JP6502064B2 - 麺類のほぐれ性向上組成物 - Google Patents

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本発明は、麺類のほぐれ性を向上させる技術に関する。特に本発明は、食用油脂を利用して麺類のほぐれ性を向上する技術に関する。
一般に麺類は、茹でたり蒸したりといった調理直後はほぐれ易いものの、時間の経過とともに、麺類が互いに結着し、ほぐれにくくなる。これは、糊化された澱粉の粘着性によって、麺類が互いに付着してしまうことが原因である。
従来、麺類の付着を抑制し、ほぐれ性を改善するために、いくつかの技術が提案されている。例えば、食用油脂を用いて麺類の付着を抑制することが提案されているが、単に食用油脂を麺類に添加しただけでは、麺類に均一に食用油脂を付着させることが難しく、むらができてしまう場合がある。
そこで、麺類への食用油脂の付着性を高めるために、食用油脂に乳化剤を添加した組成物を麺類のほぐれ性向上剤として使用することが提案されている。例えば、特許文献1〜3には、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることが記載されており、特許文献4には、ジグリセリン脂肪酸エステルを用いることが記載されている。また、特許文献5には、ポリグリセリン脂肪酸エステルとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを併用することが記載されている。
また、食用油脂を用いずに麺類のほぐれ性を向上する技術として、特許文献6には、大豆食物繊維などを含む組成物を用いること、特許文献7には、フコイダン、ファーセルラン、アガロペクチン、ポリフィラン、ヘパリンなどを用いることが提案されている。
特開平07−039332号公報 特開平07−298847号公報 特開平11−221033号公報 特開平09−037728号公報 特開2006−006132号公報 特開2000−139386号公報 特開2006−061118号公報
このように、麺類のほぐれ性改善については、従来から種々の検討が試みられてきたものの、いずれもその効果が十分とはいえず、麺類のほぐれ性をより向上させることのできる技術が求められていた。このような状況に鑑み、本発明は、麺類のほぐれ性を向上させる技術を提供することを目的とする。
本発明者らが上記課題について鋭意検討したところ、食用油脂に対して、HLBが4.7〜8である乳化剤(以下、HLBが高い乳化剤ともいう)とHLBが2.5以下である乳化剤(以下、HLBが低い乳化剤ともいう)の両方を配合することによって、麺類のほぐれ性を大きく向上できる油脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至
った。具体的には、(a)HLBが4.7〜8である乳化剤と(b)HLBが2.5以下である乳化剤を食用油脂に配合することによって、麺類のほぐれ性を大きく改善できる油脂組成物を得ることができる。
本発明は、これに限定されるものではないが、以下の態様を包含する。
(1) (a)HLBが4.7〜8である乳化剤と(b)HLBが2.5以下である乳化剤を含有する、麺類のほぐれ性向上油脂組成物。
(2) 前記乳化剤(a)および(b)の合計の配合量が、油脂に対して0.3〜20重量%である、(1)に記載の油脂組成物。
(3) (a)と(b)の重量比が、90:10〜10:90である、(1)または(2)に記載の油脂組成物。
(4) 前記乳化剤(a)が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、有機酸脂肪酸エステルから選ばれる1以上を含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の油脂組成物。
(5) 前記乳化剤(a)が、ジグリセリン脂肪酸エステルを含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の油脂組成物。
(6) 前記乳化剤(b)が、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1以上を含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の油脂組成物。
(7) (1)〜(6)のいずれかに記載の油脂組成物を麺類に付着させることを含む、麺類のほぐれ性を向上させる方法。
(8) (1)〜(6)のいずれかに記載の油脂組成物を付着させた麺類。
本発明によれば、麺類のほぐれ性を効果的に向上させることができる。特に本発明の油脂組成物によれば、チルド麺などのある程度の期間、保管や流通されるような麺についても、ほぐれ性を効果的に改善することができるため有用である。
例えば、コンビニエンスストア向けなどの調理麺は、麺に油を塗布したのちチルド流通されるが、本発明によれば、そのような場合でも麺類のほぐれ性を良好に維持することができる。
また、チルド麺などの麺類を用いて焼きそば等の調理麺を製造する場合があり、この場合、調理時に麺類がほぐれ易いこと、さらには、調理後の麺類が一定時間経過後もほぐれ易いことが求められる。本発明の油脂組成物によれば、このような場合であっても、麺類のほぐれやすさを良好に維持することができるため、良好である。
図1は、実験例における「麺のほぐれ易さ」に関して、その例を示す写真である。
本発明は、(a)HLBが4.7〜8である乳化剤と(b)HLBが2.5以下である乳化剤を食用油脂に配合した、麺類のほぐれ性向上組成物に関する。
本発明において麺類とは、小麦粉、そば粉、米粉などの穀粉と水などを原料として含み、これらの原料を混捏し、製麺されたものをいう。具体的には、例えば、パスタ、うどん、きしめん、ひやむぎ、そうめん、そば、中華麺などを挙げることができる。また、本発明における麺類は、例えば、茹で麺あるいは蒸し麺の形態で使用されるものであってよく、茹で麺あるいは蒸し麺としては、チルド麺(低温流通麺)、冷凍流通麺あるいは常温流
通麺(LL麺)などであってよい。
本発明の油脂組成物に用いる油脂は、食用であれば特に限定されるものではなく、植物由来であるか、動物由来であるか、また、合成品であるかも問わない。例えば、大豆油、菜種油、キャノーラ油、コーン油、ひまわり油、紅花油、とうもろこし油、綿実油、ゴマ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、オリーブ油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、米糠油、小麦胚芽油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、牛脂、豚脂、鶏脂、乳脂、魚油、アザラシ脂、藻類油などを単独または組み合わせて使用することができる。また、水素添加油脂、グリセリンと脂肪酸のエステル化油、エステル交換油、分別油脂なども適宜使用することができる。さらに、遺伝子組換えの技術を用いて品種改良した植物から抽出したものであってもよい。中でもチルド温度帯で液状を呈する食用油脂とするのが好ましい。
本発明に係る油脂組成物においては、(a)HLBが4.7〜8である乳化剤と(b)HLBが2.5以下である乳化剤の両方を併用する。両者の併用比率は特に制限されないが、例えば、(a)と(b)の重量比を90:10〜10:90とすることができ、好ましくは85:15〜15:85であり、70:30〜30:70としてもよい。また、本発明においては、(a)HLBが4.7〜8である乳化剤と(b)HLBが2.5以下である乳化剤は、例えば、油脂100重量%に対して合計で0.1〜20重量%の乳化剤を配合することが好ましく、0.3〜15重量%がより好ましく、0.5〜10重量%がさらに好ましく、0.8〜8重量%としてもよい。
本発明に係る油脂組成物においては、(a)HLBが4.7〜8である乳化剤を使用する。本発明において乳化剤のHLBとは、Hydrophilic Lipophilic Balanceの略語であり、0(親油基のみの場合)〜20(親水基のみの場合)の数値を有する。Griffin法によ
る場合は、HLB=20×〔1−(エステルのケン化価/原料脂肪酸の中和価)〕によってHLBを算出することができる。乳化剤のHLBが8を超えると、乳化剤が油脂に溶解しにくくなり、白濁してしまう場合がある。一方、乳化剤のHLBが4.7未満の乳化剤とHLBが2.5以下である乳化剤とを併用しても、麺類のほぐれ性を向上する効果は小さい。HLBが4.7〜8である乳化剤については、ある態様において、HLBが5.5以上であってもよく、別の好ましい態様においてHLBを6.5以上としてもよい。
HLBが4.7〜8である乳化剤としては、これに限定されるものではないが、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、有機酸脂肪酸エステルから選ばれる1以上を使用することができる。中でも、ジグリセリン脂肪酸エステルが好ましく、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルがより好ましく、脂肪酸エステルの脂肪酸としてはオレイン酸が特に好ましい。
なお、ポリグリセリン脂肪酸エステルとは、ポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化生成物であり、一般にエステル化反応などの方法で製造することができる。ポリグリセリンは、例えば、グリセリンまたはグリシドールあるいはエピクロルヒドリンなどを加熱し、重縮合反応させて得ることができる。本発明で用いられるポリグリセリンとしては平均重合度が約2〜10程度のものを使用してもよく、例えば、具体的にはジグリセリン(平均重合度2)、トリグリセリン(平均重合度3)、テトラグリセリン(平均重合度4)、ヘキサグリセリン(平均重合度6)、オクタグリセリン(平均重合度8)またはデカグリセリン(平均重合度10)などが挙げられ、好ましくはジグリセリン、トリグリセリンまたはテトラグリセリン、より好ましくはジグリセリンが挙げられる。上記脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和または不飽和脂肪酸、好ましくは炭素数8〜18の直鎖の飽和または不飽
和脂肪酸、より好ましくは炭素数18の直鎖の不飽和脂肪酸が挙げられる。例えば、具体的にはオレイン酸、リノール酸およびリノレン酸の群から選ばれる一種または二種以上の脂肪酸が挙げられる。
本発明においては、(a)HLBが4.7〜8である乳化剤とともに(b)HLBが2.5以下の乳化剤を使用する。HLBの下限は特にないが、HLBが0.1以上としてもよく、後述する実施例において示すようにHLBが0.5程度の乳化剤を用いても本発明の効果は十分に発揮される。HLBが4.7〜8である乳化剤と併用する乳化剤は、HLBが2.5以下であるが、ある態様においてHLBが1.9以下とすることもでき、別の態様においてはHLBを1.5以下とすることもできる。
HLBが2.5以下の乳化剤としては、これに限定されるものではないが、例えば、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1以上が好ましい。
本発明に係る油脂組成物は、一般的な方法によって適宜製造することができる。これに限定されるものではないが、例えば、(a)HLBが4.7〜8である乳化剤と(b)HLBが2.5以下である乳化剤を食用油脂に添加し、撹拌することによって、本発明に係る油脂組成物を製造することができる。また、好ましい態様において、食用油脂を加熱し、例えば、約20〜100℃、より好ましくは約40〜95℃、さらに好ましくは50〜90℃において、乳化剤と混合することによって、本発明に係る油脂組成物を容易に調製することができる。また、混合および攪拌は、加圧、減圧、常圧下で実施することが可能であり、ある態様では、常圧下で混合が行われる。
本発明に係る油脂組成物を製造する装置は、特に限定されないが、例えば、攪拌機、加熱用のジャケットなどを備えた加温可能な攪拌槽、邪魔板等を備えた通常の攪拌・混合装置を用いることができる。回転数、攪拌時間などの撹拌条件は、原材料が均一に混合されれば、特に制限されない。攪拌機における攪拌翼の形状は特に制限されないが、例えば、プロペラ型、かい十字型、ファンタービン型、ディスクタービン型またはいかり型などとすることができる。
本発明の油脂組成物を用いて麺類のほぐれ性を向上させる場合、本発明の油脂組成物を麺類に付着させることが必要である。一つの態様においては、本発明は、油脂組成物を麺類に付着させることを含む、麺類のほぐれ性を向上させる方法である。また別の態様において本発明は、油脂組成物を付着させた麺類に関する。
本発明において、油脂組成物を麺類に付着させる方法に特に制限はない。例えば、茹で麺や蒸し麺などの麺表面に本発明に係る油脂組成物を添加する方法、具体的には、麺類に油脂組成物を噴霧、塗布、浸漬させる方法などを挙げることができる。その他にも、麺類を茹でる際の茹で液に油脂組成物を添加する方法、麺生地を混捏する際に油脂組成物を添加して絡める方法などによって、本発明に係る油脂組成物を麺類に付着させることができる。
本発明において油脂組成物の使用量は特に制限されないが、麺類の種類、麺類の使用態様(流通ないし保管期間など)などを勘案して適宜設定することができる。一つの態様において、茹で麺および蒸し麺などの麺類に対して、0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜4重量%、より好ましくは1〜3重量%の量で使用してもよい。
一つの態様において、本発明は麺類のほぐれ性を向上させる方法である。具体的には、本発明に係る油脂組成物を麺類に付着させることを含む、麺類のほぐれ性を向上させる方
法である。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に記載しない限り、本明細書において濃度などは重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
乳化剤
以下の実験例においては、下記の乳化剤を使用した。なお、各乳化剤のHLBはカタログ記載の数値である。
・ソルビタンモノラウレート(HLB:8.6、花王、エマゾールL-10V)
・モノオレイン酸ジグリセリン(HLB:7.4、理研ビタミン、ポエムDO100V)
・トリオレイン酸ペンタグリセリン(HLB:7.0、太陽化学、サンソフトA-173E)
・クエン酸モノオレイン酸グリセリン(HLB:7.0、太陽化学、サンソフトNO.623M

・クエン酸モノオレイン酸グリセリン(HLB:6.0、理研ビタミン、ポエムK-37V)
・モノオレイン酸ソルビタン(HLB:5.1、太陽化学、サンソフトNO.81S)
・ソルビタン脂肪酸エステル(モノオレエート・ソルビタン型)(HLB:4.9、理研ビタミン、ポエムO-80V)
・ペンタオレイン酸デカグリセリン(HLB:4.5、太陽化学、サンソフトQ-175S)
・ヘキサグリセリン縮合リシノレート(HLB:0.5、理研ビタミン、ポエムPR300)
・テトラグリセリン縮合リシノレート(HLB:1.0、理研ビタミン、ポエムPR100)
・ソルビタンモノラウレート(HLB:1.8、花王、エマゾールO-30V)
・シュガーエステル(エルカ酸エステル)(HLB:2.0、三菱化学フーズ、シュガーエステルER290)
・テトラグリセリンペンタオレイン酸エステル(HLB:3.0、阪本薬品工業、SYグリスターPO-3S)
実験例1
食用菜種油(キャノーラ油、昭和産業)に対して各種乳化剤を1重量%添加し、加温可能な容器において撹拌しながら60℃に加温し、均一な油脂組成物を得た。使用した乳化剤の種類と量を以下の表に示す。
生中華麺(セブンプレミアム こだわりの熟成麺 細めん)を約150秒間、熱湯で茹でた後、流水にて1分間冷却し、さらに氷水にて1分間冷却した。この茹で麺150gに上記油脂組成物3gを絡めてから、樹脂製保存容器(内容量284ml、112×112×54mm)に充填し、蓋をして冷蔵庫にて3日間冷蔵保管した。
さらに実験1−2〜実験1−5については、3日間冷蔵保管した茹で麺を用いて、焼きそば(具なし)を製造した。テフロン(登録商標)コーティングされた家庭用フライパンに、炒め用の油1.5g(キャノーラ油、昭和産業、乳化剤非含有)をひいた後、冷蔵保管した茹で麺全量を炒めて、焼きそばを調製した。炒めた焼きそばを、樹脂製保存容器(内容量284ml、112×112×54mm)に充填し、蓋をして冷蔵庫にて24時間冷蔵保管した。
茹で麺を3日間冷蔵保存した後のほぐれ易さ(ほぐれ性)、および、調理した焼きそばを24時間冷蔵保存した後のほぐれ易さ(ほぐれ性)を、以下のように評価した。すなわち、麺を充填した容器を反転して、麺を塊状のまま取り出した後、麺の中心部を菜箸にて3回程度持ち上げるように軽くほぐした時の状態を、以下の基準により6段階で評価した(図1に、ほぐれ易さの評価が5、1、0の場合の写真を示す)。
(麺のほぐれ易さ)
5:容易に全体がほぐれるので、極めて良好である
4:全体がほぐれて良好である
3:一部塊部分あるが、概ねほぐれており好ましい
2:概ねほぐれているが、塊が点在し全体としてやや劣る
1:一部ほぐれる部分あるが、ほぼ塊の状態であり劣る
0:塊の状態でほぐれない
表1−1に示したように、HLBが高い乳化剤:モノオレイン酸ジグリセリン(HLB:7.4、理研ビタミン、ポエムDO100V)とHLBが3.0以下の種々の乳化剤を組み合わせたところ、HLBが3.0の乳化剤と組み合わせた場合(実験1−6)はほぐれ性が悪かったのに対し、HLBが2.5以下の乳化剤と組み合わせた場合(実験1−2〜1−5)は良好なほぐれ性を示した。実験1−8〜実験1−10に示したように、乳化剤を3つ以上併用した場合であっても、本発明によれば良好なほぐれ性が得られた。
また、表1−2に示したように、乳化剤を単独で使用した場合には、十分なほぐれ性を
得ることはできなかった。
さらに、表1−3に示したように、HLBが低い乳化剤:テトラグリセリン縮合リシノレート(HLB:1.0、理研ビタミン、ポエムPR100)とHLBが4.5以上の種々の
乳化剤を組み合わせたところ、HLBが8.6の乳化剤と組み合わせた場合(実験1−15)やHLBが4.5の乳化剤と組み合わせた場合(実験1−20)はほぐれ性が悪かったのに対し、HLBが4.7〜8の範囲の乳化剤と組み合わせた場合は良好なほぐれ性を示した。
実験例2
HLBが高い乳化剤:モノオレイン酸ジグリセリン(HLB:7.4、理研ビタミン、ポエムDO100V)とHLBが低い乳化剤:ヘキサグリセリン縮合リシノレート(HLB:0.5、理研ビタミン、ポエムPR300)の併用比を変化させて、実験例1と同様にして油脂
組成物(乳化剤の合計添加量:1.2重量%)を調製した(表2)。実験例1と同様にして調製した油脂組成物のほぐれ性向上特性(3日間冷蔵保管した麺のほぐれ性)を評価した。
評価結果を以下の表に示すが、いずれの場合も十分なほぐれ性向上効果が確認された。中でも、HLBが7.4の乳化剤とHLBが0.5の乳化剤の比率が85:15〜30:70の範囲であると、特に大きなほぐれ性向上効果が得られた。
実験例3
乳化剤の配合量を0.4%〜15%の範囲で変化させて、油脂組成物のほぐれ性向上特性を評価した。実験例2と同じ乳化剤を使用し、2種の乳化剤の併用比率は50:50とした。使用した乳化剤の種類と量は下記のとおりであり、実験例2と同様にして油脂組成物を調製し、調製した油脂組成物のほぐれ性向上特性(3日間冷蔵保管した麺のほぐれ性)を評価した。
評価結果を以下の表に示すが、いずれの場合も十分なほぐれ性向上効果が確認された。中でも乳化剤の合計添加量が0.8%以上であると、特に大きなほぐれ性向上効果が得られた。

Claims (7)

  1. HLBが4.7〜8である乳化剤(a)とHLBが2.5以下である乳化剤(b)とを含有する、麺類のほぐれ性を向上させるための油脂組成物であって、
    乳化剤(a)が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステルから選ばれる1以上を含み、乳化剤(b)が、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1以上であり、
    (a)と(b)の重量比が85:15〜25:75、(a)および(b)の合計の配合量が油脂に対して0.3〜20重量%である上記油脂組成物(但し、下記の油脂組成物は除く:
    なたね白絞油98質量%、ジグリセリン脂肪酸エステル1質量%、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル1質量%からなる油脂組成物;
    なたね白絞油98質量%、ジグリセリン脂肪酸エステル1質量%、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル0.5質量%、グリセリン脂肪酸モノ・ジエステル0.5質量%からなる油脂組成物;
    なたね白絞油98質量%、ジグリセリン脂肪酸エステル1質量%、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル0.5質量%、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル0.5質量%からなる油脂組成物;
    なたね白絞油98質量%、ジグリセリン脂肪酸エステル1質量%、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル0.5質量%、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル0.5質量%からなる油脂組成物)。
  2. 前記グリセリン有機酸脂肪酸エステルが、クエン酸モノオレイン酸グリセリンである、請求項1に記載の油脂組成物。
  3. (a)と(b)の重量比が、85:15〜30:70である、請求項1または2に記載の油脂組成物。
  4. 前記乳化剤(a)が、ジグリセリン脂肪酸エステルを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の油脂組成物。
  5. 前記乳化剤(b)が、テトラグリセリン縮合リシノレートを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の油脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の油脂組成物を麺類に付着させることを含む、麺類のほぐれ性を向上させる方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の油脂組成物を付着させた麺類。
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