JPH1089389A - 軽量複合ブレーキディスクの製造方法 - Google Patents
軽量複合ブレーキディスクの製造方法Info
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- JPH1089389A JPH1089389A JP24277296A JP24277296A JPH1089389A JP H1089389 A JPH1089389 A JP H1089389A JP 24277296 A JP24277296 A JP 24277296A JP 24277296 A JP24277296 A JP 24277296A JP H1089389 A JPH1089389 A JP H1089389A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】鉄道車両のような高速かつ高負荷のブレーキの
ディスクの軽量化を目的とした、従来の鋼製と同等の耐
摩耗性、耐熱性、耐熱亀裂性を有するアルミニウム合金
製の複合構造ブレーキディスクの製造方法の提供。 【解決手段】アルミニウム合金を鍛造または鋳造して成
形した基部となる部分1を鋳型内に設置して予熱し、摺
動面表層部となる部分2として、アルミニウムまたはア
ルミニウム合金にセラミックスの粒子または繊維を分散
させた複合材料の溶湯を流し込んで、一体化鋳造するこ
とを特徴とする軽量複合構造ブレーキディスクの製造方
法。また、この一体化鋳造の際、基部となる部分1の複
合材料を接合させる面に、塩化物系フラックス、アルミ
ニウム合金のろう材、および塩化物系フラックスを順次
積層させ、その基部を設置した鋳型を 500〜 580℃に予
熱し鋳込む製造方法、および上記一体化鋳造後、熱間の
プレスにより複合材料と基部の接合面に垂直ないしはそ
れに近い方向に加圧する製造方法。
ディスクの軽量化を目的とした、従来の鋼製と同等の耐
摩耗性、耐熱性、耐熱亀裂性を有するアルミニウム合金
製の複合構造ブレーキディスクの製造方法の提供。 【解決手段】アルミニウム合金を鍛造または鋳造して成
形した基部となる部分1を鋳型内に設置して予熱し、摺
動面表層部となる部分2として、アルミニウムまたはア
ルミニウム合金にセラミックスの粒子または繊維を分散
させた複合材料の溶湯を流し込んで、一体化鋳造するこ
とを特徴とする軽量複合構造ブレーキディスクの製造方
法。また、この一体化鋳造の際、基部となる部分1の複
合材料を接合させる面に、塩化物系フラックス、アルミ
ニウム合金のろう材、および塩化物系フラックスを順次
積層させ、その基部を設置した鋳型を 500〜 580℃に予
熱し鋳込む製造方法、および上記一体化鋳造後、熱間の
プレスにより複合材料と基部の接合面に垂直ないしはそ
れに近い方向に加圧する製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄道車両等に用いら
れる摩擦によって機械的に制動力を得るディスクブレー
キのディスクの製造方法に関する。
れる摩擦によって機械的に制動力を得るディスクブレー
キのディスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両や自動車および自動2輪車など
の機械的制動方式には、ブロックブレーキ、ドラムブレ
ーキおよびディスクブレーキなどがあり、近年は車両の
高速化や大荷重化に伴い、ディスクブレーキが多用され
るようになってきた。このディスクブレーキとは、ブレ
ーキディスクとブレーキライニング(摩擦材)との摩擦
によって制動力を得る装置で、鉄道車両の場合を例に取
れば、ドーナツ形の円盤状の摺動面と、その摺動面を後
背部で支持し車輪などの回転部分に取りつける基部とに
よって構成され、走行時回転している摺動面にブレーキ
ライニングを押し付けることにより制動力を得る。この
摺動面を有する円盤形状の部品をブレーキディスクと称
する。
の機械的制動方式には、ブロックブレーキ、ドラムブレ
ーキおよびディスクブレーキなどがあり、近年は車両の
高速化や大荷重化に伴い、ディスクブレーキが多用され
るようになってきた。このディスクブレーキとは、ブレ
ーキディスクとブレーキライニング(摩擦材)との摩擦
によって制動力を得る装置で、鉄道車両の場合を例に取
れば、ドーナツ形の円盤状の摺動面と、その摺動面を後
背部で支持し車輪などの回転部分に取りつける基部とに
よって構成され、走行時回転している摺動面にブレーキ
ライニングを押し付けることにより制動力を得る。この
摺動面を有する円盤形状の部品をブレーキディスクと称
する。
【0003】ブレーキディスクに用いられる材料は、制
動時の摩擦による摩耗と、急激な温度上昇があるため、
耐摩耗性、耐熱性、耐熱亀裂性が要求される。この熱亀
裂とは、制動ごとに生ずる熱応力の繰り返しのために発
生する熱疲労亀裂のことである。
動時の摩擦による摩耗と、急激な温度上昇があるため、
耐摩耗性、耐熱性、耐熱亀裂性が要求される。この熱亀
裂とは、制動ごとに生ずる熱応力の繰り返しのために発
生する熱疲労亀裂のことである。
【0004】従来、このブレーキディスクには鋳鉄、鍛
鋼、ステンレス鋼などの一体ものが使用されてきた。し
かしながら、車両の高速化、地球環境保護のための省エ
ネルギー対策としての軽量化、バネ下重量低減による乗
り心地改善、等の要求からブレーキディスクにもアルミ
ニウムやアルミニウム合金を使う動向が見られようにな
ってきた。アルミニウムやアルミニウム合金は、鋳鉄や
鍛鋼に比して、耐摩耗性、耐熱性、耐熱亀裂性のいずれ
をとっても著しく劣るが、熱伝導度が良好なため発生し
た摩擦熱が速やかに放散するので、摺動面の温度上昇を
鋼製のブレーキディスクよりはるかに低く抑えることが
可能である。このため、耐熱性や耐熱亀裂性は、材料強
度から推測されるほどには低下しない。しかし、強度が
低いので耐摩耗性は大幅に劣り、アルミニウムやアルミ
ニウム合金そのものをブレーキディスクに適用すること
は困難であるとされてきた。
鋼、ステンレス鋼などの一体ものが使用されてきた。し
かしながら、車両の高速化、地球環境保護のための省エ
ネルギー対策としての軽量化、バネ下重量低減による乗
り心地改善、等の要求からブレーキディスクにもアルミ
ニウムやアルミニウム合金を使う動向が見られようにな
ってきた。アルミニウムやアルミニウム合金は、鋳鉄や
鍛鋼に比して、耐摩耗性、耐熱性、耐熱亀裂性のいずれ
をとっても著しく劣るが、熱伝導度が良好なため発生し
た摩擦熱が速やかに放散するので、摺動面の温度上昇を
鋼製のブレーキディスクよりはるかに低く抑えることが
可能である。このため、耐熱性や耐熱亀裂性は、材料強
度から推測されるほどには低下しない。しかし、強度が
低いので耐摩耗性は大幅に劣り、アルミニウムやアルミ
ニウム合金そのものをブレーキディスクに適用すること
は困難であるとされてきた。
【0005】このようにアルミニウムが良好な熱伝導を
有し、かつ軽量であることを活かしたブレーキディスク
として、アルミニウム合金のディスクまたはドラムの摺
動面に、耐摩耗性のすぐれた 2〜4 %C、10〜30%Cr
の鉄合金をプラズマ熔射や鋳ぐるみ法にて被覆させた、
ブレーキ部材の発明が特開昭60-89558号公報に示されて
いる。しかしながらこの場合、被覆したFe−C−Cr
合金層と基部のアルミニウム合金との弾性率や熱膨張係
数の違いから、繰り返し使用によりその境界面で剥離を
生じてくるという問題がある。
有し、かつ軽量であることを活かしたブレーキディスク
として、アルミニウム合金のディスクまたはドラムの摺
動面に、耐摩耗性のすぐれた 2〜4 %C、10〜30%Cr
の鉄合金をプラズマ熔射や鋳ぐるみ法にて被覆させた、
ブレーキ部材の発明が特開昭60-89558号公報に示されて
いる。しかしながらこの場合、被覆したFe−C−Cr
合金層と基部のアルミニウム合金との弾性率や熱膨張係
数の違いから、繰り返し使用によりその境界面で剥離を
生じてくるという問題がある。
【0006】また、アルミニウムそのものの耐摩耗性を
向上させる方法として、特開昭59 -173234には、自動車
や二輪車用を対象に粒子状や繊維状のAl2 O3 、Si
C、Si3 N4 等のセラミックスを分散させたブレーキ
ロータ(ディスク)の発明が提示されている。しかし、
このような複合材料は、耐摩耗性はすぐれているが曲げ
性や靭性は劣り、また高価である。
向上させる方法として、特開昭59 -173234には、自動車
や二輪車用を対象に粒子状や繊維状のAl2 O3 、Si
C、Si3 N4 等のセラミックスを分散させたブレーキ
ロータ(ディスク)の発明が提示されている。しかし、
このような複合材料は、耐摩耗性はすぐれているが曲げ
性や靭性は劣り、また高価である。
【0007】これらの改良軽量化ブレーキディスクは、
主として自動車を対象に開発されたものであるが、鉄道
車両においても高速化、軽量化、あるいはバネ下重量低
減による乗り心地改善等は同じように要求される。ただ
し、自動車に比較して鉄道車両の方がより大きな負荷が
加わる。
主として自動車を対象に開発されたものであるが、鉄道
車両においても高速化、軽量化、あるいはバネ下重量低
減による乗り心地改善等は同じように要求される。ただ
し、自動車に比較して鉄道車両の方がより大きな負荷が
加わる。
【0008】本発明者らは、鉄道車両用を対象に高負荷
に耐えるアルミニウム合金製ブレーキディスクの実用化
の可能性を調査した。その結果、アルミニウム合金はブ
レーキディスクの構造部材として必要な強度を持ち得る
が、耐摩耗性についてはそのままでは使用に耐えないこ
とを知った。一方、アルミニウムをベース材とし、粒子
または繊維状のセラミックスを分散させた複合材料は、
ブレーキライニングが押しつけられる摺動面用材として
は、実用上十分な性能を有していることもわかった。
に耐えるアルミニウム合金製ブレーキディスクの実用化
の可能性を調査した。その結果、アルミニウム合金はブ
レーキディスクの構造部材として必要な強度を持ち得る
が、耐摩耗性についてはそのままでは使用に耐えないこ
とを知った。一方、アルミニウムをベース材とし、粒子
または繊維状のセラミックスを分散させた複合材料は、
ブレーキライニングが押しつけられる摺動面用材として
は、実用上十分な性能を有していることもわかった。
【0009】そこで本発明者らは、このような事実に基
づいて複合構造のディスクの実用化の検討を進め、ディ
スクの摺動面となる表層部に耐摩耗性のすぐれた上記の
複合材料を置き、これを基部のアルミニウム合金と金属
的に結合させ一体化した複合構造とする鉄道車両用の軽
量化ブレーキディスクと、その製造方法を発明し、特願
平7-279286号にて特許出願した。
づいて複合構造のディスクの実用化の検討を進め、ディ
スクの摺動面となる表層部に耐摩耗性のすぐれた上記の
複合材料を置き、これを基部のアルミニウム合金と金属
的に結合させ一体化した複合構造とする鉄道車両用の軽
量化ブレーキディスクと、その製造方法を発明し、特願
平7-279286号にて特許出願した。
【0010】図1はこのブレーキディスクの構造を示す
例である。図中の1はアルミニウム合金の基部、2はブ
レーキライニング(摩擦材)が押しつけられる摺動面
で、3は複合材料による表面層、4は取り付けのための
ボルト孔である。表面層の厚さは、ブレーキディスクの
厚さの 3〜30%に選定される。これは、複合材料は耐摩
耗性にはすぐれるが、耐曲げ性などの機械的性質や熱伝
導性はアルミニウムやアルミニウム合金に劣るので、そ
れらの機能を基部に受け持たせるためである。
例である。図中の1はアルミニウム合金の基部、2はブ
レーキライニング(摩擦材)が押しつけられる摺動面
で、3は複合材料による表面層、4は取り付けのための
ボルト孔である。表面層の厚さは、ブレーキディスクの
厚さの 3〜30%に選定される。これは、複合材料は耐摩
耗性にはすぐれるが、耐曲げ性などの機械的性質や熱伝
導性はアルミニウムやアルミニウム合金に劣るので、そ
れらの機能を基部に受け持たせるためである。
【0011】複合構造のブレーキディスクの特願平7-27
9286号に記載の製造方法は、あらかじめ所定形状に成形
された複合材料を鋳型内に設置し、そこへ基部となるア
ルミニウム合金を注入して一体化鋳造するか、または表
層部に対応する複合材料を始めに鋳型内に鋳込み、凝固
後、基部となるアルミニウム合金を注入し一体化鋳造す
るものである。前者の方法はとくに複合材料を粉末冶金
の焼結法で製造するような場合に活用でき、後者の方法
は複合材料が鋳造可能な場合に適用できる。
9286号に記載の製造方法は、あらかじめ所定形状に成形
された複合材料を鋳型内に設置し、そこへ基部となるア
ルミニウム合金を注入して一体化鋳造するか、または表
層部に対応する複合材料を始めに鋳型内に鋳込み、凝固
後、基部となるアルミニウム合金を注入し一体化鋳造す
るものである。前者の方法はとくに複合材料を粉末冶金
の焼結法で製造するような場合に活用でき、後者の方法
は複合材料が鋳造可能な場合に適用できる。
【0012】しかしながら、この複合構造のブレーキデ
ィスクの製造には、次のような二つの問題がある。一つ
は、摺動面となる複合材料の厚さがディスクの厚さの 3
〜30%であり、一体化鋳造の際、鋳型内に設置されたそ
の複合材料よりもはるかに大量の溶湯が流し込まれるの
で、複合材料の温度が過度に上昇することがある点であ
る。この複合材料はそのマトリックス材(セラミックス
を分散させているアルミニウムまたはアルミニウム合金
の基材)の軟化点や融点が、注入する溶湯とほぼ同じで
あるため、温度が上昇すると、軟化による変形や、溶け
てその中のセラミックスが基部となるアルミニウム合金
中に混入するおそれがある。表層部の変形はディスクの
耐用期間を短くさせ、混入したセラミックスは基部にと
っては介在物であり、その信頼性を低下させる。この危
険性は、複合材料にもよるが、相対的な厚さが薄くなる
ほど増してくるため、その表層部を必要以上に厚くしな
ければならなくなり、高価な複合材料を多量に使用する
結果となる。
ィスクの製造には、次のような二つの問題がある。一つ
は、摺動面となる複合材料の厚さがディスクの厚さの 3
〜30%であり、一体化鋳造の際、鋳型内に設置されたそ
の複合材料よりもはるかに大量の溶湯が流し込まれるの
で、複合材料の温度が過度に上昇することがある点であ
る。この複合材料はそのマトリックス材(セラミックス
を分散させているアルミニウムまたはアルミニウム合金
の基材)の軟化点や融点が、注入する溶湯とほぼ同じで
あるため、温度が上昇すると、軟化による変形や、溶け
てその中のセラミックスが基部となるアルミニウム合金
中に混入するおそれがある。表層部の変形はディスクの
耐用期間を短くさせ、混入したセラミックスは基部にと
っては介在物であり、その信頼性を低下させる。この危
険性は、複合材料にもよるが、相対的な厚さが薄くなる
ほど増してくるため、その表層部を必要以上に厚くしな
ければならなくなり、高価な複合材料を多量に使用する
結果となる。
【0013】もう一つは、基部と複合材料との完全な接
合の実現がやや困難な点である。複合構造における表層
部と基部の間は、熱的および機械的に十分に接合してい
る必要があり、そのためには接合面全面が均一な金属結
合を形成していることが望ましい。金属結合を得るに
は、基部と複合材料の境界部分を一旦溶融し凝固させる
必要があるが、境界面の溶融部分は、多すぎると前述の
ように表層部の変形や基部への介在物混入が発生し、少
なすぎると密着不良部分が生じやすい。その制御には、
鋳型の予熱温度および鋳込みの溶湯温度の極めて厳密な
管理が必要であるが、接合面全面にわたって均一かつ完
全な金属結合を得ることはかなり困難である。
合の実現がやや困難な点である。複合構造における表層
部と基部の間は、熱的および機械的に十分に接合してい
る必要があり、そのためには接合面全面が均一な金属結
合を形成していることが望ましい。金属結合を得るに
は、基部と複合材料の境界部分を一旦溶融し凝固させる
必要があるが、境界面の溶融部分は、多すぎると前述の
ように表層部の変形や基部への介在物混入が発生し、少
なすぎると密着不良部分が生じやすい。その制御には、
鋳型の予熱温度および鋳込みの溶湯温度の極めて厳密な
管理が必要であるが、接合面全面にわたって均一かつ完
全な金属結合を得ることはかなり困難である。
【0014】均一な金属結合、ないしはそれに近い結合
を接合面全面で容易に得る方法として考えられるのは、
ろう材による接合である。これは表層部と基部との接合
予定面にろう材を置き、予熱時に溶融させるかまたは鋳
込み時の溶湯の熱によって溶融させ、基部と表層部を十
分に接合させるものである。アルミニウムおよびアルミ
ニウム合金の場合のろう材としては、硬ろう付けのJIS-
Z-3263に示される「アルミニウム合金ろう」と、軟ろう
付けのJIS-Z-3281に示される「アルミニウム用はんだ」
とがある。ここに示された「アルミニウム合金ろう」
は、ろう付けに必要な温度が高く、基部や複合材料のマ
トリックス材に鋳造用アルミニウム合金を使う場合、そ
の融点が近いため、ろう材を溶融させる温度で被接合材
が溶融する危険がある。一方「アルミニウム用はんだ」
の方は、殆どがアルミニウムを含まないSn−Zn系か
Zn−Cd系の合金であり、融点が低すぎて鋳型の予熱
時に溶けて流れ去ってしまうことや、強度が低すぎるた
め、使用できない。
を接合面全面で容易に得る方法として考えられるのは、
ろう材による接合である。これは表層部と基部との接合
予定面にろう材を置き、予熱時に溶融させるかまたは鋳
込み時の溶湯の熱によって溶融させ、基部と表層部を十
分に接合させるものである。アルミニウムおよびアルミ
ニウム合金の場合のろう材としては、硬ろう付けのJIS-
Z-3263に示される「アルミニウム合金ろう」と、軟ろう
付けのJIS-Z-3281に示される「アルミニウム用はんだ」
とがある。ここに示された「アルミニウム合金ろう」
は、ろう付けに必要な温度が高く、基部や複合材料のマ
トリックス材に鋳造用アルミニウム合金を使う場合、そ
の融点が近いため、ろう材を溶融させる温度で被接合材
が溶融する危険がある。一方「アルミニウム用はんだ」
の方は、殆どがアルミニウムを含まないSn−Zn系か
Zn−Cd系の合金であり、融点が低すぎて鋳型の予熱
時に溶けて流れ去ってしまうことや、強度が低すぎるた
め、使用できない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述のよう
な主として鉄道車両のような高速かつ高負荷のブレーキ
のディスクの軽量化を目的とした、摺動面がセラミック
スを分散させたアルミニウムやアルミニウム合金複合材
料で、基部がアルミニウム合金である複合構造のブレー
キディスクに関するものであって、より信頼性が高いデ
ィスクを、より合理的に製造する方法を提供する。
な主として鉄道車両のような高速かつ高負荷のブレーキ
のディスクの軽量化を目的とした、摺動面がセラミック
スを分散させたアルミニウムやアルミニウム合金複合材
料で、基部がアルミニウム合金である複合構造のブレー
キディスクに関するものであって、より信頼性が高いデ
ィスクを、より合理的に製造する方法を提供する。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次のとお
りである。
りである。
【0017】(1) 摺動面となる表層部がアルミニウムま
たはアルミニウム合金にセラミックスの粒子または繊維
を分散させた複合材料、基部がアルミニウム合金で、摺
動面表層部の複合材料と基部とが金属的に結合して一体
となっている軽量複合構造ブレーキディスクの製造方法
であって、アルミニウム合金を鍛造または鋳造して成形
した基部となる部分を鋳型内に設置して予熱し、摺動面
表層部となる部分へアルミニウムやアルミニウム合金に
セラミックスの粒子または繊維を分散させた複合材料の
溶湯を流し込んで一体化鋳造することを特徴とする軽量
複合構造ブレーキディスクの製造方法。 (2) 鋳型内に設置したアルミニウム合金の基部になる部
分の複合材料を接合させる面に、塩化物系フラックス、
アルミニウム合金のろう材、および塩化物系フラックス
を順次積層させ、その鋳型を 500〜 580℃に予熱して、
複合材料の溶湯を流し込んで一体化鋳造することを特徴
とする上記(1) の軽量複合構造ブレーキディスクの製造
方法。
たはアルミニウム合金にセラミックスの粒子または繊維
を分散させた複合材料、基部がアルミニウム合金で、摺
動面表層部の複合材料と基部とが金属的に結合して一体
となっている軽量複合構造ブレーキディスクの製造方法
であって、アルミニウム合金を鍛造または鋳造して成形
した基部となる部分を鋳型内に設置して予熱し、摺動面
表層部となる部分へアルミニウムやアルミニウム合金に
セラミックスの粒子または繊維を分散させた複合材料の
溶湯を流し込んで一体化鋳造することを特徴とする軽量
複合構造ブレーキディスクの製造方法。 (2) 鋳型内に設置したアルミニウム合金の基部になる部
分の複合材料を接合させる面に、塩化物系フラックス、
アルミニウム合金のろう材、および塩化物系フラックス
を順次積層させ、その鋳型を 500〜 580℃に予熱して、
複合材料の溶湯を流し込んで一体化鋳造することを特徴
とする上記(1) の軽量複合構造ブレーキディスクの製造
方法。
【0018】(3) 鍛造または鋳造により成型したアルミ
ニウム合金の基部を鋳型内に設置し、そこへ複合材料の
溶湯を流し込んで一体化鋳造した後、さらにこの鋳造物
を熱間でプレス加工して、基部と複合材料との接合を強
化することを特徴とする上記の(1) または(2) の軽量複
合構造のブレーキディスクの製造方法。
ニウム合金の基部を鋳型内に設置し、そこへ複合材料の
溶湯を流し込んで一体化鋳造した後、さらにこの鋳造物
を熱間でプレス加工して、基部と複合材料との接合を強
化することを特徴とする上記の(1) または(2) の軽量複
合構造のブレーキディスクの製造方法。
【0019】なお、ここで「金属的に結合する」とは、
複合材料のベース材のアルミニウムまたはアルミニウム
合金と、基部を構成するアルミニウムまたはアルミニウ
ム合金とが、相互に溶融またはそれに近い状態で一体化
し、その間で熱的および機械的性質に明瞭な境界が見い
だせないような状態をいう。
複合材料のベース材のアルミニウムまたはアルミニウム
合金と、基部を構成するアルミニウムまたはアルミニウ
ム合金とが、相互に溶融またはそれに近い状態で一体化
し、その間で熱的および機械的性質に明瞭な境界が見い
だせないような状態をいう。
【0020】あらかじめ成形した基部となる部分を鋳型
内に置き、そこへ表層部となる複合材料の溶湯を注入す
ることにより、表層部の厚さを変形のおそれなく必要最
小限にまで低減することが可能になり、合理的な構成の
ディスクが製造できる。また、基部の方が容積ないしは
熱容量が大きいので、予熱温度を適当に選べば、注入す
る複合材料の溶湯による基部の接合部の溶融を、金属的
結合に必要な最小限度の範囲に留め得る。また、複合材
料を鋳型内に設置して基部となる合金の溶湯を注入する
場合には、複合材料が溶融してその中のセラミックスが
基部に混入する危険があったが、本発明の方法によれ
ば、このような原因による基部の欠陥発生は全く考慮し
なくてもよい。
内に置き、そこへ表層部となる複合材料の溶湯を注入す
ることにより、表層部の厚さを変形のおそれなく必要最
小限にまで低減することが可能になり、合理的な構成の
ディスクが製造できる。また、基部の方が容積ないしは
熱容量が大きいので、予熱温度を適当に選べば、注入す
る複合材料の溶湯による基部の接合部の溶融を、金属的
結合に必要な最小限度の範囲に留め得る。また、複合材
料を鋳型内に設置して基部となる合金の溶湯を注入する
場合には、複合材料が溶融してその中のセラミックスが
基部に混入する危険があったが、本発明の方法によれ
ば、このような原因による基部の欠陥発生は全く考慮し
なくてもよい。
【0021】このように相対的に量の少ない、摺動面と
なる表層部の複合材料の方を後から鋳込むことにより、
複合材料を合理的に使用でき、基部の欠陥発生を抑止す
ることができる。しかし、基部と表層部との接合を十分
なものとするためには、鋳型の予熱温度を高くし、鋳込
みの際の溶湯温度を高くしなければならず、基部の溶融
部分をできるだけ少なく、かつ十分な接合を得るには、
その鋳型予熱温度や鋳込み温度は狭い範囲で厳密な管理
が必要である。また、複合材料の溶湯は、温度が高くな
ると、分散させてあるセラミックス粒子または繊維とA
lとが反応し、溶湯の流動性が著しく悪くなって鋳造が
困難になることがある。
なる表層部の複合材料の方を後から鋳込むことにより、
複合材料を合理的に使用でき、基部の欠陥発生を抑止す
ることができる。しかし、基部と表層部との接合を十分
なものとするためには、鋳型の予熱温度を高くし、鋳込
みの際の溶湯温度を高くしなければならず、基部の溶融
部分をできるだけ少なく、かつ十分な接合を得るには、
その鋳型予熱温度や鋳込み温度は狭い範囲で厳密な管理
が必要である。また、複合材料の溶湯は、温度が高くな
ると、分散させてあるセラミックス粒子または繊維とA
lとが反応し、溶湯の流動性が著しく悪くなって鋳造が
困難になることがある。
【0022】そこで、上記の鋳込み方法において、鋳込
み温度の低下や予熱温度の低下が可能となり、さらに十
分な接合を得るための温度管理範囲の拡大が可能になる
ろう材の使用を検討することにした。その場合の、鋳型
内に設置した基部となる部分の加熱による変形、複合材
料の鋳込み時の溶湯の温度および湯流れ、凝固や冷却に
要する時間等を調査した結果、鋳型の予熱温度は 500〜
580℃が適当であることがわかった。一方、ろう材は、
その融点が基部や複合材料のマトリックス材の融点より
は十分低いことが必要であり、望ましいのは、鋳型予熱
時に溶融状態で接合面を覆うことであった。ろう材につ
いて検討の結果、Al含有量が50重量%以上の合金が好
ましいことがわかった。これはAlが50重量%未満ない
しはAlを含まない合金によるろう材では、融点を低く
することができるが、強度が不十分になる傾向があるた
めである。また、Al含有量の多い方が、被接合材の組
成に近く、より十分な金属的結合が得られる。
み温度の低下や予熱温度の低下が可能となり、さらに十
分な接合を得るための温度管理範囲の拡大が可能になる
ろう材の使用を検討することにした。その場合の、鋳型
内に設置した基部となる部分の加熱による変形、複合材
料の鋳込み時の溶湯の温度および湯流れ、凝固や冷却に
要する時間等を調査した結果、鋳型の予熱温度は 500〜
580℃が適当であることがわかった。一方、ろう材は、
その融点が基部や複合材料のマトリックス材の融点より
は十分低いことが必要であり、望ましいのは、鋳型予熱
時に溶融状態で接合面を覆うことであった。ろう材につ
いて検討の結果、Al含有量が50重量%以上の合金が好
ましいことがわかった。これはAlが50重量%未満ない
しはAlを含まない合金によるろう材では、融点を低く
することができるが、強度が不十分になる傾向があるた
めである。また、Al含有量の多い方が、被接合材の組
成に近く、より十分な金属的結合が得られる。
【0023】さらに、一体化鋳造の後、要すれば接合面
に垂直ないしはそれに近い方向に応力が加えられるよう
熱間でプレス加圧を施せば、基部と複合材料の表層部と
をより完全に接合させることができることもわかった。
以上のような知見に基づき、前述の発明の方法を完成し
たのである。
に垂直ないしはそれに近い方向に応力が加えられるよう
熱間でプレス加圧を施せば、基部と複合材料の表層部と
をより完全に接合させることができることもわかった。
以上のような知見に基づき、前述の発明の方法を完成し
たのである。
【0024】
【発明の実施の形態】摺動面を構成する表層部の複合材
料は、マトリックス材であるアルミニウムまたはアルミ
ニウム合金中に粒子状や繊維状のAl2 O3 、SiC、
Si3 N4 等のセラミックスを分散させたものである。
分散させるセラミックスの量は、 5容量%未満では耐摩
耗性が十分でなく、増加すると溶湯の流動性が悪くなっ
て鋳込みが困難となり凝固後の加工性も悪くなるので、
多くても40容量%までである。すなわち 5〜40容量%の
範囲とするのがよい。
料は、マトリックス材であるアルミニウムまたはアルミ
ニウム合金中に粒子状や繊維状のAl2 O3 、SiC、
Si3 N4 等のセラミックスを分散させたものである。
分散させるセラミックスの量は、 5容量%未満では耐摩
耗性が十分でなく、増加すると溶湯の流動性が悪くなっ
て鋳込みが困難となり凝固後の加工性も悪くなるので、
多くても40容量%までである。すなわち 5〜40容量%の
範囲とするのがよい。
【0025】複合材料のマトリックス材のアルミニウム
またはアルミニウム合金の種類は、セラミックスの容積
率を上記範囲として鋳込みができるなら特には限定しな
いが、たとえばJIS-H-5202にて規定される鋳物用の中か
ら選定してもよく、その中では鋳造性がよく高温強度に
すぐれるAC4CやAC8A等が好ましい。この複合材料は分散
粒子または繊維を溶湯に混合する方法、または粉末冶金
の方法等、一般に適用される方法で製造されたものでよ
いが、溶融状態において流動性があり鋳造可能なもので
ある必要がある。
またはアルミニウム合金の種類は、セラミックスの容積
率を上記範囲として鋳込みができるなら特には限定しな
いが、たとえばJIS-H-5202にて規定される鋳物用の中か
ら選定してもよく、その中では鋳造性がよく高温強度に
すぐれるAC4CやAC8A等が好ましい。この複合材料は分散
粒子または繊維を溶湯に混合する方法、または粉末冶金
の方法等、一般に適用される方法で製造されたものでよ
いが、溶融状態において流動性があり鋳造可能なもので
ある必要がある。
【0026】ブレーキディスクの基部に用いるアルミニ
ウム合金は、所要の強度の得られるものであればとくに
は規制しないが、たとえばJIS-H-4140にて規定される鍛
造品用またはJIS-H-5202にて規定される鋳物用の、高温
強度のすぐれる2618、4032、5083、6061、またはAC4C、
AC8A等が好ましい。基部の合金と摺動面表層部の複合材
料のマトリックス材とを同一にしておくと、金属的結合
がより容易にでき、その上熱膨張係数など材料物性がほ
ぼ同じになるので、熱応力による剥離を抑制できる。
ウム合金は、所要の強度の得られるものであればとくに
は規制しないが、たとえばJIS-H-4140にて規定される鍛
造品用またはJIS-H-5202にて規定される鋳物用の、高温
強度のすぐれる2618、4032、5083、6061、またはAC4C、
AC8A等が好ましい。基部の合金と摺動面表層部の複合材
料のマトリックス材とを同一にしておくと、金属的結合
がより容易にでき、その上熱膨張係数など材料物性がほ
ぼ同じになるので、熱応力による剥離を抑制できる。
【0027】基部となる部分は、アルミニウム合金を鍛
造または鋳造にて成形後、必要に応じて切削加工し、こ
とに摺動面となる表層部が接合する面は十分清浄にし
て、金型や砂型等の鋳型内に設置する。要すればこの接
合予定面にはフラックスを塗布しておくとよい。望まし
い条件は、この基部になる部分を設置した鋳型を 550〜
630℃に予熱し、 750℃までの温度で溶融した複合材料
を注入して一体化鋳造し、40℃/min 以下の冷却速度に
て300℃以下に冷却することである。300℃を下回る温度
まで冷却すれば、その後は急冷してもよい。
造または鋳造にて成形後、必要に応じて切削加工し、こ
とに摺動面となる表層部が接合する面は十分清浄にし
て、金型や砂型等の鋳型内に設置する。要すればこの接
合予定面にはフラックスを塗布しておくとよい。望まし
い条件は、この基部になる部分を設置した鋳型を 550〜
630℃に予熱し、 750℃までの温度で溶融した複合材料
を注入して一体化鋳造し、40℃/min 以下の冷却速度に
て300℃以下に冷却することである。300℃を下回る温度
まで冷却すれば、その後は急冷してもよい。
【0028】ここで、鋳型の予熱温度が 550〜 630℃が
望ましい理由は、基部になる部分と共に予熱する鋳型の
温度が 550℃を下回る場合、基部と複合材料表層部との
接合が不十分になることがあり、 630℃を超えると基部
が溶融して変形するおそれがあるからである。複合材料
の溶湯は 750℃を超えると、分散させてあるセラミック
ス粒子または繊維とAlとが反応し、溶湯の流動性が著
しく悪くなって鋳造が困難になることがある。また、冷
却速度を40℃/min を超えて速くしすぎると冷却過程で
の熱収縮の差が大きくなりすぎ、複合材料と基部との間
に接合不良の発生するおそれがある。しかし、 300℃を
下回る温度にまで下がれば、急冷しても接合不良は発生
しない。
望ましい理由は、基部になる部分と共に予熱する鋳型の
温度が 550℃を下回る場合、基部と複合材料表層部との
接合が不十分になることがあり、 630℃を超えると基部
が溶融して変形するおそれがあるからである。複合材料
の溶湯は 750℃を超えると、分散させてあるセラミック
ス粒子または繊維とAlとが反応し、溶湯の流動性が著
しく悪くなって鋳造が困難になることがある。また、冷
却速度を40℃/min を超えて速くしすぎると冷却過程で
の熱収縮の差が大きくなりすぎ、複合材料と基部との間
に接合不良の発生するおそれがある。しかし、 300℃を
下回る温度にまで下がれば、急冷しても接合不良は発生
しない。
【0029】フラックスはアルミニウム合金の表面を洗
浄し、表面の酸化膜の除去や表面の濡れ性を良くする効
果があるものである。この場合は、一般的なアルミニウ
ム用硬ろうフラックスを用いればよいが、合金中にMg
が含まれていると反応して密着不良を起こすことがある
ので、弗化物系は避け、塩化物系とするのが望ましい。
浄し、表面の酸化膜の除去や表面の濡れ性を良くする効
果があるものである。この場合は、一般的なアルミニウ
ム用硬ろうフラックスを用いればよいが、合金中にMg
が含まれていると反応して密着不良を起こすことがある
ので、弗化物系は避け、塩化物系とするのが望ましい。
【0030】ろう材を用いて一体化鋳造し、複合構造の
ブレーキディスクを製造する場合、鋳型の中に設置した
基部の、摺動面となる表層部を接合させる面は、上記の
塩化物系フラックス、アルミニウム合金の板状のろう
材、および上記塩化物系フラックスを順次積層させ、予
熱温度を 500〜 580℃とする。 750℃以下の複合材料の
溶湯を鋳型内に注入し、凝固後、40℃/min 以下の冷却
速度にて 300℃以下に冷却することは、前述のろう材を
用いない場合と同様である。
ブレーキディスクを製造する場合、鋳型の中に設置した
基部の、摺動面となる表層部を接合させる面は、上記の
塩化物系フラックス、アルミニウム合金の板状のろう
材、および上記塩化物系フラックスを順次積層させ、予
熱温度を 500〜 580℃とする。 750℃以下の複合材料の
溶湯を鋳型内に注入し、凝固後、40℃/min 以下の冷却
速度にて 300℃以下に冷却することは、前述のろう材を
用いない場合と同様である。
【0031】フラックスは無水アルコールで溶いたもの
を脱脂した合金面、またはろう材の表面に塗布するとよ
い。ろう材のアルミニウム合金は、Alが50重量%以上
含有されており、かつその融点ないしは液相線温度が鋳
型の予熱温度を下回っていることが望ましい。融点の低
いろう材とするためには、Alの含有量が50重量%未満
ないしはAlを含まない合金にすれば可能であるが、ろ
う材の強度が低くなる。Alが50重量%以上で、 500〜
580℃の予熱温度範囲にて溶融する合金組成として、た
とえば、重量%でAl:50〜70%、Zn:25〜45%、S
i: 3〜 6%の合金がある。このようなろう材は、 0.3
〜 1.5mmの板材を用い、鋳型内に設置した基部となる部
分の、表面層が接合される面全体を覆うようにする。
0.3mmを下回る厚さでは、鋳型の予熱時に溶融したろう
材が接合する面を十分均一に覆うことができなくなり、
1.5mmを超えると強度の低いろう材の層が厚くなってデ
ィスク全体の強度が低下するおそれがある。
を脱脂した合金面、またはろう材の表面に塗布するとよ
い。ろう材のアルミニウム合金は、Alが50重量%以上
含有されており、かつその融点ないしは液相線温度が鋳
型の予熱温度を下回っていることが望ましい。融点の低
いろう材とするためには、Alの含有量が50重量%未満
ないしはAlを含まない合金にすれば可能であるが、ろ
う材の強度が低くなる。Alが50重量%以上で、 500〜
580℃の予熱温度範囲にて溶融する合金組成として、た
とえば、重量%でAl:50〜70%、Zn:25〜45%、S
i: 3〜 6%の合金がある。このようなろう材は、 0.3
〜 1.5mmの板材を用い、鋳型内に設置した基部となる部
分の、表面層が接合される面全体を覆うようにする。
0.3mmを下回る厚さでは、鋳型の予熱時に溶融したろう
材が接合する面を十分均一に覆うことができなくなり、
1.5mmを超えると強度の低いろう材の層が厚くなってデ
ィスク全体の強度が低下するおそれがある。
【0032】以上のように、ろう材を用いることによ
り、十分な金属的結合を得るための鋳型の予熱温度を低
下させることができる。ただし、鋳型予熱温度は 580℃
をこえると、鋳型内に設置した基部の溶融や変形の危険
性が増すので 580℃以下とする。また 500℃を下回るよ
うになると上述のろう材では溶融しなくなり、接合が不
十分となるばかりでなく、表面層部分が薄い場合には湯
回りが不足するおそれがある。
り、十分な金属的結合を得るための鋳型の予熱温度を低
下させることができる。ただし、鋳型予熱温度は 580℃
をこえると、鋳型内に設置した基部の溶融や変形の危険
性が増すので 580℃以下とする。また 500℃を下回るよ
うになると上述のろう材では溶融しなくなり、接合が不
十分となるばかりでなく、表面層部分が薄い場合には湯
回りが不足するおそれがある。
【0033】鋳造後、摺動表面層の複合材料と基部との
接合をより完全におこなわせるために、熱間にてプレス
等による加圧をおこなうのが望ましい。この場合加熱温
度は350〜 550℃とし、複合材料と基部アルミニウム合
金と接合面に垂直、ないしはそれに近い方向の圧力が、
2 〜 10 kgf/mm2 となるように加圧するのがよい。温
度、圧力共、この下限を下回る場合は接合強度が十分向
上しないおそれがあり、この範囲を超える場合は変形が
大きくなって、所要形状が得られなくなることがある。
接合をより完全におこなわせるために、熱間にてプレス
等による加圧をおこなうのが望ましい。この場合加熱温
度は350〜 550℃とし、複合材料と基部アルミニウム合
金と接合面に垂直、ないしはそれに近い方向の圧力が、
2 〜 10 kgf/mm2 となるように加圧するのがよい。温
度、圧力共、この下限を下回る場合は接合強度が十分向
上しないおそれがあり、この範囲を超える場合は変形が
大きくなって、所要形状が得られなくなることがある。
【0034】以上の手順にて作製した本発明の複合構造
ブレーキディスクは、必要に応じてさらに機械加工、冷
間または温間プレスによる寸法や形状修正、冷却フィン
やリブの取り付け、ロール掛けやショットピーニングに
よる圧縮残留応力の付与、などの後処理をおこなう。冷
却フィンやリブはあらかじめ基部となる部分に付けてお
けばよいが、一体化鋳造後、機械加工等により付けても
よい。
ブレーキディスクは、必要に応じてさらに機械加工、冷
間または温間プレスによる寸法や形状修正、冷却フィン
やリブの取り付け、ロール掛けやショットピーニングに
よる圧縮残留応力の付与、などの後処理をおこなう。冷
却フィンやリブはあらかじめ基部となる部分に付けてお
けばよいが、一体化鋳造後、機械加工等により付けても
よい。
【0035】
【実施例】図1に示した形状のディスクブレーキを、完
成品の寸法で厚さ49mm、外径 720mm、内径 297mm、摺動
面となる複合材料の表層部の厚さを 7mmとして、本発明
で定める方法により製造した。基部は、アルミニウム合
金として5083を用い、 420℃にて熱間鍛造して所定形状
に成形し、摺動面となる表層部が接合される面を機械加
工により切削成形した。これを金型内に設置し、接合面
に硬ろう用塩化物系低融点フラックス(小木曽鋳材研究
所(株)製アルゲンF-222)を塗布し、その上にろう材
を置き、さらに同じフラックスを塗布した。フラックス
は無水アルコールに溶いたものを用い、いずれも被覆厚
さ約 0.5mmとした。ろう材は、Zn:40%、Si: 4
%、残部Alの合金の、厚さ 0.8mmの板状のもので、接
合面と同一形状に切出した。複合材料はSiC粒子分散
型とし、マトリックス材に鋳物用アルミ合金のAC8Cを用
い、粒径 1〜50μm の粒子を20容量%分散させたもので
ある。
成品の寸法で厚さ49mm、外径 720mm、内径 297mm、摺動
面となる複合材料の表層部の厚さを 7mmとして、本発明
で定める方法により製造した。基部は、アルミニウム合
金として5083を用い、 420℃にて熱間鍛造して所定形状
に成形し、摺動面となる表層部が接合される面を機械加
工により切削成形した。これを金型内に設置し、接合面
に硬ろう用塩化物系低融点フラックス(小木曽鋳材研究
所(株)製アルゲンF-222)を塗布し、その上にろう材
を置き、さらに同じフラックスを塗布した。フラックス
は無水アルコールに溶いたものを用い、いずれも被覆厚
さ約 0.5mmとした。ろう材は、Zn:40%、Si: 4
%、残部Alの合金の、厚さ 0.8mmの板状のもので、接
合面と同一形状に切出した。複合材料はSiC粒子分散
型とし、マトリックス材に鋳物用アルミ合金のAC8Cを用
い、粒径 1〜50μm の粒子を20容量%分散させたもので
ある。
【0036】上述の基部を設置した鋳型を 550℃に予熱
し、 700℃の複合材料の溶湯を鋳型内に注入した。鋳型
の外面温度で鋳込み終了より 6分後 520℃、10分後 450
℃、20分後には 300℃まで低下した。さらに 5分程度放
置後鋳型より取り出し水冷した。次に、得られた鋳造品
を 450℃に加熱し、油圧プレスを用いて、複合材料と基
部との接合面に垂直の応力が加わるよう平均圧力 5kgf/
mm2 にて加圧した。その後、機械加工して形状を整え、
前述の寸法の軽量複合構造ブレーキディスクとした。
し、 700℃の複合材料の溶湯を鋳型内に注入した。鋳型
の外面温度で鋳込み終了より 6分後 520℃、10分後 450
℃、20分後には 300℃まで低下した。さらに 5分程度放
置後鋳型より取り出し水冷した。次に、得られた鋳造品
を 450℃に加熱し、油圧プレスを用いて、複合材料と基
部との接合面に垂直の応力が加わるよう平均圧力 5kgf/
mm2 にて加圧した。その後、機械加工して形状を整え、
前述の寸法の軽量複合構造ブレーキディスクとした。
【0037】また、比較のため、摺動面部分を粉末冶金
の手法によりマトリックス材を6061合金とし、その合金
粉末と粒径 1〜50μm のSiC粒子20容量%とを混合し
て焼結し、熱間鍛造後、切削により厚さ10mm、内径 460
mm、外径 760mmに成形した。これを鋳型内に設置して、
後から基部を鋳込み一体化する方法で、同一外形寸法の
軽量複合構造ブレーキディスクを製造した。さらに同一
使用条件を想定した、JIS-G-4051のS45C鋼相当の一体も
のの鋼製ブレーキディスクも準備した。軽量複合構造ブ
レーキディスクの総重量は約30kgであり、比較用に製造
した鋼製ディスクの約50%であった。
の手法によりマトリックス材を6061合金とし、その合金
粉末と粒径 1〜50μm のSiC粒子20容量%とを混合し
て焼結し、熱間鍛造後、切削により厚さ10mm、内径 460
mm、外径 760mmに成形した。これを鋳型内に設置して、
後から基部を鋳込み一体化する方法で、同一外形寸法の
軽量複合構造ブレーキディスクを製造した。さらに同一
使用条件を想定した、JIS-G-4051のS45C鋼相当の一体も
のの鋼製ブレーキディスクも準備した。軽量複合構造ブ
レーキディスクの総重量は約30kgであり、比較用に製造
した鋼製ディスクの約50%であった。
【0038】JR新幹線の台車をモデルにした車輪試験
機を用い、同一構成のブレーキディスクを 2枚一組と
し、摺動面を外側にして車輪の両面に取り付けてブレー
キ試験をおこなった。試験としては、初速 350km/hにて
ブレーキをかけ、 2km/(h・s)の一定減速度、慣性モー
メント1300kg・m2の条件にて、繰り返し 500回使用後の
摺動面の状態を調査するものである。ブレーキライニン
グ材は、S45C鋼のディスクに対しては銅系焼結合金、摺
動面が複合材料のディスクに対してはレジン系焼結合金
を使用した。
機を用い、同一構成のブレーキディスクを 2枚一組と
し、摺動面を外側にして車輪の両面に取り付けてブレー
キ試験をおこなった。試験としては、初速 350km/hにて
ブレーキをかけ、 2km/(h・s)の一定減速度、慣性モー
メント1300kg・m2の条件にて、繰り返し 500回使用後の
摺動面の状態を調査するものである。ブレーキライニン
グ材は、S45C鋼のディスクに対しては銅系焼結合金、摺
動面が複合材料のディスクに対してはレジン系焼結合金
を使用した。
【0039】ブレーキをかけた時の摺動表面直下 5mmの
位置の温度は、S45Cでは 600℃を超え、摺動面に複合材
料を用いた複合構造のディスクでは 400℃を下回ってお
り、これはアルミニウムの熱伝導度の良さによるものと
考えられた。基部の摺動面裏面部分にフィン等を加工し
て付ければ、さらに温度低下が可能と推定される。ま
た、いずれのブレーキディスクも摺動面にて熱亀裂や荒
れの発生は認められなかった。摺動面の摩耗量は、S45C
ディスクで0.15mm、複合構造ディスクではいずれも0.20
mmであった。摺動面がS45Cの場合に比し、複合材料では
摩耗量がやや大きいが、この程度であれば十分使用には
耐えられる。ライニングの摩耗量はいずれのディスクの
場合もブレーキ回数50回あたり 3.5mmであり、ディスク
による相違はみられなかった。試験後の両複合構造ディ
スクを摺動面に垂直に切断し、複合材料と基部のアルミ
ニウム合金との境界部を詳細に調査したが、いずれも界
面における亀裂や剥離は全く観察されなかった。
位置の温度は、S45Cでは 600℃を超え、摺動面に複合材
料を用いた複合構造のディスクでは 400℃を下回ってお
り、これはアルミニウムの熱伝導度の良さによるものと
考えられた。基部の摺動面裏面部分にフィン等を加工し
て付ければ、さらに温度低下が可能と推定される。ま
た、いずれのブレーキディスクも摺動面にて熱亀裂や荒
れの発生は認められなかった。摺動面の摩耗量は、S45C
ディスクで0.15mm、複合構造ディスクではいずれも0.20
mmであった。摺動面がS45Cの場合に比し、複合材料では
摩耗量がやや大きいが、この程度であれば十分使用には
耐えられる。ライニングの摩耗量はいずれのディスクの
場合もブレーキ回数50回あたり 3.5mmであり、ディスク
による相違はみられなかった。試験後の両複合構造ディ
スクを摺動面に垂直に切断し、複合材料と基部のアルミ
ニウム合金との境界部を詳細に調査したが、いずれも界
面における亀裂や剥離は全く観察されなかった。
【0040】このように、軽量複合構造ブレーキディス
ク同志の比較では、顕著な相違はほとんどみとめられな
かった。ただブレーキをかけた時の摺動表面直下の温度
に若干の差があり、本発明の製造方法によるものの方が
いくぶん低めであった。これは複合材料の層の厚さが、
比較に用いた複合構造ディスクでは10mmであるのに対
し、本発明の製造方法によるものでは、 7mmと薄かった
ことによる相違と思われる。このような違いは、さらに
試験を継続すれば摺動面の寿命の相違として現れる。
ク同志の比較では、顕著な相違はほとんどみとめられな
かった。ただブレーキをかけた時の摺動表面直下の温度
に若干の差があり、本発明の製造方法によるものの方が
いくぶん低めであった。これは複合材料の層の厚さが、
比較に用いた複合構造ディスクでは10mmであるのに対
し、本発明の製造方法によるものでは、 7mmと薄かった
ことによる相違と思われる。このような違いは、さらに
試験を継続すれば摺動面の寿命の相違として現れる。
【0041】先に複合材料の部分を成形し鋳型内に設置
して、後から基部を鋳込む方法では、摺動面表層部の厚
さを10mm以下とすることは複合材料の溶損による変形の
ため好ましくない。しかし、本発明の製造方法によれ
ば、容易により薄い表層部とすることができ、しかもブ
レーキディスクの性能としては同等かそれ以上のものが
得られるので、複合材料の使用量の低減が可能である。
して、後から基部を鋳込む方法では、摺動面表層部の厚
さを10mm以下とすることは複合材料の溶損による変形の
ため好ましくない。しかし、本発明の製造方法によれ
ば、容易により薄い表層部とすることができ、しかもブ
レーキディスクの性能としては同等かそれ以上のものが
得られるので、複合材料の使用量の低減が可能である。
【0042】
【発明の効果】本発明方法によれば、鉄道車両用のアル
ミニウム合金を主とする軽量複合構造ブレーキディスク
をより合理的かつ低コストで製造することが可能にな
る。従来の鉄道車両用として使用されてきた鋼製ブレー
キディスクと同等、ないしはそれ以上の性能を有するこ
の大幅に軽量化されたブレーキディスクの使用は、車両
の軽量化による省エネルギーに寄与するばかりでなく、
バネ下重量の低減による乗り心地の改善にも効果があ
る。
ミニウム合金を主とする軽量複合構造ブレーキディスク
をより合理的かつ低コストで製造することが可能にな
る。従来の鉄道車両用として使用されてきた鋼製ブレー
キディスクと同等、ないしはそれ以上の性能を有するこ
の大幅に軽量化されたブレーキディスクの使用は、車両
の軽量化による省エネルギーに寄与するばかりでなく、
バネ下重量の低減による乗り心地の改善にも効果があ
る。
【図1】この発明の実施による軽量複合構造ブレーキデ
ィスクの上面(1/4)および断面(1/2)を示す図
面である。
ィスクの上面(1/4)および断面(1/2)を示す図
面である。
1 ブレーキディスク基部 2 摺動面 3 複合材料の表層部 4 ボルト孔
Claims (3)
- 【請求項1】摺動面となる表層部がアルミニウムまたは
アルミニウム合金にセラミックスの粒子または繊維を分
散させた複合材料、基部がアルミニウム合金で、摺動面
表層部の複合材料と基部とが金属的に結合して一体とな
っている軽量複合構造ブレーキディスクの製造方法であ
って、アルミニウム合金を鍛造または鋳造して成形した
基部となる部分を鋳型内に設置して予熱し、摺動面表層
部となる部分へアルミニウムまたはアルミニウム合金に
セラミックスの粒子または繊維を分散させた複合材料の
溶湯を流し込んで一体化鋳造することを特徴とする軽量
複合構造ブレーキディスクの製造方法。 - 【請求項2】鋳型内に設置したアルミニウム合金の基部
となる部分の複合材料を接合させる面に、塩化物系フラ
ックス、アルミニウム合金のろう材、および塩化物系フ
ラックスを順次積層させ、その基部を設置した鋳型を 5
00〜 580℃に予熱し、複合材料の溶湯を流し込んで一体
化鋳造することを特徴とする請求項1に記載の軽量複合
構造ブレーキディスクの製造方法。 - 【請求項3】アルミニウム合金を鍛造または鋳造して成
型した基部を鋳型内に設置し、そこへ複合材料の溶湯を
流し込んで一体化鋳造した後、さらにこの鋳造物を熱間
でプレス加工して、基部と複合材料との接合を強化する
ことを特徴とする請求項1または請求項2の軽量複合構
造のブレーキディスクの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24277296A JPH1089389A (ja) | 1996-09-13 | 1996-09-13 | 軽量複合ブレーキディスクの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24277296A JPH1089389A (ja) | 1996-09-13 | 1996-09-13 | 軽量複合ブレーキディスクの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1089389A true JPH1089389A (ja) | 1998-04-07 |
Family
ID=17094058
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24277296A Pending JPH1089389A (ja) | 1996-09-13 | 1996-09-13 | 軽量複合ブレーキディスクの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1089389A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006336812A (ja) * | 2005-06-03 | 2006-12-14 | Railway Technical Res Inst | ブレーキディスクとその表面処理方法及びブレーキディスクの表面処理装置 |
CN111561531A (zh) * | 2020-04-24 | 2020-08-21 | 保定立中东安轻合金部件制造有限公司 | 轻量化刹车盘及刹车盘制造工艺 |
CN116287840A (zh) * | 2023-05-19 | 2023-06-23 | 淄博国创中心先进车用材料技术创新中心 | 掺杂氧化石墨烯铝基碳化硅复合材料制动盘的制备方法 |
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1996
- 1996-09-13 JP JP24277296A patent/JPH1089389A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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