JP2004292577A - プラスチック製基材用水性塗料組成物及び塗膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗膜および低極性のプラスチック製基材の両方に対して優れた密着性を発揮するメラミン硬化型水性塗料組成物を提供すること。
【解決手段】(A)酸価15〜100、水酸基価35〜200及び数平均分子量800〜10000を有するポリエステル樹脂;(B)メラミン樹脂;(C)樹脂固形分100重量部に対して0.5〜10重量部の量で、式
【化1】
R−A−SO3H
[式中、Rは炭素数8〜24のアルキル基であり、Aはフェニレン基又は酸素原子である。]で示す構造のアルキルベンゼンスルホン酸又はアルキル硫酸;及び(D)水性媒体;を含有するプラスチック製基材用水性塗料組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)酸価15〜100、水酸基価35〜200及び数平均分子量800〜10000を有するポリエステル樹脂;(B)メラミン樹脂;(C)樹脂固形分100重量部に対して0.5〜10重量部の量で、式
【化1】
R−A−SO3H
[式中、Rは炭素数8〜24のアルキル基であり、Aはフェニレン基又は酸素原子である。]で示す構造のアルキルベンゼンスルホン酸又はアルキル硫酸;及び(D)水性媒体;を含有するプラスチック製基材用水性塗料組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラスチック製基材用の水性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
塗膜には、被塗物を保護し、その外観を美しい状態に保つ機能が要求される。そのため、塗膜は被塗物に密着し、強靱で、表面は平滑である必要がある。熱硬化性樹脂組成物は加熱時に溶融して平滑な表面を形成し、熱架橋により強靱な被膜を形成する。従って、熱硬化性樹脂組成物は従来から塗料のバインダー成分として使用されてきた。
【0003】
例えば、官能基を有する樹脂に架橋剤としてメラミン樹脂を配合してなるメラミン硬化型の樹脂組成物は水に対する溶解性ないし分散性が良好であり、水性塗料のバインダーとして汎用されてきた。
【0004】
近年、環境に与える負荷を軽減するために水性塗料の使用が奨励されており、自動車塗料の分野においても中塗り塗料等の用途にメラミン硬化型の塗料が多く利用されるようになった。自動車車体は一般にスチールやアルミニウムで構成されており、極性材料に対する密着性に優れるメラミン硬化型の塗料は優れた特性の塗膜を形成することができる。
【0005】
しかしながら、メラミン硬化型の塗料はプラスチック素材のような低極性材料に対しては密着性に劣るという問題がある。特に、プラスチック素材を一旦60℃程度以上の温度に加熱した後にメラミン硬化型の塗料を塗装し、焼き付けて得られた塗膜は、基材に対する密着性が顕著に低下する。そのため、メラミン硬化型塗料はプラスチック製基材に使用することが困難になっている。
【0006】
他方、自動車業界では、車体重量を削減したり、低速時の衝撃を緩和する目的で、エンジニアリングプラスチックや汎用エンジニアリング樹脂と呼ばれるプラスチック素材で構成された自動車車体が実用化されつつある。従って、かかる車体も傷からの保護や美感維持のために塗装する必要があり、プラスチック製基材に対しても優れた密着性を発揮するメラミン硬化型塗料が望まれている。
【0007】
例えば、国際公開公報WO95/33578号公報(特許文献1)には、アミン中和基体樹脂、アミノ樹脂、及び有機スルホン酸アミン塩を含有する水性中塗り塗料が記載されている。これらはプラスチック製基材にも使用できる旨が記載されている。
【0008】
しかしながら、この水性中塗り塗料は、カチオン電着塗料、水性中塗り塗料及び水性上塗り塗料を順次塗装して仕上げる技術において、塗膜の層間付着性及びチッピング性を改善するために提供されたものである。
【0009】
塗膜は、微視的には、酸−エポキシ硬化系やポリオール−イソシアネート硬化系のような熱硬化性樹脂のマトリックスに無機、有機顔料が充填された構造を有している。熱硬化性樹脂が硬化するためには極性の官能基が多数必要であり、これらは樹脂が硬化した後もある程度樹脂中に残存している。したがって、熱硬化性樹脂の塗膜は比較的高い極性を帯びている材料といえる。
【0010】
これに対し、汎用エンジニアリング樹脂は、ナイロン66、ポリフェニルエーテル、スチレン−ブタジエン等の低極性材料でなるポリマーアロイのマトリックスにカーボン、ガラス繊維等が充填された構造を有している。かかるポリマーアロイは熱可塑性樹脂であり、硬化のための極性基は有していない。したがって、汎用エンジニアリング樹脂は比較的低極性の材料といえる。
【0011】
上記公報に記載の塗料は塗膜の層間付着性の改善を目的としているが、低極性材料であるプラスチック素材に対する密着性については考慮されていない。つまり、プラスチック製基材に対する密着性を改善するためには塗膜に対する密着性の改善とは異なる技術が要求されるが、かかる技術は上記公報には記載されていない。また、一般に、塗料を長期間貯蔵した場合にも塗膜性能が劣化しない安定性に優れたプラスチック製基材用塗料に対する要求もある。
【0012】
【特許文献1】
国際公開公報WO95/33578号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、塗膜および低極性のプラスチック製基材の両方に対して優れた密着性を発揮するとともに長時間貯蔵した後でも安定である、メラミン硬化型水性塗料組成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)酸価15〜100、水酸基価35〜200及び数平均分子量800〜10000を有するポリエステル樹脂;
(B)メラミン樹脂;
(C)樹脂固形分100重量部に対して0.5〜10重量部の量で、式
【化3】
R−A−SO3H
[式中、Rは炭素数8〜24のアルキル基であり、Aはフェニレン基又は酸素原子である。]
で示す構造のアルキルベンゼンスルホン酸又はアルキル硫酸;及び
(D)水性媒体;
を含有するプラスチック製基材用水性塗料組成物を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】
(A)ポリエステル樹脂
ポリエステル樹脂としては、メラミン硬化型熱硬化性塗料の塗膜形成樹脂として通常使用されるものを用いる。かかるポリエステル樹脂には、多価アルコール成分と多塩基酸成分とを縮合してなるオイルフリーポリエステル樹脂、または多価アルコール成分および多塩基酸成分に加えてヒマシ油、脱水ヒマシ油、桐油、サフラワー油、大豆油、アマニ油、トール油、ヤシ油など、およびそれらの脂肪酸のうち1種、または2種以上の混合物である油成分を、上記酸成分およびアルコール成分に加えて、三者を反応させて得られる油変性ポリエステル樹脂などが挙げられる。また、アクリル樹脂やビニル樹脂をグラフト化したポリエステル樹脂も使用できる。
【0016】
多価アルコール成分の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。多塩基酸の例としては無水フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などが挙げられる。必要に応じて安息香酸やt−ブチル安息香酸などの一塩基酸を併用してもよい。
【0017】
ポリエステル樹脂を調製する際には、反応成分として、更に、1価アルコール、カージュラE(商品名:シエル化学製)などのモノエポキサイド化合物、およびラクトン類(β−プロピオラクトン、ジメチルプロピオラクトン、ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、クロトラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトンなど)を併用してもよい。特にラクトン類は、多価カルボン酸および多価アルコールのポリエステル鎖へ開環付加してそれ自身ポリエステル鎖を形成し、さらには水性中塗り塗料組成物の耐チッピング性を向上するのに役立つ。これらは、全反応成分の合計重量の3〜30%、好ましくは5〜20%、特に7〜15%で含有されてよい。
【0018】
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、800〜10000、好ましくは1000〜8000である。Mnが800未満であるとポリエステル樹脂を水分散させた時の安定性が低下し、また10000を超えると樹脂の粘度が上がるため、塗料にした場合の固形分濃度が下がり、塗装作業性が低下する。
【0019】
ポリエステル樹脂の酸価は、15〜100、好ましくは20〜80である。酸価が15未満であるとポリエステル樹脂の水分散安定性が低下し、また100を超えると塗膜にした時の耐水性が低下する。
【0020】
ポリエステル樹脂の水酸基価は、35〜200、好ましくは50〜150である。水酸基価が35未満であると得られる塗膜の硬化性が低下し、また200を超えると塗膜の耐チッピング性が低下する。
【0021】
上記水性塗料組成物を中塗り塗料として用いる場合、ウレタン変性ポリエステル樹脂を用いると、耐チッピング性が優れる。上記ウレタン変性ポリエステル樹脂は、上記で例示した多価アルコール成分と多塩基酸成分とを反応させてなるポリエステル樹脂に、ポリイソシアネート化合物を反応させて得る。上記ポリイソシアネート化合物としては、例えばキシリレンジイソシアネート、メタまたはパラテトラメチルキシリレンジイソシアネートのような芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、およびこれらのビュレット化物やイソシアヌレート化物、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネートや脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。好ましくはキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートである。
【0022】
ウレタン変性ポリエステル樹脂の好ましい含有量は、上記ポリエステル樹脂100重量部に対して、10〜50重量部である。10重量部未満では、チッピング性不足となり、50重量部を超えると、複層塗膜としての塗膜硬度が不足する恐れがある。より好ましくは、ポリエステル樹脂100重量部に対して、25〜50重量部である。
【0023】
ポリエステル樹脂は、その酸価を調整し、カルボキシル基を塩基性物質で中和(例えば、50%以上)することで容易に水性化可能である。ここで用いられる塩基性物質としては、例えばアンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどがあり、このうち、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが好適である。
【0024】
(B)メラミン樹脂
メラミン樹脂は架橋剤であり、加熱されるとポリエステル樹脂に含まれる水酸基等と反応して、これを硬化させる。メラミン樹脂として具体的には、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−メチロールメラミンおよびそれらのアルキルエーテル化物(アルキルはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル等)等を挙げることができる。メラミン樹脂の好ましい数平均分子量Mnは、300〜3000であり、数平均分子量Mnが300未満では塗膜の硬化性が不十分となる恐れがあり、3000を超えると水性化が不十分となる恐れがある。より好ましくは、300〜2000である。
【0025】
メラミン樹脂の市販品としては、三井サイアナミッド社製「サイメル303」、「サイメル325」、「サイメル1156」など、三井化学社製「ユーバン20N」、「ユーバン20SB」、「ユーバン128」など、住友化学社製「スミマールM−50W」、「スミマールM−40N」、「スミマールM−30W」などの親水性メラミンおよび/または疎水性メラミン樹脂が挙げられる。
【0026】
(C)アルキルベンゼンスルホン酸又はアルキル硫酸
アルキルベンゼンスルホン酸又はアルキル硫酸は界面活性剤であり、特にプラスチック素材のような低極性材料に対する塗膜の密着性を向上させる。その理由は明確ではないが、アルキルベンゼンスルホン酸又はアルキル硫酸の長鎖アルキル基がプラスチック素材の表面上に配向し、塗膜のぬれ性を良くすることで基材表面との密着性が改良されると考える。
【0027】
アルキルベンゼンスルホン酸またはアルキル硫酸としては、式
【0028】
【化4】
R−A−SO3H
【0029】
[式中、Rは炭素数8〜24のアルキル基であり、Aはフェニレン基又は酸素原子である。]
で示す構造の化合物が好ましい。Rの炭素数が8未満ではプラスチック製基材に対する塗料のぬれ性が低下し、24を越えると塗料の経時安定性が低下する。
【0030】
アルキルベンゼンスルホン酸またはアルキル硫酸の具体例には、ノニル硫酸、ラウリル硫酸、ステアリル硫酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ステアリルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
【0031】
アルキルベンゼンスルホン酸またはアルキル硫酸は塩基性物質で中和して塩の形態で含有させることが好ましい。塩基性物質としては、水酸化ナトリウムの他ポリエステル樹脂を中和するのに用いるアミンなどを使用できる。
【0032】
(D)水性媒体
水性媒体は水を主体とするが親水性有機溶剤を併用してもよい。水としては、蒸留水、イオン交換水、脱イオン水等を水性塗料の媒体として使用してよい。水性媒体は、必要により、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、N−メチルピロリドン等の親水性有機溶剤を少量含んでよい。一般に、親水性有機溶剤は水性媒体の0〜50重量%の量で含有させてよい。
【0033】
水性塗料組成物
上記成分(A)〜(D)はクリヤー被覆組成物として調合してもよく、またそれらを顔料と共に配合し、ペイントを形成してもよい。顔料はいかなるタイプのもを用いてもよいが、通常着色顔料、体質顔料、金属顔料、雲母粒子等が用いられる。着色顔料の例としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ネーブルスイエロー、ベンジジンイエロー、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ベンガラ、カドミウムレッド、リゾールレッド、パーマネントレッド4R、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、金属フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、クロムグリーン、酸化クロム、酸化チタン等が挙げられる。体質顔料としては、炭酸バリウム、クレー、シリカ、タルク等が挙げられる。金属顔料としては、アルミニウムフレークが一般的である。雲母粒子として雲母粒子を金属酸化物、典型的には酸化鉄または酸化チタンで封入、コーティングしたもの(マイカ顔料)等が挙げられる。
【0034】
ポリエステル樹脂(A)とメラミン樹脂(B)との配合割合は、固形分比で両者の合計量に基づいてメラミン樹脂が5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%を占める割合である。メラミン樹脂の割合が5重量%以下であると硬化不良となり、耐水性が低下し、60重量%以上を越えると塗料の安定化が低下する。アルキルベンゼンスルホン酸又はアルキル硫酸(C)の固形分における配合量は樹脂固形分、すなわち、ポリエステル樹脂とメラミン樹脂との合計を100重量部とした場合に0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。アルキルベンゼンスルホン酸又はアルキル硫酸の配合量が0.5重量%未満であると、本発明の効果である密着性が低下し、10重量%を越えると逆に耐水性及び塗料の安定性が低下してくる。
【0035】
本発明の塗料組成物中には、上記成分の他に塗料に通常添加される添加剤、例えば、表面調整剤、粘性抑制剤(例えば、水不溶性粒子)、増粘剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、消泡剤等を配合してもよい。これらの配合量は当業者の公知の範囲である。
【0036】
上記成分の配合方法に特に限定はない。例えば、中和されたポリエステル樹脂水溶液、メラミン樹脂水溶液、中和されたアルキルベンゼンスルホン酸又はアルキル硫酸、及び必要に応じて顔料その他の添加剤を少量の水性媒体と共に混合し、得られるペーストに適当な濃度になるまで水性媒体を更に加えればよい。また、予め顔料を少量の他の成分(例えば、中和されたポリエステル樹脂水溶液)と混合してペースト状に調製しておき、これを残りの成分と混合してもよい。
【0037】
塗膜形成方法
得られる水性塗料組成物を用いて塗膜を形成することができる。被塗物である基材としてはプラスチック素材を用いる。例えば、エンジニアリングプラスチック素材としては、日本GEプラスチックス社製「ノニルGTX(商品名)」、住友化学社製「アートリー(商品名)」、旭化成社製「ザイロン(商品名)」、及び三菱エンジニアリングプラスチックス社製「レマロイ(商品名)」等がある。より好ましいプラスチック製基材は、このようなプラスチック素材で構成された自動車車体である。
【0038】
まず、プラスチック製基材の上に水性塗料組成物を塗布して塗布層を形成する。塗布はスプレー塗装法、及びロール塗装法等によって行なえばよい。形成された塗布層は流動しなくなるまで適当な時間乾燥させてもよい。その後、この塗布層を焼き付け硬化させる。焼き付けは、通常110〜170℃、好ましくは130〜150℃の温度で10〜40分、好ましくは20〜30分間加熱することで行われる。形成された塗膜は、通常膜厚が10〜60μm、好ましくは20〜40μmである。
【0039】
より好ましい態様では、この水性塗料組成物を中塗り塗膜の形成に用いる。例えば、上記水性塗料組成物を中塗り塗料として用いて、(1)中塗り塗膜+上塗りソリッド塗膜、(2)中塗り塗膜+上塗りベース塗膜+上塗りトップクリヤー塗膜、または(3)中塗り塗膜+上塗りソリッド塗膜+上塗りトップクリヤー塗膜、のような積層塗膜を形成することができる。
【0040】
【実施例】
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものと解してはならない。実施例中の「部」及び「%」は特に断らない限り重量基準である。
【0041】
製造例
ポリエステル樹脂の合成
【表1】
【0042】
撹拌機、温度調節機、冷却管を備えた2リットルの反応容器に表1に示す成分を仕込み、昇温した。反応により生成する水をキシレンと共沸させて除去した。
【0043】
還流開始より約2時間をかけて温度を190℃にし、カルボン酸相当の酸価が40、及び水酸基価が99になるまで撹拌と脱水を継続し、反応を終了した。さらにジメチルエタノールアミン6.0部を加え、脱イオン水113部を加えた。得られたポリエステル樹脂は数平均分子量3000であり、水溶液の不揮発分は44%であった。
【0044】
実施例1
製造例で得たポリエステル樹脂水溶液20.4部、脱イオン水10部、ニ酸化チタン(石原産業社製「CR−97」)32.4部、沈降性硫酸バリウム(堺化学社製「B−34」)17.1部、カーボンブラック(三菱化学社製「MA−100」)0.5部をペイントコンディショナーに仕込み、粒径2.0〜1.4mmのガラスビーズを加えて、室温で1時間ミル分散した。分散物を金網に通してガラスビーズを除去して顔料ペーストを得た。顔料ペーストに含まれている顔料の平均粒径は10μm以下であった。
【0045】
得られた顔料ペースト80.4部、製造例で得たポリエステル樹脂59.3部、メラミン樹脂(三井サイテック社製「マイコート723」、固形分100%)15部、表面調整剤(エアプロダクツジャパン社製「サーフィノール104E」)1.0部、表面調整剤(共栄社化学社製「ポリフローKL−245」)0.8部、表面調整剤(ビックケミー社製「BYK−381」)2.2部、及び脱イオン水10部をディスパーに仕込み、10分間撹拌して原料塗料を得た。
【0046】
ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム水溶液(日本乳化剤社製「ニューコール210」、固形分50%)1.0部を原料塗料168.7部に添加して、塗料中のドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウムの固形分含有量を、樹脂固形分(ポリエステル樹脂固形分とメラミン樹脂固形分との合計)100部に対して1部とした。
【0047】
実施例2
ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウムの固形分含有量を、樹脂固形分100部に対して2部とすること以外は実施例1と同様にして水性塗料を調製した。
【0048】
実施例3
オクチルベンゼンスルホン酸2.5部にジメチルエタノールアミン2.0部を加えて中和した後、脱イオン水5.5部を加えてオクチルベンゼンスルホン酸ジメチルエタノールアミン水溶液(不揮発分25%)を調製した。ついで、実施例1で得た原料塗料168.7部にオクチルベンゼンスルホン酸ジメチルエタノールアミン水溶液2.0部を添加して、塗料中のドデシルベンゼンスルホン酸ジメチルエタノールアミンの固形分含有量を、樹脂固形分100部に対して1部とした。
【0049】
実施例4
オクチルベンゼンスルホン酸ジメチルエタノールアミンの固形分含有量を、樹脂固形分100部に対して2部とすること以外は実施例3と同様にして水性塗料を調製した。
【0050】
実施例5
ラウリル硫酸ナトリウム2.5部にブチルジグリコール1.5部及び脱イオン水6部を加えてラウリル硫酸ナトリウム水溶液(不揮発分25%)を調製した。ついで、実施例1で得た原料塗料168.7部にラウリル硫酸ナトリウム水溶液2部を添加して、塗料中のラウリル硫酸ナトリウムの固形分含有量を、樹脂固形分100部に対して1部とした。
【0051】
実施例6
ラウリル硫酸ナトリウムの固形分含有量を、樹脂固形分100部に対して2部とすること以外は実施例5と同様にして水性塗料を調製した。
【0052】
比較例1
実施例1で得た原料塗料を水性塗料として使用した。
【0053】
比較例2
ラウリルアシッドフォスフェート5部にジメチルエタノールアミン2.0部を加えて中和した後、ブチルジグリコール(BDG)3.0部を加えて溶解させ、ラウリルアシッドフォスフェートジメチルエタノールアミンのBDG溶液(不揮発分50%)を調製した。ついで、実施例1で得た原料塗料168.7部にラウリルアシッドフォスフェートジメチルエタノールアミンのBDG溶液2部を添加して、塗料中のラウリルアシッドフォスフェートジメチルエタノールアミンの固形分含有量を、樹脂固形分100部に対して2部とした。
【0054】
比較例3
ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウムの固形分含有量を、樹脂固形分100部に対して0.25部とすること以外は実施例1と同様にして水性塗料を調製した。
【0055】
塗料の性能評価
(1)密着性試験
(1.1)中塗単膜
プラスチック製基材として、日本GEプラスチックス社製「ノニルGTX」、及び住友化学社製「アートリー」という2種類の素材を用いた。縦100mm、横50mm、及び厚さ3mmの上記プラスチック製基材を一旦190℃で30分間空焼きし、室温に冷却した。この基材に調製した水性塗料をエアスプレーを用いて塗布し、3分間セッティングし、80℃にて3分間プレヒートし、130℃にて30分間焼き付けし、そして室温まで冷却した。得られた塗膜の膜厚は25μmであった。
【0056】
この塗膜に、2mm間隔の碁盤目状に基材に達する刻み目を入れることにより、100個の独立した正方形(縦2mm、横2mm)を形成した。100個の正方形の上に粘着テープ(ニチバン社製「セロテープ(登録商標)」)を指で貼付け、塗装面から約45度の方向に素早く剥離した。100個のうちで剥がれた正方形の数を密着性の評価とした。評価結果を表2に示す。尚、評価値は0が最も密着性に優れていることを示し、100が最も劣っていることを示す。
【0057】
(1.2)複層塗膜
まず、上述のようにして2種類のプラスチック製基材の上に中塗塗膜を形成した。この塗膜の上に、水性ベース塗料(日本ペイント社製「AR−2000(商品名)」を、乾燥膜厚が15μmになるように2ステージでスプレー塗布した(上塗り塗膜の形成)。これを80℃で5分間プレヒートし、その後室温に冷却した。その上に溶剤型クリヤー塗料(日本ペイント社製「マックフローO−1801w(商品名)」)を乾燥膜厚が35μmとなるようにスプレー塗布した(クリヤー塗膜の形成)。これを140℃で30分間焼き付け硬化させて、複層塗膜を形成した。中塗単膜の場合と同様にして、得られた複層塗膜のプラスチック製基材および上塗り塗膜に対する密着性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
基材1:日本GEプラスチック社製「ノニルGTX」
基材2:住友化学社製「アートリー」
*:プラスチック製基材と中塗り塗膜の間でのみ剥がれていた。
【0059】
(2)貯蔵安定性試験
密着性試験で形成した塗膜の光沢(60゜及び20゜)を光沢計(スガ試験機社製「デジタル変角光沢計」)を用いて測定した。その後、調製した水性塗料を容器に入れ、40℃で7日間放置した。放置後の水性塗料を用いて、密着性試験と同様にして塗膜を形成し、塗膜の光沢を再度測定した。光沢値の変化を貯蔵安定性の評価とした。結果を表3に示す。尚、放置の前後で光沢値の差が少ないほど貯蔵安定性は優れている。
【0060】
【表3】
【0061】
【発明の効果】
本発明のメラミン硬化型水性塗料組成物は、塗膜および低極性のプラスチック製基材の両方に対して優れた密着性を発揮する。また、貯蔵安定性にも優れている。
【発明の属する技術分野】
本発明はプラスチック製基材用の水性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
塗膜には、被塗物を保護し、その外観を美しい状態に保つ機能が要求される。そのため、塗膜は被塗物に密着し、強靱で、表面は平滑である必要がある。熱硬化性樹脂組成物は加熱時に溶融して平滑な表面を形成し、熱架橋により強靱な被膜を形成する。従って、熱硬化性樹脂組成物は従来から塗料のバインダー成分として使用されてきた。
【0003】
例えば、官能基を有する樹脂に架橋剤としてメラミン樹脂を配合してなるメラミン硬化型の樹脂組成物は水に対する溶解性ないし分散性が良好であり、水性塗料のバインダーとして汎用されてきた。
【0004】
近年、環境に与える負荷を軽減するために水性塗料の使用が奨励されており、自動車塗料の分野においても中塗り塗料等の用途にメラミン硬化型の塗料が多く利用されるようになった。自動車車体は一般にスチールやアルミニウムで構成されており、極性材料に対する密着性に優れるメラミン硬化型の塗料は優れた特性の塗膜を形成することができる。
【0005】
しかしながら、メラミン硬化型の塗料はプラスチック素材のような低極性材料に対しては密着性に劣るという問題がある。特に、プラスチック素材を一旦60℃程度以上の温度に加熱した後にメラミン硬化型の塗料を塗装し、焼き付けて得られた塗膜は、基材に対する密着性が顕著に低下する。そのため、メラミン硬化型塗料はプラスチック製基材に使用することが困難になっている。
【0006】
他方、自動車業界では、車体重量を削減したり、低速時の衝撃を緩和する目的で、エンジニアリングプラスチックや汎用エンジニアリング樹脂と呼ばれるプラスチック素材で構成された自動車車体が実用化されつつある。従って、かかる車体も傷からの保護や美感維持のために塗装する必要があり、プラスチック製基材に対しても優れた密着性を発揮するメラミン硬化型塗料が望まれている。
【0007】
例えば、国際公開公報WO95/33578号公報(特許文献1)には、アミン中和基体樹脂、アミノ樹脂、及び有機スルホン酸アミン塩を含有する水性中塗り塗料が記載されている。これらはプラスチック製基材にも使用できる旨が記載されている。
【0008】
しかしながら、この水性中塗り塗料は、カチオン電着塗料、水性中塗り塗料及び水性上塗り塗料を順次塗装して仕上げる技術において、塗膜の層間付着性及びチッピング性を改善するために提供されたものである。
【0009】
塗膜は、微視的には、酸−エポキシ硬化系やポリオール−イソシアネート硬化系のような熱硬化性樹脂のマトリックスに無機、有機顔料が充填された構造を有している。熱硬化性樹脂が硬化するためには極性の官能基が多数必要であり、これらは樹脂が硬化した後もある程度樹脂中に残存している。したがって、熱硬化性樹脂の塗膜は比較的高い極性を帯びている材料といえる。
【0010】
これに対し、汎用エンジニアリング樹脂は、ナイロン66、ポリフェニルエーテル、スチレン−ブタジエン等の低極性材料でなるポリマーアロイのマトリックスにカーボン、ガラス繊維等が充填された構造を有している。かかるポリマーアロイは熱可塑性樹脂であり、硬化のための極性基は有していない。したがって、汎用エンジニアリング樹脂は比較的低極性の材料といえる。
【0011】
上記公報に記載の塗料は塗膜の層間付着性の改善を目的としているが、低極性材料であるプラスチック素材に対する密着性については考慮されていない。つまり、プラスチック製基材に対する密着性を改善するためには塗膜に対する密着性の改善とは異なる技術が要求されるが、かかる技術は上記公報には記載されていない。また、一般に、塗料を長期間貯蔵した場合にも塗膜性能が劣化しない安定性に優れたプラスチック製基材用塗料に対する要求もある。
【0012】
【特許文献1】
国際公開公報WO95/33578号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、塗膜および低極性のプラスチック製基材の両方に対して優れた密着性を発揮するとともに長時間貯蔵した後でも安定である、メラミン硬化型水性塗料組成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)酸価15〜100、水酸基価35〜200及び数平均分子量800〜10000を有するポリエステル樹脂;
(B)メラミン樹脂;
(C)樹脂固形分100重量部に対して0.5〜10重量部の量で、式
【化3】
R−A−SO3H
[式中、Rは炭素数8〜24のアルキル基であり、Aはフェニレン基又は酸素原子である。]
で示す構造のアルキルベンゼンスルホン酸又はアルキル硫酸;及び
(D)水性媒体;
を含有するプラスチック製基材用水性塗料組成物を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】
(A)ポリエステル樹脂
ポリエステル樹脂としては、メラミン硬化型熱硬化性塗料の塗膜形成樹脂として通常使用されるものを用いる。かかるポリエステル樹脂には、多価アルコール成分と多塩基酸成分とを縮合してなるオイルフリーポリエステル樹脂、または多価アルコール成分および多塩基酸成分に加えてヒマシ油、脱水ヒマシ油、桐油、サフラワー油、大豆油、アマニ油、トール油、ヤシ油など、およびそれらの脂肪酸のうち1種、または2種以上の混合物である油成分を、上記酸成分およびアルコール成分に加えて、三者を反応させて得られる油変性ポリエステル樹脂などが挙げられる。また、アクリル樹脂やビニル樹脂をグラフト化したポリエステル樹脂も使用できる。
【0016】
多価アルコール成分の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。多塩基酸の例としては無水フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などが挙げられる。必要に応じて安息香酸やt−ブチル安息香酸などの一塩基酸を併用してもよい。
【0017】
ポリエステル樹脂を調製する際には、反応成分として、更に、1価アルコール、カージュラE(商品名:シエル化学製)などのモノエポキサイド化合物、およびラクトン類(β−プロピオラクトン、ジメチルプロピオラクトン、ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、クロトラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトンなど)を併用してもよい。特にラクトン類は、多価カルボン酸および多価アルコールのポリエステル鎖へ開環付加してそれ自身ポリエステル鎖を形成し、さらには水性中塗り塗料組成物の耐チッピング性を向上するのに役立つ。これらは、全反応成分の合計重量の3〜30%、好ましくは5〜20%、特に7〜15%で含有されてよい。
【0018】
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、800〜10000、好ましくは1000〜8000である。Mnが800未満であるとポリエステル樹脂を水分散させた時の安定性が低下し、また10000を超えると樹脂の粘度が上がるため、塗料にした場合の固形分濃度が下がり、塗装作業性が低下する。
【0019】
ポリエステル樹脂の酸価は、15〜100、好ましくは20〜80である。酸価が15未満であるとポリエステル樹脂の水分散安定性が低下し、また100を超えると塗膜にした時の耐水性が低下する。
【0020】
ポリエステル樹脂の水酸基価は、35〜200、好ましくは50〜150である。水酸基価が35未満であると得られる塗膜の硬化性が低下し、また200を超えると塗膜の耐チッピング性が低下する。
【0021】
上記水性塗料組成物を中塗り塗料として用いる場合、ウレタン変性ポリエステル樹脂を用いると、耐チッピング性が優れる。上記ウレタン変性ポリエステル樹脂は、上記で例示した多価アルコール成分と多塩基酸成分とを反応させてなるポリエステル樹脂に、ポリイソシアネート化合物を反応させて得る。上記ポリイソシアネート化合物としては、例えばキシリレンジイソシアネート、メタまたはパラテトラメチルキシリレンジイソシアネートのような芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、およびこれらのビュレット化物やイソシアヌレート化物、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネートや脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。好ましくはキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートである。
【0022】
ウレタン変性ポリエステル樹脂の好ましい含有量は、上記ポリエステル樹脂100重量部に対して、10〜50重量部である。10重量部未満では、チッピング性不足となり、50重量部を超えると、複層塗膜としての塗膜硬度が不足する恐れがある。より好ましくは、ポリエステル樹脂100重量部に対して、25〜50重量部である。
【0023】
ポリエステル樹脂は、その酸価を調整し、カルボキシル基を塩基性物質で中和(例えば、50%以上)することで容易に水性化可能である。ここで用いられる塩基性物質としては、例えばアンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどがあり、このうち、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが好適である。
【0024】
(B)メラミン樹脂
メラミン樹脂は架橋剤であり、加熱されるとポリエステル樹脂に含まれる水酸基等と反応して、これを硬化させる。メラミン樹脂として具体的には、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−メチロールメラミンおよびそれらのアルキルエーテル化物(アルキルはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル等)等を挙げることができる。メラミン樹脂の好ましい数平均分子量Mnは、300〜3000であり、数平均分子量Mnが300未満では塗膜の硬化性が不十分となる恐れがあり、3000を超えると水性化が不十分となる恐れがある。より好ましくは、300〜2000である。
【0025】
メラミン樹脂の市販品としては、三井サイアナミッド社製「サイメル303」、「サイメル325」、「サイメル1156」など、三井化学社製「ユーバン20N」、「ユーバン20SB」、「ユーバン128」など、住友化学社製「スミマールM−50W」、「スミマールM−40N」、「スミマールM−30W」などの親水性メラミンおよび/または疎水性メラミン樹脂が挙げられる。
【0026】
(C)アルキルベンゼンスルホン酸又はアルキル硫酸
アルキルベンゼンスルホン酸又はアルキル硫酸は界面活性剤であり、特にプラスチック素材のような低極性材料に対する塗膜の密着性を向上させる。その理由は明確ではないが、アルキルベンゼンスルホン酸又はアルキル硫酸の長鎖アルキル基がプラスチック素材の表面上に配向し、塗膜のぬれ性を良くすることで基材表面との密着性が改良されると考える。
【0027】
アルキルベンゼンスルホン酸またはアルキル硫酸としては、式
【0028】
【化4】
R−A−SO3H
【0029】
[式中、Rは炭素数8〜24のアルキル基であり、Aはフェニレン基又は酸素原子である。]
で示す構造の化合物が好ましい。Rの炭素数が8未満ではプラスチック製基材に対する塗料のぬれ性が低下し、24を越えると塗料の経時安定性が低下する。
【0030】
アルキルベンゼンスルホン酸またはアルキル硫酸の具体例には、ノニル硫酸、ラウリル硫酸、ステアリル硫酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ステアリルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
【0031】
アルキルベンゼンスルホン酸またはアルキル硫酸は塩基性物質で中和して塩の形態で含有させることが好ましい。塩基性物質としては、水酸化ナトリウムの他ポリエステル樹脂を中和するのに用いるアミンなどを使用できる。
【0032】
(D)水性媒体
水性媒体は水を主体とするが親水性有機溶剤を併用してもよい。水としては、蒸留水、イオン交換水、脱イオン水等を水性塗料の媒体として使用してよい。水性媒体は、必要により、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、N−メチルピロリドン等の親水性有機溶剤を少量含んでよい。一般に、親水性有機溶剤は水性媒体の0〜50重量%の量で含有させてよい。
【0033】
水性塗料組成物
上記成分(A)〜(D)はクリヤー被覆組成物として調合してもよく、またそれらを顔料と共に配合し、ペイントを形成してもよい。顔料はいかなるタイプのもを用いてもよいが、通常着色顔料、体質顔料、金属顔料、雲母粒子等が用いられる。着色顔料の例としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ネーブルスイエロー、ベンジジンイエロー、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ベンガラ、カドミウムレッド、リゾールレッド、パーマネントレッド4R、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、金属フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、クロムグリーン、酸化クロム、酸化チタン等が挙げられる。体質顔料としては、炭酸バリウム、クレー、シリカ、タルク等が挙げられる。金属顔料としては、アルミニウムフレークが一般的である。雲母粒子として雲母粒子を金属酸化物、典型的には酸化鉄または酸化チタンで封入、コーティングしたもの(マイカ顔料)等が挙げられる。
【0034】
ポリエステル樹脂(A)とメラミン樹脂(B)との配合割合は、固形分比で両者の合計量に基づいてメラミン樹脂が5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%を占める割合である。メラミン樹脂の割合が5重量%以下であると硬化不良となり、耐水性が低下し、60重量%以上を越えると塗料の安定化が低下する。アルキルベンゼンスルホン酸又はアルキル硫酸(C)の固形分における配合量は樹脂固形分、すなわち、ポリエステル樹脂とメラミン樹脂との合計を100重量部とした場合に0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。アルキルベンゼンスルホン酸又はアルキル硫酸の配合量が0.5重量%未満であると、本発明の効果である密着性が低下し、10重量%を越えると逆に耐水性及び塗料の安定性が低下してくる。
【0035】
本発明の塗料組成物中には、上記成分の他に塗料に通常添加される添加剤、例えば、表面調整剤、粘性抑制剤(例えば、水不溶性粒子)、増粘剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、消泡剤等を配合してもよい。これらの配合量は当業者の公知の範囲である。
【0036】
上記成分の配合方法に特に限定はない。例えば、中和されたポリエステル樹脂水溶液、メラミン樹脂水溶液、中和されたアルキルベンゼンスルホン酸又はアルキル硫酸、及び必要に応じて顔料その他の添加剤を少量の水性媒体と共に混合し、得られるペーストに適当な濃度になるまで水性媒体を更に加えればよい。また、予め顔料を少量の他の成分(例えば、中和されたポリエステル樹脂水溶液)と混合してペースト状に調製しておき、これを残りの成分と混合してもよい。
【0037】
塗膜形成方法
得られる水性塗料組成物を用いて塗膜を形成することができる。被塗物である基材としてはプラスチック素材を用いる。例えば、エンジニアリングプラスチック素材としては、日本GEプラスチックス社製「ノニルGTX(商品名)」、住友化学社製「アートリー(商品名)」、旭化成社製「ザイロン(商品名)」、及び三菱エンジニアリングプラスチックス社製「レマロイ(商品名)」等がある。より好ましいプラスチック製基材は、このようなプラスチック素材で構成された自動車車体である。
【0038】
まず、プラスチック製基材の上に水性塗料組成物を塗布して塗布層を形成する。塗布はスプレー塗装法、及びロール塗装法等によって行なえばよい。形成された塗布層は流動しなくなるまで適当な時間乾燥させてもよい。その後、この塗布層を焼き付け硬化させる。焼き付けは、通常110〜170℃、好ましくは130〜150℃の温度で10〜40分、好ましくは20〜30分間加熱することで行われる。形成された塗膜は、通常膜厚が10〜60μm、好ましくは20〜40μmである。
【0039】
より好ましい態様では、この水性塗料組成物を中塗り塗膜の形成に用いる。例えば、上記水性塗料組成物を中塗り塗料として用いて、(1)中塗り塗膜+上塗りソリッド塗膜、(2)中塗り塗膜+上塗りベース塗膜+上塗りトップクリヤー塗膜、または(3)中塗り塗膜+上塗りソリッド塗膜+上塗りトップクリヤー塗膜、のような積層塗膜を形成することができる。
【0040】
【実施例】
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものと解してはならない。実施例中の「部」及び「%」は特に断らない限り重量基準である。
【0041】
製造例
ポリエステル樹脂の合成
【表1】
【0042】
撹拌機、温度調節機、冷却管を備えた2リットルの反応容器に表1に示す成分を仕込み、昇温した。反応により生成する水をキシレンと共沸させて除去した。
【0043】
還流開始より約2時間をかけて温度を190℃にし、カルボン酸相当の酸価が40、及び水酸基価が99になるまで撹拌と脱水を継続し、反応を終了した。さらにジメチルエタノールアミン6.0部を加え、脱イオン水113部を加えた。得られたポリエステル樹脂は数平均分子量3000であり、水溶液の不揮発分は44%であった。
【0044】
実施例1
製造例で得たポリエステル樹脂水溶液20.4部、脱イオン水10部、ニ酸化チタン(石原産業社製「CR−97」)32.4部、沈降性硫酸バリウム(堺化学社製「B−34」)17.1部、カーボンブラック(三菱化学社製「MA−100」)0.5部をペイントコンディショナーに仕込み、粒径2.0〜1.4mmのガラスビーズを加えて、室温で1時間ミル分散した。分散物を金網に通してガラスビーズを除去して顔料ペーストを得た。顔料ペーストに含まれている顔料の平均粒径は10μm以下であった。
【0045】
得られた顔料ペースト80.4部、製造例で得たポリエステル樹脂59.3部、メラミン樹脂(三井サイテック社製「マイコート723」、固形分100%)15部、表面調整剤(エアプロダクツジャパン社製「サーフィノール104E」)1.0部、表面調整剤(共栄社化学社製「ポリフローKL−245」)0.8部、表面調整剤(ビックケミー社製「BYK−381」)2.2部、及び脱イオン水10部をディスパーに仕込み、10分間撹拌して原料塗料を得た。
【0046】
ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム水溶液(日本乳化剤社製「ニューコール210」、固形分50%)1.0部を原料塗料168.7部に添加して、塗料中のドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウムの固形分含有量を、樹脂固形分(ポリエステル樹脂固形分とメラミン樹脂固形分との合計)100部に対して1部とした。
【0047】
実施例2
ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウムの固形分含有量を、樹脂固形分100部に対して2部とすること以外は実施例1と同様にして水性塗料を調製した。
【0048】
実施例3
オクチルベンゼンスルホン酸2.5部にジメチルエタノールアミン2.0部を加えて中和した後、脱イオン水5.5部を加えてオクチルベンゼンスルホン酸ジメチルエタノールアミン水溶液(不揮発分25%)を調製した。ついで、実施例1で得た原料塗料168.7部にオクチルベンゼンスルホン酸ジメチルエタノールアミン水溶液2.0部を添加して、塗料中のドデシルベンゼンスルホン酸ジメチルエタノールアミンの固形分含有量を、樹脂固形分100部に対して1部とした。
【0049】
実施例4
オクチルベンゼンスルホン酸ジメチルエタノールアミンの固形分含有量を、樹脂固形分100部に対して2部とすること以外は実施例3と同様にして水性塗料を調製した。
【0050】
実施例5
ラウリル硫酸ナトリウム2.5部にブチルジグリコール1.5部及び脱イオン水6部を加えてラウリル硫酸ナトリウム水溶液(不揮発分25%)を調製した。ついで、実施例1で得た原料塗料168.7部にラウリル硫酸ナトリウム水溶液2部を添加して、塗料中のラウリル硫酸ナトリウムの固形分含有量を、樹脂固形分100部に対して1部とした。
【0051】
実施例6
ラウリル硫酸ナトリウムの固形分含有量を、樹脂固形分100部に対して2部とすること以外は実施例5と同様にして水性塗料を調製した。
【0052】
比較例1
実施例1で得た原料塗料を水性塗料として使用した。
【0053】
比較例2
ラウリルアシッドフォスフェート5部にジメチルエタノールアミン2.0部を加えて中和した後、ブチルジグリコール(BDG)3.0部を加えて溶解させ、ラウリルアシッドフォスフェートジメチルエタノールアミンのBDG溶液(不揮発分50%)を調製した。ついで、実施例1で得た原料塗料168.7部にラウリルアシッドフォスフェートジメチルエタノールアミンのBDG溶液2部を添加して、塗料中のラウリルアシッドフォスフェートジメチルエタノールアミンの固形分含有量を、樹脂固形分100部に対して2部とした。
【0054】
比較例3
ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウムの固形分含有量を、樹脂固形分100部に対して0.25部とすること以外は実施例1と同様にして水性塗料を調製した。
【0055】
塗料の性能評価
(1)密着性試験
(1.1)中塗単膜
プラスチック製基材として、日本GEプラスチックス社製「ノニルGTX」、及び住友化学社製「アートリー」という2種類の素材を用いた。縦100mm、横50mm、及び厚さ3mmの上記プラスチック製基材を一旦190℃で30分間空焼きし、室温に冷却した。この基材に調製した水性塗料をエアスプレーを用いて塗布し、3分間セッティングし、80℃にて3分間プレヒートし、130℃にて30分間焼き付けし、そして室温まで冷却した。得られた塗膜の膜厚は25μmであった。
【0056】
この塗膜に、2mm間隔の碁盤目状に基材に達する刻み目を入れることにより、100個の独立した正方形(縦2mm、横2mm)を形成した。100個の正方形の上に粘着テープ(ニチバン社製「セロテープ(登録商標)」)を指で貼付け、塗装面から約45度の方向に素早く剥離した。100個のうちで剥がれた正方形の数を密着性の評価とした。評価結果を表2に示す。尚、評価値は0が最も密着性に優れていることを示し、100が最も劣っていることを示す。
【0057】
(1.2)複層塗膜
まず、上述のようにして2種類のプラスチック製基材の上に中塗塗膜を形成した。この塗膜の上に、水性ベース塗料(日本ペイント社製「AR−2000(商品名)」を、乾燥膜厚が15μmになるように2ステージでスプレー塗布した(上塗り塗膜の形成)。これを80℃で5分間プレヒートし、その後室温に冷却した。その上に溶剤型クリヤー塗料(日本ペイント社製「マックフローO−1801w(商品名)」)を乾燥膜厚が35μmとなるようにスプレー塗布した(クリヤー塗膜の形成)。これを140℃で30分間焼き付け硬化させて、複層塗膜を形成した。中塗単膜の場合と同様にして、得られた複層塗膜のプラスチック製基材および上塗り塗膜に対する密着性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
基材1:日本GEプラスチック社製「ノニルGTX」
基材2:住友化学社製「アートリー」
*:プラスチック製基材と中塗り塗膜の間でのみ剥がれていた。
【0059】
(2)貯蔵安定性試験
密着性試験で形成した塗膜の光沢(60゜及び20゜)を光沢計(スガ試験機社製「デジタル変角光沢計」)を用いて測定した。その後、調製した水性塗料を容器に入れ、40℃で7日間放置した。放置後の水性塗料を用いて、密着性試験と同様にして塗膜を形成し、塗膜の光沢を再度測定した。光沢値の変化を貯蔵安定性の評価とした。結果を表3に示す。尚、放置の前後で光沢値の差が少ないほど貯蔵安定性は優れている。
【0060】
【表3】
【0061】
【発明の効果】
本発明のメラミン硬化型水性塗料組成物は、塗膜および低極性のプラスチック製基材の両方に対して優れた密着性を発揮する。また、貯蔵安定性にも優れている。
Claims (6)
- 前記プラスチック製基材が自動車車体である請求項1記載の水性塗料組成物。
- 請求項1記載の水性塗料組成物でなるプラスチック製自動車車体用中塗り塗料組成物。
- 前記プラスチック製基材が自動車車体である請求項4記載の方法。
- (4)形成された塗膜の上に上塗り塗膜を形成する工程;
を更に包含する、請求項4又は5記載の方法。
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