JP2968745B2 - 回動アクチュエータ - Google Patents
回動アクチュエータInfo
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Description
に関する。さらに詳細には、巻線に通電することによっ
て回動動力を発生させることのできる回動アクチュエー
タに関する。この回動アクチュエータは、例えば、ビデ
オ、またはカメラの自動絞りを作動させるためのステッ
プメータ(駆動装置)に利用される。
部材を駆動させる電動式の回動アクチュエータとして
は、図11に示すものがある。この回動アクチュエータ
は、非磁性体の枠50の中に、永久磁石(円筒マグネッ
ト)から成るローター52を回動可能に配し、その非磁
性体の枠50の外側に内部のローター52の磁極と、そ
のローター52の可動方向とそれぞれ直角になる方向に
一対の巻線(コイル54、54)を巻き、その一対のコ
イル54、54の外側にローター52の磁路を強化する
と共に外部の磁場を遮断するための円筒ヨーク56を嵌
合して形成されている。この回動アクチュエータの作動
原理は、フレミングの左手の法則によるものであり、前
記一対のコイル54、54へ流す電流を調整することに
より、鎖交する磁束を変化させてローター52を回動さ
せる。このように作動するため、被駆動部材を無段階に
停止可能に駆動移動させることが可能である。
た回動アクチュエータでは、円筒ヨーク56を嵌合させ
る必要があり、外径が大きくなる。また、ローター52
の外形の外側に一対のコイル54、54の巻線部の径が
加わるため、長手方向にも長くならざるを得ない。ま
た、コイルの導線の一巻あたりの長さが長くなるため、
抵抗が増大することを防ぐように太い銅線を巻く必要が
ある。従って、出力効率が低く、体積が大きくならざる
を得ないという課題がある。また、コスト面からみる
と、磁束を均一に分布させてローター52の動きをスム
ーズにするため、円筒ヨーク56は、その真円度および
内部磁気スピンを均一にするための工程が加わり、高価
になってしまうという課題がある。また、前述した回動
アクチュエータは、被駆動部材を無段階に停止可能に駆
動できるものであるが、例えば、電子カメラの自動絞り
を作動させるための駆動装置として利用する場合、絞り
の微調整については光の透過率を変更可能な液晶のスク
リーンで行うことが可能となってきており、大まかな調
整のため二つの位置で停止可能に駆動できる機能のみを
求められることもある。
の位置で停止可能に駆動制御でき、出力効率が高く、よ
り小型化で、安価かつ容易に製造できる回動アクチュエ
ータを提供することにある。
成するに次の構成を備える。すなわち、本発明は、永久
磁石から成るローターと、該ローターを、その軸線を中
心に所定の角度範囲で回動可能に支持して収納する非磁
性体から成る本体ケースと、該本体ケースの軸線方向の
一端外側に配され、ボビンに巻線が巻回されて形成され
たコイルと、断面略コの字状に両端が曲げられた磁性体
から成り、前記コイルの内部に中途部が挿通されると共
に、一端が前記本体ケースの一方の外側面に配置され、
他端が前記本体ケースの他方の外側面に配置されたヨー
クとを具備する。
中途部で分割された一対のL字状の鉄片を有し、該L字
状の鉄片の前記ヨークの中途部に相当する部分を前記ボ
ビンの貫通孔に両側より各々挿入して、前記ヨークがコ
イルを挿通するようにしたことにより、組み立てが容易
になり、製造コストを低減できる。
ある円筒マグネットと、該円筒マグネットの両端に軸線
と同軸に延設された回動軸と、前記円筒マグネットの一
端外側に固定されて外方に延出されたアーム部とが設け
られ、前記本体ケースには、前記ローターの両端の回動
軸を受ける一対の軸受け部と、前記ローターが所定の角
度範囲で回動するように前記アーム部の回動を規制する
一対のストッパ部が設けられると共に、前記一方の軸受
け部と前記円筒マグネットとの間に、前記アーム部を一
方側の前記ストッパ部に当接させてローターを停止させ
るべく付勢する付勢部材が設けられ、前記巻線に通電さ
れた際に、前記ローターが、前記付勢部材の付勢力に抗
して前記アーム部が他方側の前記ストッパ部に当接する
位置まで回動することで、スムースな動作の回動アクチ
ュエータを得ることができる。
ある円筒マグネットと、該円筒マグネットの両端に軸線
と同軸に延設された回動軸と、前記円筒マグネットの一
端外側に固定されて外方に延出されたアーム部とが設け
られ、前記本体ケースには、前記ローターの両端の回動
軸を受ける一対の軸受け部と、前記ローターが所定の角
度範囲で回動するように前記アーム部の回動を規制する
一対のストッパ部が設けられ、前記円筒マグネットに本
体ケースを介して対向するヨーク両端の円弧幅を調節す
ることにより前記アーム部のストッパ部における保持ト
ルクを調節し、前記巻線に無通電の状態では、前記アー
ム部は一方のストッパ部に当接した状態で保持され、通
電することにより前記アーム部を他方のストッパ部に当
接する位置まで回動させて保持され、直前の通電状態と
極性を切り換えて通電することにより、前記アーム部が
反対側のストッパ部に回動して保持されるようにするこ
とで、消費エネルギーが少なく部品点数も減少させた回
動アクチュエータを得ることができる。
の形態を添付図面と共に詳細に説明する。図1は本発明
による回動アクチュエータの原理を示す断面図であり、
図2は図1のX−X断面図である。10はローターであ
り、永久磁石である円筒マグネット(円筒状に180°
ずつ2極着磁されてなるマグネット)及び被駆動部材に
連繋する連繋部(図示せず)を一体に有する(以下、単
に「ローター10」と言うときは、円筒マグネットを指
し示すものとする)。20は本体ケースであり、ロータ
ー10を、その軸線を中心に所定の角度範囲で回動可能
に支持すると共に内部に収納する。ローター10は、円
筒マグネットの両端に延設された回動軸14a、14b
を介して本体ケース20に回動可能に軸支される。本体
ケース20は非磁性体から成る。なお、図示しないが、
本体ケース20には、ローター10を所定の2点で停止
可能にその2点間で回動できるように一対のストッパ部
が設けられ、ローター10側にはその一対のストッパ部
に当接する当接部が設けられている。これにより、ロー
ター10が、その軸線を中心に所定の角度範囲で回動で
きるのである。
端外側に配され、ボビン34(図3参照)に巻線(銅線
など)が巻回されて形成されている。32はヨークであ
り、断面略コの字状に両端32a、32cが曲げられた
磁性体から成り、コイル30の内部に中途部32bが挿
通されていると共に、一端32aが前記本体ケース20
の一方の外側面に配置され、他端32cが前記本体ケー
ス20の他方の外側面に配置されている。
よれば、コイル30に通電すれば、ローター10の磁性
と、ヨーク32の両端32a、32cに発生する磁性の
吸引反発により、ローター10は本体ケース20の一方
側のストッパ部に当接するまで回動して停止する(例え
ば図2のB位置)。そして、上記とは反対の電流を流せ
ば、ヨーク32の両端32a、32cに発生する磁性が
反転するため、ローター10は反対側に回動し、本体ケ
ース20の他方側のストッパ部に当接して停止する(例
えば図2のA位置)。または、上記のように電流の方向
を切り換える方法に代えて、ローター10を付勢部材
(例えばコイルスプリング)によって一方側のストッパ
部に当接するように付勢しておいて、コイル30に電流
を流すことによって、ローター10が他方側へ回動して
停止し、電流を切った際には一方側へ戻る構成としても
よい。
かる回動アクチュエータの第1実施例について詳細に説
明する。図3は回動アクチュエータの正面図、図4は図
3の回動アクチュエータの平面図、図5は図3の回動ア
クチュエータの左側面図である。本実施例の基本的な構
成は、図1および2に示した回動アクチュエータと同一
であり、図1および2に付した符号と同一の符号を付
し、重複する説明を省略する。34はボビンであり、中
心に貫通孔34aを備え、周囲に巻線が巻回されてコイ
ル30が形成されている。32A、32Bは鉄片であ
り、前記ヨーク32を、その中途部で分割して形成した
状態に相当する部材である。すなわち、一対のL字状の
鉄片32A、32Bを断面略コの字状になるように突き
合わせることで、前記略コの字状のヨーク32の形態と
なる。この一対のL字状の鉄片32A、32Bの前記ヨ
ークの中途部32b,32bに相当する部分が、ボビン
34の貫通孔34aに両側から各々挿入されることで、
ヨーク32がコイル30を挿通するように構成されてい
る。33は板材であり、磁性体によって短冊状に形成さ
れている。この板材33は、ボビンの貫通孔34aに、
一対のL字状の鉄片32A、32Bのヨークの中途部3
2b,32bに相当する部分と共に圧入されている。こ
れにより、一対のL字状の鉄片32A、32Bをボビン
34に好適に固定できると共に、ヨークの中途部32
b,32bの通過磁束を増加できる。
の一端側に固定されて外方にアーム状に延出されてい
る。上記アーム部16のローター10に対する周方向の
位置は、180°に2極着磁された円筒マグネットのN
極とS極の界面位置となるように配置されている。本実
施例では図に示すように、アーム部16は、本体ケース
20に所定の角度範囲(本実施例では60°)で設けら
れた開口部21から外側へ延出され、L字状に形成され
ており、先端が被駆動部材に連繋する連繋部として作用
する。なお、ローター10を被駆動部材に連繋するに
は、例えば、回動軸14aに被駆動部材を直接的に連結
してもよい。
の両端の回動軸14a、14bを受ける一対の軸受け部
22、24と、ローター10が所定の角度範囲で回動す
るようにアーム部16の回動を規制する一対のストッパ
部26、28が設けられている。本実施例では、開口部
21を形成する側内面が、一対のストッパ部26、28
のアーム部16に当接する被当接面となっている。40
はコイルスプリングであり、一方の軸受け部22とロー
ター10との間に配され、コイル30に通電されていな
い際にはアーム部16を一方側のストッパ部26に当接
して停止させるべく付勢し、コイル30に通電した際に
はアーム部16が一方側のストッパ部26に当接する位
置から回動して他方側のストッパ部28に当接するまで
回動することを許容する付勢部材として作用する。すな
わち、コイルスプリング40は、アーム部16を有する
ローター10を、無通電時に元の位置に復帰させるよう
に作用する。
回動軸14aに嵌まっており、一端40aが一方側のス
トッパ部28に係止され、他端40bがアーム部16に
突起して設けられた被係止部16aに係止された状態で
弾装されている。このように、軸受け部22の内側に復
帰用のコイルスプリング40を配することによって軸に
発生する側圧負荷は軽減し、よりスムーズなローター1
0の動き(回動)を実現できる。この点、従来の回動ア
クチュエータは、軸受け部の外側にコイルスプリングが
配され、このコイルスプリングの回動軸への側圧負荷が
大きくなることにより軸負荷が大きく発生し、ローター
10がスムーズに回動できない。なお、42は取付部で
あり、ネジ止め付け可能に二つの貫通孔42aおよび4
2bができる。
動作について説明する。コイル30に通電すると、一対
の鉄片32A、32BにN極、S極が発生する。つま
り、コイル30と一対の鉄片32A、32Bとから構成
される馬蹄形の電磁石が作動した状態になる。これによ
り、本体ケース20内部に配されN、Sの2極に180
°ずつ着磁された永久磁石であるローター10が、前述
した磁石の吸引と反発の原理によってコイルススリング
40の付勢力に抗して回動する。この原理によれば、ロ
ーター10を90°未満の角度で好適に回動させること
ができる。なお、本実施例では、ローター10を60°
回動可能に一対のストッパ部26、28が設けられてい
る。
せるには、鉄片32A、32Bの形状が重要な要素とな
る。一対の鉄片32A、32Bによって構成されるヨー
ク32の両端32a、32cと、ローター10との間に
は磁束が発生するが、その磁束がローター10をスムー
ズに回動させることを阻害しないように、前記両端32
a、32cの形態、特にヨーク幅(中心角)を定めるこ
とが重要になる。このヨーク32の両端32a、32c
の形態は、回動アクチュエータ全体の大きさ、或いはロ
ーター10の作動角度等の条件によって、適宜設定すれ
ばよい。本実施例では、無通電時にコイルスプリング4
0の弾性力によって原点復帰動作を行わせるために、ロ
ーター10の保持トルクを極力0に近づけたいとの要請
によりヨーク幅(中心角)を135°に設定した。
タと異なり、コイル30をローター10が回動可能に支
持される本体ケース20の外側の一方側に配しており、
同心円状に外径が大きくなる構造とならない。これによ
り、製品の小型化が可能になった。また、この回動アク
チュエータによれば、体積に対する出力トルクおよび一
定の消費電力に対してトルクが大きくとれ、構造が簡単
なため、安価で信頼性が高く、制御は直流電源のON、
OFFのみの極めて簡単な方法で行える。但し、本発明
の回動アクチュエータは、無段階で停止可能に回動させ
ることはできないが、用途を限定すれば、この点は欠点
とならない。
片32A、32Bについて詳細に説明する。鉄片32
A、32Bの形状は、図6に示す通りであり、ボビン3
4の貫通孔34aに挿入される部分と、本体ケース20
の側面に固定される部分(ヨーク32の両端32a、3
2cの各々に相当する部分)とがL字状に屈曲されて形
成されている。また、両端32a、32cの各々に相当
する部分が本体ケース20の側面に沿うように湾曲して
幅広に形成されている。
半分にした形状であるため、複雑な形状のプレス金型を
要せず、容易に成形することができる。また、ボビン3
4に巻線を巻回してコイル30を形成した後、上記ボビ
ン34の貫通孔34aの両側より鉄片32A、32Bを
組み込むことが可能であるため、製造工程が容易にな
る。すなわち、予めコイル30を形成した後に、一対の
鉄片32A、32Bを両側から入れる構造とした。これ
によれば、鉄片32A、32Bのプレス加工、およびボ
ビン34へのコイル巻線工程が極めて容易であり、生産
性を向上でき、コスト低減と信頼性向上に貢献するとこ
ろ大である。
一体にした形状であるヨーク32を成形して、ボビン3
4に導線を巻回する場合を考えると、次のような欠点が
ある。先ず、ヨーク32が複雑な形状となるため、その
成形が困難となる。また、ボビン34を二つ割にしない
と、ヨーク32の中途部32bをボビン34内に好適に
挿通できない。また、ボビン34とヨーク32とが一体
化された状態でコイル30を形成するとすれば、その形
状が複雑であり、巻線の形成が困難である。仮に製造で
きたとしても、製品としての信頼性に欠けるものであ
る。
して、本発明にかかる回動アクチュエータの第2実施例
について詳細に説明する。図7〜図9はローターとヨー
クとの吸引反発による回動動作を示す原理図、図10は
ヨーク角度と最低作動電圧及びヨーク角度と保持トルク
との関係を示すグラフである。尚、本実施例の基本的な
構成は、前記第1実施例に示す回動アクチュエータと同
様であり、図1および図2に付した符号と同一の符号を
付し、重複する説明を省略する。
の構成では、例えばアーム部16をコイルスプリング4
0の付勢力に抗して他方側のストッパ部28に当接させ
たまま保持させるためには、コイル30へ通電し続けな
ければならない。このため、消費エネルギーが増加して
出力効率が低下したり、コイルスプリング40が必要な
分だけ部品点数が多くなり、製造コストも高くなる。本
実施例は、上記コイルスプリング40を省略して、適当
な作動電圧、作動トルク及び保持トルクでアーム部16
を回動させるように構成したものである。
との吸引反発動作を示す原理図を用いてアーム部16の
回動動作原理について実験結果に基づいて説明する。
尚、アーム部16の本体ケース20における回動範囲を
60°とし、ストッパ部26に当接した位置を0°とし
てストッパ部28へ当接する位置まで反時計回り方向の
回転角度を60°として説明を行うものとする。また、
ローター10の外径φ4.4mm、ヨーク内径φ5.6
mm、同外径φ7.2mmに設定して実験を行った。先
ず、図7において、2極着磁されたローター10の左
下側半分をS極、右上半分をN極とすると、アーム部1
6が60°回転した位置において通電前においては、磁
性体としてのヨーク32を磁化するためローター10が
吸引されるためにアーム部16がストッパ部28側へ当
接したまま保持され続ける。
2が電磁石となって極性を持つことにより、ローター1
0との間で吸引反発を起こす。具体的には、ヨーク32
の一端32aがS極、他端32cがN極に磁化された場
合には、ローター10のN極と一端32aのS極、ロー
ター10のS極と他端32cのN極とがそれぞれ吸引し
合う力が強く、ローター10に反時計回り方向のトルク
が発生するため、アーム部16がストッパ部28側へ当
接したまま保持され続ける。上記コイル30に上記直前
の通電状態と極性を変えて通電することにより、ヨーク
32の一端32aがN極、他端32cがS極に磁化さ
れ、ローター10の磁極と反発及び吸引動作により時計
回り方向に回動する(図7参照)。そして、アーム
部16が時計回り方向に30°回転したとき(図8参
照)、ローター10と磁化されたヨーク両端32a,3
2cの吸引反発するエリアが上記アーム部16の両側で
等しくなるため、該ローター10に作用するトルクがぼ
ぼ零となるため時計回り反時計回りいずれの方向にも回
動可能な状態となる。そして、上記アーム部16が、時
計回り方向に更に回転すると(図8参照)、再びヨ
ーク32の磁極とローター10との吸引反発によるトル
クが生じて時計回り方向に更に回転しようとする。
トルクが発生しているため、通電を切ってもアーム部1
6がストッパ部26側へ当接したまま保持され続ける。
上記アーム部16がストッパ部26側へ当接した状態
で、コイル30に通電する極性を反転させると、逆に反
時計回り方向に回転するのは言うまでもない。
に当接したまま保持されるための保持トルクは、実験に
より上記ヨーク32の周方向のヨーク角度(円弧幅)に
依存することが判明している。このヨーク角度と保持ト
ルク、及びヨーク角度と作動電圧(最低起動電圧)との
関係を図10のグラフにそれぞれ示す。上記ヨーク32
のヨーク角度(円弧幅)と保持トルクとの関係によれ
ば、ヨーク32の両端32a,32cの円弧幅を広げる
程保持トルクが減少し、ある円弧幅以上になると、ロー
ター10に対して全くトルクが生じないような状態とな
る。即ち、ローター10を回動範囲でいずれの方向に回
転させてもその位置で停止するようになる。
保持トルクについて説明すると、図7において、ロー
ター10のN極から発した磁束により、ヨーク一端32
aを経由して、ローター10のS極へ入る磁気ループP
が形成される他に、ヨーク一端32aに対向するロータ
ー10のN極面積とS極面積との差があるため、N極か
ら発した磁束は全てこの磁気ループに入りきらず、残り
の磁束は図6に示すヨーク32の中途部32bを経由し
てヨーク他端32cに至り、ローター10のS極に入る
磁気ループQが形成される。このように、2通りの磁気
ループP,Qが形成されることになるが、いずれの磁気
ループも個々の磁気ループの面積を増やす方向、即ち、
磁気ループ内の磁束を増やす方向に作用してローター1
0とヨーク32にトルクが発生する。即ち、図7にお
いては、上記磁気ループPに基づく矢印イ方向のトルク
と、上記磁気ループQに基づく矢印ロ方向のトルクが発
生し、これらのトルクバランスによって矢印ハ方向(反
時計回り方向)にトルクが発生する。この矢印ハ方向の
トルクによって、ローター10に固定されたアーム16
がストッパ部28に当接したまま保持され続ける。ま
た、図9においては、同様に磁気ループPに基づく矢印
イ方向のトルクと磁気ループQに基づく矢印ロ方向のト
ルクとのトルクバランスによって矢印ニ方向(時計回り
方向)のトルクが発生し、通電を切ってもアーム部16
がストッパ部26へ当接したまま保持され続ける。上記
保持トルクは、図10のヨーク角度と保持トルクとの関
係を表すグラフに示すように、ヨーク角度を調整するこ
とにより任意な保持トルクを選択できるのである。
保持トルクとの関係より、ヨーク32の両端32a,3
2cの円弧幅を広げる程、作動電圧(最低起動電圧)が
低く足り、円弧幅を狭める程、作動電圧(最低起動電
圧)が高くなることが判明した。
部26,28における保持トルクをおよそ0.5g・c
mを目標値とし、ヨーク32の両端32a,32cのヨ
ーク角度をそれぞれおよそ115°(即ち垂直方向の中
心線に対して片側およそ57.5°)に設定して実験を
行った。このときの作動電圧がおよそ2.4Vであり、
消費電力がおよそ27mWであった。この結果、従来に
比べて非常に消費エネルギーの少なくしかも出力効率の
高い回動アクチュエータを実現することができた。 ま
た、本実施例では、コイル30に通電する時間は、少な
くともアーム部16がストッパ部26,28のいずれか
より30°回転するまでで足り、往復動させるのに要す
る通電時間は0.2sec程度で足りる。また、上記保
持トルクの設定は、余り小さいと、振動や衝撃によりア
ーム部16が反対側に移動して誤動作を生じ、余り大き
いと消費電力を要することから、製品によっても異なる
が、例えばデジタルカメラのアイリス(絞り)の場合に
は、保持トルクを0.5g・cm前後で作動電圧が最大
でも3V程度に設定することが好ましい。
ルスプリング40を省略できるので部品点数を減らして
製造コストを低減することができる。また、アーム部1
6をストッパ部26,28にそれぞれ当接したまま保持
するために通電する必要はなく、作動時のみ適当な作動
電圧で必要最小限の時間だけコイル30に通電すれば、
適正な作動トルクが生じてアーム部16を回転させ、ス
トッパ部26,28で適正な保持トルクで保持されるの
で、消費エネルギーが少なく、しかも出力効率の高い回
動アクチュエータを得ることができる。
種々説明してきたが、本発明はこの実施例に限定される
ものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの
改変を施し得るのは勿論のことである。
コイルがローターを収納する本体ケースの一端外側に配
され、そのコイルに通電することにより電磁石を構成す
る断面略コの字状のヨークの一端が本体ケースの一方の
外側面に配置されると共に、そのヨークの他端が本体ケ
ースの他方の外側面に配置されている。このため、ロー
ターの回動角度を設定することにより二つの位置で好適
に停止可能に駆動制御でき、出力効率が高くより小型に
形成できると共に、製造し易く安価に製造できるという
著効を奏する。
形態を説明する断面図である。
である。
発による回動動作を示す原理図である。
発による回動動作を示す原理図である。
発による回動動作を示す原理図である。
持トルクとの関係を示すグラフ図である。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 永久磁石から成るローターと、 該ローターを、その軸線を中心に所定の角度範囲で回動
可能に支持して収納する非磁性体から成る本体ケース
と、 該本体ケースの軸線方向の一端外側に配され、ボビンに
巻線が巻回されて形成されたコイルと、 断面略コの字状に両端が曲げられた磁性体から成り、前
記コイルの内部に中途部が挿通されると共に、一端が前
記本体ケースの一方の外側面に配置され、他端が前記本
体ケースの他方の外側面に配置されたヨークとを具備す
ることを特徴とする回動アクチュエータ。 - 【請求項2】 前記断面略コの字状のヨークはその中途
部で分割された一対のL字状の鉄片を有し、該L字状の
鉄片の前記ヨークの中途部に相当する部分を前記ボビン
の貫通孔に両側より各々挿入して、前記ヨークがコイル
を挿通するようにしたことを特徴とする請求項1記載の
回動アクチュエータ。 - 【請求項3】 前記ローターには、前記永久磁石である
円筒マグネットと、該円筒マグネットの両端に軸線と同
軸に延設された回動軸と、前記円筒マグネットの一端外
側に固定されて外方に延出されたアーム部とが設けら
れ、 前記本体ケースには、前記ローターの両端の回動軸を受
ける一対の軸受け部と、前記ローターが所定の角度範囲
で回動するように前記アーム部の回動を規制する一対の
ストッパ部が設けられると共に、 前記一方の軸受け部と前記円筒マグネットとの間に、前
記アーム部を一方側の前記ストッパ部に当接させてロー
ターを停止させるべく付勢する付勢部材が設けられ、 前記巻線に通電された際に、前記ローターが、前記付勢
部材の付勢力に抗して前記アーム部が他方側の前記スト
ッパ部に当接する位置まで回動することを特徴とする請
求項1または2記載の回動アクチュエータ。 - 【請求項4】 前記ローターには、前記永久磁石である
円筒マグネットと、該円筒マグネットの両端に軸線と同
軸に延設された回動軸と、前記円筒マグネットの一端外
側に固定されて外方に延出されたアーム部とが設けら
れ、 前記本体ケースには、前記ローターの両端の回動軸を受
ける一対の軸受け部と、前記ローターが所定の角度範囲
で回動するように前記アーム部の回動を規制する一対の
ストッパ部が設けられており、 前記円筒マグネットに本体ケースを介して対向するヨー
ク両端の円弧幅を調節することにより前記アーム部のス
トッパ部における保持トルクを調節し、前記巻線に無通
電の状態では、前記アーム部は一方のストッパ部に当接
した状態で保持され、通電することにより前記アーム部
を他方のストッパ部に当接する位置まで回動させて保持
され、直前の通電状態と極性を切り換えて通電すること
により、前記アーム部が反対側のストッパ部に回動して
無通電にしても保持されることを特徴とする請求項1ま
たは2記載の回動アクチュエータ。
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JP2772997A JP2968745B2 (ja) | 1996-05-17 | 1997-02-12 | 回動アクチュエータ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP12339796 | 1996-05-17 | ||
JP2772997A JP2968745B2 (ja) | 1996-05-17 | 1997-02-12 | 回動アクチュエータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1032969A JPH1032969A (ja) | 1998-02-03 |
JP2968745B2 true JP2968745B2 (ja) | 1999-11-02 |
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ID=26365690
Family Applications (1)
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JP2772997A Expired - Lifetime JP2968745B2 (ja) | 1996-05-17 | 1997-02-12 | 回動アクチュエータ |
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