JP2984826B2 - 鋳造方法及び鋳型 - Google Patents

鋳造方法及び鋳型

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JP2984826B2
JP2984826B2 JP8168119A JP16811996A JP2984826B2 JP 2984826 B2 JP2984826 B2 JP 2984826B2 JP 8168119 A JP8168119 A JP 8168119A JP 16811996 A JP16811996 A JP 16811996A JP 2984826 B2 JP2984826 B2 JP 2984826B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引け巣や差し込み
の発生しない鋳造方法及び鋳型に関する。
【0002】
【従来の技術】引け巣の発生を防止する方法として、キ
ャビティを形成する鋳型面の所定部位に溶湯の冷却を促
進させる冷却用金属微粉末を塗布し、鋳型中に注湯した
溶湯を該冷却用金属微粉末と接触させて溶湯の冷却速度
を高めることが行われ、例えば、鋳鉄鋳物の鋳造時にキ
ャビティ内面にクロム微粉末を塗布する方法(特開平4
−118164号公報記載)や、アルミニウム鋳物の鋳
造時にキャビティ内面にアルミニウム微粉末を塗布する
方法が知られている。また、引け巣の発生を防止する別
の方法として、鋳型の所望部位に冷し金を埋設し、鋳型
中に注湯した溶湯を該冷し金と接触させて溶湯を急冷す
る方法が知られている(例えば、特開平7−1074号
公報の従来技術)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の冷却用
金属微粉末を用いる方法では、鋳型面の所定部位に冷却
用金属微粉末を塗布する際に薄塗り部位が生じ、該薄塗
り部位と係合する鋳物部位に引け巣が発生しやすいとい
う問題点がある。また、冷し金を用いる方法では鋳物に
引け巣が発生しにくいが、複雑な形状をした鋳物を鋳造
する際、冷し金の埋設作業が煩雑になるという問題点が
ある。そこで、本発明は上記問題点を解消するためにな
されたものであり、引け巣の発生を容易に防止できる鋳
造方法及び鋳型を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の鋳造方法
は、鋳型のキャビティを形成する鋳型面の砂製の所定部
位に0.01〜0.5mmの金属箔を貼付し、その後、
該キャビティに溶湯を注湯することを特徴とする。請求
項2記載の鋳造方法は、請求項1記載の鋳造方法におい
て、該鋳型面の砂製の所定部位が該キャビティの厚肉部
に対向する部位であることを特徴とする。請求項3記載
の鋳型は、請求項1又は2記載の鋳型において、該金属
箔を貼付する該鋳型面の砂製の所定部位が耐火砂で形成
されたことを特徴とする。請求項4記載の鋳型は、請求
項3記載の鋳型において、該鋳型面が鋳型本体面および
/または中子面から形成されたことを特徴とする。
【0005】鋳型面の所定部位に貼付した金属箔は、該
金属箔と接触する溶湯を均一かつ急速に冷却し、引け巣
を発生させない。また、該金属箔は、溶湯の該鋳型面へ
の侵入を阻止し、差し込みを発生させない。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の鋳造方法として、重力鋳
造法、局部加圧鋳造法、減圧鋳造法、低圧鋳造法等が用
いられる。金属箔として、アルミニウム箔、銅箔、亜鉛
箔、鉄箔が使用され、その厚さは0.01〜0.5mm
程度のものが好ましい。金属箔の表面には、離型剤を塗
布してもよい。請求項3〜4の鋳型において、鋳型面部
位は金属箔を貼付する部位が耐火砂であればよく、その
他の部位、例えば、金属箔を貼付した部位の周辺の部位
は金属製であってもよい。
【0007】
【実施例】本発明の第1実施例を図1に基づいて説明す
る。鋳型1は、耐火砂製の上型2および下型3からなる
鋳型本体4と、上型2と下型3の間に介設された砂中子
5とから形成され、鋳型本体4と砂中子5との間には、
湯口(図示せず)に連通する湯道部6とキャビティ7と
が形成されている。キャビティ7は、鋳物の厚肉部を形
成するキャビティ厚肉部8a,8bと鋳物の薄肉部を形
成するキャビティ薄肉部8cからなり、キャビティ厚肉
部8aは、上型2の鋳型本体面2aに穿設された凹部1
0と凹部10に対向する砂中子面部位12との間に形成
され、キャビティ厚肉部8bは、下型3の鋳型本体面3
aに穿設された凹部11と凹部11に対向する砂中子面
部位13との間に形成される。凹部10,11には、凹
部10,11を覆うように厚さ0.05mmのアルミニ
ウム箔14が接着剤により貼付され、砂中子面部位1
2,13には、砂中子面部位12,13を覆うように厚
さ0.05mmのアルミニウム箔15が接着剤により貼
付されている。
【0008】鋳型1を用いた鋳物の鋳造について説明す
る。型合せした鋳型1の湯口(図示せず)からアルニミ
ウム溶湯16を注入し、湯道部6を経てキャビティ7中
にアルミニウム溶湯16を充填する。キャビティ厚肉部
8a,8bに充填されたアルミニウム溶湯16が凹部1
0,11および砂中子面部位12,13に貼付したアル
ミニウム箔14,15によって均一に急冷凝固され、引
け巣を発生させない。鋳物に貼りついた金属箔14,1
5は、鋳物に付着した中子砂を砂落としする際に除去さ
れる。
【0009】次に、本発明の第2実施例を図2に基づい
て説明する。鋳型21は、鉄製の上型22および下型2
3からなる鋳型本体24と、上型22と下型23の間に
介設された砂中子25とから形成され、鋳型本体24と
砂中子25との間には、湯口(図示せず)に連通する湯
道部26とキャビティ27が形成されている。キャビテ
ィ27は、鋳物の厚肉部を形成するキャビティ厚肉部2
8a,28bと鋳物の薄肉部を形成するキャビティ薄肉
部28cとからなり、キャビティ厚肉部28aは、上型
22の鋳型本体面22aに穿孔された漏斗状の貫通孔3
2の傘状部32aと傘状部32aに対向する砂中子面部
位30との間に形成され、キャビティ厚肉部28bは、
下型23の鋳型面23aに穿孔された漏斗状の貫通孔3
3の傘状部33aと傘状部33aに対向する砂中子面部
位31との間に形成される。貫通孔32の筒状部32b
及び貫通孔33の筒状部33bには、加圧ピストン3
4,35が、前進後退自在に配設され、加圧ピストン3
4,35は、ピストンロッド36,37を介して駆動装
置(図示せず)に接続されている。砂中子25の砂中子
面部位30,31には、砂中子面部位30,31を覆う
ように厚さ0.05mmのアルミニウム箔38が接着剤
により貼付されている。
【0010】鋳型25を用いた鋳物の鋳造について説明
する。型合せした鋳型21の湯口(図示せず)からアル
ミニウム溶湯39を注入し、湯道部26を経てキャビテ
ィ27中に充填する。キャビティ厚肉部28a,28b
及びキャビティ薄肉部28c中でアルミニウム溶湯39
が凝固する際、加圧ピストン34,35を前進(図2中
紙面中央方向)させて未凝固状態もしくは半凝固状態の
アルミニウム溶湯39を加圧する。キャビティ厚肉部2
8a,28bに充填されたアルミニウム溶湯39が、砂
中子面部位30,31に貼付したアルミニウム箔38に
よって均一に急冷凝固されると共に、加圧ピストン3
4,35の前進によって加圧され、引け巣を発生させな
い。また、加圧されたアルミニウム溶湯39が砂中子面
部位30,31に押しつけられるが、アルミニウム箔3
8がアルミニウム溶湯39の鋳型25中への侵入を阻止
するため、差し込みが発生しない。鋳物に貼りついたア
ルミニウム箔38は、鋳物に付着した中子砂を砂落とし
する際に除去される。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、鋳型のキャビティを形
成する鋳型面の砂製の所定部位に0.01〜0.5mm
金属箔を貼付するので、溶湯が均一かつ急速に冷却し
て引け巣が発生せず、溶湯が鋳型中に侵入しないため差
し込みが発生せず、健全な鋳物を容易に鋳造することが
できる。差し込みが発生しないため、鋳バリの除去工程
を省略でき、金属箔と接した鋳物部位は緻密な金属組織
を形成するため、圧漏れ欠陥のない鋳物を容易に鋳造で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の鋳型の縦断面図である。
【図2】本発明の第2実施例の鋳型の縦断面図である。
【符号の説明】 1 鋳型 2a 鋳型本体面 3a 鋳型本体面 4 鋳型本体 5 砂中子 7 キャビティ 8a キャビティ厚肉部 8b キャビティ厚肉部 12 砂中子面部位 13 砂中子面部位 14 アルミニウム箔 15 アルミニウム箔 16 アルミニウム溶湯 21 鋳型 24 鋳型本体 25 砂中子 27 キャビティ 28a キャビティ厚肉部 28b キャビティ厚肉部 34 砂中子面部位 35 砂中子面部位 38 アルミニウム箔 39 アルミニウム溶湯

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳型のキャビティを形成する鋳型面の砂製
    所定部位に0.01〜0.5mmの金属箔を貼付し、
    その後、該キャビティに溶湯を注湯することを特徴とす
    る鋳造方法。
  2. 【請求項2】該鋳型面の砂製の所定部位が該キャビティ
    の厚肉部に対向する部位であることを特徴とする請求項
    1記載の鋳造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の鋳型において、 該金属箔を貼付する該鋳型面の砂製の所定部位が耐火砂
    で形成されたことを特徴とする鋳型。
  4. 【請求項4】請求項3記載の鋳型において、 該鋳型面が鋳型本体面および/または砂中子面から形成
    されたことを特徴とする鋳型。
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