JPH05175648A - 回路板の銅回路の処理方法 - Google Patents

回路板の銅回路の処理方法

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JPH05175648A
JPH05175648A JP34047391A JP34047391A JPH05175648A JP H05175648 A JPH05175648 A JP H05175648A JP 34047391 A JP34047391 A JP 34047391A JP 34047391 A JP34047391 A JP 34047391A JP H05175648 A JPH05175648 A JP H05175648A
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JP
Japan
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circuit
cupric oxide
copper
circuit board
copper circuit
Prior art date
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Application number
JP34047391A
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English (en)
Inventor
Akinori Hibino
明憲 日比野
Yoshihide Sawa
佳秀 澤
Tokugen Shiyuu
徳元 周
Motoyuki Toki
元幸 土岐
Tadao Onaka
忠生 大中
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化第二銅の被膜による銅回路と樹脂との優
れた密着性を低下させることなく、耐酸性を高める。 【構成】 回路板に設けた銅の回路を酸化処理して回路
の表面に酸化第二銅の被膜を形成する。この後、酸化第
二銅の標準電極電位より卑な金属を溶媒に溶解して調製
した還元性溶液で酸化第二銅被膜を処理して還元させ
る。酸化第二銅によって銅回路の表面に微細な突起を形
成させて表面を粗面化して銅回路と樹脂との接着性を高
める。還元性溶液による酸化第二銅の還元で粗面を消失
させることなく酸に溶解しにくい金属銅や酸化第一銅に
してハローイングを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層プリント配線板の
製造に使用される内層用の回路板の銅回路の処理方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】多層プリント配線板は、片面乃至両面に
銅箔等で回路を形成した内層用の回路板にプリプレグを
介して外層用回路板もしくは銅箔を重ね、これを加熱加
圧成形して内層用の回路板と外層用回路板もしくは銅箔
とを積層することによって、製造されるのが一般的であ
る。この多層プリント配線板にあっては、内層用の回路
板に形成した銅の回路と外層用回路板もしくは銅箔を積
層させるプリプレグの樹脂との接着性を確保することが
必要である。
【0003】そこで、従来から種々の方法で銅の回路と
樹脂との接着性を高めることが検討されており、例えば
銅回路を酸化処理することによってその表面に酸化第二
銅(CuO)の被膜を形成し、接着性を高めることが一
般になされている。銅を酸化処理して得られる酸化第二
銅の被膜の表面には微細な突起が形成されることにな
り、この微細な突起による凹凸によって銅の回路の表面
を粗面化して、銅回路と樹脂との接着性を高めることが
できるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、銅回路を酸化
することによって表面に形成される酸化第二銅は酸に溶
解し易いために、多層プリント配線板にスルーホールを
ドリル加工した後にスルーホールメッキをする際に化学
メッキ液や電気メッキ液に浸漬すると、スルーホールの
内周に露出する銅回路の断面部分の酸化第二銅がメッキ
液の酸(塩酸等)に溶解し、スルーホールの内周から銅
回路と樹脂との界面を酸が浸入する溶解侵食が発生する
いわゆるハローイングが起こり易くなる。多層プリント
配線板の高密度化が進むにつれて、スルーホール間やス
ルーホールと配線回路との間の距離が小さくなる傾向に
近年においては、このような酸の浸入によるハローイン
グの発生は多層プリント配線板の信頼性を低下させる重
大な問題となってきている。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、酸化第二銅の被膜による銅回路と樹脂との優れた
密着性を低下させることなく、耐酸性を高めることがで
きる回路板の銅回路の処理方法を提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る回路板の銅
回路の処理方法は、回路板に設けた銅の回路を酸化処理
して回路の表面に酸化第二銅の被膜を形成した後、酸化
第二銅の標準電極電位より卑な金属を溶媒に溶解して調
製した還元性溶液で酸化第二銅被膜を処理して還元させ
ることを特徴とするものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。内層用回
路板として用いられる回路板としては、銅箔を張った銅
張ガラスエポキシ樹脂積層板、銅張ガラスポリイミド樹
脂積層板などの銅箔をエッチング処理等することによっ
て、片面もしくは両面に銅の回路を設けて形成したもの
を使用することができるが、その他、積層板に化学メッ
キや電気メッキで銅の回路を片面もしくは両面に形成し
たものなどを使用することもできる。そしてまずこの回
路板の表面を粗面化処理するのが好ましい。粗面化処理
は、バフ研摩、ソフトエッチング等による化学薬品処
理、電解処理、液体ホーニング等によっておこなうこと
ができる。
【0008】次に、この回路板の銅回路の表面を酸化処
理する。酸化処理は、過硫酸カリウムを含むアルカリ水
溶液や、亜塩素酸ナトリウムを含むアルカリ水溶液な
ど、酸化剤を含むアルカリ水溶液を用いて処理すること
によっておこなうことができる。このように酸化処理す
ることによって銅回路の表面に酸化第二銅(CuO) の
被膜を形成することができるものであり、銅回路の表面
には微細な突起が生成され、銅回路の表面に凹凸を形成
して粗面化することができるのである。
【0009】上記のようにして回路板の銅回路の表面に
酸化第二銅被膜を形成させた後に、還元処理をおこな
う。本発明において還元処理は酸化第二銅の標準電極電
位より卑な金属を溶媒に溶解して調製した還元性溶液を
用いておこなうものである。この還元剤として使用する
酸化第二銅の標準電極電位より卑な金属としては、表1
に示すもの、すなわち二価の銅の標準電極電位Eは0.
35Vであるのでこれより小さい標準電極電位を有する
ものを用いることができるが、中でも還元力の強さや有
機溶媒への溶解性からNaやLi等のアルカリ金属を用
いるのが好ましい。
【0010】
【表1】
【0011】この金属を溶解する溶媒としては、限定さ
れるものではないが、ナフタレン、ビフェニル、テトラ
リン、デカリン、流動パラフィン等の炭化水素溶媒や、
モノグライム、テトラヒドロフラン等のエーテル類など
有機溶媒を使用するのが好ましく、これらを一種単独で
あるいは複数種混合して使用することができる。上記還
元剤として使用する金属の溶媒への溶解濃度は、0.0
1〜3.0モル/リットルの範囲が好ましく、さらに
0.05〜2.0モル/リットルの範囲が一層好まし
い。0.01モル/リットルより濃度が低いと還元に要
する時間が長くなり、また3.0モル/リットルより濃
度が高ければ金属を溶媒に均一に溶解できなくなるおそ
れがある。溶媒に金属を溶解して調製される還元性溶液
には、さらに銅表面への濡れ性を良くするためにセロソ
ルブ類やグライム等の補助溶媒を適当量添加することも
できる。また還元力調整のためにアミン類やFe2+やZ
2+等の金属イオンを単独であるいは複数組合わせて添
加することもできる。
【0012】しかして、上記のように調製される還元性
溶液に回路板を浸漬したり、内層用回路板に還元性溶液
をスプレーしたりすることによって、銅回路の表面の酸
化第二銅被膜に還元性溶液を作用させ、酸化銅第二被膜
の表面の凹凸を残したまま樹脂との親和性を損なうこと
なく酸化第二銅を酸に溶解しにくい金属銅(Cu)や酸
化第一銅(Cu2 O)に還元させるものである。
【0013】上記のようにして還元処理したのちに、回
路板を直ちに水洗や湯洗等し、あるいはアセトン等の低
沸点溶剤によって洗浄し、自然乾燥したり真空乾燥した
後、この回路板を内層用回路板として用いて、通常の工
程で多層プリント配線板を製造することができる。すな
わち、内層用回路板にプリプレグを介して外層用回路板
(あるいは他の内層用回路板) やもしくは銅箔を重ね、
これを加熱加圧して積層成形することによってプリプレ
グを接着層として多層に積層し、この多層積層板にスル
ーホールをドリル加工等して設けると共に化学メッキ等
によってスルーホールメッキを施し、さらにエッチング
等の処理をして外層回路を形成することによって、多層
プリント配線板を製造することができるものである。
【0014】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 (実施例1) 両面に厚み35μmの銅箔を張って形成した100
mm×150mm×1.0mmのガラス布基材エポキシ
樹脂積層板を用いて内層用回路板を作成し、内層用回路
板の銅回路の表面をバフ研摩して粗面化処理した。 次に K2 2 8 …13g /リットル NaOH …50g /リットル の組成の過硫酸カリウム浴を60℃に調整し、この酸化
処理浴に内層用回路板を3分間浸漬して銅回路を酸化処
理し、銅回路の表面に酸化第二銅の被膜を形成した。 次に、ナフタレンとテトラリンとモノグライムとを
10:100:100の重量比で混合した有機溶媒に金
属Liを0.7モル/リットルの濃度で溶解して還元性
溶液を調製し、この還元性水溶液にで酸化処理した内
層用回路板を1.5分間浸漬することによって還元処理
した。還元処理後、内層用回路板の表面をアセトンで十
分に洗浄し、室温で2時間真空乾燥した。 このように処理した内層用回路板の両面に、ガラス
布基材にエポキシ樹脂を含浸乾燥して調製した厚み0.
1mmのプリプレグを三枚ずつ重ねると共に、さらにそ
の外側に厚み18μmの銅箔を重ね、6.7×10-3
スカルに減圧した雰囲気下で、170℃、40kg/c
2 、120分間の条件で二次積層成形することによっ
て多層板を得た。
【0015】(実施例2)実施例1におけるの工程で
の還元性溶液として、ナフタレンとテトラリンとモノグ
ライムとを10:100:100の重量比で混合した有
機溶媒に金属Naを0.9モル/リットルの濃度で溶解
して調製したものを用い、還元性溶液への内層回路板の
浸漬時間を1.0分間に設定した。他は実施例1と同様
にして多層板を得た。
【0016】(実施例3)実施例1におけるの工程で
の還元性溶液として、ナフタレンとテトラリンとモノグ
ライムとを10:100:100の重量比で混合した有
機溶媒に金属Naを0.2モル/リットルの濃度で溶解
して調製したものを用い、還元性溶液への内層回路板の
浸漬時間を3.5分間に設定した。他は実施例1と同様
にして多層板を得た。
【0017】(実施例4)実施例1におけるの工程で
の還元性溶液として、ビフェニルとテトラリンとモノグ
ライムとを10:100:100の重量比で混合した有
機溶媒に金属Naを0.2モル/リットルの濃度で溶解
して調製したものを用い、還元性溶液への内層回路板の
浸漬時間を3.0分間に設定した。他は実施例1と同様
にして多層板を得た。
【0018】(実施例5)実施例1におけるの工程で
の還元性溶液として、ナフタレンとテトラリンとモノグ
ライムとを10:150:50の重量比で混合した有機
溶媒に金属Naを0.9モル/リットルの濃度で溶解す
ると共にさらにテトラメチルエチレンジアミンを0.1
重量%の量で溶解して調製したものを用い、還元性溶液
への内層回路板の浸漬時間を6.0分間に設定した。他
は実施例1と同様にして多層板を得た。
【0019】(実施例6)実施例1におけるの工程で
の還元性溶液として、ナフタレンとテトラリンとモノグ
ライムとを10:150:50の重量比で混合した有機
溶媒に金属Naを0.9モル/リットルの濃度で溶解す
ると共にさらに塩化亜鉛を0.3重量%の量で溶解して
調製したものを用い、還元性溶液への内層回路板の浸漬
時間を5.0分間に設定した。他は実施例1と同様にし
て多層板を得た。
【0020】(比較例1)実施例1において、の還元
処理工程をおこなわず、で酸化処理した内層用回路板
をそのまま用いての工程で二次積層成形することによ
って、多層板を得た。上記実施例1〜6及び比較例1で
得られた4層回路構成の多層板について、銅箔引き剥が
し強度、煮沸半田耐熱性、耐酸性の試験をおこない、結
果を表2に示した。銅箔引き剥がし強度の試験は、内層
回路板の内層回路を構成する35μm銅箔とプリプレグ
による接着層との間の引き剥がし強度を測定することに
よっておこなった。煮沸半田耐熱性の試験は、多層板を
2時間煮沸処理した後、260℃の半田浴に30秒浸漬
したときの状態を評価しておこない、異常なしを「○」
で、デラミネーション有りを「×」で示した。耐酸性の
試験は、多層板に0.4mmφのドリルビットを用いて
スルーホールを穴明けし、この穴明けした多層板を25
℃に調整した17.4%のHCl水溶液に10分間浸漬
し、スルーホール内のハロー発生の有無を評価しておこ
ない、ハローイング無しを「○」で、ハローイング発生
を「×」で示した。
【0021】
【表2】
【0022】表2にみられるように、各実施例のものは
銅箔の引き剥がし強度及び煮沸半田耐熱性が比較例のも
のと同等であって銅回路の密着性を保持しつつ、ハロー
イングの発生を防止して耐酸性を高めることができるも
のであった。
【0023】
【発明の効果】上記のように本発明にあっては、回路板
に設けた銅の回路を酸化処理して回路の表面に酸化第二
銅の被膜を形成した後、酸化第二銅の標準電極電位より
卑な金属を溶媒に溶解して調製した還元性溶液で酸化第
二銅被膜を処理して還元させるようにしたので、酸化第
二銅によって銅回路の表面に微細な突起を形成させて表
面を粗面化して銅回路と樹脂との接着性を高めることが
できると共に、還元性溶液による酸化第二銅の還元で粗
面を消失させることなく酸に溶解しにくい金属銅や酸化
第一銅にすることができるものであって、銅回路に形成
した酸化第二銅がメッキ処理などの際に酸に溶解してハ
ローイングが発生することを防止して耐酸性を高めるこ
とができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土岐 元幸 京都市西京区大枝東新林町3−5 19棟 206号 (72)発明者 大中 忠生 京都府長岡京市天神3丁目21−14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路板に設けた銅の回路を酸化処理して
    回路の表面に酸化第二銅の被膜を形成した後、酸化第二
    銅の標準電極電位より卑な金属を溶媒に溶解して調製し
    た還元性溶液で酸化第二銅被膜を処理して還元させるこ
    とを特徴とする回路板の銅回路の処理方法。
  2. 【請求項2】 酸化第二銅の標準電極電位より卑な金属
    としてアルカリ金属を用いることを特徴とする請求項1
    に記載の回路板の銅回路の処理方法。
  3. 【請求項3】 酸化第二銅の標準電極電位より卑な金属
    を溶解する溶媒として有機溶媒を用いることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の回路板の銅回路の処理方法。
  4. 【請求項4】 還元力調整用に還元性溶液にアミン類や
    酸化第二銅の標準電極電位より卑な金属イオンを添加す
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    回路板の銅回路の処理方法。
JP34047391A 1991-12-24 1991-12-24 回路板の銅回路の処理方法 Pending JPH05175648A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004165188A (ja) * 2002-11-08 2004-06-10 Oki Electric Ind Co Ltd 半導体装置及びその製造方法
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JP2022009114A (ja) * 2019-02-26 2022-01-14 ベジ 佐々木 基板、電子部品及び実装装置

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