JPH054045A - 光学分割用液体クロマトグラフ充填剤 - Google Patents
光学分割用液体クロマトグラフ充填剤Info
- Publication number
- JPH054045A JPH054045A JP3206525A JP20652591A JPH054045A JP H054045 A JPH054045 A JP H054045A JP 3206525 A JP3206525 A JP 3206525A JP 20652591 A JP20652591 A JP 20652591A JP H054045 A JPH054045 A JP H054045A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- packing material
- chiral
- group
- anchor
- optical
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 本発明の光学分割用液体クロマトグラフ充填
剤は式: [式中、A−COはキラル部位、mは3以上の整数、n
は5以上の整数を意味する]で表される光学異性体識別
基を有する。キラル基の結合していない未反応のシリカ
アミノアルキル基に保護基が結合しているのが好まし
い。 【効果】 本発明のクロマトグラフ用充填剤は分子識別
能が高く、光学異性体を効率よく分割することができ分
離効率に優れる。
剤は式: [式中、A−COはキラル部位、mは3以上の整数、n
は5以上の整数を意味する]で表される光学異性体識別
基を有する。キラル基の結合していない未反応のシリカ
アミノアルキル基に保護基が結合しているのが好まし
い。 【効果】 本発明のクロマトグラフ用充填剤は分子識別
能が高く、光学異性体を効率よく分割することができ分
離効率に優れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学異性体の分離、分析
に用いられる分子識別能の高い液体クロマトグラフ用充
填剤に関する。
に用いられる分子識別能の高い液体クロマトグラフ用充
填剤に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】液体クロマトグラフィーは優
れた分離能を有する分離方法であり、分析に用いられる
だけでなく化合物の精製にも用いられる。しかしなが
ら、光学異性体のような一般の物理的、化学的性質が同
一で立体構造のみ異なる化合物相互の分離には、光学異
性体に対するさらに特殊な識別能を有する固定相を用い
る必要がある。
れた分離能を有する分離方法であり、分析に用いられる
だけでなく化合物の精製にも用いられる。しかしなが
ら、光学異性体のような一般の物理的、化学的性質が同
一で立体構造のみ異なる化合物相互の分離には、光学異
性体に対するさらに特殊な識別能を有する固定相を用い
る必要がある。
【0003】従来、アミノ酸、アミンなどの光学分割能
に優れた充填剤としては、例えばPirkleカラムがあり、
これは下式:
に優れた充填剤としては、例えばPirkleカラムがあり、
これは下式:
【化1】
で表されるフェニルグリシンのベンゾイル類誘導体を不
斉中心として有している。また、特開昭60−1559
68号公報にはN−カルバモイル−t−ロイシンを不斉
中心として有する充填剤が開示されている。
斉中心として有している。また、特開昭60−1559
68号公報にはN−カルバモイル−t−ロイシンを不斉
中心として有する充填剤が開示されている。
【0004】しかしながら、光学異性体に対するこれら
充填剤の分子識別能はなお不充分でありより分離効率の
高い光学分割用液体クロマトグラフ充填剤が求められて
いる。
充填剤の分子識別能はなお不充分でありより分離効率の
高い光学分割用液体クロマトグラフ充填剤が求められて
いる。
【0005】本発明の目的は分子識別能が高く光学異性
体を効率よく分割することのできる分離効率に優れたク
ロマトグラフ用充填剤を提供することにある。
体を効率よく分割することのできる分離効率に優れたク
ロマトグラフ用充填剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、式:
[式中、A−CO−はキラル部位、mは3以上の整数、
nは5以上の整数を意味する]で表される光学異性体識
別基を有することを特徴とする光学分割用クロマトグラ
フ充填剤を提供するものである。
nは5以上の整数を意味する]で表される光学異性体識
別基を有することを特徴とする光学分割用クロマトグラ
フ充填剤を提供するものである。
【0007】本発明の要点は、化学結合したキラル相の
立体的な幾何形状を制御することにより、すなわち、試
料分子と担体のキラル部位との間に有効な相互作用を生
ずるに充分な空間を形成して分子識別能を改善すること
にある。
立体的な幾何形状を制御することにより、すなわち、試
料分子と担体のキラル部位との間に有効な相互作用を生
ずるに充分な空間を形成して分子識別能を改善すること
にある。
【0008】本発明の充填剤において、キラル部位:A
−CO−としては、代表的にはN−アシル化アミノ酸、
N−カルバモイルアミノ酸、N−カルバモイル−α−芳
香族アルキルアミンなどの残基が挙げられる。N−アシ
ル化アミノ酸としては、例えばN−ピバロイルーL−バ
リン、N−3,5−ジニトロベンゾイル−D−フェニル
グリシンなどが挙げられる。N−カルバモイルアミノ酸
としては、例えばN−カルバモイル−ロイシン、N−カ
ルバモイル−バリンなどが挙げられる。また、N−カル
バモイル−α−芳香族アルキルアミンとしては、例えば
N−カルバモイル−α−(ノーナフチル)エチルアミン
などが挙げられる。
−CO−としては、代表的にはN−アシル化アミノ酸、
N−カルバモイルアミノ酸、N−カルバモイル−α−芳
香族アルキルアミンなどの残基が挙げられる。N−アシ
ル化アミノ酸としては、例えばN−ピバロイルーL−バ
リン、N−3,5−ジニトロベンゾイル−D−フェニル
グリシンなどが挙げられる。N−カルバモイルアミノ酸
としては、例えばN−カルバモイル−ロイシン、N−カ
ルバモイル−バリンなどが挙げられる。また、N−カル
バモイル−α−芳香族アルキルアミンとしては、例えば
N−カルバモイル−α−(ノーナフチル)エチルアミン
などが挙げられる。
【0009】本発明の充填剤では、前記キラル部位とア
ンカー部位(anchor moiety)であるアミノアルキルシ
リカとの間にサブアンカー部位(sub-anchor moiety)
として、−NH−(CH2)n−CO−が導入される。nは
5以上、好ましくは5〜10である。nが5未満である
と充填剤の分離能が低下する。一方、nが10を越える
と分子識別に不要な疎水基間の相互作用およびキラル部
位間の相互作用が増大し分離能が低下する。
ンカー部位(anchor moiety)であるアミノアルキルシ
リカとの間にサブアンカー部位(sub-anchor moiety)
として、−NH−(CH2)n−CO−が導入される。nは
5以上、好ましくは5〜10である。nが5未満である
と充填剤の分離能が低下する。一方、nが10を越える
と分子識別に不要な疎水基間の相互作用およびキラル部
位間の相互作用が増大し分離能が低下する。
【0010】mは3以上、好ましくは3〜6である。担
体とキラル部位を結合するアミノアルキルシリカ部位
(moiety)は、アミノアルキルシランにより導入するこ
とができる。かかるアミノアルキルシランとしては、6
−アミノヘキシルアルコキシシラン、は6−アミノヘキ
シルハロゲノシラン、3−アミノプロピルアルコキシシ
ラン、3−アミノプロピルトリハロゲノシランなどが挙
げられる。3−アミノプロピルアルコキシシランおよび
3−アミノプロピルハロゲノシランの好ましい例として
は、各々3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−
アミノプロピルトリクロロシランなどが挙げられる。
体とキラル部位を結合するアミノアルキルシリカ部位
(moiety)は、アミノアルキルシランにより導入するこ
とができる。かかるアミノアルキルシランとしては、6
−アミノヘキシルアルコキシシラン、は6−アミノヘキ
シルハロゲノシラン、3−アミノプロピルアルコキシシ
ラン、3−アミノプロピルトリハロゲノシランなどが挙
げられる。3−アミノプロピルアルコキシシランおよび
3−アミノプロピルハロゲノシランの好ましい例として
は、各々3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−
アミノプロピルトリクロロシランなどが挙げられる。
【0011】また、担体としては、例えばシリカゲルな
どのシリカ含有担体が好ましく、粒径の揃った微細な粒
子が好ましい。
どのシリカ含有担体が好ましく、粒径の揃った微細な粒
子が好ましい。
【0012】さらに担体表面の光学識別基の間の未反応
のアミノアルキル基に保護基を結合してスペーサー(sp
acer)とするのが好ましい。スペーサーを設けることに
より充填剤の識別能が向上する。かかる保護基としては
例えばピバロイル基、トリフルオロアセチル基、アセチ
ル基などが挙げられる。
のアミノアルキル基に保護基を結合してスペーサー(sp
acer)とするのが好ましい。スペーサーを設けることに
より充填剤の識別能が向上する。かかる保護基としては
例えばピバロイル基、トリフルオロアセチル基、アセチ
ル基などが挙げられる。
【0013】本発明者らの研究によれば、従来のクロマ
トグラフ用充填剤では、いずれも分離すべき分子と、こ
れを識別するためのキラル部位との間における相互作用
が充分でなく、本来は高い分子識別能を有するキラル部
位の性能が充分には発揮されていない。
トグラフ用充填剤では、いずれも分離すべき分子と、こ
れを識別するためのキラル部位との間における相互作用
が充分でなく、本来は高い分子識別能を有するキラル部
位の性能が充分には発揮されていない。
【0014】すなわち、本発明の充填剤において従来に
比べて分離能が向上した理由はつぎのように推測され
る。従来のクロマトグラフ用充填剤はアミノアルキルシ
リカに直接キラル部位が化学結合しており、例えば図2
に示すごとくN−アシル−アミノ酸アミド型のキラル部
位と分割対象のアミノ酸誘導体との分子−分子間相互作
用は、2つの不斉中心炭素に結合している官能基間の立
体障害によってもたらされ光学分割が行われる。従来の
充填剤では、キラル部位を直接アミノプロピルシリカ
(アミノアルキルシリカ)などに結合しているため、図
3に示すごとく分割されるべき試料分子とキラル部位と
の間に相互作用が生じるに充分な空間が得られていな
い。
比べて分離能が向上した理由はつぎのように推測され
る。従来のクロマトグラフ用充填剤はアミノアルキルシ
リカに直接キラル部位が化学結合しており、例えば図2
に示すごとくN−アシル−アミノ酸アミド型のキラル部
位と分割対象のアミノ酸誘導体との分子−分子間相互作
用は、2つの不斉中心炭素に結合している官能基間の立
体障害によってもたらされ光学分割が行われる。従来の
充填剤では、キラル部位を直接アミノプロピルシリカ
(アミノアルキルシリカ)などに結合しているため、図
3に示すごとく分割されるべき試料分子とキラル部位と
の間に相互作用が生じるに充分な空間が得られていな
い。
【0015】これに対し、本発明の充填剤では、図1に
示すごとくアミノプロピルシリカ(アンカー部位)とキ
ラル部位との間にサブアンカーが存在し、これらの距離
が大きくなっている。また、担体表面に存在する光学異
性体識別基の間にピバロイル基などで保護したアミノア
ルキル基(スペーサー)を設けることにより隣接する識
別基の間に充分な空間が得られる。未反応のアミノプロ
ピル(アルキル)基をピバロイル基などの保護基で保護
することにより、水素結合部位と試料分子との不必要な
相互作用が防止される。
示すごとくアミノプロピルシリカ(アンカー部位)とキ
ラル部位との間にサブアンカーが存在し、これらの距離
が大きくなっている。また、担体表面に存在する光学異
性体識別基の間にピバロイル基などで保護したアミノア
ルキル基(スペーサー)を設けることにより隣接する識
別基の間に充分な空間が得られる。未反応のアミノプロ
ピル(アルキル)基をピバロイル基などの保護基で保護
することにより、水素結合部位と試料分子との不必要な
相互作用が防止される。
【0016】つぎに本発明の充填剤の製造法について詳
細に説明する。本発明の充填剤においてサブアンカーを
導入するには、NH2−(CH2)n−COOHを使用す
る。
細に説明する。本発明の充填剤においてサブアンカーを
導入するには、NH2−(CH2)n−COOHを使用す
る。
【0017】キラル部位をここでは A−CO− とし
て、一般的に表すこととする。
て、一般的に表すこととする。
【0018】キラル部位にサブアンカーを接合する前に
まず下記のごとくサブアンカーのC末端をメチルエステ
ルとして保護する。
まず下記のごとくサブアンカーのC末端をメチルエステ
ルとして保護する。
【0019】
【化2】
一方、キラル部位は、下記の反応により酸部を活性エス
テルとする。
テルとする。
【0020】
【化3】
つぎに式[I]のサブアンカーと、式[II]のキラル部
位とを下記のごとく反応させ、式[III]にて表される
サブアンカーの結合したキラル部位を得る。
位とを下記のごとく反応させ、式[III]にて表される
サブアンカーの結合したキラル部位を得る。
【0021】
【化4】
つぎに式[III]にて表されるサブアンカー付キラル部
位を下記のごとく処理する。
位を下記のごとく処理する。
【0022】
得られた式[IV]の化合物とアミノアルキルシリカ
(例えば、アミノプロピルシリカ)とを下記のごとく化
学結合する。
(例えば、アミノプロピルシリカ)とを下記のごとく化
学結合する。
【0023】
なお、前記化合物[V]の生成の最終反応時に、これ
と同時にピバリン酸などを添加して、サブアンカー付き
キラル部位と結合していないシリカ担体上の遊離アミノ
基と反応させ、隣接する識別基の間の空間を確保すると
共に、遊離アミノ基の保護を行う。
と同時にピバリン酸などを添加して、サブアンカー付き
キラル部位と結合していないシリカ担体上の遊離アミノ
基と反応させ、隣接する識別基の間の空間を確保すると
共に、遊離アミノ基の保護を行う。
【0024】
【0025】(カラムの調製)得られた充填剤をTH
F、メタノールなどの溶媒を用いて充分に洗浄した後、
乾燥する。これをHPLC用分析カラムにスラリー法に
て充填する。
F、メタノールなどの溶媒を用いて充分に洗浄した後、
乾燥する。これをHPLC用分析カラムにスラリー法に
て充填する。
【0026】本発明の充填剤は、常法に従ってクロマト
グラフ用のカラムに充填され、液体クロマトグラフィー
の固定相として使用される。
グラフ用のカラムに充填され、液体クロマトグラフィー
の固定相として使用される。
【0027】
【実施例】つぎに本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
説明する。
【0028】実施例1
A−CO−OH として、N−ピバロイル−Lバリン、
サブアンカーとして6−アミノヘキサン酸(H2N(CH
2)5COOH)を用いた。
サブアンカーとして6−アミノヘキサン酸(H2N(CH
2)5COOH)を用いた。
【0029】キラル部位の1H NMR (CDCl3
300MHz):δ0.97(6H)、δ1.23(9
H)、δ2.25(1H)、δ4.60(1H)、δ6.
30(1H)、δ10.80(1H)
300MHz):δ0.97(6H)、δ1.23(9
H)、δ2.25(1H)、δ4.60(1H)、δ6.
30(1H)、δ10.80(1H)
【0030】
6−アミノヘキサン酸メチルエステル塩酸塩の合成
メタノール500ml を氷温に冷却し、撹拌しながら
塩化チオニル130ml を徐々に加えた。溶液を室温
に戻した後、6−アミノヘキサン酸66g(0.5モ
ル)を加え、一昼夜撹拌を続けた。反応終了後、溶液を
除去し、さらに残存するH2O、HCl を除くためメタ
ノール添加し、濃縮を数回繰り返して6−アミノヘキサ
ンメチルエステル塩酸塩83.6g(0.46モル)を得
た。
塩化チオニル130ml を徐々に加えた。溶液を室温
に戻した後、6−アミノヘキサン酸66g(0.5モ
ル)を加え、一昼夜撹拌を続けた。反応終了後、溶液を
除去し、さらに残存するH2O、HCl を除くためメタ
ノール添加し、濃縮を数回繰り返して6−アミノヘキサ
ンメチルエステル塩酸塩83.6g(0.46モル)を得
た。
【0031】N−ピバロイル−L−バリン−6−アミ
ノヘキサン酸メチルエステルの合成N−ピバロイル−L
−バリン30g(0.15モル)を酢酸エチル1Lに溶
かした後、溶液を−20℃に冷却し、N,N'−ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド37.1g(0.18モル)、N
−ヒドロキシコハク酸イミド20.7g(0.18モル)
を加え、一晩反応を行った。その後、反応液を徐々に室
温に戻した後、反応により生成したジシクロヘキシル尿
素を濾別した。得られた濾液を再度−20℃に冷却し、
これに6−アミノヘキサン酸−メチルエステル塩酸塩3
2.7g(0.18モル)とN−メチルモルホリン40m
l(0.36モル)を加え、48時間冷却下で撹拌を行
った。
ノヘキサン酸メチルエステルの合成N−ピバロイル−L
−バリン30g(0.15モル)を酢酸エチル1Lに溶
かした後、溶液を−20℃に冷却し、N,N'−ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド37.1g(0.18モル)、N
−ヒドロキシコハク酸イミド20.7g(0.18モル)
を加え、一晩反応を行った。その後、反応液を徐々に室
温に戻した後、反応により生成したジシクロヘキシル尿
素を濾別した。得られた濾液を再度−20℃に冷却し、
これに6−アミノヘキサン酸−メチルエステル塩酸塩3
2.7g(0.18モル)とN−メチルモルホリン40m
l(0.36モル)を加え、48時間冷却下で撹拌を行
った。
【0032】反応終了後溶液を室温に戻し、不溶成分を
濾別し、酢酸エチル溶液をH2O/2% HCl/H2O/
5% NaHCO3/H2Oの順で洗浄を行い溶液中のアミ
ン成分、酸成分を除いた。溶液を無水MgSO4で脱水
し、減圧下で溶媒を除去し、N−ピバロイル−L−バリ
ン−6−アミノヘキサン酸メチルエステル44g(0.
134モル)を得た。
濾別し、酢酸エチル溶液をH2O/2% HCl/H2O/
5% NaHCO3/H2Oの順で洗浄を行い溶液中のアミ
ン成分、酸成分を除いた。溶液を無水MgSO4で脱水
し、減圧下で溶媒を除去し、N−ピバロイル−L−バリ
ン−6−アミノヘキサン酸メチルエステル44g(0.
134モル)を得た。
【0033】1H NMR (CDCl3 300MH
z):δ0.97(6H)、δ1.23(9H)、δ1.
3、δ1.5、δ1.6(6H)、δ2.25(1H)、
δ2.4(2H)、δ3.2、δ3.3(2H)、δ3.7
(3H)、δ4.60(1H)、δ6.30(1H)、δ
10.80(1H)
z):δ0.97(6H)、δ1.23(9H)、δ1.
3、δ1.5、δ1.6(6H)、δ2.25(1H)、
δ2.4(2H)、δ3.2、δ3.3(2H)、δ3.7
(3H)、δ4.60(1H)、δ6.30(1H)、δ
10.80(1H)
【0034】N−ピバロイル−L−バリン−6−アミ
ノ−ヘキサン酸 N−ピバロイル−L−バリン−6−アミノヘキサン酸メ
チルエステル44gをメタノール500mlに溶かし、
これに1N水酸化ナトリウム150mlを加え室温で4
5分撹拌を行う。反応後、エバポレーターでエタノール
を除去し、これに1NHClを加えさらにエーテルを加
えて振とうし目的物をエーテル層に抽出した。水層を除
き、エーテル層に無水硫酸マグネシウムを加え脱水後減
圧乾固して目的物35g(0.112モル)を得た。
ノ−ヘキサン酸 N−ピバロイル−L−バリン−6−アミノヘキサン酸メ
チルエステル44gをメタノール500mlに溶かし、
これに1N水酸化ナトリウム150mlを加え室温で4
5分撹拌を行う。反応後、エバポレーターでエタノール
を除去し、これに1NHClを加えさらにエーテルを加
えて振とうし目的物をエーテル層に抽出した。水層を除
き、エーテル層に無水硫酸マグネシウムを加え脱水後減
圧乾固して目的物35g(0.112モル)を得た。
【0035】アミノプロピルシリカへの結合
アミノプロピルシリカ2.5gにテトラヒドロフラン1
50mlを加え、さらにN−ピバロイル−L−バリン−
6−アミノヘキサン酸3.91g(0.0125モル)、
ピバリン酸1.28g(0.0125モル)を加えた。室
温で1時間撹拌後、1−エトキシカルボニル−2−エト
キシ−1,2−ジヒドロキノリン6.15g(0.025
モル)を加え、さらに48時間撹拌を行う。反応終了後
シリカを1.0μmのテフロンフィルターで濾取し、こ
れをメタノール、アセトン、エーテルの順に懸濁し不純
物を除いた。これを充分乾燥させた後、常法によりカラ
ムに充填した。
50mlを加え、さらにN−ピバロイル−L−バリン−
6−アミノヘキサン酸3.91g(0.0125モル)、
ピバリン酸1.28g(0.0125モル)を加えた。室
温で1時間撹拌後、1−エトキシカルボニル−2−エト
キシ−1,2−ジヒドロキノリン6.15g(0.025
モル)を加え、さらに48時間撹拌を行う。反応終了後
シリカを1.0μmのテフロンフィルターで濾取し、こ
れをメタノール、アセトン、エーテルの順に懸濁し不純
物を除いた。これを充分乾燥させた後、常法によりカラ
ムに充填した。
【0036】アミノプロピルシリカへの付加率(%、C
およびNの元素分析値による) ピバロイル(スペーサー)、58%;N−ピバロイル−
L−バリン(サブアンカー)42% 前記充填剤をHPLC用カラム(内径4mm、長さ25
cm)に通常のスラリー式充填法を用いて充填し液体ク
ロマトグラフ用カラムを調製した。これを用いて、つぎ
の条件にて試料の分離を行い分離能を測定した。
およびNの元素分析値による) ピバロイル(スペーサー)、58%;N−ピバロイル−
L−バリン(サブアンカー)42% 前記充填剤をHPLC用カラム(内径4mm、長さ25
cm)に通常のスラリー式充填法を用いて充填し液体ク
ロマトグラフ用カラムを調製した。これを用いて、つぎ
の条件にて試料の分離を行い分離能を測定した。
【0037】
移動相:n−ヘキサン/ジクロロメタン(99.5/0.
5)1mL/min 検出器:UV検出器(254nm) 試 料:N−TFA−フェニルアラニンイソプロピルエ
ステル 図4は本発明の充填剤を用いて、図5は同一キラル部位
でサブアンカーのないものを充填剤として用いて分離を
行った場合のクロマトグラムである。横軸は保持時間、
縦軸は量を示す。本発明の充填剤を用いた場合は、D
体、L体の分離能が飛躍的に向上した。従来法では、ア
ルコールを移動相(n−ヘキサン/イソプロパノール=
99.8/0.2)に添加してもピークのテーリングがか
なり認められるが、本発明ではアルコール無添加でも極
めて対称性に優れたピークが得られるとともにピークの
尖鋭度は極めて優れており、相互作用が効率よく、かつ
充分に行われていることがわかる。
5)1mL/min 検出器:UV検出器(254nm) 試 料:N−TFA−フェニルアラニンイソプロピルエ
ステル 図4は本発明の充填剤を用いて、図5は同一キラル部位
でサブアンカーのないものを充填剤として用いて分離を
行った場合のクロマトグラムである。横軸は保持時間、
縦軸は量を示す。本発明の充填剤を用いた場合は、D
体、L体の分離能が飛躍的に向上した。従来法では、ア
ルコールを移動相(n−ヘキサン/イソプロパノール=
99.8/0.2)に添加してもピークのテーリングがか
なり認められるが、本発明ではアルコール無添加でも極
めて対称性に優れたピークが得られるとともにピークの
尖鋭度は極めて優れており、相互作用が効率よく、かつ
充分に行われていることがわかる。
【0038】
分離係数(α):移動相(n−ヘキサン/イソプロパノ
ール=95:5) 試料 実施例1 従来法(サブアンカー、スペーサーなし) アラニン 1.55 1.18 バリン 1.85 1.29 ロイシン 2.24 1.44 各試料はn−3,5−ジニトロベンゾイル、イソプロピ
ルエステル誘導体にして分析した。
ール=95:5) 試料 実施例1 従来法(サブアンカー、スペーサーなし) アラニン 1.55 1.18 バリン 1.85 1.29 ロイシン 2.24 1.44 各試料はn−3,5−ジニトロベンゾイル、イソプロピ
ルエステル誘導体にして分析した。
【0039】[実施例2]キラル部位およびサブアンカ
ーを各々N−(t−ブチルアミノ−カルボニル)−L−
バリンおよび9−アミノノナン酸に替えた以外は、実施
例1と同様にして充填剤を調製した。得られたクロマト
グラフ用充填剤は下記のごとく高い分子識別能を示す。
ーを各々N−(t−ブチルアミノ−カルボニル)−L−
バリンおよび9−アミノノナン酸に替えた以外は、実施
例1と同様にして充填剤を調製した。得られたクロマト
グラフ用充填剤は下記のごとく高い分子識別能を示す。
【0040】キラル部位の1H NMR (CDCl3
300MHz):δ0.95(6H)、δ1.25(9
H)、δ2.28(1H)、δ4.75(1H)、δ9.
60(1H)、δ10.10(1H)、δ11.00(1
H)。
300MHz):δ0.95(6H)、δ1.25(9
H)、δ2.28(1H)、δ4.75(1H)、δ9.
60(1H)、δ10.10(1H)、δ11.00(1
H)。
【0041】N−(t−ブチルアミノ−カルボニル)−
L−バリン−9−アミノノナン酸メチルエステルの1H
NMR (CDCl3 300MHz):δ0.95
(6H)、δ1.25(9H)、δ1.3、δ1.5、δ
1.6(6H)、δ2.28(1H)、δ2.4(2
H)、δ3.2、δ3.3(2H)、δ3.7(3H)、
δ4.75(1H)、δ9.60(1H)、δ10.10
(1H)、δ11.00(1H) アミノプロピルシリカへの付加率(%、CおよびNの元
素分析値による) ピバロイル(スペーサー)、62%;N−カルバモイル
−L−バリン(サブアンカー)38%。
L−バリン−9−アミノノナン酸メチルエステルの1H
NMR (CDCl3 300MHz):δ0.95
(6H)、δ1.25(9H)、δ1.3、δ1.5、δ
1.6(6H)、δ2.28(1H)、δ2.4(2
H)、δ3.2、δ3.3(2H)、δ3.7(3H)、
δ4.75(1H)、δ9.60(1H)、δ10.10
(1H)、δ11.00(1H) アミノプロピルシリカへの付加率(%、CおよびNの元
素分析値による) ピバロイル(スペーサー)、62%;N−カルバモイル
−L−バリン(サブアンカー)38%。
【0042】
分離係数(α):移動相(n−ヘキサン/イソプロパノ
ール=95:5) 試料 実施例2 従来法(サブアンカー、スペーサーなし) アラニン 1.42 1.12 バリン 1.67 1.34 ロイシン 1.98 1.42 各試料はN−アセチル、メチルエステル誘導体にして分
析した。
ール=95:5) 試料 実施例2 従来法(サブアンカー、スペーサーなし) アラニン 1.42 1.12 バリン 1.67 1.34 ロイシン 1.98 1.42 各試料はN−アセチル、メチルエステル誘導体にして分
析した。
【0043】
【発明の効果】本発明のクロマトグラフ用充填剤は分子
識別能が高く、光学異性体を効率よく分割することがで
き分離効率に優れる。
識別能が高く、光学異性体を効率よく分割することがで
き分離効率に優れる。
【図1】本発明充填剤を用いた分離の状態を示す模式図
である。
である。
【図2】従来の充填剤を用いた分離を示す模式図であ
る。
る。
【図3】従来の充填剤の分子構造を示す模式図である
【図4】本発明の充填剤によるクロマトグラムである。
【図5】サブアンカーおよびスペーサーを用いない充填
剤によるクロマトグラムである。
剤によるクロマトグラムである。
Claims (3)
- 【請求項1】 式: [式中、A−CO−はキラル部位、mは3以上の整数、
nは5以上の整数を意味する]で表される光学異性体識
別基を有することを特徴とする光学分割用液体クロマト
グラフ充填剤。 - 【請求項2】 キラル基の結合していない未反応のシリ
カアミノアルキル基に保護基が結合した前記請求項1記
載の充填剤。 - 【請求項3】 キラル部位:A−CO−がN−アシル化
アミノ酸またN−カルバモイルアミノ酸の残基である前
記請求項1または2に記載の充填剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3206525A JPH054045A (ja) | 1990-07-24 | 1991-07-22 | 光学分割用液体クロマトグラフ充填剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19721790 | 1990-07-24 | ||
JP2-197217 | 1990-07-24 | ||
JP3206525A JPH054045A (ja) | 1990-07-24 | 1991-07-22 | 光学分割用液体クロマトグラフ充填剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH054045A true JPH054045A (ja) | 1993-01-14 |
Family
ID=26510241
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3206525A Pending JPH054045A (ja) | 1990-07-24 | 1991-07-22 | 光学分割用液体クロマトグラフ充填剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH054045A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008530209A (ja) * | 2005-02-15 | 2008-08-07 | ダイオネックス コーポレイション | 新規なオルガノシラン、および該オルガノシランに共有結合した基体、並びに合成および使用方法 |
WO2014087937A1 (ja) | 2012-12-06 | 2014-06-12 | 株式会社ダイセル | 分離剤 |
-
1991
- 1991-07-22 JP JP3206525A patent/JPH054045A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008530209A (ja) * | 2005-02-15 | 2008-08-07 | ダイオネックス コーポレイション | 新規なオルガノシラン、および該オルガノシランに共有結合した基体、並びに合成および使用方法 |
WO2014087937A1 (ja) | 2012-12-06 | 2014-06-12 | 株式会社ダイセル | 分離剤 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Pirkle et al. | A chiral stationary phase for the facile resolution of amino acids, amino alcohols and amines as the N-3, 5-dinitrobenzoyl derivatives | |
JP3901709B2 (ja) | ゲル化剤 | |
EP2629091B1 (en) | Separating agent for chromatography and method for the production thereof | |
JPH0356422B2 (ja) | ||
CA1306988C (en) | Separation medium | |
JP2584498B2 (ja) | 新規なクラウンエーテル化合物及び分離剤 | |
EP0469739B1 (en) | Stationary phase for enantiomeric resolution in liquid chromatography | |
Goto et al. | Sensitive derivatization reagents for optical resolution of carboxylic acids by high performance liquid chromatography with fluorescence detection | |
CN104607163B (zh) | 一种微手性调节纤维素色谱固定相、制备方法及其应用 | |
JP2841546B2 (ja) | 液体クロマトグラフィー用充填剤 | |
JPH0476976B2 (ja) | ||
JPH054045A (ja) | 光学分割用液体クロマトグラフ充填剤 | |
US4818704A (en) | Method for the separation and determination of enantiomeric amine compounds using an optically active agent | |
Kontrec et al. | Preparation and evaluation of chiral stationary phases based on N, N‐2, 4‐(or 4, 6)‐disubstituted 4, 5‐(or 2, 5)‐dichloro‐1, 3‐dicyanobenzene | |
Siret et al. | Steric hindrance influence on the enantiorecognition ability of tyrosine‐derived chiral stationary phases | |
EP0231515B1 (en) | Utilisation of optically active carboalkylated amino alcohols in optical resolution | |
JPS60155968A (ja) | クロマトグラフ充填剤およびそれを用いる鏡像体混合物の分析法 | |
JP2968319B2 (ja) | キラリテイ識別剤およびクロマトグラフィー用充填剤 | |
WO1997041093A1 (en) | Methods for the synthesis of fmoc protected amines | |
WO1996033162A1 (en) | Compounds containing a substantially planar, fused ring system with at least 4 aromatic rings and their use as a chiral stationary phase in enantiomeric separation | |
KR100454712B1 (ko) | 키랄고정상, 이들로 충진된 키랄칼럼 및 이들의 제조방법 | |
JPH06298672A (ja) | キラリティ識別剤およびクロマトグラフィー用分離剤 | |
US20060199950A1 (en) | Preparation of a metal chelating separation medium | |
JPS59122947A (ja) | α−フエニル脂肪酸エステル類の鏡像異性体混合物の液体クロマトグラフイ−分析法 | |
현명호 et al. | Preparation of a new HPLC chiral stationary phase from (S)-naproxen and application in elucidating chiral recognition models |