JP2968319B2 - キラリテイ識別剤およびクロマトグラフィー用充填剤 - Google Patents

キラリテイ識別剤およびクロマトグラフィー用充填剤

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JP2968319B2
JP2968319B2 JP2200695A JP20069590A JP2968319B2 JP 2968319 B2 JP2968319 B2 JP 2968319B2 JP 2200695 A JP2200695 A JP 2200695A JP 20069590 A JP20069590 A JP 20069590A JP 2968319 B2 JP2968319 B2 JP 2968319B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、インドリン−2−カルボン酸の尿素形誘
導体およびその用途に関するものである。上記用途に
は、キラリテイ識別剤としての用途、特に、例えば液体
クロマトグラフィーにおいて、例えばβ−アミノアルコ
ールのようなキラリテイを有する化合物の鏡像体混合物
(例えばラセミ体)の分割を行うための分離剤としての
用途が含まれる。
[従来の技術] シリカゲルのような表面にヒドロキシ基をもつ無機担
体に、アミノ酸の尿素形誘導体をグラフトしてなる光学
分割用分離剤は、既に知られている[(1)特開昭59−
61776号、(2)特開昭59−63565号、(3)特開昭60−
6862号、(4)特開昭60−155968号、(5)第7回液体
クロマトグラフィー討論会講演要旨集(「クロマトグラ
フィー」1986年10月)107−108頁]。上記(1)、
(2)および(3)に記載されている分離剤は、グラフ
トさせるアミノ酸を広範に記載しているが、具体的に用
いているのはバリンまたはフェニルグリシンの尿素形誘
導体に限られ、(4)に記載されている分離剤は、グラ
フトさせるアミノ酸としてtert−ロイシンの尿素形誘導
体を使用し、(5)に記載されている分離剤は、グラフ
トさせるアミノ酸としてプロリンの尿素形誘導体を使用
している。
[発明が解決しようとする課題] 上記(1)−(5)の分離剤は、種々のアミン、カル
ボン酸、アルコール、アミノ酸およびオキシ酸等を、ア
ミド誘導体、エステル誘導体またはウレタン誘導体等に
変形すれば優れた分割能を示すが、ケタミン、ホモクロ
ルサイクリジン、塩酸アロチノロール、塩酸エチレフリ
ンといった誘導体に変形されていない医薬品の直接光学
分割にはほとんど役立たないという欠点を有する。
この発明者は、アミノ酸としてインドリン−2−カル
ボン酸の尿素形誘導体を使用すると、誘導体に変形され
たものは勿論、変形されていない化合物をも分割できる
分離剤が得られることを見出して、この発明を完成した
のである。
[課題を解決するための手段] すなわち、この発明は、 (1)一般式 [式中、R5は低級アルキレン基または結合、R6は単環ま
たは2環アリール基であり、これらはニトロ基で置換さ
れていてもよい。] で示される、インドリン−2−カルボン酸の尿素形誘導
体、 (2)上記1記載の化合物からなる、キラリテイ識別
剤、および (3)一般式 [式中、R1、R2およびR3は、同一または異なって、アル
キル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基またはハロゲン原
子を表わし、少なくともその1つはアルコキシ基または
ハロゲン原子である。R4は低級アルキレン基、R5は低級
アルキレン基または結合、R6は単環または2環アリール
基であり、これらはニトロ基で置換されていてもよい。
*は不斉炭素を表わす。] で示されるオルガノシラン化合物が表面にヒドロキシ基
をもつ無機担体にグラフトされた形の構造を有する、ク
ロマトグラフィー用充填剤を提供するものである。
上記の一般式(I)において、R1、R2およびR3のアル
キル基としては、炭素原子数1−20のものが好ましく、
1−12のものがさらに好ましく、1−6のものが、最も
好ましい。好適なものは低級アルキル基であり、これに
は炭素原子数1−6のものが含まれる。アルキル基は直
鎖または分枝鎖の何れでもよい。代表的なアルキル基の
例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル等である。R1、R2およびR3は同一でも異な
ってもよい。
アルコキシ基としては、上記のようなアルキル基が酸
素原子と結合して生ずる基が含まれる。好適なものは低
級アルコキシ基である。
ハロゲン原子としては、塩素、臭素、よう素等が含ま
れる。
一般式(I)または(I′)における低級アルキレン
基としては、炭素原子数1−6の直鎖または分枝鎖の
基、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、1−メ
チルエチレン、2−メチルトリメチレン、テトラメチレ
ン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等が含まれる。
単環または2環アリール基としては、ベンゼン核を1
個または2個有する基、例えばフエニル、トリル、キシ
リル、クメニル、ナフチル、メチルナフチル等が含まれ
る。R5が低級アルキレン基の場合、基R6−R5−はアラル
キルと称される基、例えばベンジル、フエネチル、ナフ
チルメチル等を構成する。
単環または2環アリール基上にニトロ基が存在する場
合、これは通常1−5個、好ましくは1−3個、例えば
1個または2個が、置換可能な任意の位置に結合し得
る。
上記化合物(I)および(I′)は、純粋な光学異性
体または一方の光学異性体が圧倒的に優勢な異性体混合
物の形で用いるものとする。
この発明において、表面にヒドロキシ基を持つ無機担
体としては、例えばシリカゲル、多孔性ガラスなどのけ
い素含有担体が好ましく、担体の形状は球状、破砕状な
どいずれの形状でも差支えないが、高効率のクロマトグ
ラフ用カラムを得るために、できるだけ粒径の揃った微
細な粒子が好ましい。
上記の化合物(I′)は、例えばインドリン−2−カ
ルボン酸に基−CONH−R5−R6を一挙にまたは段階的に導
入することにより製造することができる。一挙に導入す
る場合、インドリン−2−カルボン酸にN−置換カルバ
ミン酸 HOOCNH−R5−R6の反応性誘導体、例えばイソシ
アネートまたは酸ハライドを反応させる。段階的に導入
する場合、一つの方法はインドリン−2−カルボン酸に
カルバミン酸HOOCNH2の反応性誘導体、例えば酸ハライ
ドを反応させ、次いでN−置換基導入剤X−R5−R6(X
はハロゲンまたはアルキルもしくはアリールスルホニル
オキシのような活性エステル基)を反応させる方法であ
る。別の方法は、インドリン−2−カルボン酸にまず基
−CO−Y(Yはハロゲンまたはイミダゾリルのような活
性アミド基)を導入し、次いでアミンH2N−R5−R6を反
応させる方法である。これらの方法は、何れも尿素形化
合物の製造に常用される操作によって行なわれる。
上記の式(I)で示されるクロマトグラフィー用充填
剤を調製するに際しては種々のグラフト法が採用できる
が、このようなグラフト法としては例えば以下のような
方法が挙げられる。
表面にヒドロキシ基を有する無機担体に、アミノアル
キルシランを反応させて、無機担体の表面にアミノアル
キルシリル残基を導入し、これに光学活性なインドリン
−2−カルボン酸の尿素形誘導体(I′)を反応させ、
脱水縮合させる方法。
具体的には、表面にヒドロキシ基を有する無機担体
に、一般式(II) [式中、R1、R2、R3およびR4は前述と同じ意味を有す
る。] で示されるアミノアルキルシランを反応させて、無機担
体の表面にアミノアルキルシリル残基を導入し、次いで
これに一般式(I′) [式中、R5、R6および*は前述と同じ意味を有する。] で示されるN−カルバモイル−インドリン−2−カルボ
ン酸の尿素形誘導体、例えばN−3,5−ジニトロフェニ
ルカルバモイル−S−インドリン−2−カルボン酸、N
−(R)−1−(α−ナフチル)エチルカルバモイル−
S−インドリン−2−カルボン酸等またはそのカルボキ
シ基における反応性誘導体を反応させ、脱水縮合させる
ことにより目的とする充填剤が得られる。
アミノアルキランとしてはω−アミノアルキルアルコ
キシシランまたはω−アミノアルキルハロゲノシランが
好ましく、例えばω−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、ω−アミノプロピルトリクロロシランなどを挙げる
ことができる。
光学活性なインドリン−2−カルボン酸の尿素形誘導
体(I′)に、アミノアルキルシランを縮合させて得ら
れるオルガノシランを、表面にヒドロキシ基を有する無
機担体にグラフトする方法。
具体的には、前記一般式(I′)で示されるインドリ
ン−2−カルボン酸の尿素形誘導体またはそのカルボキ
シ基における反応性誘導体に、一般式(II)で示される
アミノアルキルシランを反応させて得られる一般式
(I)で示されるオルガノシランを、シリカゲル等の無
機担体にグラフトすることにより目的の充填剤が得られ
る。
上記の製造法において、インドリン−2−カルボン酸
の尿素形誘導体(I′)またはそのカルボキシ基におけ
る反応性誘導体と、アミノアルキルシリル残基を導入し
た無機担体またはアミノアルキルシランとの反応は、例
えばペプチド合成において繁用されるアミド結合形成反
応の常法にしたがって行なうことができる。反応性誘導
体としては、酸ハライド、酸無水物(例えばアルキル炭
酸混合酸無水物)、活性エステルまたは活性アミド(例
えばイミダゾリド)が用いられる。酸(I′)自体を用
いる場合には、反応を結合剤の存在下に行なうのが有利
である。縮合剤としては、カルボジイミド類、カルボニ
ルジイミダゾール類、ウツドワード試薬、N−アルコキ
シカルボニル−2−アルコキシ−1,2−ジヒドロキノリ
ン等が用いられる。反応条件は反応させる化合物の組合
わせによって異なり、有機溶媒または水性溶媒中、冷却
ないしは室温または加温下、適宜第3級有機アミンのよ
うな塩基を共存させて行なう。
無機担体の表面にアミノアルキルシラン(II)または
オルガノシラン(I)を導入する反応は、ヒドロキシ基
を有する化合物のシリル化に繁用される常法にしたがっ
て行なうことができる。この反応は、一般に有機溶媒
中、比較的緩和な温度で行なわれる。
本発明によって得られる充填剤は、常法に従ってクロ
マトグラフ用のカラムに充填し、液体クロマトグラフィ
ーによる光学異性体混合物の光学分割の固定相として使
用することができる。すなわち、適当な直径と長さを有
するガラス、ステンレス、チタン等のカラムに充填し、
入口側から光学異性体の混合物を含む溶液を逆入し、適
当な溶媒と溶離条件、特に通常よく用いられる順相分配
または逆相分配の条件を用いて展開、分画することによ
り、種々の光学異性体混合物の分離、分析を行なうこと
ができる。
[発明の効果] この発明の化合物(I′)は、光学異性体に対する相
互作用の差が著しいので、この性質をキラリテイ識別作
用として利用することができる。それ故、化合物
(I′)を無機担体に結合するに適した誘導体である化
合物(I)を、表面にヒドロキシをもつ無機担体にグラ
フトした形であるこの発明の充填剤は、すぐれたキラリ
テイ識別性を有する。それ故、この発明の充填剤は、種
々の光学異性体混合物、例えば、種々のエステル、アル
コール、カルボン酸、アミンおよびアミノアルコール類
並びにそれらの誘導体の光学異性体混合物のクロマトグ
ラフィー方式で分離される。これは、充填剤として、最
も広い対象をもつ部類に入る。特に、アミンおよびアミ
ノアルコールについては、従来分離が可能であったクロ
ルフエニラミン、プロプラノロール等は勿論、困難であ
ったケタミン、ホモクロルサイクリジン、塩酸アロチノ
ロール、塩酸エチレフリン等を含む広範囲の医薬品のラ
セミ体の光学分割が可能である。しかも、この発明の充
填剤は製造工程が少ないため製造が容易であり、基礎を
なす化合物が化学的に安定であるから耐久性にも優れて
いるという利点を有する。また、カラムとして高い理論
段数が得られ、品質のばらつきが少ない。
[実施例] 以下、この発明を実施例により説明するが、実施例は
この発明を限定するものではない。
実施例1 シリカゲル(平均粒径5μm、平均孔径120Å、表面
積330m2/g)10gを減圧下、130℃で4時間乾燥したの
ち、3−アミノプロピルトリエトキシシラン20gを200ml
の脱水トルエンに溶かした液に加え、60℃で6時間攪拌
した。反応物をろ過し、残留物をクロロホルムおよびメ
タノール各300mlで洗い、乾燥して3−アミノプロピル
シリル化シリカゲル(以下APSと略す)を得た。このも
のの元素分析値は、N:0.90%、C:2.81%であり、これは
このものの1gに対し、3−アミノプロピル基が約0.71ミ
リモルグラフトされたことに相当する。
別に、トルエン500mlにクロロぎ酸トリクロロメチル1
45gを注加し、静かに振り混ぜ、粒状活性炭1gを加え一
夜放置して緩やかにホスゲンを発生させたのち、活性炭
を濾過して取り除いた。この液に、R(+)−1−(α
−ナフチル)エチルアミン31gをトルエン50mlに溶かし
た液を加え、攪拌しながら4時間加熱還流したのち、放
冷し、過剰のホスゲンおよび溶媒のトルエンを減圧留去
して、R(−)−1−(α−ナフチル)エチルイソシア
ネート35.3gを得た。このものは室温で粘稠な黄褐色液
体である。
施光度:▲[α]20 D▼=−54.6゜(c=0.88%、ト
ルエン) 元素分析値 C(%) H(%) N(%) 計算値 79.17 5.62 7.10 実測値 78.98 5.67 6.97 別に、S(−)インドリン−2−カルボン酸5.0gに、
水90ml、トリエチルアミン4.6gおよびジオキサン45mlを
加えて溶かし、攪拌しながら、前述のR(−)−1−
(α−ナフチル)エチルイソシアネート6.0gを加え、室
温で4時間撹拌した。反応液に水100mlおよび1N水酸化
ナトリウム水溶液10mlを加えてから、クロロホルム200m
lで洗い、6N塩酸で酸性とし、析出する白色結晶をろ取
し、乾燥して、N−[(R)−1−(α−ナフチル)エ
チルカルバモイル]−S−インドリン−2−カルボン酸
3.4gを微黄色結晶として得た。
融点(分解):77−92℃ 施光度:▲[α]20 ▼=−113.7゜(c=1.01%、
メタノール) 元素分析(C22H20N2O3として) C(%) H(%) N(%) 計算値 73.32 5.59 7.77 実測値 71.57 5.87 7.25 次に、この化合物1.98gをとり、脱水テトラヒドロフ
ラン60mlを加えて溶かし、氷冷下攪拌しながら、これに
N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒド
ロキノリン1.5gを加えて、氷冷下1時間攪拌した。これ
に前述のAPS2.2gを加えて懸濁させ、減圧下で十分脱気
したのち、室温で緩やかに一夜攪拌した。反応物をテト
ラヒドロフラン100mlで4回、ついでメタノール100mlで
4回さらにクロロホルム100mlで4回洗い、乾燥してN
−{(R)−1−(α−ナフチル)エチルカルバモイ
ル}−S−インドリン−2−カルボン酸をグラフトした
目的の充填剤を得た。このものの元素分析値はN:1.91
%、C:12.02%であり、これは、このものの1gに対し、
N−{(R)−1−(α−ナフチル)エチルカルバモイ
ル}−S−インドリン−2−カルボン酸が約0.43mmolグ
ラフトされたことを示す。
このようにして得られた充填剤を、内径4mm、長さ25c
mのステンレス製カラムにスラリー充填したのち、2%
酢酸メタノール液およびクロロホルム・メタノール(1:
1)混液各100mlを流した。
以上のようにして調製したカラムを用いて、次の条件
で各種アミノアルコールおよびアミン類のラセミ体を分
割した。結果の一例を第1表に示す。
温度:室温 溶離液:第1表に示す。
溶離液流量:1.0ml/分 検出器:紫外線吸収計(波長254nmまたは280nm) この表において、保持係数(K1′およびK2′)および
分離係数(α)は次式により計算される。
t1:より弱く吸着される鏡像体の保持時間 t2:より強く吸着される鏡像体の保持時間 t0:カラムの死容積に相当する保持時間 分離係数は、α=1の場合、全く光学分割能が無いこ
とを示し、1との差が大きくなるに従って光学分割能が
高くなることを示す。
(注1) A:ヘキサン/1,2−ジクロロエタン/エタノール/トリフ
ルオロ酢酸(240:140:20:1) B:ヘキサン/1,2−ジクロロエタン/メタノール/トリフ
ルオロ酢酸(240:140:20:1) C:ヘキサン/1,2−ジクロロエタン/メタノール/トリフ
ルオロ酢酸(230:140:30:1) D:ヘキサン/エタノール/トリフルオロ酢酸(200:40:
0.6) (±)−イソプロテレノールの分離例を第1図に示
す。
第1図において、ピーク番号(1)は(+)−イソプ
ロテレノールであり、ピーク番号(2)は(−)−イソ
プロテレノールである。
実施例2 実施例1において、R(+)−1−(α−ナフチル)
エチルアミンの代りにS(−)−1−(α−ナフチル)
エチルアミンを用い、同様に操作して、N−[(S)−
1−(α−ナフチル)エチルカルバモイル]−S−イン
ドリン−2−カルボン酸2.4gを微黄色結晶として得た。
融点(分解):100〜119℃ 施光度:▲[α]20 D▼=+33.8゜(c=1.02%、メタ
ノール) 元素分析(C22H20N2O3として) C(%) H(%) N(%) 実測値 72.49 5.77 7.62 計算値 73.32 5.59 7.77 次に、この化合物1.98gをとり、実施例1と同様に操
作して、N−{(S)−1−(α−ナフチル)エチルカ
ルバモイル}−S−インドリン−2−カルボン酸yグラ
フトした目的の充填剤を得た。このものの元素分析値
は、N:1.94%、C:12.69%であり、これは、このものの1
gに対し、N−{(S)−1−(α−ナフチル)エチル
カルバモイル}−S−インドリン−2−カルボン酸が約
0.44ミリモルグラフトされたことを示す。
このようにして得られた充填剤を、内径4mm、長さ25c
mのステンレス製カラムにスラリー充填したのち、2%
(v/v)酢酸・メタノール液およびクロロホルム・メタ
ノール(1:1)混液各100mlを流した。
以上のようにして調製したカラムを用いて、次の条件
で各種アミノアルコールおよびアミン類のラセミ体の分
割した。結果の一例を第2表に示す。
温度:室温 溶離液:第2表に示す。
溶離液流量:1.0ml/分 検出器:紫外線吸収計(波長254nmまたは280nm) (注1) A:ヘキサン/1,2−ジクロロエタン/エタノール/トリフ
ルオロ酢酸(240:140:20:1) B:ヘキサン/エタノール/トリフルオロ酢酸(100:60:
0.6) C:ヘキサン/エタノール/トリフルオロ酢酸(500:5:0.
6) 比較例1 S−プロリン4.5gに、1N−水酸化ナトリウム水溶液39
mlおよびテトラヒドロフラン5mlを加えて溶かし、撹拌
しながら、R(−)−1−(α−ナフチル)エチルイソ
シアネート(実施例1参照)7.7gを加え、室温で4時間
撹拌した。反応液に水100mlおよび1N水酸化ナトリウム
水溶液10mlを加えてから、クロロホルム200mlで洗い、6
N塩酸で酸性(pH≒3)とし、析出する白色結晶をろ取
し、乾燥して、N−[(R)−1−(α−ナフチル)エ
チルカルバモイル]−S−プロリン4.9gを白色結晶とし
て得た。
融点(分解):157〜161℃ 施光度:▲[α]20 D▼=−71.7゜(c=1.00%、メタ
ノール) 元素分析(C18H20N2O3として) C(%) H(%) N(%) 実測値 68.75 6.49 8.93 計算値 69.21 6.45 8.97 次に、この化合物2.34gをとり、脱水テトラヒドロフ
ラン30mlを加えて溶かし、氷冷下撹拌しながら、これ
に、N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジ
ヒドロキノリン2.1gを加えて、氷冷下1時間撹拌した。
これに、APS(実施例1参照)2.5gを加えて懸濁させ、
減圧下で十分脱気したのち、室温で緩やかに一夜撹拌し
た。反応物をテトラヒドロフラン100mlで4回、ついで
メタノール100mlで4回、さらにクロロホルム100mlで4
回洗い、乾燥して、N−[(R)−1−(α−ナフチ
ル)エチルカルバモイル]−S−プロリンをグラフトし
た目的の充填剤を得た。このものの元素分析値は、N:2.
20%、C:11.60%であり、これは、このものの1gに対
し、N−[(R)−1−(α−ナフチル)エチルカルバ
モイル]−S−プロリンが約0.49ミリモルグラフトされ
たことを示す。
このようにして得られた充填剤を、内径4mm、長さ25c
mのステンレス製カラムにスラリー充填したのち、2%
酢酸・メタノール液およびクロロホルム・メタノール
(1:1)混液各100mlを流した。
以上のようにして調製したカラムを用いて、次の条件
で各種アミノアルコールおよびアミン類のラセミ体を分
割した。結果の一例を第3表に示す。
温度:室温 溶離液:第3表に示す。
溶離液流量:1.0ml/分 検出器:紫外線吸収計(波長254nmまたは280nm) (注1) A:ヘキサン/1,2−ジクロロエタン/エタノール/トリフ
ルオロ酢酸(250:140:10:1) B:ヘキサン/1,2−ジクロロエタン/メタノール/トリフ
ルオロ酢酸(230:140:30:1) C:ヘキサン/1,2−ジクロロエタン/メタノール/トリフ
ルオロ酢酸(220:140:40:1) D:ヘキサン/エタノール/トリフルオロ酢酸(200:40:
0.6) E:ヘキサン/エタノール/トリフルオロ酢酸(100:60:
0.6) 比較例2 比較例1において、R(+)−1−(α−ナフチル)
エチルアミンの代りにS(−)−1−(α−ナフチル)
エチルアミンを用い、同様に操作して、N−[(S)−
1−(α−ナフチル)エチルカルバモイル]−S−プロ
リン5.5gを白色結晶として得た。
融点(分解):157〜180℃ 施光度:▲[α]20 D▼=+15.2゜(c=1.04%、メタ
ノール) 元素分析(C18H20N2O3として) C(%) H(%) N(%) 実測値 68.16 6.59 8.38 計算値 69.21 6.45 8.97 次に、この化合物2.34gをとり、比較例1と同様に操
作して、N−[(S)−1−(α−ナフチル)エチルカ
ルバモイル]−(S)−プロリンをグラフトした目的の
充填剤を得た。このものの元素分析値はN:2.12%、C:1
1.80%であり、これは、このものの1gに対し、N−
[(S)−1−(α−ナフチル)エチルカルバモイル]
−S−プロリンが約0.48ミリモルグラフトされたことを
示す。
このようにして得られた充填剤を、内径4mm、長さ25c
mのステンレス製カラムにスラリー充填したのち、2%
(v/v)酢酸・メタノール液およびクロロホルム・メタ
ノール(1:1)混液各100mlを流した。
以上のようにして調製したカラムを用いて、次の条件
で各種アミノアルコールおよびアミン類のラセミ体を分
割した。結果の一例を第4表に示す。
温度:室温 溶離液:第4表に示す。
溶離液流量:1.0ml/分 検出器/紫外線吸収計(波長254nmまたは280nm) (注1) A:ヘキサン/1,2−ジクロロエタン/メタノール/トリフ
ルオロ酢酸(230:140:30:1) B:ヘキサン/エタノール/トリフルオロ酢酸(100:60:
0.6) C:ヘキサン/1,2−ジクロロエタン/エタノール/トリフ
ルオロ酢酸(240:140:20:1) D:ヘキサン/エタノール/トリフルオロ酢酸(500:5:0.
6) E:ヘキサン/1,2−ジクロロエタン/メタノール/トリフ
ルオロ酢酸(220:140:40:1) F:ヘキサン/エタノール/トリフルオロ酢酸(200:40:
0.6)
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の充填剤を用いて(±)−イソプロ
テレノールを分割した場合の溶離曲線を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 217/30 C07C 217/30 225/20 225/20 231/20 231/20 G01N 30/48 G01N 30/48 W (72)発明者 青黄 史子 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番 135号 株式会社住化分析センター内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 209/42 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 [式中、R5は低級アルキレン基または結合、R6は単環ま
    たは2環アリール基であり、これらはニトロ基で置換さ
    れていてもよい。] で示される、インドリン−2−カルボン酸の尿素形誘導
    体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の化合物からなる、キラリテ
    イ識別剤。
  3. 【請求項3】一般式 [式中、R1、R2およびR3は、同一または異なって、アル
    キル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基またはハロゲン原
    子を表わし、少なくともその1つはアルコキシ基または
    ハロゲン原子である。R4は低級アルキレン基、R5は低級
    アルキレン基または結合、R6は単環または2環アリール
    基であり、これらはニトロ基で置換されていてもよい。
    *は不斉炭素を表わす。] で示されるオルガノシラン化合物が表面にヒドロキシ基
    をもつ無機担体にグラフトされた形の構造を有する、ク
    ロマトグラフィー用充填剤。
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