JPH05106667A - ブレーキデイスクおよびその製造方法 - Google Patents
ブレーキデイスクおよびその製造方法Info
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- JPH05106667A JPH05106667A JP29799891A JP29799891A JPH05106667A JP H05106667 A JPH05106667 A JP H05106667A JP 29799891 A JP29799891 A JP 29799891A JP 29799891 A JP29799891 A JP 29799891A JP H05106667 A JPH05106667 A JP H05106667A
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Landscapes
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- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
[目的] 高い耐摩耗性を有し、しかも軽量であって放
熱性に優れたブレーキディスクを提供することを目的と
する。 [構成] 鋳鉄製の摩擦板16をアルミニウム合金の溶
湯中に浸漬し、これによって摩擦板16の外表面にアル
フィン接合を行なうための合金層を形成する。そしてこ
の後に合金層43が形成されている摩擦板16を重力鋳
造用金型または高圧凝固鋳造用金型内に配し、ブレーキ
ディスク10をアルミニウム合金によって鋳造する。
熱性に優れたブレーキディスクを提供することを目的と
する。 [構成] 鋳鉄製の摩擦板16をアルミニウム合金の溶
湯中に浸漬し、これによって摩擦板16の外表面にアル
フィン接合を行なうための合金層を形成する。そしてこ
の後に合金層43が形成されている摩擦板16を重力鋳
造用金型または高圧凝固鋳造用金型内に配し、ブレーキ
ディスク10をアルミニウム合金によって鋳造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用ディスクブレーキ
に用いられるブレーキディスクおよびその製造方法に関
する。
に用いられるブレーキディスクおよびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ディスクブレーキは、車輪のホイールに
ブレーキディスクを固着するようにし、このブレーキデ
ィスクの摩擦面を両側からキャリパに保持されているピ
ストンのブレーキパッドによって強く挟着して摩擦力を
発生させ、制動を行なうようにしている。
ブレーキディスクを固着するようにし、このブレーキデ
ィスクの摩擦面を両側からキャリパに保持されているピ
ストンのブレーキパッドによって強く挟着して摩擦力を
発生させ、制動を行なうようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のディ
スクブレーキに用いられるブレーキディスクは、鋳鉄製
の円盤から構成されており、その重量が大きかった。す
なわち小型乗用車の前輪用のブレーキディスクが約7.
5Kgあり、後輪用のブレーキディスクは約4Kgあっ
た。また鋳鉄製のブレーキディスクは熱伝導率がよくな
く、放熱性が不十分であるという問題があった。
スクブレーキに用いられるブレーキディスクは、鋳鉄製
の円盤から構成されており、その重量が大きかった。す
なわち小型乗用車の前輪用のブレーキディスクが約7.
5Kgあり、後輪用のブレーキディスクは約4Kgあっ
た。また鋳鉄製のブレーキディスクは熱伝導率がよくな
く、放熱性が不十分であるという問題があった。
【0004】このような問題点に鑑みて、ブレーキディ
スクをアルミニウム合金から製造することが考察され
る。アルミニウム合金によって製作すると、その重量を
低減することが可能になる。ところがアルミニウム合金
は耐摩耗性に劣るために、ブレーキディスクがすぐに摩
耗してしまう欠点がある。
スクをアルミニウム合金から製造することが考察され
る。アルミニウム合金によって製作すると、その重量を
低減することが可能になる。ところがアルミニウム合金
は耐摩耗性に劣るために、ブレーキディスクがすぐに摩
耗してしまう欠点がある。
【0005】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであって、従来の鋳鉄製のブレーキディスクと同
様の耐摩耗性を有し、しかも軽量でかつ放熱性に優れた
ブレーキディスクおよびその製造方法を提供することを
目的とするものである。
たものであって、従来の鋳鉄製のブレーキディスクと同
様の耐摩耗性を有し、しかも軽量でかつ放熱性に優れた
ブレーキディスクおよびその製造方法を提供することを
目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、軽合金か
ら構成されるとともに、ブレーキパッドとの圧接面が鋳
鉄製の摩擦板から構成され、前記摩擦板と前記軽合金の
ブレーキディスクとの接合面が合金接合されるようにし
たものである。
ら構成されるとともに、ブレーキパッドとの圧接面が鋳
鉄製の摩擦板から構成され、前記摩擦板と前記軽合金の
ブレーキディスクとの接合面が合金接合されるようにし
たものである。
【0007】また第2の発明は、前記摩擦板がオーステ
ナイト系のニレジスト鋳鉄から構成され、ブレーキディ
スクとの接合面でアルフィン接合されるようにしたもの
である。
ナイト系のニレジスト鋳鉄から構成され、ブレーキディ
スクとの接合面でアルフィン接合されるようにしたもの
である。
【0008】また第3の発明は、鋳鉄製の摩擦板を軽合
金の溶湯中に浸漬してその表面に軽合金と鉄との金属間
化合物を形成し、次いで摩擦板を鋳型内に配して軽合金
の溶湯を注入固化してブレーキディスクを製造するよう
にしたものである。
金の溶湯中に浸漬してその表面に軽合金と鉄との金属間
化合物を形成し、次いで摩擦板を鋳型内に配して軽合金
の溶湯を注入固化してブレーキディスクを製造するよう
にしたものである。
【0009】
【作用】第1の発明によれば、軽合金から成るブレーキ
ディスクが車輪のホイールに取付けられるとともに、こ
のブレーキディスクに合金接合して取付けられた摩擦板
がブレーキパッドと圧接され、これによって制動力が生
ずるようになる。
ディスクが車輪のホイールに取付けられるとともに、こ
のブレーキディスクに合金接合して取付けられた摩擦板
がブレーキパッドと圧接され、これによって制動力が生
ずるようになる。
【0010】また第2の発明によれば、摩擦板がオース
テナイト系のニレジスト鋳鉄から構成されているため
に、軽合金製のブレーキディスクとの間での熱膨張係数
の差をほとんどなくすことが可能になる。しかもアルフ
ィン接合によって摩擦板をブレーキディスクに対して高
い接合力で固着できるようになる。
テナイト系のニレジスト鋳鉄から構成されているため
に、軽合金製のブレーキディスクとの間での熱膨張係数
の差をほとんどなくすことが可能になる。しかもアルフ
ィン接合によって摩擦板をブレーキディスクに対して高
い接合力で固着できるようになる。
【0011】第3の発明によれば、鋳鉄製の摩擦板を軽
合金の溶湯中に浸漬してその表面に軽合金と鉄との金属
間化合物を形成し、この後に鋳型内に上記摩擦板を配し
て軽合金の溶湯を注入して固化することにより、上記金
属間化合物を介して摩擦板がブレーキディスクに強固に
結合されるようになる。
合金の溶湯中に浸漬してその表面に軽合金と鉄との金属
間化合物を形成し、この後に鋳型内に上記摩擦板を配し
て軽合金の溶湯を注入して固化することにより、上記金
属間化合物を介して摩擦板がブレーキディスクに強固に
結合されるようになる。
【0012】
【実施例】図1および図2は本発明の一実施例に係るブ
レーキディスク10を示すものであって、ソリッドタイ
プのブレーキディスク10を示している。ブレーキディ
スク10はアルミニウム合金、例えばJIS AC8A
によって鋳造されており、その中心部がカップ状をなす
ハブ13から構成されている。そしてハブ13の中心部
には中心孔14が形成されるとともに、この中心孔14
の外周側には必要に応じて4〜6個のボルト挿通口15
が形成されるようになっている。
レーキディスク10を示すものであって、ソリッドタイ
プのブレーキディスク10を示している。ブレーキディ
スク10はアルミニウム合金、例えばJIS AC8A
によって鋳造されており、その中心部がカップ状をなす
ハブ13から構成されている。そしてハブ13の中心部
には中心孔14が形成されるとともに、この中心孔14
の外周側には必要に応じて4〜6個のボルト挿通口15
が形成されるようになっている。
【0013】このブレーキディスク10の特徴は、その
外周側の端面であってブレーキパッドに圧接される部分
が摩擦板16から構成されていることである。摩擦板1
6はオーステナイト系の鋳鉄であってNiを多量に、例
えば14%含むニレジスト鋳鉄から構成されている。し
かもこの摩擦板16はブレーキディスク10との間に後
述する合金によるアルフィン接合で結合されている。
外周側の端面であってブレーキパッドに圧接される部分
が摩擦板16から構成されていることである。摩擦板1
6はオーステナイト系の鋳鉄であってNiを多量に、例
えば14%含むニレジスト鋳鉄から構成されている。し
かもこの摩擦板16はブレーキディスク10との間に後
述する合金によるアルフィン接合で結合されている。
【0014】図1はこのようなブレーキディスク10を
用いたディスクブレーキを示しており、固定側にはキャ
リパ19が配されるようになっている。そしてキャリパ
19はブレーキシリンダ20を備えており、ブレーキシ
リンダ20内にはブレーキピストン21が摺動可能に保
持されている。そしてブレーキピストン21の前端側に
はパッド22が固着されており、このパッド22によっ
てブレーキディスク10の摩擦板16に圧着し、制動力
を発生するようにしている。
用いたディスクブレーキを示しており、固定側にはキャ
リパ19が配されるようになっている。そしてキャリパ
19はブレーキシリンダ20を備えており、ブレーキシ
リンダ20内にはブレーキピストン21が摺動可能に保
持されている。そしてブレーキピストン21の前端側に
はパッド22が固着されており、このパッド22によっ
てブレーキディスク10の摩擦板16に圧着し、制動力
を発生するようにしている。
【0015】このように本実施例に係るブレーキディス
ク10は、局部的に耐摩耗性を要求される部分にNi系
のオーステナイト鋳鉄から成る摩擦板16を配するよう
にしており、他のディスクロータ本体部分をアルミニウ
ム合金とし、両者間にアルフィン接合によって結合する
ための鉄とアルミニウムとの金属間化合物を生成させ、
重力鋳造法または高圧凝固鋳造法によって鋳造するよう
にしている。
ク10は、局部的に耐摩耗性を要求される部分にNi系
のオーステナイト鋳鉄から成る摩擦板16を配するよう
にしており、他のディスクロータ本体部分をアルミニウ
ム合金とし、両者間にアルフィン接合によって結合する
ための鉄とアルミニウムとの金属間化合物を生成させ、
重力鋳造法または高圧凝固鋳造法によって鋳造するよう
にしている。
【0016】以下ブレーキディスクの製造方法について
説明する。図3および図4に示す鋳鉄製の摩擦板16を
用意する。この摩擦板16として最適なものは、熱膨張
係数がアルミニウム合金に近く、温度が上がっても結合
強度が保持でき、耐摩耗性のよいオーステナイト系のニ
レジスト鋳鉄である。なおニレジスト鋳鉄に代えて、普
通鋳鉄、ダクタイル鋳鉄等を用いることを妨げない。
説明する。図3および図4に示す鋳鉄製の摩擦板16を
用意する。この摩擦板16として最適なものは、熱膨張
係数がアルミニウム合金に近く、温度が上がっても結合
強度が保持でき、耐摩耗性のよいオーステナイト系のニ
レジスト鋳鉄である。なおニレジスト鋳鉄に代えて、普
通鋳鉄、ダクタイル鋳鉄等を用いることを妨げない。
【0017】1個のブレーキディスク10には2枚の摩
擦板16が用いられ、これらがその外周側の連結部25
によって連結された状態で製作される。なお外周側に所
定の間隔で設けられている連結部25にはそれぞれ中心
側へ凹んだ凹部26が形成されるようになっている。
擦板16が用いられ、これらがその外周側の連結部25
によって連結された状態で製作される。なお外周側に所
定の間隔で設けられている連結部25にはそれぞれ中心
側へ凹んだ凹部26が形成されるようになっている。
【0018】連結部25を介して一体になっている2枚
の摩擦板16は前処理工程に供給される。すなわち鋳鉄
材料面を清浄にして合金層の形成を容易にするためのも
のであって、脱脂、タンブリング(表面を凹凸にする)
等の工程から構成される。
の摩擦板16は前処理工程に供給される。すなわち鋳鉄
材料面を清浄にして合金層の形成を容易にするためのも
のであって、脱脂、タンブリング(表面を凹凸にする)
等の工程から構成される。
【0019】このような前処理工程を終ったならば、ア
ルフィン層を形成する。すなわち摩擦板16をアルミニ
ウム合金の約750℃の溶湯中に浸漬する。アルミニウ
ム合金の溶湯中に鋳鉄製の摩擦板16を浸漬すると、こ
の摩擦板16の表面にアルミニウムと鉄の金属間化合物
すなわち合金層(アルフィン層)が形成される。この合
金層の引張り強さは約10kgf/mm2 以上にもなる
強さである。
ルフィン層を形成する。すなわち摩擦板16をアルミニ
ウム合金の約750℃の溶湯中に浸漬する。アルミニウ
ム合金の溶湯中に鋳鉄製の摩擦板16を浸漬すると、こ
の摩擦板16の表面にアルミニウムと鉄の金属間化合物
すなわち合金層(アルフィン層)が形成される。この合
金層の引張り強さは約10kgf/mm2 以上にもなる
強さである。
【0020】このようにして外表面に合金層を形成した
ならば、図5に示すように金型34内に配する。この金
型34は注湯口35を備えるとともに、キャビティ37
と連通する部分には押し湯筒38が設けられている。
ならば、図5に示すように金型34内に配する。この金
型34は注湯口35を備えるとともに、キャビティ37
と連通する部分には押し湯筒38が設けられている。
【0021】ブレーキディスクを鋳造する場合には、合
金層を形成した摩擦板16を図5に示すように金型34
のキャビティ37内に配し、摩擦板押え39によって押
える。この摩擦板押え39はその先端側の部分が連結部
25の凹部26を押えることになる。
金層を形成した摩擦板16を図5に示すように金型34
のキャビティ37内に配し、摩擦板押え39によって押
える。この摩擦板押え39はその先端側の部分が連結部
25の凹部26を押えることになる。
【0022】このようにアルフィン層が形成された鋳鉄
製の摩擦板16を金型34の所定の位置に配し、摩擦板
押え39によって固定して注湯口35から溶湯を注入し
て鋳造を行なう。このときに湯道や堰は湯の流れが荒れ
ないようにし、静かに注湯する。
製の摩擦板16を金型34の所定の位置に配し、摩擦板
押え39によって固定して注湯口35から溶湯を注入し
て鋳造を行なう。このときに湯道や堰は湯の流れが荒れ
ないようにし、静かに注湯する。
【0023】このようにして図1および図2に示すよう
なブレーキディスク10が鋳造される。しかもこのブレ
ーキディスク10はブレーキパッド22との圧接面が摩
擦板16から構成されている。この摩擦板16とブレー
キディスク10との接合面は図6に拡大して示すよう
に、合金層43を介して接合されるようになっている。
すなわち鋳鉄製の摩擦板16とアルミニウム合金から成
るブレーキディスク10との間に金属間化合物43が介
在されている。
なブレーキディスク10が鋳造される。しかもこのブレ
ーキディスク10はブレーキパッド22との圧接面が摩
擦板16から構成されている。この摩擦板16とブレー
キディスク10との接合面は図6に拡大して示すよう
に、合金層43を介して接合されるようになっている。
すなわち鋳鉄製の摩擦板16とアルミニウム合金から成
るブレーキディスク10との間に金属間化合物43が介
在されている。
【0024】このような合金層43によって、両者の間
に熱的な断熱面ができなくなり、良好な熱伝導性を保持
し、放熱効果が大きくなってブレーキ性能が改善され
る。しかもブレーキディスク10はその大部分がアルミ
ニウム合金から構成されているために、軽量化が実現さ
れる。すなわち従来の鋳鉄製のブレーキディスクに対し
て20%以上重量を低減することが可能になる。またこ
のような重量の低減によって、燃費が節減されるととも
に、操縦安定性が向上される。
に熱的な断熱面ができなくなり、良好な熱伝導性を保持
し、放熱効果が大きくなってブレーキ性能が改善され
る。しかもブレーキディスク10はその大部分がアルミ
ニウム合金から構成されているために、軽量化が実現さ
れる。すなわち従来の鋳鉄製のブレーキディスクに対し
て20%以上重量を低減することが可能になる。またこ
のような重量の低減によって、燃費が節減されるととも
に、操縦安定性が向上される。
【0025】つぎに図7および図8によって高圧凝固鋳
造法でブレーキディスク10を作る方法について説明す
る。摩擦板16の形状およびこの摩擦板16の表面に合
金層43を形成する工程については、重力鋳造法によっ
てブレーキディスク10を鋳造する場合と同様であるの
でその説明を省略する。
造法でブレーキディスク10を作る方法について説明す
る。摩擦板16の形状およびこの摩擦板16の表面に合
金層43を形成する工程については、重力鋳造法によっ
てブレーキディスク10を鋳造する場合と同様であるの
でその説明を省略する。
【0026】高圧凝固鋳造法に用いられる金型は上型4
7と下型48とから構成されており、その中の空洞がキ
ャビティ56になっている。このキャビティ56はオー
バフロー用凹部57と連通されている。下型48の下側
には図7および図8に示すようにシリンダ53が配され
ている。このシリンダ53内にピストン54が摺動可能
に保持されている。しかもピストン54にはプランジャ
55が摺動可能に嵌合されている。
7と下型48とから構成されており、その中の空洞がキ
ャビティ56になっている。このキャビティ56はオー
バフロー用凹部57と連通されている。下型48の下側
には図7および図8に示すようにシリンダ53が配され
ている。このシリンダ53内にピストン54が摺動可能
に保持されている。しかもピストン54にはプランジャ
55が摺動可能に嵌合されている。
【0027】このような装置によってブレーキディスク
10を鋳造する場合には、予め合金層43が形成された
摩擦板16をキャビティ56の外周部にセットする。そ
して下型48の外周側に所定の間隔で設けられている摩
擦板押え60によって摩擦板16の連結部25の外周部
を押える。これは重力鋳造法と同様であって、鋳造が完
了するまで保持する。つぎにシリンダ53を図外の揺動
手段によって図7に示すように揺動させ、とりべ61に
よってシリンダ53内へアルミニウム合金(例えばJI
S AC8A)を注入する。その後シリンダ53を図外
の揺動手段によって図8に示すように真直ぐな姿勢とす
るとともに、シリンダ53を全体として上昇させ、下型
48の注湯口に接続する。そしてシリンダ53内に注入
された溶湯をまずピストン54によってキャビティ56
に加圧して注湯する。次いでピストン54に対してプラ
ンジャ55を相対的に突上げ、これによってキャビティ
56内の溶湯をさらに加圧する。
10を鋳造する場合には、予め合金層43が形成された
摩擦板16をキャビティ56の外周部にセットする。そ
して下型48の外周側に所定の間隔で設けられている摩
擦板押え60によって摩擦板16の連結部25の外周部
を押える。これは重力鋳造法と同様であって、鋳造が完
了するまで保持する。つぎにシリンダ53を図外の揺動
手段によって図7に示すように揺動させ、とりべ61に
よってシリンダ53内へアルミニウム合金(例えばJI
S AC8A)を注入する。その後シリンダ53を図外
の揺動手段によって図8に示すように真直ぐな姿勢とす
るとともに、シリンダ53を全体として上昇させ、下型
48の注湯口に接続する。そしてシリンダ53内に注入
された溶湯をまずピストン54によってキャビティ56
に加圧して注湯する。次いでピストン54に対してプラ
ンジャ55を相対的に突上げ、これによってキャビティ
56内の溶湯をさらに加圧する。
【0028】このような高圧凝固鋳造法によると、重力
鋳造法よりも凝固のスピードが速く、組織が緻密にな
り、かつ引け巣に伴う鋳造欠陥がなくなるために、大幅
に機械的性質が向上したアルミニウム合金製のブレーキ
ディスクロータ10が製造されるようになる。
鋳造法よりも凝固のスピードが速く、組織が緻密にな
り、かつ引け巣に伴う鋳造欠陥がなくなるために、大幅
に機械的性質が向上したアルミニウム合金製のブレーキ
ディスクロータ10が製造されるようになる。
【0029】なおこの装置による鋳造条件としては、溶
湯の温度を740〜800℃に設定することが好まし
く、溶湯の流入速度を0.1〜0.7m/秒とすること
が好ましい。また最終的にピストン54またはプランジ
ャ55によって溶湯に加える圧力は、500〜2000
Kgf/cm2 の値であってよい。
湯の温度を740〜800℃に設定することが好まし
く、溶湯の流入速度を0.1〜0.7m/秒とすること
が好ましい。また最終的にピストン54またはプランジ
ャ55によって溶湯に加える圧力は、500〜2000
Kgf/cm2 の値であってよい。
【0030】このような方法によって製造されたブレー
キディスクは、摩擦板16の表面に予め形成された合金
層43の存在によって、ブレーキディスク10に対して
強固に摩擦板16を接合することができる。しかもこの
ような合金層16の存在によって、放熱性を損うことが
ない。従って耐摩耗性に優れ、軽量でしかも放熱性に優
れたブレーキディスクを提供できるようになる。またブ
レーキディスク10の組織がより緻密になるために、そ
の機械的強度が一段と向上されることになる。
キディスクは、摩擦板16の表面に予め形成された合金
層43の存在によって、ブレーキディスク10に対して
強固に摩擦板16を接合することができる。しかもこの
ような合金層16の存在によって、放熱性を損うことが
ない。従って耐摩耗性に優れ、軽量でしかも放熱性に優
れたブレーキディスクを提供できるようになる。またブ
レーキディスク10の組織がより緻密になるために、そ
の機械的強度が一段と向上されることになる。
【0031】
【発明の効果】第1の発明によれば、ブレーキディスク
が軽合金から構成されるとともに、ブレーキパッドとの
圧接面が鋳鉄製の摩擦板から構成され、しかも摩擦板と
軽合金のブレーキディスクとの接合面が合金接合される
ようにしたものである。
が軽合金から構成されるとともに、ブレーキパッドとの
圧接面が鋳鉄製の摩擦板から構成され、しかも摩擦板と
軽合金のブレーキディスクとの接合面が合金接合される
ようにしたものである。
【0032】従って軽量でしかも放熱性に優れ、高い耐
摩耗性を有するブレーキディスクを提供することが可能
になる。また摩擦板が合金接合されているために、ブレ
ーキディスクに対して高い接合力を有し、両者が分離す
ることがない。
摩耗性を有するブレーキディスクを提供することが可能
になる。また摩擦板が合金接合されているために、ブレ
ーキディスクに対して高い接合力を有し、両者が分離す
ることがない。
【0033】第2の発明によれば、摩擦板がオーステナ
イト系のニレジスト鋳鉄から構成されるとともに、ブレ
ーキディスクとの接合面でアルフィン接合されるように
したものである。従ってこのような構成によれば、摩擦
板とアルミニウム合金の摩擦係数をほぼ同じ値に設定す
ることが可能になり、しかもアルフィン接合によって両
者を強固に結合することが可能になる。
イト系のニレジスト鋳鉄から構成されるとともに、ブレ
ーキディスクとの接合面でアルフィン接合されるように
したものである。従ってこのような構成によれば、摩擦
板とアルミニウム合金の摩擦係数をほぼ同じ値に設定す
ることが可能になり、しかもアルフィン接合によって両
者を強固に結合することが可能になる。
【0034】また第3の発明によれば、鋳鉄製の摩擦板
を軽合金の溶湯中に浸漬してその表面に軽合金と鉄との
金属間化合物を形成し、次いで摩擦板を鋳型内に配して
軽合金の溶湯を注入固化するようにしたものである。
を軽合金の溶湯中に浸漬してその表面に軽合金と鉄との
金属間化合物を形成し、次いで摩擦板を鋳型内に配して
軽合金の溶湯を注入固化するようにしたものである。
【0035】従って摩擦板の表面に予め軽合金の金属間
化合物を形成するとともに、この摩擦板をブレーキディ
スクに鋳包むことによって、金属間化合物を介して摩擦
板を高い結合力でブレーキディスクに複合することが可
能になる。
化合物を形成するとともに、この摩擦板をブレーキディ
スクに鋳包むことによって、金属間化合物を介して摩擦
板を高い結合力でブレーキディスクに複合することが可
能になる。
【図1】本発明の一実施例に係るブレーキディスクの一
部を破断した正面図である。
部を破断した正面図である。
【図2】同ブレーキディスクの平面図である。
【図3】摩擦板の平面図である。
【図4】同摩擦板の横断面図である。
【図5】重力鋳造法によってブレーキディスクを製造し
ている状態を示す縦断面図である。
ている状態を示す縦断面図である。
【図6】ブレーキディスクと摩擦板との接合部の構造を
示す拡大断面図である。
示す拡大断面図である。
【図7】高圧鋳造用金型の縦断面図である。
【図8】高圧鋳造法によってブレーキディスクを製造す
る状態を示す縦断面図である。
る状態を示す縦断面図である。
10 ブレーキディスク 13 ハブ 14 中心孔 15 ボルト挿通孔 16 摩擦板 19 キャリパ 20 ブレーキシリンダ 21 ブレーキピストン 22 パッド 25 連結部 26 凹部 34 金型 35 注湯口 37 キャビティ 38 押し湯筒 39 摩擦板押え 43 合金層 47 上型 48 下型 53 シリンダ 54 ピストン 55 プランジャ 56 キャビティ 57 オーバフロー用凹部 60 摩擦板押え 61 とりべ
Claims (3)
- 【請求項1】 軽合金から構成されるとともに、ブレー
キパッドとの圧接面が鋳鉄製の摩擦板から構成され、前
記摩擦板と前記軽合金のブレーキディスクとの接合面が
合金接合されていることを特徴とするブレーキディス
ク。 - 【請求項2】 前記摩擦板がオーステナイト系のニレジ
スト鋳鉄から構成され、ブレーキディスクとの接合面で
アルフィン接合されていることを特徴とする請求項1に
記載のブレーキディスク。 - 【請求項3】 鋳鉄製の摩擦板を軽合金の溶湯中に浸漬
してその表面に軽合金と鉄との金属間化合物を形成し、
次いで摩擦板を鋳型内に配して軽合金の溶湯を注入固化
するようにしたことを特徴とするブレーキディスクの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29799891A JPH05106667A (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | ブレーキデイスクおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29799891A JPH05106667A (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | ブレーキデイスクおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05106667A true JPH05106667A (ja) | 1993-04-27 |
Family
ID=17853807
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29799891A Pending JPH05106667A (ja) | 1991-10-18 | 1991-10-18 | ブレーキデイスクおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05106667A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2366225B (en) * | 2000-07-11 | 2004-05-19 | Honda Motor Co Ltd | Method for injection molding metallic materials |
US20130277155A1 (en) * | 2012-04-18 | 2013-10-24 | Xiaodi Huang | High thermal conductivity disk brakes |
KR101539564B1 (ko) * | 2015-04-21 | 2015-07-28 | 한주금속(주) | 브레이크 디스크 제조금형 |
KR101877547B1 (ko) * | 2018-03-26 | 2018-07-11 | (주)에이톤 | 일체형 브레이크 디스크 제조방법 및 이에 의해 제조된 브레이크 디스크 |
CN109249005A (zh) * | 2017-07-14 | 2019-01-22 | 长城汽车股份有限公司 | 车辆的制动盘的制造方法 |
CN113714501A (zh) * | 2021-11-02 | 2021-11-30 | 龙口市和义机械配件有限公司 | 一种刹车盘生产装置、生产方法及刹车盘 |
-
1991
- 1991-10-18 JP JP29799891A patent/JPH05106667A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9038271B2 (en) * | 2012-04-18 | 2015-05-26 | Xiaodi Huang | High thermal conductivity disk brakes |
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WO2019190086A1 (ko) * | 2018-03-26 | 2019-10-03 | (주)에이톤 | 일체형 브레이크 디스크 제조방법 및 이에 의해 제조된 브레이크 디스크 |
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