JP2968748B2 - 回動アクチュエータ - Google Patents

回動アクチュエータ

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JP2968748B2
JP2968748B2 JP5148697A JP5148697A JP2968748B2 JP 2968748 B2 JP2968748 B2 JP 2968748B2 JP 5148697 A JP5148697 A JP 5148697A JP 5148697 A JP5148697 A JP 5148697A JP 2968748 B2 JP2968748 B2 JP 2968748B2
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勉 松本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回動アクチュエータ
に関する。さらに詳細には、コイルの巻線に通電するこ
とによって回動動力を発生させることのできる回動アク
チュエータに関する。この回動アクチュエータは、例え
ば、ビデオ、またはカメラの自動絞りを作動させるため
のステップメータ(駆動装置)に利用される。
【0002】
【従来の技術】従来、所定の角度範囲で回動し、被駆動
部材を駆動させる電動式の回動アクチュエータとして
は、図10(a)(b)に示すものがある。この回動ア
クチュエータは、非磁性体の枠50の中に、永久磁石
(円筒マグネット)から成るローター52を回動可能に
配し、その非磁性体の枠50の外側に内部のローター5
2の磁極と、そのローター52の可動方向とそれぞれ直
角になる方向に一対の巻線(コイル54、54)を巻
き、その一対のコイル54、54の外側にローター52
の磁路を強化すると共に外部の磁場を遮断するための円
筒ヨーク56を嵌合して形成されている。この回動アク
チュエータの作動原理は、フレミングの左手の法則によ
るものであり、前記一対のコイル54、54へ流す電流
を調整することにより、鎖交する磁束を変化させてロー
ター52を回動させる。このように作動するため、被駆
動部材を無段階に停止可能に駆動移動させることが可能
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た回動アクチュエータでは、円筒ヨーク56を嵌合させ
る必要があり、外径が大きくなる。また、ローター52
の外形の外側に一対のコイル54、54の巻線部の径が
加わるため、長手方向にも長くならざるを得ない。ま
た、コイルの導線の一巻あたりの長さが長くなるため、
抵抗が増大することを防ぐように太い銅線を巻く必要が
ある。従って、出力効率が低く、体積が大きくならざる
を得ないという課題がある。また、コスト面からみる
と、磁束を均一に分布させてローター52の動きをスム
ーズにするため、円筒ヨーク56は、その真円度および
内部磁気スピンを均一にするための工程が加わり、高価
になってしまうという課題がある。また、前述した回動
アクチュエータは、被駆動部材を無段階に停止可能に駆
動できるものであるが、例えば、デジタルカメラ、ビデ
オカメラなどの電子カメラの自動絞りを作動させるため
の駆動装置として利用する場合、絞りの微調整について
は光の透過率を変更可能な液晶のスクリーンで行うこと
が可能となってきており、絞りを二段階に調整するた
め、通電により被駆動部材としてのアームを回動させて
二つの位置で停止できる機能のみを求められる場合もあ
る。そこで、本件出願人は鋭意研究の結果、被駆動部材
をロータの回動範囲の両側端部において停止できる回動
アクチュエータを提案した。上記回動アクチュエータ
は、常時レンズを介して光が液晶のスクリーンに入射さ
れていることから、CCD(電荷結合素子)等の撮像素
子の安全を期すためには、不使用状態には上記レンズの
開口を閉じておくことが望ましい。
【0004】本発明の目的は、上記従来技術の課題を解
決し、ローターを三つの位置で停止可能に駆動制御可能
な回動アクチュエータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するに次の構成を備える。すなわち、本発明は、永久
磁石から成る円筒マグネットを有し、該円筒マグネット
の一端に外方に延設されたアーム部が形成されたロータ
ーと、前記ローターを軸線を中心として回動するよう収
容すると共に、前記アーム部が当接することにより前記
ロータの回動角度範囲を規制する一対のストッパ部を有
する、非磁性体から成る本体ケースと、前記本体ケース
の軸線方向の一端外側に配され、ボビンに巻線が巻回さ
れて形成されたコイルと、断面略コの字状に両端が曲げ
られた磁性体から成り、前記コイルの内部に中途部が挿
通されると共に、両端が前記本体ケースの外側面にそれ
ぞれ配置されたヨークとを備え、前記ローターの円筒マ
グネットの2極着磁バランスを不均等に形成することに
より、前記コイルに無通電のときには前記アーム部をス
トッパ部に当接しない中間位置で停止させ、前記コイル
に一方の極性で通電している間は、前記アーム部は一方
のストッパ部に当接するまで回動して保持され、通電状
態を切り換えて他方の極性で通電している間は、前記ア
ーム部は他方のストッパ部に当接するまで回動して保持
されることを特徴とする。
【0006】また、前記ローターは、前記コイルへの通
電を切ることにより、前記アーム部がいずれか一方のス
トッパに当接した位置から中間位置へ復帰するように円
筒マグネットの着磁角度及び前記ヨーク両端の円弧角度
が調節されていることが望ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる好適な実施
の形態を添付図面と共に詳細に説明する。図1は本発明
による回動アクチュエータの原理を示す断面図であり、
図2は図1の回動アクチュエータの平面図、図3は図2
の回動アクチュエータの左側面図、図4は鉄片およびボ
ビンを示す斜視図、図5及び図6はローターとヨークと
の吸引反発による回動動作を示す原理図、図7はロータ
ーの着磁角度とアーム部の保持トルクの関係を示すグラ
フ図、図8は着磁角度と最大保持トルクの関係を示すグ
ラフ図、図9はヨーク角度とアーム部の保持トルク及び
ヨーク角度と最大保持トルクの関係を示すグラフ図であ
る。
【0008】図1〜図3において、10はローターであ
り、永久磁石である円筒マグネット及び被駆動部材に連
繋する連繋部(図示せず)を一体に有する(以下、単に
「ローター10」と言うときは、円筒マグネットを指し
示すものとする)。上記ローター10は、後述するよう
に2極着磁バランスを不均等に形成されている。
【0009】12は非磁性体から成る本体ケースであ
り、上記ローター10を、その軸線を中心に所定の角度
範囲で回動可能に支持すると共に内部に収納する。上記
ローター10は、円筒マグネットの両端に延設された回
動軸(図示せず)を介して上記本体ケース12に回動可
能に軸支される。また、上記本体ケース12には、ロー
ター10の両端の回動軸を受ける一対の軸受け部14、
16と、ローター10が所定の角度範囲で回動するよう
にアーム部18の回動を規制する一対のストッパ部2
0、22が設けられている。本実施例では、上記ストッ
パ部20,22は、上記本体ケース12の開口部24の
両側に延設された取付部26の、該開口部24側に臨む
両端にそれぞれ形成されている。上記取付部26には取
付穴26a,26bが穿孔されており、回動アクチュエ
ータをねじ止め可能にしている。
【0010】上記アーム部18は、上記ローター10の
一端側に固定されており、本体ケース12に所定の角度
範囲(本実施例では60°)で設けられた開口部24よ
り外方へL字状に延設されている。このアーム部18の
先端は、図示しないアイリスなどの被駆動部材に連繋さ
れている。上記アーム部18は無通電のときには前記ス
トッパ部20,22のいずれにも当接しない中間位置で
停止している(図3参照)。この停止位置は、ローター
10に延設されるアーム部18の取付位置を回動範囲内
の任意の位置に設定することが可能である。本実施例で
は、上記アーム部18のローター10に対する周方向の
延出位置は、例えば図5(d)において、2極着磁され
たローター10のN極とS極の界面よりN極側の位置と
なるように設定されている。なお、上記ローター10を
被駆動部材に連繋するには、例えばローター10の回動
軸に被駆動部材を直接的に連結してもよい。
【0011】28はコイルであり、本体ケース12の一
端外側に配設されている。このコイル28は、中心に貫
通孔30aを形成されたボビン30の周囲に巻線(銅線
など)が巻回されて形成されている。32は磁性体から
なるヨークであり、断面略コの字状に両端部32a,3
2cが曲げられ、コイル28の内部に中途部32bが挿
通されていると共に、一方の端部32aが前記本体ケー
ス12の一方の外側面に配置され、他方の端部32cが
前記本体ケース12の他方の外側面に配置されている
(図1参照)。
【0012】32A,32Bは鉄片であり、前記ヨーク
32を、その中途部で分割して形成した状態に相当する
部材である。すなわち、一対のL字状の鉄片32A,3
2Bを断面略コの字状になるように突き合わせること
で、前記略コの字状のヨーク32の形態となる。この一
対のL字状の鉄片32A、32Bの前記ヨークの中途部
32b,32bに相当する部分が、ボビン30の貫通孔
30aに両側から各々挿入されることで、ヨーク32が
コイル28を挿通するように構成されている。34は板
材であり、磁性体によって短冊状に形成されている。こ
の板材34は、ボビン30の貫通孔30aに、一対のL
字状の鉄片32A、32Bのヨークの中途部32b,3
2bに相当する部分と共に圧入されている。これによ
り、一対のL字状の鉄片32A、32Bをボビン30に
好適に固定できると共に、ヨークの中途部32b,32
bの通過磁束を増加できる。
【0013】次に、図4に基づいて、一対のL字状の鉄
片32A、32Bについて詳細に説明する。鉄片32
A、32Bの形状は、図6に示す通りであり、ボビン3
0の貫通孔30aに挿入される部分と、本体ケース12
の側面に固定される部分(ヨーク32の両端部32a、
32cの各々に相当する部分)とがL字状に屈曲されて
形成されている。また、両端部32a、32cの各々に
相当する部分が本体ケース12の側面に沿うように湾曲
して幅広に形成されている。
【0014】この鉄片32A、32Bは、ヨーク32を
半分にした形状であるため、複雑な形状のプレス金型を
要せず、容易に成形することができる。また、ボビン3
0に巻線を巻回してコイル28を形成した後、上記ボビ
ン30の貫通孔30aの両側より鉄片32A、32Bを
組み込むことが可能であるため、製造工程が容易にな
る。すなわち、予めコイル28を形成した後に、一対の
鉄片32A、32Bを両側から入れる構造とした。これ
によれば、鉄片32A、32Bのプレス加工、およびボ
ビン30へのコイル巻線工程が極めて容易であり、生産
性を向上でき、コスト低減と信頼性向上に貢献するとこ
ろ大である。
【0015】これに対し、一対の鉄片32A、32Bを
一体にした形状であるヨーク32を成形して、ボビン3
0に導線を巻回する場合を考えると、次のような欠点が
ある。先ず、ヨーク32が複雑な形状となるため、その
成形が困難となる。また、ボビン30を二つ割にしない
と、ヨーク32の中途部32bをボビン30内に好適に
挿通できない。また、ボビン30とヨーク32とが一体
化された状態でコイル28を形成するとすれば、その形
状が複雑であり、巻線の形成が困難である。仮に製造で
きたとしても、製品としての信頼性に欠けるものであ
る。
【0016】以上の構成を備える回動アクチュエータに
よれば、無通電のときにはアーム部18をストッパ部2
0,22のいずれれも当接しない中間位置(例えば図3
の位置A)で停止している。コイル30の巻線に一方の
極性で通電すると、一対の鉄片32A、32BにN極、
S極が発生する。つまり、コイル30と一対の鉄片32
A、32Bとから構成される馬蹄形の電磁石が作動した
状態になる。ローター10の磁性と、ヨーク32の両端
部32a、32cに発生する磁性の吸引反発により、ロ
ーター10は本体ケース20の一方のストッパ部20に
当接する位置(図3の位置B)まで回動し、通電してい
る間は上記アーム部18は一方のストッパ部20に当接
したまま保持される。また、上記通電状態と極性を切り
換えて他方の極性で通電することにより、ヨーク32の
両端部32a、32cに発生する磁性が反転するため、
ローター10は他方のストッパ部28に当接する位置
(図3の位置C)まで回動し、通電している間は上記ア
ーム部18は他方のストッパ部28に当接したまま保持
される。
【0017】上記ロータ10は、上記コイル28への通
電を切ることにより、上記アーム部18がいずれか一方
のストッパ20,22に当接した位置(図3の位置B,
C)から中間位置(図3の位置A)へ復帰するようにロ
ーター10の着磁角度及び上記ヨーク32の両端部32
a、32cの円弧角度(中心角)がそれぞれ設定されて
いる。本実施例では、上記ヨーク32の両端部32a、
32cの円弧角度を136°にそれぞれ設定されてい
る。また、ローター10の着磁角度をN極側を200°
に設定され、S極側を160°に設定されることによ
り、無通電の状態でアーム部18をローター10のスト
ッパ20,22により規制される回動範囲の真ん中とな
る中間位置Aで停止させることができた。
【0018】上記アーム部18を中間位置Aに保持する
ための原理について図5(d)を参照して説明する。
尚、アーム部18の本体ケース12における回動範囲を
60°とし、該アーム部18の回転角度を中間位置Aを
0°としてストッパ部20に当接した位置への反時計回
り方向への回転角度を−30°、ストッパ部22へ当接
する位置までの回転角度を30°として説明を行うもの
とする。
【0019】無通電状態において、ローター10のN極
側から発生した磁束は、ヨーク32の両端部32a、3
2cを経て、S極側に入るような磁気回路が形成され
る。図5(d)のE側において、N極に対向するヨーク
面積がS極に対向するヨーク面積より広いため、N極よ
り発生する磁束が多い状態となる。このとき、ローター
10には、N極側とS極側の発生磁束が同等となるよう
に矢印P方向(反時計回り方向)のトルクが発生する。
図5(d)のF側においても同様にローター10には、
N極側とS極側の発生磁束が同等となるように矢印Q方
向(時計回り方向)のトルクが発生する。上記ローター
10に発生する矢印P,Q方向のトルクがつり合った点
においてアーム部18が停止可能となる。この停止状態
で上記アーム部18に外力を加えて時計回り方向、反時
計回り方向のいずれかの方向に回動させても、ローター
10とヨーク32の両端部32a,32c間に発生する
磁束のバランスが崩れて上記停止位置に戻ろうとするト
ルクが作用する。この安定した停止位置が、ストッパ2
0,22により規制される回動範囲の中間位置Aに設定
されている。
【0020】次に通電状態のローターとヨークとの吸引
反発による回動動作を図5及び図6を参照して説明す
る。先ず、図5(d)において、無通電状態のときアー
ム部18は中間位置Aに保持されている。次に、コイル
28へ一方の極性で通電して上記ヨーク32が電磁石と
なって極性を持つことにより、ローター10との間で吸
引反発を起こす。具体的には、ヨーク32の一端部32
aがN極、他端32cがS極に磁化された場合には、ロ
ーター10のS極と一端部32aのN極、ローター10
のN極と他端部32cのS極とがそれぞれ吸引し合うよ
うに磁力線が形成され、上記ローター10とヨーク32
の両端32a,32cとの間で発生する磁束を増やそう
とするため、ローター10に矢印P方向(反時計回り方
向)のトルクが発生し、アーム部18は図5(a)→図
5(b)→図5(c)に示すように回動して、ストッパ
部20へ当接する。上記アーム部18は、コイル28へ
通電し続ける間はストッパ部20へ当接したまま保持さ
れ続ける。そして、通電を停止すると、再び図5(d)
に示すように中間位置Aに復帰する。
【0021】次に、通電状態を切り換えて上記コイル2
8に他方の極性で通電することにより、図6(e)に示
すように、ヨーク32の一端部32aがS極、他端部3
2cがN極に磁化され、ローター10のN極と一端部3
2cのS極、ローター10のS極と他端部32cのN極
とがそれぞれ吸引し合うように磁力線が形成され、上記
ローター10とヨーク32の両端部32a,32cとの
間で発生する磁束を増やそうとするため、ローター10
に矢印Q方向(時計回り方向)のトルクが発生し、アー
ム部18は図6(e)→図6(f)→図6(g)に示す
ように回動して、ストッパ部22へ当接する。上記アー
ム部18は、コイル28へ通電し続ける間はストッパ部
22へ当接したまま保持され続ける。そして、通電を停
止すると、再び図6(d)に示すように中間位置Aに復
帰する。
【0022】ここで、着磁角度を種々に設定されたロー
ター10を用いて、その回動角度とロータ10の回動範
囲に生ずる保持トルクとの関係を図7(a)〜(d)の
クラフ図に示す。実験では、ローター10のN極・S極
の着磁角度を130°〜180°及び230°〜180
°と合計360°の中心角の範囲内で任意に設計したロ
ーター10を用いて、−30°〜30°の範囲内で回動
させた場合にアーム部18に作用する保持トルクとの関
係を示す。また、図8は、ローター10の一方の磁極の
着磁角度を130°〜180°の範囲内で設計された各
ローター10の着磁角度と最大保持トルクとの関係を図
8のクラフ図に示す。図8のグラフ図によれば、ストッ
パ部20,22における最大保持トルクは、着磁角度が
130°〜170°へ変化させたものについては上昇し
170°付近をすぎると再び減少することが判明した。
上記ローター10の着磁角度は、回動範囲のある中間位
置A(本実施例ではアーム部18が0°の位置)におい
てアーム部18が停止する(トルクが0となる)こと、
またアーム部18がストッパ部20,22において保持
されるトルクは、余りに大きいと作動電流が大きくなる
こと等を考慮して適宜選択して設定されるのが好まし
い。そこで、本実施例では、上記ローター10の最大保
持トルクを0.5g・cm程度を目標に設定するため着
磁角度を160°−200°に設定した。尚、図5及び
図6ではローター10のN極側を200°、S極側を1
60°に設定したが、逆であっても良いのは言うまでも
ない。
【0023】また、上記ローター10の回動範囲におい
て、アーム部18に作用する保持トルクは、実験により
上記ヨーク32の両端部32a,32cの周方向のヨー
ク角度(円弧角度)に依存することが判明している。こ
のヨーク角度種々に変化させたローター10を用いてそ
の回動角度と保持トルクとの関係を図9のグラフ図に示
す。図9(a)(b)は上記ローター10を−30°〜
30°の回動範囲内で回動させた場合にアーム部18に
作用する保持トルクの変化を示す。また、図9(c)は
ヨーク角度の変化とアーム部18がストッパ部20,2
2に当接したまま保持されるための最大保持トルクの関
係を示すものである。この最大保持トルクはヨーク角度
が大きくなるほど強まることが判明した。上記アーム部
18は無通電状態である中間位置Aに停止すること、ま
たアーム部18のストッパ部20,22における最大保
持トルクが余りに大きいと作動電流が大きくなることか
ら、ローター10の最大保持トルクを0.5g・cm程
度を目標値としたため、ヨーク32の両端部32a,3
2cのヨーク角度を136°に設定した。
【0024】尚、上記最大保持トルクの設定は、余り小
さいと、振動や衝撃によりアーム部18が反対側に移動
して誤動作を生じ、余り大きいと消費電力を要すること
から、製品によっても異なるが、例えばデジタルカメラ
のアイリス(絞り)の場合には、最大保持トルクを0.
5g・cm前後で作動電圧が最大でも3V程度に設定さ
れるのが好ましい。
【0025】上記構成によれば、ローター10の2極着
磁バランスを不均等に形成することにより、ローターの
一端に連結するアーム部を該ロータの所定回動範囲の任
意の中間位置で停止できるため、通電と無通電状態を繰
り返すことにより、三つの位置で停止可能に駆動制御す
ることかできる。従って、従来の二つの位置のみで動作
可能な装置に比べて制御モードが増えるため、製品の付
加価値を高めることができる。例えば、ビデオカメラな
ど絞りを二段階(アーム部18が両側ストッパ部20,
22に当接した状態)で調整する装置において、安全を
期すため不使用状態においてレンズ開口を介して光が絞
りを形成する液晶のスクリーンに入射させたくない場合
に、上記レンズ開口を閉じた状態(アーム部18が中間
位置Aにある状態)とすることによりCCD(電荷結合
素子)等の撮像素子を保護することができ、装置の信頼
性、安全性を高めることができる。
【0026】また、従来の回動アクチュエータと異な
り、コイル28をローター10が回動可能に支持される
本体ケース12の外側の一方側に配しており、同心円状
に外径が大きくなる構造とならない。これにより、製品
の小型化が可能になった。また、この回動アクチュエー
タによれば、体積に対する出力トルクおよび一定の消費
電力に対してトルクが大きくとれ、構造が簡単なため、
安価で信頼性が高く、制御は直流電源のON、OFFの
みの極めて簡単な方法で行える。
【0027】以上、本発明につき好適な実施例を挙げて
種々説明してきたが、本発明はこの実施例に限定される
ものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの
改変を施し得るのは勿論のことである。
【0028】
【発明の効果】本発明の回動アクチュエータによれば、
ローターの2極着磁バランスを不均等に形成することに
より、ローターの一端に連結するアーム部を該ロータの
所定回動範囲の任意の中間位置で停止できるため、通電
と無通電状態を繰り返すことにより、アーム部をいずれ
か一方のストッパ部に当接した位置と中間位置と三つの
位置で停止可能に駆動制御することかできる。従って、
従来の二つの位置のみで動作可能な装置に比べて制御モ
ードが増えるため、製品の付加価値を高めることができ
る。また、一定の体積に対する出力トルクおよび一定の
消費電力に対してトルクが大きくとれ、制御は直流電源
のON、OFFで足りるので、構造が簡略でしかも信頼
性が高い回動アクチュエータを提供することができる。
また、コイルがローターを収納する本体ケースの一端外
側に配され、そのコイルに通電することにより電磁石を
構成する断面略コの字状のヨークの一端部が本体ケース
の一方の外側面に配置されると共に、そのヨークの他端
部が本体ケースの他方の外側面に配置されているため、
より小型に形成できると共に、組立性が良く、安価に製
造できるという著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回動アクチュエータの原理を示す
断面図である。
【図2】図2は図1の回動アクチュエータの平面図であ
る。
【図3】図3は図2の回動アクチュエータの左側面図で
ある。
【図4】図4は鉄片およびボビンを示す斜視図である。
【図5】ローターとヨークとの吸引反発による回動動作
を示す原理図である。
【図6】ローターとヨークとの吸引反発による回動動作
を示す原理図である。
【図7】ローターの着磁角度とアーム部の保持トルクの
関係を示すグラフ図である。
【図8】着磁角度と最大保持トルクの関係を示すグラフ
図である。
【図9】ヨーク角度とアーム部の保持トルク及びヨーク
角度と最大保持トルクの関係を示すグラフ図である。
【図10】従来の技術を説明する断面図および側面図で
ある。
【符号の説明】
10 ローター 12 本体ケース 14,16 軸受け部 18 アーム部 20,22 ストッパ部 24 開口部 26 取付部 26a,26b 取付穴 28 コイル 30 ボビン 30a 貫通穴 32 ヨーク 32a,32c ヨーク端部 32b ヨーク中途部 32A,32B 鉄片 34 板材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 33/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石から成る円筒マグネットを有
    し、該円筒マグネットの一端に外方に延設されたアーム
    部が形成されたローターと、 前記ローターを軸線を中心として回動するよう収容する
    と共に、前記アーム部が当接することにより前記ロータ
    の回動角度範囲を規制する一対のストッパ部を有する、
    非磁性体から成る本体ケースと、 前記本体ケースの軸線方向の一端外側に配され、ボビン
    に巻線が巻回されて形成されたコイルと、 断面略コの字状に両端が曲げられた磁性体から成り、前
    記コイルの内部に中途部が挿通されると共に、両端が前
    記本体ケースの外側面にそれぞれ配置されたヨークとを
    備え、 前記ローターの円筒マグネットの2極着磁バランスを不
    均等に形成することにより、前記コイルに無通電のとき
    には前記アーム部をストッパ部に当接しない中間位置で
    停止させ、前記コイルに一方の極性で通電している間
    は、前記アーム部は一方のストッパ部に当接するまで回
    動して保持され、通電状態を切り換えて他方の極性で通
    電している間は、前記アーム部は他方のストッパ部に当
    接するまで回動して保持されることを特徴とする回動ア
    クチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記ローターは、前記コイルへの通電を
    切ることにより、前記アーム部がいずれか一方のストッ
    パに当接した位置から中間位置へ復帰するように円筒マ
    グネットの着磁角度及び前記ヨークの円弧角度が調節さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の回動アクチュ
    エータ。
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