JP2982344B2 - 耐熱性油中水型乳化物 - Google Patents
耐熱性油中水型乳化物Info
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Description
るものである。さらに詳しくは本発明は、耐熱乳化安定
性の優れた油中水型の乳化状態を保持し得る油中水型乳
化物に関するものである。
い、いわゆる高水分油中水型乳化物では水相の比率が増
すために、乳化状態が不安定になり保存中に水分の浸み
出しやオイルオフを起こしたり、更に又、得られた油中
水型乳化物を容器に密封して加熱殺菌をした場合などに
おいては乳化の破壊とそれに伴う水相、油相の分離が生
じ種々の用途に満足に応用できないものであった。従
来、高温瞬間殺菌(たとえば130℃数秒の殺菌)処理
においては、安定性の優れた油中水型乳化物が得られて
いるが、レトルト食品等に用いられる高温長時間殺菌
(たとえば120℃、30分以上の殺菌)処理において
は満足のいく結果が得られていない。
定性に優れ、室温および高温での長期保存においても安
定で流動性があり、各種食品、特にレトルト食品等に用
いることができる油中水型乳化物を提供することを課題
とする。
鑑み、耐熱乳化安定性の優れた油中水型乳化物について
鋭意検討を進めたところ、ショ糖縮合リシノール酸エス
テルと、HLB3以下であって、構成脂肪酸がリシノー
ル酸以外の不飽和脂肪酸からなる多価アルコールのエス
テルとを併用することにより、安定な油中水型乳化物が
得られることを見い出し本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明の要旨は、水相、常温で流動性のある油
相、ショ糖縮合リシノール酸エステルおよびHLB3以
下であって、構成脂肪酸がリシノール酸以外の不飽和脂
肪酸からなる多価アルコールのエステルを含有すること
を特徴とする耐熱性油中水型乳化物に存する。
発明で使用する油脂は、常温で流動性のある油脂であれ
ば、特に制限はない。通常は融点25℃以下の油脂が好
ましい。尚、油脂の融点(m.p.)は、基準油脂分析
試験法(日本油化学協会制点)の融点(上昇融点)測定
法による。好ましい油脂としては、大豆油、ナタネ油、
パーム油、コーン油、綿実油、ヤシ油、パーム核油、等
々の植物油脂類や、牛脂、豚脂、魚油、乳脂等の動物油
脂類及び、これらの混合物が挙げられる。更には、これ
らの油脂を水添処理したもの及び、エステル交換したも
のも使用できる。いずれもその乳化時または、使用時に
流動性があって、乳化の目的及び使用目的を達すること
ができるものであればよい。本発明において、かかる油
脂には油溶性物質例えば油溶性ビタミン、各種の精油成
分、油溶性色素等を用途に応じて適宜加えることができ
る。
通常、水相1重量部に対して油相0.5重量部以上、好
ましくは、水相1重量部に対して油相1〜10重量部、
特に好ましくは、4〜9重量部の範囲が実用的である。
油相の割合が低くなることは、油中水型乳化物が高含水
分となることを意味するが、油相の割合が低すぎる場合
においては、高温時の乳化安定性がやや低下する。用い
る水相の種類は市水など、特に制限はない。用途に応じ
て、食品の風味の点から考慮して適宜0〜20%有機酸
水、0〜30%食塩水等が用いられる。特に有機酸水、
食塩水の単独あるいは混合使用の場合においては、最終
商品の風味付きの面ばかりでなく腐敗防止、及び乳化物
質の流動性を改善し、乳化安定性を向上させる作用から
も有用である。ここで用いる有機酸の種類については特
に制限はなく、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、酢酸、
酒石酸、アミノ酸等、食品に使用できるものならいずれ
も採用できる。
酸、塩化カリウム等が使用できる。それらの濃度は任意
に選定することが可能であるが、例えば有機酸水では好
ましくは5〜15%の範囲が風味、乳化の面において優
れる。食塩水では、好ましくは5〜15%の範囲が風
味、乳化の面において優れる。その他、水相には増粘
剤、水溶性着色料、着香料、調味料その他の水溶性食品
原料を溶解しておいてもよい。特に増粘剤例えばキサン
タンガム、グアーガム、ローカストビーンガムを混入溶
解しておくと乳化安定性も向上する。また縮合リン酸
塩、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等のPH調整
剤、電荷調整剤を用いることによって更に安定性を高め
ることもできる。
るショ糖縮合リシノール酸エステルとは、リシノール酸
縮合物とショ糖とのエステルをいう。リシノール酸には
他の脂肪酸が混在するのが通常であり、リシノール酸含
量を70%以上、好ましくは80%以上有する混合脂肪
酸を用いる。本発明におけるショ糖縮合リシノール酸エ
ステルは、例えば、リシノール酸を主として含む混合脂
肪酸のメチルエステル化物とショ糖との反応によって製
造される。リシノール酸メチルは、その反応中で、縮合
リシノール酸メチルを同時に生成しながら、ショ糖とエ
ステル化反応して、ショ糖縮合リシノール酸エステルを
生成する。本発明に用いるショ糖縮合リシノール酸エス
テルのリシノール酸部分の平均縮合度は通常2〜6モ
ル、好ましくは2〜4モルの場合において本発明の効果
が優れる。また、ショ糖は、1分子中に8個のヒドロキ
シル基を有する多価アルコールであるが、ショ糖1分子
当り、縮合リシノール酸が通常2〜6個、好ましくは2
〜4個エステル化したショ糖縮合リシノール酸エステル
の場合において本発明の効果が優れる。また、上記ショ
糖縮合リシノール酸エステルをそのHLB値で表すと、
通常、5以下、好ましくは3以下のものである。
のリシノール酸以外の不飽和脂肪酸(以下、不飽和脂肪
酸とは、特記しない限りリシノール酸以外のものを示
す)エステルとは、ショ糖やグリセリン、ポリグリセリ
ン、ソルビタン等の多価アルコールと、オレイン酸、パ
ルミトオレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレ
イン酸、エルカ酸等の不飽和脂肪酸とが、エステル化し
た物を言う。中でも、ショ糖オレイン酸ポリエステル、
ショ糖エルカ酸ポリエステル等のショ糖脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリンオレイン酸ポリエステル、ポリグリ
セリンエルカ酸ポリエステル等のポリグリセリン脂肪酸
エステルが本発明の効果に優れる。
2のものが用いられる。HLBが3以上では、親油性が
低下する為、油脂に対する溶解性が著しく低下し油中水
型乳化作用に乏しく、本発明の効果が減少する。HLB
の値は通常、多価アルコールに結合する不飽和脂肪酸の
エステル化率で決定される。HLB3以下は、エステル
化率としては30%以上に相当する。好ましくは、50
%以上エステル化されたものが用いられる。構成脂肪酸
は上記の様な不飽和脂肪酸からなることが必要である
が、脂肪酸は通常、種々の脂肪酸が混入しているので、
構成脂肪酸中の不飽和脂肪酸の含量は、少なくとも50
%以上、好ましくは、70%以上である。50%以下で
は、実質的に飽和脂肪酸となり、本発明の効果が期待で
きない。
ール酸エステルと多価アルコールの不飽和脂肪酸エステ
ルとを必須成分とするものであり、どちらか一方を欠い
ては、本発明の目的とする安定性のよい油中水型乳化物
が得られない。配合比は、通常、多価アルコールの不飽
和脂肪酸エステル1に対してショ糖縮合リシノール酸エ
ステル1〜3(重量比)の範囲であり、好ましくは、多
価アルコールの不飽和脂肪酸エステル1に対してショ糖
縮合リシノール酸エステル1〜2である。配合比がこの
範囲以外であっては、安定な乳化状態を保持することが
難しく、特に耐熱乳化安定性に欠ける結果となる。これ
らの添加量は乳化物100重量部に対して通常0.1〜
10重量部、好ましくは0.5〜3重量部が適当であ
る。
ル酸エステルと多価アルコールの不飽和脂肪酸エステル
に加えて、他の乳化剤を併用することができる。併用す
ることのできる他の乳化剤としては特に制限はなく、レ
シチン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレン
グリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルな
ど、脂肪酸の種類にも制限なく用いられる。
以下の様にして得ることができる。まず、油脂と乳化剤
を常温もしくは加熱下に混合溶解せしめて均一な油相を
調製し、一方水、もしくは目的に応じた有機酸、食塩あ
るいはその他の副成分を溶解又は分散せしめた水相を調
製する。次いで、油相と水相を加熱せずに、もしくは加
熱しながら油中水型に混合乳化せしめる。この際に例え
ば、ホモミキサーやホモジナイザーを用いて混合乳化し
た方が乳化粒子径はより細かく安定となる。得られた乳
化物は、さらにこれを密封容器に入れ加熱殺菌し、その
後冷却してもよい。
食品原料に用いることができる。例えば調理用乳化油脂
としてそのまま家庭や業務用に、また調理に使用して調
理済食品として用いることができる。特に高温長時間殺
菌が行われる調理済レトルト食品(めん類、めし類な
ど)に利用することができる。
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。 実施例1 コーンサラダ油2340gに、乳化剤としてショ糖縮合
リシノール酸エステル30gとHLB2のショ糖エルカ
酸エステル30gとを分散後、特殊機化工業製TKホモ
ミキサーにて8000rpmの下で純水を100ml/
分の速度で600ml添加し、添加後5分間攪拌して予
備乳化物を得た。この予備乳化物を三丸製バルブ式ホモ
ナイザーにて100kg/cm2 の圧力で乳化を行っ
た。その後、透明レトルトパウチに200ml分注し1
20℃30分のレトルト殺菌処理を行った後、55℃に
保存して分離の状態を観察したところ、3日後も分離が
みられなかった。後記表1の様に水相、油相の種類と比
率を変えて同様に乳化し、殺菌処理後保存して安定性を
評価した。結果を表1に示す。
の種類を変化させ、以下実施例1と同様にして、安定性
を評価した。結果を表1〜2に示す。尚、実施例1〜6
および比較例1〜7に用いた乳化剤の種類(表1〜2に
は記号で表記)については、後記表3のとおりである。
また、表1〜2の安定性評価の判定記号の意味は後記表
4のとおりである。
定性に優れ、室温または高温で長期間保存した場合にお
いても乳化が安定で流動性があり、使用時の取り扱い及
び、食感が優れた商品の提供を可能とする。
Claims (1)
- 【請求項1】 水相、常温で流動性のある油相、ショ糖
縮合リシノール酸エステルおよびHLB3以下であっ
て、構成脂肪酸がリシノール酸以外の不飽和脂肪酸から
なる多価アルコールのエステルを含有することを特徴と
する耐熱性油中水型乳化物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3066700A JP2982344B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 耐熱性油中水型乳化物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3066700A JP2982344B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 耐熱性油中水型乳化物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04299940A JPH04299940A (ja) | 1992-10-23 |
JP2982344B2 true JP2982344B2 (ja) | 1999-11-22 |
Family
ID=13323479
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3066700A Expired - Fee Related JP2982344B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 耐熱性油中水型乳化物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2982344B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007083707A1 (ja) | 2006-01-19 | 2007-07-26 | Kaneka Corporation | 乳化剤 |
JP6502064B2 (ja) * | 2014-11-06 | 2019-04-17 | 昭和産業株式会社 | 麺類のほぐれ性向上組成物 |
-
1991
- 1991-03-29 JP JP3066700A patent/JP2982344B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH04299940A (ja) | 1992-10-23 |
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