JP2978775B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JP2978775B2 JP8227111A JP22711196A JP2978775B2 JP 2978775 B2 JP2978775 B2 JP 2978775B2 JP 8227111 A JP8227111 A JP 8227111A JP 22711196 A JP22711196 A JP 22711196A JP 2978775 B2 JP2978775 B2 JP 2978775B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用感光体に
関し、特に複写機,プリンタ,ファクシミリなどの電子
写真プロセスによる画像形式に用いられる電子写真用感
光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電子写真用感光体は導電
性支持体上に光導電層を設けた構造になっているが、光
導電層の導電性支持体への密着性の向上,或は帯電性の
向上を目的として、光導電層と導電性支持体の間に中間
層を形成している。この中間層の材質としては、ポリビ
ニルアルコール,カゼイン,ポリビニルピロリドン,セ
ルロース類,ゼラチン,デンプン,ポリウレタン,ポリ
イミド,ポリアミド等の樹脂層や、アルミニウムまたは
アルミニウム合金の陽極酸化皮膜が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
中間層に樹脂層を使用した場合、その電気抵抗が外部の
環境の変化、特に湿度の変化により影響を受け、帯電位
の低下を発生させる。これを防ぐために樹脂層の膜厚を
厚くすると残留電位が増加するという問題がある。
【0004】また、中間層にアルミニウムまたはアルミ
ニウム合金の陽極酸化皮膜を使用した場合においても、
皮膜表面の孔を塞ぐために通常行われる水蒸気封孔,沸
騰水封孔,金属塩封孔等の封孔処理では上記問題を完全
に解決はできていない。
【0005】これらの対策として特殊な封孔処理を施し
た陽極酸化皮膜を中間層として使用した感光体が提案さ
れている。しかしながら、たとえば、特開昭63−21
4759号公報で公報によれば、フッ化ニッケルを主成
分とした封孔剤による低温封孔処理では耐食性が悪いと
いう欠陥を有している。また、特開平3−109568
号公報によれば、遷移金属の酸化物を孔の内壁に吸着さ
せているが、陽極酸化皮膜を中間層ではなく光導電層の
一部である電荷輸送層として使用している。さらに、特
開平5−210245号公報によれば、孔の開口端を窒
化ケイ素,炭化ケイ素等の無機質皮膜で塞ぐことによっ
て帯電性を良好にしているが、金属酸化物の記述はな
い。その上、前記無機質皮膜を使用したときの電子写真
用感光体としての光導電層との密着性についても何ら触
れられていない。
【0006】また、特開昭61−19796号公報によ
れば、孔中に金属酸化物を沈着・充填することによる陽
極酸化皮膜の強化方法を開示しているが、電子写真用感
光体としての電気特性および密着性との関連については
記載がない。
【0007】本発明の目的は、電荷発生層との密着性を
良好にしつつ、低温低湿環境から高温高湿環境まで帯電
性に優れ残留電位の少ない積層型の電子写真用感光体を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電子写真用感光
体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から成る基
体と、前記基体上に形成され微細孔に金属酸化物を充填
した陽極酸化皮膜と、前記陽極酸化皮膜上に形成された
電荷発生層と、前記電荷発生層上に形成された電荷輸送
層とを有して構成される。
【0009】また、本発明の電子写真用感光体におい
て、前記金属酸化物は酸化インジウム,酸化マンガン,
酸化チタン,酸化亜鉛,酸化カドミウム,酸化スズ,酸
化クロム,酸化タングステン,酸化モリブデン,または
チタン酸ストロンチウムであることを特徴とする。
【0010】さらに、本発明の電子写真用感光体におい
て、前記陽極酸化皮膜の膜厚は2〜30μmであること
を特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
して説明する。
【0012】図1は本発明の実施の一形態を示す説明図
である。同図において、本発明による電子写真用感光体
は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から成る基体
5と、前記基体上に形成され微細孔に金属酸化物4を充
填した陽極酸化皮膜3と、前記陽極酸化皮膜上に形成さ
れた電荷発生層2と、前記電荷発生層上に形成された電
荷輸送層1とを有する。
【0013】すなわち、本発明の電子写真用感光体は、
特定の陽極酸化被膜を有するアルミニウムの基体上に光
導電層が設けられる。基体に用いられるアルミニウムは
純Al系の材料の他にAl−Mg−Si系、Al−Mn
系等のアルミニウム合金も使用できる。
【0014】アルミニウムの基体は、陽極酸化処理を施
す前にアルキレン等の有機溶剤や界面活性剤,乳化脱脂
法等で脱脂処理し、さらにエッチングすることが好まし
い。
【0015】陽極酸化皮膜は公知の方法、例えば硫酸,
しゅう酸,クロム酸,ホウ酸等の酸性浴中で陽極酸化処
理することによって形成することができるが、硫酸中で
の陽極酸化が好ましい。硫酸中での陽極酸化処理の場
合、硫酸濃度は100〜200g/l,アルミイオン濃
度1〜10g/l,液温20℃前後,電解電圧は約20
Vで行うのが望ましいが、これに限られるものではな
い。
【0016】形成された陽極酸化皮膜は金属酸化物で封
孔処理を施すが、材料としては酸化インジウム,酸化マ
ンガン,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化カドミウム,酸化
スズ,酸化クロム,酸化タングステン,酸化モリブデ
ン,チタン酸ストロンチウムが望ましい。
【0017】金属酸化物は電解法,真空蒸着法,スパッ
タリング法,プラズマCVD法,イオンプレーティング
法,クラスターイオンビーム蒸着法等によって形成する
ことができる。
【0018】このようにして封孔処理された陽極酸化皮
膜は必要に応じて純水による洗浄等の措置が取られ、乾
燥を行う。
【0019】次に、この陽極酸化皮膜上に電荷発生層を
設ける。
【0020】電荷発生層は、電荷発生材料を樹脂に分散
した樹脂層、あるいは、さらにこの樹脂層に電荷移動材
料を混合したものなどで構成される。
【0021】電荷発生材料としては、各種フタロシアニ
ン顔料,アゾ顔料,ジスアゾ顔料,インジゴ顔料,キナ
クリドン顔料等の公知の材料が用いられる。また、これ
らの電荷発生材料は、1種または2種以上組み合わせて
使う事もできる。
【0022】電荷発生層を形成する樹脂としては、ポリ
塩化ビニル,ポリ酢酸ビニル,ポリエステル,塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体,ポリビニルブチラール,ポリ
スチレン,ポリカーボネート,アクリル樹脂,フェノー
ル樹脂等が用いられる。これらの樹脂は単独、または混
合して用いられる。
【0023】これらの樹脂により電荷発生層を形成する
際に用いられる塗布液の溶剤としては、トルエン,塩化
メチレン,モノクロルベンゼン,メチルアルコール,エ
チルアルコール,酢酸エチル,テトラヒドロフラン,シ
クロヘキサン等がある。これらの溶剤も単独,または混
合して用いられる。
【0024】電荷発生層の膜厚は電荷輸送層を積層して
用いる場合には0.05〜5μm、好ましくは0.1〜
2μm程度が適当である。電荷発生層単独で用いる場合
には、10〜30μm、好ましくは15〜20μmが適
当である。
【0025】電荷発生層を形成する塗布液を製造する際
に、電荷発生材料を塗布液中に分散させる方法として
は、ボールミル,サンドミル,ホモミキサー,ディスパ
ーザー,マイクロナイザー,超音波等の公知の方法が利
用できる。
【0026】電荷輸送層は、電荷移動材料を樹脂に相溶
させて形成される。
【0027】電荷移動材料は、電子移動物質と正孔移動
物質がある。電子移動物質としては、クロルアニル,ブ
ロモアニル,テトラシアノエチレン,テトラシアノキノ
ジメタン,2・4・7−トリニトロ−9−フロオレノ
ン,2・4・5・7−テトラニトロ−9−フルオレノン
等の電子吸引物質やこれらを高分子化したもの等があ
る。
【0028】正孔移動物質としては、ピレン,N−エチ
ルカルバゾール,N−イソプロピルカルバゾール,N−
メチル−N−フェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9
−エチルカルバゾール,N・N−ジフェニルヒドラジノ
−3−メチリデン−9−エチルカルバゾール,N・N−
ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−10−エチル
フェノチアジン,p−ジエルアミノベンズアルデヒド−
N・N−ジフェニルヒドラゾン,p−ジエルチルアミノ
ベンズアルデヒド−N−α−ナフチル−N−フェニルヒ
ドラゾン等のヒドラゾン類、2・5−ビス(p−ジエチ
ルアミノフェニル)−1・3・4−オキサジアゾール,
1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−
5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン,1−
[キノリル(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリ
ン,1−[ピリジル(3)]−3−(p−ジエチルアミ
ノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピ
ラゾリン等のピラゾリン類、トリアリールメタン化合
物,オキサジアゾール系化合物,チアゾール系化合物,
トリフェニルアミン,ポリ−N−ビニルカルバゾール等
があり、これら公知の電荷移動材料を1種または2種以
上組み合わせて用いる事ができる。
【0029】電荷輸送層の樹脂としては、ポリスチレ
ン,ケトン樹脂,フェノール樹脂,ポリエステル,ポリ
カーボネート,ポリビニルブチラール,ポリビニルホル
マール,ポリアクリルアミド,ポリアミド等が用いられ
る。これらの樹脂は単独、または混合して用いられる。
また、これら樹脂に通常用いられる各種添加剤、例え
ば、紫外線吸収剤や酸化防止剤等を適宜添加することが
できる。
【0030】これらの樹脂により電荷輸送層を形成する
際の塗布液の溶剤としては、テトラヒドロフラン,ジオ
キサン,シクロヘキサン,トルエン,ジクロルエタン,
塩化メチレン,モノクロルベンゼン等が使用できる。こ
れらの溶剤も単独、または混合して使用できる。電荷輸
送層の膜厚は5〜40μm、好ましくは15〜25μm
程度が適当である。
【0031】塗布液を用いて感光層を形成する場合の塗
布方法は、スピンコーター,アプリケーター,スプレー
コーター,バーコーター,浸漬コーター,ドクターブレ
ード等の公知の手法が用いられる。塗布された感光層は
熱風,赤外線などにより加熱して乾燥させる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0033】(実施例1)Al−Si−Mg系のアルミ
ニウム合金からなる直径80mm,肉厚1.25mmの
鏡面仕上した円筒状のパイプを有機溶剤で脱脂洗浄し、
エッチングを行った。そして、水洗後、電解質溶液とし
て150g/lの硫酸を用い、液温を20℃に維持しな
がら、直流電圧20Vで30分間陽極酸化を行い平均膜
厚約15μmの陽極酸化皮膜を形成した。
【0034】次に上記陽極酸化皮膜を形成したアルミニ
ウムパイプを液温20℃のチタン酸アンモニウム0.1
wt%水溶液中で5分間電解処理した。
【0035】その後、純水洗浄を行い、乾燥を行った。
【0036】一方、チタニルフタロシアニン2部(重量
部、以下同様)、ポリビニルブチラール2部をテトラヒ
ドロフラン100部と共にボールミルで24時間分散し
た。
【0037】この分散液に先の放置後の陽極酸化皮膜を
設けたアルミニウム基体を浸漬塗工した後、加熱乾燥し
て約0.2μmの電化発生層を形成した。
【0038】次に、下記の式(1)で示される電荷移動
物質20部とポリカーボネート樹脂(Z−200,三菱
瓦斬化学製)20部を塩化メチレン100部に溶解した
塗布液を電荷発生層上に浸漬塗工した後、加熱乾燥して
約20μmの電荷輸送層を形成して電子写真用感光体を
作製した。
【0039】
【0040】このようにして得られた電子写真用感光体
をNEC製ページプリンタに搭載して10℃,30%R
H環境、25℃,50%RH環境、および35℃,80
%RH環境下で電気特性の評価を行った。その結果すべ
ての環境下において高い帯電性を示し、残留電位は非常
に少ないレベルであった。また、陽極酸化皮膜と電荷発
生層の密着性は良好であった。
【0041】(実施例2)陽極酸化皮膜を形成したアル
ミニウムパイプを洗浄後、封孔処理として液温20℃の
クロム酸アンモニウム0.1wt%水溶液中で5分間電
解処理した以外は実施例1と同様な方法で作成した電子
写真用感光体について、実施例と同様な評価を行った。
その結果すべての環境下において高い帯電性を示し、残
留電位は非常に少ないレベルであった。また、陽極酸化
皮膜と電荷発生層の密着性は良好であった。
【0042】(実施例3)陽極酸化皮膜を形成したアル
ミニウムパイプを洗浄後、封孔処理として液温20℃の
タングステン酸アンモニウム0.1wt%水溶液中で5
分間電解処理した以外は実施例1と同様な方法で作成し
た電子写真用感光体について、実施例1と同様な評価を
行った。その結果すべての環境下において高い帯電性を
示し、残留電位は非常に少ないレベルであった。また、
陽極酸化皮膜と電荷発生層の密着性は良好であった。
【0043】(実施例4)陽極酸化皮膜を形成したアル
ミニウムパイプを洗浄後、封孔処理として液温20℃の
モリブデン酸アンモニウム0.1wt%水溶液中で5分
間電解処理した以外は実施例1と同様な方法で作製した
電子写真用感光体について、実施例1と同様な評価を行
った。その結果すべての環境下において高い帯電性を示
し、残留電位は非常に少ないレベルであった。また、陽
極酸化皮膜と電荷発生層の密着性は良好であった。
【0044】(実施例5)陽極酸化被膜を形成したアル
ミニウムパイプを洗浄乾燥後、封孔処理としてプラズマ
CVD法により微細孔中にチタン酸ストロンチウムを充
填した。その後、実施例1と同様にして順次電荷発生層
および電荷輸送層を形成し電子写真用感光体を作製し、
実施例1と同様な評価を行った。その結果すべての環境
下において高い帯電性を示し、残留電位は非常に少ない
レベルであった。また、陽極酸化皮膜と電荷発生層の密
着性は良好であった。
【0045】(実施例6)陽極酸化皮膜を形成したアル
ミニウムパイプを洗浄乾燥後、封孔処理としてプラズマ
CVD法により微細孔中に酸化インジウムを充填した。
その後、実施例1と同様にして順次電荷発生層および電
荷輸送層を形成し電子写真用感光体を作製し、実施例1
と同様な評価を行った。その結果すべての環境下におい
て高い帯電性を示し、残留電位は非常に少ないレベルで
あった。また、陽極酸化皮膜と電荷発生層の密着性は良
好であった。
【0046】(実施例7)陽極酸化皮膜を形成したアル
ミニウムパイプを洗浄乾燥後、封孔処理としてプラズマ
CVD法により微細孔中に酸化マンガンを充填した。そ
の後、実施例1と同様にして順次電荷発生層および電荷
輸送層を形成し電子写真用感光体を作製し、実施例1と
同様な評価を行った。その結果すべての環境下において
高い帯電性を示し、残留電位は非常に少ないレベルであ
った。また、陽極酸化皮膜と電荷発生層の密着性は良好
であった。
【0047】(実施例8)陽極酸化皮膜を形成したアル
ミニウムパイプを洗浄乾燥後、封孔処理としてプラズマ
CVD法により微細孔中に酸化亜鉛を充填した。その
後、実施例1と同様にして順次電荷発生層および電荷輸
送層を形成し電子写真用感光体を作製し、実施例1と同
様な評価を行った。その結果すべての環境下において高
い帯電性を示し、残留電位は非常に少ないレベルであっ
た。また、陽極酸化皮膜と電荷発生層の密着性は良好で
あった。
【0048】(実施例9)陽極酸化皮膜を形成したアル
ミニウムパイプを洗浄乾燥後、封孔処理としてプラズマ
CVD法により微細孔中に酸化カドミウムを充填した。
その後、実施例1と同様にして順次電荷発生層および電
荷輸送層を形成し電子写真用感光体を作製し、実施例と
同様な評価を行った。その結果すべての環境下において
高い帯電性を示し、残留電位は非常に少ないレベルであ
った。また、陽極酸化皮膜と電荷発生層の密着性は良好
であった。
【0049】(実施例10)陽極酸化皮膜を形成したア
ルミニウムパイプを洗浄乾燥後、封孔処理としてプラズ
マCVD法により微細孔中に酸化スズを充填した。その
後、実施例1と同様にして順次電荷発生層および電荷輸
送層を形成し電子写真用感光体を作製し、実施例1と同
様な評価を行った。その結果すべての環境下において高
い帯電性を示し、残留電位は非常に少ないレベルであっ
た。また、陽極酸化皮膜と電荷発生層の密着性は良好で
あった。
【0050】(実施例11)陽極酸化皮膜の膜厚を約2
μmとした以外は実施例1と同様な方法で電子写真用感
光体を作製し、同様な方法で評価を行った、その結果、
35℃,80%RH環境下においてやや帯電位の低下が
観られたが、その他の環境下においては高い帯電性を示
し、残留電位は非常に少ないレベルであった。また、陽
極酸化皮膜と電荷発生層の密着性は良好であった。
【0051】(実施例12)陽極酸化皮膜の膜厚を約3
0μmとした以外は実施例1と同様な方法で電子写真用
感光体を作製し、同様な方法で評価を行った。その結
果、10℃,30RH環境下において残留電位の上昇が
僅かに観られたが、その他の環境下においては高い帯電
性を示し、残留電位は非常に少ないレベルであった。ま
た、陽極酸化皮膜と電荷発生層の密着性は良好であっ
た。
【0052】(比較例1)陽極酸化皮膜を形成したアル
ミニウムパイプを水洗いした後、封孔処理として酢酸ニ
ッケルを主成分とする封孔剤の6g/l,90℃の水溶
液に5分間真浸漬し、純水で洗浄および乾燥を行った以
外は実施例1と同様にして電子写真用感光体を作製し、
同様な方法で評価を行った。その結果、陽極酸化皮膜と
電荷発生層の密着性および残留電位については良好であ
ったが、35℃,80%RH環境下において著しい帯電
位の減少が観られた。
【0053】(比較例2)陽極酸化皮膜を形成したアル
ミニウムパイプを水洗した後、封孔処理として沸騰純水
中に10分間浸漬し、その後純水で洗浄および乾燥を行
った以外は実施例1と同様にして電子写真用感光体を作
製し、同様な方法で評価を行った。その結果、陽極酸化
皮膜と電荷発生層の密着性および残留電位については良
好であったが、35℃,80%RH環境下において著し
い帯電位の減少が見られた。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
陽極酸化皮膜を有するアルミニウムまたはアルミニウム
合金の基体上に電荷発生層と電荷輸送層が順次積層され
た積層型の電子写真用感光体において、陽極酸化皮膜の
微細孔中に金属酸化物を充填させたので、電荷発生層と
の密着性を良好としつつ、低温低湿環境から高温高湿環
境まで安定した高い帯電性を有し、かつ残留電位の少な
い電子写真用感光体が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用感光体の模式的断面図であ
る。
【符号の説明】
1 電荷輸送層 2 電荷発生層 3 陽極酸化皮膜 4 金属酸化物 5 基体

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
    ら成る基体と、前記基体上に形成され微細孔に金属酸化
    物を充填した陽極酸化皮膜と、前記陽極酸化皮膜上に形
    成された電荷発生層と、前記電荷発生層上に形成された
    電荷輸送層とを有し、前記金属酸化物は酸化インジウ
    ム,酸化マンガン,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化カドミ
    ウム,酸化スズ,酸化タングステン,酸化モリブデン,
    またはチタン酸ストロンチウムであることを特徴とする
    電子写真用感光体。
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