JP2972329B2 - 血小板膜微粒子 - Google Patents

血小板膜微粒子

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JP2972329B2 JP2506787A JP50678790A JP2972329B2 JP 2972329 B2 JP2972329 B2 JP 2972329B2 JP 2506787 A JP2506787 A JP 2506787A JP 50678790 A JP50678790 A JP 50678790A JP 2972329 B2 JP2972329 B2 JP 2972329B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は一般的には医療の分野に関し、特に出血を制
御するために輸血において用いる血小板膜微粒子製剤に
関する。
背景技術 正常成人の体は、約60%の液体(血しょう)および40
%の形を持つ要素(赤血球;白血球;および血小板)か
らなる4.0から5.5リットルの血液を含んでいる。正常な
生理学的条件下、血小板の主たる機能は出血の防止であ
る。
血小板は骨髄において巨核球と呼ばれる前駆細胞から
形成され、血液循環において8から10日の寿命を持って
いる。この短い寿命の結果、血小板を生成する骨髄の能
力が抑制された場合、例えば化学療法を受けているガン
患者のごとくは、血小板欠乏が急速に起こる。血小板欠
乏はまた、各種の疾患、例えばインビボにおいて血小板
表面糖タンパク質に対する、または他の血小板表面抗原
に対する抗体が産生される場合の結果としても起こり得
る。そのような血小板の涸渇または破壊の結果として血
液循環血小板の量が不十分となり(血小板減少症と呼ば
れる状態)、制御できない出血を起こす。血小板欠乏は
また例えば血液循環血小板を損傷および破壊しがちな体
外循環法を含む外科手術によっても生じる。血小板減少
症の臨床的管理としては典型的には新鮮で無傷の血小板
の輸血が含まれている。
代謝的に活性で無傷の血小板のみがインビボにおいて
出血を止める機能があると広く思われていた。その結
果、輸血療法は高品質で新鮮で生存可能な血小板の獲得
に依存してきた。輸血のための血小板は典型的には:
(a)ランダム提供者血小板と呼ばれる新しく提供され
た血液ユニットから、または(b)単一提供者血小板と
呼ばれる単一提供者からのフェレーシス(pheresis)に
より調製される。これらの輸血製剤は新鮮で濃縮された
無傷の血小板の血しょう懸濁液である。
現在の血小板輸血の実施の主たる問題点は無傷の血小
板の貯蔵寿命が短いことである(3から5日)。病院、
血液銀行などで集められた多くの血小板ユニットが不幸
にも期限切れのため捨てられている。その貯蔵寿命の短
さのため、血小板ユニットの多量の在庫目録を維持する
のが困難である。この問題点は軍隊、民間防衛および災
害活動の場合のごとき分散された運用に関して特に重大
である。
無傷の生存可能な血小板のいくつかの代替物が臨床的
におよび動物モデルにおいて試みられてきた。1956年
(1)、凍結乾燥された血小板の臨床的投与により止血
が達成された事が報告されており、血小板の形態的完全
性は無傷の血小板のインビボでの少なくともいくつかの
機能の保持には必須ではない事を示唆している。凍結乾
燥された血小板物質の静脈内投与の主たる副作用は、多
分凍結乾燥物質中の高セロトニン含量により起こされた
血管けい攣により患者が注入部位に激しい痛みを経験す
ることであった。前記の結果と反対に、1959年(2)に
新鮮な超音波破壊全血小板製剤は血小板減少症のイヌの
リンパ液中の赤血球の数を減少させなかった事が報告さ
れている。より最近、マックギル(McGill)ら(3)は
血小板膜濃縮物の輸血が血小板減少症のウサギの出血時
間を短くしたと報告している。濃縮物には正常血小板と
ほとんど同じ大きさのゴースト血小板が含まれており、
ミトコンドリアおよび表面−結合系の残遺組織を含んで
いた。マックギル(McGill)の濃縮液は:(1)ウサギ
の全血を遠心分離してペレット状新鮮血小板とし;
(2)ペレットを−65℃で凍結させ;(3)ペレットを
融解し続いて2度凍結−融解させる;および(4)洗浄
し、ペレットを血小板を含まない血しょうに再懸濁させ
ることにより調製された。
前記の血小板膜分画の調製においては、約4℃または
それ以下の温度条件が維持された。そのような温度は生
物学的製剤を取り扱う場合には普通の事であり、生物学
的製剤がより高い温度に曝露された場合は非常に短い時
間で活性が普通には失われるからである。例えば、酵素
のごときタンパク質は約60℃に加熱することにより不活
性化されるであろう。活性は4℃であっても失われるで
あろう。例えば、部分精製された血小板因子3(PF−
3)は4℃で貯蔵しても4日後にはその凝固活性の大部
分を失うことが報告されている(4)。(PF−3はトロ
ンビン発生を促進する触媒表面を提供する血小板膜複合
体と関連があるらしい。)そのような活性の消失は血小
板分画を医薬として使用することを考える場合には非常
に関心が持たれるところである。
ヒトに使用する血小板分画を調製する場合は、もちろ
ん無菌条件を使用する必要がある。全血輸血と同様に、
提供された血小板ユニットの使用は受血者をAIDS、肝炎
および他の輸血関連疾患のごとき疾患の伝染の危険に曝
すことになる。別の危険性は多数回の輸血後、受血者/
患者に提供された血小板に対する抗体が現れることであ
る(同種免疫として知られている状態)。そのような抗
体は輸血された血小板の急速な破壊を起こす。さらに、
貯蔵血小板の細菌感染は輸血における重大な危険性であ
る。
発明の概要 本発明は血小板膜から新規な方法に従って誘導される
医薬および診断生成物を提供する。生成物は前血液凝固
薬活性を持つ血小板膜分画製剤を含み、出血を制御する
ために全血小板の代わりに使用され、傷治療を促進する
為に局所的に使用され、あるいはインビトロおよびイン
ビボにおいて診断薬として使用される。
本発明の一つの態様に従うと、血小板膜分画製剤は活
性なウイルスを含んでいない。この製剤を作る方法はウ
イルス混入並びに細菌混入を減ずるまたは除去するため
に血小板膜分画製剤の熱処理を含んでいる。本製剤は熱
処理されるけれども、驚くべき事にその前血液凝固薬お
よび止血活性は保持されている。さらに、熱処理膜断片
は期待されたよりもはるかにより安定である。本製剤は
前血液凝固活性の顕著な損失がなく、少なくとも8週
間、少なくとも6ヶ月(90%以上保持)4℃で貯蔵でき
る。この活性は凍結乾燥後でさえも保持される(90%以
上)。さらに、タンパク質およびリン脂質含量は凍結乾
燥後および6ヶ月の貯蔵後にも変化しない。
本発明の別の態様に従うと、本製剤は非免疫性であ
り、特にクラスI HLA抗原決定基に関して非抗原性で
ある。それ故特定の受血者に対する本製剤の適合性は提
供者の遺伝的特性により制限されない。
本発明のさらに別の態様に従うと、前血液凝固活性を
持ち出血を制御できる本血小板膜分画製剤は実質的にGP
II b/III a複合体を含んでいない。この事はGP II b/I
II a複合体が止血に関与しており、必要であると広く信
じられていることを考えると驚くべき事実である。
本血小板膜分画製剤はゴースト血小板を含まず、比較
的均一な微粒子を含んでいることが好ましい。好ましく
は、少なくとも微粒子の80%は600ナノメーター未満の
直径を持っており、少なくとも95%は1ミクロン未満の
直径を持っている。最も好ましくは、微粒子は約300か
ら400ナノメーターの間の平均直径を持っている。その
ような微粒子は典型的なゴースト血小板の約1/5から1/7
の大きさである。
好ましい製剤は実質的にセロトニンを含まず(血小板
溶解物に観察される量の0.02%未満)、それにより従来
の技術によるある種の製剤が輸血に使用された場合に特
徴的な呼吸及び血管の問題をなくしている。本製剤はさ
らに検出可能なプリンヌクレオシドホスホリラーゼ活性
(細胞質酵素マーカー)を持たず、実質的に因子V,VII
I,IXおよびXを含んでいない。一つの実施態様において
微粒子分画は重量で3%の炭水化物、30%のリン脂質、
58%のタンパク質および9%のコレステロールであり、
リン脂質に対するタンパク質の比は1.97±0.10(平均±
SD,n=7)である。
驚くべきことに血小板膜断片製剤は期限切れの血小板
からも製造される。典型的には、病院などは輸血のため
の血小板を室温で3から5日保存している。これ以後は
血小板は使用不可能と考えられ“期限切れ血小板”とし
て捨てられる。本発明の医薬品及び診断薬はそのような
期限切れの血小板から製造してもよいことが発見され
た。それ故、本発明は輸血のための血小板膜分画の準備
が完全にまたは一部期限切れの血小板からなされるとい
う利点を持っており、それによりこれまで有用でないと
して捨てられていた多量の血小板が使用できる。
本発明の血小板由来の生成物を製造するための方法も
提供される。本発明の一つの態様においてプロトロンビ
ナーゼ活性を持つ血小板または血小板膜断片を含む試料
が、試料中に含まれているウイルスを不活性化するのに
十分な条件下で処理される。好ましくは試料は熱処理さ
れる。そのような試料はまた、好ましくは超音波処理に
て均一化されることによりゴースト血小板を実質的に含
まない血小板膜微粒子が作られる。この試料はまた実質
的に全てのGP II b/III a表面糖タンパク質複合体を除
去するために処理されるであろう。
本発明はまた出発原料として期限の切れた血小板また
はその膜断片を用いた血小板由来生成物の製造方法をも
提供する。期限切れの血小板は単一提供者源であっても
よく、多数の提供者からプールされたものでもよい。こ
の方法はまたウイルス不活性化のための処理、微粒子形
成のための処理およびGP II b/III aを実質的に除去す
るための処理を含む。
本発明の生成物を製造するためのもっとも好ましい方
法は血小板の繰り返しの凍結−融解および洗浄を含み、
最初にゴースト血小板および溶解物を得る。次にゴース
ト血小板を溶解物から分離し、溶液中に懸濁し懸濁液を
得る。続いてゴースト血小板を含む懸濁液はウイルス混
入物を不活性化するために少なくとも60℃にて少なくと
も2時間加熱される。熱処理によりまた沈澱の形成を起
こす。しかしながら沈澱は顕著な量の所望の活性を含ん
でいるのでこの時点では沈澱を除去しない。そのかわり
沈澱を含む懸濁液を最初にホモジェナイズし(好適には
超音波処理により)、そして沈澱を懸濁液から分離す
る。懸濁液は貯蔵されるかまたは輸血に使用される。
血小板膜断片製剤は出血を防止するために動物または
ヒトにおいて医薬として有効量使用される。輸血のため
の医薬製剤として使用された場合、無菌製剤は塩溶液ま
たは血しょうのごとき生理学的に適合する溶液に懸濁さ
れる。それは単独でもまたは全血小板を含む他の薬剤と
一緒に使用してもよい。本製剤は人工血液への理想的な
添加剤である。本製剤はまた出血を停止させるためおよ
び傷の処置のために局所的に応用してもよい。この点に
関しては本製剤はゲルまたは軟膏のごとき医薬として受
容可能な担体中に懸濁させてもよいし、またはガ−ゼの
様な担体に染み込ませてもよい。本製剤はまた薬剤運搬
のための担体として使用してもよいし、または例えば凝
結の位置を追跡するための造影剤として標識して診断的
に使用してもよい。
図面の簡単な説明 図1はトロンビン凝固時間の標準曲線を示すグラフで
あり; 図2はPF−3特異活性に対する熱処理の影響を示すグ
ラフであり; 図3は正常血小板のおよび血小板減少症のウサギにお
ける血小板数および出血時間を示すグラフであり; 図4はドキソルビシン塩酸塩誘発血小板減少症動物に
おける出血時間に対する輸血された血小板膜微粒子の効
果を示すグラフであり; 図5は抗体誘発血小板減少症動物における輸血された
血小板膜微粒子の効果を示すグラフであり; 図6はブスルファン誘発重度血小板減少症動物におけ
る出血時間に対する輸血された血小板膜微粒子の用量応
答性効果を示すグラフである。
好ましい態様の詳細な説明 本発明の生成物は全血小板からまたは全血小板の膜由
来物から調製される。全血小板は新しく集められたもの
でもよいし期限切れの血小板でもよい。期限切れの血小
板とは約4℃から室温の間の温度で少なくとも3日間貯
蔵された血小板を意味している。期限切れの血小板と
は、受け入れられている慣例に従うと輸血品としての使
用にはもはや適さないとして捨てられていたものであ
る。血小板の誘導物とはゴースト血小板または血小板膜
微粒子を含む血小板膜断片のごとき無傷でない血小板を
意味している。
本発明の生成物は患者に有効量投与される。術語“患
者”とは例えばヒト、イヌ、ネコ、ウマ等のごとく、少
なくとも一部は血小板により開始される止血能を持つ生
きている生物を含むことを意味する。“有効量”とは本
生成物が投与される特定の治療または診断の目的が達成
できる量である。輸血の一般的な場合において、有効量
とはもし全血小板が輸血されたとした場合に達成される
であろうものと実質的に同じレベルの止血機能を回復す
るように作用する量である。血小板減少症の患者の場
合、有効量とは患者の出血時間を減少させる(好ましく
は危険でないレベルまで、および最も好ましくは正常個
体と一致するレベルまで減少させる)量である。有効量
は個々の個体に基づいて、および少なくとも一部は患者
の大きさ、処置される徴候の激しさおよび要求される結
果に基づきうる。それ故有効量はそのように因子を用い
ておよび日常の経験を用いて当業者により決定されう
る。
本発明の生成物は活性なウイルスを除くために処理さ
れる。活性なウイルスを含まないとは、生成物が例えば
HBV,NANBHV,CMVまたはHIVのごとき存在するどのような
ウイルスをも不活性化または破壊するのに十分な条件に
委ねられることを意味する。そのような条件としては抗
体、エタノール、紫外光、有機溶媒−界面活性剤および
フェナンスロリンキレ−ト剤を含む処置が挙げられる。
(ここに引例として含まれている“血しょう生成物にお
けるウイルスの不活性化”、モルゲンターラー(J.J.Mo
rgenthaler)監修,Current Studies in Hemotology an
d Blood Transfusion,No.56,Karger,N.Y.1989,を参照さ
れたい。)ウイルス不活性化の好適な方法としてはウイ
ルスを不活性化または破壊する程度まで熱処理すること
が挙げられる。
本発明の生成物はまた輸血された時のその免疫原性を
減少または除去するために処理されるであろう。本発明
の生成物は都合の良いことにプ−ルされた血小板から調
製され、それは通常ほとんどの個体に輸血された場合抗
体応答を誘導するであろう。現在、同種免疫は繰り返し
の血小板輸血を必要とする血小板減少症の患者の処置に
おける困難な問題である。血小板は血小板膜の一部であ
るかまたは血しょうから吸着されるHLA−AおよびHLA−
B抗原を示す。HLA−AまたはHLA−B(血小板同種免疫
の第一の原因である)に対する抗体の発生は輸血された
血小板の急速な破壊をおこし、それ故、止血に対する血
小板の輸血の効果を減少させている。血小板濃縮液への
白血球(HLA抗原となる源である)の混入もまた同種免
疫の発生に寄与するであろう。
本発明の好ましい生成物は非免疫原性、非同種免疫原
性およびHLA決定基(特にクラスI HLA決定基)に対し
て非免疫原性である。ここで非免疫原性とは数回の輸血
後、患者が輸血された生成物の治療効果を妨害するのに
十分な免疫応答を身につけないことを意味している。こ
こで非同種免疫原性とは数回の同種免疫原から調製され
る物質の輸血後、患者が同種抗原に対して検出可能な免
疫応答を示さないことを意味している。検出可能とは同
種抗原に対する血清抗体がドット検定のごとき慣用の技
術を用いては検出できないか、または、同種抗原に対す
る免疫応答が輸血された生成物の治療効果を妨害するの
に十分でないことを意味している。
本発明の好ましい生成物を製造するための好ましい方
法は以下の通りである。新しく集められ、貯蔵された
(20−25℃で1−5日)または期限が切れた(4℃で5
日以上)血小板濃縮液(50−60ml/濃縮液)を600mlの血
液バック(Fenwallトランスファ−パックユニット,4R20
23,Fenwall Laboratoies,Deerfield,Illinois)に、無
菌血しょうトランスファ−セット(Fenwall,4C2243,Fen
wall laboratoies,上記)を通してプールした。各々の
バックは全量で500−600mlの血小板濃縮液を含んでいた
(以後600mlユニットと称する)。600mlユニットを22℃
にて1,000rpmで11分間遠心分離して混入している赤血球
および白血球細胞を除去した(PR7000,International E
quipment Company,Needham Heights,Massachusetts)。
血小板を含んでいる上澄を新しい600ml血液バックへ移
し22℃にて25分間3,000rpmで遠心分離して血しょうから
血小板を分離した。血小板を含まない血しょうを絞り出
し得られる血小板ペレットを20mlの0.9%NaCl溶液(生
理食塩水)に穏やかに再懸濁し、新しい塩溶液で最終的
に100mlの容量まで希釈し、300mlの血液バック中にプー
ルした(バック当り100mlの3つの試料は最初の600mlユ
ニット3つに対応する)。再懸濁した血小板を再び22℃
にて20分間3,000rpmで遠心分離し沈殿させた。上澄み液
を除去し血小板ペレットを生理食塩水で2度洗浄した
(再懸濁および遠心分離を繰り返して)。
洗浄した血小板は最終的に生理食塩水(各々600mlユ
ニット当り25ml)に再懸濁し凍結(−80℃で少なくとも
6時間)および融解(25℃で少なくとも1時間)を3回
繰り返すことにより破壊された。凍結および融解された
懸濁液を生理食塩水(各々600mlユニットあたり100ml)
で希釈し、30分間3,000rpmで遠心分離して血小板ゴース
トペレットを集めた。
血小板膜を破壊し、血小板ゴースト分画を単離するの
に別の方法を用いてもよい。例えば、血小板をグリセロ
ールで平衡化し続いて細胞外のグリセロール濃度を急激
に希釈することにより浸透圧を低くして破壊してもよ
い。これは血小板の外膜をはさんで浸透圧の勾配を作り
そのことにより細胞膜の崩壊を導くものである。さら
に、浸透圧ショックの誘導及び血小板の破壊の為に多く
の他の化学薬品(例えば、NaCl)を類似の方法で使用し
てもよい。好ましい実施態様においては凍結および融解
の繰り返しが使用された。
洗浄されたゴーストペレットを生理食塩水(各々600m
lユニット当り40−50ml)に再懸濁し、水浴上60℃で2
時間加熱した。もしくは、血小板ゴースト懸濁液を100
℃で5分間加熱した。これらの条件は混入ウイルスを不
活性化するのに十分である。加熱処理中に大きなふわふ
わした沈澱が発生した。この熱処理血小板ゴースト懸濁
液は次にフローセル中、1/2″ジスラプターホーン(Mod
el 800B,Heat Systems)を用いて、超音波処理器(ウル
トラソニックプロセッサーModel W−385,Heat Systems
Inc.,Farmingdale,New York)中でホモジェナイズされ
た。超音波処理システムは血小板ゴースト懸濁液の注入
に先立って最初に窒素で置換された。48マイクロメータ
ーの二重振幅を生成するために出力調整セッテイングを
“4"とし、20kHzで5分43秒(2秒サイクル、1.4秒オ
ン、0.6秒オフ)パルスをかける事により懸濁液を超音
波処理した。超音波処理した試料はつぎに22℃にて30分
間3,000rpmで遠心分離して、上澄み液に残っている生成
した血小板膜微粒子から沈澱物質を分離した。上澄み液
を除き、封をした容器中で4℃、−20℃または−80℃で
貯蔵するかまたは窒素下凍結乾燥して貯蔵した。特に指
示しない限り、微粒子は4℃で貯蔵され以下の方法で使
用された。
前記のごとくして調製された血小板微粒子画分は活性
なウイルスを含んでいなかった。それはまた実質的に血
小板ゴーストを含まず、微粒子の80%以上が直径600ナ
ノメーター未満であり、95%以上が1,000ナノメーター
未満であった。新しく期限切れとなった血小板(期限切
れ後2週間以内)から調製された7つの異なった試料の
微粒子の平均直径は300から400ナノメーターの間であっ
た。7つの試料の平均直径は341ナノメーターであっ
た。
血小板微粒子画分はまた実質的にセロトニン、GP II
b/III a(表面糖タンパク質)、プリンヌクレオシドホ
スホリラーゼ、血液凝固因子V,VIII,IXおよびX、およ
びトロンボスポンジン(アルファ顆粒成分)を含んでい
なかった。一方、GP I b(別の糖タンパク質)が存在し
ており、ベーターグルクロニダーゼ(リソソームマーカ
ー)もまた検出可能であった(溶解物のパーセントとし
て約25%)。GP II b/III aは止血に必要であると信じ
られているので、GP II b/III aが存在しないことは驚
きであった。
血小板微粒子画分の組成はある種の成分に対し2っの
異なった組の実験で決定され表に示されている: 新しく期限切れとなった血小板から調製された好まし
い血小板微粒子画分の前血液凝固活性は、PF−3活性の
測定に使用されるラッセルクサリヘビ蛇毒時間(5)を
用いて決定された。ラッセル検定はトロンビン生成試験
であり、終末点はフィブリノーゲン凝固により決定され
る。比活性はトロンビン標準曲線と比較して決定され、
血小板タンパク質のmg当りまたは血小板リン脂質mg当り
に生成されたトロンビンの単位(U)として表現され
る。タンパク質mg当りのPF−3の比活性(U/mg)は最初
の組の実験において148.1±13.4(n=7)であると決
定された。第二の組の実験においては175±8(n=
8)であった。最初の組の実験においてリン脂質mg当り
のPF−3比活性(U/mg)は291.3±40.0であった。第二
の組の実験において、それは310±23であった。それら
の比活性は新鮮で無傷の全血小板の比活性をはるかに越
えていた。このことは無傷の細胞では通常利用できない
全血液凝固膜断片の放出によるものと信じられている。
凍結乾燥品において比活性の約60%以上を保持するた
めには試料に保護物質を添加する必要があったが、比活
性は凍結乾燥後でさえも保持された(0.4gm/dlのショ
糖、90%以上の活性が保持された)。
本試料のリン脂質部分の組成は二つの別々組の実験に
おいて決定され、表IIに示されている: 血小板微粒子画分を、前血液凝固活性および血小板減
少症の動物に於ける出血制御の能力に関して試験した。
新しく期限切れとなった血小板から調製された微粒子画
分の前血液凝固活性は新鮮な血小板から調製されたもの
に匹敵することが観察された。新鮮なおよび新しく期限
切れとなった血小板から調製された画分は、全血小板に
匹敵する前血液凝固活性を持っていた。この画分の輸血
は全ての受血動物の出血時間を短くした。
前血液凝固活性に対する熱処理の影響および超音波処
理の影響が試験された。新しく期限切れとなった血小板
から調製された微粒子画分は熱処理に対して比較的安定
である事が観察された。この血小板微粒子画分の前血液
凝固活性は、加熱処理にホモジェナイズが先んじた場合
非常に減少する事がさらに発見された。本発明の微粒子
分画のこれらおよびその他の性質は以下の実施例により
詳しく示される。
上で明らかにされた方法によって調製された生成物な
らびに種々の中間体にGP II b/III aが存在しないか
を、免疫学的ドット検定で試験した。GP II b/III aは
無傷の血小板製剤、血小板溶解物、血小板溶解物からの
上澄み液および血小板膜ゴ−スト分画に存在した。加熱
された血小板膜ゴースト分画または本最終生成物中には
検出可能なGP II b/III aは存在しなかった。
最終生成物および中間体にHLA抗原(クラスI)が存
在するかを、免疫学的ドット検定により試験した。HLA
抗原は洗浄された無傷の血小板製剤、血小板溶解物、血
小板溶解物からの上澄み液、および血小板膜ゴースト分
画に存在した。HLA抗原は加熱された血小板膜ゴースト
分画または本最終生成物中には検出できなかった。
最終生成物及び種々の中間体はさらにGP I bの存在を
免疫学的ドット検定により試験した。試験された全ての
試料(加熱処理されたものを含む)はGP I bの存在を示
した。
以上の説明は好ましい実施態様のものである。しかし
ながら本発明はそのもっとも広い意味においてそのよう
に制限されるものではない。本発明の一つの態様は血小
板またはウイルスの混入を除去するために加熱処理され
た血小板膜画分の準備である。そのような熱処理は一般
的にウイルス混入物を不活性化することが知られている
が、血小板製剤に関連して使用されたことはなかった。
それ故本発明は輸血に有用なウイルス不活性化血小板画
分を最初に提供するものである。
本発明の別の態様は期限切れ血小板から調製される輸
血製剤である。本発明は通常は捨てられていた多量の期
限切れ血小板を輸血に有用化する本当に初めてのもので
ある。さらに、貯蔵中期限切れ血小板にウイルス混入の
可能性が高まるので、本発明の熱処理工程はウイルスが
不活性であることを保証することによって期限切れ血小
板を有用にすることにも寄与している。
本発明はまた、実質的にゴ−スト血小板を含まない血
小板膜画分の調製に熱不活性化と均質化工程を組み合わ
せている。本製剤は均一な大きさの微粒子を含むが不所
望の細胞質物質は実質的には含まれていない。本発明の
好ましい方法に従うと、加熱処理工程に続いてホモジェ
ナイズ(超音波処理)工程があり、そのため均一な大き
さの微粒子が作られると同時に、熱不活性化工程の間に
生成される沈澱にかなりの量の活性が結合することが防
がれる。
前に記載したごとく微粒子画分は段階に分けて調製さ
れるであろう。最初に、血小板膜が部分的に破壊され、
ゴースト血小板画分および細胞質物質を含む溶解物が形
成される。この細胞質物質から血小板ゴーストが分離さ
れたら次にゴースト血小板が均質化され、実質的にゴー
スト血小板を含まないが実質的に単一の大きさの微粒子
を含む画分が形成される。しかしながら、部分破壊の予
備的な工程を全く除いてもよいことが理解されるであろ
う。それ故、血小板を超音波処理し、生成した微粒子を
溶解物から単離してもよい。
本発明の血小板膜微粒子画分は全血小板と比較した場
合かなり非免疫原性でありそれ故、合致した血液型の様
々な提供者から集められプールされた血小板から調製し
てもよいと信じられる。全ての白血球を効果的に除去す
る多くの洗浄もまた製剤の非免疫原性に寄与している。
この様に本発明の好ましい生成物は前血液凝固活性を
持ち、ウイルスを含まず、非同種免疫原性であり、また
調製され、凍結乾燥されそして適当な容器中に市販量貯
蔵されても安定である。
実施例1 PF−3(血小板因子−3)全血液凝固活性はトロンビ
ン発生試験であるラッセルクサリヘビ蛇毒時間検定によ
り測定された。試験の終末点はプールされたヒト血しょ
う試料中に存在するフィブリノーゲンの凝固により視覚
的に決定された。
CaCl2の貯蔵溶液(イミダゾール緩衝液中0.025M、pH
7.3)は37℃に維持された。プールされたヒト血しょう
および血小板膜微粒子分画溶液(塩溶液中25μg/ml)は
室温で貯蔵された.ラッセルクサリヘビ蛇毒(RVV;塩溶
液中10μg/ml;Wellcome Diagnostics,Dartford,英国)
は氷上に保持された。
検定は混合により開始され、ホウケイ酸ガラス管(12
x75mm)中にプールされた血しょうの各々0.1mlおよび血
小板膜微粒子の溶液を37℃にて5−10分間インキュベー
トした。つぎにRVV溶液(0.1ml)を添加し、37℃にて30
秒さらにインキュベートした後、0.1mlのCaCl2の溶液を
添加した。CaCl2の溶液の添加からフィブリン凝固まで
の時間が決定された。検定システムにより生成されるト
ロンビンの単位は、精製されたウシトロンビン(Sigma
850−1;Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)およびプ−
ルされたヒト血しょうを用いてトロンビン凝固時間の標
準曲線(図1)から計算された。
ラッセルクサリヘビ蛇毒時間(5)を用いる前血液凝
固活性(PF−3)に対する熱処理の影響及び超音波処理
の影響が試験された。図2に示したごとく熱処理に続く
超音波処理はかなりの量の前血液凝固活性を保持してい
る血小板膜微粒子分画を生じさせた。しかしながら、超
音波処理を熱処理に先立たせると(データは示されてい
ない)血小板膜微粒子画分の前血液凝固活性が劇的に変
化し、前血液凝固活性は50%減少した。
実施例2 血小板微粒子は、抗体誘発血小板減少症動物に於ける
出血制御の能力に関して試験された。抗−ウサギ血小板
抗血清がウサギに於ける血小板減少症の誘発に使用され
た。最初に血小板数および出血時間が10羽の正常ウサギ
で決定された(体重3.53±0.41Kg;血小板数548,000±9
7,000/μl;出血時間,153±47秒;平均±SD)。抗−ウサ
ギ血小板抗血清は市販品を使用し、10羽のウサギへ体重
kg当り0.2−0.4mlの用量で静脈内に投与した。抗血清を
注射して2時間後には全ての動物に種々の程度の血小板
減少が存在した。データは“誘発された血小板減少症”
の程度にしたがって分類された:群1、血小板数80,000
/μl未満;群2、血小板数100,000−200,000/μlの間
および群3、血小板数200,000/μl以上(図3)。
出血時間の延長は全ての10羽の抗血清−処理ウサギに
みられた(抗血清注入後2時間で測定された)。著しい
延長は群1の動物のみにみられ(重度の血小板減少症、
<75,000/μl)、群2および3の両方の動物において
は中程度の延長が観察された(図3)。
新しく期限切れとなった血小板から調製された血小板
微粒子画分(2mgタンパク質/kg体重)が重度の血小板減
少症である群1の動物へ輸血された。図4を参照する
と、抗血清注射後2時間において得られた血小板数は動
物1、2および3に対し各々41,000,73,000および56,00
0/μlであった。同じ時間後、3羽すべてのウサギにお
いて出血時間が著しく長くなっており、特に番号2のウ
サギは最初の切込みから20分後でも試験部位からの多量
の出血が続いており、出血を止めるには局所的に圧力を
加える必要があった。血小板微粒子を受容した後は、動
物1および3は出血時間のざん進的な短縮を示し、一
方、番号2のウサギにおいては、局所的圧力を必要とせ
ずに20分以内に自発的な出血の抑制が起こった。それ
故、本発明の血小板微粒子の輸血後の出血時間の短縮の
一般的傾向が全ての受血動物で示された。
実施例 3 本血小板微粒子のドキソルビシン塩酸塩−誘発、血小
板減少症動物における出血制御の能力が試験された。血
小板減少症を誘発するため9羽のウサギにドキソルビシ
ン塩酸塩(アドリアマイシン;2mg/kg体重)が静脈内投
与された。基準血小板数(ドキソルビシン注射前)は48
8,000±94,000/μlであった。基準出血時間は128±21
秒であった。ドキソルビシン注射一週間後、血小板数は
130,000±31,000/μl(p<0.01)に減少し、出血時間
は血小板減少性対照動物に対して2.4倍増加した(311±
89秒;n=9)(p<0.01)。新しく期限切れとなった血
小板から調製された血小板微粒子分画(2mg膜タンパク
質/kg体重)または塩溶液製剤をドキソルビシンにより
血小板減少症が誘発されたウサギに輸血した。前血液凝
固膜を受け取った全ての動物で止血効能が示された。輸
血後15分、2時間および4時間において出血時間の測定
を繰り返すと、血小板減少性対照動物より出血時間が有
意に短縮されたことが示された(<0.01)(図5)。対
照的に血液減少性ウサギへの塩溶液のみの注入では、そ
の前後の測定において顕著な相違は見られなかった。
実施例 4 出血を制御する本発明の血小板微粒子の効能は、微粒
子が重度の血小板減少症ウサギへ投与された場合の用量
依存性応答により更に確認された。重度の血小板減少症
を誘発するため(μl当りの血小板数が25,000未満)ブ
スルファンをウサギの皮下に2回注射した(合計して35
mg/kg体重)。血小板微粒子の三つの別々の用量(0.5mg
/kg体重、1.0mg/kg体重および2.0mg/kg体重)および塩
対照製剤が重度血小板減少症ウサギへ輸血された。輸血
の日に決定された基準血小板数は全ての動物に対し約1
5,000/μlのオーダーであった。
図6を参照すると、血小板微粒子の止血効能は輸血さ
れた用量に直接的に相関していた。重度血小板減少症ウ
サギへの塩溶液の輸血は出血時間を変化させなかった。
一方、重度血小板減少症ウサギにおいて長引かされた出
血時間は血小板微粒子が輸血された場合、用量依存性に
したがって短縮された。
血小板減少症ウサギにおける以上の輸血の研究は、本
発明の血小板膜断片製剤の止血効能を証明している。
図面に示し、そして上に記載した実施態様に対して各
種の変更および変形が本発明の範囲内でなされるであろ
うことが当業者には理解されるであろう。従って、前記
の明細書本文に含まれ、そして付随する図面に示されて
いる全ての内容は例示であり制限する意味ではないと解
釈されるべきであることを意図している。
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───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 1/00 - 7/68 A61K 35/14 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前血液凝固活性を持ち、クラスI HLA決定
    基に関して非抗原性である血小板膜断片製剤。
  2. 【請求項2】非同種免疫原性である請求項1記載の血小
    板膜断片製剤。
  3. 【請求項3】ゴースト血小板を実質的に含まない請求項
    1または2記載の血小板膜断片製剤。
  4. 【請求項4】1ミクロンより大きな直径を持つ小胞を実
    質的に含まない請求項1または2記載の血小板膜断片製
    剤。
  5. 【請求項5】前血液凝固活性を持ちそして活性なウイル
    スを含まない血小板膜断片製剤。
  6. 【請求項6】ゴースト血小板を実質的に含まない請求項
    5記載の血小板膜断片製剤。
  7. 【請求項7】1ミクロンより大きな直径を持つ小胞を実
    質的に含まない請求項5記載の血小板膜断片製剤。
  8. 【請求項8】クラスI HLA決定基に関して非抗原性であ
    る請求項5ないし7のいずれか1項に記載の血小板膜断
    片製剤。
  9. 【請求項9】非同種免疫原性である請求項8記載の血小
    板膜断片製剤。
  10. 【請求項10】前血液凝固活性を持ち、GP II b/III a
    複合体を実質的に含まない血小板膜断片製剤。
  11. 【請求項11】製造後または中間体においてウイルス不
    活性化の為の熱処理がなされている、前血液凝固活性を
    持つ血小板膜断片製剤。
  12. 【請求項12】期限切れの血小板から調製される請求項
    1、2、5、7および10のいずれか1項に記載の血小板
    膜断片製剤。
  13. 【請求項13】4℃で少なくとも8週間安定である請求
    項1、2、5、7および10のいずれか1項に記載の血小
    板膜断片製剤。
  14. 【請求項14】請求項1ないし13の何れか1項記載の血
    小板膜断片製剤および医薬として受容可能な担体を含む
    医薬組成物。
  15. 【請求項15】前血液凝固活性を持つ血小板または血小
    板膜断片を含む物質を熱処理することにより非同種免疫
    原性とすることを特徴とする血小板膜断片製剤の製造方
    法。
  16. 【請求項16】血小板またはその膜断片を均質化して血
    小板膜微粒子を生成させることをさらに特徴とする請求
    項15記載の方法。
  17. 【請求項17】製剤を凍結乾燥することをさらに特徴と
    する請求項15または16記載の方法。
  18. 【請求項18】前血液凝固活性を持つ血小板または血小
    板膜断片を熱処理することにより含有するウイルスを不
    活性化することを特徴とする血小板膜断片製剤の製造方
    法。
  19. 【請求項19】製剤を均質化して実質的にゴースト血小
    板を含まない血小板膜微粒子を生成させることをさらに
    特徴とする請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】熱処理後に製剤を超音波処理することを
    さらに特徴とする請求項18記載の方法。
  21. 【請求項21】超音波処理後に製剤を凍結乾燥すること
    をさらに特徴とする請求項18記載の方法。
  22. 【請求項22】血小板またはその膜断片を含む物質を加
    熱し、 熱処理した物質を超音波処理して微粒子を形成させ、そ
    して 該微粒子画分から加熱の結果として生成した沈澱物を分
    離することを特徴とする血小板膜断片製剤の製造方法。
  23. 【請求項23】出発材料として期限切れの血小板または
    その膜断片を用いることを特徴とする血小板由来膜断片
    生成物の製造方法。
  24. 【請求項24】全てのGP II b/III a複合体を実質的に
    除去するのに十分な条件下で前血液凝固活性を持つ血小
    板または血小板膜断片を含む物質を処理することを特徴
    とする血小板由来生成物の製造方法。
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