JP2986195B2 - 金属板接着用フィルムおよび複合金属板 - Google Patents

金属板接着用フィルムおよび複合金属板

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JP2986195B2
JP2986195B2 JP2259851A JP25985190A JP2986195B2 JP 2986195 B2 JP2986195 B2 JP 2986195B2 JP 2259851 A JP2259851 A JP 2259851A JP 25985190 A JP25985190 A JP 25985190A JP 2986195 B2 JP2986195 B2 JP 2986195B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、金属板との接着性に優れた金属板接着用フ
ィルムおよび複合金属板に関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 近年、自動車などの軽量化、コストダウンなどの要求
に伴い、プラスチックで金属板を貼り合せて複合化した
複合金属板が提案されている。例えば、特開昭51−8487
9号公報及び特開昭51−84880号公報には、ポリプロピレ
ンシートを金属板の間に介在させた軽量化ラミネート綱
板が開示されている。しかしながら、金属板間に介在す
るポリプロピレンは、金属に対する接着性、耐熱性、機
械的強度、及び寸法安定性が十分でない。特にポリプロ
ピレンは金属に対する接着性が高温下で著しく低下す
る。
特公昭54−15785号公報には、ポリアミドシートを金
属板の間に介在させた複合金属板が開示されている。こ
の複合金属板に使用されているポリアミドは、低温下で
の機械的特性、および耐水性が低く、金属板との接着性
も十分でない。特に高湿度環境下では、金属板との接着
強度が著しく低下する。
従って、本発明の目的は、機械的特性、耐熱性、化学
的安定性、寸法安定性、耐水性に優れると共に、高温下
でも金属板に対して高い接着性を有する金属板接着性フ
ィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、取扱い性、金属板との積層作業
性に優れた金属板接着用フィルムを提供することにあ
る。
本発明のさらに他の目的は、高温下でも金属板と高分
子層とが強固に接合した複合金属板を提供することにあ
る。
[発明の構成] これらの目的を達成するため、本発明者は鋭意研究の
結果、機械的特性、耐熱性、耐薬品性などに優れる液晶
性高分子が金属板と強固に接着することを見出し、本発
明を完成した。すなわち、本発明は、金属板と接着する
フィルムであって、少なくともサーモトロピック液晶性
高分子を含有する組成物を下方に押出すインフレーショ
ン成形法で得られた特定の特性を有する金属板接着用フ
ィルムを提供する。
好ましいフィルムは、機械的異方性が小さい。
本発明は、金属板の少なくとも一方の面に、サーモト
ロピック液晶性高分子を含む液晶性高分子を含有する組
成物を下方に押出すインフレーション成形法で得られた
特定の特性を有するフィルムがラミネートされている複
合金属板を提供する。さらに本発明は、少なくとも2つ
の金属板が、サーモトロピック液晶性高分子を含む液晶
性高分子を含有する組成物を下方に押出すインフレーシ
ョン成形法で得られた特定の特性を有するフィルムで接
合されている複合金属板を提供する。
本明細書において、液晶性高分子とは、加熱によって
軟化流動し成形可能となり、かつ溶融時に複屈折を有す
る異方性溶融相を示すサーモトロピック液晶高分子とそ
の組成物を意味する。
またフィルムとは、当該技術分野でシートなどと呼ば
れることのある比較的薄く、実質的に平らな構造物全て
を含む意味に用いる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
前記液晶性高分子を構成する成分は、次の通りであ
る。
(1)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸の少な
くとも一種; (2)芳香族ジオール、脂肪族ジオール、脂肪族ジオー
ルの少なくとも一種; (3)芳香族ヒドロキシカルボン酸の少なくとも一種; (4)芳香族チオールカルボン酸の少なくとも一種; (5)芳香族ジチオール、芳香族チオールフェノールの
少なくとも一種;および (6)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンの少な
くとも一種。
液晶性高分子は、上記成分の下記の組合せにより構成
できる。
i)成分(1)と(2)とからなるポリエステル; ii)成分(3)からなるポリエステル; iii)成分(1)と(2)と(3)とからなるポリエス
テル; iv)成分(4)からなるポリチオールエステル; v)成分(1)と(5)とからなるポリチオールエステ
ル; vi)成分(1)と(4)と(5)とからなるポリチオー
ルエステル; vii)成分(1)と(3)と(6)とからなるポリエス
テルアミド;および viii)成分(1)と(2)と(3)と(6)とからなる
ポリエステルアミド。
液晶性高分子には、上記成分の組合せの範疇に属さな
い芳香族ポリアゾメチンおよびポリエステルカーボネー
トが含まれる。芳香族ポリアゾメチンの具体例として
は、ポリ(ニトリロ−2−メチル−1,4−フェニレンニ
トリロエチリジン−1,4−フェニレンエチリジン)、ポ
リ(ニトリロ−2−メチル−1,4−フェニレンニトリロ
メチリジン−1,4−フェニレンメチリジン)、及びポリ
(ニトリロ−2−クロロ−1,4−フェニレンニトリロメ
チリジン−1,4−フェニレンメチリジン)などが挙げら
れる。ポリエステルカーボネートは本質的には4−オキ
シベンゾイル単位、ジオキシフェニル単位、ジオキシカ
ルボニル単位及びテレフタロイル単位を含んでいる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタ
ル酸、4,4′−ジフェニルカルボン酸、4,4′−トリフェ
ニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジ
フェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキ
シエタン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシブタン
−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4′−ジ
カルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−3,
3′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−3,3′−ジカ
ルボン酸、ジフェニルエタン−3,3′−ジカルボン酸、
ナフタレン−1,6−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボ
ン酸;芳香族ジカルボン酸のアルキル、アルコキシ又は
ハロゲン置換体、例えば、クロロテレフタル酸、ジクロ
ロテレフタル酸、ブロモテレフタル酸、メチルテレフタ
ル酸、ジメチルテレフタル酸、エチルテレフタル酸、メ
トキシテレフタル酸、エトキシテレフタル酸などが挙げ
られる。
脂環式ジカルボン酸としては、例えば、トランス−1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸、シス−1,4−シクロヘ
サンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸
などの脂環族ジカルボン酸;脂環族ジカルボン酸のアル
キル、アルコキシまたはハロゲン置換体、例えば、トラ
ンス−1,4−(1−メチル)シクロヘキサンジカルボン
酸、トランス−1,4−(1−クロロ)シクロヘキサンジ
カルボン酸などが挙げられる。
芳香族ジオールとしては、例えば、ハイドロキノン、
レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、4,4′−
ジヒドロキシトリフェニル、2,6−ナフタレンジオー
ル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス
(4−ヒドロキシフェノキシ)エタン、3,3′−ジヒド
ロキシジフェニル、3,3′−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル、1,6−ナフタレンジオール、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタンなどの芳香族ジオール;芳香族ジ
オールのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、
例えば、クロロハイドロキノン、メチルハイドロキノ
ン、1−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノ
ン、メトキシハイドロキノン、フェノキシハイドロキノ
ン、4−クロロレゾルシン、4−メチルレゾルシンなど
が挙げられる。
脂環族ジオールとしては、トランス−1,4−シクロヘ
キサンジオール、シス−1,4−シクロヘキサンジオー
ル、トランス−1,4−シクロヘサンジメタノール、トラ
ンス−1,3−シクロヘキサンジオール、シス−1,2−シク
ロヘキサンジオール、トランス−1,3−シクロヘキサン
ジメタノールなどの脂環族ジオール;脂環族ジオールの
アルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、例えば、
トランス−1,4−(1−メチル)シクロヘキサンジオー
ル、トランス−1,4−(1−クロロ)−シクロヘキサン
ジオールなどが挙げられる。
脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,3
−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコールなどの直鎖状又は分岐状脂肪族ジオール
が挙げられる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、4−ヒドロキ
シ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸な
どの芳香族ヒドロキシカルボン酸;芳香族ヒドロキシカ
ルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換
体、例えば、3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジメチル
−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒドロ
キシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ安息
香酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフトエ酸、
6−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ナフトエ酸、3−
クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4
−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキ
シ安息香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香
酸、3−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロ
キシ−5−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−
7−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5,7−
ジクロロ−2−ナフトエ酸などが挙げられる。
芳香族メルカプトカルボン酸としては、4−メルカプ
ト安息香酸、3−メルカプト安息香酸、6−メルカプト
−2−ナフトエ酸、7−メルカプト−2−ナフトエ酸な
どが挙げられる。
芳香族ジチオールとしては、ベンゼン−1,4−ジチオ
ール、ベンゼン−1,3−ジチオール、ナフタレン−2,6−
ジチオール、ナフタレン−2,7−ジチオールなどが挙げ
られる。
芳香族メルカプトフェノールとしては、4−メルカプ
トフェノール、3−メルカプトフェノール、2−メルカ
プトフェノールなどが挙げられる。
芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンとして
は、4−アミノフェノール、N−メチル−4−アミノフ
ェノール、1,4−フェニレンジアミン、N−メチル−1,4
−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−1,4−フェニ
レンジアミン、3−アミノフェノール、3−メチル−4
−アミノフェノール、2−クロロ−4−アミノフェノー
ル、4−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−4′−
ヒドロキシジフェニル、4−アミノ−4′−ヒドロキシ
ジフェニルエーテル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジ
フェニルメタン、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェ
ニルスルフィド、4,4′−ジアミノフェニルスルフィド
(チオジアニリン)、4,4′−ジアミノジフェニルスル
ホン、2,5−ジアミノトルエン、4,4′−エチレンジアニ
リン、4,4′−ジアミノジフェノキシエタン、4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン)、4,
4′−ジアミノジフェニルエーテル(オキシジアニリ
ン)などが挙げられる。
前記構成成分及びポリマー中の組成比、シーケンス分
布によっては、溶融時に複屈折を有しないポリマーも存
在する。本発明で用いられるポリマーは上記ポリマーの
うち溶融時に複屈折を有するものに限られる。
本発明で用いられる液晶性高分子は、従来公知の方法
で製造できる。
本発明で好適に用いられる完全芳香族ポリマーは、一
般溶剤には実質的に不溶である傾向を示し、従って、溶
液加工には不向きである。しかしながら、これらのポリ
マーは通常の溶融加工法により容易に加工することがで
きる。特に好ましい完全芳香族ポリマーはペンタフルオ
ロフェノールにはいくらか可溶である。
本発明で好適に用いられる完全芳香族ポリエステルの
重量平均分子量は、通常、約2,000〜200,000、好ましく
は約10,000〜50,000、特に好ましくは約20,000〜25,000
である。また好適な完全芳香族ポリエステルアミドの重
量平均分子量は、通常、約5,000〜50,000、好ましくは
約10,000〜30,000、例えば、15,000〜17,000である。分
子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ーならびにその他のポリマーの溶融形成を伴なわない標
準的測定法、例えば圧縮成形フィルムについて赤外分光
法により末端基を定量することにより実施できる。また
ペンタフルオロフェノール溶液にして光散乱法を用いて
分子量を測定することもできる。
上記の完全芳香族ポリエステルアミドは、温度60℃で
ペンタフルオロフェノールに0.1重量%の濃度で溶解し
たときに、少なくとも約2.0dl/g、例えば約2.0〜10.0dl
/gの固有粘度(I.V.)を一般に示す。
特に好ましい異方性溶融相を形成するポリエステル
は、6−ヒドロキシ−2−ナフトイル、2,6−ジヒドロ
キシナフタレン及び2,6−ジカルボキシナフタレンなど
のナフタレン部分単位を約10モル%以上の量で含有す
る。好ましいポリエステルアミドは、上記ナフタレン部
分と、4−アミノフェノール又は1,4−フェニレンジア
ミンからなる部分との反復単位を含有する。具体的には
以下の通りである。
(A)本質的に下記反復単位I及びIIからなるポリエス
テル: このポリエステルは、単位Iを約10〜90モル%及び単
位IIを約10〜90モル%含有する。一態様において単位I
は約65〜85モル%(例えば、約75モル%)の量まで存在
する。他の態様において、単位IIは約15〜35モル%、好
ましくは約20〜30モル%の低濃度の量で存在する。また
環に結合している水素原子の少なくとも一部は、炭素数
1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、置
換フェニル基及びこれらの組み合せからなる群から選ば
れた置換基で置換されていてもよい。
(B)本質的に下記の反復単位II、III及びIVからなる
ポリエステル: このポリエステルは単位IIを約30〜70モル%含有す
る。このポリエステルは、好ましくは、単位IIを約40〜
60モル%、単位IIIを約20〜30モル%及び単位IVを約20
〜30モル%含有する。また環に結合している水素原子の
少なくとも一部は、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロ
ゲン原子、フェニル基、置換フェニル基及びこれらの組
み合せからなる群から選ばれた置換基により置換されて
いてもよい。
(C)本質的に下記反復単位II、IV、V及びVIからなる
ポリエステル: (式中、Rはメチル基、クロロ、ブロモまたはこれらの
組み合せを意味し、芳香環上の水素原子に対する置換基
である) このポリエステルは、単位IIを約20〜60モル%、単位
IVを約5〜35モル%、単位Vを約5〜18モル%及び単位
VIを約20〜40モル%含有する。このポリエステルは、好
ましくは、単位IIを約35〜45モル%、単位IVを約15〜25
モル%、単位Vを約10〜15モル%及び単位VIを約25〜35
モル%含有する。ただし、単位IVとVの合計モル濃度は
単位VIのモル濃度に実質的に等しい。また、環に結合し
ている水素原子の少なくとも一部は、炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原
子、フェニル基、置換フェニル基及びこれらの組み合せ
からなる群から選ばれた置換基により置換されていても
よい。この完全芳香族ポリエステルは、温度60℃でペン
タフルオロフェノールに0.3W/V%の濃度で溶解したと
き、少なくとも2.0dl/g、例えば2.0〜10.0dl/gの固有粘
度を一般に示す。
(D)本質的に下記反復単位I、II、VII及びVIIIから
なるポリエステル: (式中、Arは少なくとも1個の芳香族環を含む2価基を
意味する)で示されるジオキシアリール単位、 (式中、Arは前記に同じ)で示されるジカルボキシアリ
ール単位。
このポリエステルは、単位Iを約20〜40モル%、単位
IIを10モル%を越え、約50モル%以下、単位VIIを5モ
ル%を越え、約30モル%以下、及び単位VIIIを5モル%
を越え、約30モル%以下の量で含有する。このポリエス
テルは、好ましくは、単位Iを約20〜30モル%、例え
ば、約25モル%、単位IIを約25〜40モル%、例えば、約
35モル%、単位VIIを約15〜25モル%、例えば、約20モ
ル%、及び単位VIIIを約15〜25モル%、例えば、約20モ
ル%含有する。また、環に結合している水素原子の少な
くとも一部は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜
4のアルコキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、置換フ
ェニル基及びこれらの組み合せからなる群から選ばれた
置換基で置換されていてもよい。
単位VIIとVIIIは、ポリマー主鎖内でこれらの単位を
両側の他の単位に結げている2価の結合が、1または2
以上の芳香環上で対称的配置にある(例えば、ナフタレ
ン環上に存在するときは互いにパラの位置か、または対
角環上に配置されている)と言う意味で対称的であるの
が好ましい。ただし、レゾルシノール及びイソフタル酸
から誘導されるような非対称単位も使用できる。
好ましいジオキシアリール単位VIIは であり、好ましいジカルボキシアリール単位VIIIは である。
(E)本質的に下記反復単位I、VII、VIIIからなるポ
リエステル: (式中、Arは前記に同じ)で示されるジオキシアリール
単位、 (式中、Arは前記に同じ)で示されるジカルボキシアリ
ール単位。
このポリエステルは、単位Iを約10〜90モル%、単位
VIIを5〜45モル%及び単位VIIIを5〜45モル%の量で
含有する。このポリエステルは、好ましくは単位Iを約
20〜80モル%、単位VIIを約10〜40モル%及び単位VIII
を約10〜40モル%含有する。さらに好ましくは、このポ
リエステルは、約60〜80モル%の単位I、約10〜20モル
%の単位VII、及び約10〜20モル%の単位VIIIを含有す
る。また環に結合している水素原子の少なくとも一部
は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、ハロゲン原子、フェニル基、置換フェニル基及
びこれらの組み合せよりなる群から選ばれた置換基で置
換されていてもよい。
好ましいジオキシアリール単位VIIは であり、好ましいジカルボキシアリール単位VIIIは である。
(F)本質的に下記反復単位I、IX、X及びVIIからな
るポリエステルアミド: (式中、Aは少なくとも1個の芳香環を含む2価基また
は2価トランス−シクロヘキサン基を意味する)で表わ
される単位、 一般式Y−Ar−Z X (式中、Arは前記に同じ。YはO、NHまたはNR、ZはNH
またはNRをそれぞれ意味し、Rは炭素数1〜4のアルキ
ル基またはアリール基を意味する)で表わされる単位、 一般式O−Ar−O VII (式中、Arは前記に同じ)で表わされるジオキシアリー
ル単位。
このポリエステルアミドは、単位Iを約10〜90モル
%、単位IXを5〜45モル%、単位Xを5〜45モル%、及
び単位VIIを約0〜40モル%の量で含有する。また環に
結合している水素原子の少なくとも一部は、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲ
ン原子、フェニル基、置換フェニル基及びこれらの組み
合せよりなる群から選ばれた置換基より置換されていて
もよい。
好ましいジカルボキシアリール単位IXは であり、好ましい単位Xは であり、好ましいジオキシアリール単位VIIは である。
更に、本発明の異方性溶融相を形成するポリマーに
は、一つの高分子鎖の一部が上記異方性溶融相を形成す
るポリマーのセグメントから構成され、残りの部分が異
方性溶融相を形成しない熱可塑性樹脂のセグメントから
構成されるポリマーも含まれる。
液晶性高分子は、通常、熱変形温度が80〜400℃、好
ましくは120〜350℃程度であり、耐熱性に優れる。特
に、熱変形温度150〜250℃程度の液晶性高分子は成膜性
に優れている。
また液晶性高分子の弾性率は、6.0×104〜2.5×105kg
f/cm2、好ましくは7.5×104〜2.5×105kgf/cm2、さらに
好ましくは9.0×104〜2.5×105程度であり、引張り強度
は、1000〜3000kgf/cm2、好ましくは1500〜3000kgf/c
m2、さらに好ましくは1800〜3000kgf/cm2程度であり、
機械的特性にも優れる。さらには、温度70℃、相対湿度
96%で500時間放置しても、0.003〜0.02%程度しか変化
せず、寸法安定性にも優れている。
液晶性高分子は、フイルム中に少なくとも50重量%、
好ましくは75重量%以上含有される。
本発明に使用される異方性溶融相を形成する溶融加工
可能なポリマー組成物は、その他の異方性溶融相を形成
するポリマー、異方性溶融相を形成しない熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、低分子有機化合物、無機物の少なく
とも一種を含有していてもよい。組成物中の異方性溶融
相を形成するポリマーと他の成分とは熱力学的に相溶し
ていてもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプ
レン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン
−メタクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、アク
リル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、BS樹脂、ポリウレタ
ン、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール、ポ
リカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、芳香族ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルエーテル、ポリエーテルイミド、ポリアミドイ
ミド、ポリエーテルエーテルイミド、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォ
ン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシ
ドなどが含まれる。
熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アルキド樹脂など
が含まれる。
低分子有機化合物としては、例えば、熱可塑性樹脂及
び熱硬化性樹脂に通常添加される物質、すなわち、可塑
剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの耐候・耐光安定
剤、帯電防止剤、難燃剤、染料や顔料などの着色剤、発
泡剤、更に、ジビニル系化合物、過酸化物や加硫剤など
の架橋剤及び流動性や離型性の改善のための滑剤として
使用される低分子有機化合物が含まれる。
さらに無機物としては、例えば、熱可塑性樹脂及び熱
硬化性樹脂に通常添加される物質、すなわち、ガラス繊
維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、ポロン繊
維、アスベストなどの一般無機繊維、炭酸カルシウム、
高分散性けい酸、アルミナ、水酸化アルミニウム、タル
ク粉、マイカ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、石英
粉、けい砂、各種金属粉末、カーボンブラック、硫酸バ
リウム、焼石こうなどの粉末物質及び炭化けい素、ボロ
ンナイトライトや窒化けい素などの無機化合物、ウイス
カーや金属ウイスカーなどが含まれる。
本発明のサーモトロピック液晶性高分子を含有するフ
ィルムは、従来公知の種々の成形方法により得ることが
できる。成形方法としては、例えば、インフレーション
法やTダイ法などの押出し成形法などが挙げられる。前
記フィルムは、ロール延伸、圧延延伸、ベルト延伸、テ
ンター延伸、チューブ延伸などの延伸手段により、適宜
の倍率に一軸または二軸延伸されていてもよい。
前記液晶性高分子を含むフィルムは、機械的異方性が
著しく大きいことが知られている。すなわち、液晶性高
分子は配向性が高いので、フィルムの縦方向である引取
り方向(以下、MD方向という)に対する引張り弾性率及
び機械的強度が大きいものの、MD方向と直交する幅方向
(以下、TD方向という)に対する引張り弾性率及び機械
的強度が著しく小さい。そして、このような液晶性ポリ
マーフィルムを用いる場合には、その取扱い性、および
金属板との積層作業効率が低下する。従って、複合金属
板には、機械的異方性が小さなフィルムを使用するのが
好ましい。
機械的異方性が小さなフィルムは、例えば、次のよう
な、同時二軸配向が可能なインフレーション成形法によ
り作製できる。
インフレーションダイを備えた成形機を用いるインフ
レーション成形法において、溶融した液晶性高分子をイ
ンフレーションダイの環状スリットから下方へ押出し、
押出されたバブルと称される筒状フィルムを膨脹させな
がら引取る。より詳細には、液晶性高分子は、溶融粘度
が比較的小さいだけでなく、溶融状態でのフィルムの強
度(腰)が小さい。従って、溶融した液晶性高分子をダ
イから上方へ押出す場合には、溶融状態のフィルムに自
重が作用し、安定して膨脹させることが困難であり、機
械的異方性がさほど改善されない。これに対して、溶融
した液晶性高分子をダイから下方へ押出す場合には、筒
状フィルムを自重により落しながら膨脹させ、円滑に引
取ることができるので、安定かつ均一に膨脹させること
ができ、機械的異方性の小さなフィルムが得られる。
なお、液晶性高分子の溶融押出し温度は、ポリマーの
構成単位の種類や組成比などに応じて選択できる。前記
好ましい液晶性高分子の適切な溶融押出し温度は、例え
ば、180〜360℃程度の範囲から選択できる。上記環状ス
リットの間隙、すなわちリップクリアランスは、通常0.
2〜10mm、好ましくは0.5〜4mm程度である。環状スリッ
トの直径は、通常、200mm以下、好ましくは120mm以下で
ある。
ダイから押出された筒状フィルムを、膨脹させてTD方
向に延伸すると共に、引取りながらドラフトをかけてMD
方向に延伸する。筒状フィルムを膨脹させるときの好ま
しいフィルム温度は、通常、液晶性高分子の二次転移温
度以上であって、かつ押出し温度よりも10〜100℃、特
に20〜70℃程度低い温度である。
筒状フィルムの膨脹は、筒状フィルムの内側から外力
を作用させる方法、例えば、空気、窒素、炭酸ガスなど
の気体をインフレーションダイの内側から圧入する方法
などの慣用の方法で行なうことができる。気体圧入法で
は、フィルムの温度と圧入気体の圧力とがバランスした
ダイの下方位置で、筒状フィルムは膨脹し延伸される。
TD方向の延伸倍率、すなわちブロー比は、1.5〜10
倍、好ましくは2〜8倍、さらに好ましくは2.5〜6倍
程度である。TD方向の延伸倍率が1.5倍未満である場合
には、フィルムの機械的異方性が大きくなり、10倍を越
える場合には、筒状フィルムが破裂する場合がある。MD
方向の延伸倍率、すなわちMD方向のドラフト比は、1.5
〜40倍、好ましくは2.5〜30倍、さらに好ましくは5〜2
5倍程度である。MD方向の延伸倍率が1.5倍未満である場
合には、筒状フィルムを安定して膨脹させることが困難
であり、40倍を越える場合には、MD方向への配向が強く
機械的異方性の大きなフィルムとなり易い。
さらに、TD方向の延伸倍率とMD方向の延伸倍率との比
率はフィルムの異方性に大きく影響する。TD方向の延伸
倍率とMD方向の延伸倍率との比率は、TD方向の延伸倍率
をDtd、MD方向の延伸倍率をDmdとすると、次の通りであ
る。
0.1≦Dtd/Dmd<2.5、好ましくは 0.25≦Dtd/Dmd≦2、更に好ましくは 0.4≦Dtd/Dmd≦1.5 このような条件で延伸する場合には、フィルムの機械
的異方性が著しく改善され、等方性または等方性に近い
フィルムが得られる。
TD方向の延伸倍率DtdおよびMD方向の延伸倍率Dmdは、
インフレーションダイの環状スリットの直径をd、膨脹
したバブル状の筒状フィルムの直径をD、環状スリット
からの溶融物の吐出線速度をV、筒状フィルムの引取り
速度をv、環状スリットの面積をs、フィルムの断面積
をSとするとき、下記式で表される。
Dtd=d/D Dmd=v/V=s/S 延伸処理が施された後、自然冷却または保温筒による
保温下で、ニップロールによりフィルムを引取る。ニッ
プロールを通過させるときのフィルム温度は、50〜170
℃、好ましくは70〜150℃程度である。
得られたフィルムには、必要に応じて熱処理が施され
る。この熱処理は、フィルムの緊張下または無緊張下で
行なうことができる。熱処理は、適宜の雰囲気、例え
ば、空気、窒素、真空雰囲気中で、70〜300℃程度の温
度で行なうことができる。熱処理の温度履歴サイクル、
熱処理時間、張力などは、フィルムの種類、必要とする
フィルム物性に応じて設定できる。
このようにして得られたフィルムは、引張り弾性率を
TM(kgf/cm2)、引張り強度をTS(kgf/cm2)とすると
き、次のような特性を有する。
(a)MD方向のTM(kgf/cm2): 6×104kgf/cm2以上、好ましくは8×104〜4×105kg
f/cm2、さらに好ましくは1×105〜4×105kgf/cm2 (b)TD方向のTM(kgf/cm2): MD方向のTM×0.5〜1.5倍、好ましくはMD方向のTM×0.
75〜1.25倍、更に好ましくはMD方向のTM×0.8〜1.1倍 (c)MD方向のTS(kgf/cm2): 3×103kgf/cm2以上、好ましくは3×103〜7.5×103k
gf/cm2、更に好ましくは3.2×103〜6×103kgf/cm2 (d)TD方向のTS(kgf/cm2): MD方向のTS×0.5倍以上、好ましくはMD方向のTS×0.7
5〜1.25倍、更に好ましくはMD方向のTS×0.8〜1.1倍 このようにして得られたフィルムは、次のように、著
しく小さな熱膨脹係数を示し、寸法安定性にも優れてい
る。
MD方向の熱膨脹係数: −1×10-5〜+1×10-5/℃、好ましくは −5×10-6〜−1×10-6/℃ TD方向の熱膨脹係数: −1×10-5〜+2×10-5/℃、好ましくは 1×10-5〜+1.5×10-5/℃ 金属板接着用フィルムは、コロナ放電処理、スパッタ
リング処理、高周波処理、火炎処理、クロム酸処理、溶
剤エッチング処理、アンダーコート処理などや、これら
を組合せた処理などの表面処理が施されていてもよい。
前記金属板接着用フィルムは、単層フィルムに限ら
ず、同種又は異種の複数の液晶性高分子層からなる積層
フィルムであってもよい。また前記液晶性高分子層は金
属との接着性に優れるので、液晶性高分子層の膜厚は、
特に制限されないが、通常、1〜1000μm、好ましくは
10〜750μm程度である。
本発明のフィルムは、広い範囲の金属板に適用でき
る。金属板としては、例えば、鉄、チタン、アルミニウ
ム、金、銀、銅、鉛などの金属単体からなる金属板;こ
れらの金属と、クロム、マンガン、ニッケル、モリブデ
ン、マグネシウム、亜鉛、錫、ケイ素などの少なくとも
一種の成分とからなる合金板、例えば、ステンレススチ
ール板などが例示される。好ましい金属板には、綱板、
ステンレススチール板、アルミニウム板などが含まれ
る。金属板には、種々の表面処理、例えば表面研磨、電
解加工、陽極酸化処理、メッキ処理、化成被膜処理など
が施されていてもよい。これらの金属板の厚みは、得ら
れる複合金属板を曲げやしぼりなどの二次加工できる範
囲であれば、特に制限されないが、通常0.01〜5mm程度
である。なお、上記金属板の市販品には、通常、油脂が
付着しているので、脱脂した金属板を用いるのが好まし
い。脱脂処理は、慣用の方法、例えば有機溶媒脱脂、ア
ルカリ脱脂などの方法で行なうことができる。
本発明の複合金属板は、複数の同種又は異種の金属板
間を、液晶性高分子層で接合した積層型の複合金属板で
あってもよく、1つの金属板や複合金属板の少なくとも
一方の面に、液晶性高分子層がラミネートされていても
よい。
液晶性高分子層は、サーモトロピック液晶性高分子を
含有する樹脂組成物を金属板に塗布して形成してもよい
が、サーモトロピック液晶性高分子を含有するフィルム
を金属板にラミネートすることにより形成されているの
が好ましい。
金属板には、予め作製されたフィルムをラミネーした
り、押出し成形機により押出された溶融状態のフィルム
を直接ラミネートするのが好ましい。すなわち、複合金
属板は、少なくとも前記フィルム表層部の液晶性高分子
が溶融した状態で金属板と接着させるのが好ましい。接
着に際しては、圧縮成形機やロールを用いて加熱圧縮す
るのが好ましい。その際、金属板及びフィルムを二次加
工などに適した大きさ及び形状に切断し、接着させても
よい。第1図に示されるように、複数の金属板をフィル
ムで連続的に接合して複合金属板を製造してもよい。
第1図に示す例では、2枚の金属板の間にフィルムを
介在させ、連続的に接着している。すなわち、各ロール
(1a)(1b)に巻回した金属板(2a)(2b)を繰出装置
でそれぞれ供給し、順次、第1の一対のローラ(3a)
(3b)(3c)(3b)間、レベラー(4a)(4b)、第2の
一対のローラ(5a)(5b)(5c)(5d)間及び予熱器
(6a)(6b)を通じて、加熱圧縮ローラ(7a)(7b)間
に供給する。
一方、上記2つの金属板(2a)(2b)間には、ロール
(8)に巻回した金属板接着用フィルム(9)を、レベ
ラー(10)および一対のローラ(11a)(11b)を通じて
供給し、上記加熱圧縮ローラ(7a)(7b)で加熱圧縮し
て金属板(2a)(2b)とフィルム(9)とを密着させ、
再加熱器(12)で加熱する。この再加熱器(12)で加熱
した後、第1の冷却器(13)、第2の冷却器(14)で冷
却し、ロール(15)に巻き取ることにより複合金属板
(16)が得られる。
なお、上記複合金属板の製造方法において、少なくと
も、金属板を供給する金属板供給工程、フィルムを供給
するフィルム供給工程及びフィルムを溶融し金属板に加
圧する加熱圧縮工程を含んでいればよい。また液晶性高
分子を押出し成形法などで溶融押出し、溶融状態のフィ
ルムを直接金属板に熱接着させてもよい。
金属板は、例えば、第2図に示される工程で予め脱脂
処理、表面処理することにより、フィルムとの接着性を
著しく高めることができる。この例では、ローラ(21)
に巻回された未脱脂処理の金属板(22)を、第1の電解
液槽(24)及び第2の電解液槽(25)に供給して電解処
理した後、水洗装置(26)及び乾燥装置(27)を通じ
て、脱脂処理した金属板(29)をローラ(28)に巻き取
っている。
なお、第2図中、符号(23a)(23b)(23c)(23d)
(23e)(23f)(23g)(23h)はそれぞれロールであ
り、電源(30)に接続された陽極電極板(31)と陰極電
極板(32)とが第1の電解液槽(24)と第2の電解液槽
(25)に配されている。
処理された金属板(29)はローラ(28)に巻き取るこ
となく、直接、前記複合金属板の製造工程に供してもよ
い。
本発明の金属板接着用フィルム及び複合金属板は、例
えば、フレキシブルプリント基板、コンデンサ、コート
されたフライパンなどの高い耐熱性が必要とされる分
野;エンジン周囲の部材、ボンネットの裏張り用部材な
どの自動車部品;電気洗濯機、オフィスオートメーショ
ン機器、自動販売機などのハウジング;建材;軟質金属
板の保護などの広い分野で使用できる。
[発明の効果] 本発明の金属板接着用フィルムは、金属板に対して高
温下でも高い接着性を示す。また、金属板接着用フィル
ムは、機械的特性、耐熱性、化学的安定性、寸法安定
性、耐水性に優れている。
機械的異方性が改善された金属板接着用フィルムは、
取扱い性、金属板との積層作業効率を高めることができ
る。
本発明の複合金属板は、高温下でも金属板と高分子層
とが強固に接合している。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明す
る。
参考例 前記反復単位I、IIで構成されたポリエステル(A)
からなる液晶性高分子(ポリプラスチック(株)製、商
品名ベクトラA900)のペレットを、通常のTダイを備え
た押出成形機を用いて厚み100μmのフィルムに成形し
た。このフィルムを厚み400μmの2枚の冷延綱板の間
に挾み、フィルムの液晶性高分子が溶融する温度で加熱
圧縮し、2枚の冷延綱板を接着することにより、複合金
属板を作製した。
実施例1 参考例で用いた液晶性高分子のペレットを、インフレ
ーションダイを備えた押出し成形機を用いて、下記の条
件で押出し、厚み75μmのフィルムを得た。
押出し方向:下方 押出し温度:290℃ リップクリアランス:1.0mm ブロー比Dtd:4.0 ドラフト比Dmd:5.0 Dtd/Dmd:0.80 得られたフィルムは、次のような機械的特性を示し
た。
MD方向の引張り弾性率:12×104kgf/cm2 TD方向の引張り弾性率:10×104kgf/cm2 MD方向の引張り強度:3.4×103kgf/cm2 TD方向の引張り強度:3.1×103kgf/cm2 そして、得られたフィルムを、厚み400μmの2枚の
冷延綱板の間に挾み、フィルムの液晶性高分子が溶融す
る温度で加熱圧縮し、2枚の冷延綱板を接着することに
より、複合金属板を作製した。
比較例1 参考例の液晶性高分子に代えて、ポリブチレンテレフ
タレート(ポリプラスチック(株)製、商品名ジュラネ
ックス2000)を用いる以外、参考例と同様にして複合金
属板を作製した。
比較例2 参考例の液晶性高分子に代えて、ポリエーテルイミド
(エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名ウ
ルテム−1000)を用いる以外、参考例と同様にして複合
金属板を作製した。
比較例3 参考例の液晶性高分子に代えて、ポリカーボネート
(三菱瓦斯化学(株)製、商品名ユーピロンS1000)を
用いる以外、参考例と同様にして複合金属板を作製し
た。
比較例4 参考例の液晶性高分子に代えて、ポリアリレート(ユ
ニチカ(株)製、商品名UポリマーU−100)を用いる
以外、参考例と同様にして複合金属板を作製した。
比較例5 参考例の液晶性高分子に代えて、接着性ポリプロピレ
ン(三菱油化(株)製、商品名モディクP−310)を用
いる以外、参考例と同様にして複合金属板を作製した。
比較例6 参考例の液晶性高分子に代えて、接着性ポリエチレン
(三菱油化(株)性、商品名モディクL−100)を用い
る以外、参考例と同様にして複合金属板を作製した。
そして、金属板と高分子との接着強度を測定温度を変
えて測定したところ、表に示す結果を得た。なお、T−
剥離強度はJIS K 6854、引張り剪断強度はJIS K
6850に準じて、温度20℃及び120℃で測定した。
表より明らかなように、実施例のフィルムは、比較例
のポリマーと比較して、室温のみならず高温でも接着強
度が著しく大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の複合金属板の連続製造工程の一例を示
す概略図、 第2図は金属板の連続脱脂工程を示す概略図である。 (2a)(2b)……金属板、 (9)……金属板接着用フィルム、(29)……金属板
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 5/00 - 5/02 C08J 5/12 - 5/22 B32B 15/08 B29C 55/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板と接着するフィルムであって、少な
    くともサーモトロピック液晶性高分子を含有するフィル
    ムであって、液晶性高分子を含有する組成物を下方に押
    出すインフレーション成形法で得られた下記特性を有す
    る金属板接着用フィルム。 (a)縦方向の引張り弾性率:8×104〜4×105kgf/c
    m2、 (b)横方向の引張り弾性率:縦方向の引張り弾性率の
    0.75〜1.25倍、 (c)縦方向の引張り強度:3.2×103〜6×103kgf/c
    m2、および (d)横方向の引張り強度:縦方向の引張り強度の0.75
    〜1.25倍
  2. 【請求項2】金属板の少なくとも一方の面に、請求項1
    記載のフィルムがラミネートされている複合金属板。
  3. 【請求項3】少なくとも2つの金属板が、請求項1記載
    のフィルムで接合されている複合金属板。
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