JP2966678B2 - 金属銅と樹脂の複合体の製造方法 - Google Patents

金属銅と樹脂の複合体の製造方法

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JP2966678B2
JP2966678B2 JP5025045A JP2504593A JP2966678B2 JP 2966678 B2 JP2966678 B2 JP 2966678B2 JP 5025045 A JP5025045 A JP 5025045A JP 2504593 A JP2504593 A JP 2504593A JP 2966678 B2 JP2966678 B2 JP 2966678B2
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    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/38Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
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    • H05K3/382Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal by special treatment of the metal

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント配線板など金
属銅と樹脂の複合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子材料や構造材料等の分野で有
機材料と金属の複合体が多く使用されている。しかし、
有機材料と金属とは熱膨張率が大きく異なるために、特
に熱の作用する分野で使用される物については有機材料
と金属とが界面で剥離し易く、有機材料と金属の接着界
面の接着性を改善することが大きな課題となっている。
【0003】例えば、電子機器等に使用される多層プリ
ント配線板は、片面乃至両面に銅箔等で回路を形成した
内層用回路板に樹脂含浸基材を介して外層用回路板もし
くは銅箔を重ね、これを積層成形して内層用回路板と外
層用回路板もしくは銅箔とを樹脂含浸基材による接着樹
脂層を介して積層することによって製造されるが、内層
用回路板の回路を構成する金属銅と外層用回路板もしく
は銅箔を積層させる樹脂含浸基材の樹脂との接着性を確
保することが必要である。
【0004】そこで、従来から種々の方法で金属銅と樹
脂との接着性を高めることが検討されており、例えば金
属銅を酸化処理することによってその表面に酸化第二銅
(CuO)の被膜を形成し、接着性を高めることが一般
になされている。銅を酸化処理して得られる酸化第二銅
の被膜の表面には微細な突起が形成されることになり、
この微細な突起による凹凸によって金属銅の表面を粗面
化して、金属銅と樹脂との接着性を高めることができる
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属銅
を酸化することによって表面に形成される酸化第二銅は
酸に溶解し易いため、多層プリント配線板を孔あけ加工
して設けたスルーホールにスルーホールメッキをする際
に化学メッキ液や電気メッキ液に浸漬すると、スルーホ
ールの内周に露出する金属銅の断面部分の酸化第二銅層
がメッキ液の酸に溶解し、スルーホールの内周から金属
銅と樹脂との界面を酸が浸入して溶解侵食が発生し、い
わゆるピンクリング(ハローともいう)が生じるおそれ
がある。多層プリント配線板の高密度化が進むにつれて
スルーホール間やスルーホールと配線回路の間の距離が
接近する傾向にある近年、このようなピンクリングの発
生は多層プリント配線板の信頼性を低下させる重大な問
題となるものである。
【0006】このような問題に対処するために、金属銅
を酸化して酸化第二銅の被膜を形成した後にこの酸化第
二銅の被膜を還元処理することによって酸に溶解しない
金属銅に還元し、ピンクリングの発生を低減することが
提案されており、一定の効果が得られている。しかし酸
化第二銅の被膜を完全に還元することは事実上不可能で
あり、ピンクリングの発生を低減することはできてもピ
ンクリングの発生を皆無にすることはできないものであ
った。尚、本発明において「酸化」とは銅表面に酸化第
二銅を形成して表面が著しく黒色化すること(一般に黒
化処理と称される)を意味するものであり、「水酸化」
は含まない。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、金属銅の表面を酸化処理することなく金属銅と樹
脂との間の接着性を向上させると共に、ピンクリング発
生を皆無にすることができる金属銅と樹脂との複合体の
製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る金属銅と樹
脂との複合体の製造方法は、酸化剤と塩基性物質を用い
て銅表面を処理して、銅表面の酸化銅量を0.5g/m
2 以下に調整すると共に銅表面の水酸基を富化した後、
カップリング剤を介してこの銅表面に樹脂を積層接着さ
せることを特徴とするものである。
【0009】また本発明にあって、酸化剤と塩基性物質
を用いて処理した銅表面の色相がマンセル色票の5YR
で、明度が4〜7の範囲で、彩度が2〜10の範囲であ
ることが好ましい。さらに本発明にあって、酸化剤と塩
基性物質を用いた銅表面の処理温度が50℃以下である
ことが好ましい。
【0010】そして本発明では、カップリング剤として
シランカップリング剤を用いることが好ましい。以下、
本発明を金属銅と樹脂の複合体として多層プリント配線
板を例にとって詳細に説明する。内層用回路板として
は、銅箔を張った銅張ガラスエポキシ樹脂積層板、銅張
ガラスポリイミド樹脂積層板等の銅箔をエッチング処理
等することによって、片面もしくは両面に金属銅による
銅回路を設けて形成したものを使用することができる
が、その他、積層板に化学メッキや電気メッキで金属銅
による銅回路を片面もしくは両面に形成したものなどを
使用することもできる。そしてまずこの内層用回路板の
表面を粗面化処理するのが好ましい。粗面化処理は、バ
フ研磨、ソフトエッチング等による化学薬品処理、電解
処理、液体ホーニングなどを単独で、あるいは組み合わ
せておこなうことができる。この粗面化処理は回路形成
前の銅箔におこなっても、また回路形成後の銅回路にお
こなってもいずれでもよい。
【0011】上記のように内層用回路板の表面を粗面化
処理した後に、金属銅、すなわち銅回路の表面の水酸基
(OH基)を富化する処理をおこなう。金属銅の銅回路
の表面に水酸基を富化する処理は、本発明では酸化剤と
塩基性物質を用いておこなうことができる。すなわち、
酸化剤によって銅表面を Cu→Cu+ 又はCu2+ とすると共に、塩基性物質によって Cu+ 又はCu2+→Cu−OH とし、効果的に銅表面に水酸基を富化することができる
ものである。
【0012】具体的には、亜塩素酸ナトリウム等の亜塩
素酸塩、次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩、ペル
オクソ二硫酸カリウム等のペルオクソ二硫酸塩などの酸
化剤と、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウ
ムメトキサイド等の塩基性物質を溶解した液に金属銅を
浸漬したり、この液を金属銅にスプレーしたりすること
によって、銅表面に水酸基を富化する処理をおこなうこ
とができる。これらの酸化剤を用いる他に、酸化剤とし
てオゾン等の酸化性ガスを用いて銅表面を処理した後、
上記の塩基性物質を溶解した液に浸漬したりスプレーし
たりすることによっても、銅表面に水酸基を富化する処
理をおこなうことができる。
【0013】ここで、酸化剤と塩基性物質を用いて銅表
面を上記のように処理するにあたって、処理に伴って銅
表面に銅酸化物(主として酸化第二銅)が生成されるこ
とがあるが、処理した銅表面の酸化銅量が0.5g/m
2 以下、好ましくは0.2g/m2 以下になるように上
記の処理をおこなうものである。銅表面に酸化銅が0.
5g/m2 を超えて生成されると、酸化銅が酸に溶解し
てピンクリングが発生するおそれがある。尚、本発明に
おいて酸化銅量は、酸化剤と塩基性物質による処理後の
金属銅を17.4%塩酸に25℃で10分間浸漬し、溶
解した銅量をキレート滴定法で定量したものである。
【0014】また、酸化剤と塩基性物質を用いて銅表面
を上記のように処理するにあたって、処理後の銅表面の
色相がマンセル色票の5YRで、明度が4〜7の範囲、
彩度が2〜10の範囲になるように上記の処理をおこな
うものである。明度が4未満や彩度が2未満とこれらの
数値が小さくなると黒色に近づくことになるが、本発明
では明度が4より小さくならず彩度が2より小さくなら
ないように処理をおこなうものである。銅表面に生成さ
れる銅酸化物の量が多くなると銅表面の色はこれらの数
値を超えて小さくなって、ピンクリングが発生し易くな
る。すなわち本発明の上記処理は、銅表面が金属銅色又
は金属銅色よりわずかに暗くなる程度の処理としておこ
なわれるものである。
【0015】上記のように酸化剤と塩基性物質を用いて
銅表面を処理した後に、銅表面をカップリング剤処理す
る。カップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリ
ング剤や、テトラ−n−ブトキシチタン、イソプロピル
トリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス
(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプ
ロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネ
ート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブ
チル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、
ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネ
ート等のチタネートカップリング剤、あるいはジルコニ
ウムブチレート等のジルコニウムカップリング剤を用い
ることができるが、なかでもシランカップリング剤が高
い接着性を得る上で好ましい。カップリング剤は水やア
ルコール類等に希釈して用いられるものであり、その濃
度は限定されるものではないが0.1〜30重量%が好
ましい。またカップリング剤の加水分解を促進するため
に少量の酢酸や塩酸等の酸を添加することもできる。カ
ップリング剤による処理は、カップリング剤溶液に金属
銅を浸漬したり、金属銅の表面にカップリング剤溶液を
スプレーしたりして、金属銅の表面にカップリング剤を
塗布することによっておこなうことができる。このよう
に金属銅による銅回路の表面にカップリング剤を塗布す
るにあたって、銅回路の表面には上記のように水酸基が
富化されているために、この富化された水酸基にカップ
リング剤が反応して、カップリング剤と銅回路の表面と
の反応性を高めて銅表面へのカップリング剤の結合力を
高めることができるものである。
【0016】上記のようにカップリング剤で処理した内
層用回路板を自然乾燥あるいは加熱乾燥、真空乾燥等し
た後、通常の工程で多層プリント配線板を製造すること
ができる。すなわちガラス布等の基材にエポキシ樹脂、
ポリイミド樹脂、シアネートエステル樹脂やその変性樹
脂等の熱硬化性樹脂を単独であるいは複数組み合わせて
含浸させると共に加熱乾燥することによって樹脂含浸基
材(プリプレグ)を作成し、内層用回路板に樹脂含浸基
材を介して外層用回路板(あるいは他の内層用回路板)
やもしくは銅箔を重ね、これを加熱加圧して積層成形す
ることによって、樹脂含浸基材を接着樹脂層として多層
に積層した多層板を得ることができる。この多層板にあ
って、内層用回路板の銅回路の表面にはカップリング剤
が塗布されているために、カップリング剤による化学的
架橋効果で銅回路の表面と樹脂含浸基材の樹脂との接着
性を高く得ることができるものであり、しかも水酸基が
富化された銅回路の表面に対するカップリング剤の結合
力が高められているために、銅回路の表面と樹脂含浸基
材の樹脂との接着性をさらに高めることができるもので
ある。そしてこの多層板にスルーホールをドリル加工し
て設けると共に化学メッキ等によってスルーホールメッ
キを施し、さらにエッチング等の処理をして外層回路を
形成することによって、多層プリント配線板を製造する
ことができる。このようにスルーホールメッキを施すに
あたって、銅表面に酸化処理をおこなっていないため
に、酸の溶解侵食の発生がなくなり、ピンクリングの発
生を皆無にすることができるものである。
【0017】上記の例では、内層用回路板の銅回路の表
面に水酸基を富化する処理をおこなった後に、銅回路の
表面にさらにカップリング剤を塗布して処理するように
したが、カップリング剤による処理は樹脂含浸基材にお
こなうようにすることもできる。例えば、樹脂含浸基材
をカップリング剤溶液に浸漬したり、樹脂含浸基材の表
面にカップリング剤溶液をスプレーしたりすることによ
り、樹脂含浸基材の銅回路との接着表面にカップリング
剤を塗布することができる。そしてこのようにカップリ
ング剤で処理した樹脂含浸基材を、銅回路の表面に水酸
基を富化する処理をした内層用回路板に重ね、上記と同
様にして多層積層成形することによって樹脂含浸基材を
接着樹脂層として多層に積層した多層プリント配線板を
得ることができるものであり、このものにあってもカッ
プリング剤を介して銅回路に樹脂を接着性高く接着させ
ることができるものである。
【0018】以上では金属銅と樹脂の複合体として多層
プリント配線板を例にとって説明したが、多層プリント
配線板に限定されず単層のプリント配線板にも本発明を
適用できるのはいうまでもない。また、本発明の処理
は、積層する前の銅箔に施したり、また銅コアや銅ベー
スのプリント配線板における銅板に施したりすることも
できるものである。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例によって詳述する。 (実施例1) 両面に厚み35μmの銅箔を張って形成した150
mm×150mm×0.7mmのガラス布基材エポキシ
樹脂積層板の銅箔表面をソフトエッチングして化学研磨
した後、エッチング加工して銅回路を形成することによ
って内層用回路板を作成した。 次に、 次亜塩素酸ナトリウム …1.6リットル 水酸化ナトリウム …40g 水 …1.6リットル の組成の処理浴を30℃に調整し、この処理浴に内層用
回路板を3分間浸漬することによって銅回路の表面を処
理して銅回路の表面に水酸基を富化した。この後、内層
用回路板の表面を水洗し、80℃で30分間乾燥した。 次に、 γアミノプロピルトリエトキシシラン …120g イソプロピルアルコール …3kg の組成でカップリング剤溶液を調製し、このカップリン
グ剤溶液を縦型のディップ槽に入れ、で処理した内層
用回路板を1分間浸漬した後、ディッピング速度15c
m/minでカップリング剤処理した。処理後、内層用
回路板を一昼夜放置し、さらに80℃で3時間乾燥し
た。 上記のように処理した内層用回路板の両面に、厚み
0. 1mmのガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグを3
枚ずつ重ねると共に、さらにその外側に厚み18μmの
銅箔を重ね、6.7×10-3パスカルに減圧下、170
℃、40kg/cm2 、120分間の条件で二次積層成
形することによって、四層回路構成の多層板を得た。
【0020】(実施例2)実施例1におけるの工程の
処理浴を 亜塩素酸ナトリウム …180g リン酸三ナトリウム …30g 水酸化ナトリウム …25g 水 …3kg の組成で30℃に調整し、この処理浴に内層用回路板を
1分間浸漬することによって銅回路の表面を処理して銅
回路の表面に水酸基を富化した。この後、内層用回路板
の表面を水洗し、80℃で30分間乾燥した。
【0021】以後は実施例1のの工程と同様にして
四層回路構成の多層板を得た。 (実施例3)実施例1におけるの工程の処理浴を ペルオクソ二硫酸カリウム …50g 水酸化ナトリウム …100g 水 …3kg の組成で25℃に調整し、この処理浴に内層用回路板を
1分間浸漬することによって銅回路の表面を処理して銅
回路の表面に水酸基を富化した。この後、内層用回路板
の表面を水洗し、80℃で30分間乾燥した。
【0022】以後は実施例1のの工程と同様にして
四層回路構成の多層板を得た。 (実施例4)実施例1におけるの工程のカップリング
剤溶液を、 N−βアミノエチルγアミノプロピルトリメトキシシラン …30g 水 …3kg の組成で調製し、処理条件及び処理方法等は実施例1と
同様にしてカップリング剤処理した。
【0023】以後は実施例1のの工程と同様にして四
層回路構成の多層板を得た。 (実施例5)実施例1におけるの工程のカップリング
剤溶液を、 γアミノプロピルトリエトキシシラン …20g 水 …3kg 0.05N−HCl水溶液 …30g の組成で調製し、処理条件及び処理方法等は実施例1と
同様にしてカップリング剤処理した。
【0024】以後は実施例1のの工程と同様にして四
層回路構成の多層板を得た。 (実施例6) 両面に厚み35μmの銅箔を張って形成した150
mm×150mm×0.7mmのガラス布基材エポキシ
樹脂積層板の銅箔表面をソフトエッチングして化学研磨
した後、エッチング加工して銅回路を形成することによ
って内層用回路板を作成した。 次に、この内層用回路板を紫外線によるオゾン発生
装置内に置き、オゾンで2分間表面処理をおこなった
後、直ちに ナトリウムメトキサイド …125g メタノール …3kg 水 …250g の組成で30℃に調整した処理浴に5分間浸漬すること
によって銅回路の表面に水酸基を富化した。この後、内
層用回路板の表面を水洗し、80℃で30分間乾燥し
た。
【0025】以後は実施例1のの工程と同様にして
四層回路構成の多層板を得た。 (比較例1)実施例1において、の工程の後、の水
酸基を銅回路の表面に富化する処理をおこなわずに、そ
のままのカップリング処理をし、さらにの工程で四
層回路構成の多層板を得た。
【0026】(比較例2) 両面に厚み35μmの銅箔を張って形成した150
mm×150mm×0.7mmのガラス布基材エポキシ
樹脂積層板の銅箔表面をソフトエッチングして化学研磨
した後、エッチング加工して銅回路を形成することによ
って内層用回路板を作成した。 次に、 次亜塩素酸ナトリウム …180g リン酸三ナトリウム …30g 水酸化ナトリウム …25g 水 …3kg の組成の処理浴を90℃に調整し、この処理浴に内層用
回路板を1分間浸漬することによって銅回路の表面を酸
化処理(黒化処理)した。この後、内層用回路板の表面
を水洗し、80℃で1時間乾燥した。 次に、のカップリング剤処理をおこなうことな
く、上記のように処理した内層用回路板の両面に、厚み
0. 1mmのガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグを3
枚ずつ重ねると共に、さらにその外側に厚み18μmの
銅箔を重ね、170℃、40kg/cm2 、120分間
の条件で二次積層成形することによって、四層回路構成
の多層板を得た。
【0027】(比較例3) 比較例2と同様におこなった。 比較例2と同様に酸化処理をおこなった。 次に、 γアミノプロピルトリエトキシシラン …120g イソプロピルアルコール …3kg の組成でカップリング剤溶液を調製し、このカップリン
グ剤溶液を縦型のディップ槽に入れ、で処理した内層
用回路板を1分間浸漬した後、ディッピング速度15c
m/minでカップリング剤処理した。処理後、内層用
回路板を一昼夜放置し、さらに80℃で3時間乾燥し
た。 比較例2と同様にして四層回路構成の多層板を得
た。
【0028】上記実施例1〜6及び比較例1〜3におい
て、の工程で二次積層成形をおこなう前の内層用回路
板について、銅回路の表面の酸化銅量を測定し、さらに
銅回路の表面の色をマンセル表色系で測定した。結果を
表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】また、上記の実施例1〜6及び比較例1〜
3で得られた多層板について、銅箔引き剥し強度、煮沸
半田耐熱性、耐塩酸性の試験をおこない、結果を表2に
示した。銅箔引き剥し強度の試験は、多層板を常態及び
二時間煮沸処理した後、内層回路板の銅回路を形成する
35μm銅箔とプリプレグ(樹脂含浸基材)による接着
樹脂層との間の引き剥し強度を測定することによってお
こなった。煮沸半田耐熱性の試験は、多層板を2時間煮
沸処理した後、260℃の半田浴に30秒浸漬したとき
の、デラミネーションが発生した枚数を示す(例えば
「2/5」は5枚中2枚にデラミネーションが発生した
ことを意味する)。耐塩酸性の試験は、多層板に0.4
mmφのドリル孔明けし、この孔明けした多層板を25
℃に調整した17.4%のHCl水溶液に10分間浸漬
した後、内層用回路板の外側のプリプレグ及び表面の銅
箔をエッチングなどで除去し、露出した内層用回路板を
50倍の顕微鏡で観察して、孔内にピンクリングが発生
しているか否かを評価しておこない、ピンクリングの発
生無しを「○」で、ピンクリングの発生有りを「×」で
示した。
【0031】
【表2】
【0032】表2にみられるように、各実施例のものは
いずれも、銅回路を酸化処理した比較例2や比較例3と
同等の銅箔引き剥がし強度や煮沸半田耐熱性を示し、金
属銅と樹脂との接着性が高いことが確認される。また銅
回路を酸化処理した比較例2や比較例3ではピンクリン
グが発生して耐塩酸性が低いが、各実施例のものではい
ずれもピンクリングが全く発生せず、耐塩酸性が優れて
いることが確認される。
【0033】(実施例7) 500mm×400mm×厚み0.5mmの銅板2
枚をバフ研磨した後、それぞれに直径1.5mmの通孔
を1.8mmピッチで縦100個×横60個の個数設け
た。 次に、 次亜塩素酸ナトリウム …1.6リットル 水酸化ナトリウム …40g 水 …1.6リットル の組成の処理浴を30℃に調整し、この処理浴にの銅
板を3分間浸漬することによって銅板の表面を処理して
表面に水酸基を富化した。この後、銅板の表面を水洗
し、80℃で30分間乾燥した。 次に、 γアミノプロピルトリエトキシシラン …120g イソプロピルアルコール …3kg の組成でカップリング剤溶液を調製し、このカップリン
グ剤溶液を縦型のディップ槽に入れ、で処理した銅板
を1分間浸漬した後、ディッピング速度15cm/mi
nでカップリング剤処理した。処理後、銅板を一昼夜放
置し、さらに80℃で3時間乾燥した。 次に、厚み0.1mmのガラス布基材エポキシ樹脂
プリプレグを3枚重ね、この上にで処理した一枚の銅
板を重ねると共に銅板の各通孔にEガラスの球状粉末を
400PHR配合したエポキシ樹脂を充填し、さらにこ
の上に厚み0.1mmのガラス布基材エポキシ樹脂プリ
プレグを3枚重ね、この上にで処理した他の一枚の銅
板を重ねると共に銅板の各通孔にEガラスの球状粉末を
400PHR配合したエポキシ樹脂を充填し、そしてさ
らにこの上に厚み0.1mmのガラス布基材エポキシ樹
脂プリプレグを3枚重ねた。 次に、これらの両面の外側に厚み18μmの銅箔を
重ね、6.7×10-3パスカルに減圧下、170℃、4
0kg/cm2 、120分間の条件で二次積層成形する
ことによって、銅板コア多層板を得た。
【0034】(実施例8) 実施例7と同様に2枚の銅板に通孔を設けた。 次に、この銅板を紫外線によるオゾン発生装置内に
置き、オゾンで2分間表面処理をおこなった後、直ちに メタノール …2.5kg ナトリウムメトキサイド …100g 水 …200g の組成で25℃に調整した処理浴に銅板を10分間浸漬
することによって表面に水酸基を富化する処理をした。
この後、銅板の表面を水洗し、80℃で30分間乾燥し
た。
【0035】以後は実施例7のの工程と同様にし
て銅板コア多層板を得た。 (実施例9)実施例7におけるの工程の前に、 テトラ−n−ブトキシチタン …30g n−ブタノール …3kg の組成でカップリング剤溶液を調製し、このカップリン
グ剤溶液を縦型のディップ槽に入れ、で処理した銅板
を1分間浸漬した後、ディッピング速度10cm/mi
nでカップリング剤処理し、処理後、銅板を一昼夜放置
し、さらに100℃で3時間乾燥した。この後はの工
程から実施例7と同様にして銅板コア多層板を得た。
【0036】(実施例10)実施例7におけるの工程
のカップリング剤溶液を、 γアミノプロピルトリエトキシシラン …90g テトラ−n−ブトキシチタン …30g n−ブタノール …3kg の組成で調製し、このカップリング剤溶液を縦型のディ
ップ槽に入れ、の工程で処理した銅板を1分間浸漬し
た後、ディッピング速度15cm/minでカップリン
グ剤処理した。処理後、銅板を一昼夜放置し、さらに1
00℃で3時間乾燥した。この後はの工程から実施例
7と同様にして銅板コア多層板を得た。
【0037】(実施例11)実施例7におけるの工程
のカップリング剤溶液を、 γアミノプロピルトリエトキシシラン …50g ジルコニウムブチレート …10g トルエン …3kg の組成で調製し、このカップリング剤溶液を縦型のディ
ップ槽に入れ、の工程で処理した銅板を1分間浸漬し
た後、ディッピング速度15cm/minでカップリン
グ剤処理した。処理後、銅板を一昼夜放置し、さらに1
20℃で1時間乾燥した。この後はの工程から実施例
7と同様にして銅板コア多層板を得た。
【0038】(比較例4)実施例7において、の工程
の後、の水酸基を富化する工程及びのカップリング
処理の工程をおこなわず、そのままの工程で銅板コ
ア多層板を得た。 (比較例5)実施例7において、の工程の後、の水
酸基を富化する工程をおこなわず、の工程で銅板
コア多層板を得た。
【0039】(比較例6) 実施例7と同様に2枚の銅板に通孔を設けた。 次に、 亜塩素酸ナトリウム …180g リン酸三ナトリウム …30g 水酸化ナトリウム …25g 水 …3kg の組成の処理浴を90℃に調整し、この処理浴にの銅
板を1分間浸漬することによって銅板の表面を酸化処理
(黒化処理)して酸化第二銅の被膜を形成した。この
後、銅板の表面を水洗し、80℃で1時間乾燥した。次
にのカップリング剤処理をおこなうことなく、そのま
まの工程で銅板コア多層板を得た。
【0040】(比較例7)比較例6のの工程をおこ
なった後、実施例7におけると同様の工程で銅板
コア多層板を得た。上記実施例7〜11及び比較例4〜
7において、二次積層成形をおこなう前の銅板の表面の
酸化銅量を測定し、さらに銅板の表面の色をマンセル表
色系で測定した。結果を表3に示す。また上記実施例7
〜11及び比較例4〜7で得られた銅板コア多層板につ
いて、煮沸半田耐熱性、耐塩酸性の試験をおこない、結
果を表3に示した。煮沸半田耐熱性の試験は、50mm
×50mmのサイズの10枚の銅板コア多層板を2時間
煮沸処理した後、260℃の半田浴に1分間浸漬したと
き、試料10枚中のデラミネーションが発生した枚数を
示す(例えば「5/10」は10枚中5枚にデラミネー
ションが発生したことを意味する)。耐塩酸性の試験
は、銅板コア多層板に0.9mmφのドリルビットを用
いてスルーホールを穴明けし、この穴明けした銅板コア
多層板を25℃に調整した17.4%のHCl水溶液に
10分間浸漬した後、銅板の外側のプリプレグ及び表面
の銅箔をエッチングなどで除去し、露出した銅板を50
倍の顕微鏡で観察して、スルーホール内にピンクリング
が発生しているか否かを評価しておこない、ピンクリン
グの発生無しを「○」で、ハローの発生有りを「×」で
示した。
【0041】
【表3】
【0042】表3にみられるように、銅板の表面に水酸
基を形成して富化した後にカップリング剤処理をした各
実施例のものでは、煮沸半田耐熱性が良好であり、銅板
の接着性が向上していることが確認されると共に、ピン
クリングの発生も皆無になることが確認される。一方、
水酸基の富化の処理及びカップリング剤処理をおこなわ
ない比較例4のものでは銅板の接着性が極端に低く、カ
ップリング剤処理のみをおこなった比較例5のものでは
銅板の接着性を十分に得ることができないものであり、
さらに銅板を酸化処理した比較例6や比較例7のもので
はピンクリングが発生するものであった。
【0043】
【発明の効果】上記のように本発明は、酸化剤と塩基性
物質を用いて銅表面を処理して、銅表面の酸化銅量を
0.5g/m2 以下に調整すると共に銅表面の水酸基を
富化した後、カップリング剤を介してこの銅表面に樹脂
を積層接着するようにしたので、銅表面の水酸基を富化
することによって水酸基とカップリング剤との結合によ
って銅表面とカップリング剤との結合力を高めることが
できるものであり、カップリング剤による銅表面と樹脂
との接着性向上の効果を高く得ることができるものであ
る。また、銅表面の酸化銅量を0.5g/m2 以下に調
整するようにしているために、メッキ時に酸化銅が酸に
溶解して発生するピンクリングを皆無にすることができ
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 秀和 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 吉光 時夫 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 土岐 元幸 京都市西京区大枝東新林町3丁目5番 (72)発明者 楊 武 京都市下京区西七条赤社町35 ハイツシ ャムロック303号 (56)参考文献 特開 昭62−242531(JP,A) 特開 昭61−94756(JP,A) 特開 平2−308592(JP,A) 特公 昭61−24176(JP,B2) 特公 平2−17950(JP,B2)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化剤と塩基性物質を用いて銅表面を処
    理して、銅表面の酸化銅量を0.5g/m2 以下に調整
    すると共に銅表面の水酸基を富化した後、カップリング
    剤を介してこの銅表面に樹脂を積層接着することを特徴
    とする金属銅と樹脂の複合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸化剤と塩基性物質を用いて処理した銅
    表面の色相がマンセル色票の5YRで、明度が4〜7の
    範囲で、彩度が2〜10の範囲であることを特徴とする
    請求項1に記載の金属銅と樹脂の複合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸化剤と塩基性物質を用いた銅表面の処
    理温度が50℃以下であることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の金属銅と樹脂の複合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 カップリング剤としてシランカップリン
    グ剤を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の金属銅と樹脂の複合体の製造方法。
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