JP2982115B2 - 粉体塗料 - Google Patents
粉体塗料Info
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Description
体塗料に関する。
気とも少なく、公害対策および環境規制の面で非常に有
益である。また、有機溶剤を使用しないため消防法によ
る危険物に該当しなく、安全性の面でも優れている。
ては、粉体塗料を構成する材料とともにシリカ、アルミ
ナ等の無機微粒子を溶融混練、粉砕した粉体塗料を作製
し、その粉体塗料を用いて塗装した塗膜表面の光を散乱
させることにより艶を消す方法が知られている。しか
し、前記艶消し法で艶を消すには無機微粒子を多量に添
加する必要があるため、塗膜の機械的強度が低下する。
また前記艶消し法で粉体塗料を製造する過程で無機微粒
子と粉体を構成する材料を溶融混練するため、混練機の
食い込み不良により生産性が低下する等の問題があっ
た。
十分な機械的強度を有し、かつ塗膜表面に艶のない粉体
塗料を提供することにある。
鑑み鋭意研究した結果なされたもので、疎水化度の高い
疎水性シリカ微粉末を粉体粒子表面に付着させること
で、塗膜を焼きつける際でも溶融した塗膜表面に疎水性
シリカ微粉末が残り、光が散乱されて塗膜の艶がなくな
ることを見いだした。
キシ樹脂または両者を併用したものが使用される結着樹
脂を含有する粉体粒子の表面に疎水化度が60%以上で
ある疎水性シリカ微粉末が付着してなることを特徴とす
る粉体塗料である。以下、本発明を詳細に説明する。
てはポリエステル樹脂もしくはエポキシ樹脂または両者
を併用したものが使用される。該ポリエステル樹脂の酸
成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、メチルテレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、マレイン
酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、メチル−テトラ
ヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチル−ヘキ
サヒドロフタル酸、およびそれらの無水物などが用いら
れる。他方、アルコ−ル成分としては、エチレングリコ
−ル、プロピレングリコ−ル、1・3−ブタンジオ−
ル、1・4−ブタンジオ−ル、1・6−ヘキサンジオ−
ル、ネオペンチルグリコ−ル、ビスヒドロキシエチルフ
タレ−ト、水添ビスフェノ−ルA、水添ビスフェノ−ル
Aのエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキ
サイド付加物、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ル
プロパン、グリセリン、ペンタエリスリト−ル等を用い
ることができる。
上のエポキシ基を持つ化合物で、グリシジルエステル型
樹脂、グリシジルエ−テル型樹脂、グリシジルアミン型
樹脂、脂環式エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂等
を用いることができる。
剤としてイソシアネート、アミン、ポリアミド、酸無水
物等が使用できる。また、本発明を構成する粉体には、
アクリルオリゴマー、シリコーン等の流展剤、ベンゾイ
ン等の発泡防止剤、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸
化アルミニウム、珪酸カルシウム等の充填剤、ポリオレ
フィンワックス等のスリップ剤、酸化チタン、酸化クロ
ム、酸化鉄、カ−ボンブラック等の顔料を適宜添加して
もよい。
は、疎水化度が60%以上でなければならない。シリカ
微粉末は元来親水性であり、下記のような表面処理を行
うことで疎水化でき、疎水化度はシリカ微粉末の表面に
存在するシラノ−ル基をシランカップリング剤等で処理
することにより、任意に調整できる。具体的には、例え
ば、ヘキサメチルジシラザンをエタノ−ルに溶解し、流
動状態の未処理シリカ微粉末に適量を噴霧した後、加熱
してエタノ−ルを揮発させることで疎水化処理できる。
粉体塗料は、塗膜を焼き付ける際に、結着樹脂が溶融し
粘度が低下する。疎水化度が60%未満のシリカ微粉末
は溶融した結着樹脂との親和性が高いため、塗膜中に取
り込まれ易い。しかし、疎水化度が60%以上の疎水性
シリカ微粉末は塗膜の焼き付けの際、溶融した結着樹脂
との親和性が低いため塗膜に取り込まれ難い。したがっ
て、シリカ微粉末は該塗膜表面に残り光を散乱するた
め、少量の添加でも十分な艶消し効果が得られる。本発
明の粉体粒子は、前記ポリエステル樹脂もしくはエポキ
シ樹脂または両者を併用したものが使用される結着樹脂
を含有する。この場合、本発明の疎水性シリカ微粉末を
溶融粘度の低いアクリル樹脂等を主成分とする結着樹脂
に適用すると、該疎水性シリカ微粉末は結着樹脂との親
和性が高すぎて焼き付けの際、塗膜に取り込まれ易い。
その結果、十分な艶消し効果が得られない。なお、疎水
化度が60%以上である疎水性微粉末シリカの具体例と
してはキャボット社製商品名TS−720、TS−53
0、ワッカーケミカル社製商品名H−2000、H20
00/4等がある。
シリカ微粉末0.05gを浮かべ、スタ−ラーで撹拌し
ながらビュレットからメタノ−ルを滴下し、水面に浮い
ているシリカ微粉末を完全に沈降させる。このとき滴下
したメタノ−ル量(ml)を計量し、下記計算式により
疎水化度を求める。
粒子100重量%に対して0.5重量%以上、2.0重
量%以下が好ましい。0.5重量%未満では十分な艶消
し効果が得られない。逆に、2.0重量%を越えて多い
と塗膜の強度低下及び塗膜の表面状態不良の問題が発生
するので好ましくない。
成物を乾式混合し、熱溶融混練後、粉砕、分級して得る
か、または各組成物を懸濁重合法、乳化重合法等の重合
法により得てもよい。前記の方法により得られた粉体粒
子を使用して本発明の艶消し粉体塗料を製造するには、
該粉体粒子と前記疎水性シリカ微粉末とを下記の方法で
乾式混合すればよい。乾式混合機の例としては、V型ブ
レンダー、コーン型ブレンダー、ホソカワミクロン社製
ナウターミキサー、三井三池社製のヘンシェルミキサ
ー、川田製作所社製のスーパーミキサー等がある。な
お、疎水化度が60%以上の疎水性シリカ微粒子は、前
記乾式混合機を使用して粉体粒子の表面に単に付着して
いるだけでもよいし、該シリカ微粒子の一部が粉体粒子
の表面に埋没して固着されていても良い。該シリカ微粒
子の一部を粉体粒子表面に埋没固着させるには、衝撃力
及び圧縮力を粉体粒子とシリカ微粉体の混合物に加える
ことで、粉体粒子表面の熱軟化を伴ってシリカ微粉末を
固着する表面改質機が使用できる。
を説明する。
し、加圧ニーダーで120℃で熱溶融混練後、ジェット
ミルで粉砕し、その後乾式気流分級機で、体積50%径
が20μmとなるように分級して粉体粒子を得た。この
粉体粒子100重量%に対し、疎水化度が62%である
疎水性シリカ微粉末(ワッカーケミカル社製、商品名:
H−2000)0.5重量%をヘンシェルミキサーで攪
拌混合して実施例1の粉体塗料を得た。上記粉体塗料を
秩父小野田社製コロナ方式スプレーガン(商品名:GX
−108)を用いて、日本テストパネル社製SPCC板
(商品名:PB−137M)に塗布した後、180℃で
20分間焼付けを行い、実施例1の塗装物を得た。
水性シリカ微粉末の添加量を1.0重量%に変更した以
外は実施例1と同様にして実施例2の粉体塗料を得た。
上記粉体塗料を実施例1と同様にして、実施例2の塗装
物を得た。
水性シリカ微粉末の添加量を2.0重量%に変更した以
外は実施例1と同様にして実施例3の粉体塗料を得た。
上記粉体塗料を実施例1と同様にして、実施例3の塗装
物を得た。
し、加圧ニーダーで120℃で熱溶融混練後、ジェット
ミルで粉砕し、その後乾式気流分級機で、体積50%径
が20μmとなるように分級して粉体粒子を得た。この
粉体粒子100重量%に対し、疎水化度が62%である
疎水性シリカ微粉末(ワッカーケミカル社製、商品名:
H−2000)1.0重量%をヘンシェルミキサーで攪
拌混合して実施例4の粉体塗料を得た。上記粉体塗料を
実施例1と同様にして、実施例4の塗装物を得た。
し、加圧ニーダーで120℃で熱溶融混練後、ジェット
ミルで粉砕し、その後乾式気流分級機で、体積50%径
が20μmとなるように分級し粉体粒子を得た。この粉
体粒子100重量%に対し、疎水化度が62%である疎
水性シリカ微粉末(ワッカーケミカル社製、商品名:H
−2000)1.0重量%をヘンシェルミキサーで攪拌
混合して実施例5の粉体塗料を得た。上記粉体塗料を実
施例1と同様にして、実施例4の塗装物を得た。
い以外は実施例1と同様にして比較例1の粉体塗料を得
た。上記粉体塗料を実施例1と同様にして、比較例1の
塗装物を得た。
シリカ微粉末(日本アエロジル社製、商品名:R−97
2)を1.0重量%添加した以外は実施例1と同様にし
て比較例2の粉体塗料を得た。上記粉体塗料を実施例1
と同様にして、比較例2の塗装物を得た。
粉末(トクヤマ社製、商品名:ファインシールA)を
1.0重量%添加した以外は実施例1と同様にして比較
例3の粉体塗料を得た。上記粉体塗料を実施例1と同様
にして、比較例3の塗装物を得た。
微粉末(日本アエロジル社製、商品名:RFY−C)を
1.0重量%添加した以外は実施例1と同様にして比較
例4の粉体塗料を得た。上記粉体塗料を実施例1と同様
にして、比較例4の塗装物を得た。
し、加圧ニーダーで120℃で熱溶融混練後、ジェット
ミルで粉砕し、その後乾式気流分級機で、体積50%径
が20μmとなるように分級して粉体粒子を得た。上記
粉体粒子に、疎水化度が62%であるシリカ微粉末(ワ
ッカーケミカル社製、商品名:H−2000)を1.0
重量%添加した以外は実施例1と同様にして比較例5の
粉体塗料を得た。上記粉体塗料を実施例1と同様にし
て、比較例5の塗装物を得た。
塗装物の光沢度と塗装物の機械的強度を下記の測定方法
で測定した。 (1)光沢度:日本電色社社製鏡面光度計(商品名:VG
S−SENSOR)を用い、JIS K−5400
(7.6)に準じて入射角及び反射角60度で測定し
た。 (2)耐屈曲性:JIS−K5400(8,1)に準じて
直径3mmの屈曲性を測定した。 (3)エリクセン値:JIS−K5400(8,2)に準
じて測定した。 (4)耐衝撃性:JIS−K5400(8,3,2)デュ
ポン式に準じて測定した。 上記、光沢度、機械的強度
の測定結果を表1に示した。
分な機械的強度を有しながら、低い光沢度が得られ、十
分な艶消し効果が確認された。比較例1〜5は光沢度が
高く、艶消し効果が認められなかった。
ポキシ樹脂または両者を併用したものが使用される結着
樹脂を含有する粉体粒子の表面に、疎水化度が60%以
上である疎水性シリカ微粉末を付着させることにより、
十分な機械的強度を有しかつ塗膜表面の艶を消す粉体塗
料を得ることができた。また、本発明によればその製造
方法において溶融混練時の食い込み不良による生産性の
低下、分散不良の問題を生じることがない。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリエステル樹脂もしくはエポキシ樹脂
または両者を併用したものが使用される結着樹脂を含有
する粉体粒子の表面に、疎水化度が60%以上である疎
水性シリカ微粉末が付着してなることを特徴とする粉体
塗料。 - 【請求項2】 前記疎水性シリカ微粉末の付着量が、粉
体粒子に対して0.5重量%以上2.0重量%以下であ
る請求項1記載の粉体塗料。
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---|---|---|---|
JP8141185A JP2982115B2 (ja) | 1996-05-13 | 1996-05-13 | 粉体塗料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8141185A JP2982115B2 (ja) | 1996-05-13 | 1996-05-13 | 粉体塗料 |
Publications (2)
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---|---|
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP8141185A Expired - Fee Related JP2982115B2 (ja) | 1996-05-13 | 1996-05-13 | 粉体塗料 |
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-
1996
- 1996-05-13 JP JP8141185A patent/JP2982115B2/ja not_active Expired - Fee Related
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