JP2984667B1 - 塔状構造物の解体装置 - Google Patents

塔状構造物の解体装置

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Abstract

【要約】 【課題】 作業時間を大幅に短縮し、作業者への危険性
を減少させる塔状構造物の解体装置を提供する。 【解決手段】 塔状構造物10を挟んで互いに反対側に
2本の多数のマストブロック14を連結固定したマスト
12を構築し、その2本のマスト12の上に、その2本
のマスト12を連結すると共に塔状構造物10を一周す
る足場32を固定する。足場32の上でしかもマスト1
2の鉛直上方に破砕機24を固定する。塔状構造物10
の外壁と足場32とをジャッキベース30によって固定
する。この状態で、破砕機24によって塔状構造物10
の上部を所定の高さだけ破壊する。その後、ジャッキベ
ース30を緩めて塔状構造物10の外壁と足場32との
固定関係を解除し、マスト12から1個のマストブロッ
ク14を取り外し、マスト12の高さを低くする。この
手順を繰り返すことによって、塔状構造物10を上から
下に向けて順に破壊することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、煙突等の塔状構造
物を解体するための解体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から煙突等の塔状構造物を解体する
場合には、塔状構造物の周囲に足場を組み、その足場に
作業者が載って、作業者が人力の掘削機であるブレーカ
ーで塔状構造物を直接外部から破砕している。その破砕
物は塔状構造物の内部に落下させ、塔状構造物の内部に
落下した破砕物は塔状構造物の下端に形成した開口部か
ら外部に排出する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の塔状構造物の解
体は、作業者がブレーカーで塔状構造物を直接破砕する
人的作業であるため作業性が悪く、解体作業に時間がか
かるという欠点があった。また、ブレーカーは振動が大
きいため、作業者が振動による職業病にかかるという不
具合があった。更に、作業者がブレーカーを介して直接
塔状構造物に接触するため、作業中に作業者の落下の危
険性があった。
【0004】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、作業時間を大幅に短縮し、作業者への肉体的負担を
軽減し、作業者への危険性を減少させる塔状構造物の解
体装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の塔状構造物の解体装置は、塔状構造物の外側
の近傍に備えられるものであって多数のマストブロック
を順次連結した1本または複数本のマストと、前記マス
トの下端にマストブロックを連結したりあるいはマスト
の下端のマストブロックを取り外したりするマスト高さ
調節装置と、前記マストの上に固定されるもので前記塔
状構造物の周囲を囲う足場と、前記塔状構造物の上部を
破砕するためのものであって前記マストの鉛直線上にお
いて前記足場に固定される破砕機とから成るようにした
ものである。
【0006】
【発明の実施の形態】次に本発明を図面に基づいて説明
する。図1は本発明に係る塔状構造物の解体装置を示す
正面図、図2は図1の側面図、図3は図1のA−A線断
面図である。解体をしようとする煙突等の塔状構造物1
0の直ぐ横に、塔状構造物10と平行に鉛直なマスト1
2を地上に2本建てる。2本のマスト12は、塔状構造
物10を挟んで180度反対側に構築する。マスト12
は、例えば4本の柱で構成した角柱体で高さが1.8m
程度のマストブロック14を、多数連結してなるもので
ある。
【0007】多数のマストブロック14からマスト12
を建てるものとしてマスト高さ調節装置16が知られて
いる。このマスト高さ調節装置16は、マスト12を図
示しない保持手段で保持して上方に持ち上げ、マスト1
2の最下端にあるマストブロック14に新たなマストブ
ロック14を従来既知の連結手段(図示せず)で連結固
定することで、マスト12の高さを高くするものであ
る。また、マスト12を図示しない保持手段で保持して
上方に持ち上げ、マスト12の最下端にあるマストブロ
ック14とその上にあるマストブロック14との連結手
段を外すことによって、マスト12の高さを低くするも
のである。
【0008】本発明では、2本のマスト12の高さを同
一高さとし、それらの高さを塔状構造物10の高さより
やや低い高さとする。そして、2本のマスト12の上
に、それら2本のマスト12を連結すると共に塔状構造
物10の周囲を一周する足場18を構築固定する。この
足場18において、各マスト12の鉛直線上には頑丈な
柱20を配置する。
【0009】足場18の最上面(図3)において、それ
ぞれの柱20の上に固定台22を備え、その固定台22
の上に破砕機24を固定する。この破砕機24は、有線
または無線によって、作業者が破砕機24から離れた場
所からリモコンで操作できるものとする。その破砕機2
4は、アーム26とそのアーム26の自由端に取り付け
た破砕手段28とを有する。破砕機24は、塔状構造物
16を破壊解体するものであればどのような種類の機材
でも構わない。図1に示すように、足場18と塔状構造
物10の外壁との間に固定手段としてのジャッキベース
30を備え、このジャッキベース30によって足場18
と塔状構造物10とを固定状態とする。なお、マスト1
2と塔状構造物10の外壁との間にジャッキベース30
を備えるようにしても良い。
【0010】次に、解体作業について説明する。破砕機
24はマスト12(柱20)の鉛直線上において、マス
ト12(柱20)によって直接支持する。これによっ
て、重量の重い破砕機24を塔状構造物16と同じ高い
高さに位置させることが可能になる。そして、足場18
に固定した破砕機24によって、塔状構造物10の上部
を所定の高さだけ破砕する。この破砕高さは、例えば1
個のマストブロック14の高さと同じ程度とすることが
望ましい。破砕した解体廃材を塔状構造物16の内部空
間に落下させ、落下した解体廃材を既知の方法で塔状構
造物16の内部から外部に排出する。
【0011】この破砕作業においては、作業者は破砕機
24から離れた位置からリモコンによって破砕機24を
操作するので、作業者は従来のようなブレーカーで塔状
構造物10を直接破砕する必要が無くなり、作業中の事
故の発生率を大幅に減少させることができる。また、解
体作業の全てを人力作業で行っていた従来の作業と比べ
て、全てを破砕機24による機械作業とすることがで
き、作業能率を大幅に向上させ、作業時間を大幅に短縮
することができる。更に、作業者はブレーカーで塔状構
造物を直接破砕することが無いので、ブレーカーの振動
による職業病を防止することができる。この破砕作業に
おいては、塔状構造物10の高さが高いものでは、塔状
構造物10の周囲を囲んだ従来のような高い足場を組む
ことは、非常に困難であり、コストもかかる。これに対
して、本発明では、マスト12を構築して、そのマスト
12の先端に低い高さの足場18を組むことは、簡単で
低いコストで済む。その上、ジャッキベース30によっ
て足場18と塔状構造物10とを固定状態とするので、
破砕機24に曲げモーメント等の過大の負荷がかかって
も、その負荷によって足場18がぐらつくことはない。
【0012】塔状構造物10の上部を所定の高さだけ破
砕した後、ジャッキベース30を操作して足場18と塔
状構造物10との固定状態を解除する。その後、2本の
マスト12からそれぞれ下端の1個のマストブロック1
4を取り外し、足場18や破砕機24の高さを所定の高
さだけ低くする。その後、ジャッキベース30を操作し
て足場18と塔状構造物10とを固定状態とし、前述と
同様に、破砕機24によって塔状構造物10の上部を所
定の高さだけ破砕する。このように、破砕機24で塔状
構造物10の上部の所定の高さを破砕する毎に、マスト
12を低くしてゆけば、人力に代えて破砕機24のみに
よって、高い塔状構造物10を解体することができる。
【0013】図1に示した実施形態において、2本のマ
スト12を用いたが、1本のマストを用いることも可能
である。次に、1本のマストを用いる実施形態について
図4乃至図6に基づいて説明する。図4乃至図6におい
て、図1乃至図3と同一符号は同一部材を示す。図4に
示すように、マスト12は1本とし、その1本のマスト
12の上に塔状構造物10の周囲を一周する足場32を
固定する。この足場32において、マスト12と同一鉛
直線上には頑丈な柱20を配置する。足場18の最上面
(図5)において、柱20の上に固定台22を備え、そ
の固定台22の上に破砕機24を固定する。
【0014】図4及に示すように、足場32の下部を構
成する下部枠34は、マスト12を中心として、塔状構
造物10とは反対側の方向に伸びる2箇所の延長部36
(図4及び図6)を備えている。この2箇所の延長部3
6は、図6に示すように、マスト12の位置を中心にし
て反対側に位置している。この2箇所の延長部36の自
由端に錘38を固定する。即ち、足場32と2個の錘3
8との重心がマスト12の鉛直線上になるように設定す
る。図4及び図6に示すように、足場32と塔状構造物
10の外面との間にジャッキベース30を備え、このジ
ャッキベース30によって足場32と塔状構造物10と
を固定状態とする。また、図4に示すように、マスト1
2とと塔状構造物10との間にジャッキベース30を備
えてもよい。
【0015】1本のマスト12を用いた場合の解体作業
は、2本のマスト12を用いた場合と同様であるので、
その説明を省略する。直径や幅の大きい塔状構造物10
については2本のマスト12を用いる方が望ましい。し
かし、直径や幅の小さい塔状構造物10については1本
のマスト12を用いることによって、作業時間と作業コ
ストをより削減することができる。なお、前記実施形態
において、マスト12の数が1本のものと2本のものに
ついて説明したが、3本以上のマスト12を用いても構
わない。
【0016】
【発明の効果】以上のように、本発明に係わる塔状構造
物の解体装置によれば、マストを塔状構造物の高さとほ
ぼ同じ高さに構築し、このマストに破砕機を直接支持す
るので、その破砕機によって塔状構造物の上部を破砕す
ることができるものである。よって、破砕機による塔状
構造物の破砕作業を、作業者はリモコンによる操作で行
うことができるので、作業中の事故の発生率を大幅に減
少させることができる。また、解体作業の全てを人力作
業で行っていた従来の作業と比べて、全てを機械作業と
することができ、作業能率を大幅に向上させ、作業時間
を大幅に短縮することができる。更に、作業者はブレー
カーで塔状構造物を直接破砕することが無いので、ブレ
ーカーの振動による職業病を防止することができる。そ
の上、マストを構築して、そのマストの先端に低い高さ
の足場を組むことによって、従来のような高い足場を組
むのに比べて、作業時間と作業コストを大幅に削減する
ことができる。更に、破砕機による塔状構造物の破砕作
業を行う際に、ジャッキベースによって足場と塔状構造
物とを固定するので、足場がぐらつくことを防止して破
砕機の操作に支障を来すことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塔状構造物の解体装置を示す正面
図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】本発明に係る塔状構造物の解体装置の他の実施
形態を示す要部正面図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】図4のC−C線断面図である。
【符号の説明】
10 塔状構造物 12 マスト 14 マストブロック 16 マスト高さ調節装置 18 足場 24 破砕機 30 ジャッキベース 32 足場 38 錘

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塔状構造物の外側の近傍に備えられるも
    のであって多数のマストブロックを順次連結した1本ま
    たは複数本のマストと、前記マストの下端にマストブロ
    ックを連結したりあるいはマストの下端のマストブロッ
    クを取り外したりするマスト高さ調節装置と、前記マス
    トの上に固定されるもので前記塔状構造物の周囲を囲う
    足場と、前記塔状構造物の上部を破砕するためのもので
    あって前記マストの鉛直線上において前記足場に固定さ
    れる破砕機とから成ることを特徴とする塔状構造物の解
    体装置。
  2. 【請求項2】 前記マストを1本とし、前記足場にその
    足場との合計の重量の重心が前記マストの鉛直線上とな
    るようにする錘を取り付けることを特徴とする請求項1
    記載の塔状構造物の解体装置。
  3. 【請求項3】 前記マストと前記足場との少なくとの一
    方と前記塔状構造物の外壁との間にそれらを固定状態に
    するための固定手段を取り付けることを特徴とする請求
    1乃至2記載の塔状構造物の解体装置。
  4. 【請求項4】 前記破砕機がリモコンによって操作され
    ることを特徴とする請求項1乃至記載の塔状構造物の
    解体装置。
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