JP2000119561A - ポリエステル系粉体塗料組成物及びその製造方法 - Google Patents

ポリエステル系粉体塗料組成物及びその製造方法

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JP2000119561A
JP2000119561A JP29582198A JP29582198A JP2000119561A JP 2000119561 A JP2000119561 A JP 2000119561A JP 29582198 A JP29582198 A JP 29582198A JP 29582198 A JP29582198 A JP 29582198A JP 2000119561 A JP2000119561 A JP 2000119561A
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polyester resin
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Kazuki Takagi
一樹 高木
Hideo Hanai
英雄 花井
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜の表面性、耐候性、つや消し性及び粉体
塗料の流動性の全てが優れているポリエステル系粉体塗
料組成物を提供する。 【解決手段】 本粉体塗料組成物は、酸成分としてイソ
フタル酸を酸成分中60%以上含み、水酸基価10〜1
00mgKOH/gのポリエステル樹脂を100重量部
と、硬化剤としてイソシアネートを上記ポリエステル樹
脂の水酸基価の当量に対して0.5〜3.0当量と、つ
や消し剤としてポリエチレンワックスを1〜20重量部
含有する樹脂含有粉末に、平均粒子径が0.1〜5.0
μであるシリカ粒子を、上記樹脂含有粉末100重量部
に対して0.1〜2.0重量部ドライブレンドして得た
ものである。本粉体塗料組成物は、塗膜の表面性、耐候
性、つや消し性及び流動槽内での粉体塗料の流動性の全
てが優れていることから、効率的に粉体塗装を行い、諸
性能に優れた塗膜を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル系粉体
塗料組成物及びその製造方法に関し、更に詳しくは、本
発明は、良好な表面性、つや消し効果及び耐候性を有す
る塗膜を形成すると共に、優れた流動性を有するとい
う、粉体塗料に必要な諸性能を全て備えたポリエステル
系粉体塗料組成物及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は、有機溶剤などの揮発性成分
を含まず、塗膜形成成分のみを被塗物に塗着、溶融して
塗膜を形成する塗料である。粉体塗料は、従来の溶剤型
塗料と比較して、1回で厚く塗れること、付着しな
かった粉体は回収して再利用ができること、廃塗料が
少ない等の利点が認められることから、塗装の合理化、
環境対応の点より現在、自動車部品、車両あるいは家電
製品等の様々な工業用製品分野において広く使用されて
いる。
【0003】このような粉体塗料として、従来よりエポ
キシ系、塩化ビニル系、ポリオレフィン系、アクリル
系、ポリエステル系の粉体塗料が使用されている。この
中でもポリエステル系粉体塗料はバランスの取れた塗膜
性能を有する塗料として広く知られており、例えば、特
開平6−234941号公報には、酸成分としてイソフ
タル酸、アルコール成分としてネオペンチルグリコール
を主たる構成成分とし、ヒドロキシル末端基リッチのポ
リエステル樹脂を用いた長期耐候性粉体塗料用ポリエス
テル樹脂が記載されている。
【0004】このように、ポリエステル系粉体塗料は、
ワイパー等の自動車部品及び車両のように、屋外で使用
されるものに塗布されることから、耐候性がいいことが
要求される。また、ワイパーの塗膜につやがあると光が
反射しやすいく、特に夜間の降雨時にワイパーを使用す
ると、対向車のライトが反射してドライバーの視界に影
響を与える場合もあり得るので、ワイパーの塗装にはつ
や消し塗料を使用するのが一般的である。更に、粉体塗
料の塗装方法は、気流中に粉体塗料を浮遊させ、その中
にあらかじめ加熱した被塗物を浸して付着させるか、ス
プレーガンで噴霧状態にした塗料組成物をそのまま吹き
付けたり、あるいは帯電させて被塗物に付着させた後、
焼き付けを行って塗膜を形成させるものである。従っ
て、粉体塗料同士が固まったりするとうまく粉体塗装を
行うことができないので、粉体塗料には、流動槽内での
流動性がよいことも要求される。
【0005】塗膜の耐候性を向上させるために、ポリエ
ステル樹脂の酸成分としてイソフタル酸が用いることは
特開平9−272838号公報に記載されている。ま
た、従来より、塗膜のつや消し剤としてポリエチレンワ
ックス等が使用されていた。しかし、塗膜の耐候性とつ
や消し性を同時に兼ね備えるためにこの両者を混合する
と、耐候性及びつや消し性は維持される反面、粉体塗料
の流動性が悪くなるので、うまく粉体塗装を行うことが
できないという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みてなされたものであり、良好な表面性、つや消し効
果及び耐候性を有する塗膜を形成すると共に、優れた流
動性を有するという、粉体塗料に必要な諸性能を全て備
えたポリエステル系粉体塗料組成物及びその製造方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】粉体塗料においては、粒
径を小さくすることにより外観が向上することから、粉
体の微粒子化が進められており、流動性を改善するため
の無機粉体粒子についても、従来からできるだけ粒径が
小さいものが使われてきた。
【0008】これに対し、本発明者らは、上記課題を解
消すべく鋭意検討した結果、従来においては粉体塗料に
は好ましくないとして用いられてこなかった大きな粒径
であると共に、特定範囲の粒径を持つ無機粉体粒子を、
所定の性質を有するポリエステル樹脂及びポリエチレン
ワックスに添加することにより、良好な表面性、つや消
し効果及び耐候性を有する塗膜を形成すると共に、優れ
た流動性を示すことを見い出して本発明を完成した。
【0009】即ち、本第1発明のポリエステル系粉体塗
料は、ポリエステル樹脂、硬化剤及びワックスを含む樹
脂含有粉体と流動性調整用無機粉体とを含有するポリエ
ステル系粉体塗料組成物であって、上記ポリエステル
樹脂は水酸基価10〜100mgKOH/gであり、
上記硬化剤は上記ポリエステル樹脂の水酸基価の当量に
対して0.5〜3.0当量の割合で、上記樹脂含有粉体
中に配合されており、上記ワックスは上記ポリエステ
ル樹脂100重量部に対して1〜20重量部の割合で、
上記樹脂含有粉体中に配合されており、上記無機粉体
は、その平均粒子径が0.1〜5.0μであり、且つ、
上記樹脂含有粉体100重量部に対して0.1〜2.0
重量部の割合で添加されていることを特徴とする。
【0010】上記「ポリエステル樹脂」の酸成分とし
て、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族
ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸又は1,3
−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸のうち少なくと
も1種又は2種以上含むものが挙げられる。この酸成分
の中では、イソフタル酸が耐候性に優れており好適であ
る。また、イソフタル酸の含有量は、本第2発明のよう
に、酸成分中60〜100%、好ましくは70〜100
%、更に好ましくは80〜100%である。60%未満
では塗膜の耐候性が低下するので好ましくない。
【0011】上記「ポリエステル樹脂」のアルコール成
分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA等
の一般的なジオールの1種又は2種以上が挙げられる。
この中で、ネオペンチルアルコールのように水酸基のβ
位にある炭素原子に水素原子が結合していない脂肪族ジ
オールを共重合したポリエステル樹脂が耐候性がよいの
で最適である。
【0012】上記「ポリエステル樹脂」の水酸基価は1
0〜100mgKOH/g、好ましくは20〜70mg
KOH/gである。水酸基価が10mgKOH/g未満
では、塗膜の架橋密度が低くなり、塗膜強度が低くなる
ため好ましくなく、100mgKOH/gを超えると、
逆に塗膜架橋密度が高くなり過ぎ、塗膜の柔軟性が損な
われて脆くなる傾向を示すため好ましくない。
【0013】上記「硬化剤」としては、上記ポリエステ
ル樹脂に含まれている活性の水酸基と反応して硬化する
ものであればよく、例えば、イソシアネート化合物、2
以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、ポリ酸等が
挙げられる。この中では、塗膜の外観や機械的強度の点
からイソシアネート化合物が好ましく、この中で特にブ
ロックドイソシアネート化合物が好ましい。例えば、
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネー
ト等の芳香族、脂肪族若しくは脂環族イソシアネートを
ラクタム化合物等のブロック剤でブロックしたもの、又
はウレトジオン結合を有する内部ブロック型イソシア
ネート硬化剤等が挙げられる。更にこの中では、イソホ
ロンジイソシアネートをブロックしたものが特に好まし
い。
【0014】上記「硬化剤」は上記ポリエステル樹脂の
水酸基価の当量に対して0.5〜3.0当量、好ましく
は1.0〜2.0当量添加する。硬化剤を1.0当量以
上とすることにより、特に可撓性に優れた塗膜を形成す
ることができるからである。
【0015】上記「ワックス」としては、動・植物性も
しくは鉱物性の天然ワックス、又は合成ワックスを用い
ることができる。例えば、合成ワックスとしてポリエ
チレンワックス等の炭化水素系ワックス、水素化ヒマ
シ油とモノエタノールアミンとの反応によって得られる
脂肪族アミンロウ、パルミチルアルコール、ステアリ
ルアルコールのような長鎖アルコールとパルミチン酸、
ミリスチン酸のような酸との反応生成物、脂肪酸のグ
リセリドのような脂肪酸エステルワックス、グリコール
エステル等が挙げられる。天然ワックスの例としては日
本ロウ、カルナウパロウ、シェラックロウ、パラフィン
ロウ等が挙げられる。この中で炭化水素系ワックスが好
ましく、その中でも特にポリエチレンワックスを用いる
と、表面性、つや消し効果、耐候性の各特性がバランス
よくとれた、優れた粉体塗料組成物となるので好まし
い。本発明で用いられるワックスの融点は50℃以上、
好ましくは100℃以上である。融点が50℃未満では
粉体塗料自体が固まってしまうので好ましくない。
【0016】上記「ワックス」の添加量は、上記ポリエ
ステル樹脂を100重量部とする場合、1〜20重量
部、好ましくは1〜15重量部である。添加量が1重量
部未満ではつや消し効果が劣るので好ましくなく、20
重量部を越えると耐候性が悪くなってしまうので好まし
くない。
【0017】上記「無機粉体」は、流動性調整作用を有
するものであり、例えば、シリカ粉体、アルミナ粉体、
アルミナシリカ粉体、二酸化チタン粉体等を用いること
ができる。このうち中で特にシリカ粉末が好ましい。ま
た、無機粉体の親水化表面に、オルガノシラン基やオル
ガノシロキサン基等を付与して疎水化して、摩擦帯電作
用を向上させたものでもよい。この無機粉体の平均粒子
径は0.1〜5.0μ、好ましくは0.2〜3.0μで
ある。ワックスとしてポリエチレンワックスを用いた場
合、ポリエチレンワックス粒子の表面は比較的柔らかい
ので、平均粒子径が0.1μ未満の場合、無機粉体がポ
リエチレンワックス粒子内部に埋没してしまい、表面に
残らなくなることがある結果、粉体塗料組成物の流動性
が十分でない場合があるので好ましくない。一方、平均
粒子径が5.0μを越えると、形成された塗膜の表面性
の低下を招くので好ましくない。尚、粉体塗料において
通常、この用途に用いられている無機粉体の平均粒子径
は、0.005〜0.05μであり、これと比べると本
発明の無機粉体は著しく大きな粒径である。
【0018】また、上記無機粉体の添加量は、上記樹脂
含有組成物全体を100重量部とした場合、0.1〜
2.0重量部、好ましくは0.1〜1.0重量部であ
る。添加量が0.1重量部未満の場合、流動性に改善効
果がみられないことから好ましくない。一方、添加量が
2.0重量部を越えると、形成された塗膜の表面性が低
下するので好ましくない。
【0019】本第3発明の製造方法は、ポリエステル樹
脂、硬化剤及びワックスを含む原料組成物を溶融混練
し、冷却し、粉砕して樹脂含有粉末を製造し、次いで、
平均粒子径が0.1〜5.0μの流動性調整用無機粉体
を、該樹脂含有粉体100重量部に対して0.1〜2.
0重量部ドライブレンドすることを特徴とする。このよ
うに、無機粉体は樹脂含有粉末を製造した後にドライブ
レンドすることにより、樹脂含有粉体表面上に付着し、
樹脂含有粉体の流動性を改善することができる。樹脂含
有粉体製造前にブレンドすると、混合、溶融混練、冷却
という各工程を経ることにより、無機粉体は樹脂含有粉
末の表面上にうまく付着しないので好ましくない。
【0020】本発明の粉体塗料組成物には、上記成分以
外にも必要に応じてピンホール防止剤、硬化促進剤、カ
ーボンブラック、有機顔料等の着色顔料あるいはその他
の充填剤などの各種添加剤が含有されていてもよい。通
常、ピンホール防止剤としてはベンゾインが用いられ、
硬化促進剤としてはジブチルスズラウリレート等の有機
スズ化合物が用いられ、白色のベース顔料としては酸化
チタンが用いられ、充填剤としては炭酸カルシウム、硫
酸バリウム等が用いられる。
【0021】また、このようにして得られたポリエステ
ル系粉体塗料組成物は、静電塗装法や流動浸漬塗装法の
ような、従来より用いられている粉体塗装法により、被
塗物に塗装される。その結果、粉体塗料組成物の流動性
を従来品と比べて大幅に改善しつつ、従来品に劣らない
性質の塗膜を形成することから、以下に示すように実用
的で優れたものとなる。尚、試験方法は実施例で示すも
のである。即ち、光沢性試験において、60度鏡面反射
率が40%以下、好ましくは30%以下であり、更に好
ましくは25%以下である。また、耐候性試験におい
て、光沢保持率が50%以下となる時間が500時間以
上、好ましくは1000時間以上、更に好ましくは12
00時間以上である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリエステル系粉
体塗料組成物について、実施例及び比較例を挙げて具体
的に説明する。 (1)ポリエステル系粉体塗料組成物の調製 下記の成分を表1に示す重量部の割合で配合し、これを
三井三池製作所製「FMB10B型ヘンシェルミキサ
ー」で3分間乾式混合し、次いでBUSS社製エクスト
ルーダー「PR46」を用いて110℃で溶融混練した
後冷却することにより、樹脂含有粉体を調製した。 [1] ポリエステル樹脂A:日本ユピカ社製、商品名
「GV150」(水酸基価:34、テレフタル酸/ネオ
ペンチルグリコール=100/100) [2] ポリエステル樹脂B:日本ユピカ社製、商品名
「GV545」(水酸基価:33、イソフタル酸/ネオ
ペンチルグリコール=100/100) [3] イソホロンジイソシアネート(IPDI):ヒュ
ルス社製、商品名「B1530」(表1の配合量は、ポ
リエステル樹脂の水酸基価の当量に対して1.4当量の
割合で配合したことになる。) [4] スズ系硬化促進剤:共同薬品社製、商品名「KS
1B」 [5] ピンホール防止剤:大喜産業社製、商品名「ベン
ゾイン」 [6] レベリング調整剤:BASF社製、商品名「アク
ロナール4F」(ポリブチルアクリレート系) [7] ポリエチレン(PE)ワックスA:BASF社
製、商品名「ルワックスAL61」(平均分子量=70
00g/mol) [8] ポリエチレン(PE)ワックスB:BASF社
製、商品名「ルワックスAH3」(平均分子量=350
0g/mol) [9] カーボンブラック:三菱化学製、商品名「MA1
00」
【0023】次いで、上記で製造した樹脂含有粉体10
0重量部に対し、無機粉体として以下のシリカ粒子を表
1に示す重量部で、三井三池製作所製「FMB10B型
ヘンシェルミキサー」によりドライブレンドして、実施
例1〜3及び比較例1〜5のポリエステル系粉体塗料組
成物を調製した。 [10] シリカA:日本アエロジル社製、商品名「アエ
ロジル200」(平均粒子径1.7μ) [11] シリカB:シオノギ製薬社製、商品名「カープ
レックスFPS1」(平均粒子径0.012μ) [12] シリカC:シオノギ製薬社製、商品名「カープ
レックス#100」(平均粒子径7.7μ)
【0024】
【表1】
【0025】(2)性能試験 上記のようにして調製した実施例1〜3及び比較例1〜
5のポリエステル系粉体塗料組成物を用いて以下の性能
試験を行い、その結果を表1に示した。尚、以下の性能
試験では、0.8T×70×150mmのリン酸亜鉛処
理板を被塗物として、実施例及び比較例の塗料組成物を
厚さ40〜70μとなるように静電塗装法により塗装
し、200℃で20分間焼き付けを行ったサンプルによ
り評価した。 [1] 塗膜表面性 塗膜の表面状態を平滑性目視により評価した。尚、表1
において「○」は良好、「△」はやや劣る、「×」は劣
ることを表す。 [2] 光沢 JIS K5400 7.6の規定に従い、光源からの
入射角を60度として測定し、鏡面反射率(%)として
求めた。 [3] エリクセン値 JIS K5400 8.2.1に規定する定距離法
(mm)により測定した。 [4] 耐候性 JIS K5400 9.8.1の規定するサンシャイ
ンカーボンアーク灯式に従い、光沢保持率が50%以下
となる時間(h)として算出した。尚、耐候性の合格基
準値は、500時間以上とした。 [5] 流動性 実施例1〜3及び比較例1〜5のポリエステル系粉体塗
料組成物を流動タンク(日本パーカライジング製、商品
名「GX3600」)に入れ、2.0kg/cm2の流
動エアー圧で流動させて、粉体塗料組成物の流動状態を
目視により評価した。尚、表1において「○」は良好、
「△」はやや劣る、「×」は劣ることを表す。
【0026】(3)実施例の効果 表1の結果より、粉体塗料組成物中にポリエチレンワッ
クスを含まない比較例1は塗膜の表面性、耐候性、粉体
塗料組成物の流動性に優れている反面、つや消し効果は
みられない。また、シリカ粒子を含まない比較例2で
は、表面性、耐候性、つや消し性に優れている反面、粉
体塗料組成物の流動性が悪くなっている。これに対し、
ポリエチレンワックスとシリカ粒子を含む実施例2及び
3では、塗膜の表面性、耐候性、つや消し性及び粉体塗
料の流動性の全てが優れていることが分かる。また、ポ
リエステル樹脂としてテレフタル酸を用いた実施例1で
は、耐候性がイソフタル酸を用いた実施例及び比較例と
比べて低下しているものの、塗膜の良好な表面性、つや
消し性を示すと共に、エリクセン値が他の実施例及び比
較例よりも大きいことから、他の実施例及び比較例塗膜
の可撓性に優れているという特徴を有し、なおかつ優れ
た粉体塗料の流動性を示していることが分かる。
【0027】一方、シリカ粒子を含む場合でも、0.0
12μという粒子径の小さいシリカ粒子を用いた比較例
3では、実施例1〜3と同じ量を添加してもなお粉体塗
料組成物の流動性が改善されていない。比較例4のよう
に添加量を増やすことにより、ようやく粉体塗料組成物
の流動性は改善されるが、その反面、塗膜の表面性が低
下してしまっている。また、7.7μという粒子径の大
きいシリカ粒子を用いた比較例5では、実施例2及び3
と同程度のつや消し性、耐候性を有しているが、粒子径
が大きいため表面性が悪くなり、粉体塗料組成物の流動
性も実施例2及び3より低下している。以上より、塗膜
の表面性、つや消し性、耐候性及び粉体塗料組成物の流
動性という全ての性能を満たすためには、シリカ粒子を
添加する必要があるが、その粒径は小さすぎると流動性
が改善されず、大きすぎると塗膜の表面性が悪くなるた
め、特定範囲の粒径を持つシリカ粒子でなければならな
いことが分かる。
【0028】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、
本発明のポリエステル系粉体塗料は、表1に示す組成及
び配合割合に限られず、本発明の範囲内における種々の
組成及び配合割合とすることができる。
【0029】
【発明の効果】本第1発明及び第2発明のポリエステル
系粉体塗料組成物によれば、従来の発想とは逆に、従来
よりも比較的粒子径の大きい無機粉体を流動性調整剤と
して添加することにより、塗膜の表面性、耐候性、つや
消し性及び粉体塗料の流動性の全てが優れた粉体塗料組
成物とすることができる。その結果、粉体塗料が固化し
ないので粉体塗装の効率が上昇すると同時に、優れた表
面性、耐候性、つや消し性を有する塗膜を形成すること
ができるので、屋外で使用され、つや消し性が要求され
る被塗物へ、更に好適に使用することができる。特に、
ワイパー、アルミホイール等の自動車部品、ガードレー
ル、道路標識等の道路設備、アルミサッシ等の屋外建材
等に塗装することにより、本第1発明及び第2発明の粉
体塗料組成物における優れた効果、即ち、優れた表面
性、耐候性、つや消し性を顕著に発揮することができ
る。また、本第3発明のポリエステル系粉体塗料組成物
の製造方法によれば、流動性調整剤である無機粉体を樹
脂含有粉体の混合後に添加することにより、無機粉体を
効率的に樹脂含有粉体の表面上に付着させて使用するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 BA212 DD051 GA03 HA216 HA446 JA69 JB15 KA03 KA20 LA06 LA07 MA02 NA01 NA03 NA23 PA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル樹脂、硬化剤及びワックス
    を含む樹脂含有粉体と流動性調整用無機粉体とを含有す
    るポリエステル系粉体塗料組成物であって、 上記ポリエステル樹脂は水酸基価10〜100mgKO
    H/gであり、 上記硬化剤は上記ポリエステル樹脂の水酸基価の当量に
    対して0.5〜3.0当量の割合で、上記樹脂含有粉体
    中に配合されており、 上記ワックスは上記ポリエステル樹脂100重量部に対
    して1〜20重量部の割合で、上記樹脂含有粉体中に配
    合されており、 上記無機粉体は、その平均粒子径が0.1〜5.0μで
    あり、且つ、上記樹脂含有粉体100重量部に対して
    0.1〜2.0重量部の割合で添加されていることを特
    徴とするポリエステル系粉体塗料組成物。
  2. 【請求項2】 上記ポリエステル樹脂の酸成分として、
    イソフタル酸を酸成分中60%以上含むことを特徴とす
    る請求項1記載のポリエステル系粉体塗料組成物。
  3. 【請求項3】 ポリエステル樹脂、硬化剤及びワックス
    を含む原料組成物を溶融混練し、冷却し、粉砕して樹脂
    含有粉末を製造し、その後、平均粒子径が0.1〜5.
    0μの流動性調整用無機粉体を、該樹脂含有粉体100
    重量部に対して0.1〜2.0重量部ドライブレンドす
    ることを特徴とするポリエステル系粉体塗料組成物の製
    造方法。
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