JP2991606B2 - 混成糸及びその混成糸の製造方法 - Google Patents

混成糸及びその混成糸の製造方法

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JP2991606B2
JP2991606B2 JP5343538A JP34353893A JP2991606B2 JP 2991606 B2 JP2991606 B2 JP 2991606B2 JP 5343538 A JP5343538 A JP 5343538A JP 34353893 A JP34353893 A JP 34353893A JP 2991606 B2 JP2991606 B2 JP 2991606B2
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一般衣料あるいは産
業衣料分野において、カサ高効果及び保温性能が要求さ
れる繊維製品、例えば、手袋、厚手ソックス、チョッ
キ、セーター等を製造するために好適に用いることがで
きる、混成糸及びその混成糸の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、芯糸、浮糸及び抑え糸からなる混成糸があり、例え
ば、図5に示される混成糸5では、浮糸6が芯糸7の表
面よりループ状あるいは毛羽状に突出するように配置さ
れているとともに、抑え糸8がこれら芯糸7及び浮糸6
をカバーリングしている。
【0003】しかし、その混成糸5では、その素材に合
繊フィラメント加工糸が用いられているが、充分な伸縮
性及び柔らかいふくらみをもったカサ高効果がないの
で、その混成糸5よりなる繊維製品も充分な伸縮性がな
く、また、ふっくらとした柔らかい手触りもなかった。
【0004】この発明は、上記した欠陥を解決するため
になされたものであり、その目的とするところは、伸縮
性に優れ、柔らかいふくらみをもったカサ高効果を有す
る混成糸及びその混成糸の製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る混成糸及
びその混成糸の製造方法は、前記目的を達成するため
に、次の構成からなる。すなわち、芯糸と、この芯糸の
表面よりループ状あるいは毛羽状に突出するように配置
される浮糸と、これら芯糸及び浮糸をカバーリングする
抑え糸とを備える混成糸において、前記芯糸を、スパン
デックスフィラメント糸と、このスパンデックスフィラ
メント糸以外の他の繊維糸とから構成し、かつ、そのス
パンデックスフィラメント糸の、前記混成糸に対する重
量比率を、0.6パーセント乃至5パーセントとしてい
る。また、前記浮糸としては、ドラフトして集束されて
いない状態短繊維束を用いてなるものである。
【0006】前記浮糸の平均繊維長は、75ミリメート
ル以上であるのが望ましい。
【0007】また、前記浮糸は前記芯糸の表面より少な
くとも3ミリメートル以上の高さであるとともに、前記
混成糸10センチメートル当たり少なくとも8個以上の
ループ状あるいは毛羽状が形成されているのが望まし
い。
【0008】また、この発明に係る混成糸の製造方法
は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。す
なわち、スパンデックスフィラメント糸と、このスパン
デックスフィラメント糸以外の他の繊維糸とを備える芯
糸と、この芯糸の表面よりループ状あるいは毛羽状に突
出するように配置され、平均繊維長が脱落が生じにくい
ように所定の長さ以上の短繊維束からなる浮糸と、これ
ら芯糸及び浮糸をカバーリングする抑え糸とを備える混
成糸を製造する製造方法であって、次に述べる工程を備
えている。すなわち、その伸縮性を発揮しうるように前
記混成糸に対して重量比率で所定の割合とするスパンデ
ックスフィラメント糸と、前記他の繊維糸とをそれぞれ
給糸して前記芯糸とし、この芯糸に対して、ドラフトし
て集束されていない状態の短繊維束からなる浮糸を供給
して絡み合わせて、これら浮糸及び芯糸の外周に前記抑
え糸をカバーリングする。
【0009】この場合、前記芯糸と浮糸とが、相互間で
形成する開き角度が30度乃至70度で合流して、回転
可能な中空スピンドルの中空部分を通過するのに対し、
この中空スピンドルに巻装される前記抑え糸がこの中空
部分に導びかれて、中空部分を通る浮糸及び芯糸の外周
をカバーリングし、この抑え糸によってカバーリングさ
れた浮糸及び芯糸は、中空スピンドルの出口側に配置さ
れ、かつ、その中空スピンドルと一体となって旋回す
る、仮撚付与部材によって仮撚されるのが好ましい。
【0010】
【作用】混成糸は、芯糸の表面よりループ状あるいは毛
羽状に突出するように浮糸を配置しているとともに、こ
れら芯糸及び浮糸を抑え糸によりカバーリングする。芯
糸は、スパンデックスフィラメント糸とこのスパンデッ
クスフィラメント糸以外の他の繊維糸とから構成されて
おり、かつ、そのスパンデックスフィラメント糸の成分
比率は、その伸縮性を発揮しうるようにこの混成糸に
対して重量比率で0.6パーセント乃至5パーセント
している。また、浮糸は、ドラフトして集束されていな
い状態短繊維束からなる。
【0011】
【実施例】以下、この発明にかかる混成糸及びその混成
糸の製造方法の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0012】混成糸10は、図1に示されるように、芯
糸11と、この芯糸11の表面よりループ状あるいは毛
羽状に突出するように配置される浮糸12と、これら芯
糸11及び浮糸12をカバーリングする抑え糸13とを
備える。
【0013】前記芯糸11は、スパンデックスフィラメ
ント糸14と、このスパンデックスフィラメント糸14
以外の素材の化学繊維糸あるいは天然繊維糸の1種もし
くは2種以上からなる他の繊維糸15とから構成されて
いる。その際、スパンデックスフィラメント糸14は、
その伸縮性を発揮しうるようにこの混成糸10に対して
重量比率で所定の割合だけ含まれる。すなわち、スパン
デックスフィラメント糸14の混成糸10に対する重量
比率を、0.6パーセント乃至5パーセントにすること
が望ましい。この理由は、前記重量比率が0.6パーセ
ント未満であると、スパンデックスフィラメント糸14
が、その他の繊維等から摩擦抵抗を受けたり、あるい
は、拘束されたりして、充分な伸縮性を発揮できないか
らである。また、前記重量比率が5パーセントを越える
と、スパンデックスフィラメント糸14の性質により、
この混成糸10が有する柔らかいふくらみを大きく減ら
すため、使用者に柔らかい手触り感を与えにくくなるか
らである。
【0014】前記浮糸12としては、ドラフトして(引
き延ばして)集束されていない状態で、かつ、その平均
繊維長が脱落が生じにくいように所定の長さ以上である
短繊維束が用いられる。この状態の短繊維束を用いる理
由は、混成糸10の表面にループ状あるいは毛羽状とな
った浮糸12を形成する場合、浮糸12となる紡績用ス
ライバーがドラフトせずに集束している状態と比較し
て、ふくらみをもった柔らかいループ状あるいは毛羽状
が形成されるからである。また、この浮糸12の平均繊
維長は、混成糸10より脱落を生じにくくするため、7
5ミリメートル以上であることが望ましいが、これは、
浮糸12の平均繊維長が75ミリメートル未満の場合、
芯糸11及び抑え糸13が浮糸12を保持しにくくなる
からである。特に、図2に示されるように、浮糸12の
ループ状の先端が切断されて毛羽状となっている場合、
毛羽状の浮糸12が脱落しやすく、使用等に際して、好
ましくないからである。
【0015】そして、前記抑え糸13は、既述した如
く、スパンデックスフィラメント糸14及び前記繊維糸
15よりなる芯糸11に対して、ドラフトして集束され
ていない状態の前記短繊維束からなる浮糸12がループ
状あるいは毛羽状に突出するように、芯糸11及び浮糸
12の外周全体を一定間隔毎にカバーリングするが、こ
の際、スパンデックスフィラメント以外の素材からなる
化学繊維糸あるいは天然繊維糸を用いる。そして、この
混成糸10が、次に述べるように製造されると、前記混
成糸10の表面には、ループ状あるいは毛羽状の浮糸1
2が、前記芯糸11の単位長さ当たり所定個数であっ
て、かつ、その表面より所定高さとなるように突出され
る。すなわち、浮糸12によるループ状あるいは毛羽状
は、望ましくは、前記混成糸10センチメートル当たり
少なくとも8個以上形成されるとともに、前記芯糸11
の表面より少なくとも3ミリメートル以上突出する高さ
とする。これにより、この混成糸10は、柔らかいふく
らみを生じさせるというカサ高効果を発揮するが、これ
ら数値未満の場合は、このカサ高効果は発揮しにくい。
もっとも、この浮糸12のループ状の先端が切断されて
毛羽状となる場合は、浮糸12は、芯糸11の表面より
少なくとも5ミリメートル以上突出する高さであること
が望ましい。
【0016】次に、この混成糸10の製造工程を説明す
る。
【0017】スパンデックスフィラメント糸以外の素材
の化学繊維糸あるいは天然繊維糸の1種もしくは2種以
上からなる他の繊維糸15は、図3に示されるように、
クリールスタンド20に取り付けられたボビンBに巻装
されており、その先端は、ボビンBより引き出され、バ
ルーニングガイド21及び一対の給糸ローラー22介し
て、ヤーンガイド23へ送り出される。一方、スパンデ
ックスフィラメント糸14は、ボビンCに巻装されてお
り、その糸14の先端は、一対の給糸ローラー26を介
して引き出され、ヤーンガイド23へ送り出される。そ
して、スパンデックスフィラメント糸14及び繊維糸1
5からなる芯糸11が、ヤーンガイド23より中空ガイ
ド24へ送られ、更に、長手状の中空スピンドル25の
入り口25aへ導かれる。
【0018】また、浮糸12は、クリールスタンド27
に取り付けられたボビンDに巻装されており、その糸1
2の先端はボビンDより引き出され、ガイド28及び3
線式ドラフト装置29を介して前記中空ガイド24の背
面側を通り、更に、中空スピンドル25の入口25aへ
向かって送り出される。この3線式ドラフト装置29に
は、一対の給糸ローラー29a、29a、及び、同様の
給糸ローラー29b、29b、29c、29cがこの浮
糸12の糸通路に沿って順番に配列されている。そし
て、これら給糸ローラー29aの回転速度が、給糸ロー
ラー29bの回転速度より遅く、更に、給糸ローラー2
9bの回転速度が、給糸ローラー29cの回転速度より
遅くなるように設定してある。これは、給糸ローラー2
9bの回転速度が給糸ローラー29aの回転速度に比べ
て速いと、給糸ローラー29aと給糸ローラー29bと
の間でドラフト(引き延ばし)が付与され、短繊維束が
引き延ばされ(ドラフト)されて集束されていない状態
となるからである。
【0019】そして、中空スピンドル25の入口25a
の手前で、芯糸11と浮糸12とが合流して絡み合わさ
れ、中空スピンドル25内を貫通する中空部分25b内
に挿通される。この場合、中空ガイド24の出口24a
は、中空スピンドル25の中心の直上で、かつ、その入
口25aと中空ガイド24の出口24aとの距離Sは、
およそ5〜12ミリメートル程度であるのが望ましい。
また、中空ガイド24の出口24aより送り出される芯
糸11と中空ガイド24の背面側を通って中空スピンド
ル25の入口25aへ向かって送られる浮糸12とは、
相互間で形成する開き角度Pが30度乃至70度で合流
するのが望ましい。そして、中空ガイド24が中空スピ
ンドル25に対して上記位置に設置され、かつ、相互間
で形成する開き角度Pが30度乃至70度で芯糸11と
浮糸12とが合流する場合、芯糸11と浮糸12との絡
み合いが良く、この混成糸10は安定して製造される。
【0020】この中空スピンドル25には、つば付きボ
ビンEが装着されており、このボビンEには、前記抑え
糸13が巻き付けられている。そして、中空スピンドル
25とつば付きボビンEとが一体的に回転している状態
で、抑え糸13の先端がこのボビンEより上方へ引き出
されるとともに、中空スピンドル25の中空部分25b
内へ送り出される。その後、抑え糸13がこれら芯糸1
1及び浮糸12の表面外周にスパイラル状に巻き付けら
れてカバーリングをし、中空スピンドル25の出口25
cより出てくる。この場合、抑え糸13は、芯糸11及
び浮糸12の外周全体を一定間隔毎にカバーリングして
いる。そして、抑え糸13が巻き付けられた芯糸11及
び浮糸12は、この中空スピンドル25の出口25cに
取り付けられた、仮撚付与部材としての仮撚ガイドバー
30に掛けられた後、一対の引き取りローラ32及びガ
イド33に掛け渡されて、巻取りパッケージ34へ送ら
れる。
【0021】この場合、巻取りパッケージ34は、巻取
りボビン35と、この巻取りボビン35の外側に取り付
けられたリング36と、このリング36の周縁に沿って
移動するトラベラー37とを備えており、抑え糸13に
よって巻き付けられた芯糸11及び浮糸12は、S撚が
かけられ、このトラベラー37を介して巻取りボビン3
5に巻き付けられる。また、仮撚ガイドバー30は、中
空スピンドル25と一体となって旋回するとともに、そ
の先端に適宜の曲率を有するフック形状部30aを備
え、抑え糸13が巻き付けられた芯糸11及び浮糸12
が、このフック形状部30aに1回巻き付けられて通過
する際に、仮撚が付与される。そして、仮撚ガイドバー
30の作用により、浮糸12のループ状の部分が間欠的
に形成される。この際、混成糸10を安定して走行させ
るためには、このフック形状部30aの曲率半径が2ミ
リメートル以上が望ましい。
【0022】また、浮糸12を送る給糸ローラー29c
の回転速度は、引き取りローラ32の回転速度に比べ
て、140乃至260パーセントだけ速くしているた
め、浮糸12は、過剰に給糸されながら芯糸11の外周
に巻き付く。また、スパンデックスフィラメント糸14
を給糸する給糸ローラー26の回転速度は、引き取りロ
ーラ32の回転速度に比べて、26〜42パーセントだ
け遅くしているため、スパンデックスフィラメント糸1
4には、給糸ローラー26と引き取りローラ32との間
でドラフトが付与される。このドラフトは、好ましくは
2.3〜3.8倍の範囲で行う。それにより、混成糸10
は、伸縮性に優れるとともに、柔らかいふくらみを生じ
させるカサ高効果を安定して発揮する。
【0023】次に、より具体的な実例を用いて説明す
る。
【0024】糸の太さが30デニールのスパンデックス
フィラメント糸14を3倍にドラフトして用いるととも
に、繊維糸15として糸の太さが100デニールのナイ
ロンフィラメント糸を用いて、芯糸11とする。また、
浮糸12には、1メートル当たり2グラムで平均繊維長
が102ミリメートルであるアクリルスライバーを、上
記3線式ドラフト装置29により28倍にドラフトして
用い、また、抑え糸13には、糸の太さが100デニー
ルのナイロンフィラメント糸を用いる。
【0025】そして、スパンデックスフィラメント糸1
4の給糸速度を4.3メートル/分とし、また、繊維糸
15の給糸速度を13.2メートル/分とする。また、
浮糸12の給糸速度を26.5メートル/分とし、更
に、抑え糸13によるカバーリングを2700回/分と
する。また、引き取りローラ32の引き取り速度を13
メートル/分とするとともに、巻取りパッケージ34に
おける巻取りボビン35の回転数を2800回/分に設
定して巻き上げる。それにより、スパンデックスフィラ
メント糸14の混成糸10に対する重量比率は、0.6
5パーセントとなり、浮糸12により形成されたループ
は、芯糸11の10センチメートル当たり15個で、そ
の高さは、芯糸11の表面より3〜6ミリメートルとな
った。
【0026】そして、従来例の混成糸とこの混成糸10
とを比較実験をした。この場合、従来例の混成糸は、芯
糸として、糸の太さが140デニールの仮撚加工したナ
イロン糸を用いるとともに、浮糸として、糸の太さが1
/14番手のアクリル紡績糸を用いて製造される。その
結果、図4に示されるように、この実施例の混成糸10
では、次に述べるカサ高度が152パーセント、伸縮復
元率が62パーセントであるのに対し、従来例の混成糸
では、カサ高度が139パーセント、伸縮復元率が19
パーセントであった。
【0027】尚、カサ高効果を発揮する程度を表すた
め、カサ高度を用いたが、このカサ高度(パーセント)
とは、混成糸10の原料素材をそのまま引き揃えた際の
重量を、混成糸10の正味重量で割って百分率で表した
ものをいい、この混成糸10の正味重量とは、1デニー
ル当たり0.1グラムの張力を与えて、一定体積に巻き
上げ時の混成糸10の重量をいう。従って、このカサ高
度(パーセント)の数値が大きいほど、混成糸10に対
して柔らかいふくらみを生じさせるカサ高効果を発揮す
る。それにより、混成糸10は、従来の混成糸に比べ
て、伸縮性に優れるとともに、従来の混成糸にはない柔
らかいふくらみを生じさせるカサ高効果を発揮する。そ
して、この混成糸10により製造された衣料製品は、高
度の伸縮性を有するため、身体にフィットして快適感を
与え、また、その表面はふっくらとした柔らかい手触り
となり、更に、良好な保温効果をもつ。
【0028】更に、他の実例を用いて説明する。
【0029】この場合、糸の太さが40デニールのスパ
ンデックスフィラメント糸14を3倍にドラフトして用
いるとともに、繊維糸15として糸の太さが30番手の
ポリエステル、レイヨンからなる混紡糸を芯糸11とし
て用いる。また、浮糸12には、平均繊維長が86ミリ
メートルのウールを上記3線式ドラフト装置29により
31倍にドラフトして用い、また、抑え糸13には、糸
の太さが100デニールのナイロンフィラメント糸を用
いる。
【0030】そして、スパンデックスフィラメント糸1
4の給糸速度を4.5メートル/分とし、また、繊維糸
15の給糸速度を13.8メートル/分とし、更に、浮
糸12の給糸速度を23メートル/分とする。また、抑
え糸13によるカバーリングを260回/メートルと
し、引き取りローラ32の引き取り速度を13.5メー
トル/分とすると、最終的には、混成糸10のS撚の個
数は、270回/メートルとなる。それにより、スパン
デックスフィラメント糸14の混成糸10に対する重量
比率は、0.86パーセントとなり、前述の具体例と同
様に、この混成糸10は、伸縮性に優れるとともに、柔
らかいふくらみを生じさせるカサ高効果を発揮する。ま
た、図2に示されるように、浮糸12のループ状の先端
を切断して起毛加工を施すと、混成糸10の全面に毛羽
が形成され、ソフトなカサ高糸が得られる。
【0031】尚、本発明は、上述した実施例に限定され
るわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変
更が可能であり、例えば、上記ドラフト装置は4線式で
あってもよいし、それ以外の装置であってもよい。ま
た、スパンデックスフィラメント糸の混成糸に対する重
量比率は、必ずしも、0.6パーセント乃至5パーセン
トである必要はなく、また、前記浮糸の平均繊維長は、
75ミリメートル以上である必要はない。更に、浮糸
は、必ずしも、前記芯糸の表面より少なくとも3ミリメ
ートル以上の高さである必要はなく、また、混成糸10
センチメートル当たり少なくとも8個以上のループ状あ
るいは毛羽状は、形成される必要はない。
【0032】
【発明の効果】以上、詳述したところから明らかなよう
に、この発明にかかる混成糸及びその混成糸の製造方法
によれば、次の効果がある。
【0033】請求項1に記載された混成糸によれば、芯
糸にスパンデックスフィラメント糸を備えるとともに、
そのスパンデックスフィラメント糸の、前記混成糸に対
する重量比率を、0.6パーセント乃至5パーセントと
するため、好ましい伸縮性が発揮される。この場合、
0.6パーセント未満であると、スパンデックスフィラ
メント糸が、充分な伸縮性を発揮できず、また、5パー
セントを超えると、使用者に柔らかいふくらみを与えに
くくなる。そして、前記芯糸にスパンデックスフィラメ
ント糸以外の他の繊維糸を備えるため、使用上必要な強
度を有し実用性に優れる。また、浮糸が、ドラフトして
集束されていない状態短繊維束からなるので、柔らか
いふくらみをもつカサ高効果を有する。
【0034】また、請求項2に記載された混成糸によれ
、前記浮糸の平均繊維長は、75ミリメートル以上で
あるので、芯糸及び抑え糸が浮糸を保持し、短繊維束か
らなる浮糸の脱落が効果的に防止される。
【0035】また、請求項3に記載された混成糸によれ
ば、この浮糸は、前記芯糸の表面より少なくとも3ミリ
メートル以上の高さであり、前記混成糸10センチメー
トル当たり少なくとも8個以上のループ状あるいは毛羽
状が形成されているので、柔らかいふくらみを生じさせ
るというカサ高効果を充分に発揮する。
【0036】更に、請求項4に記載された混成糸の製造
方法によれば、スパンデックスフィラメント糸及び他の
繊維糸からなる芯糸に対して、ドラフトして集束されて
いない状態の短繊維束からなる浮糸を供給して絡み合わ
せ、これら浮糸及び芯糸の外周に抑え糸をカバーリング
することにより、混成糸を製造する。従って、この混成
糸は、芯糸にスパンデックスフィラメント糸を備えるた
め、伸縮性が優れているとともに、この芯糸にスパンデ
ックスフィラメント糸以外の他の繊維糸を備えるため、
使用上必要な強度を有し実用性に優れる。また、平均繊
維長が脱落が生じにくいように所定の長さ以上の短繊維
束からなる浮糸は、ドラフトして集束されていない状態
となっているので、柔らかいふくらみをもつカサ高効果
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る混成糸の一実施例を拡大して示
す正面図である。
【図2】他の実施例の混成糸を拡大して示す正面図であ
る。
【図3】この発明に係る混成糸の製造方法の一実施例を
示す概略図である。
【図4】この実施例の混成糸と、従来の混成糸とを比較
した結果を示す図である。
【図5】従来の混成糸を拡大して示す正面図である。
【符号の説明】
10 混成糸 11 芯糸 12 浮糸 13 抑え糸 14 スパンデックスフィラメント糸 15 他の繊維糸

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯糸と、この芯糸の表面よりループ状あ
    るいは毛羽状に突出するように配置される浮糸と、これ
    ら芯糸及び浮糸をカバーリングする抑え糸とを備える混
    成糸において、 前記芯糸を、スパンデックスフィラメント糸と、このス
    パンデックスフィラメント糸以外の他の繊維糸とから構
    成し、かつ、そのスパンデックスフィラメント糸の、前
    記混成糸に対する重量比率を、0.6パーセント乃至5
    パーセントとし、 前記浮糸としては、ドラフトして集束されていない状態
    短繊維束を用いてなる混成糸。
  2. 【請求項2】 前記浮糸の平均繊維長は、75ミリメー
    トル以上である請求項1に記載の混成糸。
  3. 【請求項3】 前記浮糸は、前記芯糸の表面より少なく
    とも3ミリメートル以上の高さであるとともに、前記混
    成糸10センチメートル当たり少なくとも8個以上のル
    ープ状あるいは毛羽状が形成されている請求項1または
    2に記載の混成糸。
  4. 【請求項4】 スパンデックスフィラメント糸と、この
    スパンデックスフィラメント糸以外の他の繊維糸とを備
    える芯糸と、この芯糸の表面よりループ状あるいは毛羽
    状に突出するように配置され、平均繊維長が脱落が生じ
    にくいように所定の長さ以上の短繊維束からなる浮糸
    と、これら芯糸及び浮糸をカバーリングする抑え糸とを
    備える混成糸を製造する製造方法であって、 その伸縮性を発揮しうるように前記混成糸に対して重量
    比率で所定の割合とするスパンデックスフィラメント糸
    と、前記他の繊維糸とをそれぞれ給糸して前記芯糸と
    し、 この芯糸に対して、ドラフトして集束されていない状態
    の短繊維束からなる浮糸を供給して絡み合わせて、 これら浮糸及び芯糸の外周に前記抑え糸をカバーリング
    する、混成糸の製造方法。
JP5343538A 1993-12-15 1993-12-15 混成糸及びその混成糸の製造方法 Expired - Lifetime JP2991606B2 (ja)

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