JP2987849B2 - 振動エネルギー吸収材 - Google Patents

振動エネルギー吸収材

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、塩化ビニル系樹脂にある種のフタル酸エス
テルと可塑化効率1.0以上の可塑剤とを同時に添加し
た、振動エネルギー吸収性能に優れた、振動エネルギー
吸収材に関するものである。
[従来の技術] 従来より、振動エネルギーを吸収する材料としては、
塩化ビニル系樹脂に可塑剤を添加した軟質塩化ビニル系
の材料、ブチルゴム,天然ゴム等のゴム系の材料等が知
られていた。
軟質塩化ビニル系の材料は、添加する可塑剤の種類及
び量等を変えることにより、損失正接が最大となる温度
を任意に調節することができるものの、損失正接の最大
値そのものが大きくない(1以下)ことから、振動エネ
ルギーを吸収する能力はあまり高くないのが実状であっ
た。さらには、損失正接が最大値となる温度を実際使用
温度である、低温から高温(例えば60℃程度)(以下実
際使用温度領域という)に調節しようとすると、添加で
きる可塑剤の種類及び量が制限を受け、充分に柔軟性の
ある軟質成形品を得ることができなかった。また可塑剤
添加量を増していくと、損失正接が最大となる温度が低
温領域になり、しかも損失正接の最大値そのものも小さ
くなるため、実際使用温度領域での損失正接は低く、実
用上問題を生じていた。
一方、ゴム系材料は、損失正接の最大値は大きいもの
もあるが、これらの材料の場合、ガラス転移温度が低温
領域にあるため、振動エネルギーの吸収性能は、低温領
域では優れているものの、実際使用温度領域での性能は
低く、実用上問題を生じていた。
そこで、これらの問題点を解決する手段として塩化ビ
ニル系樹脂に下記の(i)及び/または(ii)の構造を
有するフタル酸エステルを添加することを提案した。
R1:炭素数6の飽和脂環式炭化水素基 R2:炭素数8〜11の飽和脂肪族炭化水素基 R3:炭素数5〜7の飽和脂環式炭化水素基または炭素
数7〜10の芳香族環を有する脂肪族炭化水素基 しかし、これらのフタル酸エステルを塩化ビニル系樹
脂に添加した場合、実際使用温度領域における、損失正
接は高く、振動エネルギー吸収性能に優れているもの
の、これらフタル酸エステルと塩化ビニル系樹脂との相
溶性が悪いため、組成物から、これらフタル酸エステル
がブリードアウトする問題点があった。またこれらフタ
ル酸エステルは、ブリードアウトの面を考慮すると、添
加量に制限を受け、充分に柔軟性を有する成形品が得ら
れなかった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は柔軟性に富み、実際使用温度領域にお
いて、振動エネルギーの吸収性能に優れた、塩化ビニル
系の材料を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、従来の技術における問題点を解決すべ
く検討した結果、塩化ビニル系樹脂にある種のフタル酸
エステルと可塑化効率1.0以上の可塑剤とを同時に添加
することにより、本発明の目的とする柔軟性に富み、実
際使用温度領域において、優れた振動エネルギー吸収材
料が得られることを見い出した。
すなわち、本発明の第1の発明は、塩化ビニル系樹脂
100重量部に対して、下記の(i)の構造を有するフタ
ル酸エステルを20〜120重量部と可塑化効率1.0以上の可
塑剤10〜50重量部とを同時に添加することを特徴とし、
第2の発明は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、
下記の(i)及び(ii)の構造を有するフタル酸エステ
ルを20〜120重量部と可塑化効率1.0以上の可塑剤10〜50
重量部とを同時に添加することを特徴とする、振動エネ
ルギー吸収材にある。
(R1:炭素数6の飽和脂環式炭化水素基 R2:炭素数8〜11の飽和脂肪族炭化水素基 R3:炭素数5〜7の飽和脂環式炭化水素基または炭素
数7〜10の芳香族環を有する脂肪族炭化水素基) 本発明で使用されるフタル酸エステルは下記の
(i)、(ii)の構造を有する化合物で、 R1は炭素数6の飽和脂環式炭化水素基で、シクロヘキシ
ル基が挙げられ、R2は炭素数8〜11の飽和脂肪族炭化水
素基で、オクチル基,ノニル基,デシル基,ウンデシル
基,iso−デシル基が挙げられ、これらの単品もしくは、
2種類以上の混合品であり、R3は炭素数5〜7の飽和脂
環式炭化水素基または、炭素数7〜10の芳香族環を有す
る脂肪族炭化水素基で、シクロペンチル基,シクロヘプ
チル基,4−メチルシクロヘキシル基等及びこれらの2種
類以上の混合品または、ベンジル基,4−メチルベンジル
基,フェネチル基等及びこれらの2種類以上の混合品が
挙げられる。振動エネルギーの吸収性能の見地から、前
記(i)の構造を有するものが好適であり、さらには前
記(i)の構造を有するものの中でもR1がシクロヘキシ
ル基であるものが、最も好適である。
本発明に使用される塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル
単独重合樹脂,塩素化塩化ビニル樹脂,塩化ビニル単量
体と共重合し得る単量体のうちの1つ以上とランダム共
重合あるいはブロック共重合して得られる塩化ビニル共
重合樹脂(例えば酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体,エ
チレン−塩化ビニル共重合体,塩化ビニリデン−塩化ビ
ニル共重合体等)、塩化ビニル単量体とグラフト共重合
し得る樹脂と、グラフト共重合して得られる、塩化ビニ
ルグラフト共重合樹脂(例えば、エチレン−酢酸ビニル
−塩化ビニルグラフト共重合体,ポリウレタン−塩化ビ
ニルグラフト共重合体等)で、上記樹脂の単独あるい
は、2種類以上の混合品である。
本発明で添加される上記の(i)の構造を有するフタ
ル酸エステル、又は、上記の(i)及び(ii)の構造を
有するフタル酸エステルは、塩化ビニル系樹脂100重量
部に対して、20〜120重量部の範囲で使用できる。20重
量部未満の添加では、可塑化効率1.0以上の可塑剤と同
時に添加した場合、充分な振動エネルギーの吸収性能を
保有する振動エネルギー吸収材が得られない。
120重量部を越えると、フタル酸エステルと塩化ビニ
ル系樹脂との相溶性が悪い、振動エネルギー吸収材から
当該フタル酸エステルがブリードアウトし好ましくな
い。当該フタル酸エステルのブリードアウト性、振動エ
ネルギー吸収材の振動エネルギー吸収性能を考慮する
と、塩化ビニル系樹脂100重量部に対してフタル酸エス
テルを40〜100重量部添加するのが好適である。
本発明で可塑化効率とはJIS K−6900『プラスチッ
ク用語』に記載されている定義を言う。
本発明で可塑剤としては、フタル酸エステル系可塑
剤,アジピン酸ポリエステル系可塑剤,フタル酸ポリエ
ステル系可塑剤,リン酸エステル系可塑剤,トリメリッ
ト酸エステル系可塑剤,塩素化パラフィン系可塑剤等の
うち、可塑化効率1.0以上の可塑剤が使用できる。可塑
化効率1.0未満の可塑剤では、本発明のフタル酸エステ
ルと併用しても、その振動エネルギー吸収材は充分な振
動エネルギー吸収性能を得られないばかりか、振動エネ
ルギー吸収材から本発明のフタル酸エステルのブリード
アウトを防止することができない。ブリードアウト並び
に振動エネルギーの吸収性能を考慮すると、可塑化効率
1.2以上の可塑剤が好適である。
また本発明において可塑剤の添加量は塩化ビニル系樹
脂100重量部に対して10〜50重量部の範囲である。10重
量部未満では、本発明の目的である柔軟性は得られず、
50重量部を越えると、振動エネルギー吸収材の振動エネ
ルギー吸収性能が著しく低下する。柔軟性並びに振動エ
ネルギー吸収性能を考慮すると20〜40重量部が好適であ
る。
本発明の樹脂エネルギー吸収材には、必要に応じて、
安定剤,滑剤,酸化防止剤,難燃剤,帯電防止剤,紫外
線吸収剤,無機質充填剤,着色顔料などや、他の樹脂
(例えばゴム等)を、本発明の目的である振動エネルギ
ーの吸収性能に影響を与えない範囲で、配合することが
できる。
また、本発明の振動エネルギー吸収材は、熱ロール,
バンバリーミキサー,二軸混練機,押出機等の従来公知
の方法で、溶融混合する方法で得られ、カレンダー成
形,押出成形,射出成形,圧縮成形等従来公知の成形方
法を適用することができる。
[実施例] 以下実施例により、本発明を説明する。
実施例1,2 エチレン−塩化ビニル共重合樹脂(東ソ−株式会社
製、商品名『リューロンE−2200』)100重量部に対し
て、ジシクロヘキシルフタレート(大阪有機化学工業株
式会社製、商品名『DCHP』)を実施例1においては40重
量部、実施例2においては60重量部並びに可塑化効率1.
36であるフタル酸ポリエステル系可塑剤(アデカアーガ
ス化学株式会社製 商品名『アデカサイザーPN−77』)
30重量部を同時に添加し、さらに安定剤を配合し、これ
を150℃熱ロールで5分間混練し、180℃熱プレスで5分
間プレスすることにより、シートを作製した。このシー
トから作製した試料について、JISA硬度、並びに動的粘
弾性測定装置を用いて、損失正接を測定した。また、当
該シートを23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室に120時間
放置し、放置後のシート表面のブリードアウトの程度を
目視で観察した。結果を表−1に示した。
比較例1,2 エチレン−塩化ビニル共重合樹脂(実施例1に同じ)
100重量部に対して、シクロヘキシルフタレート(実施
例1の同じ)を比較例1においては40重量部,比較例2
においては60重量部並びに可塑化効率0.86であるDOA30
重量部を同時に添加し、さらに安定剤を配合して、実施
例1と同様の方法で試験片を作製し、実施例1と同様の
評価を行った。結果を表−1に示した。
表−1からわかる様に、塩化ビニル系樹脂にジシクロ
ヘキシルフタレートと可塑化効率1.36のフタル酸ポリエ
ステル系可塑剤とを同時に添加した場合、損失正接の最
大値が大きいことから、優れた振動エネルギーの吸収性
能を保有していることがうかがえる。また組成物からの
ジシクロヘキシルフタレートのブリードアウトもまった
くないか、ほとんどない状態で良好であった。
一方、塩化ビニル系樹脂にジシクロヘキシルフタレー
トと可塑化効率0.86のDOAとを同時に添加した場合、損
失正接の最大値は小さく、しかも組成物からジシクロヘ
キシルフタレートのブリードアウトも激しかった。
なお、これらの物性の測定に使用した測定方法は次の
通りである。
(1)硬度 JSI K−6301記載の方法 (2)損失正接の測定 (株)オリエンテック製動的粘弾性測定装置 「レオバイブロン」 測定条件:周波数110Hz 昇温速度1℃/min 測定温度範囲−50〜80℃ [発明の効果] 本発明の振動エネルギー吸収材は、柔軟性に富み、し
かも実際使用温度領域において優れた振動エネルギー吸
収性能を保有しており、防振材,制振材等の分野に好適
に使用できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16F 15/02 F16F 15/02 Q (56)参考文献 特開 昭63−66244(JP,A) 特開 昭63−41557(JP,A) 特開 昭48−29854(JP,A) 特開 昭47−11940(JP,A) 特開 昭61−37834(JP,A) 阿部嘉長他1名編「新版・プラスチッ ク配合剤−基礎と応用」(昭和59年1月 30日)株式会社大成社発行、第21〜26及 び33〜54頁 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 15/08 F16F 15/02 F16F 7/00 F16F 1/36 C08L 1/00 - 101/14 C08L 3/00 - 13/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系樹脂100重量部に対して下記
    の(i)の構造を有するフタル酸エステルを20〜120重
    量部と可塑化効率1.0以上の可塑剤10〜50重量部とを同
    時に添加することを特徴とする振動エネルギー吸収材。 R1:炭素数6の飽和脂環式炭化水素基
  2. 【請求項2】塩化ビニル系樹脂100重量部に対して上記
    の(i)の構造及び下記の(ii)の構造を有するフタル
    酸エステルを20〜120重量部と可塑化効率1.0以上の可塑
    剤10〜50重量部とを同時に添加することを特徴とする請
    求項1に記載の振動エネルギー吸収材。 R2:炭素数8〜11の飽和脂肪族炭化水素基 R3:炭素数5〜7の飽和脂環式炭化水素基または炭素数
    7〜10の芳香族環を有する脂肪族炭化水素基
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