JP3876590B2 - 上塗り塗料組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高硬度でかつ耐候性、加工性に優れた塗膜を与える上塗り塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
プレコート鋼板(いわゆる塗装鋼板)は亜鉛鉄板などをはじめとする金属板上に予め塗料を塗装した後、任意の形状に加工された鋼板であり、最終の用途に使用される鋼板である。これに対して予め金属板を成形加工した後に塗装する方式はポストコートと呼ばれている。プレコートはポストコートに比べ資源の節約、環境保全といった環境面や、ユーザーにおける塗装工程の短縮、低コスト化や労働環境が改善されるなど種々の利点があるところから、家電製品、建材用を中心に急速に普及してきており、今後もプレコートメタル化が拡大する傾向にある。上述のようなプレコート鋼板に用いられる塗料は塗膜形成後に用途に応じた形状に加工されるため、打ち抜き、折り曲げ、エンボスプレス、絞り加工などの種々の加工に耐え得る高度の塗膜加工性が必要とされるが、建材用などの屋外用の塗装鋼板の場合にはさらに耐候性が要求され、またエアコン室外機のように屋外使用される家電製品の場合には高度な加工性、耐候性が要求される。しかしながら、加工性と耐候性は一般的に相反する特性であり、双方の特性を両立させることは困難であった。即ち、形成される塗膜が硬ければ耐候性が良好となるが加工性が低下し、加工性に優れる塗膜は耐候性が不十分になるといった傾向を示す。このようなプレコート鋼板の要求に対し、これまで耐候性向上の手法として特開昭57−59957号公報のようにパラ−tert−ブチル安息香酸を含んでなるポリエステル樹脂を使用することが開示されている。しかしながら、パラ−tert−ブチル安息香酸はチェーンストッパーとして作用するため、多量の3官能、あるいは4官能のモノマーを用いる必要があり、加工性の低下を誘発する可能性がある。また、特開平5−262870号公報では、ポリエステル樹脂として耐候性付与機能を有する骨格をグラフト共重合させた変性ポリエステル樹脂を使用することにより耐候性が向上すると開示されている。しかしながら、該変性ポリエステルは特殊な単量体を使用する必要があり、塗料が高コストとなるため、トップコートへの使用は限定されたものとならざるを得なかった。また、加工性に関しては特開平4−366187号公報に、高分子量ポリエステル樹脂と低分子量メチルエーテル化メラミン樹脂を併用することにより加工性に優れる塗膜が得られると開示されている。しかしながら、該塗膜は加工性が優れるものの、耐候性との両立が十分にできているとは言えないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の状況に鑑みてなされたものであり、高硬度でかつ耐候性、加工性に優れた塗膜を与える上塗り塗料組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記のような課題を解決するために検討を重ねた結果、特定のポリエステル樹脂を主体樹脂とし、架橋剤として水酸基と反応できる官能基を有する化合物を用いることにより、高硬度でかつ耐候性、加工性に優れた塗膜を与える上塗り塗料組成物が得られることを見出し、上記課題を解決したものである。すなわち本発明は、不揮発成分100重量部あたり、(a)樹脂1Kg中にフタル酸骨格および/またはマレイン酸骨格を2〜3.2モルとメチレン構造10〜15モルとを主鎖中に含有し、かつアルコール成分として、一般式
(1)
【0005】
【化2】
Figure 0003876590
(式中、R1、R2は炭素数2〜20のアルキル基を示す。)で表される2価アルコールを含む原料を用い、酸成分として、アジピン酸、アゼライン酸又はセバシン酸を含む原料を用いたポリエステルポリオール樹脂10〜70重量部、(b)水酸基と反応できる官能基を有する硬化剤3〜40重量部、(c)顔料および/または充填剤10〜70重量部含有することを特徴とする上塗り塗料組成物である。また、該上塗り塗料組成物に、さらに(d)硬化触媒5重量部以下含有することを特徴とする上塗り塗料組成物である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の(a)成分であるポリエステルポリオール樹脂は、該樹脂の主鎖中にフタル酸骨格および/またはマレイン酸骨格とメチレン構造を有し、マレイン酸骨格および/またはフタル酸骨格の含有量は樹脂1Kg中に2〜3.2モル、好ましくは2.2〜3モルであり、メチレン構造の含有量は樹脂1Kg中に7〜15モル、好ましくは10〜13モルである。ここでメチレン構造は連続していても単独で存在していてもよい。これらのフタル酸骨格および/又はマレイン酸骨格とメチレン構造は(a)ポリエステルポリオール樹脂の主鎖中に存在したものであることが必要である。本発明の(a)ポリエステルポリオール樹脂中のフタル酸骨格とマレイン酸骨格は、樹脂の主鎖中に、どちらか一方のみ存在するかまたは両方存在していても良い。また本発明でマレイン酸骨格とはフマル酸骨格も含まれる。
【0007】
前記フタル酸骨格および/またはマレイン酸骨格の含有量が、樹脂1Kg中2モル未満では得られる塗膜の耐候性が低下し、3.2モルを越えると塗膜の加工性が低下する。また、耐候性に重点を置く場合にはフタル酸骨格および/またはマレイン酸骨格の含有量は2.8〜3モルの範囲内であることがより好ましく、加工性に重点を置く場合にはフタル酸骨格および/またはマレイン酸骨格が2.2〜2.4モルの範囲内であることがより好ましい。
【0008】
前記メチレン構造の含有量が7モル未満では、得られる塗膜の加工性が低下し、15モルを越えると耐候性が低下するので好ましくない。これらの範囲内であれば、要求された性能の重要度に応じてフタル酸骨格および/またはマレイン酸骨格、メチレン構造の含有量を設定することができる。
【0009】
本発明の(a)ポリエステルポリオール樹脂は、さらに樹脂の原料として、一般式(1)
【化3】
Figure 0003876590
(式中、R1、R2は炭素数2〜20のアルキル基を示す。)で表される2価アルコールを用いる。かかる2価アルコールの残基が樹脂中に導入されたことにより、結晶性が抑制されたポリエステルポリオール樹脂が得られる。
【0010】
前記一般式(1)で示される2価アルコールのR1、R2は炭素数2〜20のアルキル基から選ばれる有機基である。かかるアルキル基の具体例としては例えば、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、エチルブチル、n−ヘプチル、2−メチルヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、3−メチルブチル、n−ノニル、メチルオクチル、エチルヘプチル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル等が挙げられる。好ましいアルキル基は炭素数2〜6のアルキル基であり、具体的にはエチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、エチルブチル基等が挙げられる。好ましい一般式(1)で示される2価アルコールの具体例としては2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等を使用することができる。
【0011】
本発明の(a)ポリエステルポリオール樹脂は上記の範囲内のものであればオイルフリーポリエステル樹脂、アルキド樹脂、またはこれらの樹脂の変性物、例えばウレタン変性ポリエステル樹脂などであってもよい。
【0012】
前記オイルフリーポリエステル樹脂の構成成分である酸成分としては、例えば、無水フタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4塩化無水フタル酸などの多塩基酸、安息香酸、クロトン酸、p−tertブチル安息香酸、ラウリン酸、ペラルゴン酸、ステアリン酸等の一塩基酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の3価以上の多塩基酸などの一般にポリエステル樹脂に用いられる酸性分を用いることができる。この他に炭素数8〜18の脂肪酸、ダイマー酸等を使用することもできる。
【0013】
また、アルコール成分としては、上記一般式(1)で表される2価アルコールを必須成分とするが、それ以外に、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3,3−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート等の2価のアルコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコール等を併用することができる。この場合、全アルコール成分中の前記一般式(1)で表される2価アルコールの使用割合としては特に制限されない。
【0014】
これらの原料を使用してエステル交換法、あるいは直接エステル化法等のような常法によりオイルフリーポリエステル樹脂を製造することができる。また、上記オイルフリーポリエステル樹脂にラクトン類、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン等を常法により付加したものを用いることもできる。
【0015】
前記アルキド樹脂は前記オイルフリーポリエステル樹脂に使用可能な酸性分、アルコール成分に加え、脂肪酸、例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸等の脂肪酸を使用し、常法によりアルキド樹脂を製造することができる。
【0016】
ウレタン変性ポリエステル樹脂は、前記アルキド樹脂、又は前記オイルフリーポリエステル樹脂を合成する際に生成するポリエステルプレポリマーに含まれる水酸基に、イソシアネート化合物を常法により反応させて得ることができる。この際、使用するイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を使用することができる。
【0017】
本発明の(a)ポリエステルポリオール樹脂の必須構成要素である主鎖中のマレイン酸骨格、フタル酸骨格は、前記酸成分の内、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸およびこれらのエステル、無水マレイン酸、無水フタル酸およびこれらのハーフエステル、トリメリット酸、ピロメリット酸およびそのエステルなどを製造原料の酸成分の一部または全部として用いることにより容易に導入することができる。また樹脂製造時におけるこれらの酸成分の配合量の調整により、生成樹脂の主鎖中における必要量を容易に得ることができる。
【0018】
本発明の(a)ポリエステルポリオール樹脂の他の必須構成要素である、樹脂1Kg中の7〜15モルのメチレン構造は、前記酸成分、アルコール成分のうち酸基、アルコール基にリニアな部分に−CH2−を有したものを製造原料として用いることにより得ることができる。また該メチレン構造は酸成分、アルコール成分いずれから導入されてもよく、また単独でも連続していても良い。また該メチレン構造の主鎖中の必要量はポリエステルの製造において原料として用いる酸成分、アルコール成分の配合量の調節により容易に得ることができる。かかるメチレン構造を与える酸成分、アルコール成分のうち、酸成分の好ましい例としてはアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などがあげられる。
【0019】
本発明の(a)ポリエステルポリオール樹脂の製造方法としては塗料用として用いる通常のポリエステル樹脂、アルキド樹脂に準じて得ることができる。
【0020】
本発明の上塗り塗料組成物は、該上塗り塗料組成物の不揮発分100重量部あたり、前記(a)ポリエステルポリオール樹脂が10〜70重量部、好ましくは30〜70重量部含有することが必要である。10重量部未満では塗膜の架橋密度が不十分となり、塗膜の硬度、耐候性が低下する。また70重量部を越えると硬化性が低下するので好ましくない。
【0021】
本発明の上塗り塗料組成物における、(b)水酸基と反応できる官能基を有する硬化剤としては、アミノ樹脂とイソシアネート化合物のいずれか一方または両方を使用することができる。アミノ樹脂としては、例えば、尿素、メラミン、ベンゾグアナミン等とホルムアルデヒドとの反応で得られる樹脂、およびこれらをメタノール、ブタノール等の低級アルコールによりアルキルエーテル化したものが使用できる。具体的には、メチル化尿素樹脂、n−ブチル化尿素樹脂、メチル化メラミン樹脂、n−ブチル化メラミン樹脂、イソ−ブチル化メラミン樹脂、n−ブチル化ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられるが、加工性の点から、特に望ましいアミノ樹脂としてはメチル化メラミン樹脂、n−ブチル化メラミン樹脂である。
【0022】
また、前記イソシアネート化合物としては、一分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物またはこれらのイソシアネート基をブロック剤でブロック化した化合物であるブロック化ポリイソシアネート化合物である。前記ブロック剤は100〜200℃の範囲内で解離することができるものが好ましい。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートやこれらポリイソシアネート化合物のトリメチロールプロパンアダクトタイプ、ビュレットタイプやイソシアネートのトリマータイプ等を使用することができる。ブロック剤としてはフェノール類、アルコール類、ラクタム類、オキシム類、アミン類、活性メチレン化合物等を使用することができる。
【0023】
上記(b)水酸基と反応できる官能基を有する硬化剤は、本発明の上塗り塗料組成物の不揮発分100重量部あたり3〜40重量部、好ましくは10〜30重量部で含有することが必要である。該硬化剤が3重量部未満では塗膜の架橋密度が不十分となり、塗膜の硬度、加工性、耐候性が低下する。また40重量部を越えると、架橋密度が高くなりすぎるため塗膜の柔軟性がなくなり、加工性が低下する。
【0024】
本発明の上塗り塗料組成物は(c)成分として顔料と充填剤のいずれか一方または両方を含有する。該顔料および/または充填剤としては、シアニンブルー、シアニングリーン、アゾ系やキナクリドン系有機赤色顔料などの有機着色顔料、酸化チタン、ベンガラ、ガーボンブラック、黄鉛、各種焼成顔料などの無機着色顔料やタルク、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、カオリンなどの充填剤、その他に消泡剤、分散剤、沈降防止剤、光安定剤、表面調整剤、粘性調整剤等の各種添加剤を適宜配合することができる。
【0025】
前記(c)顔料および/または充填剤は上塗り塗料組成物の不揮発分100重量部あたり10〜70重量部、好ましくは10〜60重量部であることが必要である。該成分が10重量部未満では下地隠蔽性が不充分となり好ましくない。また70重量部を越えると塗膜の柔軟性が低下するため、塗膜の加工性が低下する。
【0026】
本発明の上塗り塗料組成物は必要により(d)成分として硬化触媒を用いることができる。該硬化触媒としては(b)成分がアミノ樹脂の場合、例えばp−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、さらにはこれらのアミン中和物などを使用することができる。中和に使用できるアミンとしては1級アミン、2級アミン、3級アミンを使用することができるが、(b)成分としてイソシアネート化合物と併用している場合はスルホン酸のアミン中和物を使用するのが好ましい。また、(b)成分がイソシアネート化合物の場合、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル酸ジオクテート等の有機金属化合物や3級アミン、4級アンモニウム塩を使用することができ、また、有機金属化合物、3級アミンを併用して使用することもできる。
【0027】
本発明の上塗り塗料組成物において前記硬化触媒を用いる場合は、該硬化触媒の配合量は上塗り塗料組成物の不揮発分100重量部あたり5重量部以下を配合する。5重量部を越えると塗料の安定性が低下するので好ましくない。
【0028】
本発明の上塗り塗料組成物を実際に使用するにあたっては、これらを有機溶剤に溶解して使用する。使用する有機溶剤としては、通常塗料用溶剤として用いられるものであれば何ら制限されるものではなく、例えば、シクロヘキサノン、ソルベッソ100、ソルベッソ150(エクソン化学株式会社製、商品名)、ブタノール、トルエン、キシレン、2−メトキシプロピルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、メチルイソブチルケトン、イソホロン、酢酸エステル類、プロピオン酸エステル類、プロピレングリコールエーテル類、脂肪族溶剤類、エチレングリコールエーテル類等が挙げられる。
【0029】
本発明の上塗り塗料組成物はボールミル、サンドグラインドミル、ディスパー等の分散混合機を用いて製造することができる。
【0030】
本発明の上塗り塗料組成物は、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム板、ステンレス板やアルミニウム亜鉛合金メッキ鋼板にそのまま塗装することが可能であるが、塗膜の付着性、耐食性を改善するために既知の金属表面処理、例えばリン酸塩系やクロメート系等の化成処理しておくことが好ましい。また塗膜の高品質化のために既知の金属表面処理プライマー塗膜を介して塗装するのがさらに好ましい。プライマーとしては被塗素材の種類、金属表面処理の種類によって適宜選択されるが、エポキシ系、ポリエステル系、アクリル系およびこれらの変性プライマーが好適であるが、加工性が特に要求される場合にはポリエステル系プライマーを使用することが好ましい。
【0031】
本発明の上塗り塗料組成物の塗装方法は何ら制限されるものではなく、例えば一般に行われている高速ロールコーター、カーテンフローコーター、スプレー塗装、もしくは浸漬塗装で塗装し、熱風乾燥炉で加熱硬化することが例示できる。通常、膜厚は5〜60μm程度で、加熱硬化時に素材到達最高温度80〜300℃で15秒〜40分の範囲、特に160〜250℃で30秒〜20分の範囲が好適である。
【0032】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明を具体的に説明する。なお、以下において部とあるのは、重量部を表す。
製造例1(オイルフリーポリエステルポリオール樹脂溶液の製造)
攪拌機、精留塔、水分離器、冷却管および温度計を備えたフラスコに、イソフタル酸380.0部、無水フタル酸60.0部、アジピン酸92.8部、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール413.3部、1,6−ヘキサンジオール30.0部、トリメチロールプロパン23.8部を仕込み、加熱、攪拌し、160℃から230℃まで、生成する縮合水を系外へ溜去させながら4時間かけて一定昇温速度で昇温させた。温度230℃に昇温したとき、キシレン15部を徐々に添加し、温度を230℃に維持して縮合反応を続けた。酸価が10になるまで縮合反応を行い、反応終了後、温度を160℃まで冷却した後、キシレン/メチルエチルケトン=50/50の混合溶剤で不揮発分約60重量%まで希釈することにより、オイルフリーポリエステルポリオール樹脂溶液A、1590部を得た。不揮発分は60.4重量%、ワニス粘度(ガードナーチューブ、25℃)はY、樹脂酸価は10.6であった。
【0033】
製造例2〜4(オイルフリーポリエステルポリオール樹脂溶液の製造)
表1に示す配合に基づき、オイルフリーポリエステルポリオール樹脂B〜Dを製造例1と同様な方法で製造した。得られた樹脂溶液の特性値を表1に示す。
【0034】
製造例5(カプロラクトン変性ポリエステルポリオール樹脂溶液の製造)
第1段反応として、攪拌機、精留塔、水分離器、冷却管および温度計を備えたフラスコに、イソフタル酸363.6部、無水フタル酸63.6部、アジピン酸59.4部、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール355.4部、1,6−ヘキサンジオール45.5部、トリメチロールプロパン21.7部を仕込み、加熱、攪拌し、160℃から230℃まで、生成する縮合水を系外へ溜去させながら4時間かけて一定昇温速度で昇温させた。温度230℃に昇温した時、キシレン15部を徐々に添加し、温度を230℃に維持して酸価が10まで縮合反応を行った。反応終了後、温度を140℃まで冷却した後、ε−カプロラクトン90.9部を添加して140℃で反応を続けた。経時サンプリングにより不揮発分を測定し、不揮発分が98重量%以上になった時点で溶剤(キシレン/メチルエチルケトン=50/50の混合溶剤)で不揮発分約60重量%まで希釈してカプロラクトン変性ポリエステルポリオール樹脂溶液H、1637.3部を得た。不揮発分は59.8重量%、ワニス粘度(ガードナーチューブ、25℃)はZ1、樹脂酸価は9.6であった。
【0035】
製造例6(イソシアネート変性ポリエステルポリオール樹脂溶液の製造)
攪拌機、冷却管および温度計を備えたフラスコに、製造例1で得られたポリエステルポリオール樹脂溶液Aを1000部仕込み、窒素ガス気流中80℃でトルエンジイソシアネート12部を滴下し反応を続けた。経時サンプリングによりIRで未反応のイソシアネート基を追跡し、イソシアネート基の吸収の消失した時点で、溶剤(キシレン/メチルエチルケトン=50/50の混合溶剤)で希釈し、不揮発分約60重量%のイソシアネート変性ポリエステルポリオール樹脂溶液Iの1012部を得た。不揮発分は61.5重量%、ワニス粘度(ガードナーチューブ、25℃)はZ1、樹脂酸価は9.2であった。
【0036】
比較製造例1〜4(オイルフリーポリエステル樹脂溶液の製造)
表1に示す配合に基づいた以外は製造例1と全く同様な方法によりオイルフリーポリエステル樹脂溶液を製造した。製造例、比較製造例で得られた樹脂溶液の特性値を表1に示す。
【0037】
製造例、比較製造例で得られた各樹脂溶液の安定性を、樹脂溶液を室温で30日間放置した時の樹脂溶液の濁り状態の有無で評価した。結果を表1に示す。ここで○は透明、×は濁り有りの結果を示す。
【0038】
【表1】
Figure 0003876590
【0039】
実施例1〜9および比較例1〜3
(上塗り塗料組成物の調製)
適当量の混合溶剤中に表2で示した上塗り塗料組成物の固形分組成に準じて、製造例、比較製造例で得たポリエステルポリオール樹脂溶液と顔料成分(CR−95:商品名、酸化チタン、石原産業(株)製)を混合し、サンドグラインドミルにて粒度が1.0μm以下になるまで分散した後、さらに硬化剤(ユーバン20SE:商品名、ブタノール変性メラミン樹脂、三井サイテック(株)製、サイメル303:商品名、メチル化メラミン樹脂、三井サイテック(株)製、コロネート2507:商品名、ヘキサメチレンジイソシアネートヌレート体のブロック化合物、日本ポリウレタン工業(株)製)と硬化触媒を混合してディスパーで攪拌し各種上塗り塗料組成物を得た。塗装作業性の点から、得られた上塗り塗料の粘度をフォードカップNo.4で100±10秒(25℃)に調整し、試験片の作成に供した。なお比較製造例4で得た樹脂溶液Jは樹脂溶液の安定性が×であったため上塗り塗料の製造に供し得なかった。
【0040】
試験片の作成方法は以下のとおりである。
(試験片の作成)
板厚0.6mmのアルミニウム亜鉛合金メッキ鋼板の表面に、クロム酸系処理液ZN−R1415A(日本パーカーライジング製)を、被膜量がクロム量換算で20〜80mg/m2(乾燥状態)になるよう予めロール塗装を行い、90℃で乾燥させた。この上にプライマー塗料[日本油脂(株)製、プレカラープライマーFX−31、登録商標]をバーコーターにて乾燥膜厚が5μmになるように塗布した後、最高到達板温200℃にて40秒間、熱風乾燥機中で焼き付けた。さらにその上に、表2で示した上塗り塗料組成物をバーコーターにて乾燥膜厚が15μmになるように塗布し、最高到達板温220℃、50秒間熱風乾燥機中で焼き付けて、合計12種類の試験片を得た。得られた試験片を用いて、以下の方法によって塗膜性能を評価した。
【0041】
(塗膜性能試験方法および評価方法)
1.鉛筆硬度
硬度測定用鉛筆(三菱ユニ)にて、一定の力で押し込み、塗面にキズがつかない硬度を芯の硬さで表す。
2.折り曲げ加工性
試験片と同一の板3枚を内側に挟み込み180度密着折り曲げ試験をした。折り曲げ部(3T部)の塗膜のクラックの発生の有無を10倍ルーペで確認し、次の基準で評価した。なお3Tとは挟み込む板が3枚であることを示すものである。
◎:全くクラックなし
○:ごくわずかクラックあり
△:若干クラックあり
×:多くのクラックあり
【0042】
3.耐候性
試験片をデューサイクル型耐候性試験機により40時間曝露した後、塗面の光沢保持率を測定し、次の基準で評価した。
◎:80%以上
○:60〜80%以上
△:60〜40%以上
×:40%以下
これらの試験結果を表2にまとめて示す。
【0043】
【表2】
Figure 0003876590
【0044】
表2より、本発明の実施例1〜9は、従来からの課題であった硬度、加工性、耐候性を両立ならしめ、従来にない優れた塗装金属板の製造を可能とする上塗り塗料組成物であることを示している。比較例1は(a)成分のポリエステルポリオール樹脂中のフタル酸骨格が2モル/kg、メチレン構造が7モル/kg未満の場合であり、塗膜の加工性は優れるが、耐候性が劣ることがわかる。比較例2はポリエステルポリオール樹脂中のメチレン構造が7モル/kg未満の場合であって、塗膜の耐候性は優れるが加工性が劣ることがわかる。比較例3はポリエステルポリオール樹脂中のフタル酸骨格が2モル/kg未満であって、さらにメチレン構造が15モル/kgを越えた場合であり、塗膜の加工性は優れるが、耐候性が劣ることがわかる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の上塗り塗料組成物を用いることにより、従来からの課題であった硬度、加工性、耐候性を両立ならしめることができ、従来にない優れた塗装金属板の製造を可能とすることができる。

Claims (3)

  1. 不揮発成分100重量部あたり、(a)樹脂1Kg中にフタル酸骨格および/またはマレイン酸骨格を2〜3.2モルとメチレン構造10〜15モルとを主鎖中に含有し、かつアルコール成分として、一般式(1)
    Figure 0003876590
    (式中、R1、R2は炭素数2〜20のアルキル基を示す。)で表される2価アルコールを含む原料を用い、酸成分として、アジピン酸、アゼライン酸又はセバシン酸を含む原料を用いたポリエステルポリオール樹脂10〜70重量部、(b)水酸基と反応できる官能基を有する硬化剤3〜40重量部、(c)顔料および/または充填剤10〜70重量部含有することを特徴とする上塗り塗料組成物。
  2. さらに(d)硬化触媒5重量部以下含有する請求項1記載の上塗り塗料組成物。
  3. (b)成分の水酸基と反応できる官能基を有する硬化剤が、アミノ樹脂および/またはイソシアネート化合物である請求項1または2記載の上塗り塗料組成物。
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