JP2972082B2 - リボン搬送装置 - Google Patents

リボン搬送装置

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JP2972082B2 JP10351894A JP10351894A JP2972082B2 JP 2972082 B2 JP2972082 B2 JP 2972082B2 JP 10351894 A JP10351894 A JP 10351894A JP 10351894 A JP10351894 A JP 10351894A JP 2972082 B2 JP2972082 B2 JP 2972082B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクリボンを正逆自
在に搬送するリボン搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的なサーマルプリンタは、例えば、
横方向に往復駆動されるサーマルヘッドを縦方向に順次
移動する印刷用紙に対向配置し、インクリボンを一対の
リボンリールで張架して内蔵したリボンカセットをサー
マルヘッドに装着する構造となっている。
【0003】そして、このようなサーマルプリンタで
は、往復駆動されるサーマルヘッドの発熱素子でインク
リボンのインクを加熱して印刷用紙に転写することでド
ットマトリクスの画像印刷を実現するようになってい
る。この時、サーマルヘッドの移動に連動してリボンカ
セットのリボンリールを回転駆動することで、インクリ
ボンを印刷用紙に対して相対位置がずれないように密着
させている。
【0004】そして、上述のようなインクリボンは、従
来は一回のみ使用する構造となっていたので、そのリボ
ン搬送装置はリボンカセットの一方のリボンリールのみ
を回転駆動してインクリボンを一方向にのみ順次搬送す
るようになっていた。しかし、現在ではインクの膜厚を
厚くするなどして複数回の使用を可能としたインクリボ
ンが開発されており、これに対応したリボン搬送装置
は、リボンカセットの一対のリボンリールを選択的に回
転駆動することでインクリボンを正逆自在に搬送するよ
うになっている。
【0005】そして、このようなリボン搬送装置では、
駆動側のリボンリールのみを回転駆動するので他方のリ
ボンリールはインクリボンの張力により従動回転するこ
とになるが、インクリボンの弛みを防止するために従動
回転するリボンリールに所定トルクの回転抵抗を発生さ
せている。しかし、リボンカセットを装着したとき、或
いは長時間リボンカセットを停止させた状態ではインク
リボンが弛むことがある。この場合には、駆動側のリボ
ンリールを駆動したときに、インクリボンに張力が与え
られた後に従動側のリボンリールが従動回転することに
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】インクリボンの巻き取
りに際し、インクリボンに張力が与えられている状態で
は負荷が大きく、インクリボンが弛んでいる場合には負
荷が小さくなるのは当然のことであるが、リボンリール
を駆動する直流モータに印加する電圧は高負荷に合わせ
て設定されているため、インクリボンに弛みが生じてい
る場合には低負荷で回転することになる。したがって、
低負荷の時点では駆動側のリボンリールが高速で回転し
ようとし、インクリボンの弛みが除かれた時点で負荷が
急激に高まるため、駆動系に大きな衝撃が加わる。ま
た、直流モータにより駆動側のリボンリールを回転させ
てインクリボンの弛みをとる過程でも、直流モータへの
印加電圧が高負荷に合わせて高いため、従動側のリボン
リールからインクリボンが余分に引き出され、インクリ
ボンが無駄になる等の問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
インクリボンが巻回された一対のリボンリールが個々に
連結される一対の直流モータを設け、これらの直流モー
タに選択的に電圧を印加するとともにその印加する電圧
を負荷変動に応じて変更するように前記直流モータを始
動するときに一定時間低定電圧を出力した後に高電圧を
出力するモータ駆動制御回路を設けたリボン搬送装置で
ある。
【0008】
【0009】
【作用】請求項1記載の発明によれば、直流モータを始
動するときに、インクリボンの弛みの除去から巻き取り
動作への移行に際して出力する電圧の変更制御を容易に
ることが可能となる。
【0010】
【0011】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて以下に説
明する。まず、図2にリボン搬送装置1の機構を示す。
2はリボンカセットで、これは内蔵されたインクリボン
3を正逆方向に搬送するようになっている。すなわち、
インクリボン3を張架した一対のリボンリール4,5が
カセットケース6の内部に回転自在に設けられている。
また、これらのリボンリール4,5が着脱自在に装着さ
れる一対の連結シャフト7,8が回転自在に軸支され、
これらの連結シャフト7,8には一対の歯車伝動機構
9,10を介して一対の直流モータ11,12に連結さ
れている。
【0012】ここで、このリボン搬送装置1では、前記
直流モータ11,12は電圧が印加されない状態で所定
トルクの回転抵抗を示すものであり、前記歯車伝動機構
9,10の減速比は、前記直流モータ11,12の回転
抵抗を前記インクリボン3の搬送時の適正張力となる値
に設定されている。
【0013】より具体的には、前記歯車伝動機構9,1
0の減速比をi、前記歯車伝動機構9,10の噛合効率
をη、前記直流モータ11,12の回転抵抗のトルクを
M、総合的な摩擦付加のトルクをTF としたとき、従
動回転するリボンリール4,5の連結シャフト7,8に
作用する回転抵抗のトルクTRWは、 TRW=TM ×(1/i)×(1/η)+TF となる。
【0014】そこで、本実施例におけるリボン搬送装置
1では、前記歯車伝動機構9,10の噛合効率η= 0.
8、前記直流モータ11,12の回転抵抗のトルクTM
=12(g-cm)、総合的な摩擦付加のトルクTF =25(g-cm)
の条件下において、前記インクリボン3の適正張力を発
生する前記連結シャフト7,8のトルクTRW≒ 550(g-c
m)を実現するため、前記歯車伝動機構9,10の減速比
iを1/35に設定した。
【0015】次いで、図3に電子回路を示す。CPU1
3には、プログラムが記憶されているROM14と、可
変データが一時的に書き込まれるRAM15と、それぞ
れ前記直流モータ11,12を選択的に駆動するモータ
駆動制御回路16,17とが接続されている。
【0016】このようなモータ駆動制御回路16,17
は、図1に示すように、高圧電源(24V )に接続される
高圧入力部18と低圧電源(5V)に接続される低圧入力
部19とを有している。高圧入力部18は、ベースに反
転ON信号Aが入力されたときにONとなるPNP型の
トランジスタ20のエミッタに接続され、低圧入力部1
9は、ベースに反転ON信号Bが入力されたときにON
となるPNP型のトランジスタ21のエミッタに接続さ
れている。また、トランジスタ21のコレクタに接続さ
れたダイオード22とトランジスタ20のコレクタと
は、前記直流モータ11又は12のコイル部の一端aに
接続されている。これらの直流モータ11又は12のコ
イル部の両端a,bは、ベースにON信号Cが入力され
たときにONとなるNPN型のトランジスタ23、ベー
スにブレーキ信号が入力されたときにONとなるNPN
型のトランジスタ24を介してGND(グランド)に接
続されている。さらに、直流モータ11,12のコイル
部の両端a,bは、ダイオード25,26を介して前記
高圧入力部18に接続されているとともに、ダイオード
27,28を介してGNDに接続されている。すなわ
ち、リボン駆動制御回路16,17は、リボン送りをし
ないときにGND→ダイオード27→直流モータ11,
12のコイル部の一端a→コイル部の他端b→ダイオー
ド26→高圧入力部18に至る第一の一方向導通路29
と、GND→ダイオード28→直流モータ11,12の
コイル部の他端b→コイル部の一端a→ダイオード25
→高圧入力部18に至る第二の一方向導通路30とを有
している。
【0017】このような構成において、リボンリール5
に巻回されたインクリボン3をリボンリール4に巻き取
る場合を例としてインクリボン3の搬送動作について説
明する。この場合、4が駆動側のリボンリール、5が従
動側のリボンリールとなる。CPU13はリボン送り信
号を受けた場合、図4に示すフローチャートのステップ
1において、リボン駆動電圧を高くする必要があるか否
かを判断する。この判断は予めROM14に記憶されて
いるプログラムによるもので、この例では始動直後は否
と判断するので、ステップ2において直流モータ11に
出力する電圧設定値を低圧L(5V)に設定する。その後
一定時間経過すると、CPU13は、ステップ1におい
てリボン駆動電圧を高くする必要があるものと判断し、
ステップ3において直流モータ11に出力する電圧設定
値を高圧Hに設定する。
【0018】具体的には、図5におけるt1の時点でリ
ボン送り信号を受けたときに、モータ駆動制御回路16
のトランジスタ21はベースにLレベルの反転ON信号
Bを受けてONとなり、トランジスタ23はベースにH
レベルのON信号Cを受けてONとなる。これにより、
直流モータ11が低電圧5Vによって駆動されて駆動側
となるリボンリール4を回転させる。これにより、イン
クリボン3に弛みが生じている場合には、その弛みの長
さの分だけのインクリボン3が駆動側のリボンリール4
に巻き取られる。この場合、直流モータ11が低電圧で
駆動されるため、従動側のリボンリール5からインクリ
ボン3が余分に引き出されることはない。
【0019】このように、インクリボン3の弛みを取り
除くために設定した一定時間が経過して図5におけるt
2の時点に達すると、トランジスタ21はベースへの反
転ON信号BがHレベルとなるためOFFとなり、トラ
ンジスタ20はベースにLレベルの反転ON信号Aを受
けてONとなる。これにより、直流モータ11が高電圧
24Vにより駆動されてリボンリール4を回転させる。
これにより、リボンリール4がリボンリール5に巻回さ
れているインクリボン3を巻き取ることになる。このと
き、従動側のリボンリール5には電圧が印加されない直
流モータ12の回転抵抗が歯車伝動機構10を介して作
用する。すなわち、従動側のリボンリール5には制動力
が作用するため、インクリボン3には適正張力が与えら
れる。
【0020】リボン送りを停止するときは、図5におけ
るt3の時点において、トランジスタ20がベースへの
反転ON信号AがHレベルに切り替わるためOFFとな
り、トランジスタ23がベースへのON信号CがLレベ
ルに切り替わるためOFFとなるため、駆動側となる直
流モータ11が停止する。また、t3の時点では、それ
まで従動側となる直流モータ12が接続されているモー
タ駆動制御回路17のトランジスタ24がベースにHレ
ベルのブレーキ信号受けてONとなり、トランジスタ2
3がベースにHレベルのON信号Cを受けてONとな
る。これにより、それまで従動回転していた直流モータ
12は、そのコイル部の両端a,bがGNDに接続され
るため慣性による回転運動が阻止されてブレーキとして
の機能を果たす。これにより、停止時におけるインクリ
ボン3の弛みを防止することもできる。
【0021】以上のように、リボンリール4側にインク
リボン3を巻き取る様子について説明したが、リボンリ
ール5側にインクリボン3を巻き取る場合には、図5に
示すタイミングチャートに従って、モータ駆動制御回路
17を駆動側として制御し、モータ駆動制御回路16を
従動側として制御することにより、前述した作用と同様
の作用によってインクリボン3をリボンリール5側に巻
き取ることができる。
【0022】さらに、本実施例によれば、直流モータ1
1又は12を何れの方向に手で回してインクリボン3の
弛みを除去することができる。すなわち、直流モータ1
1,12は、電圧を印加していない状態で手で回すと発
電機のようにコイル部に電圧を発生するが、そのコイル
部の両端a,bにおける電圧の極性は回転方向によって
異なる。しかし、そのコイル部の両端a,bがダイオー
ド25,26を介して高圧入力部18に接続されている
とともにダイオード27,28を介してGNDに接続さ
れ、これにより、GND→ダイオード27→直流モータ
11,12のコイル部の一端a→コイル部の他端b→ダ
イオード26→高圧入力部18に至る第一の一方向導通
路29と、GND→ダイオード28→直流モータ11,
12のコイル部の他端b→コイル部の一端a→ダイオー
ド25→高圧入力部18に至る第二の一方向導通路30
とが確保されているため、そのときに発電する電圧が高
圧電源24Vとダイオード25〜28の電位との和を越
えない限り、直流モータ11,12を所望の方向に手で
軽く回してインクリボン3の弛みを除去することができ
る。
【0023】さらに、入力部18,19を電源から切り
離した場合には、入力部18,19が0Vになるため、
直流モータ11,12を回そうとしても、一組のダイオ
ード25,28又はダイオード26,27の順電圧(0.
6V〜0.8V)にてブレーキ作用を得ることができる。した
がって、運搬等に際して電源を切り離した場合には、直
流モータ11,12をロックすることができる。これに
より、運搬等によりインクリボン3が弛み過ぎてにダメ
ージを受けることがない。
【0024】なお、サーマルプリンタにおいては、サー
マルヘッドとプラテンとの間でインクリボン3と用紙と
を挾持し、用紙をインクリボンとともに搬送する場合に
は、プラテンの回転力が用紙を介してインクリボン3に
作用する。このような場合には負荷が軽減するので、直
流モータ11,12を低電圧で駆動することも可能であ
る。
【0025】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、インクリボンが
巻回された一対のリボンリールが個々に連結される一対
の直流モータを設け、これらの直流モータに選択的に電
圧を印加するとともにその印加する電圧を負荷変動に応
じて変更するように前記直流モータを始動するときに一
定時間低定電圧を出力した後に高電圧を出力するモータ
駆動制御回路を設けたので、インクリボンに弛みが生じ
た低負荷時にはモータ駆動制御回路から低電圧を出力さ
せることにより、直流モータを低トルクで回転させて駆
動側のリボンリールに余分なインクリボンを巻き取るこ
となく徐々に張力を高め、インクリボンに弛みがなくな
った高負荷時にはモータ駆動制御回路から高電圧を出力
させることにより、直流モータを高トルクで回転させて
従動側のリボンリールのインクリボンを駆動側のリボン
リールにより確実に巻き取ることができ、直流モータを
始動するときに、インクリボンの弛みの除去から巻き取
り動作への移行に際して出力する電圧の変更制御を容易
にすることができる。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるモータ駆動制御回路
を示す回路構成図である。
【図2】リボン搬送装置とリボンカセットとの関係を示
す分解斜視図である。
【図3】モータ駆動制御回路の動作を制御するための回
路構成図である。
【図4】直流モータに印加する電圧の変更処理動作を示
すフローチャートである。
【図5】モータ駆動制御回路の動作を示すタイミングチ
ャートである。
【符号の説明】
3 インクリボン 4,5 リボンリール 11,12 直流モータ 16,17 モータ駆動制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−78517(JP,A) 特開 平2−67164(JP,A) 特開 平2−286371(JP,A) 特開 昭56−109779(JP,A) 実開 昭63−178156(JP,U) 実開 昭58−21455(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 33/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクリボンが巻回された一対のリボン
    リールが個々に連結される一対の直流モータを設け、こ
    れらの直流モータに選択的に電圧を印加するとともにそ
    の印加する電圧を負荷変動に応じて変更するように前記
    直流モータを始動するときに一定時間低定電圧を出力し
    た後に高電圧を出力するモータ駆動制御回路を設けたこ
    とを特徴とするリボン搬送装置。
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