JP2978099B2 - 有機廃棄物をバクテリアで分解して消失する方法 - Google Patents

有機廃棄物をバクテリアで分解して消失する方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生塵、糞尿、食品
加工工場から排出される産業廃棄物等の有機廃棄物をバ
クテリアで分解して消失させる処理方法、通称「消滅
型」と呼ばれる処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機廃棄物は次第に増加している。日本
人が1日に発生する一般廃棄物量は約1kg、年間の発
生量は5000万トンにもなっている。各家庭における
生塵の発生量にしても、1日に約700gと言われてい
る。10万所帯の町では1日に70トンもの生塵が発生
する。さらに、食品加工工場においても、膨大な量の有
機廃棄物が発生している。有機廃棄物は焼却して廃棄し
ている。有機廃棄物は、水分率が極めて高く、焼却に大
きな熱エネルギーを必要とする。水を気化させるのに大
きなエネルギーを必要とするからである。したがって、
有機廃棄物の処理に膨大な経費を使っているのが実状で
ある。焼却するのに代わって、生塵を、バクテリアの作
用で、炭酸ガス、水分、アンモニア等のガスに分解して
消失させる方法はこの弊害がなく、廃棄に消費するエネ
ルギーを極限できる。
【0003】バクテリアを使用して有機廃棄物を消失さ
せる処理方法は、有機廃棄物の発生する工場で、あるい
は、小型にして各家庭に設置できる。発生工場に有機廃
棄物をバクテリアで処理して消失させる装置があると、
有機廃棄物を処理工場に運搬する必要がない。このた
め、極めて能率よく、低コストに、しかも多量の灰等の
残渣を処分するのが必要のない理想的な廃棄が実現でき
る。したがって、有機廃棄物を廃棄処理するための莫大
な経費を節約でき、しかも衛生的に処理できる極めて優
れた特長がある。
【0004】このようにして有機廃棄物を消失させる消
滅型の装置はすでに開発されている。従来の消滅型の処
理装置は、閉鎖できるケーシングに、杉等の木材を米粒
状に粉砕した微生物担体を入れてここにバクテリアを棲
息させる。バクテリアが棲息するケーシングに有機廃棄
物を入れて断続的に撹拌しながら、空気を連続して補給
する。バクテリアは、有機廃棄物を、水蒸気、炭酸ガ
ス、アンモニア、メタンガス等の気体に分解して消失さ
せる。有機廃棄物は気体に分解されるので、処理後には
ほとんどなくなってしまう。処理後の重量は、処理前の
重量とは比較にならない程軽くなる。このため、有機廃
棄物を毎日投入して、能率よく分解して消失できる。有
機廃棄物が消失するので、毎日有機廃棄物を供給して
も、微生物担体の総量は増加しない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】バクテリアの作用で有
機廃棄物を分解して消失させる処理方法は、バクテリア
を棲息させる外的環境、すなわち、温度と湿度をバクテ
リアの繁殖に快適な条件に設定することが大切である。
水分は有機廃棄物に多量に含まれる。このため、湿度が
低すぎることはない。しかしながら、温度は必ずしもバ
クテリアの棲息に快適な環境とはならない。とくに、冬
期においては、微生物担体の温度が低すぎて有機廃棄物
を短時間に能率よく分解できなくなることがある。バク
テリアが快適に繁殖する最適温度は、40〜50℃であ
る。温度が40℃以下に低下すると、バクテリアが活発
に活動しなくなる。50℃以上になると、好気性菌が活
発に働かなくなって、嫌気性菌が繁殖する。嫌気性菌が
繁殖すると、排出されるガスの臭いが悪くなる。微生物
担体の温度が50℃よりも高くなると、ケーシングに供
給する空気量を多くして快適温度にできる。微生物担体
の温度が40℃以下になるとき、供給する空気量を少な
くして、温度を高くできる。ただ、微生物担体に供給す
る空気量が少なくなると、ここに棲息するバクテリア、
とくに好気性菌の酸素補給量が少なくなって、バクテリ
アが活発に有機廃棄物を分解できなくなる。このため、
微生物担体の温度が低下すると、微生物担体を加温する
必要がある。
【0006】このことを実現するために、ケーシングに
ヒータを内蔵し、あるいは、微生物担体の撹拌羽根を固
定するシャフトにヒータを内蔵して微生物担体を加温し
ている。ヒータは微生物担体を設定温度に加温できる。
この装置は、冬期においても、微生物担体を設定温度に
加温できる特徴がある。
【0007】しかしながら、ヒータで微生物担体を加温
する処理方法は、微生物担体全体を均一に加温するのが
難しい。ヒータで加温される微生物担体は、撹拌羽根で
撹拌されるので、全体を均一な温度に加温できるように
推測される。しかしながら、有機廃棄物を処理する方法
は、微生物担体を連続して撹拌しない。たとえば、撹拌
羽根を5分間運転して微生物担体と有機廃棄物を撹拌
し、その後1時間は撹拌羽根の運転を停止することによ
って、バクテリアを理想的な環境にして繁殖できる。微
生物担体が連続して撹拌されないときにヒータが通電さ
れることがある。このとき、ヒータに接触する微生物担
体は非常に高い温度に加熱される。異常に加熱された微
生物担体は、加温部に棲息するバクテリアの繁殖環境を
著しく悪くする。さらに、ヒータから離れた部分の微生
物担体を加温できなくなって、ヒータから離れた部分に
棲息するバクテリアの環境も悪くする。このため、ヒー
タは微生物担体の全体に繁殖するバクテリアを快適な温
度に制御できない欠点がある。さらに、ヒータの表面に
微生物担体が焦げ付く状態で硬くなって付着する欠点も
ある。ヒータの表面に付着した微生物担体は、微生物担
体を加温する効率を低下させる。さらに困ったことに、
付着した微生物担体は、簡単に除去できない。焦げ付い
た状態で強く、硬く付着するからである。さらに、ヒー
タの表面に付着した微生物担体を除去するためには、処
理方法の運転を停止する必要がある。有機廃棄物の処理
は、工場等で毎日発生する有機廃棄物を投入して処理す
るので、装置の運転を停止するのが難しい。その日に発
生する有機廃棄物を処理できなくなるからである。
【0008】本発明者は、ヒータの弊害を解消するため
に、微生物担体にマイクロ波を照射して加温する方法を
試作した。この方法は、微生物担体や有機廃棄物に含ま
れる水分がマイクロ波のエネルギーを吸収して自己発熱
するので、ヒータのように局部的に発熱することがな
い。このため、微生物担体をヒータで加熱する装置に比
べると、微生物担体を均一に加熱できる。しかしなが
ら、不思議なことに、この装置で微生物担体を温度制御
する方法は、バクテリアを活発に繁殖できない弊害が発
生した。本発明者は、最初は、微生物担体が設定温度に
加温されるにもかかわらず、バクテリアが活発に繁殖し
ない原因が究明できなかった。種々の実験を重ねた結
果、マイクロ波が直接にバクテリアに作用して、バクテ
リアの活性を低下させることが判明した。このため、マ
イクロ波で微生物担体を加温する方法は、微生物担体を
設定温度にできても、バクテリアを活発に働かせること
はできない。さらに、マイクロ波を照射する方法は、多
量の微生物担体をケーシングに収納するとき、中心部分
の微生物担体を効率よく加熱できない弊害も発生した。
マイクロ波が周囲の微生物担体と有機廃棄物の水分に吸
収されて、中心まで透過できないからである。
【0009】本発明は、微生物担体を撹拌されない状態
においても中心部分まで均一に加温して、バクテリアの
棲息環境を快適にする難題を解決することを目的に開発
されたもので、本発明の重要な目的は、極めて簡単な構
造で、多量の微生物担体全体を設定温度に加温して、バ
クテリアの棲息環境を快適にし、しかも、加温部分に微
生物担体が付着することもなく、連続的に運転して多量
の有機廃棄物を効率よく分解できる有機廃棄物をバクテ
リアで分解して消失する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の有機廃棄物をバ
クテリアで分解して消失する方法は、バクテリアを棲息
させるケーシングに有機廃棄物を供給する。有機廃棄物
回転される撹拌羽根3でもって、ケーシング内で断続
的に撹拌される。加熱した空気を連続して供給して、有
機廃棄物をバクテリアで処理する。
【0011】さらに、本発明の有機廃棄物をバクテリア
で分解して消失する方法は、ケーシング1に回転できる
ように配設されると共に、加圧空気源に連結している撹
拌羽根3のシャフト16に設けている空気ノズルからケ
ーシング内に空気を噴射すると共に、ケーシング1の底
部であって最下端部から多少上方に位置する傾斜部に、
撹拌羽根3の回転方向に延長してスリット状の噴射口1
9を開口し、噴射口19からケーシング内に空気を噴射
して、ケーシングに、無数の微細な空隙にバクテリア
を棲息させる多孔質な微生物担体を充填し、この微生物
担体の隙間に、シャフト16に設けている空気ノズルと
ケーシング1の底部に設けた噴射口19から噴射される
加熱空気を通過させて微生物担体を設定温度に加温して
バクテリアを棲息させる。微生物担体に棲息しているバ
クテリアで、ケーシングに供給される有機廃棄物を分解
して消失させる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための有機廃棄物をバクテリア
で分解して消失する方法を例示するものであって、本発
明は有機廃棄物をバクテリアで分解して消失する方法を
下記のものに特定しない。
【0013】本発明の有機廃棄物をバクテリアで分解し
て消失する方法に使用する消滅型の処理装置を図1と図
2に示す。これ等の図に示す装置は、微生物担体と有機
廃棄物とを供給するケーシング1と、このケーシング1
に連結された脱臭器2と、ケーシング1に入れた微生物
担体と有機廃棄物とを撹拌する撹拌羽根3と、撹拌羽根
3を回転させる減速モーター4と、ケーシング1に加圧
空気を供給する加圧タンク5と、この加圧タンク5の空
気を加温するヒータ6と、ケーシング1に供給される空
気温度を検出してヒータ6を制御する温度制御回路7
と、加圧タンク5に空気を供給する加圧空気源8とを備
える。
【0014】ケーシング1は上部に有機廃棄物を供給す
る供給口1Aを開口している。供給口1Aは、開閉でき
る蓋9で閉塞されている。ケーシング1の底面は、図2
の横断面図に示すように、半円筒状に成形されている。
この形状のケーシング1は、回転する撹拌羽根3が底面
に接近して回転する。撹拌羽根と底面との距離は、たと
えば、5〜30mmに設計される。この距離に設計され
る撹拌羽根は、ケーシングの底面に微生物担体や有機廃
棄物が付着することがない。撹拌羽根3で綺麗に掻き取
られるからである。また、撹拌羽根と底面の隙間を20
〜30mmにすると、有機廃棄物と一緒に異物が混入し
ても、これが撹拌羽根と底面との間に詰まるのを少なく
できる。ケーシング1は天板を貫通して排気管10を固
定している。排気管10の途中には吸引ファン11を連
結し、排気管10の端を脱臭器2の底部に連結してい
る。供給口1Aを蓋9で空気漏れしないように閉塞する
と、吸引ファン11を省略できる。ケーシング1に圧入
される空気が、排気管10から脱臭器2に圧送されるか
らである。
【0015】脱臭器2は、筒状のケース2Aと、このケ
ース2Aに入れた脱臭液12を循環させる循環ポンプ1
3と、ケース2Aの上部に水平に配設された透過シート
14とを備える。ケース2A内には、オゾンを吹き込ん
で脱臭することができる。ケース2Aは上端を開口して
いる。脱臭液には、オゾンを添加することができる。ケ
ース2Aの下部は、脱臭液12を充填できる水密構造と
している。吸引ファン11は、ケース2Aの脱臭液12
中に排気ガスを噴射してバブリングさせて脱臭する。ケ
ース2Aの上部には、脱臭液12を透過シート14に散
布するノズル15を配列している。ノズル15は循環ポ
ンプ13の吐出側に連結されている。循環ポンプ13の
吸入側はケース2Aの底部に連結されている。ノズル1
5の下方には、互いに多少離して透過シート14を配設
している。透過シート14には、不織布や連続気泡の合
成樹脂等、液体を透過できる多孔質なものが使用され
る。吸引ファン11からケース2Aに供給される排気ガ
スは、脱臭液12中に噴射されてバブリングされた後、
脱臭液12が散布される透過シート14を通過してさら
に脱臭して排出される。微生物が有機廃棄物を分解する
ときには多量の水蒸気やガスを含む排気ガスが発生す
る。これ等の排気ガスは、吸引ファン11に吸い込まれ
て、脱臭器2で脱臭して排気される。とくに、水分量の
多い有機廃棄物が供給されて微生物に分解されると、多
量の水蒸気が発生する。この水蒸気を吸引ファン11で
強制的に排気すると、有機廃棄物を速く乾燥させて能率
よく分解できる。
【0016】撹拌羽根3は、シャフト16にアーム25
を介して螺旋状のフィン17を固定している。フィン1
7は2枚の帯鉄で、2枚のフィン17は互いに逆ピッチ
の螺旋状をしており、シャフト16が回転されると、一
方のフィン17Aは図1の右から左に、他方のフィン1
7Bは左から右に微生物担体と有機廃棄物を移送しなが
ら撹拌する。フィン17は、ケーシング1の内面に接近
する半径の螺旋状に形成されている。フィン17を構成
する帯鉄の半径方向の幅は、たとえば、2〜20cm、
好ましくは5〜10cmとする。帯鉄の幅を広くする
と、微生物担体と有機廃棄物を効果的に撹拌できるが、
シャフト16の回転トルクが大きくなる。幅が狭すぎる
と、微生物担体と有機廃棄物を効率よく撹拌できなくな
る。シャフト16は、ベアリングを介してケーシング1
の中心に水平に支承されている。シャフト16は一端に
減速モーター4を連結している。減速モーター4は、た
とえば、0.3〜20rpm、好ましくは1〜10rp
m、さらに好ましくは1〜5rpmで回転させる。減速
モーター4がシャフト16を回転させる速度は、螺旋状
に形成されたフィン17の半径が大きくなると遅くな
る。螺旋状フィン17の半径は、ケーシング1が大きく
なると大きくなる。多量の微生物担体と有機廃棄物とを
入れて分解、消失するためである。ケーシングに供給す
る有機廃棄物の重量が、1日に100〜500kgとす
る装置は、シャフトの回転速度を前記の範囲に設定す
る。
【0017】ケーシング1の底部には、図2の断面図に
示すように、最下端部から多少上方に位置する傾斜部に
加圧空気を噴射する空気ノズル18を配設している。空
気ノズル18は、ケーシング1の底部に2列に配設され
ている。ただ、空気ノズルは有機廃棄物の種類を考慮し
て、ケーシングの最適な位置に配設される。図に示す装
置は、空気ノズルをケーシングの底部に配設している
が、撹拌羽根のシャフトに空気ノズルを設け、シャフト
をロータリージョイントで加圧空気源に連結し、シャフ
トからケーシング内に空気を噴射する。空気ノズル18
は、噴射口19に微生物担体や有機廃棄物が詰まるのを
防止するために、噴射口19をスリット状としている。
スリットは、撹拌羽根3の回転方向に延長されている。
空気ノズル18から噴射された空気は、微生物担体と有
機廃棄物の空隙を通過して、微生物担体と有機廃棄物
を、バクテリアを活発に活動させる温度に加温する。空
気ノズル18は、空気をケーシング1内に連続的に噴射
して微生物担体に酸素を補給しながら、適温に加温す
る。
【0018】空気ノズル18は加圧タンク5に連結され
ている。加圧タンク5は送風機やコンプレッサー等の加
圧空気源8に連結されて、設定温度に加温された加圧空
気を蓄える。加圧タンク5には、たとえば、0.1〜1
0kg/cmに加圧された空気を蓄える。加圧タンク
5と空気ノズル18との間には流量調整弁20を連結す
る。流量調整弁20は開度を調整して、空気ノズル18
から噴射する空気量と噴射圧を調整する。流量調整弁2
0を絞ると、噴射される空気量が少なくなって、噴射圧
が低下する。空気の噴射量は、ケーシング1の容量を考
慮して最適値に調整する。1日の処理量が300kgで
あるケーシング1は、空気の噴射量を、たとえば、0.
1〜2.5m/min、好ましくは0.2〜1.5m
/min、さらに好ましくは0.3〜1m/min
に設定する。空気ノズル18からケーシング1に噴射さ
れる空気圧は、噴射された空気が微生物担体と有機廃棄
物の隙間を通過できるように、たとえば、0.1〜0.
5kg/cm、さらに好ましくは約0.2kg/cm
に設定する。
【0019】加圧タンク5は、内部に蓄える空気を設定
温度に加温するためのヒータ6を外側に固定している。
ヒータ6の外側は、放熱を防止するために断熱してい
る。加圧タンク5を加熱するヒータ6はスイッチ21と
電源22に直列に接着されている。スイッチ21がオン
のとき、ヒータ6は通電されて加圧タンク5を加熱す
る。ヒータ6の通電を制御するスイッチ21は、微生物
担体の温度を検出し、あるいは、流量調整弁20の排出
側の温度を検出する温度センサー23に制御されて、ヒ
ータ6の加圧タンク5の空気温度を調整する。加圧タン
ク5に蓄えられる空気の設定温度は、微生物担体の温度
を、たとえば40〜50℃、好ましくは40〜45℃と
する温度に設定される。
【0020】ケーシング1を設置する周囲の外気温度が
15℃以上になると、微生物担体の温度は、空気ノズル
18から噴射される空気温度よりも多少高くなる。とく
に、微生物担体が有機廃棄物を活発に分解するとき、い
いかえると、有機廃棄物を供給して2〜3時間経過した
ときに、微生物担体の温度は周囲温度よりも相当に高く
なる。微生物が活発に有機廃棄物を分解するようになる
からである。有機廃棄物を投入した翌日、すなわち、約
24時間経過した後は、有機廃棄物がほぼ完全に分解、
消失されて、微生物担体の温度が低下する。微生物担体
の温度を検出して、加圧タンク5の空気温度を制御する
方法は、微生物担体が有機廃棄物を活発に分解するとき
は、加圧タンク5の空気温度を低く設定し、微生物担体
が有機廃棄物を完全に分解した後は、加圧タンク5の空
気温度を高く設定する。この方法は、微生物担体の温度
を常に理想的な温度に制御できる特長がある。
【0021】流量調整弁20の排出側の温度を検出して
加圧タンク5の空気温度を制御する方法は、加圧タンク
5の空気温度を常に一定に保持する。この方法は、微生
物担体が活発に有機廃棄物を分解するときに、微生物担
体の温度が50℃を越えないように、加圧タンク5の空
気温度を設定する。たとえば、加圧タンクの空気温度を
40℃に設定して、微生物担体の温度を約45℃に制御
する。
【0022】図3に示す装置は、加圧タンク5の空気を
加熱するのに代わって、加圧タンク5から排出される空
気を加熱して、空気ノズル18からケーシング1内に噴
射する。この図の装置は、加圧タンク5と流量調整弁2
0の配管24の途中にヒータ6を設けている。ヒータ6
は配管24の外側に固定されて、配管24を加熱する。
加熱された配管24を通過する空気は、加温されて空気
ノズル18から噴射される。ヒータ6はスイッチ21を
介して電源22に接続されている。スイッチ21は、温
度センサー23にオンオフ制御されて、空気を設定温度
に加温する。温度センサー23は、図1に示す装置と同
じように、微生物担体の温度を検出し、あるいは、流量
調整弁20の排出側の空気温度を検出して、流量調整弁
20から排出される空気を設定温度に加温する。この構
造の装置は、簡単な装置で空気を設定温度に加温できる
特長がある。
【0023】ところで、加圧タンク5に高圧の空気を蓄
え、流量調整弁20で流量を調整して空気ノズル18か
ら噴射する装置は、流量調整弁20を通過するときに減
圧されるので、ここで空気が断熱膨張して温度が低下す
る。この状態は、加圧タンク5に高圧の空気を蓄えて、
流量調整弁20で大きく減圧させるほど甚だしくなる。
加圧タンク5に、高圧の空気を蓄える装置は、加圧タン
ク5に蓄える空気の設定温度を、断熱膨張して温度が低
くなることを考慮して多少高く設定する。加圧タンク5
の設定温度を高くすることは、必ずしも、加圧タンク5
を加温するヒータ6の容量を増大させない。加圧空気源
8で空気を加圧して加圧タンク5に供給するときに、空
気が断熱圧縮されて加温されるからである。とくに、加
圧空気源8で充分に空気が加温されると、ヒータ6を使
用しないで、ケーシング1に供給される空気を設定温度
にすることもできる。ヒータを使用しない装置は、加圧
タンクを省略して、加圧空気源から流量調整弁を介して
直接にケーシングに空気を供給することができる。この
装置は、流量調整弁で噴射圧を調整して、ケーシングに
供給する空気温度を調整する。流量調整弁を絞って空気
量を少なくすると、加圧空気源の空気温度は高くなる。
【0024】加圧タンク5に加圧空気を供給する加圧空
気源8には、コンプレッサーや有圧ファンを使用する。
コンプレッサーや有圧ファンは、空気を高圧に空気を加
圧して加圧タンク5に供給する。コンプレッサーは加圧
タンク5に高圧の空気を供給できる。有圧ファンは、噴
射圧が0.4kg/cm程度に制限されるが、風量を
多くできる特長がある。
【0025】図1〜図3に示す処理装置は、下記のよう
にして、有機廃棄物を分解して、消失させる。 ケー
シング1に、バクテリアの微生物担体を入れる。微生物
担体には、好ましくは、杉等の木材を米粒状に粉砕した
多孔質材を使用する。多孔質の微生物担体は、無数の微
細な空隙にバクテリアが棲息する。微生物担体に棲息す
るバクテリアは、好気性菌、嫌気性菌、通性嫌気性菌等
である。さらに、微生物担体には、バクテリアに加え
て、好ましくは酵素を添加する。ケーシング1に充填す
る微生物担体の量は、1日の処理量を考慮して決定され
る。1日の有機廃棄物の処理量を300kgとする装置
は、ケーシング1の容積を6mとして、ここに約5m
の微生物担体を入れる。
【0026】 ケーシング1に微生物担体を入れた状
態で、空気ノズル18から空気を噴射させる。空気ノズ
ル18から噴射される空気は、微生物担体の隙間を通過
して、微生物担体を設定温度に加温する。空気ノズル1
8から噴射される空気温度は、微生物担体を約40〜5
0℃、好ましくは約40〜45℃に加温する温度に設定
される。ケーシング1に噴射される空気の流量と噴射圧
は、流量調整弁20で調整する。ケーシングに5m
微生物担体を蓄える装置は、空気ノズル18に供給する
空気圧を0.15kg/cm、空気流量を0.4m
/minとする。空気ノズル18は連続して空気を噴射
する。
【0027】 撹拌羽根3を回転しながら、有機廃棄
物を供給する。有機廃棄物は、毎日1回の割合で供給す
る。ケーシング1に5mの微生物担体を入れている装
置は、毎日、最大約300kgの有機廃棄物が投入でき
る。有機廃棄物は、ケーシング1の供給口1Aの蓋9を
開いて供給する。有機廃棄物を供給した後、供給口1A
の蓋9を閉じてケーシング1を閉塞する。有機廃棄物を
供給するとき、撹拌羽根3を回転して、有機廃棄物を微
生物担体に充分に混合する。
【0028】 撹拌羽根3は、有機廃棄物と微生物担
体とを充分に混合した後、断続的に回転して、有機廃棄
物と微生物担体とを撹拌する。撹拌羽根3は、たとえば
5分回転されて、その後の1時間は回転を停止させる。
撹拌時間は、2〜20分とすることができる。撹拌羽根
3の休止時間は、20分〜2時間とすることができる。
回転時間に対する休止時間を長くすると、撹拌羽根3を
回転させる電気消費量を少なくできる。ただ、休止時間
が長すぎると、微生物担体と有機廃棄物とを充分に撹拌
できなくなって、効率よく分解、消失できなくなる。
【0029】 撹拌羽根3で断続的に撹拌され、空気
ノズル18が連続して空気が供給されると、微生物担体
に棲息するバクテリアは、有機廃棄物を炭酸ガス、水
分、アンモニア等のガスに分解して消失させる。微生物
担体に棲息するバクテリアは、有機廃棄物を供給して数
時間経過すると、飛躍的に増殖して活発に有機廃棄物を
分解するようになる。有機廃棄物を投入して24時間経
過すると、すなわち、次の日になると、有機廃棄物はほ
とんど完全に分解されて消失する。したがって、毎日、
500kgの有機廃棄物を投入して、効率よく消失でき
る。バクテリアが有機廃棄物を分解するときに発生する
ガスは、ケーシング1から脱臭器2に供給して脱臭して
排気される。
【0030】
【発明の効果】本発明の有機廃棄物をバクテリアで分解
して消失する方法は、ケーシングに供給する空気を設定
温度に加温するという簡単な構造で、多量の微生物担体
と有機廃棄物の全体を均一に適温に加温する。それは、
本発明の方法が、空気をケーシング内に噴射し、噴射さ
れた空気を、混合された微生物担体と有機廃棄物の隙間
に透過させて、空気でもって微生物担体と有機廃棄物と
を適温に加温するからである。空気を介して、全体が最
適な温度に加温された微生物担体と有機廃棄物は、バク
テリアの棲息環境を快適にして、多量の有機廃棄物を効
率よく、短時間で分解する。
【0031】さらに、空気を介して微生物担体と有機廃
棄物とを適温に加温する方法は、微生物担体や有機廃棄
物を局部的に加熱することがなく、微生物担体や有機廃
棄物が加温部分に固く付着することがない。このため、
毎日、多量の有機廃棄物を投入して、しかも簡単なメン
テナンスで効率よく有機廃棄物を消失できる特長があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機廃棄物をバクテリアで分解して消
失する方法に使用する装置の一例を示す縦断面図
【図2】図1に示す装置の横断面図
【図3】本発明の有機廃棄物をバクテリアで分解して消
失する方法に使用する他の装置の一例を示す断面図
【符号の説明】
1…ケーシング 1A…供給口 2…脱臭器 2A…ケース 3…撹拌羽根 4…減速モーター 5…加圧タンク 6…ヒータ 7…温度制御回路 8…加圧空気源 9…蓋 10…排気管 11…吸引ファン 12…脱臭液 13…循環ポンプ 14…透過シート 15…ノズル 16…シャフト 17…フィン 17A…フィン
17B…フィン 18…空気ノズル 19…噴射口 20…流量調整弁 21…スイッチ 22…電源 23…温度センサー 24…配管 25…アーム

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バクテリアを棲息させるケーシング(1)
    に有機廃棄物を供給し、回転される撹拌羽根(3)でもっ
    て供給された有機廃棄物をケーシング(1)内で断続的に
    撹拌すると共に、加熱された空気を連続的に供給して、
    有機廃棄物をバクテリアの作用で処理する方法におい
    て、ケーシング(1)に回転できるように配設されると共に、
    加圧空気源に連結している撹拌羽根(3)のシャフト(16)
    に設けている空気ノズルからケーシング内に空気を噴射
    すると共に、 ケーシング(1)の底部であって最下端部から多少上方に
    位置する傾斜部に、撹拌羽根(3)の回転方向に延長して
    スリット状の噴射口(19)を開口し、噴射口(19)からケー
    シング内に空気を噴射し、 ケーシング(1)に、無数の微細な空隙にバクテリアを棲
    息させる多孔質な微生物担体を充填し、この微生物担体
    の隙間に、シャフト(16)に設けている空気ノズルとケー
    シング(1)の底部に設けているスリット状の噴射口(19)
    から噴射される加熱空気を通過させて微生物担体を設定
    温度に加温してバクテリアを棲息させ、微生物担体に棲
    息しているバクテリアで、ケーシング(1)に供給される
    有機廃棄物を分解して消失させることを特徴とする有機
    廃棄物をバクテリアで分解して消失する方法。
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