JP3836554B2 - 光量調節装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオカメラ、スチルカメラなどの光学機器に搭載される光量調節装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の光量調節装置は、例えばビデオカメラに搭載された場合、時々刻々変わる撮影状況や明るさに即応して自動露出制御を行うために、光量可変部材をスムーズに往復駆動して絞り開口径を変化させるようにしており、光量可変部材を往復駆動するための往復駆動装置としては、図7に示す電磁作用のみでの駆動方式と、この電磁作用にバネ作用を併用した方式等が提案されている。
【0003】
図7に示す光量調節装置の往復駆動装置は、絞り開口15を有する地板6とキャップ7の各軸受部に出力軸が回転可能に軸支されたマグネットロータ1と、マグネットロータ1の外周に空隙を有して外装された地板6に固定されるヨーク20と、マグネットロータ1とヨーク20の間に配置された駆動コイル3および制動コイル4とにより駆動部を構成し、マグネットロータ1の出力軸に伝達部材としての出力用レバー8を固定したものである。また、地板6と絞り開口16を有するケース12との間には、一対の光量可変部材9、10が設けられ、この一対の光量可変部材9、10の端部に形成された係合穴9a、10aに出力用レバー8の両端部の係合ピン8a、8bが夫々係合している。
【0004】
また、電磁作用にバネ作用を併用した方式では、図7に示す出力用レバー8をバネ部材14により閉じ方向に付勢するようにしている。
【0005】
図7に示す従来の光量調節装置において、ヨーク20は、実開昭58−97957号公報に記載されているように、帯状平板素材をロール成形して円筒体を形成した後、該円筒体の周面突き合わせ部をシーム溶接し、更に該円筒体を切断することで構成されたり、あるいは、該ヨークの突き合わせ部もしくは継手部を周面に有した筒体として構成されており、該突き合わせ部もしくは該継手部が接着や溶接などの永久固着方法によらずに単なる機械的係合及び機械的嵌め合い並びにジグソー的嵌め合いなどの係合関係によって構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の光量調節装置では、駆動部の小型化や省電力化により、マグネットロータの磁力の低下による、ヨークへの吸着力の低下や軸損失の軽減によりマグネットロータが磁気的に中立となり、以下のような問題を生じる虞があった。
【0007】
すなわち、光量調節装置の外部からの振動、衝撃により、光量可変部材9、10からの力に負けて保持している口径が変化し、光量が変化する。
【0008】
また、駆動部が磁気的中立となり、回路制御に対して光量調節装置の反応が過敏になり、発振などの制御不能の状態に陥る。
【0009】
本発明の目的は、光量調節装置の光量可変部材が形成する所定の口径が装置の軸受のガタや、外部からの振動、衝撃により変化しないように保持することができる光量調節装置を提供することにある。
【0014】
【問題を解決するための手段】
本発明の目的を実現する構成は、永久磁石からなるロータマグネットと、前記ロータマグネットとギャップを形成して磁気回路を構成する強磁性材から成るステータヨークと、駆動コイルと、から成る駆動源と、絞り開口径を調節する光量調節部材と、前記駆動源の駆動力を前記光量調節部材に伝達する伝達手段とを有する光量調節装置において、前記光量調節部材が閉じ位置にあるときに前記駆動コイルへ通電することで、前記光量調節部材の動作を開始させ、前記ロータマグネットの極の頂点がこの移動範囲のうち小絞り側の範囲内に位置している状態において、前記ステータヨークの円周上片側の部位であって、前記極の頂点と対向する部位に、前記ロータマグネットと前記ステータヨークの間に働く磁力が他の部位よりも小さい磁気的変曲点を設けたものである。
【0015】
上記構成において、磁気的変曲点が生じることにより、駆動源の磁気回路が乱れてマグネットロータの磁気的中立が崩れ、磁気的変曲点が形成される。例えばヨークの溝、切り欠き等の反対側にロータマグネットが引き寄せられるように作用する。
【0016】
このため、前記ロータマグネットの軸受穴内でのガタを抑えて回転運動の安定化が図れ、また前記駆動源に係合する前記光量調節部材により形成される開口径の安定化も図ることが可能となる。
【0018】
上記構成において、前記マグネットロータが前記ヨークに引き寄せられる力が小絞りのときになるように動作する。
【0019】
本発明において、前記駆動コイルへの通電遮断時に前記伝達手段を一定位置に向けて付勢するばね部材を設けることができる。上記構成において、前記伝達手段が全開位置、または全閉位置にばね付勢されるように動作する。
【0020】
また、前記磁気的変曲点を前記ヨークに設けた穴部により形成することができる。
【0021】
上記構成において、磁気的変曲点を穴で構成しても、マグネットロータが、ヨークの特定方向に引き寄せられるように動作する。また、切欠き部と異なり、単品搬送時に互いに絡み合おうこともない。
【0023】
前記光量調節部材の全開口径を直径12mm以下とした構成において、全開口径が小型化すると外部からの振動、衝撃による前記伝達部材の変動が光量変化に与える影響度が大きく作用する。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の光量調節装置の第1の実施の形態を示す分解斜視図である。
【0025】
図において、1は回転自在に配置されているラジアル方向に二極で着磁されているロータマグネット、2は切り欠き部2aを有し、ロータマグネット1と空壁(ギャップ)を介して対向配置されて磁気回路を構成している強磁性材からなるヨーク、3はロータマグネット1を駆動するための駆動コイル、4はロータマグネット1の回転速度に比例した逆起電圧を検出するための制動コイルである。
【0026】
5は駆動コイル3及び制動コイル4を固定するためのテープ、6は絞り開口15を有する地板で、ロータマグネット1の軸受け(不図示)及び伝達部材8の止当たり部(不図示)を有し、各部材を支持、係止する。7はロータマグネット1の軸受けのためのキャップである。
【0027】
8はロータマグネット1の駆動力を光量可変部材9、10に伝達するための伝達部材としての出力レバーであって、地板6に設けられた不図示のストッパーにより回転範囲が規制されることにより、ロータマグネット1の駆動範囲を規制する機能も有している。
【0028】
9、10は伝達部材8と嵌合して駆動され、絞り開口を決定して光量を可変とするための光量可変部材、11は一方の光量可変部材9に固着されて過大光量を和らげるためのNDフィルター、12は開口16を有し、光量可変部材9、10を支持するためのケース、13は駆動コイル3及び制動コイル4の端子がハンダ付けされて外部から信号を授受するためのプリント配線基板である。17はロータマグネット1の回転を検知するホール素子である。
【0029】
本実施の形態において、ヨーク2は、駆動コイル3と制動コイル4間の対向しない位置に、磁気的変曲点を設定するための切欠き部2aが形成されている。
【0030】
ここで、磁気的変曲点とは、本来、マグネットとステーターの間には均一の磁力が働く。そのため、ローターマグネットを引き寄せる力も均一である。
【0031】
しかし、ステーターヨークに切欠き、穴などを設けることにより、面積、体積が不均一になる。面積的、体積的に少ない部分は働く磁力も少なくなる。この磁力が小さくなる部分を本明細書中において磁気的変曲点とする。
【0032】
本実施の形態のヨーク2が有するこの磁気的変曲点の作用を図2に示す駆動部のモデル図を用いて以下に説明するが、本実施の形態においてロータマグネット1の着磁の境界なす境界位置に合わせて伝達部材8をロータマグネット1の出力軸に固定しており、またヨーク2の切り欠き部2aと、ロータマグネット1の位置関係は図2に示すようになっている。
【0033】
上記構成において、ヨーク2の切り欠き部2aにより、磁気的に変曲が生じ、ロータマグネット1には矢印方向に不均一な力が働く。
【0034】
図2を例に挙げて説明すると、図2の(a)に示す閉じ切り位置では、ロータマグネットの片側の極の頂点に切り欠きを設定している。この状態では切り欠き部2aでは磁力がt1とt2に分離され、その合力がT2となる。切り欠き部2aではヨーク2への引力がないため、T1>T2となり、結果的に磁力T1の方向にロータマグネット1が引き寄せられ、そこでの保磁力が強いものとなる。
【0035】
次に、コイルに通電すると、r方向に力が発生してロータマグネット1および伝達部材である出力レバー8が一体に回転する。磁力T1の力の大きさは変化しないが、磁力t1,t2は力の大きさが回転とともに変化する。図2の(b)に示す中間絞り位置では、図2の(a)に示す閉じ切り方向から開き切り方向に回転した場合、t1>t2と変化する。磁力T2は閉じ切りの時は磁力のピークが切り欠きにあるため、T2の大きさは閉じきりと比較して大きい。
【0036】
また、ロータマグネット1は、極の頂点が磁力が一番強く、中心より離れるにつれて弱くなる。
【0037】
閉じ切り〜中間絞り〜開ききりの範囲で、磁力T1は変化しないが、磁力T2は大きく、かつ、力の働く方向が磁力T1を打ち消す方向に変化して、図2の(c)に示す開き切りで引き寄せ効果は最小となる。
【0038】
すなわち、切り欠き部2aと磁力のピーク(極の頂点)が一致したところが引き寄せ効果が最大となる。
【0039】
ところで、光量調整部材が開ききりのときと、閉じきりに近い小絞りのときを比較すると、小絞り時が駆動部の変動に対して口径面積の変化率は大きくなる。そのため、中間絞りより、小絞り側で引き寄せ効果が最大となるようにヨーク2の切り欠き部2a、すなわち磁気的変曲点を設定することが光量変化に対しての効果を得るには望ましい。すなわち、極の頂点の移動範囲の半分よりも小絞り側の範囲にこの磁気的変曲点を設定する。
【0040】
磁気的変曲点を形成する本実施の形態の切り欠部2aの位置は、図2において、小絞り側1/2の範囲以外の他の位置であってもよい。
【0041】
また、制動コイル4がないもの、制動コイル4のスペースを駆動コイル3に利用したものであってもよい。
【0042】
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態を示す。
【0043】
図3は図1に示す第1の実施の形態における伝達部材8に一定方向に付勢させるばね14を取付けたもので、その他の部材は共通であり、同じ符号を付してその説明は省略する。
【0044】
上記構成において、ばねは特性上、付勢する方向の最大点、例えば、閉じ方向に付勢させた場合、閉じきり点での付勢力が駆動部作動範囲内で最小となり、開ききりで最大になる。
【0045】
この最小となった点では、駆動部のロータマグネット1を保持する力も弱くなる。本実施の形態では、このばねによる保持力が弱くなることを補強する位置にヨーク2の切り欠き部2aを設けるようにしている。
【0046】
(第3の実施の形態)
図4、図5は第3の実施の形態を示す。
【0047】
図4は図3に示す第2の実施の形態におけるヨーク2の形状のみが異なり、他の部材は共通であり、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0048】
本実施の形態におけるヨーク2は、磁気的変曲点をヨーク2の側面に形成した穴部2bに形成したものであり、磁気的変曲点を穴部2bで形成することでヨーク2の機械的強度を増加することができ、また、単品状態の搬送などで、切欠き部がないので、ヨーク同士が絡んだりすることがなくなる。
【0049】
ヨーク2に形成する磁気的変曲点のための穴部は真円のみでなく、異形穴であってもよく、さらに図5の(a)〜(h)に示すような形状のものであってもよい。
【0050】
(第4の実施の形態)
図6は第4の実施の形態を示す。
【0051】
第1、第2の実施の形態におけるヨーク2の切り欠部2aとしては、単なるスリット形状だけではなく、図6の(a)〜(h)に示すような様々な溝で構成してもよく、例えばヨーク2の切り欠き部2aを異形状の溝にすることでヨーク2の機械的強度を増加することができ、また、単品状態の搬送などでのヨークどうしの絡みがなくなる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、ステータヨークの切り欠きにより、磁気的変曲点ができ、そのことによりロータマグネットが引き寄せられて、ロータマグネットの軸受穴内でのガタを抑えて回転運動を安定させ、前記駆動源に係合する前記光量調節部材が構成する口径形状、面積を安定させ、光量の安定した信頼性の高い光量調節装置が提供できる。さらにロータマグネットを引き寄せる位置を小絞り側に設定することで、駆動源の変動の影響の大きい小絞り時の口径形状、面積を安定させ、光量の安定した信頼性の高い光量調節装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の分解斜視図。
【図2】図1の光量調節装置の動作を示す図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の分解斜視図。
【図4】本発明の第3の実施の形態の分解斜視図。
【図5】本発明の第4の実施の形態を示すヨークの穴の各種の形態の平面図。
【図6】本発明の第5の実施の形態を示すヨークの溝の各種の形態の平面図。
【図7】従来の光量調節装置の分解斜視図。
【符号の説明】
1…ロータマグネット
2…ヨーク
2a…切り欠き部
2b…穴部
3…駆動コイル
4…制動コイル
5…テープ
6…地板
7…キャップ
8…伝達部材
9…光量可変部材
10…光量可変部材
11…NDフィルター
12…ケース
13…プリント配線基板
14…戻しばね
15…開口口径
17…ホール素子
Claims (4)
- 永久磁石からなるロータマグネットと、前記ロータマグネットとギャップを形成して磁気回路を構成する強磁性材から成るステータヨークと、駆動コイルと、から成る駆動源と、
絞り開口径を調節する光量調節部材と、
前記駆動源の駆動力を前記光量調節部材に伝達する伝達手段とを有する光量調節装置において、
前記光量調節部材が閉じ位置にあるときに前記駆動コイルへ通電することで、前記光量調節部材の動作を開始させ、
前記ロータマグネットの極の頂点がこの移動範囲のうち小絞り側の範囲内に位置している状態において、前記ステータヨークの円周上片側の部位であって、前記極の頂点と対向する部位に、前記ロータマグネットと前記ステータヨークの間に働く磁力が他の部位よりも小さい磁気的変曲点を設けたことを特徴とする光量調節装置。 - 請求項1において、前記駆動コイルへの通電遮断時に前記伝達手段を一定位置に向けて付勢するばね部材を有することを特徴とする光量調節装置。
- 請求項1または2において、前記磁気的変曲点を前記ステータヨークに設けた切欠部により形成したことを特徴とする光量調節装置。
- 請求項1または2において、前記磁気的変曲点を前記ステータヨークに設けた穴部により形成したことを特徴とする光量調節装置。
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