JP2964852B2 - 顔料付着蛍光体 - Google Patents

顔料付着蛍光体

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JP2964852B2 JP23945293A JP23945293A JP2964852B2 JP 2964852 B2 JP2964852 B2 JP 2964852B2 JP 23945293 A JP23945293 A JP 23945293A JP 23945293 A JP23945293 A JP 23945293A JP 2964852 B2 JP2964852 B2 JP 2964852B2
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裕一 前田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、顔料付着蛍光体に関
し、詳細には水溶性ヘミセルロースを有効成分とする、
カラー受像管の蛍光面に使用する顔料付着蛍光体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、カラー受像管の蛍光面を形成する
ために使用される蛍光体に対し、赤色蛍光体の表面には
赤色顔料を、青色蛍光体の表面には青色顔料を、そして
緑色蛍光体の表面には緑色顔料を各々付着させることに
より、外光の反射を低下させて映像のコントラストを向
上させ、さらに発色光を鮮明にするという処理が行なわ
れている。
【0003】顔料を蛍光体に付着させる方法としては、
蛍光体と顔料とを、それぞれポリカチオン溶液、ポリア
ニオン溶液に懸濁し、それぞれポリカチオンコロイド、
ポリアニオンコロイドとして混合し、電気的な相互作用
によって両者を付着させる複合コアセルベーション法を
応用したものが適用されている。
【0004】複合コアセルベーション法において使用さ
れるポリカチオンコロイドとしては、例えばゼラチンお
よび、その誘導体、アルブミン、カゼイン、ヘモグロビ
ン、可溶性コラーゲン等の蛋白質が一般に挙げられ、一
方、ポリアニオンコロイドとしては、例えばアラビアガ
ムあるいは、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ト
ラガントガム、カルボキシルメチルセルロース、寒天、
ポリビニルピロリドン、ポリビニルベンゼンスルホン
酸、ポリビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合
体、界面活性剤などが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】蛍光体に顔料を付着さ
せるための、複合コアセルベーション法で使用されるポ
リアニオンコロイドとしては、ポリビニルピロリドン
(特開昭50−56146号)、アラビアガム(特公昭
54−3677号)などがよく知られているが、前者で
は、使用した際に顔料付着蛍光体の製造工程が煩雑にな
る上、製造に時間がかかること、後者では近年主要生産
国であるスーダンにおいて、異常気象が続いており生産
量が減少する一方で、供給に不安があるという問題があ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、如上の点
に鑑み鋭意研究した結果、複合コアセルベーション法で
使用されるポリアニオンコロイドとして水溶性ヘミセル
ロース、特に豆類由来の水溶性ヘミセルロースを使用す
ると、非常に良好な顔料付着蛍光体が製造できるという
知見を得た。本発明は、かかる知見に基づいて完成され
たものである。
【0007】即ち、本発明は水溶性ヘミセルロースを有
効成分とする顔料付着蛍光体、である。
【0008】本発明における水溶性ヘミセルロースは豆
類由来、特に大豆、なかでも子葉由来のものが好まし
い。
【0009】水溶性ヘミセルロースは、その分子量がど
の様な値のものでも使用可能であるが、好ましくは平均
分子量が数千〜数百万、具体的には5千〜100 万である
のが好ましい。なお、この水溶性ヘミセルロースの平均
分子量は標準プルラン(昭和電工(株)販)を標準物質
として0.1 MのNaNO3 溶液中の粘度を測定する極限粘度
法で求めた値である。
【0010】水溶性ヘミセルロースは、ヘミセルロース
を含む原料から水抽出や場合によっては酸、アルカリ条
件下で加熱溶出させるか、酵素により分解溶出させるこ
とができる。水溶性ヘミセルロース製造法の一例を示す
と以下のようである。
【0011】油糧種子、例えば大豆、パーム、ヤシ、コ
ーン、綿実などの油脂や蛋白質を除いた殻、あるいは穀
類、例えば米、小麦などの澱粉等を除いた粕等の植物を
原料とすることができる。原料が大豆であれば、豆腐や
豆乳、分離大豆蛋白を製造するときに副生するオカラを
利用することができる。
【0012】これらの原料を酸性乃至アルカリ性の条件
下、好ましくは各々の蛋白質の等電点付近のpHで、好ま
しくは130 ℃以下80℃以上、より好ましくは130 ℃以下
100℃以上にて加熱分解し、水溶性画分を分画した後、
そのまま乾燥するか、例えば活性炭処理或いは樹脂吸着
処理或いはエタノール沈澱処理して疎水性物質あるいは
低分子物質を除去し乾燥することによって、水溶性ヘミ
セルロースを得ることができる。
【0013】また、粘度が高過ぎると、良好なコアセル
ベートが得られない場合がある。そこで、水溶性ヘミセ
ルロースの分子量が大きく粘度が高過ぎる時には、脱色
・脱臭や乾燥する以前に、更に低分子化する処理が有効
な場合が多い。低分子化処理は、加熱分解する時に加熱
条件を強くする事によっても可能であるが、ヘミセルロ
ースの分解抽出溶液をアルカリ・酸・熱・酵素等の処理
によって行う事も出来る。
【0014】水溶性ヘミセルロース溶液の粘度は、例え
ば10%水溶液の場合200 センチポイズ以下が良く、より
好ましくは100 センチポイズ以下、更に好ましくは50セ
ンチポイズ以下が良い。
【0015】本発明における水溶性ヘミセルロースを、
顔料を蛍光体に付着させるために、複合コアセルベーシ
ョン法におけるポリアニオンコロイドとして使用した場
合、アラビヤガムを使用した場合よりも優れた付着性を
示す。
【0016】本発明において、水溶性ヘミセルロース
は、単独でポリアニオンコロイドとして使用することが
できるが、既存のポリアニオンコロイドと併用すること
により、既存のポリアニオンコロイドの欠点を補うこと
ができる場合もある。
【0017】既存のポリアニオンコロイドとしては、前
述したようにアラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カ
ラギーナン、トラガントガム、カルボキシルメチルセル
ロース、寒天、ポリビニルピロリドン、ポリビニルベン
ゼンスルホン酸、ポリビニルメチルエーテル−無水マレ
イン酸共重合体、界面活性剤などが挙げられる。
【0018】以下にゼラチンと水溶性ヘミセルロースを
使用した複合コアセルベーション法による顔料付着蛍光
体の製造法を示す。ゼラチンと水溶性ヘミセルロースの
組み合わせの重量比は、10:1〜1:10であり、好まし
くは、2:1〜1:2の範囲内である。また、顔料の蛍
光体への付着が良好に行なわれるためには、ゼラチンお
よび水溶性ヘミセルロースの濃度が一定の濃度以下であ
ることが必要で、両コロイドの混合液濃度は10%以下、
好適には4%以下であることが望ましい。ただし、あら
かじめ顔料あるいは蛍光体を、高濃度のコロイド液に分
散あるいは乳化させた後に所定濃度にまで希釈し、顔料
付着蛍光体を製造することも可能である。
【0019】前述のゼラチン、水溶性ヘミセルロース混
合コロイド液は、ゼラチンのゲル化点以上の温度に保温
した状態で液を徐々にゼラチンの等電点以下のpHまで酸
性にするとコアセルベーションが起こり蛍光体の周囲に
顔料が均一に付着する。この酸性化には、水溶性のもの
であれば、無機酸、有機酸のいずれでも使用できる。た
だし、いずれの酸を用いる場合も希薄溶液として徐々に
滴下することにより、顔料の付着が良好に行われる。
【0020】このようにして得られた顔料付着蛍光体
は、溶液の温度をゼラチンのゲル化点以下に下げるとゼ
ラチンがゲル化し、顔料が蛍光体の周囲を均一に被膜し
た状態である程度の固定化が成される。しかし、実際に
使用するのに必要な付着強度を得るためには、硬化剤に
より硬化処理を行い、粒子をより一層強固に固定化する
必要がある。硬化剤としては、例えばホルムアルデヒ
ド、グルタルアルデヒド、ムコクロル酸、グリオキザー
ル、グリセリンアルデヒド、アクロレイン等のアルデヒ
ド類、O−ベンゾキノン、P−ベンゾキノン、シクロヘ
キサン−1,2−ジオン等のジケトン類、タンニン酸、
没食子酸、第二鉄塩等が挙げられる。なかでも特にホル
ムアルデヒド、グルタルアルデヒドが好適に使用され
る。
【0021】さらに、顔料の付着強度をより一層強くす
るために、調製された顔料付着蛍光体を他の被覆剤によ
って二重に被覆することも可能である。二重被覆は、硬
化前あるいは硬化後の顔料付着蛍光体懸濁液に被覆物質
を溶解させ、液性の変化、他物質の添加等による被覆物
質の不溶化を起こさせることにより達成される。被覆物
質としては、例えば、ベンジルアミノメチルセルロー
ス、ジエチルアミノメチルセルロース等のセルロース誘
導体、ビニルジエチルアミン−ビニルアセテート共重合
体、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、
ポリジエチルアミノメチルスチレン等のポリビニル誘導
体等の酸性で水に溶解し、中性あるいはアルカリ性で水
に不溶性の化合物、セルロースアセテートフタレート、
セルロースアセテートサクシネート等のセルロース誘導
体、ポリビニルアルコールフタレート、ポリビニルアセ
テートフタレート等のポリビニル誘導体等のアルカリ性
で水に溶解し、中性あるいは酸性で水に不溶性の化合
物、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロー
ス等の不溶性の塩を形成する化合物、縮重合が初期段階
にあり水溶性のメチロール化合物等の樹脂基材等が挙げ
られる。
【0022】本発明の顔料付着蛍光体で使用される蛍光
体および顔料は、一般に使用され得るものであれば何で
もよい。蛍光体としては、マンガン賦活オルソ燐酸亜鉛
蛍光体、マンガン賦活珪酸マグネシウム蛍光体、銀賦活
硫化亜鉛カドミウム蛍光体、ユーロピウム賦活バナジン
酸イットリウム蛍光体、ユーロピウム賦活酸化イットリ
ウム蛍光体、マンガン賦活フッ化亜鉛マグネシウム蛍光
体、タングステン酸カルシウム蛍光体、銀賦活硫化亜鉛
蛍光体、テルビウム賦活硫化イットリウム蛍光体、チタ
ン賦活珪酸カルシウム・マグネシウム蛍光体、セリウム
賦活カルシウム・マグネシウム蛍光体、マンガン賦活珪
酸亜鉛蛍光体、銅賦活硫化亜鉛蛍光体、銅賦活硫化亜鉛
カドミウム蛍光体、亜鉛賦活酸化亜鉛蛍光体、銀賦活硫
化亜鉛カドミウム蛍光体、銀賦活硫セレン化亜鉛蛍光体
などが挙げられ、また、顔料としては、硫セレン化カド
ミウム、亜酸化銅、酸化鉄、ジンクアイアンレッド、黄
鉛、ジンクアイアンイエロー、群青、アルミン酸コバル
ト、セルリアンブルー、硫化銅、クロム緑、コバルト
緑、酸化クロムおよび各色セラミック顔料などが挙げら
れる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施態様を説明
するが、これは例示であって本願発明の精神がこれらの
例示によって制限されるものではない。なお、例中、部
および%は何れも重量基準を意味する。
【0024】○ 水溶性大豆ヘミセルロースの調製 分離大豆蛋白製造工程において得られた生オカラに2倍
量の水を加え、塩酸にてpHを4.5 に調製し、120 ℃で1.
5 時間加水分解した。冷却後遠心分離し(10000 G ×30
分)、上澄と沈澱部に分離した。こうして分離した沈澱
部を更に等重量の水で水洗し、遠心分離し、上澄を先の
上澄と一緒にしてイオン交換樹脂を用いて脱塩し、活性
炭カラム処理した後、乾燥して水溶性大豆ヘミセルロー
ス(イ)を得た。
【0025】前記加水分解の方法を 125℃で2.5 時間と
した以外は同様にして水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)
を得た。
【0026】更に、この水溶性大豆ヘミセルロース
(ロ)を0.5 %食塩水に溶解し、エタノール濃度が50%
となるようにして再沈澱を3回繰り返し、UF膜を用い
て脱塩して水溶性ヘミセルロース(ハ)を得た。
【0027】得られた水溶性大豆ヘミセルロース
(イ)、(ロ)、(ハ)の成分を常法により、粘度をB
M型粘度計(ローターNo1,60rpm )により、平均分子量
を極限粘度法により測定した結果を以下にまとめる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 成 分(%) (イ) (ロ) (ハ) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水 分 5.71 7.75 5.10 粗蛋白 2.64 5.05 0.53 粗灰分 0.13 0.18 0.07 多糖類 90.80 85.92 94.00 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 粘 度 55.0cP 35.5cP 72.0cP −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 平均分子量 230,000 180,000 325,000 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0028】次に、(イ)、(ロ)及び(ハ)の水溶性
大豆ヘミセルロースの糖組成を次の方法で分析した。ウ
ロン酸の測定は Blumenkrantz 法により、また中性糖は
アルジトールアセテート法によりGLCを用いて測定し
た。
【0029】結果は以下のとおり。 糖組成(重量%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 糖の種類 (イ) (ロ) (ハ) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ウロン酸 20.4 16.9 23.1 ラムノース 2.4 2.7 2.1 フコース 2.7 5.2 3.9 アラビノース 19.9 19.2 19.4 キシロース 6.4 8.4 5.8 ガラクトース 47.3 45.9 45.2 グルコース 0.9 1.7 0.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0030】実施例1 水溶性大豆ヘミセルロース(イ) 5部を水95部に溶解
し、ユーロピウム賦活酸硫化イットリウム蛍光体100 部
を添加し、ボールミルを用いて完全分散させ、蛍光体の
分散液を得た。一方、ゼラチン 5部を40℃の温水95部に
溶解したゼラチン液に、硫セレン化カドミウムを 1部添
加し、ボールミルを用いて完全分散させ、顔料の分散液
を得た。この両分散液を40℃に調温し、混合した。さら
に、40℃に加温した温水 700部を加え、水溶性大豆ヘミ
セルロース、ゼラチンの混合コロイド溶液を希釈した
後、10% 酢酸液を用いてpHを 4.2に調整し、コアセルベ
ーションを起こさせることにより、顔料を蛍光体表面に
付着させた。顔料が付着したら混合コロイド溶液を、5
℃にまで冷却し、顔料付着蛍光体の粒子を固定化する。
固定化後、上澄液を濾過し、さらに冷水洗後、温風乾燥
機で乾燥させ、顔料付着蛍光体(1)を得た。
【0031】実施例2 水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)10部を水90部に溶解
し、コバルト青1部を添加し、ボールミルを用いて完全
分散させ、顔料の分散液を得た。一方、ゼラチン5部を
40℃の温水95部に溶解したゼラチン液に、銀賦活硫化亜
鉛蛍光体を 100部添加し、ボールミルを用いて完全分散
させ、蛍光体の分散液を得た。この両分散液を40℃に調
温し、混合した。さらに、40℃に加温した温水 700部を
加え、水溶性大豆ヘミセルロース、ゼラチンの混合コロ
イド溶液を希釈した後、 10%酢酸液を用いてpHを 4.2に
調整し、コアセルベーションを起こさせることにより、
顔料を蛍光体表面に付着させた。顔料が付着したら混合
コロイド溶液を、5℃にまで冷却し、顔料付着蛍光体の
粒子を固定化する。固定化後、37% ホルムアルデヒド溶
液を1ml加え、 1時間攪拌後、2N−水酸化ナトリウム
を加えpHを9に調整した。その後、液温を50℃に上げ5
時間硬化処理を行なった。硬化処理後、上澄液を捨て、
さらに水洗後、温風乾燥機で乾燥させ、顔料付着蛍光体
(2)を得た。
【0032】実施例3 水溶性大豆ヘミセルロース(ハ) 2.5部を水97.5部に溶
解し、銅賦活硫化亜鉛カドミウム蛍光体 100部を添加
し、ボールミルを用いて完全分散させ、顔料の分散液を
得た。一方、ゼラチン 5部を40℃の温水95部に溶解した
ゼラチン液に、酸化クロムを 1部添加し、ボールミルを
用いて完全分散させ、蛍光体の分散液を得た。この両分
散液を40℃に調温し、混合した。さらに、40℃に加温し
た温水 700部を加え、水溶性大豆ヘミセルロース、ゼラ
チンの混合コロイド溶液を希釈した後、 10%酢酸液を用
いてpHを 4.2に調整し、コアセルベーションを起こさせ
ることにより、顔料を蛍光体表面に付着させた。顔料が
付着したら混合コロイド溶液を、5℃にまで冷却し、顔
料付着蛍光体の粒子を固定化する。固定化後、25% グル
タルアルデヒド溶液を5ml加え、 1時間攪拌する。その
後、液温を30℃に上げ5時間硬化処理を行なった。硬化
処理後、上澄液を捨て、全量を 100部にし、ニカレジン
305(日本カーバイド(株))10部を水 300部に溶解し
た液を加え、攪拌しながら 10%塩酸でpHを 5.0に調整
し、20℃で10時間攪拌し、二重被膜処理を行った。二重
被膜処理後、上澄液を捨て、さらに水洗後、温風乾燥機
で乾燥させ、顔料付着蛍光体(3)を得た。
【0033】実施例4 水溶性大豆ヘミセルロース(イ) 1部を水 399部に溶解
し、ユーロピウム賦活酸硫化イットリウム蛍光体100 部
を添加し、ボールミルを用いて完全分散させ、蛍光体の
分散液を得た。一方、ゼラチン 1部を40℃の温水 499部
に溶解したゼラチン液に、硫セレン化カドミウムを 1部
添加し、ボールミルを用いて完全分散させ、顔料の分散
液を得た。この両分散液を40℃に調温し、混合した。混
合後、10% 酢酸液を用いてpHを 4.2に調整し、コアセル
ベーションを起こさせることにより、顔料を蛍光体表面
に付着させた。顔料が付着したら混合コロイド溶液を、
5℃にまで冷却し、顔料付着蛍光体の粒子を固定化す
る。固定化後、上澄液を濾過し、さらに冷水洗後、温風
乾燥機で乾燥させ、顔料付着蛍光体(4)を得た。
【0034】比較例1 6%ポリビニルピロリドン溶液 3.5部に、硫セレン化カ
ドミウムを 1部添加し、ボールミルを用いて完全分散さ
せ、分散後、蒸留水を40部添加し、顔料の分散液を得
た。一方、ゼラチン 1部を40℃の温水 499部に溶解した
ゼラチン液に、ユーロピウム賦活酸硫化イットリウム蛍
光体100 部を添加し、ボールミルを用いて完全分散さ
せ、その後、遠心分離によりゼラチン付着蛍光体を沈殿
として回収した。回収された蛍光体は 500部の蒸留水で
3回洗浄し、余分なゼラチンを洗い流した。洗浄後の蛍
光体を前記の顔料分散液に懸濁し、顔料粒子を蛍光体表
面に付着させた。顔料が付着したら上澄液を濾過し、さ
らに 2回水洗した後、温風乾燥機で乾燥させ、顔料付着
蛍光体(5)を得た。
【0035】比較例2 実施例1において、水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を
用いる代わりに、アラビアガムを使用した以外は実施例
1と全く同様にして顔料付着蛍光体を試作し、顔料付着
蛍光体(6)を得た。
【0036】比較例3 実施例4において、水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を
用いる代わりに、アラビアガムを使用した以外は実施例
4と全く同様にして顔料付着蛍光体を試作し、顔料付着
蛍光体(7)を得た。
【0037】以上、実施例1〜4、比較例1〜3より得
られた顔料付着蛍光体(1)〜(7)の顔料粒子の付着
強度を以下に示す方法で測定した。
【0038】
【顔料粒子付着強度測定法】蒸留水20部、 10%ポリビニ
ルアルコール溶液10部、5% 重クロム酸アンモニウム溶
液2部の混合溶液に、上記顔料付着蛍光体をそれぞれ10
部ずつ添加し、1時間攪拌後、3000g 、10分間遠心分離
を行い、上澄液の一部をとり 100倍希釈し、その希釈上
澄液における特定波長の光の透過率を測定し、攪拌前の
透過率からの変化量から顔料の付着強度を算出した。な
お、付着強度を測定するために用いた光の波長は、それ
ぞれ赤色では 500nm、青色、緑色では 550nmである。
【0039】顔料の付着強度を測定した結果を以下に示
す。 (以下余白) 顔料付着蛍光体No. 顔料付着強度* 備考 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (1) 92 実施例1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2) 97 実施例2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (3) 98 実施例3 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (4) 92 実施例4 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (5) 65 比較例1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (6) 84 比較例2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (7) 87 比較例3 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− *攪拌前の透過率を 100としたときの攪拌後の透過率の割合
【0040】
【発明の効果】このように、本発明における水溶性ヘミ
セルロースを用いると、複合コアセルベーション法によ
る蛍光体への顔料の付着が良好に行われ、従来使用され
ていたアラビアガムあるいはポリビニルピロリドンより
も良好な顔料付着蛍光体が調製出来ることが確認され
た。すなわち、この水溶性ヘミセルロースを利用するこ
とにより従来のアラビアガムあるいはポリビニルピロリ
ドンであったような供給不安、作業の煩雑さを感じるこ
となく良好な顔料付着蛍光体が製造でき、高品質なカラ
ー受像管を量産するにあたり非常に大きな利益を与え
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−3407(JP,A) 特開 昭55−81447(JP,A) 特開 昭53−78986(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 11/02 C09K 11/08 H01J 29/20 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性ヘミセルロースを有効成分とする
    顔料付着蛍光体。
  2. 【請求項2】 水溶性ヘミセルロースが大豆由来であ
    る、請求項1に記載の顔料付着蛍光体。
JP23945293A 1993-09-27 1993-09-27 顔料付着蛍光体 Expired - Fee Related JP2964852B2 (ja)

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