JP2001329213A - 上塗り塗料組成物 - Google Patents
上塗り塗料組成物Info
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Abstract
える上塗り塗料組成物を提供することを目的とする。 【解決手段】不揮発成分100重量部あたり、(a)樹
脂1Kg中、フタル酸骨格および/またはマレイン酸骨
格を2〜3.2モル、かつメチレン構造を7〜15モル
主鎖中に含有し、かつ一般式 【化1】 (式中、R1、R2は炭素数2〜20のアルキル基を示
す。)で表される2価アルコールを原料として用いるこ
とを特徴とするポリエステルポリオール樹脂10〜70
重量部、(b)水酸基と反応できる官能基を有する硬化
剤3〜40重量部、(c)顔料および/または充填剤1
0〜70重量部含有することを特徴とする上塗り塗料組
成物。
Description
性、加工性に優れた塗膜を与える上塗り塗料組成物に関
する。
亜鉛鉄板などをはじめとする金属板上に予め塗料を塗装
した後、任意の形状に加工された鋼板であり、最終の用
途に使用される鋼板である。これに対して予め金属板を
成形加工した後に塗装する方式はポストコートと呼ばれ
ている。プレコートはポストコートに比べ資源の節約、
環境保全といった環境面や、ユーザーにおける塗装工程
の短縮、低コスト化や労働環境が改善されるなど種々の
利点があるところから、家電製品、建材用を中心に急速
に普及してきており、今後もプレコートメタル化が拡大
する傾向にある。上述のようなプレコート鋼板に用いら
れる塗料は塗膜形成後に用途に応じた形状に加工される
ため、打ち抜き、折り曲げ、エンボスプレス、絞り加工
などの種々の加工に耐え得る高度の塗膜加工性が必要と
されるが、建材用などの屋外用の塗装鋼板の場合にはさ
らに耐候性が要求され、またエアコン室外機のように屋
外使用される家電製品の場合には高度な加工性、耐候性
が要求される。しかしながら、加工性と耐候性は一般的
に相反する特性であり、双方の特性を両立させることは
困難であった。即ち、形成される塗膜が硬ければ耐候性
が良好となるが加工性が低下し、加工性に優れる塗膜は
耐候性が不十分になるといった傾向を示す。このような
プレコート鋼板の要求に対し、これまで耐候性向上の手
法として特開昭57−59957号公報のようにパラ−
tert−ブチル安息香酸を含んでなるポリエステル樹
脂を使用することが開示されている。しかしながら、パ
ラ−tert−ブチル安息香酸はチェーンストッパーと
して作用するため、多量の3官能、あるいは4官能のモ
ノマーを用いる必要があり、加工性の低下を誘発する可
能性がある。また、特開平5−262870号公報で
は、ポリエステル樹脂として耐候性付与機能を有する骨
格をグラフト共重合させた変性ポリエステル樹脂を使用
することにより耐候性が向上すると開示されている。し
かしながら、該変性ポリエステルは特殊な単量体を使用
する必要があり、塗料が高コストとなるため、トップコ
ートへの使用は限定されたものとならざるを得なかっ
た。また、加工性に関しては特開平4−366187号
公報に、高分子量ポリエステル樹脂と低分子量メチルエ
ーテル化メラミン樹脂を併用することにより加工性に優
れる塗膜が得られると開示されている。しかしながら、
該塗膜は加工性が優れるものの、耐候性との両立が十分
にできているとは言えないのが現状である。
の状況に鑑みてなされたものであり、高硬度でかつ耐候
性、加工性に優れた塗膜を与える上塗り塗料組成物を提
供することを目的とする。
な課題を解決するために検討を重ねた結果、特定のポリ
エステル樹脂を主体樹脂とし、架橋剤として水酸基と反
応できる官能基を有する化合物を用いることにより、高
硬度でかつ耐候性、加工性に優れた塗膜を与える上塗り
塗料組成物が得られることを見出し、上記課題を解決し
たものである。すなわち本発明は、不揮発成分100重
量部あたり、(a)樹脂1Kg中にフタル酸骨格および
/またはマレイン酸骨格を2〜3.2モルとメチレン構
造を7〜15モルとを主鎖中に含有し、かつ一般式
(1)
す。)で表される2価アルコールを原料として用いるポ
リエステルポリオール樹脂10〜70重量部、(b)水
酸基と反応できる官能基を有する硬化剤3〜40重量
部、(c)顔料および/または充填剤10〜70重量部
含有することを特徴とする上塗り塗料組成物である。ま
た、該上塗り塗料組成物に、さらに(d)硬化触媒5重
量部以下含有することを特徴とする上塗り塗料組成物で
ある。
ステルポリオール樹脂は、該樹脂の主鎖中にフタル酸骨
格および/またはマレイン酸骨格とメチレン構造を有
し、マレイン酸骨格および/またはフタル酸骨格の含有
量は樹脂1Kg中に2〜3.2モル、好ましくは2.2
〜3モルであり、メチレン構造の含有量は樹脂1Kg中
に7〜15モル、好ましくは10〜13モルである。こ
こでメチレン構造は連続していても単独で存在していて
もよい。これらのフタル酸骨格および/又はマレイン酸
骨格とメチレン構造は(a)ポリエステルポリオール樹
脂の主鎖中に存在したものであることが必要である。本
発明の(a)ポリエステルポリオール樹脂中のフタル酸
骨格とマレイン酸骨格は、樹脂の主鎖中に、どちらか一
方のみ存在するかまたは両方存在していても良い。また
本発明でマレイン酸骨格とはフマル酸骨格も含まれる。
酸骨格の含有量が、樹脂1Kg中2モル未満では得られ
る塗膜の耐候性が低下し、3.2モルを越えると塗膜の
加工性が低下する。また、耐候性に重点を置く場合には
フタル酸骨格および/またはマレイン酸骨格の含有量は
2.8〜3モルの範囲内であることがより好ましく、加
工性に重点を置く場合にはフタル酸骨格および/または
マレイン酸骨格が2.2〜2.4モルの範囲内であるこ
とがより好ましい。
は、得られる塗膜の加工性が低下し、15モルを越える
と耐候性が低下するので好ましくない。これらの範囲内
であれば、要求された性能の重要度に応じてフタル酸骨
格および/またはマレイン酸骨格、メチレン構造の含有
量を設定することができる。
脂は、さらに樹脂の原料として、一般式(1)
す。)で表される2価アルコールを用いる。かかる2価
アルコールの残基が樹脂中に導入されたことにより、結
晶性が抑制されたポリエステルポリオール樹脂が得られ
る。
ルのR1、R2は炭素数2〜20のアルキル基から選ばれ
る有機基である。かかるアルキル基の具体例としては例
えば、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イ
ソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、2−
メチルブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチ
ルペンチル、エチルブチル、n−ヘプチル、2−メチル
ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、3−メ
チルブチル、n−ノニル、メチルオクチル、エチルヘプ
チル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n
−テトラデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル
等が挙げられる。好ましいアルキル基は炭素数2〜6の
アルキル基であり、具体的にはエチル、n−プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブ
チル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t
ert−ペンチル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、
イソヘキシル、3−メチルペンチル、エチルブチル基等
が挙げられる。好ましい一般式(1)で示される2価ア
ルコールの具体例としては2,2−ジエチル−1,3−
プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3
−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3
−プロパンジオール等を使用することができる。
脂は上記の範囲内のものであればオイルフリーポリエス
テル樹脂、アルキド樹脂、またはこれらの樹脂の変性
物、例えばウレタン変性ポリエステル樹脂などであって
もよい。
成分である酸成分としては、例えば、無水フタル酸、フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、テ
トラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタ
ル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4塩化無水フタル酸
などの多塩基酸、安息香酸、クロトン酸、p−tert
ブチル安息香酸、ラウリン酸、ペラルゴン酸、ステアリ
ン酸等の一塩基酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリ
ット酸等の3価以上の多塩基酸などの一般にポリエステ
ル樹脂に用いられる酸性分を用いることができる。この
他に炭素数8〜18の脂肪酸、ダイマー酸等を使用する
こともできる。
式(1)で表される2価アルコールを必須成分とする
が、それ以外に、例えばエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−
ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2−ブ
テン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
3,3−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ヒドロキシ
ピバリルヒドロキシピバレート等の2価のアルコール、
グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上の多価アル
コール等を併用することができる。この場合、全アルコ
ール成分中の前記一般式(1)で表される2価アルコー
ルの使用割合としては特に制限されない。
あるいは直接エステル化法等のような常法によりオイル
フリーポリエステル樹脂を製造することができる。ま
た、上記オイルフリーポリエステル樹脂にラクトン類、
例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、
γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロ
ラクトン、ε−カプロラクトン等を常法により付加した
ものを用いることもできる。
エステル樹脂に使用可能な酸性分、アルコール成分に加
え、脂肪酸、例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマ
ニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱
水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸等の脂肪酸を使用し、
常法によりアルキド樹脂を製造することができる。
ルキド樹脂、又は前記オイルフリーポリエステル樹脂を
合成する際に生成するポリエステルプレポリマーに含ま
れる水酸基に、イソシアネート化合物を常法により反応
させて得ることができる。この際、使用するイソシアネ
ート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート等を使用するこ
とができる。
脂の必須構成要素である主鎖中のマレイン酸骨格、フタ
ル酸骨格は、前記酸成分の内、マレイン酸、フマル酸、
フタル酸、テレフタル酸およびこれらのエステル、無水
マレイン酸、無水フタル酸およびこれらのハーフエステ
ル、トリメリット酸、ピロメリット酸およびそのエステ
ルなどを製造原料の酸成分の一部または全部として用い
ることにより容易に導入することができる。また樹脂製
造時におけるこれらの酸成分の配合量の調整により、生
成樹脂の主鎖中における必要量を容易に得ることができ
る。
脂の他の必須構成要素である、樹脂1Kg中の7〜15
モルのメチレン構造は、前記酸成分、アルコール成分の
うち酸基、アルコール基にリニアな部分に−CH2−を
有したものを製造原料として用いることにより得ること
ができる。また該メチレン構造は酸成分、アルコール成
分いずれから導入されてもよく、また単独でも連続して
いても良い。また該メチレン構造の主鎖中の必要量はポ
リエステルの製造において原料として用いる酸成分、ア
ルコール成分の配合量の調節により容易に得ることがで
きる。かかるメチレン構造を与える酸成分、アルコール
成分のうち、酸成分の好ましい例としてはアジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸などがあげられる。
脂の製造方法としては塗料用として用いる通常のポリエ
ステル樹脂、アルキド樹脂に準じて得ることができる。
料組成物の不揮発分100重量部あたり、前記(a)ポ
リエステルポリオール樹脂が10〜70重量部、好まし
くは30〜70重量部含有することが必要である。10
重量部未満では塗膜の架橋密度が不十分となり、塗膜の
硬度、耐候性が低下する。また70重量部を越えると硬
化性が低下するので好ましくない。
(b)水酸基と反応できる官能基を有する硬化剤として
は、アミノ樹脂とイソシアネート化合物のいずれか一方
または両方を使用することができる。アミノ樹脂として
は、例えば、尿素、メラミン、ベンゾグアナミン等とホ
ルムアルデヒドとの反応で得られる樹脂、およびこれら
をメタノール、ブタノール等の低級アルコールによりア
ルキルエーテル化したものが使用できる。具体的には、
メチル化尿素樹脂、n−ブチル化尿素樹脂、メチル化メ
ラミン樹脂、n−ブチル化メラミン樹脂、イソ−ブチル
化メラミン樹脂、n−ブチル化ベンゾグアナミン樹脂等
が挙げられるが、加工性の点から、特に望ましいアミノ
樹脂としてはメチル化メラミン樹脂、n−ブチル化メラ
ミン樹脂である。
は、一分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポ
リイソシアネート化合物またはこれらのイソシアネート
基をブロック剤でブロック化した化合物であるブロック
化ポリイソシアネート化合物である。前記ブロック剤は
100〜200℃の範囲内で解離することができるもの
が好ましい。ポリイソシアネート化合物としては、例え
ば、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレ
ンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート等の芳香族ジイソシアネートやこれらポリ
イソシアネート化合物のトリメチロールプロパンアダク
トタイプ、ビュレットタイプやイソシアネートのトリマ
ータイプ等を使用することができる。ブロック剤として
はフェノール類、アルコール類、ラクタム類、オキシム
類、アミン類、活性メチレン化合物等を使用することが
できる。
する硬化剤は、本発明の上塗り塗料組成物の不揮発分1
00重量部あたり3〜40重量部、好ましくは10〜3
0重量部で含有することが必要である。該硬化剤が3重
量部未満では塗膜の架橋密度が不十分となり、塗膜の硬
度、加工性、耐候性が低下する。また40重量部を越え
ると、架橋密度が高くなりすぎるため塗膜の柔軟性がな
くなり、加工性が低下する。
して顔料と充填剤のいずれか一方または両方を含有す
る。該顔料および/または充填剤としては、シアニンブ
ルー、シアニングリーン、アゾ系やキナクリドン系有機
赤色顔料などの有機着色顔料、酸化チタン、ベンガラ、
ガーボンブラック、黄鉛、各種焼成顔料などの無機着色
顔料やタルク、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、カオ
リンなどの充填剤、その他に消泡剤、分散剤、沈降防止
剤、光安定剤、表面調整剤、粘性調整剤等の各種添加剤
を適宜配合することができる。
塗り塗料組成物の不揮発分100重量部あたり10〜7
0重量部、好ましくは10〜60重量部であることが必
要である。該成分が10重量部未満では下地隠蔽性が不
充分となり好ましくない。また70重量部を越えると塗
膜の柔軟性が低下するため、塗膜の加工性が低下する。
(d)成分として硬化触媒を用いることができる。該硬
化触媒としては(b)成分がアミノ樹脂の場合、例えば
p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン
酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレ
ンジスルホン酸、さらにはこれらのアミン中和物などを
使用することができる。中和に使用できるアミンとして
は1級アミン、2級アミン、3級アミンを使用すること
ができるが、(b)成分としてイソシアネート化合物と
併用している場合はスルホン酸のアミン中和物を使用す
るのが好ましい。また、(b)成分がイソシアネート化
合物の場合、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラ
ウレート、ジオクチル酸ジオクテート等の有機金属化合
物や3級アミン、4級アンモニウム塩を使用することが
でき、また、有機金属化合物、3級アミンを併用して使
用することもできる。
化触媒を用いる場合は、該硬化触媒の配合量は上塗り塗
料組成物の不揮発分100重量部あたり5重量部以下を
配合する。5重量部を越えると塗料の安定性が低下する
ので好ましくない。
るにあたっては、これらを有機溶剤に溶解して使用す
る。使用する有機溶剤としては、通常塗料用溶剤として
用いられるものであれば何ら制限されるものではなく、
例えば、シクロヘキサノン、ソルベッソ100、ソルベ
ッソ150(エクソン化学株式会社製、商品名)、ブタ
ノール、トルエン、キシレン、2−メトキシプロピルア
セテート、エチルエトキシプロピオネート、メチルイソ
ブチルケトン、イソホロン、酢酸エステル類、プロピオ
ン酸エステル類、プロピレングリコールエーテル類、脂
肪族溶剤類、エチレングリコールエーテル類等が挙げら
れる。
サンドグラインドミル、ディスパー等の分散混合機を用
いて製造することができる。
溶融亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム板、ステンレス板や
アルミニウム亜鉛合金メッキ鋼板にそのまま塗装するこ
とが可能であるが、塗膜の付着性、耐食性を改善するた
めに既知の金属表面処理、例えばリン酸塩系やクロメー
ト系等の化成処理しておくことが好ましい。また塗膜の
高品質化のために既知の金属表面処理プライマー塗膜を
介して塗装するのがさらに好ましい。プライマーとして
は被塗素材の種類、金属表面処理の種類によって適宜選
択されるが、エポキシ系、ポリエステル系、アクリル系
およびこれらの変性プライマーが好適であるが、加工性
が特に要求される場合にはポリエステル系プライマーを
使用することが好ましい。
ら制限されるものではなく、例えば一般に行われている
高速ロールコーター、カーテンフローコーター、スプレ
ー塗装、もしくは浸漬塗装で塗装し、熱風乾燥炉で加熱
硬化することが例示できる。通常、膜厚は5〜60μm
程度で、加熱硬化時に素材到達最高温度80〜300℃
で15秒〜40分の範囲、特に160〜250℃で30
秒〜20分の範囲が好適である。
具体的に説明する。なお、以下において部とあるのは、
重量部を表す。 製造例1(オイルフリーポリエステルポリオール樹脂溶
液の製造) 攪拌機、精留塔、水分離器、冷却管および温度計を備え
たフラスコに、イソフタル酸380.0部、無水フタル
酸60.0部、アジピン酸92.8部、2,2−ジエチ
ル−1,3−プロパンジオール413.3部、1,6−
ヘキサンジオール30.0部、トリメチロールプロパン
23.8部を仕込み、加熱、攪拌し、160℃から23
0℃まで、生成する縮合水を系外へ溜去させながら4時
間かけて一定昇温速度で昇温させた。温度230℃に昇
温したとき、キシレン15部を徐々に添加し、温度を2
30℃に維持して縮合反応を続けた。酸価が10になる
まで縮合反応を行い、反応終了後、温度を160℃まで
冷却した後、キシレン/メチルエチルケトン=50/5
0の混合溶剤で不揮発分約60重量%まで希釈すること
により、オイルフリーポリエステルポリオール樹脂溶液
A、1590部を得た。不揮発分は60.4重量%、ワ
ニス粘度(ガードナーチューブ、25℃)はY、樹脂酸
価は10.6であった。
ポリオール樹脂溶液の製造) 表1に示す配合に基づき、オイルフリーポリエステルポ
リオール樹脂B〜Dを製造例1と同様な方法で製造し
た。得られた樹脂溶液の特性値を表1に示す。
ルポリオール樹脂溶液の製造) 第1段反応として、攪拌機、精留塔、水分離器、冷却管
および温度計を備えたフラスコに、イソフタル酸36
3.6部、無水フタル酸63.6部、アジピン酸59.
4部、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール3
55.4部、1,6−ヘキサンジオール45.5部、ト
リメチロールプロパン21.7部を仕込み、加熱、攪拌
し、160℃から230℃まで、生成する縮合水を系外
へ溜去させながら4時間かけて一定昇温速度で昇温させ
た。温度230℃に昇温した時、キシレン15部を徐々
に添加し、温度を230℃に維持して酸価が10まで縮
合反応を行った。反応終了後、温度を140℃まで冷却
した後、ε−カプロラクトン90.9部を添加して14
0℃で反応を続けた。経時サンプリングにより不揮発分
を測定し、不揮発分が98重量%以上になった時点で溶
剤(キシレン/メチルエチルケトン=50/50の混合
溶剤)で不揮発分約60重量%まで希釈してカプロラク
トン変性ポリエステルポリオール樹脂溶液H、163
7.3部を得た。不揮発分は59.8重量%、ワニス粘
度(ガードナーチューブ、25℃)はZ1、樹脂酸価は
9.6であった。
ルポリオール樹脂溶液の製造) 攪拌機、冷却管および温度計を備えたフラスコに、製造
例1で得られたポリエステルポリオール樹脂溶液Aを1
000部仕込み、窒素ガス気流中80℃でトルエンジイ
ソシアネート12部を滴下し反応を続けた。経時サンプ
リングによりIRで未反応のイソシアネート基を追跡
し、イソシアネート基の吸収の消失した時点で、溶剤
(キシレン/メチルエチルケトン=50/50の混合溶
剤)で希釈し、不揮発分約60重量%のイソシアネート
変性ポリエステルポリオール樹脂溶液Iの1012部を
得た。不揮発分は61.5重量%、ワニス粘度(ガード
ナーチューブ、25℃)はZ1、樹脂酸価は9.2であ
った。
テル樹脂溶液の製造) 表1に示す配合に基づいた以外は製造例1と全く同様な
方法によりオイルフリーポリエステル樹脂溶液を製造し
た。製造例、比較製造例で得られた樹脂溶液の特性値を
表1に示す。
の安定性を、樹脂溶液を室温で30日間放置した時の樹
脂溶液の濁り状態の有無で評価した。結果を表1に示
す。ここで○は透明、×は濁り有りの結果を示す。
で示した上塗り塗料組成物の固形分組成に準じて、製造
例、比較製造例で得たポリエステルポリオール樹脂溶液
と顔料成分(CR−95:商品名、酸化チタン、石原産
業(株)製)を混合し、サンドグラインドミルにて粒度
が1.0μm以下になるまで分散した後、さらに硬化剤
(ユーバン20SE:商品名、ブタノール変性メラミン
樹脂、三井サイテック(株)製、サイメル303:商品
名、メチル化メラミン樹脂、三井サイテック(株)製、
コロネート2507:商品名、ヘキサメチレンジイソシ
アネートヌレート体のブロック化合物、日本ポリウレタ
ン工業(株)製)と硬化触媒を混合してディスパーで攪
拌し各種上塗り塗料組成物を得た。塗装作業性の点か
ら、得られた上塗り塗料の粘度をフォードカップNo.
4で100±10秒(25℃)に調整し、試験片の作成
に供した。なお比較製造例4で得た樹脂溶液Jは樹脂溶
液の安定性が×であったため上塗り塗料の製造に供し得
なかった。
金メッキ鋼板の表面に、クロム酸系処理液ZN−R14
15A(日本パーカーライジング製)を、被膜量がクロ
ム量換算で20〜80mg/m2(乾燥状態)になるよ
う予めロール塗装を行い、90℃で乾燥させた。この上
にプライマー塗料[日本油脂(株)製、プレカラープラ
イマーFX−31、登録商標]をバーコーターにて乾燥
膜厚が5μmになるように塗布した後、最高到達板温2
00℃にて40秒間、熱風乾燥機中で焼き付けた。さら
にその上に、表2で示した上塗り塗料組成物をバーコー
ターにて乾燥膜厚が15μmになるように塗布し、最高
到達板温220℃、50秒間熱風乾燥機中で焼き付け
て、合計12種類の試験片を得た。得られた試験片を用
いて、以下の方法によって塗膜性能を評価した。
み、塗面にキズがつかない硬度を芯の硬さで表す。 2.折り曲げ加工性 試験片と同一の板3枚を内側に挟み込み180度密着折
り曲げ試験をした。折り曲げ部(3T部)の塗膜のクラ
ックの発生の有無を10倍ルーペで確認し、次の基準で
評価した。なお3Tとは挟み込む板が3枚であることを
示すものである。 ◎:全くクラックなし ○:ごくわずかクラックあり △:若干クラックあり ×:多くのクラックあり
曝露した後、塗面の光沢保持率を測定し、次の基準で評
価した。 ◎:80%以上 ○:60〜80%以上 △:60〜40%以上 ×:40%以下 これらの試験結果を表2にまとめて示す。
からの課題であった硬度、加工性、耐候性を両立ならし
め、従来にない優れた塗装金属板の製造を可能とする上
塗り塗料組成物であることを示している。比較例1は
(a)成分のポリエステルポリオール樹脂中のフタル酸
骨格が2モル/kg、メチレン構造が7モル/kg未満
の場合であり、塗膜の加工性は優れるが、耐候性が劣る
ことがわかる。比較例2はポリエステルポリオール樹脂
中のメチレン構造が7モル/kg未満の場合であって、
塗膜の耐候性は優れるが加工性が劣ることがわかる。比
較例3はポリエステルポリオール樹脂中のフタル酸骨格
が2モル/kg未満であって、さらにメチレン構造が1
5モル/kgを越えた場合であり、塗膜の加工性は優れ
るが、耐候性が劣ることがわかる。
により、従来からの課題であった硬度、加工性、耐候性
を両立ならしめることができ、従来にない優れた塗装金
属板の製造を可能とすることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】不揮発成分100重量部あたり、(a)樹
脂1Kg中にフタル酸骨格および/またはマレイン酸骨
格を2〜3.2モルとメチレン構造を7〜15モルとを
主鎖中に含有し、かつ一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2は炭素数2〜20のアルキル基を示
す。)で表される2価アルコールを原料として用いるポ
リエステルポリオール樹脂10〜70重量部、(b)水
酸基と反応できる官能基を有する硬化剤3〜40重量
部、(c)顔料および/または充填剤10〜70重量部
含有することを特徴とする上塗り塗料組成物。 - 【請求項2】さらに(d)硬化触媒5重量部以下含有す
る請求項1記載の上塗り塗料組成物。 - 【請求項3】(b)成分の水酸基と反応できる官能基を
有する硬化剤が、アミノ樹脂および/またはイソシアネ
ート化合物である請求項1または2記載の上塗り塗料組
成物。
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WO2018084062A1 (ja) * | 2016-11-04 | 2018-05-11 | Dic株式会社 | ポリエステルポリオール樹脂及び塗料 |
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2000
- 2000-05-19 JP JP2000149107A patent/JP3876590B2/ja not_active Expired - Fee Related
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