JP2974922B2 - 鋼帯の電解洗浄方法 - Google Patents

鋼帯の電解洗浄方法

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JP2974922B2 JP6326375A JP32637594A JP2974922B2 JP 2974922 B2 JP2974922 B2 JP 2974922B2 JP 6326375 A JP6326375 A JP 6326375A JP 32637594 A JP32637594 A JP 32637594A JP 2974922 B2 JP2974922 B2 JP 2974922B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷間圧延後の鋼帯を連
続的にアルカリ電解洗浄装置を通過させることにより、
当該鋼帯の表面を脱脂・洗浄する鋼帯の電解洗浄方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷間圧延後の鋼帯は、表面に付着してい
る圧延油や鉄粉等を除去するために、連続焼鈍処理の前
に洗浄処理がなされる。このような洗浄設備は、例え
ば、図6に示すように、上流側からアルカリ槽1、ブラ
シ装置2、アルカリ電解槽3、ブラシ槽4、スプレー槽
5、リンガーロール6、ドライヤ7を配置して構成さ
れ、アルカリ電解槽3において、鋼帯表面の微細な凹部
に付着している、圧延油と鉄粉とが混じり合ったスマッ
ジ等の汚れが除去される。
【0003】すなわち、アルカリ電解槽3には、鋼帯S
のパスラインを挟んで対向配置される電極対(電極グリ
ット)31が、通板方向に複数個配設されており、これ
らの電極グリット31の電極間を鋼帯Sが通過すると、
水の電気分解によって生じた水素と酸素の微細な気泡に
より、鋼帯Sの表面にあるスマッジ等の強固に付着した
汚れが除去される。
【0004】このようなアルカリ電解洗浄装置による鋼
帯の脱脂・洗浄方法においては、電流密度(電解によっ
て鋼帯と電極との間に流れる電流の、当該鋼帯の長手方
向に垂直な断面の単位面積当たりの値)を一定に制御す
ると、ラインスピードの変化により電解条件が変わって
洗浄度合いが変化するため、通常は、鋼帯の電気量密度
(電解によって鋼帯に生じる電気量の、当該鋼帯の長手
方向に垂直な断面の単位面積当たりの値)を一定に制御
して電解を行っている。
【0005】なお、アルカリ電解洗浄装置による鋼帯の
脱脂・洗浄方法に関しては、例えば特開平3−2878
00号公報に、電流密度とラインスピードと鋼帯張力と
電極間距離とサポートロール本数との関係を、ラインス
ピードに応じて設定する電解制御方法が開示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】また、アルカリ電解槽
による脱脂・洗浄後の鋼帯表面の清浄性は、後工程であ
る調質圧延やメッキ処理後の外観に大きな影響を与え
る。特に、クロムメッキ鋼板においては、鋼板表面に残
存するスマッジがクロム析出の優先核となって、微細な
粒状クロム(粒径0.1μm程度)を形成し、これが可
視光の短波長成分を吸収することにより、褐色に見える
外観不良が生じるという問題があるが、この外観不良
は、当該鋼帯がアルカリ電解槽中を低速で通過した部分
に発生する頻度が高い。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題点に
着目してなされたものであり、アルカリ電解洗浄装置に
よる鋼帯の脱脂・洗浄方法において、鋼帯の走行速度に
応じて適切な電解条件を設定することにより、全長に渡
って表面性状に優れた鋼帯を得ることのできる方法を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、発明は、冷間圧延後の鋼帯を連続的にアルカリ電
解洗浄装置を通過させることにより、当該鋼帯の表面を
脱脂・洗浄する鋼帯の電解洗浄方法において、電解液と
して主成分がNaOHのアルカリ水溶液を用い、当該鋼
帯の走行速度が100m/分以下である低速走行時には
電流密度を5〜10A/dm 2 範囲内に制御し、当該
鋼帯の走行速度が100m/分以上となる高速走行時に
は電気量密度を1〜5C/dm 2 範囲内に制御して電
解を行うことを特徴とする鋼帯の電解洗浄方法を提供す
る。
【0009】前記電流密度および電気量密度は、鋼帯の
長手方向に垂直な断面の単位面積当たりの電流および電
気量を意味する。
【0010】
【0011】
【作用】本発明の方法によれば、鋼帯の低速走行時に電
流密度が所定範囲内に制御され、高速走行時に電気量密
度が所定範囲内に制御されて電解が行われる。ここで、
電流密度制御による電解洗浄では、鋼帯の走行速度が低
い場合に脱脂・洗浄作用が高く、電気量密度制御による
電解洗浄では、鋼帯の走行速度が高い場合に脱脂・洗浄
作用が高いことから、これらの方法によれば、低速走行
時および高速走行時のいずれの場合にも、より脱脂・洗
浄作用が高い制御方法が選択されることになる。
【0012】特に、低速走行時に電流密度が5〜10A
/dm2 に制御され、高速走行時に電気量密度が1〜5
C/dm2 に制御されることによって、スマッジ除去作
用が高くなる。すなわち、電解洗浄時の電流密度と電解
洗浄後の板面残鉄量との相関を示すグラフを図2に、電
解洗浄時の電流密度と電解洗浄後の板面残油量との相関
を示すグラフを図3にそれぞれ挙げるが、これらのグラ
フから、電流密度が5〜10A/dm2 であると、残鉄
量および残油量の両方が少なくなって、スマッジ除去効
果が高くなることが分かる。
【0013】また、電解洗浄時の電気量密度と電解洗浄
後の板面残鉄量との相関を示すグラフを図4に、電解洗
浄時の電気量密度と電解洗浄後の板面残油量との相関を
示すグラフを図5にそれぞれ挙げるが、これらのグラフ
から、電気量密度が1〜5C/dm2 であると、残鉄量
および残油量の両方が少なくなって、スマッジ除去効果
が高くなることが分かる。
【0014】一方、前述のように、電流密度制御による
電解洗浄では、鋼帯の走行速度が低い場合に脱脂・洗浄
作用が高く、電気量密度制御による電解洗浄では、鋼帯
の走行速度が高い場合に脱脂・洗浄作用が高いが、鋼帯
の走行速度と脱脂・洗浄作用との相関を電流密度制御と
電気量密度制御とで比較した場合に、脱脂・洗浄作用
は、鋼帯の走行速度が100m/分である場合を境にし
て、それ以下であれば電流密度制御の方が高く、それ以
上であれば電気量密度制御の方が高いことが実験により
確認された。
【0015】したがって、本発明の方法によれば、電流
密度による制御と電気量密度による制御とが、鋼帯の走
行速度100m/分を境にして切り換わるため、鋼帯の
走行速度が変化しても常に、より脱脂・洗浄作用の高い
制御方法が確実に選択されることになる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。冷
間圧延後の鋼帯を、前出の図6に示すような洗浄設備で
洗浄する際に、アルカリ電解槽(アルカリ電解洗浄装
置)3においては、鋼帯Sを電極グリット31の電極間
を通過させることにより、当該鋼帯Sの表面を電解によ
り脱脂・洗浄する。
【0017】この電解洗浄に際して、濃度5%の主成分
がNaOHのアルカリ水溶液を用い、鋼帯の走行速度
(ラインスピード)を変化させ、電流密度を10A/d
2 に保持して電解を行うと、ラインスピードと板面残
鉄量との相関は図1の曲線aに示すようになり、ライン
スピードが上昇するにつれて板面残鉄量が増大してスマ
ッジ除去効果が悪くなることが分かる。
【0018】また、同じアルカリ水溶液で、鋼帯の走行
速度(ラインスピード)を変化させ、電気量密度を5C
/dm2 に保持して電解を行うと、ラインスピードと板
面残鉄量との相関は図1の曲線bに示すようになり、ラ
インスピードが低い時には板面残鉄量が高くてスマッジ
除去効果が悪く、ラインスピードが上昇するにつれて1
00m/分までは比較的急に板面残鉄量が低下してスマ
ッジ除去効果が良くなり、200m/分以上となるとそ
の効果が飽和することが分かる。
【0019】そして、電流密度による制御の曲線aと電
気量密度による制御の曲線bとが、ラインスピード10
0m/分の点で交差するため、100m/分以下の低速
走行時には電流密度による制御を行い、100m/分以
上の高速走行時には電気量密度による制御を行うことに
よって、当該鋼帯の表面に付着したスマッジが効果的に
除去されることが分かる。
【0020】ここで、冷間圧延後の鋼帯(クロムメッキ
用の普通鋼)に対して、図6に示すような通常の洗浄設
備により洗浄を行う際に、アルカリ電解槽3において、
鋼帯の走行速度が100m/分以下の低速走行時には電
流密度を10A/dm2 に保持し、100m/分以上の
高速走行時には電気量密度を5C/dm2 に保持する制
御を行いながら、アルカリ電解洗浄を行った。また、こ
の洗浄後の鋼帯に対して、通常の連続焼鈍酸洗、調質圧
延を行った後にクロムメッキ処理を施して得られたクロ
ムメッキ鋼板の表面を走査型電子顕微鏡により調べたと
ころ、鋼帯の全長に渡って粒状クロムの析出は全く見ら
れなかった。これは、アルカリ電解洗浄によって、鋼帯
表面のスマッジ除去が、鋼帯の全長に渡って完全に行わ
れたことを意味する。
【0021】これに対して、従来のように、電気量密度
を常に10C/dm2 に保持してアルカリ電解洗浄を行
った場合には、特に、鋼帯の走行速度が100m/分以
下の低速であった部分に、鋼帯表面のスマッジ除去が不
完全となったことに伴う粒状クロムの析出が見られた。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
れば、鋼帯の走行速度に応じて、低速走行時には電流密
度制御で高速走行時には電気量密度制御でアルカリ電解
洗浄を行うことにより、当該鋼帯の表面に付着したスマ
ッジ等が鋼帯の走行速度に関わらず効果的に除去され
る。その結果、全長に渡って表面性状の優れた鋼帯を得
ることができるため、メッキ処理後の外観不良が解消さ
れて製品の歩留りが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】電流密度による制御および電気量密度による制
御の各場合について、ラインスピードと板面残鉄量との
相関を示すグラフである。
【図2】電解洗浄時の電流密度と電解洗浄後の板面残鉄
量との相関を示す、グラフである。
【図3】電解洗浄時の電流密度と電解洗浄後の板面残油
量との相関を示す、グラフである。
【図4】電解洗浄時の電気量密度と電解洗浄後の板面残
鉄量との相関を示す、グラフである。
【図5】電解洗浄時の電気量密度と電解洗浄後の板面残
油量との相関を示す、グラフである。
【図6】冷間圧延後の鋼帯に対して連続焼鈍処理前に行
われる洗浄処理(アルカリ電解洗浄処理を含む)用の設
備の一例を示す装置構成図である。
【符号の説明】
3 アルカリ電解槽(アルカリ電解洗浄装置) S 鋼帯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋月 敏夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 平3−236499(JP,A) 特開 平3−287800(JP,A) 特開 昭62−235500(JP,A) 特開 平4−72097(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C25F 1/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷間圧延後の鋼帯を連続的にアルカリ電
    解洗浄装置を通過させることにより、当該鋼帯の表面を
    脱脂・洗浄する鋼帯の電解洗浄方法において、電解液と
    して主成分がNaOHのアルカリ水溶液を用い、当該鋼
    帯の走行速度が100m/分以下である低速走行時には
    電流密度を5〜10A/dm 2 範囲内に制御し、当該
    鋼帯の走行速度が100m/分以上となる高速走行時に
    は電気量密度を1〜5C/dm 2 範囲内に制御して電
    解を行うことを特徴とする鋼帯の電解洗浄方法。
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