JP3231010B2 - 回動アクチュエータ - Google Patents
回動アクチュエータInfo
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- JP3231010B2 JP3231010B2 JP29873697A JP29873697A JP3231010B2 JP 3231010 B2 JP3231010 B2 JP 3231010B2 JP 29873697 A JP29873697 A JP 29873697A JP 29873697 A JP29873697 A JP 29873697A JP 3231010 B2 JP3231010 B2 JP 3231010B2
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- Japan
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回動アクチュエータ
に関する。さらに詳細には、巻線に通電することによっ
て回動動力を発生させることのできる回動アクチュエー
タに関する。この回動アクチュエータは、例えば、ビデ
オ、またはカメラの自動絞りを作動させるためのステッ
プメータ(駆動装置)に利用される。
に関する。さらに詳細には、巻線に通電することによっ
て回動動力を発生させることのできる回動アクチュエー
タに関する。この回動アクチュエータは、例えば、ビデ
オ、またはカメラの自動絞りを作動させるためのステッ
プメータ(駆動装置)に利用される。
【0002】
【背景技術】従来、所定の角度範囲で回動し、被駆動部
材を駆動させる電動式の回動アクチュエータとしては、
図14に示すように、非磁性体の枠50の中に、永久磁
石(円筒マグネット)から成るローター52を回動可能
に配し、その非磁性体の枠50の外側に内部のローター
52の磁極と、そのローター52の回動方向とそれぞれ
直角になる方向に一対の巻線を巻き付けてコイル54,
54を形成し、その一対のコイル54,54の外側にロ
ーター52の磁路を強化すると共に外部の磁場を遮断す
るための円筒ヨーク56を嵌合して形成されている。こ
の回動アクチュエータの作動原理は、フレミングの左手
の法則によるものであり、前記一対のコイル54,54
へ流す電流を調整することにより、鎖交する磁束を変化
させてローター52を回動させる。このように作動する
ため、被駆動部材を無段階に停止可能に駆動移動させる
ことが可能である。
材を駆動させる電動式の回動アクチュエータとしては、
図14に示すように、非磁性体の枠50の中に、永久磁
石(円筒マグネット)から成るローター52を回動可能
に配し、その非磁性体の枠50の外側に内部のローター
52の磁極と、そのローター52の回動方向とそれぞれ
直角になる方向に一対の巻線を巻き付けてコイル54,
54を形成し、その一対のコイル54,54の外側にロ
ーター52の磁路を強化すると共に外部の磁場を遮断す
るための円筒ヨーク56を嵌合して形成されている。こ
の回動アクチュエータの作動原理は、フレミングの左手
の法則によるものであり、前記一対のコイル54,54
へ流す電流を調整することにより、鎖交する磁束を変化
させてローター52を回動させる。このように作動する
ため、被駆動部材を無段階に停止可能に駆動移動させる
ことが可能である。
【0003】上記回動アクチュエータは、コイル54,
54の外側に円筒ヨーク56を嵌合させるため外径が大
きくなり、ローター52の外径の外側に一対のコイル5
4,54の巻線部の径が加わるため、長手方向にも長く
なる。また、コイルの導線の一巻あたりの長さが長くな
るため、抵抗が増大することを防ぐように太い銅線を巻
く必要があるため、巻数が取れず出力効率が低く、しか
も大型化する。また、コスト面からみると、磁束を均一
に分布させてローター52の動きをスムーズにするた
め、円筒ヨーク56は、その真円度および内部磁気スピ
ンを均一にするための工程が加わり、高価になってしま
うという課題があった。
54の外側に円筒ヨーク56を嵌合させるため外径が大
きくなり、ローター52の外径の外側に一対のコイル5
4,54の巻線部の径が加わるため、長手方向にも長く
なる。また、コイルの導線の一巻あたりの長さが長くな
るため、抵抗が増大することを防ぐように太い銅線を巻
く必要があるため、巻数が取れず出力効率が低く、しか
も大型化する。また、コスト面からみると、磁束を均一
に分布させてローター52の動きをスムーズにするた
め、円筒ヨーク56は、その真円度および内部磁気スピ
ンを均一にするための工程が加わり、高価になってしま
うという課題があった。
【0004】ところで、近年、デジタルカメラなどの自
動絞りを作動させるための駆動装置として回動アクチュ
エータを用いる場合、絞りの微調整については光の透過
率を変更可能な液晶のスクリーンで行うことが可能とな
ってきており、大まかな調整のため二つの位置で停止可
能に駆動できる機能のみを求められる場合がある。ま
た、上記回動アクチュエータは、常時レンズを介して光
が液晶のスクリーンに入射されていることから、CCD
(電荷結合素子)等の撮像素子の安全を期すためには、
不使用状態には上記レンズの開口を閉じておくことが望
ましい。よってローターを三つの位置で停止可能に駆動
できる機能を求められる場合もある。
動絞りを作動させるための駆動装置として回動アクチュ
エータを用いる場合、絞りの微調整については光の透過
率を変更可能な液晶のスクリーンで行うことが可能とな
ってきており、大まかな調整のため二つの位置で停止可
能に駆動できる機能のみを求められる場合がある。ま
た、上記回動アクチュエータは、常時レンズを介して光
が液晶のスクリーンに入射されていることから、CCD
(電荷結合素子)等の撮像素子の安全を期すためには、
不使用状態には上記レンズの開口を閉じておくことが望
ましい。よってローターを三つの位置で停止可能に駆動
できる機能を求められる場合もある。
【0005】そこで、本件出願人は鋭意研究の結果、特
願平9−27729号において、被駆動部材をロータの
回動範囲の両側端部の二つの位置において停止できる回
動アクチュエータを提案した。また、特願平9−514
86号において、被駆動部材をロータの回動範囲の両側
端部及び中間点の三つの位置において停止できる回動ア
クチュエータを提案した。これらの回動アクチュエータ
は、円筒マグネットよりなるローターを回動可能に収容
する非磁性体から成る本体ケースの軸線方向の一端外側
に、ボビンに巻線が巻回されて形成されたコイルが設け
られており、断面略コの字状に両端が曲げられた磁性体
から成るヨークが、前記コイルを挿通して両端が前記本
体ケースの外側面にそれぞれ対向配置されている。
願平9−27729号において、被駆動部材をロータの
回動範囲の両側端部の二つの位置において停止できる回
動アクチュエータを提案した。また、特願平9−514
86号において、被駆動部材をロータの回動範囲の両側
端部及び中間点の三つの位置において停止できる回動ア
クチュエータを提案した。これらの回動アクチュエータ
は、円筒マグネットよりなるローターを回動可能に収容
する非磁性体から成る本体ケースの軸線方向の一端外側
に、ボビンに巻線が巻回されて形成されたコイルが設け
られており、断面略コの字状に両端が曲げられた磁性体
から成るヨークが、前記コイルを挿通して両端が前記本
体ケースの外側面にそれぞれ対向配置されている。
【0006】上記回動アクチュエータは、デジタルカメ
ラなどのレンズの絞りやシャッターの駆動装置として使
用する場合、上記本体ケースの軸線方向に設計スペース
が取れる製品については好適に用いられるが、製品によ
っては、上記本体ケースの軸線方向に大きな設置スペー
スが取れないものもある。そこで、本発明の目的は、ロ
ーターを収納する本体ケースの軸線方向の設計スペース
を省略し、かつヨーク角度を任意に設定してローターを
二つ又は三つの位置で停止可能に駆動制御できる回動ア
クチュエータを提供することにある。
ラなどのレンズの絞りやシャッターの駆動装置として使
用する場合、上記本体ケースの軸線方向に設計スペース
が取れる製品については好適に用いられるが、製品によ
っては、上記本体ケースの軸線方向に大きな設置スペー
スが取れないものもある。そこで、本発明の目的は、ロ
ーターを収納する本体ケースの軸線方向の設計スペース
を省略し、かつヨーク角度を任意に設定してローターを
二つ又は三つの位置で停止可能に駆動制御できる回動ア
クチュエータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次の構成を備える。すなわち、永久磁石か
らなるローターと、ローターを収納する筒状部を有し、
その軸線を中心に所定の角度範囲で回動可能に支持する
非磁性体からなる本体ケースと、本体ケースの筒状部の
側方に並設され、ボビンに巻線が巻回されて形成された
コイルと、本体ケースの筒状部の周面に沿って対向配置
された一対の円弧部と、該一対の円弧部の対向する端部
からそれぞれ周方向に形成された切込みにより帯状部の
一部を起立させて先端部が折り曲げ形成された起立片と
を有するヨーク片を一対備えたヨークとを具備し、一対
のヨーク片は、円弧部に形成された起立片の起立先端部
がボビンの貫通孔の両側より各々挿入されて、コイルが
ヨークに一体に保持されていることを特徴とする。
め、本発明は次の構成を備える。すなわち、永久磁石か
らなるローターと、ローターを収納する筒状部を有し、
その軸線を中心に所定の角度範囲で回動可能に支持する
非磁性体からなる本体ケースと、本体ケースの筒状部の
側方に並設され、ボビンに巻線が巻回されて形成された
コイルと、本体ケースの筒状部の周面に沿って対向配置
された一対の円弧部と、該一対の円弧部の対向する端部
からそれぞれ周方向に形成された切込みにより帯状部の
一部を起立させて先端部が折り曲げ形成された起立片と
を有するヨーク片を一対備えたヨークとを具備し、一対
のヨーク片は、円弧部に形成された起立片の起立先端部
がボビンの貫通孔の両側より各々挿入されて、コイルが
ヨークに一体に保持されていることを特徴とする。
【0008】上記構成によれば、ローターを収納する本
体ケースの筒状部周面に沿って対向配置された一対のヨ
ーク片の、円弧部に起立形成された起立片の起立先端部
がボビンの貫通孔の両側より各々挿入されて、コイルが
ヨークに一体に保持されているので、組み立てが容易で
あり、製造コストを低減できる。 また、ヨークに設けら
れた起立片は、一対の円弧部の対向する端部にそれぞれ
周方向に形成された切込みにより帯状部の一部を起立さ
せて折り曲げ形成された起立先端部によりコイルを保持
させているので、本体ケースの側方にコイルを並設する
際にコイルの装着スペースを十分確保でき、本体ケース
の軸線方向に設置スペースがない製品の場合には、装置
の設計可能なエリアを有効に利用できる。 また、円弧部
のヨーク角度を任意に設定すると共にローターの回動範
囲を規制してコイルに通電することにより、ローターを
二つの位置或いは三つの位置で停止可能に駆動制御でき
る。
体ケースの筒状部周面に沿って対向配置された一対のヨ
ーク片の、円弧部に起立形成された起立片の起立先端部
がボビンの貫通孔の両側より各々挿入されて、コイルが
ヨークに一体に保持されているので、組み立てが容易で
あり、製造コストを低減できる。 また、ヨークに設けら
れた起立片は、一対の円弧部の対向する端部にそれぞれ
周方向に形成された切込みにより帯状部の一部を起立さ
せて折り曲げ形成された起立先端部によりコイルを保持
させているので、本体ケースの側方にコイルを並設する
際にコイルの装着スペースを十分確保でき、本体ケース
の軸線方向に設置スペースがない製品の場合には、装置
の設計可能なエリアを有効に利用できる。 また、円弧部
のヨーク角度を任意に設定すると共にローターの回動範
囲を規制してコイルに通電することにより、ローターを
二つの位置或いは三つの位置で停止可能に駆動制御でき
る。
【0009】また、前記ローターには、前記永久磁石で
ある円筒マグネットと、該円筒マグネットの両端に軸線
と同軸に延設された回動軸と、前記円筒マグネットの一
端外側に固定されて外方に延出されたアーム部とが設け
られ、前記本体ケースには、前記ローターの両端の回動
軸を受ける一対の軸受部と、前記ローターが所定の角度
範囲で回動するように前記アーム部の回動を規制する一
対のストッパ部が設けられると共に、前記一方の軸受部
と前記円筒マグネットとの間に、前記アーム部を一方側
の前記ストッパ部に当接させてローターを停止させるべ
く付勢する付勢部材が設けられ、前記巻線に通電された
際に、前記ローターが、前記付勢部材の付勢力に抗して
前記アーム部が他方側の前記ストッパ部に当接する位置
まで回動するようにすれば、スムーズな回動動作により
二つの位置で確実に停止可能な回動アクチュエータを提
供できる。
ある円筒マグネットと、該円筒マグネットの両端に軸線
と同軸に延設された回動軸と、前記円筒マグネットの一
端外側に固定されて外方に延出されたアーム部とが設け
られ、前記本体ケースには、前記ローターの両端の回動
軸を受ける一対の軸受部と、前記ローターが所定の角度
範囲で回動するように前記アーム部の回動を規制する一
対のストッパ部が設けられると共に、前記一方の軸受部
と前記円筒マグネットとの間に、前記アーム部を一方側
の前記ストッパ部に当接させてローターを停止させるべ
く付勢する付勢部材が設けられ、前記巻線に通電された
際に、前記ローターが、前記付勢部材の付勢力に抗して
前記アーム部が他方側の前記ストッパ部に当接する位置
まで回動するようにすれば、スムーズな回動動作により
二つの位置で確実に停止可能な回動アクチュエータを提
供できる。
【0010】また、上記端停止タイプの回動アクチュエ
ータにおいて、前記円筒マグネットに本体ケースを介し
て対向するヨーク両端の円弧幅を調節することにより前
記アーム部のストッパ部における保持トルクを調節し、
前記巻線に無通電の状態では、前記アーム部は一方のス
トッパ部に当接した状態で保持され、通電することによ
り前記アーム部を他方のストッパ部に当接する位置まで
回動させて保持され、直前の通電状態と極性を切り換え
て通電することにより、前記アーム部が反対側のストッ
パ部に回動して無通電にしても保持されるようにすれ
ば、消費エネルギーが少なく部品点数も減少させた回動
アクチュエータを提供できる。
ータにおいて、前記円筒マグネットに本体ケースを介し
て対向するヨーク両端の円弧幅を調節することにより前
記アーム部のストッパ部における保持トルクを調節し、
前記巻線に無通電の状態では、前記アーム部は一方のス
トッパ部に当接した状態で保持され、通電することによ
り前記アーム部を他方のストッパ部に当接する位置まで
回動させて保持され、直前の通電状態と極性を切り換え
て通電することにより、前記アーム部が反対側のストッ
パ部に回動して無通電にしても保持されるようにすれ
ば、消費エネルギーが少なく部品点数も減少させた回動
アクチュエータを提供できる。
【0011】また、前記円筒マグネットの2極着磁バラ
ンスを不均等に形成することにより、前記コイルに無通
電のときには前記アーム部をストッパ部に当接しない中
間位置で停止させ、前記コイルに一方の極性で通電して
いる間は、前記アーム部は一方のストッパ部に当接する
まで回動して保持され、通電状態を切り換えて他方の極
性で通電している間は、前記アーム部は他方のストッパ
部に当接するまで回動して保持されるので、三つの位置
でアーム部を停止させることができ、製品の負荷価値を
高めることができる。この場合、前記ローターは、前記
コイルへの通電を切ることにより、前記アーム部がいず
れか一方のストッパに当接した位置から中間位置へ復帰
するように円筒マグネットの着磁角度及び前記ヨークの
円弧角度が調節されているのが望ましい。
ンスを不均等に形成することにより、前記コイルに無通
電のときには前記アーム部をストッパ部に当接しない中
間位置で停止させ、前記コイルに一方の極性で通電して
いる間は、前記アーム部は一方のストッパ部に当接する
まで回動して保持され、通電状態を切り換えて他方の極
性で通電している間は、前記アーム部は他方のストッパ
部に当接するまで回動して保持されるので、三つの位置
でアーム部を停止させることができ、製品の負荷価値を
高めることができる。この場合、前記ローターは、前記
コイルへの通電を切ることにより、前記アーム部がいず
れか一方のストッパに当接した位置から中間位置へ復帰
するように円筒マグネットの着磁角度及び前記ヨークの
円弧角度が調節されているのが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる好適な実施
の形態を添付図面と共に詳細に説明する。 〔第1実施例〕本実施例は、ロータが二つの位置で停止
可能な端停止タイプの回動アクチュエータについて説明
する。図1は回動アクチュエータの動作原理を示す断面
図であり、図2は図1の回動アクチュエータのX−X断
面図、図3は回動アクチュエータの上視図、図4は図3
の回動アクチュエータの左側面図、図5は図3の回動ア
クチュエータの正面図、図6はヨーク片及びボビンの分
解斜視図である。
の形態を添付図面と共に詳細に説明する。 〔第1実施例〕本実施例は、ロータが二つの位置で停止
可能な端停止タイプの回動アクチュエータについて説明
する。図1は回動アクチュエータの動作原理を示す断面
図であり、図2は図1の回動アクチュエータのX−X断
面図、図3は回動アクチュエータの上視図、図4は図3
の回動アクチュエータの左側面図、図5は図3の回動ア
クチュエータの正面図、図6はヨーク片及びボビンの分
解斜視図である。
【0013】先ず、回動アクチュエータの概略構成につ
いて図1〜図6を参照して説明する。図1〜図5におい
て、10はローターであり、永久磁石である円筒マグネ
ット(円筒状に180°ずつ2極着磁されてなるマグネ
ット)及び被駆動部材に連繋する連繋部(図示せず)を
一体に有する(以下、単に「ローター10」と言うとき
は、円筒マグネットを指し示すものとする)。
いて図1〜図6を参照して説明する。図1〜図5におい
て、10はローターであり、永久磁石である円筒マグネ
ット(円筒状に180°ずつ2極着磁されてなるマグネ
ット)及び被駆動部材に連繋する連繋部(図示せず)を
一体に有する(以下、単に「ローター10」と言うとき
は、円筒マグネットを指し示すものとする)。
【0014】12は非磁性体からなる本体ケースであ
り、上記ローター10を筒状部12a内に収納して、そ
の軸線を中心に所定の角度範囲で回動可能に支持する。
上記ローター10は、円筒マグネットの両端に延設され
た回動軸14a、14bが本体ケース12の軸受部16
a,16bに回動可能に軸支される。上記本体ケース1
2には、上記ローター10を所定の角度範囲で回動する
ようにアーム部18の回動を規制する一対のストッパ部
20、22が設けられている。本実施例では、上記スト
ッパ部20、22は、上記本体ケース12の開口部24
の両側に延設された取付部26の該開口部24側に臨む
両端にそれぞれ形成されている。上記取付部26には、
取付穴26a,26bが穿設されており、回動アクチュ
エータをねじ止め可能になっている(図5参照)。
り、上記ローター10を筒状部12a内に収納して、そ
の軸線を中心に所定の角度範囲で回動可能に支持する。
上記ローター10は、円筒マグネットの両端に延設され
た回動軸14a、14bが本体ケース12の軸受部16
a,16bに回動可能に軸支される。上記本体ケース1
2には、上記ローター10を所定の角度範囲で回動する
ようにアーム部18の回動を規制する一対のストッパ部
20、22が設けられている。本実施例では、上記スト
ッパ部20、22は、上記本体ケース12の開口部24
の両側に延設された取付部26の該開口部24側に臨む
両端にそれぞれ形成されている。上記取付部26には、
取付穴26a,26bが穿設されており、回動アクチュ
エータをねじ止め可能になっている(図5参照)。
【0015】上記アーム部18は、上記ローター10の
一端側に固定されて外方に延設されている(図3参
照)。上記アーム部18のローター10に対する周方向
の位置は、180°に2極着磁された円筒マグネットの
N極とS極の界面位置となるように配置されている。本
実施例では図4に示すように、アーム部18は、本体ケ
ース12に所定の角度範囲(本実施例では60°)で設
けられた開口部24から外側へ延出され、該アーム部1
8の側面にアーム連繋軸28が設けられている。このア
ーム連繋軸28は、被駆動部材に連繋する連繋部として
作用する。なお、ローター10を被駆動部材に連繋する
には、例えば、回動軸14aに被駆動部材を直接的に連
結しても良い。
一端側に固定されて外方に延設されている(図3参
照)。上記アーム部18のローター10に対する周方向
の位置は、180°に2極着磁された円筒マグネットの
N極とS極の界面位置となるように配置されている。本
実施例では図4に示すように、アーム部18は、本体ケ
ース12に所定の角度範囲(本実施例では60°)で設
けられた開口部24から外側へ延出され、該アーム部1
8の側面にアーム連繋軸28が設けられている。このア
ーム連繋軸28は、被駆動部材に連繋する連繋部として
作用する。なお、ローター10を被駆動部材に連繋する
には、例えば、回動軸14aに被駆動部材を直接的に連
結しても良い。
【0016】30はコイルであり、本体ケース12の筒
状部12aの側方に並設されている。このコイル30
は、中心に貫通孔34aを形成されたボビン34の周囲
に巻線(銅線など)が巻回されて形成されている。上記
ボビン34に巻き付けられた巻線の端部は、巻線端子3
4bに接続されて外部リード等と接続される。31は磁
性体よりなるヨークであり、上記本体ケース12の筒状
部12aの周面に沿って対向配置された円弧部32a,
32bと、該円弧部32a,32bの一部にそれぞれ延
設され上記コイル30を装着可能な断面コ字状の延設部
33,33を備えている。上記コイル30のボビン34
に形成された貫通孔34aに上記延設部33,33が挿
通されて、上記コイル30は本体ケース12の外側に並
設されている(図1,図2参照)。
状部12aの側方に並設されている。このコイル30
は、中心に貫通孔34aを形成されたボビン34の周囲
に巻線(銅線など)が巻回されて形成されている。上記
ボビン34に巻き付けられた巻線の端部は、巻線端子3
4bに接続されて外部リード等と接続される。31は磁
性体よりなるヨークであり、上記本体ケース12の筒状
部12aの周面に沿って対向配置された円弧部32a,
32bと、該円弧部32a,32bの一部にそれぞれ延
設され上記コイル30を装着可能な断面コ字状の延設部
33,33を備えている。上記コイル30のボビン34
に形成された貫通孔34aに上記延設部33,33が挿
通されて、上記コイル30は本体ケース12の外側に並
設されている(図1,図2参照)。
【0017】図2において、36,37はヨーク片であ
り、上記円弧部32a,32bに延設された延設部33
を、その中途で分割して形成されている。すなわち、ヨ
ーク片36,37は、一対のL字状に折り曲げられた延
設部33,33どうしを断面コ字状になるように突き合
わせるようにして本体ケース12に装着されている。こ
の一対のヨーク片36,37のうち上記延設部33,3
3をボビン34の貫通孔34aに両側から各々挿入し
て、上記コイル30は上記本体ケース12の筒状部12
aの側方に並設されている。35は板材であり、磁性体
によって短冊状に形成されている。この板材35は、ボ
ビン34の貫通孔34aに、一対のヨーク片36,37
の延設部33,33の一部と共に圧入されている。これ
により、一対のヨーク片36,37をボビン34に好適
に固定できると共に、ヨーク31の延設部33,33の
通過磁束を増加できる。
り、上記円弧部32a,32bに延設された延設部33
を、その中途で分割して形成されている。すなわち、ヨ
ーク片36,37は、一対のL字状に折り曲げられた延
設部33,33どうしを断面コ字状になるように突き合
わせるようにして本体ケース12に装着されている。こ
の一対のヨーク片36,37のうち上記延設部33,3
3をボビン34の貫通孔34aに両側から各々挿入し
て、上記コイル30は上記本体ケース12の筒状部12
aの側方に並設されている。35は板材であり、磁性体
によって短冊状に形成されている。この板材35は、ボ
ビン34の貫通孔34aに、一対のヨーク片36,37
の延設部33,33の一部と共に圧入されている。これ
により、一対のヨーク片36,37をボビン34に好適
に固定できると共に、ヨーク31の延設部33,33の
通過磁束を増加できる。
【0018】図3において、38はコイルスプリングで
あり、一方の軸受部16aとローター10との間に配さ
れ、コイル30に通電されていない際にはアーム部18
を一方側のストッパ部20に当接して停止させるべく付
勢し、コイル30に通電した際にはアーム部18が一方
側のストッパ部20に当接する位置から回動して他方側
のストッパ部22に当接するまで回動することを許容す
る付勢部材として作用する。すなわち、上記コイルスプ
リング38は、アーム部18を有するローター10を、
無通電時に元の位置に復帰させるように作用する。
あり、一方の軸受部16aとローター10との間に配さ
れ、コイル30に通電されていない際にはアーム部18
を一方側のストッパ部20に当接して停止させるべく付
勢し、コイル30に通電した際にはアーム部18が一方
側のストッパ部20に当接する位置から回動して他方側
のストッパ部22に当接するまで回動することを許容す
る付勢部材として作用する。すなわち、上記コイルスプ
リング38は、アーム部18を有するローター10を、
無通電時に元の位置に復帰させるように作用する。
【0019】このコイルスプリング38は、コイル部が
回動軸14aに嵌まっており、一端38aがアーム部1
8に突起して設けられた係止部18aに係止されており
(図5参照)、他端38bはストッパ部22に係止され
た状態で弾装されている(図3参照)。このように、軸
受部16aの内側に復帰用のコイルスプリング38を配
することによって回動軸14aに発生する側圧負荷は軽
減し、よりスムーズなローター10の動き(回動)を実
現できる。これに対して、従来の回動アクチュエータ
は、軸受部の外側にコイルスプリングが配され、このコ
イルスプリングの回動軸への側圧負荷が大きくなること
により軸負荷が大きく発生し、ローターがスムーズに回
動できない。
回動軸14aに嵌まっており、一端38aがアーム部1
8に突起して設けられた係止部18aに係止されており
(図5参照)、他端38bはストッパ部22に係止され
た状態で弾装されている(図3参照)。このように、軸
受部16aの内側に復帰用のコイルスプリング38を配
することによって回動軸14aに発生する側圧負荷は軽
減し、よりスムーズなローター10の動き(回動)を実
現できる。これに対して、従来の回動アクチュエータ
は、軸受部の外側にコイルスプリングが配され、このコ
イルスプリングの回動軸への側圧負荷が大きくなること
により軸負荷が大きく発生し、ローターがスムーズに回
動できない。
【0020】次に、図6を参照して、ヨーク31の構成
について詳細に説明する。ヨーク31を形成する一対の
ヨーク片36,37は、本体ケース12の筒状部12a
に密着して対向配置された一対の円弧部32a,32b
と、該円弧部32a,32bの一部にそれぞれ延設さ
れ、コイル30を装着可能な断面コ字状の延設部33,
33を有している。
について詳細に説明する。ヨーク31を形成する一対の
ヨーク片36,37は、本体ケース12の筒状部12a
に密着して対向配置された一対の円弧部32a,32b
と、該円弧部32a,32bの一部にそれぞれ延設さ
れ、コイル30を装着可能な断面コ字状の延設部33,
33を有している。
【0021】また、上記延設部33,33は、上記円弧
部32a,32bの周方向一端側を延設して形成されて
いても良いが、より好ましくは上記円弧部32a,32
bの対向する一端側に周方向に切込みを形成して起立片
40a,40bを切り起こしてL字状に折り曲げること
により形成するのが望ましい。より具体的には、上記一
対の円弧部32a,32bの対向する端部にそれぞれ周
方向に伸びる切込みにより形成された帯状部の中央部分
を起立させて折り曲げ形成された起立片40a,40b
と、該起立片40a,40b以外の両側の帯状部を起立
基部40g,40hより互いに接近する方向に延出させ
た円弧片40e,40fとを有している。
部32a,32bの周方向一端側を延設して形成されて
いても良いが、より好ましくは上記円弧部32a,32
bの対向する一端側に周方向に切込みを形成して起立片
40a,40bを切り起こしてL字状に折り曲げること
により形成するのが望ましい。より具体的には、上記一
対の円弧部32a,32bの対向する端部にそれぞれ周
方向に伸びる切込みにより形成された帯状部の中央部分
を起立させて折り曲げ形成された起立片40a,40b
と、該起立片40a,40b以外の両側の帯状部を起立
基部40g,40hより互いに接近する方向に延出させ
た円弧片40e,40fとを有している。
【0022】上記円弧部32a,32bの対向する一端
側を周方向に延設してコイル30を保持する場合には、
該コイル30を保持するためヨーク角度に限界があり、
レバー部18をストッパ部20,22に停止させるため
の保持トルクが十分得られないおそれがある。また、上
記ヨーク角度を広くするとコイル30の装着幅が狭くな
り、結果的にコイル30が取り付けられなくなるおそれ
があり、設計上の制約が大きいからである。これに対し
て、円弧部32a,32bの対向する周方向一端側に切
込みを形成して起立片40a,40bを切り起こした場
合には、該起立片40a,40bの長さや開き具合によ
りコイル30の装着スペースを十分確保でき、しかも上
記円弧部32a,32bとこれに連続する円弧片40
e,40fによりヨーク角度を任意に設計できるので、
ヨーク角度を調整して必要な磁束を得るための十分な保
持トルクが得られるからである。
側を周方向に延設してコイル30を保持する場合には、
該コイル30を保持するためヨーク角度に限界があり、
レバー部18をストッパ部20,22に停止させるため
の保持トルクが十分得られないおそれがある。また、上
記ヨーク角度を広くするとコイル30の装着幅が狭くな
り、結果的にコイル30が取り付けられなくなるおそれ
があり、設計上の制約が大きいからである。これに対し
て、円弧部32a,32bの対向する周方向一端側に切
込みを形成して起立片40a,40bを切り起こした場
合には、該起立片40a,40bの長さや開き具合によ
りコイル30の装着スペースを十分確保でき、しかも上
記円弧部32a,32bとこれに連続する円弧片40
e,40fによりヨーク角度を任意に設計できるので、
ヨーク角度を調整して必要な磁束を得るための十分な保
持トルクが得られるからである。
【0023】上記起立片40a,40bのうちL字状に
折り曲げられた起立先端部40c,40dをボビン34
の貫通孔34aに両側より各々挿入して突き当てること
により、連続する延設部33,33を形成して、上記コ
イル30はヨーク31に装着される。上記円弧部32
a,32bのヨーク角度は用途に応じて変更されるが、
上記円弧片40e,40fのヨーク角度を延長すること
で、上記起立片40a,40bを形成することによって
減少する上記円弧部32a,32bを通過する磁束のバ
ランスを取ることが可能となった。本実施例では、無通
電時にコイルスプリング38の弾性力によって原点復帰
動作を行わせるために、ローター10の保持トルクを極
力0に近づけたいとの要請によりヨーク角度(中心角)
を円弧部32a,32bを135°/2とし、円弧片4
0e,40fを含む円弧部32a,32bのヨーク角度
を165°/2に設定した。
折り曲げられた起立先端部40c,40dをボビン34
の貫通孔34aに両側より各々挿入して突き当てること
により、連続する延設部33,33を形成して、上記コ
イル30はヨーク31に装着される。上記円弧部32
a,32bのヨーク角度は用途に応じて変更されるが、
上記円弧片40e,40fのヨーク角度を延長すること
で、上記起立片40a,40bを形成することによって
減少する上記円弧部32a,32bを通過する磁束のバ
ランスを取ることが可能となった。本実施例では、無通
電時にコイルスプリング38の弾性力によって原点復帰
動作を行わせるために、ローター10の保持トルクを極
力0に近づけたいとの要請によりヨーク角度(中心角)
を円弧部32a,32bを135°/2とし、円弧片4
0e,40fを含む円弧部32a,32bのヨーク角度
を165°/2に設定した。
【0024】上記ヨーク片36,37は、ヨーク31を
半分にした形状であるため、複雑な形状のプレス金型を
要せず、容易に成形することができる。また、ボビン3
4に巻線を巻回してコイル30を形成した後、上記ボビ
ン34の貫通孔34aの両側よりヨーク片36,37を
組み込むことが可能であるため、製造工程が容易にな
る。すなわち、予めコイル30を形成した後に、一対の
ヨーク片36,37を両側から入れる構造とした。これ
によって、ヨーク片36,37のプレス加工、およびボ
ビン34へのコイル巻線工程が極めて容易であり、生産
性を向上でき、コスト低減と信頼性向上に貢献するとこ
ろ大である。
半分にした形状であるため、複雑な形状のプレス金型を
要せず、容易に成形することができる。また、ボビン3
4に巻線を巻回してコイル30を形成した後、上記ボビ
ン34の貫通孔34aの両側よりヨーク片36,37を
組み込むことが可能であるため、製造工程が容易にな
る。すなわち、予めコイル30を形成した後に、一対の
ヨーク片36,37を両側から入れる構造とした。これ
によって、ヨーク片36,37のプレス加工、およびボ
ビン34へのコイル巻線工程が極めて容易であり、生産
性を向上でき、コスト低減と信頼性向上に貢献するとこ
ろ大である。
【0025】これに対し、一対のヨーク片36,37を
一体にした形状であるヨーク31を成形して、ボビン3
4に導線を巻回する場合を考えると、次のような欠点が
ある。先ず、ヨーク31が複雑な形状となるため、その
成形が困難となる。また、ボビン34を二つ割にしない
と、ヨーク31の延設部33,33をボビン34内に好
適に挿通できない。また、ボビン34とヨーク31とが
一体化された状態でコイル30を形成するとすれば、そ
の形状が複雑であり、ボビン34に巻線を巻回すのが困
難である。仮に製造できたとしても、製品としての信頼
性に欠けるものである。
一体にした形状であるヨーク31を成形して、ボビン3
4に導線を巻回する場合を考えると、次のような欠点が
ある。先ず、ヨーク31が複雑な形状となるため、その
成形が困難となる。また、ボビン34を二つ割にしない
と、ヨーク31の延設部33,33をボビン34内に好
適に挿通できない。また、ボビン34とヨーク31とが
一体化された状態でコイル30を形成するとすれば、そ
の形状が複雑であり、ボビン34に巻線を巻回すのが困
難である。仮に製造できたとしても、製品としての信頼
性に欠けるものである。
【0026】次に上述のように構成された回動アクチュ
エータの動作について説明する。コイル30に通電する
と、一対のヨーク片36,37にN極、S極が発生す
る。つまり、コイル30と一対のヨーク片36,37と
から構成される馬蹄形の電磁石が作動した状態になる。
これにより、本体ケース12内部に収納されたN、Sの
2極に180°ずつ着磁された永久磁石であるローター
10が、前述した磁石の吸引と反発の原理によってコイ
ルスプリング38の付勢力に抗して回動する。この原理
によれば、ローター10を90°未満の角度で好適に回
動させることができる。本実施例では、ローター10に
延設されたアーム部18がストッパ部20,22に規制
されて60°回動可能になっている。
エータの動作について説明する。コイル30に通電する
と、一対のヨーク片36,37にN極、S極が発生す
る。つまり、コイル30と一対のヨーク片36,37と
から構成される馬蹄形の電磁石が作動した状態になる。
これにより、本体ケース12内部に収納されたN、Sの
2極に180°ずつ着磁された永久磁石であるローター
10が、前述した磁石の吸引と反発の原理によってコイ
ルスプリング38の付勢力に抗して回動する。この原理
によれば、ローター10を90°未満の角度で好適に回
動させることができる。本実施例では、ローター10に
延設されたアーム部18がストッパ部20,22に規制
されて60°回動可能になっている。
【0027】また、ローター10を、スムーズに回動さ
せるには、ヨーク31の形状が重要な要素となる。一対
のヨーク片36,37によって構成されるヨーク31の
対向する円弧部32a,32b及び円弧片40e,40
fと、ローター10との間には磁束が発生するが、その
磁束がローター10をスムーズに回動させることを阻害
しないように、上記円弧部32a,32b及び円弧片4
0e,40fの形態、特にヨーク角度(中心角)を定め
ることが重要になる。上記ヨーク31の円弧部32a,
32b及び円弧片40e,40fの形態は、回動アクチ
ュエータ全体の大きさ、或いはローター10の作動角度
等の条件によって、適宜設定すればよい。
せるには、ヨーク31の形状が重要な要素となる。一対
のヨーク片36,37によって構成されるヨーク31の
対向する円弧部32a,32b及び円弧片40e,40
fと、ローター10との間には磁束が発生するが、その
磁束がローター10をスムーズに回動させることを阻害
しないように、上記円弧部32a,32b及び円弧片4
0e,40fの形態、特にヨーク角度(中心角)を定め
ることが重要になる。上記ヨーク31の円弧部32a,
32b及び円弧片40e,40fの形態は、回動アクチ
ュエータ全体の大きさ、或いはローター10の作動角度
等の条件によって、適宜設定すればよい。
【0028】上記構成によれば、永久磁石よりなるロー
ター10を回動可能に収納する本体ケース12に、その
周面に密着して対向配置された一対の円弧部32a,3
2bと、該円弧部32a,32bの一部にそれぞれ延設
されコイル30を装着可能な断面コ字状の延設部33,
33とを有するヨーク31を設け、前記円弧部32a,
32bのヨーク角度を任意に設定し、前記ローター10
の回動範囲を規制して前記コイル10に通電することに
より、前記ローター10を二つの位置で停止可能に駆動
制御できる回動アクチュエータを提供できる。また、前
記円弧部32a,32bより延設された延設部33,3
3に前記コイル30を装着することにより前記本体ケー
ス12の周面外側に前記コイル30を並設できるので、
前記本体ケース12の軸線方向の設置スペースがない製
品の場合には、装置の設計可能なエリアを有効に利用で
きる。
ター10を回動可能に収納する本体ケース12に、その
周面に密着して対向配置された一対の円弧部32a,3
2bと、該円弧部32a,32bの一部にそれぞれ延設
されコイル30を装着可能な断面コ字状の延設部33,
33とを有するヨーク31を設け、前記円弧部32a,
32bのヨーク角度を任意に設定し、前記ローター10
の回動範囲を規制して前記コイル10に通電することに
より、前記ローター10を二つの位置で停止可能に駆動
制御できる回動アクチュエータを提供できる。また、前
記円弧部32a,32bより延設された延設部33,3
3に前記コイル30を装着することにより前記本体ケー
ス12の周面外側に前記コイル30を並設できるので、
前記本体ケース12の軸線方向の設置スペースがない製
品の場合には、装置の設計可能なエリアを有効に利用で
きる。
【0029】また、上記ヨーク31は延設部33,33
で分割された一対のヨーク片36,37を有し、該ヨー
ク片36,37をボビン34の貫通孔34aに両側より
各々挿入して、上記延設部33,33に上記コイル30
を装着したので、組み立てが容易になり、製造コストを
低減できる。
で分割された一対のヨーク片36,37を有し、該ヨー
ク片36,37をボビン34の貫通孔34aに両側より
各々挿入して、上記延設部33,33に上記コイル30
を装着したので、組み立てが容易になり、製造コストを
低減できる。
【0030】また、上記延設部33,33は、一対の円
弧部32a,32bの対向する端部にそれぞれ周方向に
伸びる切込みにより形成された帯状部の一部を起立させ
て折り曲げ形成された起立片40a,40bを設けたこ
とによりコイル30の取り付けスペースを十分確保で
き、上記起立片40a,40b以外の帯状部を起立基部
40g,40hより互いに接近する方向に延出させて円
弧片40e,40fを形成したのでヨーク角度を確保で
きることから、アーム部18のストッパ部20,22に
おける保持トルクを十分得ることができる。よって、ヨ
ーク角度を自由に設計できるため、回動アクチュエータ
の設計の自由度が広がる。また、上記回動アクチュエー
タによれば、体積に対する出力トルクおよび一定の消費
電力に対してトルクが大きくとれ、構造が簡単なため、
安価で信頼性が高く、制御は直流電源のON、OFFの
みの極めて簡単な方法で行える。
弧部32a,32bの対向する端部にそれぞれ周方向に
伸びる切込みにより形成された帯状部の一部を起立させ
て折り曲げ形成された起立片40a,40bを設けたこ
とによりコイル30の取り付けスペースを十分確保で
き、上記起立片40a,40b以外の帯状部を起立基部
40g,40hより互いに接近する方向に延出させて円
弧片40e,40fを形成したのでヨーク角度を確保で
きることから、アーム部18のストッパ部20,22に
おける保持トルクを十分得ることができる。よって、ヨ
ーク角度を自由に設計できるため、回動アクチュエータ
の設計の自由度が広がる。また、上記回動アクチュエー
タによれば、体積に対する出力トルクおよび一定の消費
電力に対してトルクが大きくとれ、構造が簡単なため、
安価で信頼性が高く、制御は直流電源のON、OFFの
みの極めて簡単な方法で行える。
【0031】〔第2実施例〕次に、図7〜図10を参照
して、本発明にかかる回動アクチュエータの第2実施例
について詳細に説明する。上述したように、本発明に係
る回動アクチュエータは、ヨーク角度が任意に設定でき
るため、端停止タイプでも上記アーム部18を付勢する
コイルスプリング38を省略することが可能となる。以
下、この構成について説明する。図7〜図9はローター
とヨークとの吸引反発による回動動作を示す原理図、図
10はヨーク角度と最低作動電圧及びヨーク角度と保持
トルクとの関係を示すグラフである。尚、本実施例の基
本的な構成は、前記第1実施例に示す回動アクチュエー
タと同様であり、同一の部材には同一の符号を付して説
明を援用するものとする。
して、本発明にかかる回動アクチュエータの第2実施例
について詳細に説明する。上述したように、本発明に係
る回動アクチュエータは、ヨーク角度が任意に設定でき
るため、端停止タイプでも上記アーム部18を付勢する
コイルスプリング38を省略することが可能となる。以
下、この構成について説明する。図7〜図9はローター
とヨークとの吸引反発による回動動作を示す原理図、図
10はヨーク角度と最低作動電圧及びヨーク角度と保持
トルクとの関係を示すグラフである。尚、本実施例の基
本的な構成は、前記第1実施例に示す回動アクチュエー
タと同様であり、同一の部材には同一の符号を付して説
明を援用するものとする。
【0032】前記第1実施例に示す回動アクチュエータ
の構成では、例えばアーム部18をコイルスプリング3
8の付勢力に抗して他方側のストッパ部22に当接させ
たまま保持させるためには、コイル30へ通電し続けな
ければならない。このため、消費エネルギーが増加して
出力効率が低下したり、上記コイルスプリング38が必
要な分だけ部品点数が多くなり、製造コストも高くな
る。本実施例は、上記コイルスプリング38を省略し
て、適当な作動電圧、作動トルク及び保持トルクでアー
ム部18を回動させるように構成したものである。
の構成では、例えばアーム部18をコイルスプリング3
8の付勢力に抗して他方側のストッパ部22に当接させ
たまま保持させるためには、コイル30へ通電し続けな
ければならない。このため、消費エネルギーが増加して
出力効率が低下したり、上記コイルスプリング38が必
要な分だけ部品点数が多くなり、製造コストも高くな
る。本実施例は、上記コイルスプリング38を省略し
て、適当な作動電圧、作動トルク及び保持トルクでアー
ム部18を回動させるように構成したものである。
【0033】先ず、図7〜図9に示すローターとヨーク
との吸引反発動作を示す原理図を用いてアーム部18の
回動動作原理について実験結果に基づいて説明する。
尚、アーム部18の本体ケース12における回動範囲を
60°とし、ストッパ部20に当接した位置を0°とし
てストッパ部22へ当接する位置まで反時計回り方向の
回転角度を60°として説明を行うものとする。また、
ローター10の外径φ4.4mm、ヨーク内径φ5.6
mm、同外径φ7.2mmに設定して実験を行った。先
ず、図7において、2極着磁されたローター10の左
下側半分をS極、右上半分をN極とすると、アーム部1
8が60°回転した位置において通電前においては、磁
性体としてのヨーク31を磁化するためローター10が
吸引されるためにアーム部18がストッパ部22側へ当
接したまま保持され続ける。
との吸引反発動作を示す原理図を用いてアーム部18の
回動動作原理について実験結果に基づいて説明する。
尚、アーム部18の本体ケース12における回動範囲を
60°とし、ストッパ部20に当接した位置を0°とし
てストッパ部22へ当接する位置まで反時計回り方向の
回転角度を60°として説明を行うものとする。また、
ローター10の外径φ4.4mm、ヨーク内径φ5.6
mm、同外径φ7.2mmに設定して実験を行った。先
ず、図7において、2極着磁されたローター10の左
下側半分をS極、右上半分をN極とすると、アーム部1
8が60°回転した位置において通電前においては、磁
性体としてのヨーク31を磁化するためローター10が
吸引されるためにアーム部18がストッパ部22側へ当
接したまま保持され続ける。
【0034】次に、コイル30へ通電して上記ヨーク3
1が電磁石となって極性を持つことにより、ローター1
0との間で吸引反発を起こす。具体的には、ヨーク31
の円弧部32aがS極、円弧部32bがN極に磁化され
た場合には、ローター10のN極と円弧部32aのS
極、ローター10のS極と円弧部32bのN極とがそれ
ぞれ吸引し合う力が強く、ローター10に反時計回り方
向のトルクが発生するため、アーム部18がストッパ部
22側へ当接したまま保持され続ける。上記コイル30
に上記直前の通電状態と極性を変えて通電することによ
り、ヨーク31の円弧部32aがN極、円弧部32bが
S極に磁化され、ローター10の磁極と反発及び吸引動
作により時計回り方向に回動する(図7参照)。そ
して、アーム部18が時計回り方向に30°回転したと
き(図8参照)、ローター10と磁化されたヨーク両
端32a,32bの吸引反発するエリアが上記アーム部
18の両側で等しくなるため、該ローター10に作用す
るトルクがぼぼ零となるため時計回り反時計回りいずれ
の方向にも回動可能な状態となる。そして、上記アーム
部18が、時計回り方向に更に回転すると(図8参
照)、再びヨーク31の磁極とローター10との吸引反
発によるトルクが生じて時計回り方向に更に回転しよう
とする。
1が電磁石となって極性を持つことにより、ローター1
0との間で吸引反発を起こす。具体的には、ヨーク31
の円弧部32aがS極、円弧部32bがN極に磁化され
た場合には、ローター10のN極と円弧部32aのS
極、ローター10のS極と円弧部32bのN極とがそれ
ぞれ吸引し合う力が強く、ローター10に反時計回り方
向のトルクが発生するため、アーム部18がストッパ部
22側へ当接したまま保持され続ける。上記コイル30
に上記直前の通電状態と極性を変えて通電することによ
り、ヨーク31の円弧部32aがN極、円弧部32bが
S極に磁化され、ローター10の磁極と反発及び吸引動
作により時計回り方向に回動する(図7参照)。そ
して、アーム部18が時計回り方向に30°回転したと
き(図8参照)、ローター10と磁化されたヨーク両
端32a,32bの吸引反発するエリアが上記アーム部
18の両側で等しくなるため、該ローター10に作用す
るトルクがぼぼ零となるため時計回り反時計回りいずれ
の方向にも回動可能な状態となる。そして、上記アーム
部18が、時計回り方向に更に回転すると(図8参
照)、再びヨーク31の磁極とローター10との吸引反
発によるトルクが生じて時計回り方向に更に回転しよう
とする。
【0035】そして、図9においては、時計回り方向の
トルクが発生しているため、通電を切ってもアーム部1
8がストッパ部20側へ当接したまま保持され続ける。
上記アーム部16がストッパ部20側へ当接した状態
で、コイル30に通電する極性を反転させると、逆に反
時計回り方向に回転するのは言うまでもない。
トルクが発生しているため、通電を切ってもアーム部1
8がストッパ部20側へ当接したまま保持され続ける。
上記アーム部16がストッパ部20側へ当接した状態
で、コイル30に通電する極性を反転させると、逆に反
時計回り方向に回転するのは言うまでもない。
【0036】上記アーム部18がストッパ部20,22
に当接したまま保持されるための保持トルクは、実験に
よりヨーク片36,37を形成する円弧部32a,32
bの周方向のヨーク角度(中心角)に依存することが判
明している。この円弧部32a,32bのヨーク角度
を、図10に示すようにD部ヨーク角度とE部ヨーク角
度に分けて説明する。上記D部とE部とのヨーク角度の
関係は、D=E+αの関係に設計されている。D部ヨー
ク角度がE部ヨーク角度より大きくとってあるのは、D
部に相当する円弧部32a,32bには、起立片40
a,40bが形成されてローター10に対向するヨーク
面積が減少することから、ローター10を所要の位置で
回転停止させたまま保持するために必要なトルクを得る
には、円弧片40e,40fのヨーク角度を周方向に広
く取る必要があるためである。
に当接したまま保持されるための保持トルクは、実験に
よりヨーク片36,37を形成する円弧部32a,32
bの周方向のヨーク角度(中心角)に依存することが判
明している。この円弧部32a,32bのヨーク角度
を、図10に示すようにD部ヨーク角度とE部ヨーク角
度に分けて説明する。上記D部とE部とのヨーク角度の
関係は、D=E+αの関係に設計されている。D部ヨー
ク角度がE部ヨーク角度より大きくとってあるのは、D
部に相当する円弧部32a,32bには、起立片40
a,40bが形成されてローター10に対向するヨーク
面積が減少することから、ローター10を所要の位置で
回転停止させたまま保持するために必要なトルクを得る
には、円弧片40e,40fのヨーク角度を周方向に広
く取る必要があるためである。
【0037】上記E部ヨーク角度と保持トルク、及びE
部ヨーク角度と作動電圧(最低起動電圧)との関係を図
10のグラフにそれぞれ示す。上記円弧部32a,32
bのE部ヨーク角度と保持トルクとの関係によれば、上
記円弧部32a,32bのE部ヨーク角度を広げる程保
持トルクが減少し、ある角度以上になると、ローター1
0に対して全くトルクが生じないような状態となる。即
ち、ローター10を回動範囲でいずれの方向に回転させ
てもその位置で停止するようになる。
部ヨーク角度と作動電圧(最低起動電圧)との関係を図
10のグラフにそれぞれ示す。上記円弧部32a,32
bのE部ヨーク角度と保持トルクとの関係によれば、上
記円弧部32a,32bのE部ヨーク角度を広げる程保
持トルクが減少し、ある角度以上になると、ローター1
0に対して全くトルクが生じないような状態となる。即
ち、ローター10を回動範囲でいずれの方向に回転させ
てもその位置で停止するようになる。
【0038】本実施例における無通電時のロータ10の
保持トルクについて説明すると、図7において、ロー
ター10のN極から発した磁束により、ヨーク円弧部3
2aを経由して、ローター10のS極へ入る磁気ループ
Pが形成される他に、ヨーク円弧部32aに対向するロ
ーター10のN極面積とS極面積との差があるため、N
極から発した磁束は全てこの磁気ループに入りきらず、
残りの磁束は図6に示す延設部32bを経由して円弧部
32bに至り、ローター10のS極に入る磁気ループQ
が形成される。このように、2通りの磁気ループP,Q
が形成されることになるが、いずれの磁気ループも個々
の磁気ループの面積を増やす方向、即ち、磁気ループ内
の磁束を増やす方向に作用してローター10にトルクが
発生する。図7においては、上記磁気ループPに基づ
く矢印イ方向のトルクと、上記磁気ループQに基づく矢
印ロ方向のトルクが発生し、これらのトルクバランスに
よって矢印ハ方向(反時計回り方向)にトルクが発生す
る。この矢印ハ方向のトルクによって、ローター10に
固定されたアーム部18がストッパ部22に当接したま
ま保持され続ける。また、図9においては、同様に磁気
ループPに基づく矢印イ方向のトルクと磁気ループQに
基づく矢印ロ方向のトルクとのトルクバランスによって
矢印ニ方向(時計回り方向)のトルクが発生し、通電を
切ってもアーム部18がストッパ部20へ当接したまま
保持され続ける。上記保持トルクは、図10のE部ヨー
ク角度と保持トルクとの関係を表すグラフに示すよう
に、ヨーク角度を調整することにより任意な保持トルク
を選択できる。
保持トルクについて説明すると、図7において、ロー
ター10のN極から発した磁束により、ヨーク円弧部3
2aを経由して、ローター10のS極へ入る磁気ループ
Pが形成される他に、ヨーク円弧部32aに対向するロ
ーター10のN極面積とS極面積との差があるため、N
極から発した磁束は全てこの磁気ループに入りきらず、
残りの磁束は図6に示す延設部32bを経由して円弧部
32bに至り、ローター10のS極に入る磁気ループQ
が形成される。このように、2通りの磁気ループP,Q
が形成されることになるが、いずれの磁気ループも個々
の磁気ループの面積を増やす方向、即ち、磁気ループ内
の磁束を増やす方向に作用してローター10にトルクが
発生する。図7においては、上記磁気ループPに基づ
く矢印イ方向のトルクと、上記磁気ループQに基づく矢
印ロ方向のトルクが発生し、これらのトルクバランスに
よって矢印ハ方向(反時計回り方向)にトルクが発生す
る。この矢印ハ方向のトルクによって、ローター10に
固定されたアーム部18がストッパ部22に当接したま
ま保持され続ける。また、図9においては、同様に磁気
ループPに基づく矢印イ方向のトルクと磁気ループQに
基づく矢印ロ方向のトルクとのトルクバランスによって
矢印ニ方向(時計回り方向)のトルクが発生し、通電を
切ってもアーム部18がストッパ部20へ当接したまま
保持され続ける。上記保持トルクは、図10のE部ヨー
ク角度と保持トルクとの関係を表すグラフに示すよう
に、ヨーク角度を調整することにより任意な保持トルク
を選択できる。
【0039】また、図10において、上記E部ヨーク角
度と保持トルクとの関係より、ヨーク31の円弧部32
a,32bの円弧幅を広げる程、作動電圧(最低起動電
圧)が低く足り、円弧幅を狭める程、作動電圧(最低起
動電圧)が高くなることが判明した。
度と保持トルクとの関係より、ヨーク31の円弧部32
a,32bの円弧幅を広げる程、作動電圧(最低起動電
圧)が低く足り、円弧幅を狭める程、作動電圧(最低起
動電圧)が高くなることが判明した。
【0040】本実施例の場合、アーム部18のストッパ
部20,22における保持トルクをおよそ0.5g・c
mを目標値とし、円弧部32a,32bのE部ヨーク角
度をそれぞれおよそ115°/2(即ち垂直方向の中心
線に対して片側およそ57.5°)に設定し、D部ヨー
ク角度は135°/2にそれぞれ設定して実験を行っ
た。このときの作動電圧がおよそ2.4Vであり、消費
電力がおよそ27mWであった。この結果、従来に比べ
て非常に消費エネルギーの少なくしかも出力効率の高い
回動アクチュエータを実現することができた。上記D部
ヨーク角度は、E部ヨーク角度より広くなるように設計
することは言うまでもないが、円筒マグネットの外径、
エアーギャップ量、円筒マグネットの磁束数に応じて各
部のヨーク角度を任意に設定できる。また、本実施例で
は、コイル30に通電する時間は、少なくともアーム部
18がストッパ部20,22のいずれかより30°回転
するまでで足り、往復動させるのに要する通電時間は
0.2sec程度で足りる。また、上記保持トルクの設
定は、余り小さいと、振動や衝撃によりアーム部18が
反対側に移動して誤動作を生じ、余り大きいと消費電力
を要することから、製品によっても異なるが、例えばデ
ジタルカメラのアイリス(絞り)の場合には、保持トル
クを0.5g・cm前後で作動電圧が最大でも3V程度
に設定することが好ましい。
部20,22における保持トルクをおよそ0.5g・c
mを目標値とし、円弧部32a,32bのE部ヨーク角
度をそれぞれおよそ115°/2(即ち垂直方向の中心
線に対して片側およそ57.5°)に設定し、D部ヨー
ク角度は135°/2にそれぞれ設定して実験を行っ
た。このときの作動電圧がおよそ2.4Vであり、消費
電力がおよそ27mWであった。この結果、従来に比べ
て非常に消費エネルギーの少なくしかも出力効率の高い
回動アクチュエータを実現することができた。上記D部
ヨーク角度は、E部ヨーク角度より広くなるように設計
することは言うまでもないが、円筒マグネットの外径、
エアーギャップ量、円筒マグネットの磁束数に応じて各
部のヨーク角度を任意に設定できる。また、本実施例で
は、コイル30に通電する時間は、少なくともアーム部
18がストッパ部20,22のいずれかより30°回転
するまでで足り、往復動させるのに要する通電時間は
0.2sec程度で足りる。また、上記保持トルクの設
定は、余り小さいと、振動や衝撃によりアーム部18が
反対側に移動して誤動作を生じ、余り大きいと消費電力
を要することから、製品によっても異なるが、例えばデ
ジタルカメラのアイリス(絞り)の場合には、保持トル
クを0.5g・cm前後で作動電圧が最大でも3V程度
に設定することが好ましい。
【0041】上記構成によれば、第1実施例に示すコイ
ルスプリング38を省略できるので部品点数を減らして
製造コストを低減することができる。また、アーム部1
8をストッパ部20,22にそれぞれ当接したまま保持
するために通電する必要はなく、作動時のみ適当な作動
電圧で必要最小限の時間だけコイル30に通電すれば、
適正な作動トルクが生じてアーム部18を回転させ、ス
トッパ部20,22で適正な保持トルクで保持されるの
で、消費エネルギーが少なく、しかも出力効率の高い回
動アクチュエータを得ることができる。
ルスプリング38を省略できるので部品点数を減らして
製造コストを低減することができる。また、アーム部1
8をストッパ部20,22にそれぞれ当接したまま保持
するために通電する必要はなく、作動時のみ適当な作動
電圧で必要最小限の時間だけコイル30に通電すれば、
適正な作動トルクが生じてアーム部18を回転させ、ス
トッパ部20,22で適正な保持トルクで保持されるの
で、消費エネルギーが少なく、しかも出力効率の高い回
動アクチュエータを得ることができる。
【0042】〔第3実施例〕次に、図11〜図13を参
照して、本発明に係る回動アクチュエータの第3実施例
について詳細に説明する。上述したように、本発明に係
る回動アクチュエータは、ヨーク角度が任意に設定でき
るため、ローター10を二つの位置に停止可能な端停止
タイプのものに限らず、三つの位置で停止可能な中間停
止タイプの回動アクチュエータを製造することも可能で
ある。以下、この中間停止タイプの回動アクチュエータ
の構成について説明する。図11は回動アクチュエータ
の正面図、図12及び図13はロータとヨークの吸引反
発による回動動作を示す原理図である。尚、前記第1実
施例と同一の部材には同一の番号を付して説明を援用す
るものとする。
照して、本発明に係る回動アクチュエータの第3実施例
について詳細に説明する。上述したように、本発明に係
る回動アクチュエータは、ヨーク角度が任意に設定でき
るため、ローター10を二つの位置に停止可能な端停止
タイプのものに限らず、三つの位置で停止可能な中間停
止タイプの回動アクチュエータを製造することも可能で
ある。以下、この中間停止タイプの回動アクチュエータ
の構成について説明する。図11は回動アクチュエータ
の正面図、図12及び図13はロータとヨークの吸引反
発による回動動作を示す原理図である。尚、前記第1実
施例と同一の部材には同一の番号を付して説明を援用す
るものとする。
【0043】図11において、ローター10は、後述す
るようにN極及びS極の2極着磁バランスを不均等に形
成されている。上記アーム部18は、上記ローター10
の一端側に固定されており、本体ケース12に所定の角
度範囲(本実施例では60°)で設けられた開口部24
より外方へ延設されている。上記アーム部18は無通電
のときには前記ストッパ部20,22のいずれにも当接
しない中間位置Aで停止している。この停止位置は、ロ
ーター10に延設されるアーム部18の取付位置を回動
範囲内の任意の位置に設定することが可能である。本実
施例では、上記アーム部18のローター10に対する周
方向の延出位置は、例えば図12(d)において、2極
着磁されたローター10のN極とS極の界面よりN極側
の位置となるように設定されている。なお、上記ロータ
ー10を被駆動部材に連繋するには、例えばローター1
0の回動軸に被駆動部材を直接的に連結してもよい。
るようにN極及びS極の2極着磁バランスを不均等に形
成されている。上記アーム部18は、上記ローター10
の一端側に固定されており、本体ケース12に所定の角
度範囲(本実施例では60°)で設けられた開口部24
より外方へ延設されている。上記アーム部18は無通電
のときには前記ストッパ部20,22のいずれにも当接
しない中間位置Aで停止している。この停止位置は、ロ
ーター10に延設されるアーム部18の取付位置を回動
範囲内の任意の位置に設定することが可能である。本実
施例では、上記アーム部18のローター10に対する周
方向の延出位置は、例えば図12(d)において、2極
着磁されたローター10のN極とS極の界面よりN極側
の位置となるように設定されている。なお、上記ロータ
ー10を被駆動部材に連繋するには、例えばローター1
0の回動軸に被駆動部材を直接的に連結してもよい。
【0044】上記ロータ10は、上記コイル30への通
電を切ることにより、上記アーム部18がいずれか一方
のストッパ20,22に当接した位置(図11の位置
B,C)から中間位置(図11の位置A)へ復帰するよ
うにローター10の着磁角度及び上記ヨーク31の円弧
部32a,32bの円弧角度(中心角)がそれぞれ設定
されている。本実施例では、上記ヨーク31の円弧部3
2a,32bの円弧角度を136°/2にそれぞれ設定
されている。また、ローター10の着磁角度をN極側を
200°に設定され、S極側を160°に設定されるこ
とにより、無通電の状態でアーム部18をローター10
のストッパ20,22により規制される回動範囲の真ん
中となる中間位置Aで停止させることができた。
電を切ることにより、上記アーム部18がいずれか一方
のストッパ20,22に当接した位置(図11の位置
B,C)から中間位置(図11の位置A)へ復帰するよ
うにローター10の着磁角度及び上記ヨーク31の円弧
部32a,32bの円弧角度(中心角)がそれぞれ設定
されている。本実施例では、上記ヨーク31の円弧部3
2a,32bの円弧角度を136°/2にそれぞれ設定
されている。また、ローター10の着磁角度をN極側を
200°に設定され、S極側を160°に設定されるこ
とにより、無通電の状態でアーム部18をローター10
のストッパ20,22により規制される回動範囲の真ん
中となる中間位置Aで停止させることができた。
【0045】上記アーム部18を中間位置Aに保持する
ための原理について図12(d)を参照して説明する。
尚、アーム部18の本体ケース12における回動範囲を
60°とし、該アーム部18の回転角度を中間位置Aを
0°としてストッパ部20に当接した位置への反時計回
り方向への回転角度を−30°、ストッパ部22へ当接
する位置までの回転角度を30°として説明を行うもの
とする。
ための原理について図12(d)を参照して説明する。
尚、アーム部18の本体ケース12における回動範囲を
60°とし、該アーム部18の回転角度を中間位置Aを
0°としてストッパ部20に当接した位置への反時計回
り方向への回転角度を−30°、ストッパ部22へ当接
する位置までの回転角度を30°として説明を行うもの
とする。
【0046】無通電状態において、ローター10のN極
側から発生した磁束は、ヨーク31の円弧部32a,3
2bを経て、S極側に入るような磁気回路が形成され
る。図12(d)のF側において、N極に対向するヨー
ク面積がS極に対向するヨーク面積より広いため、N極
より発生する磁束が多い状態となる。このとき、ロータ
ー10には、N極側とS極側の発生磁束が同等となるよ
うに矢印P方向(反時計回り方向)のトルクが発生す
る。図12(d)のG側においても同様にローター10
には、N極側とS極側の発生磁束が同等となるように矢
印Q方向(時計回り方向)のトルクが発生する。上記ロ
ーター10に発生する矢印P,Q方向のトルクがつり合
った点においてアーム部18が停止可能となる。この停
止状態で上記アーム部18に外力を加えて時計回り方
向、反時計回り方向のいずれかの方向に回動させても、
ローター10とヨーク31の円弧部32a,32b間に
発生する磁束のバランスが崩れて上記停止位置に戻ろう
とするトルクが作用する。この安定した停止位置が、ス
トッパ20,22により規制される回動範囲の中間位置
Aに設定されている。
側から発生した磁束は、ヨーク31の円弧部32a,3
2bを経て、S極側に入るような磁気回路が形成され
る。図12(d)のF側において、N極に対向するヨー
ク面積がS極に対向するヨーク面積より広いため、N極
より発生する磁束が多い状態となる。このとき、ロータ
ー10には、N極側とS極側の発生磁束が同等となるよ
うに矢印P方向(反時計回り方向)のトルクが発生す
る。図12(d)のG側においても同様にローター10
には、N極側とS極側の発生磁束が同等となるように矢
印Q方向(時計回り方向)のトルクが発生する。上記ロ
ーター10に発生する矢印P,Q方向のトルクがつり合
った点においてアーム部18が停止可能となる。この停
止状態で上記アーム部18に外力を加えて時計回り方
向、反時計回り方向のいずれかの方向に回動させても、
ローター10とヨーク31の円弧部32a,32b間に
発生する磁束のバランスが崩れて上記停止位置に戻ろう
とするトルクが作用する。この安定した停止位置が、ス
トッパ20,22により規制される回動範囲の中間位置
Aに設定されている。
【0047】次に通電状態のローターとヨークとの吸引
反発による回動動作を図12及び図13を参照して説明
する。先ず、図12(d)において、無通電状態のとき
アーム部18は中間位置Aに保持されている。次に、コ
イル30へ一方の極性で通電して上記ヨーク31が電磁
石となって極性を持つことにより、ローター10との間
で吸引反発を起こす。具体的には、ヨーク31の円弧部
32aがN極、円弧部32bがS極に磁化された場合に
は、ローター10のS極と円弧部32aのN極、ロータ
ー10のN極と円弧部32bのS極とがそれぞれ吸引し
合うように磁力線が形成され、上記ローター10とヨー
ク31の円弧部32a,32bとの間で発生する磁束を
増やそうとするため、ローター10に矢印P方向(反時
計回り方向)のトルクが発生し、アーム部18は図12
(a)→図12(b)→図12(c)に示すように回動
して、ストッパ部22へ当接する。上記アーム部18
は、コイル30へ通電し続ける間はストッパ部22へ当
接したまま保持され続ける。そして、通電を停止する
と、再び図12(d)に示すように中間位置Aに復帰す
る。
反発による回動動作を図12及び図13を参照して説明
する。先ず、図12(d)において、無通電状態のとき
アーム部18は中間位置Aに保持されている。次に、コ
イル30へ一方の極性で通電して上記ヨーク31が電磁
石となって極性を持つことにより、ローター10との間
で吸引反発を起こす。具体的には、ヨーク31の円弧部
32aがN極、円弧部32bがS極に磁化された場合に
は、ローター10のS極と円弧部32aのN極、ロータ
ー10のN極と円弧部32bのS極とがそれぞれ吸引し
合うように磁力線が形成され、上記ローター10とヨー
ク31の円弧部32a,32bとの間で発生する磁束を
増やそうとするため、ローター10に矢印P方向(反時
計回り方向)のトルクが発生し、アーム部18は図12
(a)→図12(b)→図12(c)に示すように回動
して、ストッパ部22へ当接する。上記アーム部18
は、コイル30へ通電し続ける間はストッパ部22へ当
接したまま保持され続ける。そして、通電を停止する
と、再び図12(d)に示すように中間位置Aに復帰す
る。
【0048】次に、通電状態を切り換えて上記コイル3
0に他方の極性で通電することにより、図13(e)に
示すように、ヨーク31の円弧部32aがS極、円弧部
32bがN極に磁化され、ローター10のN極と円弧部
32bのS極、ローター10のS極と円弧部32bのN
極とがそれぞれ吸引し合うように磁力線が形成され、上
記ローター10とヨーク31の円弧部32a,32bと
の間で発生する磁束を増やそうとするため、ローター1
0に矢印Q方向(時計回り方向)のトルクが発生し、ア
ーム部18は図13(e)→図13(f)→図13
(g)に示すように回動して、ストッパ部22へ当接す
る。上記アーム部18は、コイル30へ通電し続ける間
はストッパ部20へ当接したまま保持され続ける。そし
て、通電を停止すると、再び図13(d)に示すように
中間位置Aに復帰する。
0に他方の極性で通電することにより、図13(e)に
示すように、ヨーク31の円弧部32aがS極、円弧部
32bがN極に磁化され、ローター10のN極と円弧部
32bのS極、ローター10のS極と円弧部32bのN
極とがそれぞれ吸引し合うように磁力線が形成され、上
記ローター10とヨーク31の円弧部32a,32bと
の間で発生する磁束を増やそうとするため、ローター1
0に矢印Q方向(時計回り方向)のトルクが発生し、ア
ーム部18は図13(e)→図13(f)→図13
(g)に示すように回動して、ストッパ部22へ当接す
る。上記アーム部18は、コイル30へ通電し続ける間
はストッパ部20へ当接したまま保持され続ける。そし
て、通電を停止すると、再び図13(d)に示すように
中間位置Aに復帰する。
【0049】上記ローター10の着磁角度は、回動範囲
のある中間位置A(本実施例ではアーム部18が0°の
位置)においてアーム部18が停止する(トルクが0と
なる)こと、またアーム部18がストッパ部20,22
において保持されるトルクは、余りに大きいと作動電流
が大きくなること等を考慮して適宜選択して設定される
のが好ましい。そこで、本実施例では、上記ローター1
0の最大保持トルクを0.5g・cm程度を目標に設定
するため、N極及びS極の着磁角度を200°−160
°に設定した。尚、図12及び図13ではローター10
のN極側を200°、S極側を160°に設定したが、
逆であっても良いのは言うまでもない。
のある中間位置A(本実施例ではアーム部18が0°の
位置)においてアーム部18が停止する(トルクが0と
なる)こと、またアーム部18がストッパ部20,22
において保持されるトルクは、余りに大きいと作動電流
が大きくなること等を考慮して適宜選択して設定される
のが好ましい。そこで、本実施例では、上記ローター1
0の最大保持トルクを0.5g・cm程度を目標に設定
するため、N極及びS極の着磁角度を200°−160
°に設定した。尚、図12及び図13ではローター10
のN極側を200°、S極側を160°に設定したが、
逆であっても良いのは言うまでもない。
【0050】また、上記ローター10の回動範囲におい
て、アーム部18に作用する保持トルクは、実験により
上記ヨーク31の円弧部32a,32bの周方向のヨー
ク角度(円弧角度)に依存することが判明している。上
記アーム部18は無通電状態である中間位置Aに停止す
ること、またアーム部18のストッパ部20,22にお
ける最大保持トルクが余りに大きいと作動電流が大きく
なることから、ローター10の最大保持トルクを0.5
g・cm程度を目標値としたため、ヨーク31の円弧部
32a,32bのヨーク角度を136°/2に設定し
た。
て、アーム部18に作用する保持トルクは、実験により
上記ヨーク31の円弧部32a,32bの周方向のヨー
ク角度(円弧角度)に依存することが判明している。上
記アーム部18は無通電状態である中間位置Aに停止す
ること、またアーム部18のストッパ部20,22にお
ける最大保持トルクが余りに大きいと作動電流が大きく
なることから、ローター10の最大保持トルクを0.5
g・cm程度を目標値としたため、ヨーク31の円弧部
32a,32bのヨーク角度を136°/2に設定し
た。
【0051】尚、上記最大保持トルクの設定は、余り小
さいと、振動や衝撃によりアーム部18が反対側に移動
して誤動作を生じ、余り大きいと消費電力を要すること
から、製品によっても異なるが、例えばデジタルカメラ
のアイリス(絞り)の場合には、最大保持トルクを0.
5g・cm前後で作動電圧が最大でも3V程度に設定さ
れるのが好ましい。
さいと、振動や衝撃によりアーム部18が反対側に移動
して誤動作を生じ、余り大きいと消費電力を要すること
から、製品によっても異なるが、例えばデジタルカメラ
のアイリス(絞り)の場合には、最大保持トルクを0.
5g・cm前後で作動電圧が最大でも3V程度に設定さ
れるのが好ましい。
【0052】上記構成によれば、ローター10の2極着
磁バランスを不均等に形成することにより、ローターの
一端に連結するアーム部を該ロータの所定回動範囲の任
意の中間位置で停止できるため、通電と無通電状態を繰
り返すことにより、三つの位置で停止可能に駆動制御す
ることかできる。従って、従来の二つの位置のみで動作
可能な装置に比べて制御モードが増えるため、製品の付
加価値を高めることができる。例えば、ビデオカメラな
ど絞りを二段階(アーム部18が両側ストッパ部20,
22に当接した状態)で調整する装置において、安全を
期すため不使用状態においてレンズ開口を介して光が絞
りを形成する液晶のスクリーンに入射させたくない場合
に、上記レンズ開口を閉じた状態(アーム部18が中間
位置Aにある状態)とすることによりCCD(電荷結合
素子)等の撮像素子を保護することができ、装置の信頼
性、安全性を高めることができる。
磁バランスを不均等に形成することにより、ローターの
一端に連結するアーム部を該ロータの所定回動範囲の任
意の中間位置で停止できるため、通電と無通電状態を繰
り返すことにより、三つの位置で停止可能に駆動制御す
ることかできる。従って、従来の二つの位置のみで動作
可能な装置に比べて制御モードが増えるため、製品の付
加価値を高めることができる。例えば、ビデオカメラな
ど絞りを二段階(アーム部18が両側ストッパ部20,
22に当接した状態)で調整する装置において、安全を
期すため不使用状態においてレンズ開口を介して光が絞
りを形成する液晶のスクリーンに入射させたくない場合
に、上記レンズ開口を閉じた状態(アーム部18が中間
位置Aにある状態)とすることによりCCD(電荷結合
素子)等の撮像素子を保護することができ、装置の信頼
性、安全性を高めることができる。
【0053】また、従来の回動アクチュエータと異な
り、コイル30をローター10が回動可能に支持される
本体ケース12の外側の一方側に配しており、同心円状
に外径が大きくなる構造とならない。これにより、製品
の小型化が可能になった。また、この回動アクチュエー
タによれば、体積に対する出力トルクおよび一定の消費
電力に対してトルクが大きくとれ、構造が簡単なため、
安価で信頼性が高く、制御は直流電源のON、OFFの
みの極めて簡単な方法で行える。
り、コイル30をローター10が回動可能に支持される
本体ケース12の外側の一方側に配しており、同心円状
に外径が大きくなる構造とならない。これにより、製品
の小型化が可能になった。また、この回動アクチュエー
タによれば、体積に対する出力トルクおよび一定の消費
電力に対してトルクが大きくとれ、構造が簡単なため、
安価で信頼性が高く、制御は直流電源のON、OFFの
みの極めて簡単な方法で行える。
【0054】以上、本発明につき好適な実施例を挙げて
種々説明してきたが、本発明はこの実施例に限定される
ものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの
改変を施し得るのは勿論のことである。
種々説明してきたが、本発明はこの実施例に限定される
ものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの
改変を施し得るのは勿論のことである。
【0055】
【発明の効果】本発明の回動アクチュエータによれば、
永久磁石よりなるローターを回動可能に収納する本体ケ
ースに、その筒状部周面に沿って対向配置された一対の
円弧部と、該一対の円弧部の一部を起立させて先端部が
折り曲げ形成された起立片とを有するヨーク片を一対設
け、一対の円弧部に起立形成された起立片の起立先端部
がボビンの貫通孔の両側より各々挿入されて、コイルが
ヨークに一体に保持されているので、組み立てが容易で
あり、製造コストを低減できる。 また、ヨークに設けら
れた起立片は、一対の円弧部の対向する端部にそれぞれ
周方向に形成された切込みにより帯状部の一部を起立さ
せて折り曲げ形成された起立先端部によりコイルを保持
させているので、本体ケースの側方にコイルを並設する
際にコイルの装着スペースを十分確保でき、本体ケース
の軸線方向の設置スペースがない製品の場合には、装置
の設計可能なエリアを有効に利用できる。 また、円弧部
のヨーク角度を任意に設定すると共にローターの回動範
囲を規制してコイルに通電することにより、ローターを
二つの位置或いは三つの位置で停止可能に駆動制御でき
る。
永久磁石よりなるローターを回動可能に収納する本体ケ
ースに、その筒状部周面に沿って対向配置された一対の
円弧部と、該一対の円弧部の一部を起立させて先端部が
折り曲げ形成された起立片とを有するヨーク片を一対設
け、一対の円弧部に起立形成された起立片の起立先端部
がボビンの貫通孔の両側より各々挿入されて、コイルが
ヨークに一体に保持されているので、組み立てが容易で
あり、製造コストを低減できる。 また、ヨークに設けら
れた起立片は、一対の円弧部の対向する端部にそれぞれ
周方向に形成された切込みにより帯状部の一部を起立さ
せて折り曲げ形成された起立先端部によりコイルを保持
させているので、本体ケースの側方にコイルを並設する
際にコイルの装着スペースを十分確保でき、本体ケース
の軸線方向の設置スペースがない製品の場合には、装置
の設計可能なエリアを有効に利用できる。 また、円弧部
のヨーク角度を任意に設定すると共にローターの回動範
囲を規制してコイルに通電することにより、ローターを
二つの位置或いは三つの位置で停止可能に駆動制御でき
る。
【0056】
【0057】また、ヨークを構成する一対の円弧部の対
向する端部にそれぞれ周方向に切込みを形成して帯状部
の一部を起立させた起立片を設けたことにより、本体ケ
ースの側方にコイルの取り付けスペースを十分確保で
き、起立片以外の帯状部を起立基部より互いに接近する
方向に延出させた円弧片に形成したのでヨーク角度を任
意の角度に設定できるため、ローターの回転停止時の保
持トルクも十分得られる。
向する端部にそれぞれ周方向に切込みを形成して帯状部
の一部を起立させた起立片を設けたことにより、本体ケ
ースの側方にコイルの取り付けスペースを十分確保で
き、起立片以外の帯状部を起立基部より互いに接近する
方向に延出させた円弧片に形成したのでヨーク角度を任
意の角度に設定できるため、ローターの回転停止時の保
持トルクも十分得られる。
【0058】よって、ヨーク角度を任意に設計できるの
で、無通電時にコイルスプリングによって元の位置に復
帰させたり、いずれか一方の端部に停止させたりするロ
ーターを二つの位置で停止可能な端停止型や、ローター
の2極着磁バランスを不均等に形成することにより端部
位置と中間位置との三つの位置で停止可能な中間停止型
など様々なタイプの回動アクチュエータを設計でき、設
計の自由度が広がる。
で、無通電時にコイルスプリングによって元の位置に復
帰させたり、いずれか一方の端部に停止させたりするロ
ーターを二つの位置で停止可能な端停止型や、ローター
の2極着磁バランスを不均等に形成することにより端部
位置と中間位置との三つの位置で停止可能な中間停止型
など様々なタイプの回動アクチュエータを設計でき、設
計の自由度が広がる。
【図1】第1実施例に係る回動アクチュエータの動作原
理を示す断面図である。
理を示す断面図である。
【図2】図1の回動アクチュエータのX−X断面図であ
る。
る。
【図3】第1実施例に係る回動アクチュエータの上視図
である。
である。
【図4】図3の回動アクチュエータの左側面図である。
【図5】図3の回動アクチュエータの正面図である。
【図6】ヨーク片及びボビンの分解斜視図である。
【図7】第2実施例に係るローターとヨークとの吸引反
発による回動動作を示す原理図である。
発による回動動作を示す原理図である。
【図8】第2実施例に係るローターとヨークとの吸引反
発による回動動作を示す原理図である。
発による回動動作を示す原理図である。
【図9】第2実施例に係るローターとヨークとの吸引反
発による回動動作を示す原理図である。
発による回動動作を示す原理図である。
【図10】ヨーク角度と最低作動電圧及びヨーク幅と保
持トルクとの関係を示すグラフ図である。
持トルクとの関係を示すグラフ図である。
【図11】第3実施例に係る回動アクチュエータの正面
図である。
図である。
【図12】第3実施例に係るローターとヨークとの吸引
反発による回動動作を示す原理図である。
反発による回動動作を示す原理図である。
【図13】第3実施例に係るローターとヨークとの吸引
反発による回動動作を示す原理図である。
反発による回動動作を示す原理図である。
【図14】従来の回動アクチュエータを示す断面図およ
び側面図である。
び側面図である。
10 ローター 12 本体ケース 12a 筒状部 14a,14b 回動軸 16a,16b 軸受部 18 アーム部 20,22 ストッパ部 24 開口部 26 取付部 26a,26b 取付穴 28 アーム連繋軸 30 コイル 31 ヨーク 32a,32b 円弧部 33,33 延設部 34 ボビン 34a 貫通穴 34b 巻線端子 35 板材 36,37 ヨーク片 38 コイルスプリング 40a,40b 起立片 40c,40d 起立先端部 40e,40f 円弧片 40g,40h 起立基部
Claims (5)
- 【請求項1】 永久磁石からなるローターと、 前記ローターを収納する筒状部を有し、その軸線を中心
に所定の角度範囲で回動可能に支持する非磁性体からな
る本体ケースと、 前記本体ケースの筒状部の側方に並設され、ボビンに巻
線が巻回されて形成されたコイルと、 前記本体ケースの筒状部の周面に沿って対向配置された
一対の円弧部と、該一対の円弧部の対向する端部からそ
れぞれ周方向に形成された切込みにより帯状部の一部を
起立させて先端部が折り曲げ形成された起立片とを有す
るヨーク片を一対備えたヨークとを具備し、 一対のヨーク片は、円弧部に形成された起立片の起立先
端部がボビンの貫通孔の両側より各々挿入されて、コイ
ルがヨークに一体に保持されている ことを特徴とする回
動アクチュエータ。 - 【請求項2】 前記ローターには、前記永久磁石である
円筒マグネットと、該円筒マグネットの両端に軸線と同
軸に延設された回動軸と、前記円筒マグネットの一端外
側に固定されて外方に延出されたアーム部とが設けら
れ、 前記本体ケースには、前記ローターの両端の回動軸を受
ける一対の軸受部と、前記ローターが所定の角度範囲で
回動するように前記アーム部の回動を規制する一対のス
トッパ部が設けられると共に、 前記一方の軸受部と前記円筒マグネットとの間に、前記
アーム部を一方側の前記ストッパ部に当接させてロータ
ーを停止させるべく付勢する付勢部材が設けられ、 前記巻線に通電された際に、前記ローターが、前記付勢
部材の付勢力に抗して前記アーム部が他方側の前記スト
ッパ部に当接する位置まで回動することを特徴とする請
求項1記載の 回動アクチュエータ。 - 【請求項3】 前記ローターには、前記永久磁石である
円筒マグネットと、該円筒マグネットの両端に軸線と同
軸に延設された回動軸と、前記円筒マグネットの一端外
側に固定されて外方に延出されたアーム部とが設けら
れ、 前記本体ケースには、前記ローターの両端の回動軸を受
ける一対の軸受部と、 前記ローターが所定の角度範囲で
回動するように前記アーム部の回動を規制する一対のス
トッパ部が設けられており、 前記円筒マグネットに本体ケースを介して対向するヨー
ク両端の円弧幅を調節することにより前記アーム部のス
トッパ部における保持トルクを調節し、前記巻線に無通
電の状態では、前記アーム部は一方のストッパ部に当接
した状態で保持され、通電することにより前記アーム部
を他方のストッパ部に当接する位置まで回動させて保持
され、直前の通電状態と極性を切り換えて通電すること
により、前記アーム部が反対側のストッパ部に回動して
無通電にしても保持されるようにしたことを特徴とする
請求項1記載の 回動アクチュエータ。 - 【請求項4】 前記ローターには、前記永久磁石である
円筒マグネットと、該円筒マグネットの両端に軸線と同
軸に延設された回動軸と、前記円筒マグネットの一端外
側に固定されて外方に延出されたアーム部とが設けられ
ており、 前記本体ケースには、前記ローターの両端の回動軸を受
ける一対の軸受部と、前記ローターが所定の角度範囲で
回動するように前記アーム部の回動を規制する一対のス
トッパ部が設けられており、 前記円筒マグネットの2極着磁バランスを不均等に形成
することにより、前記コイルに無通電のときには前記ア
ーム部をストッパ部に当接しない中間位置で停止させ、
前記コイルに一方の極性で通電している間は、前記アー
ム部は一方のストッパ部に当接するまで回動して保持さ
れ、通電状態を切り換えて他方の極性で通電している間
は、前記アーム部は他方のストッパ部に当接するまで回
動して保持されることを特徴とする請求項1記載の 回動
アクチュエータ。 - 【請求項5】 前記ローターは、前記コイルへの通電を
切ることにより、前記アーム部がいずれか一方のストッ
パに当接した位置から中間位置へ復帰するように円筒マ
グネットの着磁角度及び前記ヨークの円弧角度が調節さ
れていることを特徴とする請求項4記載の回動アクチュ
エータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29873697A JP3231010B2 (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 回動アクチュエータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29873697A JP3231010B2 (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 回動アクチュエータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11136919A JPH11136919A (ja) | 1999-05-21 |
JP3231010B2 true JP3231010B2 (ja) | 2001-11-19 |
Family
ID=17863601
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29873697A Expired - Fee Related JP3231010B2 (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 回動アクチュエータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3231010B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6705776B2 (en) | 2000-05-18 | 2004-03-16 | Nidec Copal Corporation | Electromagnetic actuator and shutter device for camera |
JP5265298B2 (ja) * | 2008-10-20 | 2013-08-14 | キヤノン電子株式会社 | 磁気駆動装置及び光量調節装置及び光学機器 |
KR101680600B1 (ko) * | 2014-06-26 | 2016-11-30 | 주식회사 모아텍 | 엑츄에이터 및 이를 갖는 전자기기 |
-
1997
- 1997-10-30 JP JP29873697A patent/JP3231010B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11136919A (ja) | 1999-05-21 |
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