニオン界面
活性剤を前記反応液に対し0.05〜1.00重量/容
量%添加混合し、然る後架橋触媒を加えて架橋反応せし
めることを特徴とするPVAt系スポンジの製造方法に
よって達成される。
【0010】本発明に用いられるPVAは、平均重合度
が300〜4000程度のものであり、完全ケン化物で
あっても部分ケン化物であってもよく、それらを混合し
たものでもよい。また、酢酸ビニルと他の重合性モノマ
ーとの共重合物をケン化して得られる変性PVAを用い
ることもできる。完全ケン化物を用いた場合には、親水
性のより優れたPVAt系スポンジを得ることができ
る。また、高重合度のPVAを用いた場合には、高気孔
率,高弾力性のものを得ることができる。
【0011】本発明において気孔形成材として用いられ
る澱粉は、植物から抽出される澱粉粒である。澱粉粒の
由来となる植物としては、例えば米,小麦,トウモロコ
シ,タピオカ,馬鈴薯,甘薯,タロイモ,葛,サゴ,ワ
キシーメイズ,米ソルガム等が挙げられる。その他、デ
キストリン等の加工澱粉,澱粉誘導体等を用いることも
でき、更にメチルセルロース,エチルセルロース等の水
溶性高分子等を併用してもよい。澱粉粒は植物の種類に
よって粒径が異なるので、使用する澱粉の種類は所望す
る気孔径に応じて適宜選択すればよい。気孔形成材の種
類や量を変えることで、多孔質体の気孔径、気孔率を調
節することができる。本発明において使用される澱粉の
量は、反応液に対して3〜7重量/容量%程度が好まし
い。
【0012】上記反応液に用いる架橋剤は、アルデヒド
類であり、例えばホルムアルデヒド,アセトアルデヒ
ド,ブチルアルデヒド,パラホルムアルデヒド,アクリ
ルアルデヒド等の脂肪族アルデヒド類、グリオキザール
等の脂肪族ジアルデヒド類、ベンズアルデヒド等の芳香
族アルデヒド類、アクロレイン等の不飽和アルデヒド類
等を挙げることができる。
【0013】本発明に用いる架橋触媒は、酸類であり、
例えば硫酸,塩酸,燐酸,マレイン酸等の無機酸あるい
は有機酸を挙げることができるが、通常は硫酸が用いら
れる。また、強酸と弱塩基とからなる水溶液中で酸性を
示す酸性塩を用いることもできる。
【0014】本発明における特徴的構成は、上記反応液
を製造するに際し添加混合する界面活性剤の種類とその
添加手順とにある。本発明において添加混合される界面
活性剤はアニオン界面活性剤のうち硫酸エステル塩のも
のである。硫酸エステル塩系アニオン界面活性剤とは、
硫酸とアルコールとを反応させたエステル塩からなるも
のであり、ここでアルコールとしては、炭素数11〜1
8の高級アルコールが好ましい。本発明に用いられる硫
酸エステル塩は、原料アルコールの総脂肪質に対する結
合硫酸(SO3 )量の比率が25〜43%の範囲にある
ものが好ましく、更に好ましくは25〜35%の範囲の
ものである。また、本発明においては、高級アルコール
にエチレンオキサイドを付加させて硫酸エステル塩にし
た高級アルキルエーテル硫酸エステル塩系アニオン界面
活性剤を用いてもよい。
【0015】更に、本発明においては、界面活性剤とし
て水酸基や二重結合をもった脂肪酸又は脂肪酸エステル
を硫酸化して中和した硫酸化脂肪酸や硫酸化脂肪酸エス
テルを用いることもできる。硫酸化脂肪酸は、天然の不
飽和の油脂や蝋を硫酸化し中和したものであり、結合硫
酸量が少ないので、水にやっと溶けるか乳化するような
ものである。また、硫酸化脂肪酸エステルは、不飽和脂
肪酸の低級アルコールエステルであって、結合硫酸量は
15〜20%であり、浸透性に優れたものである。
【0016】本発明における上記硫酸エステル塩系アニ
オン界面活性剤を添加混合する手順としては、澱粉を分
散したPVA水溶液を加熱して該澱粉を予め糊化せしめ
た液を冷却したのち添加することが肝要である。一般的
に界面活性剤を添加すると澱粉の糊化温度は低下するこ
とになる。しかしながら驚くべきことに、本発明に用い
る硫酸エステル塩系アニオン界面活性剤では、澱粉の糊
化温度を上昇させる作用を有するのである。そのため、
澱粉を糊化させる前に硫酸エステル塩系アニオン界面活
性剤を添加した場合は、澱粉の糊化温度が上昇するた
め、澱粉が糊化しないか極めて糊化し難く、均一な気孔
を形成することが困難となる。
【0017】本発明においては、硫酸エステル塩系アニ
オン界面活性剤を澱粉の糊化後に添加混合することによ
り、表面張力の低下による消泡作用と、糊化膨潤した澱
粉粒相互のゲル化を適宜抑制して均一に分散させる作用
とを得ることができる。また、添加した硫酸エステル塩
系アニオン界面活性剤は、アセタール化反応と共に、該
界面活性剤自体が架橋触媒である酸類によって適度に加
水分解されることになる。
【0018】本発明において添加される上記硫酸エステ
ル塩系アニオン界面活性剤の量は、反応液中の濃度が
0.05〜1.00重量/容量%、好ましくは0.1〜
1.00重量/容量%、更に好ましくは0.2〜0.8
重量/容量%となる量であり、混合される澱粉の重量に
対し2〜22重量%が好ましい。尚、硫酸エステル塩系
アニオン界面活性剤は、中性において親水性に優れてい
るため、PVA水溶液と良く相溶する。上記界面活性剤
の添加量が少ない場合には風合いがソフトなスポンジと
なり、湿潤時の反発弾力性に劣るものとなる。また、上
記界面活性剤の添加量が多くなるにつれて弾力性が増し
てくるが、濃度が1.0%を超えると均一な気孔構造の
スポンジを得るのが困難となる。
【0019】架橋反応時における消泡性,浸透性,分散
性を向上させるため、界面活性剤を添加することは周知
である。しかし、本発明における上記添加量は、通常行
われている界面活性剤の添加量に比べ著しく高濃度であ
る。
【0020】すなわち、一般的な界面活性剤を高濃度
(例えば0.1重量/容量%以上)で添加した場合に
は、得られる反応生成物の収縮が著しく、型剥がれが発
生したり、均一な気孔構造を得ることができず、また反
応時や取り出し時、あるいは水洗工程時等における泡立
ちが激しく、更に高弾力性のPVAt系スポンジを得る
ことができない。このため、消泡剤,浸透剤,分散剤と
して添加する界面活性剤の添加量は、通常0.01重量
/容量%程度の極少量である。
【0021】一方、本発明に用いる硫酸エステル系アニ
オン界面活性剤を添加した場合には、高濃度で添加して
も上述のような問題点が発生することはない。このこと
は、一般の界面活性剤が糊化温度を逆に低下させる作用
を有するのに対し、本発明に用いる硫酸エステル塩系ア
ニオン界面活性剤が、澱粉の糊化温度を上昇させる作用
を有するためと推測される。かかる硫酸エステル系アニ
オン界面活性剤の有する特異な性質は、本発明によって
初めて見出された新しい知見である。
【0022】澱粉を糊化させたあとで硫酸エステル塩系
アニオン界面活性剤を添加混合し架橋触媒を添加する前
の水溶液は、表面張力が著しく低くなるため泡立ち難い
ものである。また添加した界面活性剤は、糊化して膨潤
した澱粉の保護コロイド作用を奏し、糊化温度上昇によ
り澱粉の糊化を抑制すると共に、粘度を安定させ澱粉粒
の均一な分散状態を保つ効果を奏する。
【0023】本発明の方法は、上述の硫酸エステル塩系
アニオン界面活性剤を添加混合した液に、架橋剤と架橋
触媒とを加えて架橋反応させるものである。架橋触媒と
して添加される酸類により硫酸エステル塩が酸性水溶液
中で一部加水分解され、元の高級アルコールと硫酸とが
生成する。このため反応生成するPVAt系樹脂は分解
生成した高級アルコールを取り込み、該高級アルコール
により疎水性が付与されるため、PVAt系スポンジは
湿潤状態における反発弾力性が著しく向上することにな
る。また、分解生成した硫酸は架橋反応の触媒としてア
セタール化反応を促進させる効果を奏することになる。
【0024】尚、本発明においては、架橋反応を硫酸エ
ステル塩系アニオン界面活性剤を添加混合した後に行う
必要があり、少なくとも架橋触媒は硫酸エステル塩系ア
ニオン界面活性剤の添加混合後に添加される。一方、架
橋剤の添加手順は好ましくは硫酸エステル塩系アニオン
界面活性剤の添加後であるが、硫酸エステル塩系アニオ
ン界面活性剤の添加前であってもよい。
【0025】本発明の方法に用いる架橋剤の量は、例え
ばホルムアルデヒドの場合ではPVA100重量部に対
し好ましくは22.5〜37.5重量部である。また、
ビニルアルコール2分子に対してアルデヒド1分子を当
量比とした場合の架橋剤の量は、PVA/アルデヒド当
量比が1/0.33〜1/0.55である。従来の製造
方法では過剰の架橋剤を混合していたが、本発明の方法
では架橋剤の量を過剰にする必要がないため、未反応の
アルデヒド類を極僅かな量に抑えることが可能となり、
悪臭等の発生を未然に防止することができ、作業環境の
改善も期待できる。
【0026】尚、架橋剤が少な過ぎる場合には反応不足
となり、半透明状態のものしか得られず、実用に供する
ことができない。また、架橋剤が多過ぎる場合には、ア
セタール化反応が進み過ぎて、体積収縮が大きくなり型
剥がれを起こし易く、得られるPVAt系スポンジは反
発弾力性に乏しいものであり、圧縮後の回復速度が遅
く、もったりとした風合いのものとなる。本発明の方法
では、PVAに対し上記範囲で架橋剤を用いたときに、
著しく水濡れ性が向上し、高速吸水柔軟化する性能を有
するものが得られる。
【0027】また、本発明の方法において、架橋剤を上
述の範囲で用い架橋触媒として硫酸を用いた場合は、反
応液中における硫酸濃度は好ましくは4〜18重量/容
量%、更に好ましくは6〜15重量/容量%である。反
応液中の硫酸濃度が4重量/容量%より小さいときは、
得られるPVAt系スポンジの風合いはソフトな感触と
なり、湿潤時の反発弾力性の比較的小さなものである。
一方、硫酸の濃度が18重量/容量%より大きい場合
は、アセタール化反応が速く、均一な反応が難しくな
り、しかも澱粉の加水分解が促進され過ぎて、体積収縮
による型剥がれ現象を起こし、実用に供されるものを得
るのが困難となる。
【0028】本発明に用いる硫酸エステル塩系アニオン
界面活性剤はPVAt系樹脂に対して極めて相溶性がよ
く、水洗後も一部がPVAt系スポンジ中に残存する。
このため、得られるPVAt系スポンジは、水濡れ性が
良く吸水性が著しく向上し、乾燥状態から極めて速やか
に湿潤状態へと変化するものとなる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明の方法を具体的に
説明する。なおその前に、本明細書における各種物性の
測定方法について記述する。
【0030】〈圧縮強さ〉タテ,ヨコ各100mm、厚さ
40mmの湿潤状態の試料スポンジを、テンシロン型圧縮
試験機で載荷速度HS=30(mm/min)で、厚み方向に
元の厚さの25%,38%,50%圧縮したときの圧縮
荷重(kg) を測定して、次式により求めた。 圧縮強さ(kg/cm2)=圧縮荷重(kg)/断面積(cm2)
【0031】〈ゴム硬度〉タテ,ヨコ各100mm、厚さ
40mmの湿潤状態の試料スポンジの上面に、ラバーテス
ター「TypeF」(高分子計器製作所製)を載置し、該ラ
バーテスターのダイヤルゲージの示す目盛りを読み取
る。計器自体の重量が測定圧となる。尚、本発明におい
て、反発弾力性に優れているとは、ゴム硬度の値が30
以上、好ましくは35以上のものである。
【0032】〈吸水速度〉タテ,ヨコ各100mm、厚さ
40mmの乾燥状態の試料スポンジを、水面上に静かに置
き、スポンジ全体が濡れるまでの時間を測る。
【0033】〈気孔率〉乾燥状態の試料スポンジの寸法
及び重量を測定して、見掛け密度ρa を求め、真密度ρ
o から、次式により求めた。 気孔率(%)=(1−ρa /ρo )×100
【0034】実施例1 重合度1700の完全ケン化PVAと重合度800の部
分ケン化PVAとを重量比で7:3の割合で混合した混
合PVAを温水に溶解し、濃度14%の水溶液を調製し
た。この加温されたPVA水溶液600mlに馬鈴薯澱粉
32gを水に分散した分散液を加えて、全量を800ml
に定容して攪拌混合し、澱粉を糊化せしめて、均一で粘
稠な混合水溶液を得た。得られた混合水溶液を45℃ま
で冷却した後、濃度20%の高級アルコール硫酸エステ
ル系アニオン界面活性剤水溶液20mlを加え攪拌混合し
た。これに50%硫酸70mlと37%ホルムアルデヒド
水溶液60mlとを加え均一に混合した後、所定の型枠に
注型し、温度55℃で16時間加熱しアセタール化反応
させた。
【0035】反応終了後、得られた反応生成物を型枠か
ら取り出し、水洗して澱粉および未反応物等を除去し、
連続気孔構造のPVAt系スポンジを得た。得られたP
VAt系スポンジは、平均気孔径約150μm、気孔率
90%であり、その結果は、表1に示す通りであった。
また、吸水速度の測定では、底部より均一に吸水して自
然に沈降した。
【0036】比較例1 実施例1で加えた界面活性剤を用いない以外は、実施例
1と同様にしてPVAt系スポンジを得た。得られたP
VAt系スポンジの結果は、表1に示す通りであり、乾
燥状態から湿潤状態へ変化するのにかなりの時間を要し
た。また、吸水速度の測定では、底部より不均一に吸水
して自然沈降はしなかった。
【0037】比較例2 実施例1で加えた界面活性剤に代えて非イオン系界面活
性剤ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル(HL
B14)を用いた以外は実施例1と同様にしてPVAt
系スポンジを得た。得られたPVAt系スポンジの結果
は、表1に示す通りであり、実施例1のものに比べ吸水
性に劣っていた。また、吸水速度の測定では、底部より
不均一に吸水して自然沈降はしなかった。
【0038】
【表1】
【0039】参考例 次に、澱粉の糊化温度におよぼす界面活性剤の影響につ
いて調べた。
【0040】澱粉としてコーンスターチを30g、40
0mlの水に分散し、表2に示す如き界面活性剤を3g添
加して攪拌混合しながら1.5℃/分の昇温速度で昇温
させた。その際の糊化温度を、粘度計(BRABENDAER VIS
KOGRAPH PT-100型)により測定した。結果は、表2に示
す通りであった。
【0041】
【表2】
【0042】高級アルコール硫酸エステル系界面活性剤
では、澱粉の糊化温度を著しく上昇させ、90℃まで昇
温しても増粘せず、糊化を抑制する作用があり、ピーク
粘度も消失した。これに対し、エステル系以外の界面活
性剤では殆どのものが澱粉の糊化を促進させる作用があ
り、一般的には約10℃程度糊化温度が下がった。
【0043】
【発明の効果】本発明の方法は、気孔形成材として混合
した澱粉を一旦糊化させたのち冷却した溶液中に硫酸エ
ステル塩系アニオン界面活性剤を添加混合したため、得
られるPVAt系スポンジは、乾燥状態での吸水性に優
れ、乾燥状態から容易且つ速やかに湿潤状態へと移行す
る。また、湿潤時における反発弾力性に優れている。更
に、架橋剤としてのアルデヒド類の添加混合量を過剰に
する必要がなく、架橋剤は殆どが架橋反応に消費される
ため、アルデヒド類の悪臭が極めて低減せしめることが
可能となり、作業環境を改善することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール、澱粉、架橋剤、
    及び架橋触媒からなる反応液を架橋反応させた後、得ら
    れた反応生成物を洗浄して前記澱粉及び架橋触媒を除去
    しポリビニルアセタール系スポンジを製造するにおい
    て、ポリビニルアルコール水溶液に澱粉を加え該澱粉を
    糊化せしめたのち、該澱粉の糊化温度より低い温度にま
    で冷却し、次いでこの水溶液に硫酸エステル塩系アニオ
    ン界面活性剤を反応液に対し0.05〜1.00重量/
    容量%添加混合し、然る後架橋触媒を加えて架橋反応せ
    しめることを特徴とするポリビニルアセタール系スポン
    ジの製造方法。
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