JP2988150B2 - エポキシ接着フィルムの製造方法 - Google Patents

エポキシ接着フィルムの製造方法

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JP2988150B2
JP2988150B2 JP4261448A JP26144892A JP2988150B2 JP 2988150 B2 JP2988150 B2 JP 2988150B2 JP 4261448 A JP4261448 A JP 4261448A JP 26144892 A JP26144892 A JP 26144892A JP 2988150 B2 JP2988150 B2 JP 2988150B2
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    • H05K3/38Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
    • H05K3/386Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal by the use of an organic polymeric bonding layer, e.g. adhesive

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、引張強度、接
着性などの特性に優れたエポキシ接着フィルムの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール
類から高分子量エポキシ樹脂を得ることを目的とする文
献のうち、溶媒を使用することが記載されているものと
して、米国特許 3,306,872号明細書、特開昭54-52200号
公報、特開昭 60-118757号公報、特開昭 60-144323号公
報、特開昭 60-144324号公報などがある。これらの文献
で使用されている溶媒としては、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノメチルエーテルなどである。これらの溶媒は、ケトン
系およびエーテル系(セロソルブ系)溶媒に分類され
る。米国特許 3,306,872号明細書では,溶媒としてメチ
ルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテ
ルのいずれかを用いており、溶液の固形分濃度は20〜60
%である。また、溶媒中で重合させることにより高分子
量エポキシ樹脂が得られていると考えられる例として
は、特開昭54-52200号公報には溶媒としてエチレングリ
コールモノエチルエーテルを用いて、平均分子量45,500
の高分子量エポキシ樹脂を得たことが、特開昭 60-1187
57号公報には溶媒にメチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン、エチレングリコールモノエチルエーテルを用
いて、平均分子量が最大31,000の高分子量エポキシ樹脂
を得たことが、特開昭 60-144323号公報には溶媒にメチ
ルエチルケトンを用いて、平均分子量53,200の高分子量
エポキシ樹脂を得たことが記載されている。さらに特開
昭 60-144324号公報には溶媒にメチルエチルケトンを用
いて、平均分子量66,000の高分子量エポキシ樹脂を得た
ことが記載されている。上記4件の公報では、いずれも
ゲル浸透クロマトグラフィーによって平均分子量を測定
しているが、測定条件および算出方法等については記載
されていない。ゲル浸透クロマトグラフィーによって得
た分子量は、使用した充填剤の種類、溶離液の種類など
の測定条件および算出方法などによって大きく異なり、
正確な値を得ることは困難である。以上の明細書中に
は、100μm以下の厚さのフィルムが得られる旨の記載は
ない。
【0003】一方、本発明者等はビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂とビスフェノールAを原料とする高分子量エ
ポキシ樹脂は、ゲル浸透クロマトグラフィーによるスチ
レン換算重量平均分子量が 100,000を越える場合にはア
ミド系溶媒以外には溶解しないことを確認している。ス
チレン換算重量平均分子量が 100,000を越え、しかもア
ミド系溶媒以外の溶媒に溶解する場合には、枝分かれの
多い高分子量エポキシ樹脂であることも同時に確認して
いる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビス
フェノールAを用いて、エポキシ基/フェノール性水酸
基の当量比を1/0.60〜 1/0.80 にして重合させた高分子
量エポキシ樹脂は、枝分かれが多いと考えられるが、こ
の範囲の当量比で得たスチレン換算重量平均分子量 11
0,000の高分子量エポキシ樹脂は、ケトン系溶媒である
メチルエチルケトンに溶解する。それに対してエポキシ
基/フェノール性水酸基の当量比を1/0.99〜1/1.01にし
て、アミド系溶媒中で重合させたスチレン換算重量平均
分子量66,000の高分子量エポキシ樹脂は、直鎖状の高分
子量エポキシ樹脂と考えられるが、メチルエチルケトン
には溶解しない。直鎖状高分子量エポキシ樹脂がメチル
エチルケトンにすべて溶解するためには、スチレン換算
重量平均分子量は、約20,000以下であることが必要であ
る。
【0004】直鎖状高分子の枝分かれの程度を正確に測
定することは現在はできないが、分子量が同じであれば
枝分かれが多いほど直鎖部分の長さが短くなり、様々な
特性に影響を与えると考えられる。物性面では、直鎖状
高分子の熱可塑性樹脂と枝分かれの多い架橋高分子であ
る熱硬化性樹脂とを比較すればよいと考えられる。直鎖
状高分子である熱可塑性樹脂は、一般的には熱硬化性樹
脂に比べて耐衝撃性が強く、伸びが大きい。その結果、
ほとんどの熱可塑性樹脂は十分な強度のフィルム形成能
を有する。本発明者等が行った前記のビスフェノールA
型エポキシ樹脂とビスフェノールAのエポキシ基/フェ
ノール性水酸基の当量比を変化させて枝分かれ高分子量
エポキシ樹脂と直鎖状高分子量エポキシ樹脂との違いを
検討した結果では、後者が厚さ 100μm 以下の十分な強
度のフィルムを形成することが可能であるのに対して、
前者は 100μm 以下では強度が弱く、フィルムとして取
り扱うことができなかった。前記のいずれの文献におい
ても、フィルム形成能を有するという趣旨の記載は見当
たらない。また、アミド系以外の溶媒に溶解することな
どから十分な強度のフィルム形成能を有するまでに直鎖
状に高分子量化した高分子量エポキシ樹脂は得られてい
ないことは明らかである。
【0005】直鎖状高分子量エポキシ樹脂を用いて、エ
ポキシ樹脂シートを製造する方法については、特開昭51
-87560号公報によれば、直鎖状高分子量エポキシ樹脂と
低分子量エポキシ樹脂を加熱溶融させ、有機カルボン酸
塩を混合して、厚さが 0.3〜0.5mm のシートを得る方法
についての記載がある。得られたシートの特性は、引張
り強度が約10MPa 、伸びが350〜870%である。ここで用
いられる直鎖状高分子量エポキシ樹脂の分子量は30,000
〜250,000 とされるが、分子量の測定方法についての記
載は全くなく、本発明における直鎖状高分子量エポキシ
樹脂の分子量とは比較できない。しかしながら実施例で
示されているように、190 ℃での加熱溶融が可能である
ことから、ゲル浸透クロマトグラフィーによるスチレン
換算重量平均分子量は50,000以下であると考えられる。
本発明者等が示差走査熱量計を用いて検討した結果で
は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノール
Aから得られたスチレン換算重量平均分子量が50,000以
上の直鎖状高分子量エポキシ樹脂は、融点または軟化点
が 300℃以上になり、平均分子量が 100,000以上の場合
には、融点または軟化点が 350℃以上になることが分か
っている。すなわち、特開昭51-87560号公報記載の高分
子量エポキシ樹脂は、本発明で用いている高分子量エポ
キシ樹脂に比較して、分子量が著しく低いか、枝分かれ
が著しく多いかのいずれかであると推定できる。
【0006】上記のいずれの明細書においても、フィル
ム成形時に必要なエポキシ重合体溶液の粘度に関する記
載はなく、あったとしてもその値は著しく低いものであ
る。本発明者等が検討した結果では、直鎖状高分子量エ
ポキシ樹脂のスチレン換算重量平均分子量とエポキシ樹
脂の20%溶液粘度との間には、ある程度の相関があるこ
とが分かっている。すなわち、どのようなエポキシ樹脂
とフェノール類を原料に用いた場合でも、20%溶液粘度
が1,000mPa.s以上であればスチレン換算重量平均分子量
は50,000以上であることを確かめている。また枝分かれ
がある場合には、同じ分子量のエポキシ樹脂の20%溶液
粘度は著しく低くなり、スチレン換算重量平均分子量が
約50,000の場合には枝分かれの度合いにもよるが、100m
Pa.s程度になることが多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来得られ
なかった直鎖状に高分子量化した高分子量エポキシ重合
体を用いることによって、従来得られなかった特性を有
するエポキシ接着フィルムを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のエポキシ接着フ
ィルムの製造方法は、二官能エポキシ樹脂と二官能フェ
ノール類を二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類の
エポキシ基/フェノール水酸基=1:0.9〜1.1とし、触媒
の存在下、溶媒中で加熱して重合させて得たフィルム形
成能を有する高分子量エポキシ重合体に、多官能エポキ
シ樹脂、硬化剤を配合した後、高分子フィルムの片面ま
たは両面に塗布し、溶媒を乾燥除去することによってエ
ポキシ接着フィルムを成形することを特徴とするもので
ある。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられる合成原料の二官能エポキシ樹脂は、分子内に
二個のエポキシ基を持つ化合物であればどのようなもの
でもよく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型
エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキ
シ樹脂、その他、二官能フェノール類のジグリシジルエ
ーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテ
ル化物、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物など
がある。これらの化合物の分子量はどのようなものでも
よい。これらの化合物は何種類かを併用することができ
る。
【0010】また、合成原料の二官能フェノール類は、
二個のフェノール性水酸基をもつ化合物であればどのよ
うなものでもよく、例えば、単環二官能フェノールであ
るヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、多環二
官能フェノールであるビスフェノールA、ビスフェノー
ルFおよびこれらのハロゲン化物、アルキル基置換体な
どがある。これらの化合物の分子量はどのようなもので
もよい。これらの化合物は何種類かを併用することがで
きる。
【0011】更に、触媒としては、エポキシ基とフェノ
ール性水酸基のエーテル化反応を促進させるような触媒
能をもつ化合物であれば特に制限はないが、例えばアル
カル金属化合物、アルカル土類金属化合物、イミダゾー
ル類、有機りん化合物、第二級アミン、第三級アミン、
第四級アンモニウム塩などがある。中でもアルカリ金属
化合物がもっとも好ましい触媒であり、アルカリ金属化
合物の例としては、ナトリウム、リチウム、カリウムの
水酸化物、ハロゲン化物、有機酸塩、アルコラート、フ
ェノラート、水素化物、ホウ水素化物、アミドなどがあ
る。これらの触媒は併用することができる。
【0012】本発明に用いられる重合反応溶媒はアミド
系溶媒またはシクロヘキサノンが好ましく、アミド系溶
媒としては例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、
N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N,N′,N′−テトラメチル尿素、2−ピロ
リドン、N−メチルピロリドン、カルバミド酸エステル
などがある。これらの溶媒は併用することができる。ま
たケトン系溶媒、エーテル系溶媒などに代表されるその
他の溶媒と併用しても構わない。
【0013】本発明における高分子量エポキシ樹脂の製
造条件としては、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノー
ル類の配合当量比は、エポキシ基/フェノール性水酸基
=1:09〜1.1であることが望ましい。0.9当量より少ない
と直鎖状に高分子量化せずに副反応が起きて架橋し、溶
媒に不溶になる。1.1 当量より多いと高分子量化が進ま
ない。触媒の配合量は特に限定されるものではないが、
一般にはエポキシ樹脂1モルに対して触媒は0.0001〜0.
2 モル程度である。この範囲より少ないと高分子量化反
応が著しく遅く、この範囲より多いと副反応が多くなり
直鎖状に高分子量化しない。重合反応温度は、60〜150
℃であることが望ましい。60℃より低いと高分子量化反
応が著しく遅く、150 ℃より高いと副反応が多くなり直
鎖状に高分子量化しない。溶媒を用いた重合反応の際お
よび塗布する際の固形分濃度は50%以下であればよい。
これ以上の濃度では著しく溶液粘度が高くなり、塗布す
ることができなくなる。また高濃度になるに従い副反応
が多くなり直鎖状に高分子量化しにくくなる。従って、
比較的高濃度で重合反応を行い、しかも直鎖状の超高分
子量エポキシ樹脂を得ようとする場合には、反応温度を
低くし、触媒量を少なくする必要がある。
【0014】本発明で用いられる多官能エポキシ樹脂は
分子内に二個以上のエポキシ基をもつ化合物であればど
のようなものでもよく、例えば、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹
脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エ
ポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダン
トイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹
脂、その他、二官能フェノール類のジグリシジルエーテ
ル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化
物、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などがあ
る。これらの化合物の分子量はどのようなものでもよ
い。これらの化合物は何種類かを併用することができ
る。また二官能エポキシ樹脂以外の成分が不純物として
含まれていても構わない。
【0015】多官能エポキシ樹脂の硬化剤としては、エ
ポキシ樹脂を硬化させるものであればどのようなもので
もよいが、代表的なものとしては、多官能フェノール
類、アミン類、イミダゾール化合物、酸無水物などがあ
る。多官能フェノール類の例としては、単環二官能フェ
ノールであるヒドロキノン、レゾルシノール、カテコー
ル、多環二官能フェノールであるビスフェノールA、ビ
スフェノールF、ナフタレンジオール類、ビスフェノー
ル類およびこれらのハロゲン化物、アルキル基置換体な
どがある。さらにこれらのフェノール類とアルデヒド類
との重縮合物であるノボラック、レゾールがある。アミ
ン類の例としては、脂肪族の1級、2級、3級アミン、
芳香族の1級、2級、3級アミン、グアニジン類、尿素
誘導体などがあり、具体的には、トリエチレンテトラミ
ン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエ
ーテル、ジシアンジアミド、トリルビグアニド、グアニ
ル尿素、ジメチル尿素などがある。イミダゾール化合物
の例としては、アルキル基置換イミダゾール、ベンズイ
ミダゾールなどがある。酸無水物の例としては、無水フ
タル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ピロメリット酸二
無水物、ベイゾフェノンテトラカルボン酸二無水物など
がある。必要に応じて硬化促進剤を配合してもよい。代
表的なエポキシ樹脂用硬化促進剤としては、三級アミ
ン、イミダゾール、四級アンモニウム塩などがある。ま
た必要に応じて、難燃剤、無機充填剤などを配合しもよ
い。難燃剤としてはテトラブロモビスフェノールAデカ
ブロモジフェニルエーテル、臭素化エポキシ樹脂、臭素
化フェノール樹脂などの臭素化合物と水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物がある。さ
らに必要に応じて、合成溶媒以外の溶媒の任意の量を添
加してもよい。これらの高分子量エポキシ重合体、多官
能エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤はどのような方法
で混合してもよい。高分子量エポキシ樹脂に対する多官
能エポキシ樹脂の配合量については、フィルム化が可能
なら特に制限はない。
【0016】本発明のフィルム形成能を有する高分子量
エポキシ重合体に、多官能エポキシ樹脂、硬化剤を配合
して得たエポキシ樹脂組成物は、従来のエポキシ樹脂組
成物では不可能であった厚さ100μm以下のフィルムを形
成することが可能であり、しかも同等以上の耐熱性、引
張強度、接着性を有する。塗布される支持体としては、
エポキシ重合体溶液の溶媒となるアミド系溶媒およびシ
クロヘキサノンに溶解しないものであれば何でもよい
が、耐溶剤性、熱分解温度、強度の点から、ポリイミド
フィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルムなどが望ましい。溶媒の乾
燥温度は、高分子量エポキシ樹脂及び支持体となるフィ
ルムの分解温度以下であれば制限はない。また乾燥時に
減圧してもよい。乾燥時の雰囲気は、窒素などの不活性
ガス中でも空気中でもよい。
【0017】
【作用】本発明のエポキシ接着フィルムは、枝分かれの
ほとんどない高分子量エポキシ重合体を用いているの
で、従来のエポキシ接着フィルムに比較して、著しく強
度と伸びが大きく柔軟性に富む。またエポキシ重合体に
他の成分を添加しているので接着性が良好である。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】実施例1 二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ
樹脂、二官能フェノール類としてビスフェノールA、触
媒としてナトリウムメトキシド、溶媒としてN,N−ジ
メチルアセトアミドを用いて、溶液の固形分濃度が20
%、N,N−ジメチルアセトアミド溶液の粘度が6,800m
Pa.s、還元粘度が1.08dl/gの高分子量エポキシ重合体溶
液を得た。この溶液に多官能エポキシ樹脂として、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂(EEW195)、硬化剤とし
てフェノールノボラック樹脂 (OH当量106)をエポキシ重
合体100 部に対して、それぞれ30部、20部配合し、ワニ
スを得た。このワニスを50μm のポリプロピレンフィル
ムの片面に塗布し、乾燥器中で100℃1h加熱乾燥した
後、剥離して厚さ39μmのエポキシ接着フィルムを作製
し、特性を評価した。外観は透明で良好であり、このフ
ィルムの引張り強度は45MPa 、伸びは39%、35μm 厚の
銅箔に対する接着性は1.8kN/m であった。
【0020】実施例2 二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ
樹脂、二官能フェノール類としてレゾルシノール、触媒
として水酸化ナトリウム、溶媒としてN,N−ジメチル
アセトアミドを用いて、溶液の固形分濃度が20%、N,
N−ジメチルアセトアミド溶液の粘度が2,200mPa.s、還
元粘度が1.11dl/gの高分子量エポキシ重合体溶液を得
た。多官能エポキシ樹脂として、臭素化ビスフェノール
A型エポキシ樹脂(EEW400)、硬化剤としてジシアンジア
ミドをエポキシ重合体100 部に対して、それぞれ30部、
2部配合し、ワニスを得た。このワニスを50μm のポリ
エステルフィルムの片面に塗布し、乾燥器中で 100℃1
h加熱乾燥した後、剥離して厚さ45μm のエポキシ接着
フィルムを作製し、特性を評価した。外観は透明で良好
であり、このフィルムの引張り強度は52MPa 、伸びは44
%、銅箔接着性は1.5kN/m であった。
【0021】実施例3 二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ
樹脂、二官能フェノール類としてテトラブロモビスフェ
ノールA、触媒として水酸化リチウム、溶媒としてケト
ン系溶媒のシクロヘキサノンを用いて、溶液の固形分濃
度が20%、シクロヘキサノン溶液の粘度が1,800mPa.s、
還元粘度が0.82dl/gの高分子量エポキシ重合体溶液を得
た。この溶液に多官能エポキシ樹脂として、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(EEW190)、硬化剤としてイミダゾ
ールをそれぞれエポキシ重合体100 部に対して50部、2
部配合し、ワニスを得た。このワニスを50μm のポリイ
ミドフィルムの片面に塗布し、真空乾燥器中で 100℃1
h加熱乾燥した後、剥離して厚さ38μm のエポキシ接着
フィルムを作製し、特性を評価した。外観は若干塗りむ
らが生じたが透明でほぼ良好であり、このフィルムの引
張り強度は38MPa 、伸びは39%、銅箔接着性は2.5kN/m
であった。次にこれらの実施例の効果を確認するための
比較例を示す。
【0022】比較例 高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂YP50P
(東都化成)のN,N−ジメチルアセトアミド20%溶液
の粘度は200mPa.sであった。この高分子量エポキシ重合
体溶液に実施例1と同様の多官能エポキシ樹脂、硬化剤
を配合してワニスを得た。このワニスを50μm のポリプ
ロピレンフィルムの片面に塗布し、乾燥器中で100℃1
h加熱乾燥して厚さ44μmのエポキシ接着フィルムを作
製したが、接着フィルム単独では脆く、取扱うことがで
きなかった。
【0023】以上の実施例および比較例における実験方
法の詳細を以下に示す。粘度はEMD型粘度計(東京計
器)を用いて25℃で測定した。引張り強度、伸び、引張
り弾性率は、東洋ボールドウィン製テンシロンを用い
た。フィルム試料サイズは50×10mm、引張り速度は 5mm
/minとした。実施例1〜3に比較して、20%溶液粘度の
低いエポキシ樹脂を用いた比較例のエポキシ接着フィル
ムの引張り強度及び伸びは著しく小さく評価できなかっ
た。
【0024】
【発明の効果】本発明のエポキシ接着フィルムの製造方
法によれば、従来得られなかったような強度、及び伸び
並びに銅箔に対する高い接着性を有するエポキシ接着フ
ィルムを提供することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−144324(JP,A) 特開 昭60−262819(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09J 7/00 - 7/04 C09J 163/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール
    類を二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類の配合比
    をエポキシ基/フェノール水酸基=1:0.9 〜1.1 とし、
    触媒の存在下、溶媒中で加熱して重合させて得たフィル
    ム形成能を有する重量平均分子量50,000以上の高分子量
    エポキシ重合体に、多官能エポキシ樹脂、硬化剤を配合
    した後、支持体フィルムの片面または両面に塗布し、溶
    媒を乾燥除去することによって接着フィルムを成形する
    ことを特徴とするエポキシ接着フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 高分子量エポキシ重合体が固形分濃度20
    %での粘度が1,000mPa.s以上である請求項1に記載のエ
    ポキシ接着フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 重合反応溶媒がアミド系溶媒である請求
    項1又は2に記載のエポキシ接着フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 重合反応溶媒がシクロヘキサノンである
    請求項1又は2に記載のエポキシ接着フィルムの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 高分子量エポキシ重合体の還元粘度が0.
    50dl/g以上である請求項1乃至4項いずれかに記載のエ
    ポキシ接着フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 高分子量エポキシ重合体の還元粘度が0.
    80dl/g以上である請求項1乃至4項いずれかに記載のエ
    ポキシ接着フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 厚さ 100μm 以下の接着フィルムの強度
    が10MPa 以上、伸びが10%以上である請求項1乃至6項
    いずれかに記載のエポキシ接着フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 高分子量エポキシ重合体の合成原料であ
    る二官能フェノールが、ハロゲン化ビスフェノールであ
    る請求項1乃至7項いずれかに記載のエポキシ接着フィ
    ルムの製造方法。
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