JP2980263B2 - アルカリ電池用セパレーター - Google Patents

アルカリ電池用セパレーター

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JP2980263B2 JP26720491A JP26720491A JP2980263B2 JP 2980263 B2 JP2980263 B2 JP 2980263B2 JP 26720491 A JP26720491 A JP 26720491A JP 26720491 A JP26720491 A JP 26720491A JP 2980263 B2 JP2980263 B2 JP 2980263B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリマンガン電
池、酸化銀電池等の負極活物質として亜鉛を用いるアル
カリ電池のセパレーターに関するものであり、さらには
亜鉛負極に水銀を無添加としたアルカリ電池の、寿命の
向上、内部短絡の防止等の電池性能を向上させるアルカ
リ電池用セパレーターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ電池用セパレーターに要求され
る性能としては、耐アルカリ性、電解液吸液性、セパレ
ート性等が挙げられる。耐アルカリ性とは、電解液とし
て用いられる水酸化カリウム水溶液等のアルカリに対し
てセパレーターが変質、溶出等を起こさないことであ
り、これに欠けると電池反応に悪影響を及ぼしたり、セ
パレーターの劣化により電池の両極間に内部短絡を起こ
したりする弊害を生じる。電池液吸液性とは、電池反応
に必要な電解液を充分に含むことであり、これに欠ける
と電池反応が阻害され、アルカリ電池の特徴である大電
流を取り出せなくなるという弊害を生じる。セパレート
性とは、微細かつ均一な細孔を有することであり、これ
に欠けると電池反応で生成する導電性の酸化亜鉛の針状
結晶がセパレーターを貫通し、内部短絡を起こす弊害を
生じる。
【0003】従来のアルカリマンガン電池用セパレータ
ーは上記の性能を満たすべく、様々な検討がなされたき
た。例えば、電解液吸液性を高めるために、特公昭53
−11059号公報に記載されているような、ポリビニ
ルアルコール系繊維と親水性繊維を組み合わせた湿式不
織布であり、また例えばセパレート性を高めるために、
特開昭62−154559号公報に記載されているよう
な、0.8デニール以下のポリビニルアルコール系繊維
とセルロース系繊維を組み合わせたものである。
【0004】しかるに近年、亜鉛の自己放電反応を抑制
するために負極に添加されている水銀が、環境保護を目
的に年々低下が図られ、1985年以前には亜鉛に対し
て9.0重量%添加されていたものが1987年には
1.5重量%となり、さらに1992年には水銀が無添
加となることが決定している。水銀の添加率が低下する
にしたがって、生成する酸化亜鉛を水銀アマルガム化で
きないために、電解液への溶解度を越えて発生する酸化
亜鉛の針状結晶量が多くなり、さらにそれが微細化する
ために、電池の内部短絡が起こり易くなる傾向にある。
また、電解液への酸化亜鉛の溶解量が多くなることで電
池反応が阻害されるため、終止電圧に至るまでの電池寿
命が低下する傾向にある。
【0005】したがって、現状の水銀添加率が亜鉛に対
して1.5重量%となるまでに、さらに高度なセパレー
ト性と電解液吸液性を有したセパレーターの検討が種々
行われてきた。例えば、特開平1−146249号公報
に記載されているような、0.5デニール以下のポリビ
ニルアルコール系繊維を主体としたものである。しかし
ながら、これは使用する繊維を細くすることによって、
極めて良好なセパレート性が得られ、水銀添加率が亜鉛
に対して1.5重量%の場合にも内部短絡は起こさない
ものの、セパレーターの密度が高くなるため電解液吸液
性が低下し、組み合わせてあるセルロース系繊維の膨潤
を考慮しても電解液量が不足するものであった。
【0006】これを解決する手段として、特開平2−1
19049号公報に記載されているような、叩解可能な
耐アルカリ性セルロース繊維と合成繊維とを混抄してな
るセパレーターが検討された。これはセルロース系繊維
を叩解して微細化し、セパレーターを緻密化することに
よって、水銀添加率が亜鉛に対して1.5重量%の場合
にもセパレート性に優れ、かつセルロース系繊維自体の
膨潤のために電解液吸液性にも優れるものであった。し
かしながら、水銀を無添加とした亜鉛負極を用いた場合
には、先に述べたように酸化亜鉛針状結晶の量の増大と
微細化、電解液への溶解量増大の傾向が水銀添加率1.
5重量%の場合よりも一段と大きくなるため、上記のセ
パレーターをもってしてもセパレート性、電解液吸液性
が不充分なものであった。
【0007】以上のように、水銀無添加の亜鉛負極を用
いたアルカリ電池において、セパレート性と電解液吸液
性の両方を満たすアルカリ電池用セパレーターは現在ま
で得られていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、亜鉛負極に
水銀を無添加としたアルカリ電池において、内部短絡を
起こさず、終止電圧に至る電池寿命を向上させ、さらに
電力量を低下させないアルカリ電池とするために、セパ
レート性と電解液吸液性の両方に優れ、かつ膨潤度と電
池の内部抵抗の低いアルカリ電池用セパレーターを提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ポリノ
ジックレーヨンとポリビニルアルコール系繊維とを主体
繊維とし、該主体繊維にポリビニルアルコール系バイン
ダーを混抄抄紙してなるアルカリ電池用セパレーターで
あって、CSFの値が300〜700mlであり叩解後
の単繊維直径が5〜9μmであるポリノジックレーヨン
を全主体繊維に対して75〜55重量%と、単繊維デニ
ールが0.4デニール以下のポリビニルアルコール系繊
維を全主体繊維に対して25〜45重量%含み、かつポ
リビニルアルコール系バインダーと全主体繊維の重量比
を10/90〜20/80とすることを特徴とするアル
カリ電池用セパレーターによって達成される。
【0010】本発明に用いるポリノジックレーヨンは、
ビスコースを高重合度低酸法で紡糸したものであり、ビ
ーター、リファイナー等で叩解することにより繊維の軸
方向に表面より剥離し、フィブリルを生成することが知
られている(特公昭38−3952号公報)。この様
に、繊維の形態を保ち、表面の剥離によりフィブリルを
生成し、さらに叩解後の単繊維直径が定められた範囲に
あることが、以下に述べるように水銀を無添加としたア
ルカリ電池用セパレーターとして極めて有効である。
【0011】第一に、反応に有効な電解液が、終止電圧
に至るまでセパレーターに充分に保持されることであ
る。これは、通常のセパレーターの場合には、電解液の
大部分を繊維間の空隙に保持しているため、使用中に電
解液が負極のゲル剤の方に移動する傾向にあり、反応に
必要な電解液が枯渇し、大電流放電が阻害される弊害が
あるのに対し、本発明の叩解したポリノジックレーヨン
を用いた場合には、フィブリル間に電解液が強固に保持
されるため、負極ゲル剤への移動が起こりにくく、終止
電圧に至るまで両極とセパレーターの界面に充分な量の
電解液が存在し、反応が円滑に進行することである。し
たがって、本発明に用いるポリノジックレーヨンの叩解
度としては、CSFで700mlより大きいと電解液を
保持するのに充分なフィブリルが生成しないこと、また
300ml未満であると次に述べる電池の内部抵抗が上
昇することから、CSFで300〜700ml、より好
ましくは400〜600ml、さらに好ましくは500
〜550mlである。
【0012】第二に、電池の内部抵抗の上昇を抑制する
ことである。叩解可能なセルロース系繊維、例えば麻パ
ルプ、コットンリンターパルプ、木材パルプ等を用いた
場合は、上記に述べたようにCSFを300〜700m
lに叩解した際に、同叩解度のポリノジックレーヨンの
フィブリルと同様に微細パルプ間に電解液を強固に保持
させ、電解液の負極への移動を起こりにくくすることは
可能であるが、これらのセルロース系繊維は叩解によっ
て単に繊維が細分化されるだけのものであるため、セパ
レーターの密度が増加し電池の内部抵抗を上昇させる弊
害を生じる。これに対して本発明の叩解したポリノジッ
クレーヨンを用いる場合は、繊維の主骨格がセパレータ
ーを構成し、適度な空隙を有する形態のため、セパレー
ターの密度は増加せず、電池の内部抵抗は上昇しない。
したがって、本発明に用いるポリノジックレーヨンの叩
解後の単繊維直径としては、5μm未満であるとセパレ
ーターの密度が増加して電池の内部抵抗が上昇すること
から、5μm以上である。
【0013】第三に、ポリノジックレーヨンの叩解後の
単繊維直径の上限を定めることにより、極めて良好なセ
パレート性が得られることである。ポリノジックレーヨ
ンの直径を5μm未満と細くすると、繊維の耐アルカリ
性が不足し、電解液中での繊維形態保持が不能となるた
め、ポリノジックレーヨンによってセパレート性を得る
ことはできない。本発明では、後に述べるようにポリビ
ニルアルコール系繊維が従来検討されたことのない0.
4デニール以下のものであり、セパレート性は主にこれ
によって決定される。しかしながらポリノジックレーヨ
ンの直径が9μmを越えると、セパレート性を阻害する
傾向が生じてくるため、本発明に用いる叩解後のポリノ
ジックレーヨンの単繊維直径は9μm以下、より好まし
くは7μm以下であり、上記と合わせると5〜9μm、
より好ましくは5〜7μmである。
【0014】さらに、セパレーターの膨潤度が小さく、
負極ゲル剤が多く充填できることである。これは、通常
セルロース系繊維をセパレーターに用いた場合は、電解
液によって繊維が膨潤するために、セパレーターとして
も膨潤度が大きくなり、電池を作成する際に、負極ゲル
剤の充填量が減るために、電力量が減少するという弊害
を生じる。叩解可能なセルロース系繊維、例えば麻パル
プ、コットンリンターパルプ、木材パルプ等を用いた場
合も、これらは叩解により単に細分化するのみで、それ
らが絡合してもセパレーターとしての膨潤を抑えること
は出来ないが、本発明の叩解したポリノジックレーヨン
を用いた場合には、フィブリルが絡合してセパレーター
を構成する繊維主骨格を支えるために、繊維としては膨
潤するものの、セパレーターとしては膨潤度が低く抑え
られる傾向にあることである。
【0015】次に、本発明ではポリビニルアルコール系
繊維のデニールを定めているが、先に述べたように、亜
鉛負極に対して水銀を無添加とした場合は、1.5重量
%添加されている場合と比較して、極めて高度なセパレ
ート性が要求されるため、少なくとも特開平1−146
249号公報に記載されているように、0.5デニール
以下のポリビニルアルコール系繊維とすることが必要で
ある。しかしながら、単に繊維を細くするだけでは、電
解液吸液性の低下や電池の内部抵抗の増加を招くため、
好ましくない。ここに於いて、今まで述べてきたように
叩解したポリノジックレーヨンと組み合わせることによ
って始めて細いデニールの繊維を使用する意味が生じて
くる。即ち、叩解したポリノジックレーヨンによって電
解液吸液性、電池の内部抵抗低下を満たすため、ポリビ
ニルアルコール系繊維は0.5デニールよりもさらに細
い0.4デニール以下とすることによっても、電解液吸
液性の低下、電池の内部抵抗の上昇を起こすことなく、
0.5デニールの場合よりもさらに高度なセパレート性
が得られ、水銀無添加の場合でも内部短絡を起こすこと
がない。膨潤度についても、先に述べたように叩解した
ポリノジックレーヨンを用いることにより、セパレータ
ーの膨潤を抑える傾向にはあるが、それのみでは不充分
である。そこでポリノジックレーヨンよりも耐電解液性
に優れるポリビニルアルコール系繊維を混抄することに
よって、セパレーターの骨格を形成させ、膨潤度を抑え
ることができる。特に、従来用いられてきたような太い
デニールのものでは、同じ混抄率では本数が少なくなる
ため効果は少ないが、細くすることによって少ない混抄
率で効果が大きく、またそうすることにより、電解液保
持材としての叩解したポリノジックレーヨンの混抄率を
増加させることができる。したがって、本発明に用いる
ポリビニルアルコール系繊維は0.4デニール以下であ
る。
【0016】本発明に用いる叩解したポリノジックレー
ヨンの全主体繊維に対する混抄率としては、75重量%
以上であると0.4デニール以下のポリビニルアルコー
ル系繊維の混抄率が減少してセパレート性が低下するこ
と、及び膨潤度が大きくなること、55重量%以下であ
ると電解液吸液性が低下すること、及び内部抵抗が上昇
することから、75〜55重量%、より好ましくは70
〜60重量%、さらに好ましくは68〜63重量%であ
る。
【0017】本発明のセパレータを構成する主体繊維と
しては、上記で述べてきたように、セパレート性、電解
液吸液性、電池の内部抵抗低下、低膨潤性の点から、叩
解したポリノジックレーヨンとポリビニルアルコール系
繊維のみとするのが好ましい。本発明の0.4デニール
以下のポリビニルアルコール系繊維の全主体繊維に対す
る混抄率としては、25〜45重量%、より好ましくは
30〜40重量%である。
【0018】本発明のセパレーターの製造方法について
は、ポリノジックレーヨンを所定のCSFまで叩解し、
これと0.4デニール以下のポリビニルアルコール系繊
維とを混合し、さらにバインダーを加えて水中で分散さ
せ、通常の湿式抄造を行う。
【0019】本発明に用いるポリノジックレーヨンの叩
解方法としては、通常用いられるビーター、ダブルディ
スクリファイナー等によると、金属によって繊維が激し
く擦られるために、繊維の主骨格が切断される弊害が生
じる。この場合、CSFとしては低下しても、見掛けの
叩解が進むだけであるため、実際には有効なフィブリル
が生成しない。本発明者らの検討によれば、叩解は刃を
潰したパルパーと歯間隔をポリノジックレーヨンの繊維
長に合わせたファイバライザー(高速離解機)を組み合
わせて用いると、金属同志の接触を避けながら、内部乱
流と剪断作用による叩解を行うことにより、繊維主骨格
の切断を起こさず、繊維の軸方向に表面からの剥離によ
る比較的長いフィブリルを生成するため、ピーター、ダ
ブルディスクリファイナー等による叩解と比較して極め
て有効な叩解方法であることが明らかとなった。
【0020】本発明に用いるバインダーとしては、耐電
解液性の点から、ポリビニルアルコール系バインダーで
ある。形態としては、繊維状、粉末状、溶液状のものが
あるが、湿式抄造によってセパレーターを製造する場合
には、繊維状バインダーであることが好ましい。これ
は、ポリビニルアルコール系バインダーが粉末状、溶液
状であった場合、セパレーターの紙力を発現させるため
にはこれらが溶解する必要があるが、この際にポリビニ
ルアルコールが被膜を形成して、セパレーターの繊維間
の空隙を塞ぐため、電解液吸液性の低下、電池の内部抵
抗の上昇が起こる。これに対して、繊維状バインダーを
用いた場合は、通常の使用法、つまり完全に溶解させた
場合には上と同じ現象が起こり好ましくないが、乾燥前
持こみ水分率を下げる、あるいは乾燥温度を下げる等の
手段により、バインダーを完全に溶解させず、繊維形態
を残したままバインダー繊維と主体繊維との交点のみの
点接着とさせた場合には、電解液吸液性の低下、電池の
内部抵抗の上昇を招くことなくセパレーターの強力を上
げることができるためである。
【0021】バインダーの添加量としては、ポリビニル
アルコール系バインダーと全主体繊維の重量比が10/
90よりも少ないと、必要なセパレーターの強力が得ら
れないこと、また20/80よりも多いと電池性能に有
効な主体繊維の量が少なくなることから、10/90〜
20/80とすることが必要である。
【0022】
【実施例】本発明の実施態様及び効果を以下の実施例に
より、さらに詳しく説明する。なお、実施例中で用いた
CSFはJIS P8121に記載された方法にしたが
って測定した。また光学顕微鏡観察により、叩解後のポ
リノジックレーヨンは繊維主骨格が残存し、そこからフ
ィブリルが生成している形態であったため、叩解後の単
繊維直径は、光学顕微鏡観察により繊維主骨格の部分の
太さを測定した。
【0023】実施例1: 0.5デニール、2mmのポ
リノジックレーヨンをパルパーとファイバライザーにて
叩解し、CSF 450mlとした。この繊維の叩解後
の単繊維直径は5μmであり、繊維主骨格の切断が若干
観察された。この繊維を全主体繊維に対して59重量%
と、0.3デニール、2mmのポリビニルアルコール系
繊維を全主体繊維に対して41重量%となるように混合
し、さらに全主体繊維と1.0デニール、3mmのポリ
ビニルアルコール系繊維状バインダーの重量比を85/
15となるようにスラリーを調整した。このスラリーを
丸網抄紙機にて抄紙し、坪量30.5g/m↑2、厚さ
0.095mmのセパレーターを得た。これはポリビニ
ルアルコール系繊維状バインダーが半溶解状態で、繊維
の形態が残っているものであった。
【0024】実施例2: 0.5デニール、2mmのポ
リノジックレーヨンをパルパーとファイバライザーにて
叩解し、CSF 450mlとした。この繊維の叩解後
の単繊維直径は5μmであり、繊維主骨格の切断が若干
観察された。この繊維を全主体繊維に対して65重量%
と、0.3デニール、2mmのポリビニルアルコール系
繊維を全主体繊維に対して35重量%となるように混合
し、さらに全主体繊維と1.0デニール、3mmのポリ
ビニルアルコール系繊維状バインダーの重量比を85/
15となるようにスラリーを調整した。このスラリーを
丸網抄紙機にて抄紙し、坪量31.5g/m↑2、厚さ
0.100mmのセパレーターを得た。これはポリビニ
ルアルコール系繊維状バインダーが半溶解状態で、繊維
の形態が残っているものであった。
【0025】実施例3:0.5デニール、2mmのポリ
ノジックレーヨンをパルパーとファイバライザーにて叩
解し、CSF 550mlとした。この繊維の叩解後の
単繊維直径は6μmであり、繊維主骨格の切断はほぼ観
察されなかった。この繊維を全主体繊維対して65重量
%と、0.3デニール、2mmのポリビニルアルコール
系繊維を全主体繊維に対して35重量%となるように混
合し、さらに全主体繊維と1.0デニール、3mmのポ
リビニルアルコール系繊維状バインダーの重量比を85
/15となるようにスラリーと調整した。このスラリー
を丸網抄紙機にて抄紙し、坪量29.9g/m2、厚さ
0.092mmのセパレーターを得た。これはポリビニ
ルアルコール系繊維状バインダーが半溶解状態で繊維の
形態が残っているものであった。
【0026】比較例1: 2.0デニール、5mmのポ
リノジックレーヨンをパルパーとファイバライザーにて
叩解し、CSF 550mlとした。この繊維の叩解後
の単繊維直径は12μmであり、繊維主骨格の切断が半
数ほど観察された。この繊維を全主体繊維に対して65
重量%と、0.3デニール、2mmのポリビニルアルコ
ール系繊維を全主体繊維に対して35重量%となるよう
に混合し、さらに全主体繊維と1.0デニール、3mm
のポリビニルアルコール系繊維状バインダーの重量比を
85/15となるようにスラリーを調整した。このスラ
リーを丸網抄紙機にて抄紙し、坪量35.1g/m↑
2、厚さ0.097mmのセパレーターを得た。これは
ポリビニルアルコール系繊維状バインダーが半溶解状態
で、繊維の形態が残っているものであった。
【0027】比較例2: 0.5デニール、2mmのポ
リノジックレーヨンをパルパーとファイバライザーにて
叩解し、CSF 250mlとした。この繊維の叩解後
の単繊維直径は5μmであり、大部分に繊維主骨格の切
断が観察された。この繊維を全主体繊維に対して65重
量%と、0.3デニール、2mmのポリビニルアルコー
ル系繊維を全主体繊維に対して35重量%となるように
混合し、さらに全主体繊維と1.0デニール、3mmの
ポリビニルアルコール系繊維状バインダーの重量比を8
5/15となるようにスラリーを調整した。このスラリ
ーを丸網抄紙機にて抄紙し、坪量30.9g/m↑2、
厚さ0.099mmのセパレーターを得た。これはポリ
ビニルアルコール系繊維状バインダーが半溶解状態で、
繊維の形態が残っているものであった。
【0028】比較例3: 0.5デニール、2mmのポ
リノジックレーヨンをパルパーとファイバライザーにて
叩解し、CSF 750mlとした。この繊維の叩解後
の単繊維直径は7μmであり、繊維主骨格の切断はほぼ
観察されなかった。この繊維を全主体繊維に対して65
重量%と、0.3デニール、2mmのポリビニルアルコ
ール系繊維を全主体繊維に対して35重量%となるよう
に混合し、さらに全主体繊維と1.0デニール、3mm
のポリビニルアルコール系繊維状バインダーの重量比を
85/15となるようにスラリーを調整した。このスラ
リーを丸網抄紙機にて抄紙し、坪量31.1g/m↑
2、厚さ0.102mmのセパレーターを得た。これは
ポリビニルアルコール系繊維状バインダーを半溶解状態
で、繊維の形態が残っているものであった。
【0029】比較例4: 0.5デニール、2mmのポ
リノジックレーヨンをパルパーとファイバライザーにて
叩解し、CSF 550mlとした。この繊維の叩解後
の単繊維直径は6μmであり、繊維主骨格の切断はほぼ
観察されなかった。この繊維を全主体繊維に対して45
重量%と、0.3デニール、2mmのポリビニルアルコ
ール系繊維を全主体繊維に対して55重量%となるよう
に混合し、さらに全主体繊維と1.0デニール、3mm
のポリビニルアルコール系繊維状バインダーの重量比を
85/15となるようにスラリーを調整した。このスラ
リーを丸網抄紙機にて抄紙し、坪量30.4g/m↑
2、厚さ0.096mmのセパレーターを得た。これは
ポリビニルアルコール系繊維状バインダーが半溶解状態
で、繊維の形態が残っているものであった。
【0030】比較例5: 0.5デニール、2mmのポ
リノジックレーヨンをパルパーとファイバライザーにて
叩解し、CSF 550mlとした。この繊維の叩解後
の単繊維直径は6μmであり、繊維主骨格の切断はほぼ
観察されなかった。この繊維を全主体繊維に対して80
重量%と、0.3デニール、2mmのポリビニルアルコ
ール系繊維を全主体繊維に対して20重量%となるよう
に混合し、さらに全主体繊維と1.0デニール、3mm
のポリビニルアルコール系繊維状バインダーの重量比を
85/15となるようにスラリーを調整した。このスラ
リーを丸網抄紙機にて抄紙し、坪量30.9g/m↑
2、厚さ0.100mmのセパレーターを得た。これは
ポリビニルアルコール系繊維状バインダーが半溶解状態
で、繊維の形態が残っているものであった。
【0031】比較例6: 0.5デニール、2mmのポ
リノジックレーヨンをパルパーとファイバライザーにて
叩解し、CSF 550mlとした。この繊維の叩解後
の単繊維直径は6μmであり、繊維主骨格の切断はほぼ
観察されなかった。この繊維を全主体繊維に対して65
重量%と、0.5デニール、2mmのポリビニルアルコ
ール系繊維を全主体繊維に対して35重量%となるよう
に混合し、さらに全主体繊維と1.0デニール、3mm
のポリビニルアルコール系繊維状バインダーの重量比を
85/15となるようにスラリーを調整した。このスラ
リーを丸網抄紙機にて抄紙し、坪量29.8g/m↑
2、厚さ0.093mmのセパレーターを得た。これは
ポリビニルアルコール系繊維状バインダーが半溶解状態
で、繊維の形態が残っているものであった。
【0032】比較例7: 2.0デニール、5mmのポ
リノジックレーヨンをビーターにて叩解し、CSF 4
00mlとした。この繊維の叩解後の単繊維直径11μ
mであり、大部分に繊維主骨格の切断が観察された。こ
の繊維を全主体繊維に対して33重量%と、1.0デニ
ール、3mmのポリビニルアルコール系繊維を全主体繊
維に対して67重量%となるように混合し、さらに全主
体繊維と1.0デニール、3mmのポリビニルアルコー
ル系繊維状バインダーの重量比を90/10となるよう
にスラリーを調整した。このスラリーを丸網抄紙機にて
抄紙し、坪量31.2g/m↑2、厚さ0.097mm
のセパレーターを得た。これはポリビニルアルコール系
繊維状バインダーが完全溶融状態で、繊維の形態が残っ
ていないものであった。
【0033】参考例1: マーセル化コットンリンター
パルプをパルパーとファイバライザーにて叩解し、CS
F 550mlとした。この繊維を全主体繊維に対して
65重量%と、0.3デニール、2mmのポリビニルア
ルコール系繊維を全主体繊維に対して35重量%となる
ように混合し、さらに全主体繊維と1.0デニール、3
mmのポリビニルアルコール系繊維状バインダーの重量
比を85/15となるようにスラリーを調整した。この
スラリーを丸網抄紙機にて抄紙し、坪量30.0g/m
↑2、厚さ0.093mmのセパレーターを得た。これ
はポリビニルアルコール系繊維状バインダーが半溶解状
態で、繊維の形態が残っているものであった。
【0034】以上11種類のセパレーターについて、電
解液吸液性、膨潤度を下記の方法で測定した。
【0035】(1) 電解液吸液性 セパレーターを5cm×5cmにサンプリングし、重量
を測定する。これは35重量%るの水酸化カリウム水溶
液に25℃で30分間浸漬する。15秒間液きりし、重
量を測定する。 電解液吸液性(g/g)=(浸漬後重量−浸漬前重量)
/浸漬前重量
【0036】(2) 膨潤度 セパレーターを5cm×5cmにサンプリングし、18
0g/cm↑2の荷重の厚み計にて厚さを測定する。こ
れを35重量%の水酸化カリウム水溶液に25℃で30
分間浸漬する。15秒間液きりし、同じ方法で厚さを測
定する。 膨潤度(%)=(浸漬後厚さ−浸漬前厚さ)/浸漬前厚
さ×100
【0037】次に、これらのセパレーターを用いて、水
銀無添加の亜鉛負極を用いたアルカリマンガン電池を作
成した。図1は本発明の実施例における単3形アルカリ
乾電池の半断面図である。図1において、1は正極端子
を兼ねる正極缶である。この正極缶1内には二酸化マン
ガンと黒鉛からなる円筒状の正極合剤2が圧入されてい
る。3は本発明による有底円筒状のセパレーターで、そ
の内部には水銀無添加の亜鉛合金粉末をゲル状電解液に
分散、混合した亜鉛負極4が充填されている。5は負極
集電子、6は正極缶1の開口部を閉塞する樹脂封口体
で、この樹脂封口体6には負極端子を兼ねる底板7が前
記負極集電子5の頭部に溶接されて、金属ワッシャー8
とともに配置されている。そして前記正極缶1の開口部
を内側にかしめることにより封口されている。これらの
電池を米国ANSIの規格に基づき、10Ωでの連続放
電と、10Ωでの1日あたり1時間の放電を行い、0.
9Vの終始電圧に至るまでの時間を測定した。10Ωで
の連続放電は主にショートの有無を判断する試験であ
り、10Ωでの1日あたり1時間の放電は主に大電流放
電性を判断する試験である。それぞれの結果を表1から
表4に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】表1から表4の結果より、ポリノジックレ
ーヨンの叩解後の単繊維直径が9μmを越えると(比較
例1及び7)、セパレート性が悪くなってショートが起
こる。CSFが300〜700mlの範囲を外れると
(比較例2及び3)、大電流放電性が阻害される。また
ポリノジックレーヨンの混抄率が全主体繊維に対して7
5〜55重量%の範囲を外れると(比較例4及び5)、
大電流放電性が阻害されたりショート防止にも悪影響を
及ぼす。ポリビニルアルコール系繊維が0.4デニール
を越え、0.5デニールとなると(比較例6)、ショー
ト防止性に悪影響を及ぼす。
【0043】これに対して、実施例のポリノジックレー
ヨンとポリビニルアルコール系繊維とを主体繊維とし、
該主体繊維にポリビニルアルコール系バインダーを混抄
抄紙してなるアルカリ電池用セパレーターであって、C
SF(Canadian Standard Free
ness)の値が300〜700mlであり叩解後の単
繊維直径が5〜9μmであるポリノジックレーヨンを全
主体繊維に対して75〜55重量%と、単繊維デニール
が0.4デニール以下のポリビニルアルコール系繊維を
全主体繊維に対して25〜45重量%含み、かつポリビ
ニルアルコール系バインダーと全主体繊維の重量比を1
0/90〜20/80とすることを特徴とするアルカリ
電池用セパレーターである本発明品のみが、セパレート
性、電解液吸液性、低膨潤度に優れ、したがって電池性
能としても、優れたセパレート性からショートがなく、
また優れた電解液吸液性、低膨潤度、低内部抵抗から大
電流放電性にも優れていることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電池の一例である単3形アルカリ乾
電池の代表的な半断面図である。
【符号の説明】 1:正極缶 2:正極合剤 3:セパレーター 4:亜鉛負極 5:負極集電子 6:樹脂封口体 7:底板 8:ワッシャー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 曽根高 友康 岡山市海岸通1丁目2番1号 株式会社 クラレ内 (72)発明者 川井 弘之 岡山市海岸通1丁目2番1号 株式会社 クラレ内 審査官 青木 千歌子 (56)参考文献 特開 平2−119049(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 2/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリノジックレーヨンとポリビニルアル
    コール系繊維とを主体繊維とし、該主体繊維にポリビニ
    ルアルコール系バインダーを混抄抄紙してなるアルカリ
    電池用セパレーターであって、CSF(Canadia
    n Standard Freeness)の値が30
    0〜700mlであり叩解後の単繊維直径が5〜9μm
    であるポリノジックレーヨンを全主体繊維に対して75
    〜55重量%と、単繊維デニールが0.4デニール以下
    のポリビニルアルコール系繊維を全主体繊維に対して2
    5〜45重量%含み、かつポリビニルアルコール系バイ
    ンダーと全主体繊維の重量比を10/90〜20/80
    とすることを特徴とするアルカリ電池用セパレーター。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のセパレーターが用いら
    れているアルカリ電池。
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JP7079267B2 (ja) * 2017-12-26 2022-06-01 株式会社クラレ セパレータおよび該セパレータからなるアルカリマンガン乾電池用セパレータ

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