JP2967004B2 - 育苗器 - Google Patents

育苗器

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JP2967004B2
JP2967004B2 JP16431792A JP16431792A JP2967004B2 JP 2967004 B2 JP2967004 B2 JP 2967004B2 JP 16431792 A JP16431792 A JP 16431792A JP 16431792 A JP16431792 A JP 16431792A JP 2967004 B2 JP2967004 B2 JP 2967004B2
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泰男 川端
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KANZAKI KOKYU KOKI SEISAKUSHO KK
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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、移植機を用いて圃場
に移植される土付き苗である苗ブロックを育苗するため
の育苗器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポット苗とも称されている上記の苗ブロ
ックは一般に、育苗器の苗トレーごと移植機にのせ、苗
トレーの各ポットから苗ブロックを取出して圃場に植付
けられる。苗トレーのポットは無底のものとされること
もあるが、そうであっても苗ブロックとポットが倒立錐
体台(円錐台又は角錐台)状であることと苗ブロックが
完全にポット内に納まっていることから、ポットの底側
に苗ブロックを取出すことはできない。このため例えば
特公昭57−22288号公報に示されているように移
植機上で苗トレーを鉛直径路部を有する搬送径路に沿っ
て移動させるとか、特公昭56−78509号公報及び
特開平1−141513号公報に示されているように移
植機に鉛直方向に沿わせてのせ、苗トレーのポットが略
水平姿勢にある状態の下でポットの底側から苗押出杆に
より苗ブロックを押し、苗トレーから苗ブロックを略水
平方向に押出して放出するようにされている。
【0003】このように苗トレーから水平方向に押出さ
れる苗ブロックは、水平姿勢から直立姿勢へと姿勢を変
更した上で圃場に植付けられることになる。この姿勢変
更のためには或る一定の高さを必要とするから苗トレー
の搭載部分で移植機の重心位置が高くされ、また複雑な
姿勢変更機構を必要として移植機が高価につくと共に、
長い姿勢変更径路に沿い苗ブロックを移動させることか
ら押出しから植付けまでに時間を要して能率が悪い一
方、苗ブロックの崩れが起き易い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがってこの発明の
主たる目的とするところは、育苗後の苗ブロックを育苗
器の部材に保持させたままで移植機にのせうるようにし
たものでありながら、苗ブロックを直立姿勢で保持しそ
のまま下方向きに取出して圃場に植付け可能として、上
述の諸問題点を一挙に解決できることとする新規な育苗
器を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのために開発された本
発明育苗器は図1−3,図4,図5及び図6にそれぞれ
例示するように、マトリックス状に配置された多数のポ
ット2を有する苗トレー1と、上記ポット2の上端側で
該ポットと組合されて育苗区画を形成し育苗区画内の苗
ブロックの上端部分外周面を弾性的に把持する多数の苗
把持部4を有し上記苗トレー1の上面部に着脱可能に取
付けられる苗保持枠3とを、備える。
【0006】ポット2及び苗把持部4の輪郭形状は図
1,図4及び図5にそれぞれ例示するように、それぞれ
側面視で倒立截頭錐体台状とするのがよい。しかし図6
に例示するようにポット2は側面視で、上端部分は倒立
截頭錐体台状であり残りの部分は柱体状である輪郭を有
するものとしてもよい。前者の場合には図4に例示する
ように、ポット2の側壁の傾斜角度αよりも苗把持部4
側壁の傾斜角度βの方を大きくしてもよい。苗トレー
1にはポット2よりも下方の位置まで臨ませた適当数の
脚部1eを設けるのがよい。
【0007】また本発明は上記のような育苗器に図7−
11に例示するような苗分離用補助具6、或は図12−
14及び図15にそれぞれ例示するような苗分離用補助
具8を設けることも、提案するものである。図7−11
の補助具6は、苗トレー1の下面側からポット2が形成
するポット列間に臨ませうる整列配置の複数本の押圧部
材7を有し、該押圧部材7によりポット列間でポット2
を押圧して内側方向きの変形を生じさせるものに構成さ
れている。図12−14及び図15の補助具8はそれぞ
れ、ポット2の底に形成した開口2aからポット2内に
突入させうる多数の押出杆9を有するものに構成されて
いる。
【0008】
【作用】この発明に係る育苗器は図1に鎖線図示、及び
図2に図示のように苗保持枠3を苗トレー1から分離し
た状態から、図1,3に例示するように苗保持枠3を苗
トレー1の上面部に取付け、ポット2と苗把持部4との
組合せにより形成された育苗区画内に培土を充填し鎮圧
した上で播種し、育苗に用いられる。苗トレー1に前記
脚部1eを設けておくと各ポット2が床面より浮上が
り、その下方に空間が確保されることになる。従来の苗
トレーはそのまま移植機にのせるものとされていたため
上記のような脚部を設けず、苗トレーの下にタル木等を
置いて空間を確保しポット下方への根のはみ出し生育が
空気との接触により阻止されることとしていたが、上記
脚部1eを設ける構造によるとそのまま所要の空間が確
保されることになる。図1及び図4−6の各図には1個
の育苗区画について、育苗後の苗ブロックPが図示され
ている。このように所期の生育状態までの育苗が終る
と、苗把持部4に苗ブロックPの上端部分外周面を弾性
的に把持させたままで苗保持枠3を苗トレー1から上方
向きに取外す。そして多数の苗ブロックPを保持する苗
保持枠3を移植機に図16,19に例示するように水平
姿勢でのせると、苗ブロックPはポット2内にあった下
方側部分をむき出しにした状態で直立姿勢をとる。した
がって苗ブロックPのむき出しの下方側部分をつかんで
引張るとか苗ブロックPを上面側から押すことにより、
図19の苗ブロック把持状態から苗把持部4を弾性的に
若干拡開させつつ図16に示すように苗保持枠3から苗
ブロックPを直立姿勢のままで下方向きに取出し、図2
0,21に示すようにそのまま下方向きに移動させて圃
場に植付けることができる。
【0009】図7−11に例示する苗分離用補助具6を
育苗器に設けると、育苗後に図9に例示するように押圧
部材7による押圧でポット2に内側方向きの変形を生じ
させることにより苗ブロックPの周面に凹みが生じ、次
いで押圧部材7をポット2から外しポット形状が復元し
たときに、図10に例示するようにポット2の内面と苗
ブロックPの周面間に若干の空隙が生じ、このため図1
1に例示するように苗トレー1から苗保持枠3を取外す
ときポット2からの苗ブロックPの分離が容易とされ、
所要のように苗ブロックPを保持させたままで苗保持枠
3を取外す作業が容易となる。図12−14或は図15
に例示する苗分離用補助具8を設けると、育苗後に図1
4或は図15の右側に示すように押出杆9をポット2内
に突入させることによりポット2内から苗ブロックPを
上方向きに押出し、これによって苗保持枠3を苗ブロッ
クPごと苗トレー1から容易に取外せる。
【0010】
【実施例】図1−3が第1の実施例を示しており、それ
ぞれ適宜の合成樹脂からほぼ板状のものに形成されてい
る、比較的剛性に富む苗トレー1及び比較的弾性変形性
に富む苗保持枠3は図2に示すように、倒立四角錐台状
に形成された多数の前記ポット2及び苗把持部4を、そ
れぞれマトリックス状に配置して設けられている。苗ト
レー1に対し苗保持枠3を位置決めするために、苗トレ
ー1の上面に位置決めピン1aを突設すると共に該ピン
1aを嵌合させる位置決め用の透孔3aを苗保持枠3に
設けてある。苗トレー1に対する苗保持枠3の取付け状
態を固定するために苗トレー1の上面周端部に適当数の
クリップ1bを一体形成して、苗保持枠3の周端縁を把
持させることとしてある。苗トレー1にはまた長さ方向
の両端中央部で、図2に一端のもののみを図示した把手
1cを突設してある。前記脚部1eは苗トレー1の四隅
部に配して設けられている。苗保持枠3は横幅方向の両
端部に、一連の係合孔3bを有する。
【0011】図1に示すように苗トレー1はポット2間
に配置の段付け嵌合い部1dを上面部に有し、この嵌合
い部1dに外嵌する嵌合い溝3cを苗保持枠3の下面部
に、苗把持部4間に配置して設けてある。図1,3に示
すようにポット2の底には開口2aが設けられ、また苗
把持部4の四隅部には該苗把持部4の弾性を高めるため
のノッチ4aを設けてある。苗トレー1及び苗保持枠3
が図1,3に示すように組付けられて育苗に用いられ、
その後に苗保持枠3が育苗後の苗ブロックPごと苗トレ
ー1から取外されるのは、前述した通りである。
【0012】図4は第2の実施例を示しており、本実施
例では何れも倒立四角錐台又は倒立円錐台状の輪郭を有
するものに形成されているポット2及び苗把持部4につ
いて、ポット2の傾斜角度αよりも苗把持部4の傾斜角
度βの方を大きく設定してある。角度βを比較的大きく
することによっては育苗後の苗ブロックPを保持する苗
保持枠3を移植機に前述の態様でのせた状態において、
苗把持部4に弾性把持された苗ブロックPが機体の振動
により若干ずり下がる現象が確実に防止される。
【0013】図5は第3の実施例を示しており、本実施
例では倒立四角錐台又は倒立円錐台状の輪郭を有するも
のに形成されているポット2の上端部内に、同様の輪郭
を有する苗把持部4を嵌合することとしている。また第
1,第2の実施例で苗トレー1の上面部に設けた段付け
嵌合い部1d対応の部分を段部を有しないものとし、苗
保持枠3の嵌合い溝3cの内底面で苗保持枠3の下面に
衝合させることとして、形状を簡素とし成形の容易化を
図っている。図5の右端の育苗区画について示したよう
に苗ブロックPは苗把持部4の下端縁に衝合する段部を
有するものとなるが、前述のように苗ブロックPは苗把
持部4から下方向きに取出すものに意企されているから
何らの不都合も生じない。
【0014】図6は第4の実施例を示しており、本実施
例では苗把持部4が倒立四角錐台又は倒立円錐台状の輪
郭を有するものに形成されているのに対し、苗トレー1
のポット2を上端部分は倒立四角錐台又は倒立円錐台状
であるが残りの部分、つまり下方側部分は四角柱又は円
柱状である輪郭を有するものに形成している。ポットの
下方側部分を柱体状輪郭のものとすると、育苗後の苗ブ
ロックPを苗保持枠3ごと取外すときポット2からの苗
ブロックPの分離がやや困難となるが、前述のような苗
分離用補助具6又は8を利用することによってポット2
からの苗ブロックPの確実且つ容易な分離を得ることが
できる。本実施例によれば苗ブロックPの下方側部分が
角柱又は円柱状のものとなるから、移植機上で苗ブロッ
クPの下方側部分を爪等の挟持具でつかんで下方向きに
引き出すときに挟持具の挟持力が均等に加えられること
になる。
【0015】図7は前述の苗分離用補助具6を示し、図
8−11はその使用法を図解している。本補助具6は図
2に全体を示した苗トレー1に外挿可能な寸法の外枠6
aを有し、この外枠6aの長手方向両端の枠体間に、苗
トレー1のポット2の縦列間に臨ませうる複数本の前記
押圧部材7を架渡している。図例では押圧部材7として
パイプを用いているが、中実の杆体とかローラ等も用い
うる。使用法は前述した通りで、育苗期間の満了後に先
ず図8に示すように苗保持枠3を装備する苗トレー1を
補助具6の枠体6a内に上方から嵌合し、次に図9に示
すように苗保持枠3ごと苗トレー1を押下げて前述の通
りポット2及び苗ブロックPに変形を生じさせる。苗ト
レー1の前記把手1cはこの押下げ量を、枠体6a上端
縁への接当により規制するストッパ兼用のものとされて
いる。その後に図10に示すようにポット2を押圧部材
7から外し形状を復元させることでポット内面と苗ブロ
ック周面間に若干の空隙が生じ、このため図11に示す
苗ブロックPごとの苗保持枠3の取外しが容易に行われ
ることは、前述した通りである。
【0016】図12は前述の苗分離用補助具8を示し、
図13,14はその使用法を図解している。本補助具8
は長手方向の両端に上向き突出の立縁部8aを有する板
状体に、マトリックス状に配置した多数の前記押出杆9
を溶着して取付けてあるものとされている。立縁部8a
は苗トレー1の長手方向両端の外面に摺接することとな
る位置に配置され、図14に示すように苗トレー1の把
手1cの下面への接当によりポット2内への押出杆9の
突入量を規制する高さ寸法のものとされている。本補助
具8の使用法も前述した通りであり、図13に示すよう
に前記クリップ1bを苗保持枠3から外した状態の下で
図14に示すように押出杆9をポット2内に開口2aを
通して突入させ、苗ブロックPをポット2内から押出す
ことにより苗保持枠3を上方向きに取外す。
【0017】図15は苗分離用補助具8の変形例を示
し、本補助具8はポット2の下端部分を嵌合状態で受入
れ可能なポット受10を有する。図12に図示したのと
同様の板状体に溶着固定された押出杆9はポット受10
内に突入させてあり、ポット受10の抜止めをするヘッ
ド9aを上端に有する。ポット受10は押出杆9の外周
に配置のコイルばね11によって、上方向きに移動附勢
されている。図15の左側に示すようにポット2の下端
部分をポット受10に受けさせた状態とし、この状態か
ら苗保持枠3ごと苗トレー1を押下げて図15の右側に
示すように押出杆9をポット2内に突入させると、ヘッ
ド9aに押されて苗ブロックPがポット2内から押出さ
れると同時に苗保持枠3が上方向きに取外される。
【0018】以下、移植機での使用例を挙げて本発明育
苗器の有利性を説明する。図16には自走式のものに構
成された移植機を示してあり、この移植機は左右1対宛
の前輪13と後輪14を備え、エンジン15は機体前部
に搭載してある。エンジン15の後部にはミッションケ
ース16を連設してあり、このミッションケース16の
両側に後下方向きに傾斜する左右のチェンケース17を
取付け、このチェンケース17端に後輪14を装備させ
て左右の後輪14の駆動により移植機を走行させること
としてある。18は機体から後上方向きに延出させた操
縦ハンドルを示す。本移植機は圃場に形成された畝R間
の溝内で前後輪13,14を走行させ、畝Rの中央部に
溝Gを形成しつつ該溝G内に苗ブロックPを移植した上
で覆土することにより、所要の移植を行うものとされて
いる。
【0019】図16,17に示すように移植機には、ミ
ッションケース16の前端上方部から操縦ハンドル18
にまでかけて後端部のみを後上方向きに傾斜させてある
苗載台20を、左右往復動可能に設けてある。苗ブロッ
クPを保持する苗保持枠3は、この苗載台20上に前後
動可能にのせることとされている。すなわち苗載台20
はその周縁を区画する枠体の前後の端縁間に適当本数の
案内ロッド20aを架渡してなり、前端部は機枠に設け
た左右方向のレール21に支承させてある。この苗載台
20の前半部の左右両側には1対の縦搬送帯22を装備
させてあり、苗保持枠3は両側の前記係合孔3bに縦搬
送帯22の搬送爪22aを係合させた状態で、案内ロッ
ド20a上で苗載台20に載置することとされている。
図17に示す位置Wが苗保持枠3からの苗取出し位置と
されており、苗保持枠3において苗ブロックPを把持す
る各苗把持部4は同位置Wに、苗載台20の横送りと苗
載台20上での苗保持枠3の縦送りとによって順次もた
らされることとされている。
【0020】図17に示した上記苗取出し位置Wの下方
と上方には、図16,18に示す苗取爪24と苗押出杆
25が設けられている。このうち苗取爪24は、ミッシ
ョンケース16に取付けて後方向きに延出させたチェン
ケース26の後端に伝動軸27と一体回動するロータリ
ケース28を装備させると共に、このロータリケース2
8内の伝動機構(図示せず)により、該ケース28外へ
突出する回転軸29と一体回動するロータリアーム30
を設けて、このロータリアーム30に支持させてある。
すなわち図19に示すようにロータリアーム30端には
台板31を水平支軸50まわりで回動可能に支持させ、
この台板31に1対の鉛直支点軸32まわりで回動可能
な1対の爪体24aを支持させて、この爪体24aの開
閉回動により苗ブロックPを挟持及び挟持解除する苗取
爪24が構成されている。苗取爪24は両爪体24a間
に配設したコイルばね32により開放され、両爪体24
aの基端に取付けたカム33を空気圧シリンダ34によ
って作動させることにより閉鎖されるものとされてい
る。
【0021】図16,18に示すようにロータリケース
28の前方側でチェンケース26に取付けた水平な伝動
ケース36端から後上方向きのチェンケース37を立上
らせてあり、このチェンケース37端に横送りケース3
8を取付けてある。図16−18に示すように横送りケ
ース38には前方向きに延出するチェンケース39が取
付けられ、このチェンケース39の基端に立上りケース
部39aを設けてある。そして立上りケース部39に横
向きの伝動ケース40を取付けて、この伝動ケース40
に苗押出しケース41を装着し、該ケース41に苗取出
し位置Wの上方に臨む前記苗押出杆25を装備させてあ
る。
【0022】図17に明瞭に示すように横送りケース3
8内で回転駆動される往復送りねじ43を左右方向に沿
わせて設けてあり、苗載台20はそれに取付けた左右1
対のナット部材20bを往復送りねじ43に螺合して、
田植機において周知であるように往復横送りされること
としてある。またチェンケース39の前端部内で回転駆
動される縦送り軸44を左右方向に沿わせて設けてあ
り、この縦送り軸44の両端部に駆動カム45を取付け
ると共に両縦搬送帯22を駆動するための搬送帯駆動軸
46に左右1対の従動カム47を取付け、田植機におい
て周知であるように苗載台20の各横送り端で縦搬送帯
22を駆動し、もって苗保持枠3を所定量宛後方向きに
縦搬送することとされている。また苗押出杆25は、伝
動ケース40内の伝動軸48により駆動されるカム機構
(図示せず)を苗押出しケース41内に設けて、田植機
の植付爪間に設けられる苗押出杆同様に所定時にのみ突
出動させて、苗取出し位置Wにある苗ブロックPの上面
を押させるものとされている。
【0023】前記ロータリケース28は伝動軸27まわ
りで該軸と共に、図19に矢印Aで示すように反時計方
向に回動せしめられるものとされ、これによってロータ
リアーム30を介し苗取爪24を図19の上昇端位置か
ら図21の下降端位置まで下降させた上で再び図19の
上昇端位置まで上昇させることとされている。そしてロ
ータリアーム30はロータリケース28が1回動する間
に図19に矢印Bで示すように回転軸29と共に時計方
向に1回動せしめられるものとされ、このように回動す
ることで前記台板31と苗取爪24の姿勢を水平姿勢に
維持することとしてある。このためさらに図18,19
に示すように台板31に前記水平支点軸50まわりで回
動するアーム51を取付けて、このアーム51端にガイ
ドローラ52を装備させ、該ガイドローラ52を機枠に
固定した鉛直なガイドレール53に支承させてある。苗
取爪24にはまた、爪体24a間に位置する苗押出板5
4も配設してあり、この苗押出板54は空気圧シリンダ
55により苗取爪24先端向きに突出動せしめられるも
のとされている。
【0024】図16,18に示すように前記チェンケー
ス26にステー57を介して、後端を開放する平面視コ
の字形の鉛直な苗誘導枠58を固定支持させてあり、こ
の苗誘導枠58の前面に溝G形成用の溝切り具59を一
体形成してある。苗誘導枠58から適当間隔おいた後方
側には、機枠に支持させた左右1対の鎮圧ローラ60を
設けてある。図16において61は前記した空気圧シリ
ンダ34,55に圧縮空気を供給するためのコンプレッ
サで、ミッションケース16の外面上に該ケース16内
から駆動を受けるように設置されている。
【0025】以上に説明した移植機による移植作業時に
は機体を走行させつつ、先ず図19の上昇端位置で苗保
持枠3の下面側で苗取出し位置にある苗ブロックPの両
側に爪体24aが臨むものとされている苗取爪24を、
空気圧シリンダ34の作動により閉鎖させて苗ブロック
Pを挟持させる。この苗ブロックPの確実な挟持を得る
ため苗取爪24は上昇端位置で、ロータリケース28の
回動停止により一旦停止させることとしてある。次にロ
ータリケース28の矢印A方向への回動再開により苗取
爪24の下降を開始させるのと同時に苗押出杆25を突
出動させて苗ブロックPの上面を押させ、このようにし
て苗ブロックPに加えられる引出し力と押出力により苗
把持部4を若干拡開させつつ、図16に示すように苗ブ
ロックPを直立姿勢のままで苗把持部4から下方に抜出
させる。苗取爪24を引続いて下降させることにより、
図20に示すように該苗取爪24は水平姿勢を維持しつ
つ下降して行って図21の下降端位置に到達する。この
下降端位置でもロータリケース28の回動停止により一
旦停止させることとしてあり、その停止中に空気圧シリ
ンダ34からの空気圧排除により圧縮ばね32作用で苗
取爪24を開放させ苗ブロックPの挟持を解除させるの
と同時に、空気圧シリンダ55を作動させ苗押出板54
を突出動させて、苗ブロックPを苗誘導枠58中に押出
す。苗ブロックPは圃場面の至近位置で解放されて溝G
内へと直立姿勢で落下し、次いで機体の前進に伴い鎮圧
ローラ60による畝Rの鎮圧作用で覆土される。ロータ
リケース28の矢印A方向、ロータリアーム30の矢印
B方向への回動により苗取爪24は水平姿勢のままで上
昇せしめられ、既に次に植付けるべき苗ブロックが送ら
れて来ている苗取出し位置の直下方にまで上昇せしめら
れる。
【0026】このように本発明に係る育苗器で育苗した
苗ブロックは、苗保持枠3に保持させたままで苗トレー
1から取出し、苗保持枠3を水平姿勢で移植機にのせる
ことで直立した姿勢をとらせておいて、各苗把持部4か
ら下方向きに引出すか押出すか、或はその両者の手段で
取出して直立姿勢のまま圃場面まで移動させて植付ける
ことができる。図例の移植機のように苗ブロックPのむ
き出しの下方側部分をつかんで圃場面近くまで下降し植
付けを行う苗取爪を用いることもできるし、苗ブロック
をつかんで引出した上で直ぐに解放するとか、苗ブロッ
クを単に押出すのみで取出すかして、自由落下により圃
場に植付けることもでき、その場合必要なら苗ブロック
を直立姿勢で誘導する鉛直なガイド筒等を設ければよ
い。
【0027】
【発明の効果】以上の説明から明らかなようにこの発明
の育苗器は、苗トレー1のポット2と共に育苗区画を形
成する苗把持部4を有する苗保持枠3を苗トレー1に組
合せ、育苗後の苗ブロックPの上端部分外周面を苗把持
部4に弾性的に把持させた状態で苗保持枠3に保持させ
て苗トレー1から分離させうることとしたものであり、
このように苗トレー1から分離した苗ブロックは下方側
部分をむき出し状態として苗保持枠3に弾性的に保持さ
れているから、多数個の苗ブロックを保持する苗保持枠
3を水平姿勢で移植機にのせ、直立姿勢にある苗ブロッ
クをそのままの姿勢で下方向きに、苗把持部4を弾性的
に若干拡開させつつ取出し、その姿勢のままで圃場面ま
で移動させて植付けできることとする。したがってこの
発明によれば移植機上で苗ブロックの姿勢を変更する必
要がなくなり、苗保持枠3を移植機上で低いレベル位置
にのせて重心位置を下げ移植機の安定した走行性能を確
保できるのはもとより、複雑な姿勢変更機構を無くして
移植機のコストを下げうると共に、苗ブロックの移動径
路を最小限として移植能率を大幅に向上させ、また苗崩
れを極力少なくして安定な移植状態、そしてそれに基づ
く収穫物の品質向上を得ることができる。
【0028】ポット2と苗把持部4をそれぞれ側面視で
倒立截頭錐体台状の輪郭のものとすると(請求項2)、
育苗後の苗ブロックを苗保持枠3に保持させたままでポ
ット2から分離する作業が困難化せず、それに加えて苗
把持部4の側壁をポット2の側壁よりも傾斜角度を大と
するものとし同角度を比較的大きくすると(請求項
3)、苗把持部4内で苗ブロックが振動によりずり下が
る傾向が大きく減らされる。ポット2の下方側部分を柱
体状の輪郭を有するものとすると(請求項4)、苗ロッ
クPの下方側部分が柱体状のものとなって前述の苗取爪
24のような挟持手段を用い苗保持枠3からの苗ブロッ
クの引出しを行う際に、挟持圧が均一に加えられて挟持
性が良くされる。
【0029】請求項5のような脚部1eを苗トレー1
に、該苗トレーが移植機にのせることを予定したもので
なく脚部を設けても邪魔とならないと共に比較的剛性に
富むものに形成して差支えないことを利用して設ける
と、育苗区画内の培土鎮圧及びその後の播種作業を、育
苗器が脚部1eにより安定に支持された状態の下で行え
ると共に、ポット下方への根のはみ出しを避けて育苗区
画内での苗生育を良くするポット下方の空間が脚部1e
によってそのまま提供されることになる。
【0030】請求項6及び請求項7の各苗分離用補助具
6,8によって育苗後の苗ブロックを保持する苗保持枠
3の苗トレー1からの取外しが容易となるのは、前述し
た通りである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の一部分を示す縦断面図で、縦断
面は図3のI−I線に沿う。
【図2】第1の実施例の苗トレーと苗保持枠を分離した
状態で示す斜視図である。
【図3】第1の実施例の一部分を示す平面図である。
【図4】第2の実施例の一部分を示す縦断面図である。
【図5】第3の実施例の一部分を示す縦断面図である。
【図6】第4の実施例の一部分を示す縦断面図である。
【図7】育苗器に附設する苗分離用補助具の一例を示す
斜視図である。
【図8】図7の補助具の使用法を示す縦断面図である。
【図9】図7の補助具の使用法を示す縦断面図である。
【図10】図7の補助具の使用法を示す縦断面図であ
る。
【図11】図7の補助具を使用した上で苗トレーから苗
保持枠を取外した状態を示す縦断面図である。
【図12】育苗器に附設する苗分離用補助具の他例を示
す斜視図である。
【図13】図12の補助具の使用法を示す縦断面図であ
る。
【図14】図12の補助具の使用法を示す縦断面図であ
る。
【図15】図12の補助具の変形例を、その使用法と共
に示す縦断面図である。
【図16】本発明の育苗器で育苗された苗を移植するの
に適合させてある移植機例を示す一部切欠き側面図であ
る。
【図17】図16の移植機の一部の斜視図である。
【図18】図16の移植機の一部の斜視図である。
【図19】図16の移植機の要部を示す縦断側面図であ
る。
【図20】図16の移植機の作用を説明するための側面
図である。
【図21】図16の移植機の作用を説明するための側面
図である。
【符号の説明】
1 苗トレー 1b クリップ 1e 脚部 2 ポット 2a 開口 3 苗保持枠 4 苗把持部 6 苗分離用補助具 7 押圧部材 8 苗分離用補助具 9 押出杆 P 苗ブロック
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01G 9/02 610 A01G 9/02 603

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス状に配置された多数のポッ
    ト(2)を有する苗トレー(1)と、上記ポットの上端
    側で該ポットと組合されて育苗区画を形成し育苗区画内
    の苗ブロックの上端部分外周面を弾性的に把持する多数
    の苗把持部(4)を有し上記苗トレーの上面部に着脱可
    能に取付けられる苗保持枠(3)とを、備えてなる育苗
    器。
  2. 【請求項2】 前記ポット(2)及び前記苗把持部
    (4)をそれぞれ、側面視で倒立截頭錐体台状の輪郭を
    有するものに形成してある請求項1の育苗器。
  3. 【請求項3】 前記ポット(2)の側壁の傾斜角度より
    も前記苗把持部(4)の側壁の傾斜角度の方を大きくし
    てある請求項2の育苗器。
  4. 【請求項4】 前記ポット(2)を側面視で、上端部分
    が倒立截頭錐体台状であり残りの部分が柱体状である
    郭を有するものに形成すると共に、前記苗把持部(4)
    側面視で倒立截頭錐体台状の輪郭を有するものに形成
    してある請求項1の育苗器。
  5. 【請求項5】 前記苗トレー(1)に、前記ポット
    (2)よりも下方の位置まで臨ませた適当数の脚部(1
    e)を設けてある、請求項1から4までの何れか一項の
    育苗器。
  6. 【請求項6】 前記苗トレー(1)の下面側から前記ポ
    ット(2)が形成するポット列間に臨ませうる整列配置
    の複数本の押圧部材(7)を有し、該押圧部材によりポ
    ット列間でポットを押圧して内側方向きの変形を生じさ
    せる苗分離用補助具(6)を設けてある、請求項1から
    5までの何れか一項の育苗器。
  7. 【請求項7】 前記ポット(2)の底に形成した開口
    (2a)からポット内に突入させうる多数の押出杆
    (9)を有する苗分離用補助具(8)を設けてある、請
    求項1から5までの何れか一項の育苗器。
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