JP2970234B2 - 清浄鋼の溶製方法および溶製装置 - Google Patents

清浄鋼の溶製方法および溶製装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、取鍋、タンディッシュ
および鋳型を用いて行う連続鋳造において、溶鋼を鋳型
に注入する際の、清浄鋼の溶製方法および溶製装置に関
する。特に、本発明は、タンディッシュ内での鋼中介在
物 (以下、単に「介在物」という) の凝集肥大化および
浮上分離を利用した清浄鋼の溶製方法および溶製装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】溶鋼の連続鋳造法では、溶鋼の分配や多
連鋳操業に際し、溶鋼の一時的な保持のため、溶鋼を取
鍋から一旦タンディッシュに移し、該タンディッシュか
ら鋳型に供給する。ところで、近年では、鋼に対する高
品質化指向に伴って、介在物の低減が製鋼工程における
重要課題の一つとなっている。特に、連続鋳造では鋳型
内での溶鋼の凝集速度が速く、介在物が浮上する前に凝
固鋼中に捕捉されてしまうため、鋳片の清浄性が悪化し
がちである。このため、取鍋と鋳型との中間に設けたタ
ンディッシュにおいて、様々な介在物低減 (除去) 対策
が行われている。
【0003】公知の介在物低減対策は、大別すると、
(1) タンディッシュ内堰設置による対策および(2) タン
ディッシュバブリングによる対策に大別される。前者の
対策は、タンディッシュ内の底面部および浴面部に耐火
物製の邪魔板またブロックを設置して取鍋からの溶鋼の
受容を行うことにより、介在物を含んだ前記溶鋼が鋳型
へ直送されることを防ぐとともに前記邪魔板およびブロ
ックにより前記介在物の浮上を促進し、併せてスラグの
巻込みを防止するものである。例えば特開昭60−114513
号公報には、この堰に貫通孔を設け、該貫通孔を通過す
る吐出流が下流の堰の壁に衝突するようにして堰を配置
することにより、溶鋼中の介在物の低減効果をより高め
る技術が提案されている。
【0004】一方、後者の対策は、タンディッシュの底
面部にガス吹込口を設置し、該ガス吹込口からArガス等
の不活性ガスを溶鋼中に吹込み、溶鋼に上昇流を形成せ
しめて介在物の浮上分離を図るものである。例えば、特
開平2−11256 号公報には、受鋼領域と注入領域とこれ
らを接続する溶鋼流通路とに分割したタンディッシュを
用い、前記溶鋼流通路の底部にガス吹込み口を設けて前
記溶鋼流通路内の溶鋼にガスを吹込むことにより、溶鋼
中の介在物をガス気泡に吸着させてタンディッシュの注
入領域から分離する技術が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
対策ではタンディッシュ内に堰を設置する必要があるた
め、施工のためのコスト、時間および工数が増大してし
まう。また、鋳込み前のタンディッシュ内壁の耐火物を
予熱する必要がある場合、前記堰が設置されていると予
熱バーナーの火炎が届かない領域が生じてしまうために
タンディッシュ内を均一に加熱することができなくなる
という問題を生じる。さらに、最も重要な介在物の分離
効果についても多少の改善は図られるものの、大幅な改
善は期待できない。前記堰の設置によりタンディッシュ
の流路面積が低下して堰の下流に淀み部を生じてタンデ
ィッシュの有効体積が減少してしまうからである。
【0006】一方、後者の対策ではタンディッシュ内に
堰を設置する対策と同様に施行のコスト、時間および工
数が増大してしまう。さらに、介在物の分離・除去にガ
ス気泡を用いるため、一旦気泡により吸着・分離された
介在物がバブリングによる溶鋼の撹拌により再度溶鋼中
に巻き込まれてしまうことが多く、期待どおりの効果が
得られなかった。
【0007】ここに、本発明の目的は、取鍋、タンディ
ッシュおよび鋳型を用いて行う連続鋳造において、溶鋼
を鋳型に注入する際の、清浄鋼の溶製方法および溶製装
置に関する。特に、本発明は、タンディッシュ内での介
在物の凝集肥大化および浮上分離を利用した清浄鋼の溶
製方法および溶製装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため種々検討を重ねた。タンディッシュの低
融点金属モデルおよび水モデル実験で模擬介在物 (ポリ
エチレン粒) の浮上分離試験を行うことにより下記のよ
うな知見を得た。すなわち、実際の連続鋳造の条件では
タンディッシュでの介在物流出率ηはほぼ次式で表わ
せる。
【0009】
【数1】
【0010】但し、 Cout : タンディッシュ出口の介在
物濃度 (ppm) Cin : タンディッシュ入口の介在物濃度 (ppm) Vp : 介在物のストークス終末浮上速度 (cm/s)
【0011】
【数2】
【0012】但し、g: 重力の加速度 (980cm/s2) ν: 液体の動粘度 (cm2/s) ρinc : 介在物密度 (g/cm3) ρFe : 溶鋼密度 (g/cm3) D: 介在物直径 (cm) TS : タンディッシュ滞留時間 (s) H : タンディッシュ浴深(cm) 式から介在物の浮上速度は、介在物直径の2乗に比例
し、径の大きいものほど浮上速度が大きいことがわか
る。したがって、式から介在物径Dが大きいほど介在
物流出率ηは低下する、換言すれば、大型介在物は浮上
分離し易いが小型介在物の分離は困難であるということ
になる。
【0013】ここで、計算により求めた介在物流出率η
=Cout/Cinと介在物径Dとの関係を図3にグラフで示
す。なお、TS =390(sec)、H=100(cm) として計算を
行った。図3から明らかなように、200 μm 以上の大径
の介在物はほぼ完全に除去されるが、100 μm 以下の小
径の介在物はかなりの量が流出せずに鋳型へ注入されて
しまうことがわかる。
【0014】ところで、式により求めたタンディッシ
ュ滞留時間と介在物流出率との関係を図4にグラフで示
す。図3および図4から明らかなように、小径の介在物
も浮上除去するためには、タンディッシュ滞留時間TS
を増加させればよいことになる。しかし、例えばタンデ
ィッシュ浴深Hを大きくすることによりタンディッシュ
滞留時間TS を増加させても、式にあるように (TS
/H) の値の大きさは余り変化せず、したがって介在物
流出率ηも変わらない。そこで、タンディッシュ滞留時
間TS を大きくするにはタンディッシュ浴深ではなくタ
ンディッシュ浴長または幅を大きくしなければならな
い。しかし、連続鋳造機の周辺は様々な機器が近接して
配置されており、タンディッシュ長または幅の拡大は事
実上困難である。
【0015】そこで、本発明者らは、低融点金属モデル
での基礎研究により、タンディッシュ滞留時間TS を増
加させなくとも介在物の浮上を促進させる手段を鋭意検
討した結果、タンディッシュを、取鍋からの溶鋼受容槽
と鋳型への溶鋼供給槽とこれらを接続する溶鋼流通路と
に分割し、前記溶鋼流通路を流通する溶鋼に回転磁界を
印加することにより、溶鋼中の介在物の凝集肥大化を図
り、溶鋼供給槽の上部からの分離除去を行うことができ
ることを知り、本発明を完成した。
【0016】 ここに、本発明の要旨とするところは、
取鍋、タンディッシュおよび鋳型を用いて行う連続鋳造
時の清浄鋼の溶製方法であって、前記タンディッシュ
を、前記取鍋からの溶鋼受容槽と前記鋳型への溶鋼供給
槽と前記溶鋼受容槽および溶鋼供給槽を接続する溶鋼流
通路とに分割し、前記溶鋼流通路内を流通する溶鋼に
当該溶鋼の流通方向と略平行な方向を中心軸とする回転
流を発生させるための回転磁界を印加することにより前
記溶鋼中の介在物を凝集肥大化させるとともに、前記介
在物を前記溶鋼供給槽の上部から分離除去することを特
徴とする清浄鋼の溶製方法である。
【0017】 また別の面からは、本発明は、取鍋から
の溶鋼を受容する溶鋼受容槽と、鋳型へ溶鋼を供給する
溶鋼供給槽と、前記溶鋼受容槽および溶鋼供給槽を接続
する溶鋼流通路とを有するタンディッシュにより構成さ
れる清浄鋼の溶製装置であって、さらに、前記溶鋼流通
路内の溶鋼に、当該溶鋼の流通方向と略平行な方向を中
心軸とする回転流を発生させるための回転磁界を印加す
る電磁攪拌装置を備えたことを特徴とする清浄鋼の溶製
装置である。
【0018】
【作用】以下、本発明の作用効果を添付図面を参照しな
がら詳述する。図1は、本発明にかかる清浄鋼の溶製装
置の一例の略式説明図であり、図1(a) はその略式側面
図であり、図1(b) はその略式平面図である。両図にお
いて、符号1は取鍋 (図示しない) からの溶鋼を受容す
る溶鋼受容槽であり、符号2は鋳型5へ溶鋼を供給する
溶鋼供給槽であり、符号3は溶鋼受容槽1および溶鋼供
給槽2を接続する溶鋼流通路であり、さらに、符号4は
溶鋼流通路4内を流通する溶鋼に回転磁界を与えるため
の電磁撹拌装置であり、溶鋼受容槽1、溶鋼供給槽2お
よび溶鋼流通路3によりタンディッシュが構成される。
【0019】この図1に示すタンディッシュにより構成
される清浄鋼の溶製装置では、取鍋から溶鋼受容槽1に
注入された溶鋼は、溶鋼流通路3内を流通して溶鋼供給
槽2に送られ、溶鋼供給槽2から鋳型5に供給され、連
続鋳造が行われる。連続鋳造中、すなわち溶鋼流通路3
内に溶鋼が存在する時に、電磁撹拌装置4により溶鋼に
回転磁界が与えられると、溶鋼流通路3中の溶鋼は溶鋼
流通路3の長手方向を回転軸とする回転流となり、溶鋼
供給槽2に送られる。
【0020】このとき、溶鋼中の介在物は凝集肥大化
し、溶鋼供給槽2内に進入すると迅速に浮上するため、
溶鋼供給槽2において、介在物の分離除去を容易に行う
ことができる。溶鋼供給槽2内で介在物が浮上する理由
は、次のように考えられる。
【0021】すなわち、電磁撹拌装置4により付与され
た回転磁場により溶鋼に回転流が生じるが、このとき、
溶鋼よりも低密度の介在物 (例えば、Al2O3 、MgO 等)
には求心力が作用し、溶鋼流通路3の中央部に集められ
て、溶鋼中の介在物は凝集肥大化するためと考えられ
る。したがって、本発明によれば介在物の浮上に、前述
の特開平2−11256 号公報により提案された技術のよう
にガス気泡による吸着を利用しないため、介在物が溶鋼
の撹拌により再度溶鋼中に巻き込まれてしまうことを防
止でき、優れた介在物除去効果を奏するのである。
【0022】次に、溶鋼が溶鋼流通路3内を通過するの
に要する時間内に、介在物の回転流中心への凝集肥大化
を完了できることを後述する式ないし式を用いて説
明する。前記求心力Fは、次式で求めることができる。
【0023】 F=rω2 × (ρFe−ρinc ) ・・・・・・・ 但し、r:溶鋼の回転半径 (cm) ω:溶鋼回転の角速度 (rad) ρFe:溶鋼密度 (g/cm3) ρinc :介在物密度 (g/cm3) このときの介在物の移動速度は、 Vr =2(ρFe−ρinc ) D2ω2 ×r/36μ・・・・・・・ D :介在物直径(cm) ω :回転角速度(rad) r :回転半径(cm) μ :粘性(cm2/s) 本発明では、溶鋼流通路の内壁部に存在する介在物が溶
鋼流通路の内部半径の2/3 の距離まで到達すれば、介在
物の凝集肥大化効果は極めて顕著になる。前記到達が達
成されるのに要する時間は(t) 、
【0024】
【数3】
【0025】ここで、μ: 溶鋼動粘性(cm2/s) ρinc /ρFe: 介在物と溶鋼との密度比 D : 介在物直径(cm) ω: 回転角速度(rad) 回転速度:80rpmの時、粒径:200μm の介在物の場合、
式より、t=7.736(sec)となる。
【0026】ここで、耐火物スリーブ内径を20cm、スリ
ーブ長さを40cmとし、鋳込速度を1.5 ton/min とする
と、スリーブ内の溶鋼の通過時間は7.92(sec) となるた
め、溶鋼が溶鋼流通路を通過するのに要する時間内に介
在物の中心への凝集肥大化を完了することが可能であ
る。
【0027】こうして、前記求心力によって溶鋼流通路
の中心部に集められた介在物は、その存在密度が高くな
り相互の衝突確立が高まることにより、凝集肥大化がよ
り促進されるため、溶鋼中においては極めて浮上し易く
なり、かつ溶鋼の攪拌により分解されることがない。な
お、式から溶鋼の回転角速度ωが大きいほど求心力が
大きくなり、衝突による凝集肥大化の効果が大きくな
る。
【0028】また、本発明における溶鋼流通路の形状
(内径および外形)も何ら限定を要するものでなく、前
述のように、電磁撹拌装置により磁場を与えた際に回転
流を生じることができる程度の流量の溶鋼を流通させる
ことができる流通路であればよい。例えば、耐火物製の
パイプ(内径:80〜300 mm程度)を例示することができ
る。
【0029】なお、以上説明した本発明においては、溶
鋼受容槽1および溶鋼供給槽2を合わせたタンディッシ
ュの外寸は特に限定を要するものでないが、従来から公
知のタンディッシュの外寸と同程度とすれば他の装置と
の干渉を気にする必要がない。
【0030】本発明における電磁撹拌装置も公知のそれ
でよく、何ら限定を要さない。また、溶鋼に回転磁界を
印加するとは、溶鋼流通路3を形成する耐火物の外側か
ら流通路3に垂直な面内で移動磁界を円周方向に印加す
ることをいう。その他、本発明は、取鍋および鋳型につ
いては何ら限定を要さず、既設の装置との適合性の面で
も優れるものである。
【0031】本発明において、溶鋼受容槽1と溶鋼供給
槽2との配置状態も何ら限定を要するものでない。前述
の例では、図1に示すように、溶鋼受容槽1、溶鋼供給
槽2および溶鋼流通路3が直列に配置した例を示した
が、これ以外にも平面図において、溶鋼受容槽1、溶鋼
供給槽2および溶鋼流通路3が図2に示すように配置さ
れる場合も包含することはいうまでもない。この図2に
示す例は、2つのモールドへ溶鋼を供給する2ストラン
ドタンディッシュへの適用例である。
【0032】さらに、本発明により除去できる介在物
は、溶鋼よりも比重が軽いものが主体であり、例えばAl
2O3 、MgO 等である。以下、本発明を実施例を参照しな
がらさらに詳述するが、これは本発明の例示であり、こ
れにより本発明が限定されるものでない。
【0033】
【実施例1】転炉で溶製し、RH脱ガス法で真空処理し
た低炭素アルミキルド溶鋼を、図1に示すストランド型
の大型のタンディッシュからなる本発明にかかる清浄鋼
の溶製装置を用いて、連続鋳造を行った。
【0034】本実施例では、図1に示すように、取鍋
(図示しない)からの溶鋼受容槽1 (容量約15ton)と鋳
型への溶鋼供給槽2 (容量約30ton)との間に耐火物スリ
ーブレンガ(内径70cm、長さ50cm) からなる溶鋼流通路
3を組み込んでタンディッシュを構成し、溶鋼流通路3
の外側に電磁撹拌装置4を設置して、溶鋼流通路3内の
溶鋼に回転磁界(回転磁界の回転速度:60rpm)を印加し
て回転流を付与するとともに、電磁攪拌用コイル印加電
流を調整して回転力をコントロールした。
【0035】本実施例では、連続鋳造中、溶鋼流通路3
内では、印加された回転力によって介在物に求心力が与
えられたため、介在物は溶鋼流通路3内で凝集肥大化
し、大径化した介在物が溶鋼供給槽2において速やかに
浮上分離された。
【0036】
【実施例2】図2に示す構成の、本発明にかかる清浄鋼
の溶製装置を用いて、連続鋳造を行った。本実施例で
は、溶鋼受容槽1、溶鋼供給槽2および溶鋼流通路3
は、実施例1と同様の容積のものを用い、電磁攪拌時の
回転磁界の回転速度も同様に設定・調整した。
【0037】本実施例では、タンディッシュでの取鍋か
らの溶鋼注入位置での溶鋼中全酸素(T[O]T/D IN) とタ
ンディッシュ出口での溶鋼中全酸素 (T[O]T/D OUT ) と
の比(T[O]T/D OUT /T[O]T/D IN) を介在物流出率 (η)
として算出し、該介在物流出率とコイル印加電流との
関係を調べた。結果を図5にグラフで示す。ここで、電
磁撹拌コイル電流指数とは、介在物を凝集させるに十分
な回転力を与えることができる電流値に対する実際の電
流値の比率を示す。
【0038】図5から明らかなように、コイル電流0の
場合でも介在物の単純浮上によりη:0.6程度が得られ、
コイル電流を徐々に増加させてもその効果は小さいが、
0.6を超える電流指数 (すなわち攪拌力) となると、η:
0.2程度となり著しい介在物低減効果が認められた。こ
れは、介在物の凝集にはある程度以上のスリーブ中心軸
上での介在物存在密度が必要であり、この介在物存在密
度が電流指数0.6 以上で得られるためと考えられる。こ
の場合の介在物組成はAl2O3 90%、MgO 10%であった。
なお、特開平2−11256 号公報により提案された技術に
よるηは 0.4〜0.5 程度であり、本発明の介在物低減効
果は著しいことがわかる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
取鍋、タンディッシュおよび鋳型を用いて行う連続鋳造
において、タンディッシュ内での介在物の凝集肥大化お
よび浮上分離を利用して清浄鋼を溶製することが可能と
なった。かかる効果を有する本発明の意義は極めて著し
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる清浄鋼の溶製装置の一例の略式
説明図であり、図1(a) はその略式側面図であり、図1
(b) はその略式平面図である。
【図2】本発明にかかる清浄鋼の溶製装置の他の一例の
略式平面図であり、2つのモールドへ溶鋼を供給する2
ストランドタンディッシュへの適用例を示す。
【図3】介在物粒径と介在物流出率との関係を示すグラ
フである。
【図4】タンディッシュ滞留時間と介在物流出率との関
係を示すグラフである。
【図5】実施例におけるコイル電流と介在物流出率との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:溶鋼受容槽 2:溶鋼供給槽 3:溶鋼流通路 4:電磁撹拌装置 5:鋳型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−319050(JP,A) 特開 昭49−78628(JP,A) 実開 平1−165151(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/10 B22D 11/10 350 B22D 43/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取鍋、タンディッシュおよび鋳型を用い
    て行う連続鋳造時の清浄鋼の溶製方法であって、前記タ
    ンディッシュを、前記取鍋からの溶鋼受容槽と前記鋳型
    への溶鋼供給槽と前記溶鋼受容槽および溶鋼供給槽を接
    続する溶鋼流通路とに分割し、前記溶鋼流通路内を流通
    する溶鋼に、当該溶鋼の流通方向と略平行な方向を中心
    軸とする回転流を発生させるための回転磁界を印加する
    ことにより前記溶鋼中の介在物を凝集肥大化させるとと
    もに、前記介在物を前記溶鋼供給槽の上部から分離除去
    することを特徴とする清浄鋼の溶製方法。
  2. 【請求項2】 取鍋からの溶鋼を受容する溶鋼受容槽
    と、鋳型へ溶鋼を供給する溶鋼供給槽と、前記溶鋼受容
    槽および溶鋼供給槽を接続する溶鋼流通路とを有するタ
    ンディッシュにより構成される清浄鋼の溶製装置であっ
    て、さらに、前記溶鋼流通路内の溶鋼に、当該溶鋼の流
    通方向と略平行な方向を中心軸とする回転流を発生させ
    るための回転磁界を印加する電磁攪拌装置を備えたこと
    を特徴とする清浄鋼の溶製装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8030082B2 (en) 2006-01-13 2011-10-04 Honeywell International Inc. Liquid-particle analysis of metal materials

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8030082B2 (en) 2006-01-13 2011-10-04 Honeywell International Inc. Liquid-particle analysis of metal materials

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