JP2990473B2 - 駐車装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両をパレットに搭載
して入出庫する駐車装置の改良に関し、特に入出庫の効
率を向上させる対策に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、車両をパレットに搭載して入出
庫する駐車装置では、例えば実開平３―１３０８６５号
公報に開示されているように、車両を入庫する場合に
は、入出庫口に入った入庫車両をエレベータの昇降台上
の空パレットに受け渡し、上記昇降台を所定の駐車階で
待機中の走行台車のところまで下降させて入庫車両をパ
レットごと上記走行台車に受け渡し、該走行台車を目的
の駐車棚のところまで走行させて入庫車両をパレットご
と駐車棚に格納するようになされている。

【０００３】一方、車両を出庫する場合には、走行台車
を目的の駐車棚のところまで走行させて出庫車両をパレ
ットごと駐車棚から受け取り、上記走行台車をエレベー
タの待機中の昇降台のところまで走行させて出庫車両を
パレットごと昇降台に受け渡し、該昇降台を入出庫口の
ところまで上昇させて出庫車両を入出庫口から出庫する
ようになされている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
の駐車装置では、入庫が連続する場合や出庫が連続する
場合には入出庫の効率が悪くなる。つまり、入出庫が交
互にある場合には、出庫後の空パレットを利用して車両
を入庫することができるので車両を効率良く入出庫する
ことができるが、例えば入庫が連続する場合には、その
都度、空パレットを駐車棚から入出庫口のところまで呼
び出さなければならず、この間、入庫待ちとなって入庫
の効率が悪くなる。一方、出庫が連続する場合には、出
庫後の空パレットを一旦元の駐車棚に戻した後、次の車
両を出庫しなければならず、この間、出庫待ちとなって
出庫の効率が悪くなる。

【０００５】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、入庫口と出庫口とを別
々に設け、かつ両者の間にパレット貯留室を設け、入庫
口および出庫口とパレット貯留室との間で空パレットの
受渡しを行うことにより、入庫に際して空パレットを駐
車棚から呼び出すことをなくすとともに、出庫後に空パ
レットを元の駐車棚に戻すことをなくし、即座に入出庫
を行って入出庫の効率を良くせんとすることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、車両をパレットに搭載して入出庫する駐
車装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。

【０００７】すなわち、本発明の解決手段は、車両を入
庫する入庫口と、車両を出庫する出庫口とを設ける。さ
らに、常時適数枚の空パレットを上下方向に積層状に貯
留する１つの縦型の貯留室を上記入庫口と出庫口との間
に設ける。また、入庫車両を入庫後、次の車両入庫に備
えて上記貯留室内の空パレットを入庫口に移動する一
方、出庫車両を出庫後、空になったパレットを出庫口か
ら貯留室又は入庫口に移動する移動手段を設けたことを
特徴とする。

【０００８】

【作用】上記の構成により、本発明では、入庫車両を入
庫すると、貯留室内の空パレットが移動手段によって入
庫口に移動させられ次の車両入庫に備えることから、入
庫が連続する場合において、その都度、空パレットを駐
車棚から入出庫口のところまで呼び出す必要がなくな
り、よって、この間の待ち時間がなくなってその分だけ
入庫の効率が良くなる。

【０００９】一方、出庫車両を出庫すると、そのことに
よって空になったパレットが上記移動手段によって出庫
口から貯留室又は入庫口に移動させられることから、出
庫が連続する場合において、出庫後の空パレットを一々
元の駐車棚に戻す必要がなくなり、よって、この間の待
ちがなくなってその分だけ出庫の効率が良くなる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１１】図１および図２は本発明の実施例に係る駐
車装置を示す。図１および図２において、１は路面、２
は該路面１上に設けられ、車両Ｃを入庫する入庫口、３
は路面１上に上記入庫口２と所定間隔をあけて設けら
れ、車両Ｃを出庫する出庫口であって、上記入庫口２お
よび出庫口３は路面１の下方に設けられた駐車部４に入
庫用および出庫用エレベータ５，６によってそれぞれ連
絡されている。上記駐車部４には走行路７が設けられ、
該走行路７の両側には車両ＣをパレットＰごと格納する
複数の駐車棚８，８，…が配設されている。また、上記
走行路７には２条のレール９，９が敷設され、該レール
９，９上を走行台車１０が走行路７に沿って走行するよ
うになされている。

【００１２】本発明の特徴として、上記入庫口２と出庫
口３との間には、空パレットＰ，Ｐ，…を貯留する１つ
の縦型の貯留室１１が地面を掘って形成され、該貯留室
１１には常時適数枚（例えば５，６枚）の空パレット
Ｐ，Ｐ，…が上下方向に積層状に貯留されている。

【００１３】図３に示すように、上記貯留室１１の入庫
口２および出庫口３側の側壁には、無端チェーン１２が
巻き掛けられた上下一対のスプロケット１３，１３から
なるチェーンコンベア１４が所定間隔をあけて２基ずつ
合計４基配設され、各チェーンコンベア１４の無端チェ
ーン１２には空パレットＰを支持する支持金具１５，１
５，…が所定間隔をあけて取り付けられている。そし
て、これらの４基のチェーンコンベア１４，１４，…を
図示しないモータの起動によって同期して駆動させるこ
とにより、各空パレットＰを入庫に備えて上方に移動さ
せたり、出庫して空になったパレットＰを貯留すべく下
方に移動するようになされている。

【００１４】図１に示すように、上記貯留室１１の入庫
口２と出庫口３との間の側壁上端には、無端ベルト１６
が巻き掛けられた左右のスプロケット１７，１７からな
るベルトコンベア１８が所定間隔をあけて２基配設さ
れ、該両ベルトコンベア１８，１８は流体圧シリンダ１
９，１９，…の伸縮作動によって互いに接離移動し、接
近動作により空パレットＰを両側から挟持して出庫口３
側から入庫口２側に移動させるようになされている。

【００１５】上記入庫口２には、複数本（図２に１本の
み表われる）のローラ２０，２０，…からなるパレット
送込みコンベア２１が配設され、該パレット送込みコン
ベア２１により入庫車両ＣをパレットＰごと入庫用エレ
ベータ５に送り込むようになされている。また、入庫口
２には２本のローラ２２，２２からなる第１パレット横
送りコンベア２３が配設され、該第１パレット横送りコ
ンベア２３および上記ベルトコンベア１８，１８により
貯留室１１内の空パレットＰを入庫口２のパレット送込
みコンベア２１上に横送りするようになされている。な
お、上記パレット送込みコンベア２１は図示しない昇降
装置により昇降可能に構成され、上記第１パレット横送
りコンベア２３およびベルトコンベア１８，１８により
横送りする際には下降する一方、入庫用エレベータ５に
送り込む際には上昇するようになされている。

【００１６】上記出庫口３には、複数本（図２に１本の
み表われる）のローラ２４，２４，…からなるパレット
引出しコンベア２５が配設され、該パレット引出しコン
ベア２５により出庫車両ＣをパレットＰごと出庫用エレ
ベータ６から出庫口３に引き出すようになされている。
また、出庫口３には２本のローラ２６，２６からなる第
２パレット横送りコンベア２７が配設され、該第２パレ
ット横送りコンベア２７および上記ベルトコンベア１
８，１８により出庫後の空パレットＰを貯留室１１に横
送りするようになされている。なお、上記パレット引出
しコンベア２５もパレット送込みコンベア２１と同様に
図示しない昇降装置により昇降可能に構成され、上記第
２パレット横送りコンベア２７およびベルトコンベア１
８，１８により横送りする際には下降する一方、出庫用
エレベータ６から引き出す際には上昇するようになされ
ている。

【００１７】したがって、上記チェーンコンベア１４、
ベルトコンベア１８、第１パレット横送りコンベア２３
および第２パレット横送りコンベア２７等により、入庫
車両Ｃを入庫後、次の車両Ｃ入庫に備えて貯留室１１内
の空パレットＰを入庫口２に移動する一方、出庫車両Ｃ
を出庫後、空になったパレットＰを出庫口３から貯留室
１１又は入庫口２に移動する移動手段２８が構成されて
いる。

【００１８】なお、２９，２９は入庫車両Ｃが入庫口２
の空パレットＰ上に乗り入れた後、降車した乗員が退出
するためのドア、３０，３０は出庫車両Ｃが出庫口３に
引き出された後、乗員が乗り込むためのドアである。

【００１９】次に、上述の如く構成された駐車装置にお
ける入出庫の要領を説明する。

【００２０】 ＜入庫の場合＞ 入庫口２には常に空パレットＰが貯留室１１から供給さ
れて入庫車両Ｃが入ってくるのを待機している。

【００２１】まず、入庫車両Ｃが入庫口２に入って上記
空パレットＰ上に乗り入れると、パレット送込みコンベ
ア２１が上昇して車載パレットＰが第１パレット横送り
コンベア２３から離れ、上記パレット送込みコンベア２
１の駆動により車載パレットＰを上昇待機中の入庫用エ
レベータ５に受け渡す。

【００２２】次いで、該入庫用エレベータ５が下降して
車載パレットＰを走行台車１０に受け渡した後、該走行
台車１０を走行路７に沿って目的の駐車棚８のところま
で走行させ、入庫車両ＣをパレットＰごと駐車棚８に格
納する。この間、貯留室１１内の空パレットＰがチェー
ンコンベア１４，１４，…の駆動によって上方に順送り
され、ベルトコンベア１８，１８が流体圧シリンダ１
９，１９，…の伸張作動によって互いに接近し、該ベル
トコンベア１８，１８で上記空パレットＰを側方より挟
持した後、該空パレットＰをベルトコンベア１８，１８
および第１パレット横送りコンベア２３の駆動によって
入庫口２のパレット送込みコンベア２１上に横送りし、
次の車両Ｃ入庫に備える。

【００２３】このように、空パレットＰが常に入庫口２
にあることから、入庫が連続する場合であっても、その
都度、空パレットＰを駐車棚８から入庫口２のところま
で呼び出さずに済み、この間の待ち時間をなくすことが
できてその分だけ入庫の効率を良くすることができる。

【００２４】 ＜出庫の場合＞ まず、所定の駐車棚８から出庫車両ＣをパレットＰごと
走行台車１０に受け渡すと、該走行台車１０を走行路７
に沿って下降待機中の出庫用エレベータ６のところまで
走行させ、車載パレットＰを出庫用エレベータ６に受け
渡す。

【００２５】次いで、該出庫用エレベータ６を上昇さ
せ、車載パレットＰをパレット引出しコンベア２５の駆
動によって出庫口３に引き出し、出庫車両Ｃを出庫口３
から退出させる。

【００２６】その後、上記パレット引出しコンベア２５
を下降させて空になったパレットＰを第２パレット横送
りコンベア２７に受け渡し、該第２パレット横送りコン
ベア２７の駆動により上記車載パレットＰを貯留室１１
側に移動させる。この際、ベルトコンベア１８，１８を
流体圧シリンダ１９，１９，…の伸張作動によって互い
に接近させ、該ベルトコンベア１８，１８で上記空パレ
ットＰを側方より挟持した後、該空パレットＰをベルト
コンベア１８，１８の駆動によって貯留室１１の真上に
移動させる。

【００２７】しかる後、上記ベルトコンベア１８，１８
を流体圧シリンダ１９，１９，…の収縮作動によって互
いに離間させ、空パレットＰを貯留室１１内のチェーン
コンベア１４，１４，…に受け渡して貯留する。なお、
場合によっては、空パレットＰを貯留室１１に貯留せず
に出庫口３から入庫口２へ直接に移動させて次の車両Ｃ
入庫に備えてもよい。

【００２８】このように、出庫後の空パレットＰを貯留
室１１に移動させて貯留することから、出庫が連続する
場合であっても、出庫後の空パレットＰを一々元の駐車
棚８に戻さずに済み、この間の待ちをなくすことができ
てその分だけ出庫の効率を良くすることができる。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
常時適数枚の空パレットを上下方向に積層状に貯留する
１つの縦型の貯留室を入庫口と出庫口との間に設け、入
庫車両を入庫後、次の車両入庫に備えて上記貯留室内の
空パレットを入庫口に移動する一方、出庫車両を出庫
後、空になったパレットを出庫口から貯留室又は出庫口
に移動するようにしたので、入庫に際して空パレットを
駐車棚から呼び出さずに済むとともに、出庫後に空パレ
ットを元の駐車棚に戻さずに済み、即座に入出庫を行い
得て入出庫の効率を良くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】駐車装置の入庫口および出庫口周りを示す横断
平面図である。

【図２】駐車装置の入庫口および出庫口周りを示す縦断
正面図である。

【図３】貯留室内のパレット貯留機構を示す正面図であ
る。

【符号の説明】

２ 入庫口 ３ 出庫口 １１ 貯留室 ２８ 移動手段 Ｃ 車両 Ｐ パレット

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両をパレットに搭載して入出庫する駐
   車装置において、 車両を入庫する入庫口と、 車両を出庫する出庫口と、 上記入庫口と出庫口との間に設けられ、常時適数枚の空
   パレットを上下方向に積層状に貯留する１つの縦型の貯
   留室と、 入庫車両を入庫後、次の車両入庫に備えて上記貯留室内
   の空パレットを入庫口に移動する一方、出庫車両を出庫
   後、空になったパレットを出庫口から貯留室又は入庫口
   に移動する移動手段とを備えたことを特徴とする駐車装
   置。