JP2985978B2 - エアバッグシステム用ガスバッグ - Google Patents

エアバッグシステム用ガスバッグ

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、平織された合成樹脂糸
の織布からなるエアバッグシステム用ガスバッグに関す
る。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】正面衝
突や、全体でその割合が６０％を超えて最も多い事故種
である衝撃方向の角度偏差が小さい（＜±３０°）事
故、そして時速１８ｋｍを超える速度のとき、乗用車の
フロント部内及び／又は客室内に収容したエアバッグシ
ステムがその保護作用を発揮する。堅牢な障害物に衝突
するとエアバッグシステムの加速度センサが感応する。
最初の接触（時点Ｔ＝０ｍｓ）後、車両の乗員はその質
量慣性に基づき遅れて前方に移動し始める。１０ｍｓ
後、点火電流がガス発生器の点火装置に入り、これがや
はり点火雷管を、従って点火薬を点火することにより、
ガスバッグ自体が膨らみ始める。清浄・冷却後ガスはガ
スバッグ内に達する。４０〜５０ｍｓ後に上体がいまや
完全に膨らんだガスバッグにぶつかり、その膨張時間は
約３０ｍｓである。ガスバッグ後方の流出口を介しガス
バッグはただちにガスを正確に限定して再び逃がすこと
ができ、身体は柔らかく反発力を受けることなく捕捉さ
れる。ガスバッグ内には０．４〜２．７バールの圧力が
発生する。
【０００３】エアバッグシステム用ガスバッグは一般に
織布の所要の気密性を保証するため内面にブチルゴムを
被覆したポリアミド織布から構成してある。折り畳んだ
ガスバッグが少なくとも１０年間はその完全な機能を維
持するにはガスバッグの内面にタルク粉末をふりまいて
ブチルゴム層の粘着を防止する必要がある。衝突のとき
タルク粒子が、そして場合によってはブチルゴム層から
生じた粒子及び点火薬の燃焼から生じた粒子がガスバッ
グの流出口を介し客室内に吹き込まれ、客室がかなり汚
され又乗員を悩ますことになる。
【０００４】ガスバッグの内面をシリコーン層で被覆す
るとタルク粉末の利用を省くことができる。だがこの場
合にもガスバッグの後方に流出口を配置する必要があ
り、点火薬の燃焼から生じた粒子及びシリコーン層から
生じた粒子がこの流出口から客室内に流出できる。
【０００５】ガス発生器から流出する固体粒子は粒径が
３〜９μｍであり、その分布はガウス正規分布に一致す
る。
【０００６】最近、欧州特許出願明細書第３１４８６７
号により周知となったエアバッグシステム用ガスバッグ
は過飽和打込数の合成樹脂糸織布からなり、その際織布
は収縮させ、ヒートセットし、温度６０〜２５０℃、圧
力１０〜１００トン、走行速度５〜２５ｍ／分でカレン
ダー仕上してある。この織布は、それぞれ４７０ｄｔｅ
ｘのたて糸３４本／ｃｍ、よこ糸１６本／ｃｍの平織を
有する。収縮、ヒートセット及びカレンダー仕上により
織布は圧縮されて事実上ガス不透過性となる。それ故織
布の内面被覆を省くことができる。織布の収縮、ヒート
セット及びカレンダー仕上には無視し得ない支出が伴う
点を別にしても、かかる織布から作製したガスバッグで
は後方に流出口が必要であり、点火薬の燃焼から派生し
た固体粒子がこの流出口を介し自動車客室内に流出し得
る。
【０００７】本発明の課題は、その織布がガスを限定的
に逃がし、但しガス発生器の点火薬の燃焼から派生した
固体粒子を引き留める冒頭述べた織布種を有するエアバ
ッグシステム用ガスバッグを提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】この課題の解決は、織布
が１２〜２３本／ｃｍでかつ４７０ｄｔｅｘ以下の糸を
有し、この糸がガスバッグ下部で最高３％の有効残留収
縮を有する低収縮性の糸でありかつガスバッグ上部で２
０〜３０％の伸びを有する伸長性の糸から構成すること
にある。
【０００９】なお、ガスバッグ上部とはガスバッグのう
ちで車両中の乗員に対向する部分であり、ガスバッグ下
部またはガスバッグ後部とはガスバッグのうちでガスバ
ッグ上部とは反対側の部分である。
【００１０】好ましい構成の枠内で、ガスバッグ下部の
織布は１２〜１９本、好ましくは１６〜１８．５本／ｃ
ｍの糸からなり、ガスバッグ上部の織布は２１〜２３．
５本／ｃｍの糸からなる。
【００１１】点火した点火薬によりガスバッグが膨張す
ると織布の糸が延伸し、織布は点火薬の燃焼時発生した
固体粒子を最初は全く通さない。ガスバッグの膨張後織
布はガス圧により限定的に拡張し、個々の糸間に開口が
生じ、これらの開口が乗員の衝突後ガスバッグからガス
が正確に限定されて流出するのを可能とし、ガスバッグ
に接触した上体は柔らかく、大きな反発力を受けること
なく捕捉される。
【００１２】そして、ガスバッグ下部及びガスバッグ上
部における織布の糸がそれぞれ低収縮性及び伸長性であ
るので、ガスバッグ下部はガスバッグ上部よりも塑性変
形し易く、逆に、ガスバッグ上部はガスバッグ下部より
も弾性変形し易い。このため、膨張によってガスバッグ
下部に生じた開口はそのまま維持され易く、逆に、ガス
バッグ上部に生じた開口はただちに元の状態つまり事実
上ガス不透過の状態に戻り易い。この結果、ガスバッグ
後部に流出口を有していた従来のガスバッグと同様に、
ガスバッグへの乗員の衝突後には、織布は専らガスバッ
グ下部から、つまり、乗員とは反対方向へガスを逃が
す。
【００１３】展開したガスバッグの体積に応じて織布の
ガス透過率は適当な織布を選択することにより５ミリバ
ールの圧力下で２０〜８０ｌ／ｄｍ2 −分に、従って車
種に応じて調整することができる。
【００１４】ガスバッグの全く特殊な１実施態様では、
ガスバッグ下部の織布がたて糸１７．５本／ｃｍとよこ
糸１７．１本／ｃｍからなる。この場合ガスバッグ上部
の織布はたて糸２２．８本／ｃｍとよこ糸２０．８本／
ｃｍからなる。
【００１５】収縮させヒートセットしカレンダー仕上し
た過飽和打込数の織布からガスバッグ上部を構成するこ
とも可能である。
【００１６】求める作用に特別合わせたガスバッグ構成
ではガスバッグ下部の織布と上部の織布とが互いに４５
°ずらして配置してある。
【００１７】両ガスバッグ部分の接合は縫合、織合又は
溶接によって行われる。
【００１８】本発明を図面に例示し、以下詳しく説明す
る。
【００１９】図１において、織布はたて糸１７．５本／
ｃｍ（Ｘ方向）とよこ糸１４．１本／ｃｍ（Ｙ方向）か
らなる。糸は全てポリアミドからなり、かつ４７０ｄｔ
ｅｘを有する。この織布はガスバッグ下部の製造に用い
られ、かつ５ミリバールのときガス透過率が４５ｌ／ｄ
ｍ2 −分である。
【００２０】図２には拡張後のガスバッグ織布が示して
あり、ガス発生器点火薬の燃焼から派生した固体粒子
（１）は織布の拡張中織布糸間の開口の一部に引っ掛か
り、その他の開口を介しガスが流出できる。
【００２１】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明では、ガ
スバッグへの乗員の衝突後に、ガスバッグの織布が、ガ
スを限定的にかつ乗員とは反対方向へ逃がし、しかも、
ガス発生器の点火薬の燃焼から派生した固体粒子を引き
留める。このため、乗員は、ガスバッグから流出するガ
スの影響も燃焼で派生した固体粒子の影響も受けること
なく、柔らかく、大きな反発力を受けることなくガスバ
ッグに捕捉される。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、ガスバッグに使用される織布の一部を
示す部分図である。
【図２】図２は拡張後のガスバッグ織布を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マルティン・クロイツァー ドイツ連邦共和国8751クラインバールシ ュタット・ベンデリヌスベーク２ (56)参考文献 特開 平１−122752（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−27147（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−137245（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−2835（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−5126（ＪＰ，Ａ) 実開 昭50−131734（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B60R 21/16 - 21/32 D03D 1/02 ＥＰＡＴ（ＱＵＥＳＴＥＬ)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 平織された合成樹脂糸、好ましくはポリ
    アミド系糸の織布からなるエアバッグシステム用ガスバ
    ッグにおいて、該織布が１２〜２３本／ｃｍでかつ４７
    ０ｄｔｅｘ以下の糸を有し、この糸がガスバッグ下部で
    最高３％の有効残留収縮を有する低収縮性の糸でありか
    つガスバッグ上部で２０〜３０％の伸びを有する伸長性
    の糸であることを特徴とするガスバッグ。
  2. 【請求項２】 該織布の糸が、２３５〜４７０ｄｔｅｘ
    である請求項１のガスバッグ。
  3. 【請求項３】 ガスバッグ下部の織布が、１２〜１９本
    ／ｃｍ、好ましくは１６〜１８．５本／ｃｍの糸からな
    る請求項１又は２のガスバッグ。
  4. 【請求項４】 ガスバッグ下部の織布が、たて糸１７．
    ５本／ｃｍとよこ糸１７．１本／ｃｍからなる請求項１
    〜３のいずれか１項のガスバッグ。
  5. 【請求項５】 ガスバッグ上部の織布が、２１〜２３．
    ５本／ｃｍの糸からなる請求項１又は２のガスバッグ。
  6. 【請求項６】 ガスバッグ上部の織布が、たて糸２２．
    ８本／ｃｍとよこ糸２２．８本／ｃｍからなる請求項
    １、２又は５のガスバッグ。
  7. 【請求項７】 ガスバッグ下部の織布をガスバッグ上部
    の織布に対し４５°ずらして配置してある請求項１〜６
    のいずれか１項のガスバッグ。
JP3122755A 1990-04-25 1991-04-25 エアバッグシステム用ガスバッグ Expired - Lifetime JP2985978B2 (ja)

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DE4013207 1990-04-25
DE4026374.6 1990-04-25
DE4013207.2 1990-04-25
DE4026374A DE4026374A1 (de) 1990-04-25 1990-08-21 Gassack fuer airbag-systeme

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JPH04228339A JPH04228339A (ja) 1992-08-18
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