JP2982216B2 - エアバッグ収納用カバー - Google Patents

エアバッグ収納用カバー

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は車両衝突時にその衝撃、変形等を関知するこ
とにより、動作、膨張して展開するエアバッグを収納す
るためのカバーに関するものである。
[従来の技術] 従来のカバーは、エアバッグ動作時にバッグ収納用カ
バーが予定された線から開裂されるようにテアラインを
設けている。このテアラインとしては、開裂予定ライン
の部分に溝を連続的又はミシン目状に半連続的に形成し
たものがある。溝の深さを間隔をおいて深くすることも
ある。又、該カバーを硬質層と軟質層との2層積層構造
としたものにあっては、テアラインに沿って硬質層にス
リットを形成したものなどもある。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来のエアバッグ収納用カバーにあっては、カバ
ーの中央付近のテアラインから開始した開裂がテアライ
ンの末端にまで到達した後、さらに開裂片の慣性力によ
ってテアライン以外の箇所まで進行し、遂にはカバーの
端部にまで到達することがある。このように開裂がテア
ライン以外の部分にまで拡がると、開裂片が千切れて飛
散する可能性があるから、飛散防止のための対策が必要
となり、コストアップを招いていた。
[課題を解決するための手段] 本発明のエアバッグ収納用カバーは、エアバッグ動作
開始時に開裂を開始させるためのテアラインが設けられ
ているものにおいて、該テアラインの末端部分に、該カ
バー内面から凹陥する略円形の凹穴よりなる、開裂伝播
防止部を設けたことを特徴とするものである。
[作用] 本発明のエアバッグ収納用カバーにあっては、一旦カ
バーに開裂が開始されると、テアラインに沿って開裂が
端部に広がるようになる。この開裂がテアラインの末端
に達すると、当該末端部分の開裂伝播防止部によりそれ
以上の伝播が防止される。
[実施例] 以下図面に示す実施例を参照しながら本発明について
更に詳細に説明する。
第1図(a)は本発明の実施例に係るエアバッグ収納
用カバーの底面図、第1図(b)は第1図(a)のB−
B線断面図、第1図(c)は、第1図(b)のC−C線
断面図、第2図は第1図のII−II線に沿う断面図、第3
図は第2図のIII−III線に沿う断面図、第4図は第1,3
図のIV−IV線に沿う断面図、第5図は第1,3図のV−V
線に沿う断面図である。なお、第5図(a)は切断端面
図であり、第5図(b)は切断断面図となっている。ま
た、第3,4,5図は拡大図となっている。
このカバー1は、略長方形状のものであり、エアバッ
グ動作時に開裂を開始させるためのテアラインが中央テ
アライン2及び端部テアライン3,4として設けられてい
る。中央テアライン2は、カバー1の中央部分をカバー
1の長手方向に延在されている。テアライン3,4はカバ
ー1の短手方向に延在しており、該カバー1の端部付近
に沿って設けられている。なお、テアライン2とテアラ
イン3,4とは連続するように設けられている。
このテアライン3,4の末端部はカバー1の側面壁部分
の途中にまで達している。そして、このテアライン3,4
の延長方向を遮るように開裂伝播防止部1hが設けられて
いる。本実施例では開裂伝播防止部1hはカバー1の内面
から凹陥する略円形の凹穴よりなる。なお、貫通するス
ルーホールとしなかったのは、カバー1の内部にゴミ等
が侵入しないようにするためである。
これらテアライン2,3,4は連続して延在する溝部5
と、該溝部5に間隔を置いて深く穿設された凹部6とを
備えている。第4図の如く、この溝部5は三角形断面形
状のものである。また、第5図の如く、凹部6は、カバ
ー1の裏面1aと垂直な側面壁6aと、この側壁面6aの底部
において三角形断面形状をなすように形成された斜面部
6bとを備えた五角形状のものである。なお、この凹部6
は、カバー1の底面視形状が六角形のものであり、六角
形の相対向する2個の頂点がテアライン2,3,4の中心線
に沿って配置されるように形成されている。
中央テアライン2のうちカバー中央部(板央部)にあ
っては、凹部6は隣接するもの同志の間隔を小さくして
密に形成されている。そして、この中央部から離れてテ
アライン3,4に近づくに従って凹部6同志の間隔が大き
くなり、いわゆる疎らに設けられている。
テアライン3,4にあっては、凹部6同志の間隔は互い
にほぼ等しいものとなっているが、テアライン2におけ
ると同様にテアライン3,4の長手方向の中央部付近を凹
部6同志の間隔が小さいものとし、これから離れるに従
って凹部6同志の間隔が大きくなるものとしても良い。
なお、カバーは多層構造であっても単層構造であって
も良い。また、インサート材を有していても良い。
この様に構成されたカバー1にあっては、エアバッグ
の膨張圧力が作用すると、該カバー1の中央部付近が最
も脆弱となっているから、この中央部付近から開裂が開
始する。一旦開裂が中央部付近から始まると、この開裂
はテアライン2,3,4に沿って末端部にまで速やかに広が
る。
この開裂がテアライン3,4の末端部にまで到達する
と、開裂伝播防止部1hが設けられているので、それ以上
の開裂の伝播が防止され、開裂はこのテアライン3,4の
末端部において停止する。従って、過度に開裂が進行し
て開裂片が千切れ飛んだりすることが確実に防止され
る。
なお、本実施例にあっては凹部6の頂点部分が溝部5
の中央線上に位置しており、凹部6に生じた開裂が凹部
6以外の溝部5にも速やかに伝わる。そして、溝部5に
あってもその中央線部分が最も肉薄となるものであり、
開裂は溝部5の中央線に沿って速やかに広がる。
上記実施例では、開裂伝播防止部1hのみにより開裂の
それ以上の伝播を防止するようにしているが、開裂伝播
防止部1hの周囲のうちテアライン以外の部分に金属メッ
シュや金属板、あるいは高強度合成樹脂材など、カバー
素材よりも強度の高い部材を埋設(例えばインサート)
し、それ以上の開裂の伝播をより確実に阻止するように
しても良い。
また、エアバッグ収納用カバーを内側の硬質層と外側
の軟質層との2層積層構造としたものにあっては、硬質
層のみを貫通する開裂伝播防止部とすることが効果的で
ある。
図に示されたテアラインの配置や、テアラインの断面
形状は、本発明の一例であり、テアラインを図示以外の
配置や断面形状としても良いことは明らかである。
また、テアラインの末端部分は、図示以外の位置に設
けても良く、例えば第1図(b)のカバー1の端縁近傍
部Eや、カバーの天井部Fなどに位置させ、当該末端部
分に開裂伝播防止部を設けても良い。
[発明の効果] 以上の実施例からも明らかな通り、本発明のエアバッ
グ収納用カバーは、エアバッグ展開時におけるカバーの
開裂がテアラインの末端で確実に停止し、それ以上の伝
播が防止される。このため、カバーの飛散が確実に防止
される。また、このため、カバーに要求される強度や、
エアバッグ装置のカバー飛散防止機構が不要化され、構
成の簡易化とコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本発明の実施例に係るカバーの底面図、
第1図(b)及び第1図(c)はカバーの要部断面図、
第2図は第1図のII−II線に沿う断面図である。第3
図、第4図、第5図はそれぞれ第1図の要部拡大断面図
である。 1……カバー、1h……開裂伝播防止部、 2,3,4……テアライン、 5……溝部、6……凹部。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エアバッグ動作開始時に開裂を開始させる
    ためのテアラインが設けられているエアバッグ収納用カ
    バーにおいて、該テアラインの末端部分に該カバー内面
    から凹陥する略円形の凹穴よりなる、開裂伝播防止部を
    設けたことを特徴とするエアバッグ収納用カバー。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記カバーは単層構造
    であることを特徴とするエアバッグ収納用カバー。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記カバーは多層構造
    であることを特徴とするエアバッグ収納用カバー。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記カバーは内側の硬
    質層と外側の軟質層との2層構造であり、前記開裂伝播
    防止部は該硬質層を貫通して設けられていることを特徴
    とするエアバッグ収納用カバー。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、開裂伝播防止部の周囲のうちテアライン以外の部分
    にカバー素材よりも高強度の部材が埋設されていること
    を特徴とするエアバッグ収納用カバー。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれか1項におい
    て、前記カバーは側面壁部分を有しており、前記テアラ
    インの末端部は該側面壁部分の途中にまで達しており、
    該側面壁部分に前記開裂伝播防止部が配置されているこ
    とを特徴とするエアバッグ収納用カバー。
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FR9105818A FR2662410B1 (fr) 1990-05-24 1991-05-14 Couvercle pour loger un coussin pneumatique.
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