JP2971962B2 - ジグリセリドに富む油脂の脱臭工程における不均化反応を抑制する方法 - Google Patents
ジグリセリドに富む油脂の脱臭工程における不均化反応を抑制する方法Info
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の精製方法に関し、詳しくは、不均化反応を起こすこと
なく、風味を改善し、食用に適したジグリセリドに富む
油脂を得ることができる精製方法に関する。
油脂の一般的精製方法は大豆油、コーン油、菜種油、パ
ーム油、魚油等のトリグリセリドを主成分とする油脂に
関するものであり、ジグリセリドの精製に関してはほと
んど検討がなされていない。
エステル結合したもので官能基として1個の水酸基をも
っている。水酸基をもつため、高温においてジグリセリ
ド分子間における不均化反応が起こり易く、その結果モ
ノグリセリド及びトリグリセリドが増加し、目的とする
ジグリセリドが減少する。
発明者らは、ジグリセリドに富む油脂の精製法として、
有機酸を添加することによって水蒸気蒸留による脱臭工
程においてジグリセリドの不均化反応が抑制されるこ
と、さらに有機酸の水溶液あるいは有機酸と低級アルコ
ールを含む水溶液で洗浄することによって、水蒸気蒸留
による脱臭工程においてジグリセリドの不均化反応が抑
制されることを見い出し、本発明を完成するに至った。
に有機酸を添加した後、脱臭処理を行うことを特徴とす
るジグリセリドに富む油脂の精製方法、更に好ましく
は、ジグリセリドに富む油脂を有機酸を含む水あるいは
有機酸と低級アルコールを含む水で洗浄した後、水蒸気
蒸留により脱臭処理を行うことを特徴とするジグリセリ
ドに富む油脂の精製方法を提供するものである。
が単一の単酸基ジグリセリドまたは構成脂肪酸が2種以
上の混酸基ジグリセリドがある。構成脂肪酸は、直鎖お
よび/または分岐脂肪酸のどちらでもよく、飽和および
/または不飽和脂肪酸でもよい。構成脂肪酸の鎖長は特
に限定されるものではないが、通常用いられるものとし
て炭素数8〜22のものを例示できる。また構成脂肪酸が
グリセリンとエステル結合する位置についてはα位、β
位どちらでもかまわない。
ては、特にジグリセリドの含量が全グリセリド中の30重
量%以上であるものが好ましい。このようなジグリセリ
ドに富む油脂は脂肪酸とグリセリンのエステル化、油脂
類とグリセリンのエステル交換等によって製造できる
が、本発明はジグリセリドに富む油脂の製造方法、精製
方法、履歴によって限定されるものではない。
を有するものが好ましく、具体的にはクエン酸、コハク
酸、マレイン酸、シュウ酸などが挙げられる。有機酸の
添加方法としては水あるいは低級アルコールを含む水の
溶液として添加し、加熱、減圧等の操作で、水、低級ア
ルコールを除去するのが一般的であるが、粉末で添加
し、ジグリセリドに富む油脂に溶解させてもよい。
しくはジグリセリドに富む油脂100 重量部に対し0.1 〜
2重量部である。
と組み合せることができる。即ち有機酸の添加工程ある
いは有機酸を含む水あるいは有機酸と低級アルコールを
含む水による洗浄工程は、従来の油脂の精製工程と組み
合せることができる。これらの組合せとしては、以下に
示す方法が挙げられる。
加したのち、水蒸気蒸留による脱臭処理を行う方法。 (2) ジグリセリドに富む油脂に有機酸を添加したのち、
多孔性吸着剤で脱色処理したのち水蒸気蒸留によって脱
臭処理する方法。 (3) ジグリセリドに富む油脂に有機酸を添加したのち、
多孔性吸着剤で脱色処理し、水あるいは低級アルコール
を含む水で洗浄し、水蒸気蒸留によって脱臭する方法。 (4) ジグリセリドに富む油脂を有機酸を含む水、あるい
は有機酸と低級アルコールを含む水で洗浄し、水蒸気蒸
留によって脱臭する方法。
有機酸を含む水、あるいは有機酸と低級アルコールを含
む水で洗浄する場合、有機酸の濃度は、水あるいは低級
アルコールを含む水に対して1〜50重量%が好ましい。
また有機酸を含む水、あるいは有機酸と低級アルコール
を含む水の添加量はジグリセリドに富む油脂100 重量部
に対して1〜1000重量部が好ましい。
リドに富む油脂と、有機酸を含む水、あるいは有機酸と
低級アルコールを含む水とをよく混合し、その後水ある
いは低級アルコールを除去する操作をくり返すことによ
って行う。ここで用いられる低級アルコールとしてはメ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル等が挙げられる。洗浄の温度としてはジグリセリドに
富む油脂の融点以上であればよいが、25〜95℃で行うの
が好ましい。
の温度は、220℃より低くても特に支障はない場合もあ
るが、精製後のジグリセリドに富む油脂の風味を良くし
たい場合は220 ℃以上であることが望ましい。水蒸気蒸
留による脱臭の方法としては、回分式でも半連続式、連
続式または薄膜連続式でもよい。水蒸気量はジグリセリ
ドに富む油脂100 重量部に対し1〜20重量部が好まし
く、更に好ましくは3〜10重量部である。
セリド含量の低下することなく、しかも風味良く得るこ
とができる。
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
得られたエステル化物を分子蒸留により、脂肪酸、モノ
グリセリドを除去した。さらにこのもの300gに対して
活性白土6g、活性炭2gを加えて、110 ℃、5torrで
30分脱色処理を行ったのち、濾過により白土と活性炭を
除き、脱色油脂を得た。さらにこの脱色油脂200 gに蒸
留水40gを加え40℃で10分間撹拌した後デカンテーショ
ンにより水相部を除いた。この水洗処理を2度繰り返
し、ジグリセリドに富む油脂を得た。このジグリセリド
に富む油脂150 gに10%クエン酸水溶液7.5 gを加え60
℃で20分間撹拌した後、110 ℃、2torrで脱水し70℃ま
で冷却後234 ℃で2時間水蒸気蒸留による脱臭処理を行
った。脱臭処理前後のグリセリド組成を表1に示した。
のグリセリド組成を表1に示した。
む油脂200 gに10%クエン酸水溶液6gを加え10分間撹
拌した後、蒸留水100gを加え40℃で10分間撹拌した後
デカンテーションにより水相部を除いた。この水洗処理
を5度繰り返し、さらに235 ℃で2.5 時間水蒸気蒸留に
よる脱臭処理を行った。脱臭処理前後のグリセリド組成
を表1に示した。
む油脂にクエン酸水溶液を添加しないこと以外は実施例
1と同じ方法によりジグリセリドに富む油脂の精製を行
った。脱臭処理前後のグリセリド組成を表1に示した。
む油脂を、水洗処理とクエン酸水溶液の添加を行わない
以外は実施例1と同じ方法によりジグリセリドに富む油
脂の精製を行った。脱臭処理前後のグリセリド組成を表
1に示した。
得られたエステル化物を分子蒸留により、脂肪酸、モノ
グリセリドを除去しジグリセリドに富む油脂を得た。こ
のジグリセリドに富む油脂300 gに10%クエン酸水溶液
15gを加え80℃で30分間撹拌した後5torr、110℃で減
圧脱水し、さらに70℃まで冷却した後、活性白土6g、
活性炭1gを加え5torr, 110 ℃で30分脱色処理して70
℃まで冷却した後濾過し脱色油脂を得た。この脱色油脂
200 gに蒸留水100 gを加え40℃で10分間撹拌した後デ
カンテーションにより水相部を除いた。この水洗処理を
4度繰り返し、さらに235 ℃で2.5 時間水蒸気蒸留によ
る脱臭処理を行った。脱臭処理前後のグリセリド組成を
表2に示した。
と同じ方法でジグリセリドに富む油脂の精製を行った。
脱臭処理前後のグリセリド組成を表2に示した。
4と同じ方法でジグリセリドに富む油脂の精製を行っ
た。脱臭処理前後のグリセリド組成を表2に示した。
と同じ方法でジグリセリドに富む油脂の精製を行った。
脱臭処理前後のグリセリド組成を表2に示した。
同じ方法でジグリセリドに富む油脂の精製を行った。脱
臭処理前後のグリセリド組成を表2に示した。
よる脱臭工程においてジグリセリドの含量低下をきたす
ことなくジグリセリドに富む油脂を精製することができ
る。しかも、本発明の精製法によると風味が一層改善さ
れたジグリセリドを得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 ジグリセリドに富む油脂にクエン酸、コ
ハク酸、マレイン酸、シュウ酸から選ばれる有機酸を添
加した後、水蒸気蒸留による脱臭処理を行う、脱臭工程
におけるジグリセリドの不均化反応を抑制する方法。
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JP2209391A JP2971962B2 (ja) | 1991-02-15 | 1991-02-15 | ジグリセリドに富む油脂の脱臭工程における不均化反応を抑制する方法 |
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