JPH0682917B2 - 回路板用基板の処理方法 - Google Patents
回路板用基板の処理方法Info
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- JPH0682917B2 JPH0682917B2 JP1266778A JP26677889A JPH0682917B2 JP H0682917 B2 JPH0682917 B2 JP H0682917B2 JP 1266778 A JP1266778 A JP 1266778A JP 26677889 A JP26677889 A JP 26677889A JP H0682917 B2 JPH0682917 B2 JP H0682917B2
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Description
本発明は、多層プリント配線板の製造に用いる内層用回
路板などとして使用される回路板用基板の表面の銅の処
理方法に関するものである。
路板などとして使用される回路板用基板の表面の銅の処
理方法に関するものである。
多層プリント配線板は、片面乃至両面に銅箔等で回路を
形成した内層用回路板にプリプレグを介して外層用回路
板もしくは銅箔を重ね、これを加熱加圧成形して内層用
回路板と外層用回路板もしくは銅箔とを積層することに
よって製造されるのが一般的である。 そして、内層用回路板に形成した銅の回路と外層用回路
板もくしは銅箔を積層させるプリプレグの樹脂との接着
性を確保することが必要である。特に内層用回路板の回
路を電解銅箔によって形成する場合、銅箔の片面は粗面
に形成されるが他の片面は平滑面に形成されており、内
層用回路板の製造に際しては粗面で銅箔を接着させてい
るために、内層用回路板の銅の回路の表面は銅箔の平滑
面となり、銅回路とプリプレグの樹脂との接着性は非常
に低くなるものであって、接着性を高める工夫が必要と
なるのである。 そこで、従来から種々の方法で銅の回路と樹脂との接着
性を高めることが検討されており、銅の回路の表面に酸
化物層を形成して接着性を高めることが一般になされて
いる。銅を酸化処理すると酸化物層には表面に微細な突
起が形成されることになり、この突起によって表面を粗
面化して接着性を高めることができるのである。そして
この銅の回路の表面に酸化物層を形成する方法として
は、過硫酸カリウムを含むアルカリ水溶液、あるいは亜
塩素酸ナトリウムを含むアルカリ水溶液を用いて処理す
ることによっておこなうことが一般的である。 このように銅の表面に酸化物層を形成させることによっ
て、銅と樹脂との接着性を十分に確保することができ
る。しかし、銅酸化物、特に酸化第二銅(CuO)は酸に
溶解し易いために、スルーホールをドリル加工したあと
スルーホールメッキをする際に化学メッキ液に浸漬する
と、スルーホールの内周に露出する銅回路の断面部分の
酸化物層がメッキ液の酸(塩酸等)に溶解し、スルーホ
ールの内周から銅回路と樹脂との界面を酸が浸入する溶
解侵食が発生するいわゆるハロー現象が起こり易くな
り、多層プリント配線板の信頼性が低下するおそれがあ
る。 そこで、特開昭61-176192号公報等で提供されているよ
うに、銅の表面を酸化処理した後に、ジメチルアミノボ
ラン等のアルカリ性還元処理液で還元処理することによ
って、酸に溶解し易い酸化第二銅を酸に溶解しにくい金
属銅に還元し、ハローが大きく発生することを防止する
ようにしている。
形成した内層用回路板にプリプレグを介して外層用回路
板もしくは銅箔を重ね、これを加熱加圧成形して内層用
回路板と外層用回路板もしくは銅箔とを積層することに
よって製造されるのが一般的である。 そして、内層用回路板に形成した銅の回路と外層用回路
板もくしは銅箔を積層させるプリプレグの樹脂との接着
性を確保することが必要である。特に内層用回路板の回
路を電解銅箔によって形成する場合、銅箔の片面は粗面
に形成されるが他の片面は平滑面に形成されており、内
層用回路板の製造に際しては粗面で銅箔を接着させてい
るために、内層用回路板の銅の回路の表面は銅箔の平滑
面となり、銅回路とプリプレグの樹脂との接着性は非常
に低くなるものであって、接着性を高める工夫が必要と
なるのである。 そこで、従来から種々の方法で銅の回路と樹脂との接着
性を高めることが検討されており、銅の回路の表面に酸
化物層を形成して接着性を高めることが一般になされて
いる。銅を酸化処理すると酸化物層には表面に微細な突
起が形成されることになり、この突起によって表面を粗
面化して接着性を高めることができるのである。そして
この銅の回路の表面に酸化物層を形成する方法として
は、過硫酸カリウムを含むアルカリ水溶液、あるいは亜
塩素酸ナトリウムを含むアルカリ水溶液を用いて処理す
ることによっておこなうことが一般的である。 このように銅の表面に酸化物層を形成させることによっ
て、銅と樹脂との接着性を十分に確保することができ
る。しかし、銅酸化物、特に酸化第二銅(CuO)は酸に
溶解し易いために、スルーホールをドリル加工したあと
スルーホールメッキをする際に化学メッキ液に浸漬する
と、スルーホールの内周に露出する銅回路の断面部分の
酸化物層がメッキ液の酸(塩酸等)に溶解し、スルーホ
ールの内周から銅回路と樹脂との界面を酸が浸入する溶
解侵食が発生するいわゆるハロー現象が起こり易くな
り、多層プリント配線板の信頼性が低下するおそれがあ
る。 そこで、特開昭61-176192号公報等で提供されているよ
うに、銅の表面を酸化処理した後に、ジメチルアミノボ
ラン等のアルカリ性還元処理液で還元処理することによ
って、酸に溶解し易い酸化第二銅を酸に溶解しにくい金
属銅に還元し、ハローが大きく発生することを防止する
ようにしている。
しかしながら、このようにジメチルアミノボラン等を用
いて銅酸化物層を還元処理すると、表面は活性な金属銅
になるために、還元処理後に乾燥や脱気などのために高
温で処理(例えば130℃で30分)すると、この金属銅は
容易に再度酸化され、この酸化された銅が酸に溶解して
ハローが大きく発生するに至るおそれがあるという問題
があった。 本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、銅と樹
脂との接着性を高める効果を保持しつつハロー現象の発
生を防止することができる回路板用基板の処理方法を提
供することを目的とするものである。
いて銅酸化物層を還元処理すると、表面は活性な金属銅
になるために、還元処理後に乾燥や脱気などのために高
温で処理(例えば130℃で30分)すると、この金属銅は
容易に再度酸化され、この酸化された銅が酸に溶解して
ハローが大きく発生するに至るおそれがあるという問題
があった。 本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、銅と樹
脂との接着性を高める効果を保持しつつハロー現象の発
生を防止することができる回路板用基板の処理方法を提
供することを目的とするものである。
本発明に係ま回路板用基板の処理方法は、基板の表面に
設けた銅を酸化処理して銅の表面に銅酸化物層を形成
し、次いで銅酸化物層の表面に亜鉛をコーティングした
後に、亜鉛または亜鉛と銅との合金の層が、0.001〜1g/
bm2の量の厚みで残るように、亜鉛を酸またはアルカリ
で溶解させて銅酸化物層を還元処理することを特徴とす
るものである。 以下本発明を詳細に説明する。 基板としては、銅箔を張った銅張ガラスエポキシ樹脂積
層板、銅張ガラスポリイミド樹脂積層板などの銅箔をエ
ッチング処理等することによって、片面もしくは両面に
銅の回路を設けて形成したものを使用することができる
が、その他、積層板に化学メッキや電気メッキで銅の回
路を片面もしくは両面に形成したものを使用することも
できる。そしてまずこの基板の表面を粗面化処理するの
が好ましい。粗面化処理は、バフ研磨、ソフトエッチン
グ等による化学薬品処理、電解処理、液体ホーニング等
によっておこなうことができる。銅箔として両面が粗面
に予め形成されたものを用いる場合には、このような粗
面化処理は省略することができる。 次に、この基板の銅の表面を酸化処理する。酸化処理
は、過硫酸カリウムを含むアルカリ水溶液や、亜塩素酸
ナトリウムを含むアルカリ水溶液など、酸化剤を含むア
ルカリ水溶液を用いて処理することによっておこなうこ
とができる。このように酸化処理することによって銅の
表面に銅酸化物層を形成することができるものであり、
銅酸化物層は主として酸化第二銅(CuO)によって形成
される。そしてこの酸化処理によって銅の表面の粗面化
することができるのである。 このようにして基板の銅の表面に酸化物層を形成させた
後に、銅酸化物(主としてCuO)よりもイオン化し易い
金属亜鉛(Zn)を銅の酸化物層の表面にコーティングす
る。この亜鉛は例えば粉末の状態で用いることができる
ものであり、銅の表面を水や溶剤で濡らしておいて亜鉛
粉末を吹き付けたり、亜鉛の粉末を水や溶剤に分散した
液をロール等で銅の表面に塗布したり、あるいは亜鉛粉
末を分散したこの液中に基板を浸漬したりして、亜鉛粉
末で銅の酸化物層の表面をコーティングすることができ
る。この溶剤としてはエチレングリコールやポリエチレ
ングリコールなどを用いることができる。勿論これらの
方法に限定されるものではなく、銅の酸化物層の表面を
亜鉛で均一にコーティングできればどのような方法でも
よい。 上記のようにして銅の酸化物層の表面に金属亜鉛をコー
ティングした後に、この亜鉛を酸もしくはアルカリで酸
化物層の表面から溶解させる。亜鉛を溶解させる酸もし
くはアルカリとしては、銅は溶解させないものであれば
特に限定されることなく使用することができる。このよ
うに酸もしくはアルカリで亜鉛を溶解させると、亜鉛は
陽イオンの状態で溶解されるためにこの際に銅の酸化物
層には還元作用が働き、銅酸化物中のCuOをCu2O(酸化
第一銅)や金属Cuに還元させることができる。このよう
に銅酸化物中のCuOを還元させることによって、表面の
粗度を保ったまま銅酸化物層を酸に溶解しにくいものに
することができるものであり、酸に溶解することによっ
て発生するハロー現象を防ぐことが可能になるのであ
る。また、このように銅の酸化物層の表面にコーティン
グした亜鉛を溶解させるにあたって、亜鉛の全量を溶解
させるのではなく、亜鉛の一部をそのまま亜鉛の層とし
て、あるいはこの亜鉛が溶解される際に銅の中へ移行す
ることによって形成される亜鉛−銅合金の層として、還
元された銅の酸化物層の表面に残すことによって、還元
された銅の酸化物層の表面を亜鉛または亜鉛−銅合金の
層で被覆するようにしてある。このように亜鉛又は亜鉛
−銅合金の層で被覆することによって、還元処理で銅の
酸化物層の表面に形成されている金属銅が、基板を乾燥
や脱湿するために高温で処理しても酸化されることを防
ぐことができるものであり、高温処理によって耐ハロー
性が低下することを防止することができるものである。
この亜鉛または亜鉛−銅合金の層は、0.001〜1g/bm2の
量の厚み(厚みでいえは数+Å〜数千Å)で形成するの
がよい。0.001g/bm2未満であると、亜鉛または亜鉛−銅
合金の層の厚みが不十分で、高温処理時の上記の金属銅
の酸化を防止する効果が不十分になり、また1g/bm2を超
えると、銅酸化物層の表面の粗面が埋められる結果にな
るために、銅と樹脂との接着性が不十分になるおそれが
ある。尚、上記「g/bm2」の「bm2」は、「ボードm2」を
意味するものであり、基板の表裏両面を含む単位であ
る。例えば、基板の表面と裏面にそれぞれ銅が1m2づつ
形成されていて、銅の表面に基板の表裏合わせて亜鉛ま
たは亜鉛−銅合金の層が1gの量で形成されていれば、1g
/bm2と表示する。従って1gbm2は1g/2m2=0.5g/m2とも表
示することができる。 上記のようにして銅の表面の酸化物層を還元する処理を
おこなったのちに、直ちに水洗や湯洗等して加熱乾燥
し、あとはこの基板を内層用回路板として用いて、通常
の工程で多層プリント配線板を製造することができる。
すなわち、この基板にプリプレグを介して外層用回路板
(あるいは他の内層用回路板)やもしくは銅箔を重ね、
これを加熱加圧して積層成形することによってプリプレ
グをボンディング層として多層に積層し、さらにスルー
ホールをドリル加工して設けると共に化学メッキ等によ
ってスルーホールメッキを施し、さらにエッチング等の
処理をして外層回路を形成することによって、多層プリ
ント配線板を製造することができる。
設けた銅を酸化処理して銅の表面に銅酸化物層を形成
し、次いで銅酸化物層の表面に亜鉛をコーティングした
後に、亜鉛または亜鉛と銅との合金の層が、0.001〜1g/
bm2の量の厚みで残るように、亜鉛を酸またはアルカリ
で溶解させて銅酸化物層を還元処理することを特徴とす
るものである。 以下本発明を詳細に説明する。 基板としては、銅箔を張った銅張ガラスエポキシ樹脂積
層板、銅張ガラスポリイミド樹脂積層板などの銅箔をエ
ッチング処理等することによって、片面もしくは両面に
銅の回路を設けて形成したものを使用することができる
が、その他、積層板に化学メッキや電気メッキで銅の回
路を片面もしくは両面に形成したものを使用することも
できる。そしてまずこの基板の表面を粗面化処理するの
が好ましい。粗面化処理は、バフ研磨、ソフトエッチン
グ等による化学薬品処理、電解処理、液体ホーニング等
によっておこなうことができる。銅箔として両面が粗面
に予め形成されたものを用いる場合には、このような粗
面化処理は省略することができる。 次に、この基板の銅の表面を酸化処理する。酸化処理
は、過硫酸カリウムを含むアルカリ水溶液や、亜塩素酸
ナトリウムを含むアルカリ水溶液など、酸化剤を含むア
ルカリ水溶液を用いて処理することによっておこなうこ
とができる。このように酸化処理することによって銅の
表面に銅酸化物層を形成することができるものであり、
銅酸化物層は主として酸化第二銅(CuO)によって形成
される。そしてこの酸化処理によって銅の表面の粗面化
することができるのである。 このようにして基板の銅の表面に酸化物層を形成させた
後に、銅酸化物(主としてCuO)よりもイオン化し易い
金属亜鉛(Zn)を銅の酸化物層の表面にコーティングす
る。この亜鉛は例えば粉末の状態で用いることができる
ものであり、銅の表面を水や溶剤で濡らしておいて亜鉛
粉末を吹き付けたり、亜鉛の粉末を水や溶剤に分散した
液をロール等で銅の表面に塗布したり、あるいは亜鉛粉
末を分散したこの液中に基板を浸漬したりして、亜鉛粉
末で銅の酸化物層の表面をコーティングすることができ
る。この溶剤としてはエチレングリコールやポリエチレ
ングリコールなどを用いることができる。勿論これらの
方法に限定されるものではなく、銅の酸化物層の表面を
亜鉛で均一にコーティングできればどのような方法でも
よい。 上記のようにして銅の酸化物層の表面に金属亜鉛をコー
ティングした後に、この亜鉛を酸もしくはアルカリで酸
化物層の表面から溶解させる。亜鉛を溶解させる酸もし
くはアルカリとしては、銅は溶解させないものであれば
特に限定されることなく使用することができる。このよ
うに酸もしくはアルカリで亜鉛を溶解させると、亜鉛は
陽イオンの状態で溶解されるためにこの際に銅の酸化物
層には還元作用が働き、銅酸化物中のCuOをCu2O(酸化
第一銅)や金属Cuに還元させることができる。このよう
に銅酸化物中のCuOを還元させることによって、表面の
粗度を保ったまま銅酸化物層を酸に溶解しにくいものに
することができるものであり、酸に溶解することによっ
て発生するハロー現象を防ぐことが可能になるのであ
る。また、このように銅の酸化物層の表面にコーティン
グした亜鉛を溶解させるにあたって、亜鉛の全量を溶解
させるのではなく、亜鉛の一部をそのまま亜鉛の層とし
て、あるいはこの亜鉛が溶解される際に銅の中へ移行す
ることによって形成される亜鉛−銅合金の層として、還
元された銅の酸化物層の表面に残すことによって、還元
された銅の酸化物層の表面を亜鉛または亜鉛−銅合金の
層で被覆するようにしてある。このように亜鉛又は亜鉛
−銅合金の層で被覆することによって、還元処理で銅の
酸化物層の表面に形成されている金属銅が、基板を乾燥
や脱湿するために高温で処理しても酸化されることを防
ぐことができるものであり、高温処理によって耐ハロー
性が低下することを防止することができるものである。
この亜鉛または亜鉛−銅合金の層は、0.001〜1g/bm2の
量の厚み(厚みでいえは数+Å〜数千Å)で形成するの
がよい。0.001g/bm2未満であると、亜鉛または亜鉛−銅
合金の層の厚みが不十分で、高温処理時の上記の金属銅
の酸化を防止する効果が不十分になり、また1g/bm2を超
えると、銅酸化物層の表面の粗面が埋められる結果にな
るために、銅と樹脂との接着性が不十分になるおそれが
ある。尚、上記「g/bm2」の「bm2」は、「ボードm2」を
意味するものであり、基板の表裏両面を含む単位であ
る。例えば、基板の表面と裏面にそれぞれ銅が1m2づつ
形成されていて、銅の表面に基板の表裏合わせて亜鉛ま
たは亜鉛−銅合金の層が1gの量で形成されていれば、1g
/bm2と表示する。従って1gbm2は1g/2m2=0.5g/m2とも表
示することができる。 上記のようにして銅の表面の酸化物層を還元する処理を
おこなったのちに、直ちに水洗や湯洗等して加熱乾燥
し、あとはこの基板を内層用回路板として用いて、通常
の工程で多層プリント配線板を製造することができる。
すなわち、この基板にプリプレグを介して外層用回路板
(あるいは他の内層用回路板)やもしくは銅箔を重ね、
これを加熱加圧して積層成形することによってプリプレ
グをボンディング層として多層に積層し、さらにスルー
ホールをドリル加工して設けると共に化学メッキ等によ
ってスルーホールメッキを施し、さらにエッチング等の
処理をして外層回路を形成することによって、多層プリ
ント配線板を製造することができる。
次に本発明を実施例によって説明する。 実施例1 両面に70μ厚の銅箔を張って形成した厚み1.0mmのガ
ラス布基材エポキシ樹脂積層板(松下電工株式会社製品
番1766)を基板として用い、銅箔に内層用回路板を作成
し、銅の回路の表面をバフ研磨して粗面化処理した。 次に、 K2S2O8 …13g/l NaOH …55g/l の組成の過硫酸カリウム浴を60℃に調整し、この酸化処
理浴に基板を3分間浸漬して銅の回路の表面を酸化処理
した。 次に、エチレングリコールに平均粒径が3μの金属亜
鉛粉末を1当たり200gの配合量で分散し、この亜鉛粉
末分散液に基板を浸漬することによって、銅回路の表面
に亜鉛粉末をコーティングした。 このように亜鉛粉末でコーティングをおこなった後
に、水:HClが1:1の容積比の塩酸水溶液中に基板を30秒
間浸漬して、亜鉛を溶解させると共にこの亜鉛の溶解に
伴って銅の回路の表面の銅酸化物層を還元させた。 このように塩酸水溶液で亜鉛の溶解処理をした後、直
ちに基板を流水で水洗して130℃で60分間加熱乾燥し
た。この基板において、銅の回路の表面に亜鉛は0.01g/
m2の量の厚みの層として残った。 そして上記のように処理した基板1を内層用回路板とし
て用い、その両面に第1図に示すようにガラス布基材に
エポキシ樹脂を含浸乾燥して調製した厚み0.1mmのプリ
プレグ(松下電工株式会社製1661JM)2を三枚ずつ重ね
ると共に、さらにその外側に厚み18μの銅箔3を重ねて
ビルドアップし、50Torrに減圧した雰囲気下で、170
℃、20kgf/cm2、120分間の条件で二次積層成形すること
によって多層板を得た。 実施例2 実施例1において、における金属亜鉛粉末の配合量を
エチレングリコール1当たり1000gに設定する他は、
実施例1と同様にして多層板を得た。このものでは、基
板において、銅の回路の表面に亜鉛は0.1g/m2の量の厚
みの層として残った。 比較例1 実施例1においてとの処理をおこなった後に、水に
ジメチルアミンボランを20g/lの量で溶解したアルカリ
性還元溶液に基板を3分間浸漬し、この後に直ちに基板
を水洗して80℃で60分間加熱して乾燥した。あとはこの
基板を用いて実施例1と同様にして多層板を得た。 比較例2 比較例1において乾燥の条件を130℃で60分に変更した
他は、同様にして多層板を得た。 上記実施例1,2及び比較例1,2で得た多層板に、0.4mmφ
のドリルビットを用いて8万rpmの回転速度及び1.6m/mi
nの送り速度の条件でスルーホール加工をおこなった。
これを水:HClが1:1の容積比の酸溶液に30分間浸漬し
て、ハローの大きさを顕微鏡で観察してその最大値を測
定した。また多層板における銅とプリプレグの樹脂との
接着性を層間接着力として測定すると共に多層板を288
℃の半田浴に10秒間浸漬して半田耐熱性を測定した。半
田耐熱性は異常のないものを「○」、フクレ等が発生し
て異常があるものを「×」で表示した。これらの結果を
次表に示す。 前表にみられるように、銅回路を酸化処理したのちに亜
鉛をコーティングして溶解除去する処理をおこなうこと
によって銅回路の銅酸化物層を還元すると共に亜鉛や亜
鉛−銅合金の層を還元した銅酸化物層の表面にするよう
にした各実施例のものは、乾燥のために130℃の高温で
処理してもハローが大きく発生しないのに対して、還元
処理をジメチルアミンボランを用いておこなうと、80℃
程度の低温の処理では比較例1のようにハローは大きく
ならないが、130℃の高温で処理すると比較例2のよう
にハローが大きく発生することが確認される。
ラス布基材エポキシ樹脂積層板(松下電工株式会社製品
番1766)を基板として用い、銅箔に内層用回路板を作成
し、銅の回路の表面をバフ研磨して粗面化処理した。 次に、 K2S2O8 …13g/l NaOH …55g/l の組成の過硫酸カリウム浴を60℃に調整し、この酸化処
理浴に基板を3分間浸漬して銅の回路の表面を酸化処理
した。 次に、エチレングリコールに平均粒径が3μの金属亜
鉛粉末を1当たり200gの配合量で分散し、この亜鉛粉
末分散液に基板を浸漬することによって、銅回路の表面
に亜鉛粉末をコーティングした。 このように亜鉛粉末でコーティングをおこなった後
に、水:HClが1:1の容積比の塩酸水溶液中に基板を30秒
間浸漬して、亜鉛を溶解させると共にこの亜鉛の溶解に
伴って銅の回路の表面の銅酸化物層を還元させた。 このように塩酸水溶液で亜鉛の溶解処理をした後、直
ちに基板を流水で水洗して130℃で60分間加熱乾燥し
た。この基板において、銅の回路の表面に亜鉛は0.01g/
m2の量の厚みの層として残った。 そして上記のように処理した基板1を内層用回路板とし
て用い、その両面に第1図に示すようにガラス布基材に
エポキシ樹脂を含浸乾燥して調製した厚み0.1mmのプリ
プレグ(松下電工株式会社製1661JM)2を三枚ずつ重ね
ると共に、さらにその外側に厚み18μの銅箔3を重ねて
ビルドアップし、50Torrに減圧した雰囲気下で、170
℃、20kgf/cm2、120分間の条件で二次積層成形すること
によって多層板を得た。 実施例2 実施例1において、における金属亜鉛粉末の配合量を
エチレングリコール1当たり1000gに設定する他は、
実施例1と同様にして多層板を得た。このものでは、基
板において、銅の回路の表面に亜鉛は0.1g/m2の量の厚
みの層として残った。 比較例1 実施例1においてとの処理をおこなった後に、水に
ジメチルアミンボランを20g/lの量で溶解したアルカリ
性還元溶液に基板を3分間浸漬し、この後に直ちに基板
を水洗して80℃で60分間加熱して乾燥した。あとはこの
基板を用いて実施例1と同様にして多層板を得た。 比較例2 比較例1において乾燥の条件を130℃で60分に変更した
他は、同様にして多層板を得た。 上記実施例1,2及び比較例1,2で得た多層板に、0.4mmφ
のドリルビットを用いて8万rpmの回転速度及び1.6m/mi
nの送り速度の条件でスルーホール加工をおこなった。
これを水:HClが1:1の容積比の酸溶液に30分間浸漬し
て、ハローの大きさを顕微鏡で観察してその最大値を測
定した。また多層板における銅とプリプレグの樹脂との
接着性を層間接着力として測定すると共に多層板を288
℃の半田浴に10秒間浸漬して半田耐熱性を測定した。半
田耐熱性は異常のないものを「○」、フクレ等が発生し
て異常があるものを「×」で表示した。これらの結果を
次表に示す。 前表にみられるように、銅回路を酸化処理したのちに亜
鉛をコーティングして溶解除去する処理をおこなうこと
によって銅回路の銅酸化物層を還元すると共に亜鉛や亜
鉛−銅合金の層を還元した銅酸化物層の表面にするよう
にした各実施例のものは、乾燥のために130℃の高温で
処理してもハローが大きく発生しないのに対して、還元
処理をジメチルアミンボランを用いておこなうと、80℃
程度の低温の処理では比較例1のようにハローは大きく
ならないが、130℃の高温で処理すると比較例2のよう
にハローが大きく発生することが確認される。
上述のように本発明にあっては、基板の表面に設けた銅
を酸化処理して銅の表面に銅酸化物層を形成させるよう
にしたので、銅回路の表面を酸化処理して酸化物層を形
成することで銅回路の表面に微細な突起を形成させ、粗
面化によって銅回路と樹脂との接着性を高めることがで
きるものであり、またこの銅酸化物層を還元処理すると
共に、還元した銅酸化物層の表面に亜鉛または亜鉛−銅
合金の層を0.001〜1g/bm2の量の厚みで形成させるよう
にしたので、還元によって銅酸化物層を酸に溶解しにく
い状態にすることができると共に、還元された銅の酸化
物層が高温の処理によって再度酸化されることを亜鉛ま
たは亜鉛−銅合金の層で防ぐことができ、銅の酸化物層
がメッキ処理の際などに酸に溶解してハロー現象が生じ
ることを防止できるものである。 また、銅酸化物層の表面に亜鉛をコーティングして、亜
鉛または亜鉛と銅との合金の層が0.001〜1g/bm2の量の
厚みで残るように、亜鉛を酸またはアルカリで溶解させ
ることによって銅酸化物層を還元させるようにしたの
で、銅酸化物層の還元処理と、還元された銅酸化物層へ
の亜鉛または亜鉛−銅合金の層の形成とを一つの工程で
同時におこなうことができ、作業を合理化することがで
きる。
を酸化処理して銅の表面に銅酸化物層を形成させるよう
にしたので、銅回路の表面を酸化処理して酸化物層を形
成することで銅回路の表面に微細な突起を形成させ、粗
面化によって銅回路と樹脂との接着性を高めることがで
きるものであり、またこの銅酸化物層を還元処理すると
共に、還元した銅酸化物層の表面に亜鉛または亜鉛−銅
合金の層を0.001〜1g/bm2の量の厚みで形成させるよう
にしたので、還元によって銅酸化物層を酸に溶解しにく
い状態にすることができると共に、還元された銅の酸化
物層が高温の処理によって再度酸化されることを亜鉛ま
たは亜鉛−銅合金の層で防ぐことができ、銅の酸化物層
がメッキ処理の際などに酸に溶解してハロー現象が生じ
ることを防止できるものである。 また、銅酸化物層の表面に亜鉛をコーティングして、亜
鉛または亜鉛と銅との合金の層が0.001〜1g/bm2の量の
厚みで残るように、亜鉛を酸またはアルカリで溶解させ
ることによって銅酸化物層を還元させるようにしたの
で、銅酸化物層の還元処理と、還元された銅酸化物層へ
の亜鉛または亜鉛−銅合金の層の形成とを一つの工程で
同時におこなうことができ、作業を合理化することがで
きる。
第1図は多層板を成形する際の積層構成を示す概略分解
図であり、1は基板、2はプリプレグ、3は銅箔であ
る。
図であり、1は基板、2はプリプレグ、3は銅箔であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】基板の表面に設けた銅を酸化処理して銅の
表面に銅酸化物層を形成し、次いで銅酸化物層の表面に
亜鉛をコーティングした後に、亜鉛または亜鉛と銅との
合金の層が0.001〜1g/bm2の量の厚みで残るように、亜
鉛を酸またはアルカリで溶解させて銅酸化物層を還元処
理することを特徴とする回路板用基板の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1266778A JPH0682917B2 (ja) | 1989-10-14 | 1989-10-14 | 回路板用基板の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1266778A JPH0682917B2 (ja) | 1989-10-14 | 1989-10-14 | 回路板用基板の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03129794A JPH03129794A (ja) | 1991-06-03 |
JPH0682917B2 true JPH0682917B2 (ja) | 1994-10-19 |
Family
ID=17435565
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1266778A Expired - Lifetime JPH0682917B2 (ja) | 1989-10-14 | 1989-10-14 | 回路板用基板の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0682917B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS572200A (en) * | 1980-06-05 | 1982-01-07 | Sony Corp | Sound image control circuit |
JPS62270780A (ja) * | 1986-05-16 | 1987-11-25 | Hitachi Ltd | 銅と樹脂との接着方法 |
-
1989
- 1989-10-14 JP JP1266778A patent/JPH0682917B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03129794A (ja) | 1991-06-03 |
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