JP2965366B2 - 記録媒体再生方法およびこれを用いた記録媒体再生装置 - Google Patents

記録媒体再生方法およびこれを用いた記録媒体再生装置

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JP2965366B2 JP3032490A JP3249091A JP2965366B2 JP 2965366 B2 JP2965366 B2 JP 2965366B2 JP 3032490 A JP3032490 A JP 3032490A JP 3249091 A JP3249091 A JP 3249091A JP 2965366 B2 JP2965366 B2 JP 2965366B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録媒体再生方法および
これを用いた記録媒体再生装置に関し、さらに詳しく
は、印字された記録媒体上の画像を消去して、印字用と
して再使用可能な状態にするための方法およびそれを用
いた装置に関する。
【0002】
【従来の技術】所謂、複写や印字等に用いられる記録紙
は、その表面にインクやトナ−を付着させることで可視
画像を担持して記録媒体としての機能を発揮するように
なっている。ところで、このような記録紙は、パルプを
原料として作られているが、近年、資源保護の意味にお
いて、再利用することが提案されている。すなわち、上
述した再利用を行う場合の方法としては、脱墨可能なイ
ンクが用いられた記録紙および脱墨不可能なインクが用
いられた記録紙の混在する中で、脱墨可能なインクを用
いられた記録紙を選びだして回収し、これを繊維化して
再生する方法がある。
【0003】しかしながら、上述した方法においては、
脱墨可能なインクが用いられた記録紙のみを繊維化する
ことは比較的簡単である反面、繊維化されて再生された
記録紙は黒ずんだ状態を呈するために再生紙として使用
者にあまり好まれないのが現状である。しかも、記録後
の記録紙に用いられているインクが脱墨可能なものであ
るかを判別することは一般的にいって簡単とはいえず、
専門家の判断を仰がなければならない。そこで、このよ
うなインクの種別を使用者以外に判別してもらおうとし
た場合には、機密性を保持しなければならない内容を印
字された記録紙が該当した場合にはその処理に問題が生
じるため、通常は、このような記録紙の場合、シュレッ
ダによる廃棄処分とされたうえで、再生に供される場合
がある。しかし、このようにシュレッダにより処分され
た記録紙においては、上述した脱墨可能な記録紙に加え
て脱墨不可能な記録紙も混在していることも考えられ、
その中から繊維化可能なものを抽出することはなおのこ
と困難となり、しかも、このような記録紙中には、クリ
ップ等の金属やテ−プ等の異物も混入している場合があ
ることから、これら異物を取り除かない限り記録紙とし
ての再生処理が行えない。従って、シュレッダにより裁
断処理された記録紙は焼却処分とされるのが現状であ
り、資源保護の目的は達成されないことが多い。そこ
で、本発明の目的は、上述した記録紙等の記録媒体再生
における問題に鑑み、再生すべき記録媒体が得られた場
所、例えば記録装置が設置されているオフィス等におい
てだれでもが記録媒体の再生を簡単に行える記録媒体再
生方法およびこれを用いた記録媒体再生装置を提供する
ことにある。
【0004】この目的を達成するため、請求項1記載の
発明は、可視画像を担持した状態で給送される記録媒体
の可視画像部を消去して記録媒体を再生する記録媒体再
生方法において、上記記録媒体上の可視画像を構成する
トナ−を光分解する分解工程と、上記分解されたトナ−
を上記記録媒体上から除去するクリ−ニング工程とを含
むことを特徴としている。
【0005】請求項2記載の発明は、請求項1記載の記
録媒体再生方法を用いる装置であって、記録媒体上の可
視画像を消去する分解処理部と分解処理後、記録媒体上
の可視画像に含まれているトナ−を上記記録媒体上から
除去するクリ−ニング処理部とからなる再生処理手段を
備え、上記分解処理部は、密閉空間とされ、光分解プラ
スチックを用いたトナ−に対して光照射し、上記クリ−
ニング処理部は、前記分解処理部に対する記録媒体移動
方向下流側に位置し、前記トナ−を前記記録媒体上から
遊離させることを特徴ととしている。
【0006】請求項3記載の発明は、請求項1記載の記
録媒体再生方法を用いる記録媒体再生装置であって、記
録媒体上の可視画像を消去する分解処理部と、分解処理
後の記録媒体上から可視画像に含まれているトナ−を記
録媒体上から除去するクリ−ニング処理部とからなる再
生処理手段と、再生後の記録媒体の画像状況に基づいて
記録媒体を分別する分別手段と、を備え、上記分別手段
は、上記再生処理手段から排出される記録媒体が再使用
可能なものであるかを検出し、再使用可能な場合には再
度、可視画像形成が可能な位置に収容する手段を備えた
ことを特徴としている。
【0007】
【作用】請求項1乃至3記載の発明では、光分解性プラ
スチックのトナーを用いた記録媒体上の可視画像は分解
工程において光分解されて消去されるとともに記録媒体
上から除去され、トナーが消去された記録媒体のうちで
再使用可能なもののみが再度画像形成のために用いられ
るようにできる。
【0008】
【実施例】以下、図1乃至図4において、本発明実施例
の詳細を説明する。図1は、本発明実施例による記録媒
体再生方法に用いられる再生装置の全体構成を示す模式
的な配置図である。本実施例では、従来技術において述
べたように可視画像を担持する記録媒体として、パルプ
を原料とする記録紙を対象として折り、以下の説明で
は、再生装置を記録紙再生装置と称して説明する。図1
において、記録紙再生装置1は、例えば、そのハウジン
グ1Aの上面板に複写機等の印字装置(図示されず)が載
置されて、所謂、印字装置に付設可能な装置であり、そ
の内部には、給紙部2、再生処理部3、分離部4および
再生処理された記録紙の収容部5とで構成されている。
上述した給紙部2は、印字装置に画像形成された記録紙
Sを収容するトレ−2Aと、このトレ−2A上に載置さ
れている記録紙Sを繰り出すための繰り出しロ−ラ2B
とで構成されており、図示しない操作開始スイッチが作
動された時点に繰り出しロ−ラ2Bが回転を始めて載置
されている記録紙Sを繰り出すようになっている。
【0009】一方、再生処理部3は、記録紙Sに形成さ
れている画像が光分解性のプラスチックで構成された現
像トナ−を用いた場合を対象として構成され、その現像
トナーを分解処理する工程が実行される箇所である。図
2および図3に示すように、再生処理部3は、記録紙S
の搬送方向(図示矢印方向)の上流側から下流側に向けて
配置されている印字分解処理部3Aおよびクリ−ニング
部3Bにより構成してある。すなわち、分解処理部3A
は、光分解性プラスチックを用いたトナ−の特性を除去
して、所謂、トナ−に求められる定着性等を始めとする
機能をなくしてしまうための部分であり、図2におい
て、記録紙Sの導入部および排出部に開口3A1、3A
2を形成された密閉空間で構成され、内部に光照射装置
3A3と搬送ベルト3A4とを備えている。上述した光
照射装置3A3は、キセノンランプ、水銀灯、LEDお
よびレ−ザ−光を用いたランプ等の短波長を含む光源が
用いられるようになっている。そして、この光照射装置
3A3は、記録紙Sの給紙が開始されたのを図示しない
検知部材が検出するのに併せて点灯を開始し、分解処理
部3A内に位置する記録紙Sの全面を照射するようにな
っている。
【0010】また、搬送ベルト3A4は、駆動プ−リ3
A5および従動プ−リ3A6に掛け回されており、駆動
プ−リ3A5が図示しない駆動モ−タにより駆動される
ことで、記録紙Sの載置面側を上述した記録紙Sの搬送
方向に移動できるようになっているとともに、上述した
光照射装置3A3からの光照射が行われている間は停止
できるようになっている。なお、搬送ベルト3A4は、
上述した光照射部3Aによる全面照射ができない場合ま
たは部分的な分解を行うような場合には、分解に必要な
時間間隔を以って間歇的に移動したり、あるいは低速に
切り換えられて移動することもできるようになってい
る。従って、印字分解処理部3Aに導入された記録紙S
は、搬送ベルト3A4の移動速度あるいは移動状態の設
定により移動し、光照射装置3A3による光分解処理を
受けることができる。
【0011】一方、クリ−ニング部3Bは、光分解によ
り記録紙S上で遊離したトナ−を除去する工程を実行す
るための部分であり、例えば、図2に示すように、下面
の一部を開口させた箱で構成されている密閉空間内にお
いて記録紙Sの画像面と接触可能なトナ−除去部材3B
1と、記録紙Sをはさんでトナ−除去部材3B1に対向
している超音波振動子3B2と、トナ−除去部材3B1
の周面に当接しているブレ−ドあるいはスクレ−パ等の
クリ−ニング部材3B3およびトナ−回収部材3B4と
を備えている。上述したトナ−除去部材3B1は、本実
施例の場合、回転ブラシが用いられて記録紙S上のトナ
−を掃き取るようになっており、また、クリ−ニング部
材3B3はトナ−除去部材3B1のブラシ先端に当接し
てブラシに付着しているトナ−を払い落すようになって
いる。また、トナ−回収部材3B4は、本実施例の場
合、パドルホィ−ルで構成され、落下したトナ−を落下
位置から他の位置へ移送するようになっている。なお、
このトナ−回収部材3B4は、パドルホィ−ルに限ら
ず、例えば、スクリュウ体で構成してトナ−を移送する
ようにしてもよい。なお、クリ−ニング部3Bでは、超
音波振動子3B2を配置するために、記録紙Sを載置搬
送する搬送ベルトが超音波振動子3B2をはさんで搬送
方向で2分割されている。上述したような構成の再生処
理部3においては、印字分解処理部3Aに導入される記
録紙Sが光分解されることで記録紙Sの表面から遊離し
ているトナ−をクリ−ニング部3Bにより除去される。
【0012】一方、分離部4は、再生処理部3において
分解処理された記録紙Sが再使用可能なものであるか否
かを判別して類別する工程を実行するための部分であ
り、図1に示すように、反射型のフォトセンサ4Aおよ
び分離装置4Bを備えて構成してある。そして、このフ
ォトセンサ4Aは、記録紙Sの幅方向に沿った検出幅
(B)を、再生処理される記録紙Sのうちの最大幅(B0)よ
りも広く取れるように配置され、具体的には、幅方向に
沿って複数並列させてある。上述したフォトセンサ4A
は、再生処理部3における記録紙排出部の近傍に位置さ
れていて、記録紙Sの画像面、換言すれば、トナ−を分
解された面の濃度を検出するためのものであり、後述す
る制御部6に接続してある。
【0013】また、上述した分離装置4Bは、フォトセ
ンサ4Aを通過した記録紙Sを搬送するための搬送ベル
ト4B1とこの搬送ベルト4B1による搬送路末端部に
位置する揺動可能な搬送路切り換え爪4B2およびこの
搬送路切り換え爪4B2を揺動変位させるためのソレノ
イド4B3とで構成してある。上述した搬送ベルト4B
1は、フォトセンサ4A側に相当する搬送方向上流側と
反対側に相当する搬送方向下流側に位置する搬送路末端
部までの距離(L)を、再生処理可能な記録紙のうちの最
大長さ(L0)のもの以上(L>L0)とされている。そして、
搬送路切り換え爪4B2は、再使用可能な記録紙を給送
する第1の排出路5Aと再使用不可能な記録紙を給送す
る第2の排出路5Bとの分岐位置に配置されており、通
常時には、第1の排出路5Aに向け再生処理後の記録紙
Sを移送することのできる態位に設定してある。また、
上述した第1および第2の排出路5A、5Bの末端部に
は、記録紙Sを収容するためのストック用トレ−5A
1、5B1が設けてある。一方、上述した制御部6は、
図4に示してあるように、マイクロコンピュ−タ6Aを
主要部としており、I/Oインタ−フェ−ス6Bを介し
て外部機器と接続されている。上述したI/Oインタ−
フェ−ス6Bの入力部には上述したフォトセンサ4A
が、そして出力部には上述した分離装置4Bに付設して
あるソレノイド4B3が駆動回路4B4を介してそれぞ
れ接続されている。この制御部6においては、図5に示
してある記録紙Sからの反射光量とこの光量により得ら
れるフォトセンサ4Aからの出力の関係に基づいて、記
録紙S上の残留トナ−の量を検出し、記録紙Sのトナ−
の消去状況を判別するようになっている。また、記録紙
Sの消去状況検出が終了したことを、検出出力が急変、
具体的には、非画像部からの反射光量に相当する出力あ
るいはこの出力に対し汚れを勘案して設定した所定出力
が得られた時点をも検出するようになっている。この検
出は、印字分解処理部3Aの内部を密閉および開放する
ための時期設定に用いられる。そして上述した判別は、
例えば、非画像部での反射光量に相当するフォトセンサ
での出力に対して再生処理された記録紙Sからの検出出
力が所定比内にあるか、あるいは、非画像部での反射光
量に関係なく所定電圧以上にあるかにより行われる。な
お、図5は、横軸にトナ−の残量を、そして縦軸にトナ
−の残量に影響される反射光量から得られる検出出力を
それぞれ表しており、残留トナ−が多い場合には、反射
光量が少ないという関係を示している。
【0014】一方、上述した記録紙再生装置に用いられ
る記録紙Sは、次のような生分解可能な成分を有する現
像剤が用いられる。まず、現像剤の主成分であるトナ−
として用いられる材料としては、次の特性を満足するも
のが要求される。電気的特性としては帯電量(Q/M)
が安定していること。電気的特性として抵抗、誘電率
が安定していること。トナ−補給性を良好にするため
に流動性がよいこと。熱的な特性として、定着ロ−ラ
に付着しにくく、紙に付着しやすいこと。熱特性とし
て保存時に安定していること。安全性として、毒性が
ないこと。等である。上記記録紙再生装置に用いられる
記録紙上のトナ−は、上述した条件を満足させるもので
あり、この条件を満足するのものとして、ビニルケトン
系モノマ−の重合体を含むプラスチックが適当とされて
いる。また、結着剤樹脂に光分解促進剤を添加した樹脂
を用い、光分解生を付与するようにしても良い。次に、
トナ−の構成について述べる。
【0015】(1) トナ−構成
【0016】(一)結着樹脂例 ポリスチレン、クロルポリスチレン、ポリ−α−メチル
スチレン、スチレン−クロルスチレン共重合体、スチレ
ン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジェン共重合
体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル
酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合
体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−
アクリルフェニル共重合体)、スチレン−メタクリル酸
エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共
重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチ
レン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタク
リル酸フェニル共重合体)、スチレン−α−クロルアク
リル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸ニトリル
−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(ス
チレン又はスチレン置換体を含む単重合体あるいは共重
合体)、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、
フェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、低
分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アイオ
ノマ−樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン
−エチレンアクリレ−ト共重合体、キシレン樹脂、ポリ
ビニルブチラ−ルが選択され、特に好ましくは、スチレ
ン系樹脂を用いることが多い。
【0017】(二)着色材料 ブラック用としては、カ−ボンブラック、スピットブラ
ック、アニリンブラック(C.Ipigumennt Black1)
【0018】
【表1】 この着色材料は結着樹脂100部に対して、0.5乃至
40重量部の範囲内で選択され、好ましくは、1乃至3
0重量部とされている。
【0019】(三)荷電制御剤 負極性−金属錯塩染料、サルチル酸金属塩またはサルチ
ル酸誘導体の金属塩、正極性−ニグロシン染料、第4級
アンモニウム塩、アミノ酸を含む樹脂上述した荷電制御
剤の量は、結着樹脂100部に対して0.05乃至25重量
部の範囲内で選択され、好ましくは、0.1乃至20重
量部とされている。
【0020】(四)光分解性プラスチック ビニルケトン系モノマ−の重合体を含むプラスチックが
用いられ、具体的には、次のような成分がある。メチル
ビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン、t−ブチ
ルビニルケトン、エチルビニルケトン、フェニルビニル
ケトン、ジビニルケトン、アセトキシメトルケトン、ク
ロルメチルケトン、α−アセトキシメチルビニルケト
ン、β−クロルビニルメチルケトン、α−クロルメチル
ビニルケトン。また、これらのビニル系モノマ−の重合
体としては、単独重合体や共重合体であっても良く、共
重合体の相手のモノマ−として具体的にはビニル系モノ
マ−のエチレン、スチレン、メチルメタアクリルレ−
ト、α−ブチルメタクリレ−ト、α−エチレンヘキシル
メタアクリルレ−ト、塩化ビニル、α−メチルスチレ
ン、アクリルニトリル、酢酸ビニル、プロピレン等が挙
げられる。このプラスチックは結着樹脂100部に対し
て1乃至70重量部、好ましくは、1.5乃至50重量
部とされている。
【0021】(五)光分解促進剤 アルド−ル−α−ナフチルアミン縮合体、アセチルアセ
トン、金属ジエチル−ジチオカルバメ−ト鉄、サルチル
アルデヒド、α−メチルカプトベンゾチアゾ−ル、ステ
アリン酸金属塩、チオジプロピオン酸、鉄アセチルアセ
トネ−ト、p−ベンゾンキノン、α−ナフトキノン、ア
ントラキノンおよびその誘導体。上述した分解促進剤は
前記した結着樹脂に添加することにより、結着剤100
部に対して1乃至70重量部が選択され、好ましくは、
1.5乃至50重量部とされる。また、分解促進剤は単独
だけでなく、2種以上混合しても良いものである。 そ
して、トナ−粒径は約30μm以下とし、好ましくは3
乃至20μmとする。 さらにトナ−の流動性を改善す
るために、TiO2、SiO2、SnO2、Al23等の
他の添加材を加えても良い。
【0022】(2) キャリア 酸化鉄粉、Ni−Znフェライト、Cu−Znフェライ
ト、Beフェライト、Srフェライト、ZnOフェライ
ト、ガラスビ−ズ、鉄粉、Ni粉、Cu粉、樹脂ビ−等
が用いられる。上述したキャリア粒径は10乃至300
μmの中から選択され、好ましくは、15乃至150μ
mとされ、また、必要に応じて、酸化膜等の被覆層が設
けられる。また、上述したトナ−として、1成分系磁性
トナ−を用いる場合には、トナ−中に磁性粉を含有させ
て用いる。そして、このような磁性粉としては、磁場の
中に置かれて磁化しやすいものが選択され、具体的に
は、鉄、コバルトおよびニッケル等の強磁性金属の粉
末、あるいはマグネタイト、ヘマタイトさらにはフェラ
イト等の合金や化合物が選択される。この磁性粉の含有
量はトナ−重量に対して15乃至70重量部とされてい
る。
【0023】上述した光分解性プラスチックは、トナ−
を構成した場合、光照射によりその中のケトン基が効率
的に光エネルギ−を吸収し、−C−C結合を切断するた
めにトナ−としての定着付着性等の機能を除去される。
従って、光照射に用いられる光源としては、吸収性が良
い短波長の光が良く、このため、紫外線を多く含むキセ
ノンランプ、水銀灯などの照明装置が用いられると良
い。また、これらの照明光源に代えて、短波長レ−ザ−
を使用しても良い。 さらに、上述した短波長の光は、
結着樹脂に添加された分解促進剤に対しても有効に作用
するので、この種短波長の光を用いた光源が有利であ
る。
【0024】本実施例は以上のような構成を備えた記録
紙再生装置を用いて、以下に説明するトナ−分解処理に
より記録紙を再生する。すなわち、記録紙再生装置に導
入するための記録紙Sに用いられる現像剤を次の行程に
より製造する。つまり、この行程は、トナ−とキャリア
とを混合させた2成分系現像剤の場合であり、次の処方
の混合物を2本ロ−ル上で加熱下混合し、冷却後粉砕分
級して粒径5乃至20μmに仕上げる。 ポリスチレン(エッソ社製:商品名D−125) 100部 含金属染料(保土ケ谷化学社製:商品名スピロンブラックBH) 5部 カ−ボンブラック(三菱化成社製:商品名♯44) 10部 光分解性プラスチック ポリメチルビニルケトン 10部 そして、2成分系現像剤キャリアとして、平均粒系約1
00μmの鋼ビ−ズ(新東プレ−タ−社製:商品名マク
ロショットSF−100)を用い、キャリア100重量部に対
してトナ−3重量部を混合する。なお、この現像剤にお
けるブロ−オフ法によるトナ−の帯電量(Q/M)は−14
μC/gであった。上述した処理による現像剤を用いて
通常の電子写真複写を行って記録紙S上に原稿像に応じ
た可視画像を通常の電子写真複写行程により形成する。
そして、このような現像剤中のトナ−を表面に担持して
いる記録紙Sは、印字分解処理部3Aに導入されるが、
印字分解処理部3Aでは、光照射装置3A3として、水
銀灯が用いられて短波長の光を照射するようにしてあ
る。そして、印字分解処理部3Aでは、常温下において
光分解による分解工程が実行されるが、反応速度が温度
に依存する性質をもつことから、印字分解処理部3A内
において、搬送ベルト3A4の記録紙載置側の面の裏側
に、例えば、セラミックヒ−タを配置して温度管理を行
い、分解速度の安定化および分解時間の制御を容易にす
るようにしても良い。従って、このような環境設定が行
われた印字分解処理部3Aに記録紙Sが導入されると、
印字分解処理部3Aにおける記録紙導入側および排出側
の開口が閉じられて内部を密閉した上で光照射装置3A
3による短波長の光が照射されるとともに、搬送ベルト
3A5の速度による搬送時間を設定されてトナ−の分解
が行われる。また、上述した搬送時間により表面のトナ
−が分解された記録紙Sは、印字分解処理部3Aにおけ
る記録紙排出側の開口から排出されてクリ−ニング3B
に搬送される。上述したクリ−ニング部3Bでは、記録
紙上に残留している分解後のトナ−を除去するクリーニ
ング工程が実行される。クリーニング工程では、分解後
のトナーが超音波振動子3B2により遊離され、この状
態のトナ−がトナ−除去部材3B1によって掃き取られ
て記録紙S上から除去される。一方、トナ−除去部材3
B2に付着したトナ−はクリ−ニング部材3B3により
除去部材3B1から掻き取られ、トナ−回収部材3B4
により回収される。上述した印字分解処理部3Aおよび
クリ−ニング部3B内を搬送された記録紙Sは、クリ−
ニング部3Bから排出された時点で、その搬送路上に位
置するフォトセンサ4Aによって消去された画像面の濃
度を検出される。そして、フォトセンサ4Aによる濃度
検出出力は制御部6のマイクロコンピュ−タ6Aに取り
込まれ、この検出出力が例えば、図4における所定値以
上かどうかを判別し、所定値以上で再使用可能な状態に
分解されていると判断した場合には、分離部4における
ソレノイド4B3の駆動回路4B4を通常状態に維持
し、ソレノイド4B3を通常態位に設定する。従って、
再使用可能と判断された記録紙Sは、第1の排出路5A
を経由して収容トレ−5A1に格納される。一方、上述
したフォトセンサ4Aからの検出出力が所定出力以下の
場合には、駆動回路4B4を介してソレノイド4B3に
通電され、記録紙Sを第2の排出路5Bに向け移送でき
る態位が設定される。つまり、上述した検出出力が所定
値以下の場合として考えられるのは、分解処理が充分で
なかった場合と分解できない成分を用いた現像剤が使用
されている場合である。従って、このような場合には、
記録紙Sが搬送路切り換え爪4B2を介して第2の排出
路末端に位置する収容トレ−5B1に格納される。な
お、上述した第2の排出路5Bの末端に、収容トレ−の
代わりに廃棄バンクとしての、例えば、シュレッダを接
続しておき、上記ソレノイド4B2が揺動変位するのに
あわせてシュレッダを作動させるようにすれば、機密文
書等の処分が他人の眼に触れることなく行える。さら
に、上述した第1の排出路の末端部を収容トレ−に代え
て印字装置の給紙部に接続しておけば、再使用可能な記
録紙を再度印字装置に給紙する場合に便利となる。本実
施例によれば、印字分解処理部3Aにおいて常温による
分解処理を実行するのでなく、環境設定を行うようにし
たので、分解にかかる速度や時間さらにはその条件の管
理を一定化することができる。
【0025】また、上述した現像剤の成分に代えて、他
の成分を混合した場合の例を以下に示し、この場合に
も、上述した場合と同様に、次の処方の混合物を2本ロ
−ル上で加熱下混合して冷却後、粉砕分級し、粒径が5
乃至20μmの現像剤として製作する。 ポリスチレン(エッソ社製:商品名D−125) 100部 含金属染料(保土ケ谷化学社製:商品名スピロンブラックBH) 5部 カ−ボンブラック(三菱化成社製:商品名♯44) 10部 光分解性プラスチック アルド−ル−α−ナフチルアミン縮合体 10部 アセチルアセトン 6部 前述した場合と同様にして2成分系現像剤を調整した。
なお、この現像剤におけるブロ−オフ法によるトナ−の
帯電量(Q/M)は、−16μC/gであった。そして、上
述した混合成分による現像剤中のトナ−を表面に付着さ
せた記録紙Sに対しては、キセノンランプにより短波長
の光を照射した。
【0026】さらに、本実施例においては、上述した2
成分系の現像剤に代えて1成分系の現像剤を用いること
も可能であり、この場合には、次の処方の混合物を2本
ロ−ル上で加熱下混合し、冷却後、粉砕分級して粒径5
乃至20μmの1成分系現像剤を製造した。 ポリスチレン(エッソ社製:商品名D−125) 100部 染料(オリエント化学社製:商品名スペシャルブラック SB) 5部 光分解性プラスチック ポリメチルビニルケトン 13部 磁性体 50部
【0027】
【発明の効果】以上、請求項1乃至3記載の発明によれ
ば、光分解性のプラスチックを含む印字画像を担持して
いる記録媒体を用いた場合に、トナ−を光分解すること
で再生処理することが可能になり、結果として、印字装
置等の画像形成装置が設置されている場所で、だれでも
が容易に記録紙等の記録媒体の再生を行えることで資源
保護を目的とする再生が実現できる。また、一度使用し
た記録紙等の記録媒体を回収して繊維化することで再使
用可能な状態を得るようにした従来の再生処理に比べ、
記録紙上のトナ−のみを消去するだけで再使用可能な状
態とすることができるので、再生のためのコスト、つま
り、新たに紙の製造を行う方法に比べた場合の製造コス
トが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例による記録媒体再生方法に用いら
れる記録紙再生装置の全体構成を示す模式的な配置図で
ある。
【図2】図1に示した記録紙再生装置内の要部を示す斜
視図である。
【図3】図1に示した記録紙再生装置の制御部の構成を
説明するためのブロック図である。
【図4】図3に示した制御部に用いられるフォトセンサ
の検出出力と残留トナー量との関係を説明するための線
図である。
【符号の説明】
1 記録媒体再生装置に相当する記録紙再生装
置 2 給紙部 3 再生処理部 3A 分解処理部 3B クリーニング部 3B2 トナー除去部材 3B3 クリーニング部材 3B4 トナー回収部材 4 分離部 4A フォトセンサ 4B 分離装置 4B1 搬送ベルト 4B2 搬送路切り換え爪 4B3 ソレノイド 4B4 駆動回路 5A 第1の排出路 5B 第2の排出路 6 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 潤子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭60−89163(JP,A) 特開 平4−234056(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 21/00 570 - 578 G03G 9/00 - 9/18 B41J 29/00 - 29/70

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可視画像を担持した状態で給送される記録
    媒体の可視画像部を消去して記録媒体を再生する記録媒
    体再生方法において、 上記記録媒体上の可視画像を構成するトナーを光分解す
    る分解工程と、 上記分解されたトナーを上記記録媒体上から除去するク
    リーニング工程とを含むことを特徴とする記録媒体再生
    方法
  2. 【請求項2】請求項1記載の記録媒体再生方法を用いる
    装置であって、 記録媒体上の可視画像を消去する分解処理部と分解処理
    後、記録媒体上の可視画像に含まれているトナ−を上記
    記録媒体上から除去するクリ−ニング処理部とからなる
    再生処理手段を備え、 上記分解処理部は、密閉空間とされ、光分解プラスチッ
    クを用いたトナ−に対して光照射し、 上記クリ−ニング処理部は、前記分解処理部に対する記
    録媒体移動方向下流側に位置し、前記トナ−を前記記録
    媒体上から遊離させることを特徴とする記録媒体再生装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の記録媒体再生方法を用いる
    記録媒体再生装置であって、 記録媒体上の可視画像を消去する分解処理部と、分解処
    理後の記録媒体上から可視画像に含まれているトナ−を
    記録媒体上から除去するクリ−ニング処理部とからなる
    再生処理手段と、 再生後の記録媒体の画像状況に基づいて記録媒体を分別
    する分別手段と、 を備え、 上記分別手段は、上記再生処理手段から排出される記録
    媒体が再使用可能なものであるかを検出し、再使用可能
    な場合には再度、可視画像形成が可能な位置に収容する
    手段を備えたことを特徴とする記録媒体再生 装置。
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