JP2970330B2 - 内部透過率の測定方法及び分光光度計の調整方法 - Google Patents

内部透過率の測定方法及び分光光度計の調整方法

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JP2970330B2
JP2970330B2 JP5211217A JP21121793A JP2970330B2 JP 2970330 B2 JP2970330 B2 JP 2970330B2 JP 5211217 A JP5211217 A JP 5211217A JP 21121793 A JP21121793 A JP 21121793A JP 2970330 B2 JP2970330 B2 JP 2970330B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学素材、例えば多成分
光学ガラス、合成石英ガラス、結晶材料等の内部透過率
(反射損失を含まない分光透過率)の測定方法、及び内
部透過率の測定のための分光光度計の調整方法に関する
ものである。特に、g線(436nm)、i線(365nm)リソ
グラフィーに代表される可視・紫外線光学系に使用され
る多成分光学ガラスや、エキシマレーザーリソグラフィ
ーなどの300nm以下の紫外線光学系に使用される合成石
英ガラス、結晶材料の内部透過率の測定方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン等のウエハ上に集積回路
の微細パターンを露光・転写する光リソグラフィー技術
においては、ステッパーと呼ばれる露光装置が用いられ
る。このステッパーの光源は、近年のLSIの高集積化に
伴ってg線(436nm)からi線(365nm)へと短波長化が
進められている。このようなステッパーの照明系あるい
は投影レンズに用いられる光学ガラスの内部透過率は、
99.8%/cmあるいは99.9%/cm以上(内部吸収係数0.002cm
-1、あるいは、0.001cm-1以下)が要求される。そし
て、さらなるLSIの高集積化に伴い、ステッパーの光源
はKrF(248nm)やArF(193nm)エキシマレーザー
へと移行している。このようなエキシマレーザーステッ
パーの照明系あるいは投影レンズにはもはや一般光学ガ
ラスは使用できず、石英ガラスや蛍石などの材料に限定
される。このようなエキシマレーザーステッパーの照明
系あるいは投影レンズに用いられる石英ガラス、蛍石に
おいても、その内部透過率は99.8%/cmあるいは99.9%/cm
以上が要求される。したがって、紫外光領域での上記光
学素材の高透過率化を目指した開発が進められている。
一方で、短波長化が進むにつれて、光学素材の内部透過
率を高精度で測定することが技術的に非常に難しくなっ
ている。したがって、光学素材の高透過率を達成する上
では、まず第一に、このような微弱な吸収しか存在しな
い光学ガラスや合成石英ガラスや結晶材料等の内部透過
率(内部吸収係数0.001cm-1程度)を精度良く測定する
ことが不可欠である。
【0003】一般に、光学素材の内部透過率の測定方法
としては、 (1)各測定波長の反射損失を含む分光透過率と屈折率を
測定し、反射損失を計算し、内部透過率を求める方法。 (2)ダブルビーム分光光度計を使用し、その装置のリフ
ァレンスビーム側とサンプルビーム側に厚みの異なる2
つの試料をそれぞれセットし、直接内部透過率を求める
方法。 (3)厚みの異なる2つの試料の反射損失を含む分光透過
率を個別に測定し、内部透過率を計算によって求める方
法。 が考えられているが、日本光学硝子工業会規格JOGIS-17
-82では(3)の方法が採用されている。この規格では、試
料として平行に対面が研磨された厚さ3mmと10mmの2つ
の光学素材を用意し、それぞれの反射損失を含む分光透
過率を測定する。内部透過率は次式によって求める。
【0004】
【数3】
【0005】ここで、IT :厚さ10mmのときの試料の内部透過率Δt :2つの試料の厚み差 T1、T2:試料厚3mm、10mmの試料の反射損失を含む
分光透過率 である。しかし、この算出式では試料の二表面間での多
重反射の影響が考慮されていない。多重反射を考慮した
分光透過率は以下のようになる。
【0006】
【数4】
【0007】(a:吸収係数、t:試料の厚み) ここで、Rは光がガラス表面に対して垂直に入射したと
きの反射率である。
【0008】
【数5】
【0009】(ng:試料の屈折率、n0:空気の屈折
率) 分光光度計の試料室に試料を光軸に対して垂直にセット
した場合には、(2)式に従う反射損失を含む分光透過率
が得られる。一方、微弱な吸収を測定する方法として、
試料の厚みが100mm〜300mm程度の長尺試料を用いるか、
あるいは、試料をファイバー化して光路長をかせぐ方法
がある。たとえば、前者の例として、(文献1)Nakamur
a et.al.:Journal of Non-Crystalline Solids 105(198
8)pp.114-122 で報告されているように、長さ300mmのロ
ッド状の石英ガラスの微弱吸収が高感度分光光度計を用
いて測定されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】市販の分光光度計を用
いて、日本光学硝子工業会規格JOGIS-17-82の方法で光
学素材の内部透過率を測定する場合、以下のような問題
点が生ずる。まず第一に、測定領域の短波長化に伴って
分光光度計の光源強度が低下してくるため、高精度な透
過率測定が困難になる。さらに、内部透過率が非常に高
い(内部吸収が微弱である)場合には、上記方法では精
度良く内部透過率を測定することが困難である。
【0011】次に、市販の分光光度計を用いて分光透過
率を測定する場合、 測光ビームが集光型であるため、試料の挿入により光
路が変化する。 検出器である光電子増倍管(フォトマル)の光電面に
は空間的な感度むらが存在する。 の原因により、たとえ試料の内部透過率が100%の試料を
用いて分光透過率を測定した場合でも、測定値が理論透
過率に一致しないことがある。
【0012】ここで理論透過率とは、(2),(3)式で定義
される分光透過率において反射損失のみ存在する場合、
すなわち、内部吸収係数が 0の場合の分光透過率の計算
値、あるいは、試料厚みが無限に小さいが場合の分光透
過率の計算値のことであり、a=0として算出できる。こ
のことは、たとえば、(文献2)高田:分光研究 第34巻
第4号(1985)p.252、(文献3)秋山:島津評論 vol.40
(1983)p.145 などで詳しく報告されている。
【0013】の試料挿入による光路の変化量は試料が
厚くなるほど、屈折率が大きくなるほど顕著になる。そ
して、試料挿入による光路の変化は、結果的に検出器で
ある光電子増倍管の光電面状での像の大きさを変化させ
る。光電面にはのような空間的な感度むらが存在する
ために、像の大きさが変化することによって検出器から
の出力値が変化してしまう。したがって、たとえ試料の
内部透過率が100%であっても測定値が理論透過率に一致
しないというような現象が生じてしまうことになる。た
とえば、市販の分光光度計によっては、内部吸収係数が
0.001cm-1程度であると考えられる波長において、10mm
厚の試料の分光透過率が3mmの試料よりも高く表示され
ることもある。すなわち、内部透過率が見かけ上、100%
を越えてしまうようなことが生じてしまう。
【0014】(文献2)、(文献3)では上記問題点の解
決方法として、できるだけ感度むらの小さい検出器を使
用すること(たとえば、通常の分光光度計で使用されて
いるサイドオン型光電子増倍管よりも感度むらの小さい
ヘッドオン型光電子増倍管など)、積分球を使用して検
出器の感度むらの影響を小さくすることを提案してい
る。しかしながら、前者の場合、やはり感度むらの影響
は残留すること、また、ヘッドオン型光電子増倍管は地
磁気の影響を受け易いこと、装置が大型化することなど
のデメリットがある。また、後者の場合でも、やはり積
分球自体の感度むらの影響が残留したり、350nm以下の
波長での積分球の感度(反射率)が急激に低下すること
などのデメリットがある。
【0015】本来、このような光路ずれによる透過率の
ずれは、測光ビームを平行光束にすることにより解決す
ることができ、この方法が最も正しいやり方であること
は明らかである。しかし、やはりこの場合にも装置製
作、アライメントなど非常に困難な面が生ずる。一方、
長尺試料による微弱吸収測定法では、試料全体にわたっ
て吸収の原因となる不純物、欠陥構造濃度が均一である
と仮定しなければならない。しかし、不純物や欠陥構造
がそのような広い領域にわたって均一であることはごく
希である。また、透過率評価のために、光学素材からか
なりの部分を削り取らねばならなくなるため、レンズ材
への収率が悪化する恐れがある。さらには、市販の分光
光度計では上記のような長尺試料の測定はできないため
試料室の改造などが必要となってくる。また、試料のフ
ァイバー化による微弱吸収測定法では、ファイバー化に
伴って構造欠陥が生成する可能性がある。さらには、フ
ァイバー化できない材料もある。以上のように、光路長
をかせいで測定する方法にも多くの問題点が発生する。
【0016】本発明は、以上で議論したような問題点を
解決して、紫外領域における光学素材の内部透過率を精
度良く測定する方法を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】以上のように、日本光学
硝子工業会規格に従う方法を用いても、長尺試料による
測定法を用いても多数の問題点を抱えている。そこで、
本発明においては、まず第一の手段として、厚みの異な
る試料を2枚ではなく、3枚以上の複数枚用意して測定
精度の向上を図り、しかも、厚さの範囲は通常の分光光
度計の試料室に容易にセットできる1mm〜30mm程度にし
て、反射損失を含む分光透過率を測定し、それらの測定
値から内部透過率を計算によって求めることによって、
内部透過率の測定精度の向上を図った。
【0018】第二の手段として、365nmでの直接法合成
石英ガラスの内部透過率を100.00%と仮定して、反射損
失を含む分光透過率を測定し、その透過率と理論透過率
92.92%との差が、試料厚1mm〜30mmの範囲で±0.01%以下
になるように分光光度計の光軸を調整することによっ
て、、が原因となって発生する試料厚増加に伴う反
射損失を含む分光透過率の理論透過率からのずれを校正
することを行った。このようにして光軸を調整した分光
光度計を用いれば、あらゆる光学素材の365nmでの分光
透過率測定においても、試料厚増加に伴う反射損失を含
む分光透過率の理論透過率からのずれを±0.01%以下に
抑えることができ、内部透過率を精度良く測定すること
が可能になる。また、合成石英ガラスの300nm以下の波
長域での分光透過率測定においても、試料厚増加に伴う
反射損失を含む分光透過率の理論透過率からのずれを±
0.01%以下に抑えることができる。
【0019】第三の手段として、本発明の第二の手段に
より光軸を調整した分光光度計を用い、厚みの異なる3
枚以上の光学素材の反射損失を含む分光透過率を測定
し、それらの測定値から内部透過率を計算によって求め
ることによって、内部透過率の測定精度をさらに向上す
ることができる。第四の手段として、第二の手段に示し
たような分光光度計の光軸調整を行わず、365nmでの直
接法合成石英ガラスの分光透過率の試料厚依存性を、校
正用素材の内部透過率を100.00%と仮定したときの校正
曲線(内部透過率100%とした場合の分光透過率の試料厚
依存性)とみなすことよって、あらゆる光学素材の分光
透過率測定においても、365nmでの校正曲線を求めるこ
とができる。また、合成石英ガラスの300nm以下の測定
波長での分光透過率測定においても校正曲線を求めるこ
とができる。
【0020】
【作用】「発明が解決しようとする課題」の欄で説明し
たように、市販の分光光度計で透過率を測定する場合、
測光ビームが集光型であるため、試料の挿入により光
路が変化する、検出器の空間的な感度むらが存在する
ことにより、たとえ試料の内部透過率が100%であっても
測定値が理論透過率に一致しなかった。
【0021】この場合の不一致は試料の屈折率と試料厚
によってのみ(すなわち、焦点位置のずれ量のみ)決定
される。このことについて、以下に説明する。図7にお
いて、試料厚をt(mm)、屈折率をn(空気の屈折率をn
0)としたとき、試料をセットした場合の焦点位置と試
料をセットしていない場合の焦点位置とのずれ量d(mm)
は以下のように導出される。試料への測光ビームの入射
角をθ 0とし、試料内部への屈折角をθとすると、両者
の関係はSnellの法則から、
【0022】
【数6】
【0023】となる。この関係式を用いると、が原因
で生ずる焦点位置のずれ量dは以下のように表せる。
【0024】
【数7】
【0025】ここで、cosθ0/cosθ値は入射角が10°
以内のときはほぼ1とみなせる。市販のある分光光度計
の実際の測光ビームの拡がり角を見積もると、この分光
光度計では、試料面上で点光源(φ1mmのアイリスを置
いたとき)が80mmの距離で長径15mm(短径7mm)の楕円
形に拡がるような集光ビームになっている。よって、試
料面上での測光ビームの入射角は最大約5.4°となり、c
osθ0/cosθ=0.9974となる。したがって、n0=1とす
れば、以下の結果を得る。
【0026】
【数8】
【0027】すなわち、焦点位置のずれ量は試料厚、屈
折率の増加に伴って増大することがわかる。また、測定
波長が短くなるにつれて屈折率は増大するので、やはり
焦点位置のずれ量は増大することがわかる。このよう
に、焦点位置のずれ量は試料厚、屈折率にのみ依存して
いるので、合成石英ガラスの365nmでの内部透過率を10
0.00%と仮定して校正曲線を求めてしまえば、光学ガラ
ス測定における365nmでの校正曲線や、石英ガラスの300
nm以下の測定波長の校正曲線は、それらの波長における
屈折率さえわかれば求めることができる。
【0028】校正曲線を求めるための波長として365nm
を選択した理由は、400nm以下の測定では通常D2ランプ
が用いられるが、合成石英ガラスの内部透過率を100.00
%と仮定できるのは350nm以上であり、そのなかで屈折率
測定のスペクトル線である365nmの屈折率データが精密
に測定されているからである。石英ガラスの300nm以下
での校正曲線を求める際に必要な焦点位置のずれ量は以
下のようにして換算することができる。厚さt(mm)の石
英ガラスをセットした場合の、波長365nm、193nmでのず
れ量はそれぞれ、以下のようになる。
【0029】
【数9】
【0030】逆に、焦点位置のずれ量dが上記2波長で
同一になるための換算試料厚tは以下の関係式から求め
られる。
【0031】
【数10】
【0032】n365=1.4745、n193=1.5602を代入する
と、以下のようになる。
【0033】
【数11】
【0034】すなわち、厚さtmmの試料の365nmでの焦
点位置のずれ量は、厚さtx0.896249mmのときの193nmで
の焦点位置のずれ量に等しい。したがって、厚さtmmの
試料の365nmでの分光透過率(内部透過率100%と仮定し
たとき)は、厚さtx0.896249mmの同一の試料の193nmで
の分光透過率(内部透過率100%と仮定したとき)に等し
くなるはずである。同様のことは、いろいろな屈折率に
おける、365nmに対する換算試料厚を算出できる。この
ようにして、365nmでの校正用素材、たとえば直接法合
成石英ガラスの校正曲線を求めてしまえば、各波長(各
屈折率)での校正曲線を得ることができる。
【0035】以上の議論で、365nmでの直接法合成石英
ガラスの内部透過率を100.00%と仮定することは、(文献
1)で365nmでの直接法合成石英ガラスの内部吸収係数が
0.0001cm-1以下と求められていること、また、(文献
4)社団法人ニューガラスフォーラム編:シリカガラス
データブック p.58(1988)において、この波長における
石英ガラス内部でのレーリー散乱損失は 0.0001cm-1
下であると示されていること、さらに、直接法合成石英
ガラスではその波長域で吸収を持つような金属不純物
(Mg,Ca,Ti,Cr,Fe,Ni,Cu,Zn,Co,Mn)が、ほとんど影響
してこないような濃度(0.02ppm以下)であることなど
から、充分に正当性がある。
【0036】
【実施例1】光学素材である高純度石英ガラスインゴッ
トは、原料として高純度の四塩化ケイ素を用い、石英ガ
ラス製バーナーにて酸素ガス及び水素ガスを混合・燃焼
させ、中心部から原料ガスをキャリアガス(通常酸素ガ
ス)で希釈して噴出させ、ターゲット上に堆積、溶融し
て合成した。合成の際、原料ガスを周囲の酸素ガス及び
水素ガスの燃焼により生成する水と反応させ、バーナー
下方にある不透明石英ガラス板からなるターゲット上に
ガラス化して堆積させるわけであるが、その際ターゲッ
トは一定周期で回転及び揺動させ、更に降下を 同時に
行うことによりインゴット上部の位置を常時バーナーか
ら同距離に保つ(特願平5-22293、特願平5-22294参
照)。このとき、実施例1では、原料供給量を5g/minに
設定し、ターゲットの降下速度を1mm/時として、合成時
のインゴットのヘッドを一定に保つことにより、成長速
度1mm/時で合成した、直径180mm、長さ550mmの石英ガラ
スインゴットを得た。
【0037】これらの石英ガラスインゴットについて、
含有金属不純物(Mg,Ca,Ti,Cr,Fe,Ni,Cu,Zn,Co,Mn)の
定量分析を誘導結合プラズマ発光分光法によって行った
ところ、濃度がそれぞれ20ppb以下であり、本石英ガラ
スは高純度であることがわかった。この石英ガラスイン
ゴットから直径60mm、厚さ1,5,10,20,28mmの試験片を切
り出し、厚さ方向の向かい合う二面に光学研磨を施し
た。いずれの試料の研磨面の平行度は10秒以内、平坦度
は3λ(λ=546nm)以内、表面粗さ(光学干渉方式の
表面粗さ計により測定した。)は10オングストローム以
内(根二乗平均)とした。研磨面のこの条件は0.01%オ
ーダーの精度での透過率測定上、必要不可欠である。
【0038】この試験片の365nmでの反射損失を含む分
光透過率をダブルビーム分光光度計を用いて測定しなが
ら、厚み30mmの試料まで分光透過率が理論透過率92.92%
から±0.01%以内になるように、分光光度計の光軸を調
整した。その結果を図1に示した。この結果から、KrF
(248nm)、ArF(193nm)波長での、試料厚1mm〜30mmの
間における校正曲線は図2、図3のように、それぞれ理
論透過率(248nm、193nmでの屈折率はそれぞれ1.5084、
1.5602であるので、(2),(3)式からそれぞれの理論透過
率は92.12%、90.87%と求められた。)からのずれを±0.
01%以下にすることができた。この校正曲線を基にし
て、(2)式の吸収係数aの値を振って、KrF(248nm)、ArF
(193nm)波長での試験片の分光透過率の測定データに最
適合するときのa値を求めたところ、それぞれ0.0005cm
-1、0.0012cm-1と求められた。したがって、内部透過率
は99.95%/cm、99.88%/cmと求められた。なお、図3で試
料厚0mmでの予想透過率が理論透過率より低くなってい
るが、この差は試料表面での吸収と考えている(表面粗
さによる散乱損失ではない)。
【0039】
【実施例2】実施例1と同一の試料を用いて、365nm理
論透過率92.92%との差が、試料厚1mm〜30mmの範囲で±
0.01%以下になるような分光光度計の光軸調整を行わ
ず、測定値の試料厚依存性を測定した。その結果を図4
に示した。この測定値の試料厚依存性を365nmでの直接
法合成石英ガラスの内部透過率を100.00%と仮定したと
きの365nmでの校正曲線(内部透過率100%とした場合の
分光透過率の試料厚依存性)とみなすことよって、「作
用」の欄で述べた方法に従って得られた248nm、193nmに
おける校正曲線を図5、図6に示した。これらの校正曲
線を基にして、測定データに適合するようなaの値を求
めたところ、実施例1の結果と一致した。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明の内部透過率の測
定方法、及び本発明の調整方法により光軸を調整した分
光光度計を用いれば、g線(436nm)、i線(365nm)リ
ソグラフィーに代表される可視・紫外線光学系に使用さ
れる光学ガラスや、エキシマレーザーリソグラフィーな
どの300nm以下の紫外線光学系に使用される合成石英ガ
ラス、結晶材料の内部透過率を高精度で測定することが
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光軸を調整された分光光度計を用いて測定し
た、365nmにおける反射損失を含む分光透過率の試料厚
依存性である。
【図2】 光軸を調整された分光光度計を用い、248nm
における反射損失を含む分光透過率の試料厚依存性より
吸収係数(a=0.0005cm-1)を求めた例である。
【図3】 光軸を調整された分光光度計を用い、193nm
における反射損失を含む分光透過率の試料厚依存性より
吸収係数(a=0.0012cm-1)を求めた例である。
【図4】 光軸が調整されていない分光光度計を用いて
測定した、365nmにおける反射損失を含む分光透過率の
試料厚依存性と校正曲線である。
【図5】 図4の結果から求めた248nmにおける校正曲
線と合成石英ガラスの248nmにおける反射損失を含む分
光透過率の試料厚依存性より吸収係数(a=0.0005cm-1
を求めた例である。
【図6】 図4の結果から求めた193nmにおける校正曲
線と合成石英ガラスの248nmにおける反射損失を含む分
光透過率の試料厚依存性より吸収係数(a=0.0012cm-1
を求めた例である。
【図7】 試料挿入による焦点位置のずれを示す説明図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−144237(JP,A) 特開 平2−188442(JP,A) 特公 平4−40297(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/91 G01J 3/00 - 3/52

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】365nmにおける内部透過率が100%と仮定さ
    れる厚みの異なる3枚以上の校正用素材を用いて365nm
    における「反射損失を含む分光透過率」を測定し、それ
    らの測定値と365nmにおける理論透過率との差が前記校
    正用素材の厚みによらず±0.01%以下になるように分光
    光度計の光軸を調整することを特徴とする分光光度計の
    調整方法。
  2. 【請求項2】請求項1の調整方法により光軸を調整した
    分光光度計を用いて、厚みの異なる3枚以上の光学素材
    の300nm以下の測定波長の「反射損失を含む分光透過
    率」を測定し、該測定値から内部透過率を算出すること
    を特徴とする光学素材の内部透過率の測定方法。
  3. 【請求項3】光学素材の内部透過率の測定方法におい
    て、 365nmにおける内部透過率が100%と仮定される厚みの異
    なる3枚以上の校正用素材を用いて365nmにおける「反
    射損失を含む分光透過率」を測定し、それらの測定値と
    厚みの関係を表す校正曲線を求め、該365nmにおける校
    正曲線を基に下記の算出式 【数1】 によって波長300nm以下における換算試料厚を算出して3
    00nm以下の測定波長の校正曲線を求め、該300nm以下の
    測定波長の校正曲線及び理論透過率と300nm以下の測定
    波長の「反射損失を含む分光透過率」の測定値との関係
    から内部透過率を算出することを特徴とする光学素材の
    内部透過率の測定方法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の光学素材の内部透過率の
    測定方法において、 前記300nm以下の測定波長の校正曲線及び理論透過率と3
    00nm以下の測定波長の「反射損失を含む分光透過率」の
    測定値との関係から内部透過率を算出する方法が、下記
    の算出式 【数2】 から300nm以下の測定波長の校正曲線及び理論透過率と3
    00nm以下の測定波長の「反射損失を含む分光透過率」の
    測定値との関係に適合する吸収係数aを算出し、該吸収
    係数aから内部透過率を算出することを特徴とする光学
    素材の内部透過率の測定方法。
  5. 【請求項5】請求項3に記載の光学素材の内部透過率の
    測定方法において、 前記300nm以下の測定波長の校正曲線及び理論透過率と3
    00nm以下の測定波長の「反射損失を含む分光透過率」の
    測定値との関係から内部透過率を算出する方法が、300n
    m以下の測定波長の校正曲線と300nm以下の測定波長の
    「反射損失を含む分光透過率」の測定値との差を求め、
    この差を300nm以下の測定波長の理論透過率から差し引
    くものであることを特徴とする光学素材の内部透過率の
    測定方法。
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