JP2964679B2 - 車両用蒸発式加湿器 - Google Patents

車両用蒸発式加湿器

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JP2964679B2 JP6667591A JP6667591A JP2964679B2 JP 2964679 B2 JP2964679 B2 JP 2964679B2 JP 6667591 A JP6667591 A JP 6667591A JP 6667591 A JP6667591 A JP 6667591A JP 2964679 B2 JP2964679 B2 JP 2964679B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の車室内を加湿す
る車両用蒸発式加湿器に関するもので、特に複数の車両
乗員の顔部に順に加湿空気を吹き出すことが可能な車両
用蒸発式加湿器に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用蒸発式加湿器は、例え
ば特開昭56−147115号公報等に開示されている
ように、水を加熱して水蒸気を発生する水蒸気発生部が
エンジンルーム内に取り付けられている。このため、そ
の水蒸気発生部の取り付け位置と一番加湿の必要な車両
乗員の顔部との距離が大きく離れることとなる。この結
果、水蒸気発生部で発生した水蒸気が車両乗員の顔部に
到達する前に拡散してしまうために、車両乗員の顔部に
効率的な加湿を行うことができなかった。そこで、従来
の車両用蒸発式加湿器においては、有効な加湿を得るた
めに、水蒸気発生部への電力の供給量を増大させて加湿
量を増加させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この方法で
は、車室内の加湿量が増加するためウィンドガラスが曇
ったり、水蒸気発生部への電力の供給量を増大するため
水蒸気発生部における消費電力が増大するという課題が
あった。また、水蒸気発生部の代わりに水タンク内に超
音波を照射して霧を発生させる超音波式加湿器を用いる
ことも考えられる。ところが、車室内は水の保存条件が
悪く、水タンク内の水の中に不純物が含まれていたり、
細菌が発生していたりすることが多い。このため、超音
波式加湿器は、水と共に不純物や細菌を車室内に飛ばし
てしまう可能性が大きく、車室内の衛生上好ましくない
という課題があった。
【0004】
【発明の目的】本発明は、車両乗員の顔部に効率的な加
湿が行え、且つ車室内の衛生を保てる車両用蒸発式加湿
器の提供を目的とする。また、一定方向の加湿偏重とな
らず、周囲雰囲気を略均一に加湿することのできる車両
用蒸発式加湿器の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、内部に水が流入する蒸発部、およびこの蒸発部内に
流入した水を加熱して水蒸気を発生する加熱手段を有す
る水蒸気発生手段と、前記蒸発部に水を供給する水タン
クと、前記蒸発部と前記水タンクとの間を開閉する電磁
弁と、内部に前記水蒸気発生手段を収納するとともに、
前記蒸発部内の水蒸気を車室内の異なる方向に向かって
吹き出す複数個の吹出ノズルを有するハウジングと、前
記蒸発部と前記複数個の吹出ノズルのいずれかとを選択
的に連通することが可能な連通路を有する回転体と、こ
の回転体を回転駆動することで、前記蒸発部内の水蒸気
の吹出方向を切り替える電気式回転体駆動手段と、前記
水蒸気発生手段の温度を検出する温度センサと、この温
度センサにて検出された前記水蒸気発生手段の温度が所
定値以上に上昇する都度、前記電磁弁を開弁させるとと
もに、前記電気式回転体駆動手段を通電して前記回転体
を回転させることで、前記連通路を介して前記蒸発部と
前記複数個の吹出ノズルのいずれかとを選択的に連通さ
せ、前記水蒸気発生手段の温度が所定値を下回る都度、
前記電磁弁を閉弁させる制御回路とを備えた技術手段を
採用した。
【0006】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の車両用蒸発式加湿器において、前記ハウジングが、車
両の車室内の天井部に取り付けられていることを特徴と
する。
【0007】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、蒸発部内に流
入した水を加熱手段によって加熱して蒸発させることに
より水蒸気を発生させる。なお、この水蒸気は、蒸発部
内に流入した水に含まれる不純物が蒸発部内に残留し、
且つ蒸発部内に流入した水内に発生した細菌は繁殖が抑
えられるため、清浄な加湿空気となる。そして、その清
浄な加湿空気は、回転体の連通路を通って、ハウジング
の複数個の吹出ノズルから車室内に向かって吹き出され
る。
【0008】そして、水蒸気発生手段の温度を検出して
電磁弁への通電と、蒸発部と複数個の吹出ノズルとの連
通状態を選択的に切り替える電気式回転体駆動手段への
通電とを行い、この電気式回転体駆動手段の通電の都
度、加湿空気の吹出方向を切り替えるようにすることに
より、一定方向の加湿偏重とならず、周囲雰囲気が略均
一に加湿される。
【0009】請求項2に記載の発明によれば、蒸発部が
車室内の天井部付近に設けられることによって蒸発部と
車両乗員の顔部との間の距離が短くなり、加湿空気が車
両乗員の顔部まで届く間の拡散を抑える。
【0010】
【実施例】図1ないし図7は本発明に対する第1比較例
を示したもので、図1は車室内の天井部への乗用車用蒸
発式加湿器の装着状態を示した図で、図2は乗用車用蒸
発式加湿器の概略を示した図で、図3および図4は乗用
車用蒸発式加湿器を示した図である。
【0011】乗用車用蒸発式加湿器1は、車室内2の後
部座席3に着座している1人の車両乗員の顔部に加湿空
気を供給するものである。この乗用車用蒸発式加湿器1
は、車室内2の天井部4に固定された薄型のハウジング
5と、このハウジング5内に収納された電動ファン6
と、この電動ファン6に隣設された加湿器本体7と、こ
の加湿器本体7に水を供給する水供給機構8と、乗用車
用蒸発式加湿器1を制御する制御回路9とを備える。
【0012】ハウジング5は、車室内2の天井部4に取
り付けられた基板部10、およびこの基板部10の一端
部に回動自在に取り付けられた碗状の蓋板部11から構
成されている(図6参照)。
【0013】基板部10には、車室内2とくに車両乗員
の顔部に向かって空気を送るための送風ダクト12およ
び電動ファン6がねじ等により取り付けられている。基
板部10の他端部には、蓋板部11の被係止部13を係
止するための係止部14が形成されている。
【0014】蓋板部11の側面には、車室内2の空気を
吸入する吸入口16が形成され、車室内2とくに車両乗
員の顔部に向かって空気を吹き出すダクト用吹出ノズル
17が配設されている。このダクト用吹出ノズル17の
内側にダクト用蒸気吹出ノズル18があり、ダクト用蒸
気吹出ノズル18の内周には、図5にも示したように、
ダクト用蒸気吹出ノズル18への結露を防ぐためにダク
ト用蒸気吹出ノズル18を加熱する電熱線19が巻回さ
れている。ダクト用吹出ノズル17とダクト用蒸気吹出
ノズル18とは、同軸ノズル構造で、ダクト用吹出ノズ
ル17より吐出される空気の層がダクト用蒸気吹出ノズ
ル18より吐出する加湿空気を包むことで加湿空気の拡
散を防いでいる。
【0015】電動ファン6は、通電されるとハウジング
5の吸入口16から車室内2の空気を送風ダクト12内
に吸引して、車室内2に向かう空気流を発生する。
【0016】加湿器本体7は、ハウジング5の基板部1
0にねじ等により固定されている。この加湿器本体7
は、内部に蒸発室20が形成されている。この蒸発室2
0は、底部に通電されると蒸発室20内の水を加熱して
水蒸気を発生させるPTCヒータ21が取り付けられて
いる。蒸発室20内で発生した水蒸気は、誘導管22を
通って吐出口23から送風ダクト12内に吐出される。
【0017】PTCヒータ21は、チタン酸バリウムを
主成分とする導電性セラミック製の正特性サーミスタ素
子板24を一方の電極とされた加湿器本体7の底部と他
方の電極とされた導電板25との間に挟み込んだもの
で、導電性セラミックに各種の添加物を加えて所定のキ
ューリ点から急激に電気抵抗値が増大するように構成さ
れている。
【0018】水供給機構8は、ハウジング5の基板部1
0にねじ等により固定された電磁弁26、ハウジング5
の蓋板部11にばね等により固定された薄型の樹脂製水
タンク27、および水タンク27から加湿器本体7の蒸
発室20内に水を供給する水供給管28から構成されて
いる。
【0019】電磁弁26は、通電されると開弁して水供
給管28を開き、通電が停止されると閉弁して水供給管
28を閉じる。水タンク27は、内部に水を溜めるもの
である。また、水タンク27への水の補給作業は、図6
に示したように、ハウジング5の蓋板部11を図示一点
鎖線位置に移動させて端部に設けた補給口から水タンク
27を抜くことによりなされる。
【0020】なお、前述の電動ファン6、蒸発室20、
電磁弁26および水タンク27はほぼ平面上に位置する
ようにハウジング5内に収納され、且つ水タンク27、
電磁弁26、蒸発室20の順に低くなる位置(地方向)
となるように配置されている。
【0021】制御回路9は、乗用車に搭載されたバッテ
リ30からメインスイッチ31を介して作動電圧が供給
されている。この制御回路9は、メインスイッチ31が
閉じられると、電動ファン6、電熱線19およびPTC
ヒータ21を通電する。
【0022】また、制御回路9は、PTCヒータ21の
電流値を測定し、PTCヒータ21の電流値が設定電流
値以下に低下したとき電磁弁26を通電して開弁させ、
PTCヒータ21の電流値が設定電流値より上昇したと
き電磁弁26への通電を停止して閉弁させる(図7のタ
イムチャート参照)。
【0023】なお、制御回路として、加湿器本体7の温
度を検出するサーミスタ等の温度センサと、この温度セ
ンサにより検出した蒸発室20内の温度が設定温度以上
に上昇したときにのみ電磁弁26を通電するものを用い
ても良い。
【0024】この乗用車用蒸発式加湿器1の作用を図1
ないし図7に基づき説明する。メインスイッチ31が閉
じられると、PTCヒータ21が通電されるため、蒸発
室20内の水が加熱されて水蒸気が発生する。このと
き、蒸発室20内の水に含まれる不純物はその水が蒸発
することによって蒸発室20の底部に堆積する。
【0025】また、蒸発室20内の水に発生した細菌は
熱が加わることによって繁殖が抑えられる。この結果、
蒸発室20内に発生した水蒸気は清浄な加湿空気とな
り、誘導管22を通って送風ダクト12内に吐出され
る。
【0026】一方、電動ファン6も作動を開始するの
で、誘導管22から吐出された加湿空気が吸入口16か
ら吸引された車室内2の空気とともに、車室内2とくに
後部座席3に着座している車両乗員の顔部に供給され
る。なお、水蒸気の発生する蒸発室20が車室内2の天
井部4に取り付けられるハウジング5内に設けられてい
る。
【0027】よって、蒸発室20と車両乗員の顔部との
間の距離が従来技術と比較して著しく短くなっている。
この結果、加湿空気が車両乗員の顔部まで届く間の拡散
が抑えられるので、車両乗員の顔部に効率的でスポット
性の良い加湿を行える。
【0028】そして、蒸発室20内の水を全て蒸発させ
てしまうと、PTCヒータ21によって蒸発室20その
ものが加熱されることとなる。本比較例では、PTCヒ
ータ21を流れる電流値を制御回路9によって測定し、
図7のタイムチャートに示したように、電流値が設定電
流値以下に低下したとき、すなわち、蒸発室20内の水
が無くなって蒸発室20内の温度が設定温度以上に上昇
したときのみ電磁弁26を開弁するようにしている。
【0029】このため、水タンク27から水供給管28
を通って蒸発室20内に供給され、蒸発室20内の水が
無くなることによる蒸発室20の異常加熱を防止でき
る。また、水供給機構8は、PTCヒータ21を流れる
電流値が設定電流値より上昇したら制御回路9により電
磁弁26が閉弁されて水タンク27から蒸発室20への
水の供給が止まるようになっている。
【0030】すなわち、蒸発室20の温度変化に応じて
蒸発室20内への水を供給量を制御することによって、
蒸発室20内には少量の水しか供給されない。このた
め、PTCヒータ21によって少量の水を蒸発させるこ
ととなるので、水蒸気を発生する際に出る蒸発音を低減
できる。さらに、少ない電力でも水蒸気が速やかに発生
するため、省電力化を図ることができる。
【0031】また、車室内2の天井部4にハウジング5
が取り付けられており、ハウジング5のダクト用蒸気吹
出ノズル18が下方に向かって開口しているので、仮に
ダクト用蒸気吹出ノズル18内で結露が生じた場合に
は、車室内2に水滴が落下する可能性がある。このた
め、本比較例では、図5に示したように、ダクト用蒸気
吹出ノズル18の内周に電熱線19を巻回してダクト用
蒸気吹出ノズル18を加熱しているので、結露を防ぐこ
とができる。
【0032】なお、車室内2の後部座席3に着座する車
両乗員の視界を妨げる可能性があるが、電動ファン6、
蒸発室20、電磁弁26および水タンク27はほぼ平面
上に位置するようにハウジング5内に収納し、且つ水タ
ンク27、電磁弁26、蒸発室20の順に低くなる位置
(地方向)となるように配置している。このため、乗用
車用蒸発式加湿器1が薄型構造となり、車室内2の後部
座席3に着座する車両乗員の視界を妨げることはない。
【0033】図8は本発明に対する第2比較例を示した
もので、ダクト用蒸気吹出ノズルを示した図である。こ
の比較例では、第1比較例に用いたダクト用吹出ノズル
17のダクト用蒸気吹出ノズル18自身を電気抵抗体に
より構成して、バッテリ30から電力を供給してダクト
用吹出ノズル17のダクト用蒸気吹出ノズル18自身を
加熱することにより、結露を防止するものである。
【0034】図9ないし図11は本発明に対する第3比
較例を示したもので、図9は乗用車用蒸発式加湿器の概
略を示した図で、図10はダクト用吹出ノズルおよび毛
細管部を示した図で、図11は加湿器本体の誘導管およ
び毛細管部を示した図である。この比較例では、毛細管
現象が生じる材質製の筒状体41を送風ダクト42のダ
クト用吹出ノズル43内に嵌め込んで、筒状体41内に
結露した水滴を2本の案内部46で案内して、内部に加
湿空気が通るため高温とされた加湿器本体44の誘導管
45の周囲に導いて結露を防ぐものである。なお、47
は電動ファンである。
【0035】図12は第4比較例を示したもので、ダク
ト用吹出ノズルを示した図である。この比較例では、毛
細管現象が生じるように複数の凹所51と凸部52とを
一定の間隔で交互に形成したダクト用吹出ノズル53を
設けて、ダクト用吹出ノズル53内に結露した水滴を第
3比較例のように加湿器本体の誘導管(図示せず)の周
囲に導いて結露を防ぐものである。
【0036】図13ないし図16は本発明の第1実施例
を示したもので、図13は乗用車用蒸発式加湿器の加湿
空気の吹出方向を示した図で、図14は乗用車用蒸発式
加湿器の概略を示した図で、図15は乗用車用蒸発式加
湿器の吹出方向切替部を示した図である。
【0037】この実施例の乗用車用蒸発式加湿器60
は、車両の車室内61の運転席側前部座席(前席)6
2、助手席側前部座席(前席)63および運転席側、助
手席側後部座席(後席)64に着座する4人の車両乗員
の顔部に加湿空気を供給するタイプである。
【0038】この実施例のハウジング5に設けられる送
風ダクト65には、4人の車両乗員の顔部に向かってそ
れぞれ加湿空気を吹き出す4つのダクト用吹出ノズル6
6が設けられている。また、加湿器本体(本発明の水蒸
気発生手段に相当する)67の蒸発室(本発明の蒸発部
に相当する)68は、一方が吹出方向切替部69を介し
て4つの誘導管a〜dに連通し、他方が電磁弁70を設
けた水供給管71を介して水タンク72に連通してい
る。
【0039】誘導管aは、後記する回転体74の連通路
73の出口から第1のダクト用吹出ノズル66の吹出口
へ水蒸気を誘導することにより、例えば運転席側前席6
2の車両乗員に向かって加湿空気を吹き出させる。ま
た、誘導管bは、連通路73の出口から第2のダクト用
吹出ノズル66の吹出口へ水蒸気を誘導することによ
り、例えば運転席側後席64の車両乗員に加湿空気を吹
き出させる。
【0040】そして、誘導管cは、連通路73の出口か
ら第3のダクト用吹出ノズル66の吹出口へ水蒸気を誘
導することにより、例えば助手席側後席64の車両乗員
に加湿空気を吹き出させる。また、誘導管dは、連通路
73の出口から第4のダクト用吹出ノズル66の吹出口
へ加湿空気を誘導することにより、例えば助手席側前席
63の車両乗員に水蒸気を吹き出させる。
【0041】吹出方向切替部69は、内部に連通路73
を有する回転体74、およびこの回転体74を回転駆動
する例えばサーボモータ76等の電気式回転体駆動手段
を備えている。連通路73は、加湿器本体67の蒸発室
68と各誘導管a〜dとを選択的に連通することが可能
なように、入口が下面中心位置で開口しており、出口が
1つの側面で開口している。なお、本実施例では、サー
ボモータ76の出力軸に固定された小径歯車と回転体7
4の下面の外周に形成された大径歯車とが噛み合うよう
に構成されている。
【0042】そして、吹出方向切替部69は、回転体7
4を制御回路75により通電制御される例えばサーボモ
ータ76等により回転駆動させることにより、乗用車用
蒸発式加湿器60の加湿空気を4人の車両乗員の顔部に
順に吹き出すように加湿空気の吹出方向を切り替えるも
のである。なお、78は底部に通電されると蒸発室68
内の水を加熱して水蒸気を発生させるPTCヒータ(本
発明の加熱手段に相当する)で、79は電動ファンであ
る。
【0043】制御回路75は、図16のタイムチャート
に示したように、温度センサ77により検出された加湿
器本体67の温度を測定して、その加湿器本体67の温
度が設定温度以上に上昇する都度、電磁弁70の開弁と
ともにサーボモータ76を通電して回転体74を回転さ
せる。このため、各誘導管a〜dと連通路73とが順に
連通することとなり、加湿空気が4人の車両乗員の顔部
に順に吹き出すようになる。これにより、サーボモータ
76への通電の都度、加湿空気の吹出方向を切り替える
ようにすることで、一定方向の加湿偏重とならず、周囲
雰囲気を略均一に加湿することができる。
【0044】図17は本発明の第2実施例を示したもの
で、乗用車用蒸発式加湿器の加湿空気の吹出方向を示し
た図である。この実施例では、乗用車用蒸発式加湿器8
0に2つのダクト用吹出ノズル81を設けて、乗用車用
蒸発式加湿器80の加湿空気を第1実施例のように運転
席側、助手席側後部座席(後席)82に着座した2人の
車両乗員の顔部に順(交互)に吹き出すようにしてい
る。
【0045】図18は本発明に対する第5比較例を示し
たもので、乗用車用蒸発式加湿器の加湿空気の吹出方向
を示した図である。この比較例では、乗用車用蒸発式加
湿器90に1つのダクト用吹出ノズル(図示せず)に連
通するフレキシブル管91を設けて、このダクト用吹出
フレキシブル管91の加湿空気の吹出方向を任意に変化
させることによって、加湿空気を後部座席92に着座し
た2人の車両乗員のうちどちらか一方の車両乗員の顔部
に吹き出すようにしている。
【0046】図19は本発明に対する第6比較例を示し
たもので、乗用車用蒸発式加湿器の概略を示した図であ
る。この比較例では、乗用車用蒸発式加湿器1を車室内
2の天井部4に取り付けるためにハウジング5や水タン
ク27等を薄型形状に形成しており、乗用車が坂道を通
る際に水タンク27が傾いてうまく水タンク27から蒸
発室20内に水が供給されない可能性がある。
【0047】そこで、この比較例では、電動ファン6か
ら吐出される空気の一部を空気供給路15を介して水タ
ンク27内に導いて水タンク27内を加圧することによ
って、水タンク27が傾いても水タンク27から蒸発室
20内に容易に水が供給されるようにしている。
【0048】(変形例) 本実施例では、加熱手段として電気ヒータを用いたが、
加熱手段として蒸発室内に2本の電極板を設け、2本の
電極板間に電圧を印加してジュール熱により蒸発室内の
水を蒸発させるものを用いても良い。この加熱手段は、
蒸発室内に水がなくなると自動的に通電が止まるという
特長があり、一般的に安価である。
【0049】本実施例では、車両乗員の顔部に向かって
加湿空気が吹き出すように送風ダクトの吹出口を開口さ
せたが、車両乗員の顔部以外の車室内に向かって加湿空
気が吹き出すように送風ダクトの吹出口を開口させても
良い。
【0050】本実施例では、蒸発室内の水が設定水量以
下になったことをPTCヒータを流れる電流値や加湿器
本体の温度によって判定したが、フロートセンサ等によ
り蒸発室内の水の水量を直接検出しても良い。なお、電
動ファン、空気供給路および電磁弁等は設けられていな
くても良い。
【0051】
【発明の効果】本発明は、車両乗員の顔部に近い車室内
の天井部に車両用蒸発式加湿器を取り付けることによっ
て、車両乗員の顔部に効率的な加湿を行うことができ
る。また、加湿空気とともに水中の不純物や細菌が車室
内に飛ばされないので、車室内の衛生状態を最適な状態
に保つことができる。さらに、電気式回転体駆動手段の
通電の都度、加湿空気の吹出方向を切り替えるようにす
ることにより、一定方向の加湿偏重とならず、周囲雰囲
気を略均一に加湿することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車室内の天井部への乗用車用蒸発式加湿器の装
着状態を示した断面図である(第1比較例)。
【図2】乗用車用蒸発式加湿器の概略を示した構造図で
ある(第1比較例)。
【図3】乗用車用蒸発式加湿器を示した断面図である
(第1比較例)。
【図4】乗用車用蒸発式加湿器を示した他の断面図であ
る(第1比較例)。
【図5】ダクト用蒸気吹出ノズルを示した側面図である
(第1比較例)。
【図6】乗用車用蒸発式加湿器を示した他の断面図であ
る(第1比較例)。
【図7】PTCヒータの電流値および電磁弁の制御状態
を示したタイムチャートである(第1比較例)。
【図8】ダクト用蒸気吹出ノズルを示した側面図である
(第2比較例)。
【図9】乗用車用蒸発式加湿器の概略を示した構造図で
ある(第3比較例)。
【図10】ダクト用吹出ノズルおよび毛細管部を示した
正面図である(第3比較例)。
【図11】加湿器本体の誘導管および毛細管部を示した
斜視図である(第3比較例)。
【図12】ダクト用吹出ノズルを示した正面図である
(第4比較例)。
【図13】乗用車用蒸発式加湿器の加湿空気の吹出方向
を示した概略図である(第1実施例)。
【図14】乗用車用蒸発式加湿器の概略を示した構造図
である(第1実施例)。
【図15】乗用車用蒸発式加湿器の吹出方向切替部を示
した断面図である(第1実施例)。
【図16】加湿器本体の温度、電磁弁の制御状態、吹出
方向切替部の切替方向を示したタイムチャートである
(第1実施例)。
【図17】乗用車用蒸発式加湿器の加湿空気の吹出方向
を示した概略図である(第2実施例)。
【図18】乗用車用蒸発式加湿器の加湿空気の吹出方向
を示した概略図である(第5比較例)。
【図19】乗用車用蒸発式加湿器の概略を示した構造図
である(第6比較例)。
【符号の説明】
a 誘導管 b 誘導管 c 誘導管 d 誘導管 1 乗用車用蒸発式加湿器 2 車室内 4 天井部 5 ハウジング 60 乗用車用蒸発式加湿器(車両用蒸発式加湿器) 61 車室内 66 吹出ノズル 67 加湿器本体(水蒸気発生手段) 68 蒸発室(蒸発部) 69 吹出方向切替部 70 電磁弁 71 水供給管 72 水タンク 73 連通路 74 回転体 75 制御回路 76 サーボモータ(電気式回転体駆動手段) 77 温度センサ 78 PTCヒータ(加熱手段) 79 電動ファン 80 乗用車用蒸発式加湿器(車両用蒸発式加湿器)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 昌彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60H 3/02 F24F 6/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)内部に水が流入する蒸発部、および
    この蒸発部内に流入した水を加熱して水蒸気を発生する
    加熱手段を有する水蒸気発生手段と、 (b)前記蒸発部に水を供給する水タンクと、 (c)前記蒸発部と前記水タンクとの間を開閉する電磁
    弁と、 (d)内部に前記水蒸気発生手段を収納するとともに、
    前記蒸発部内の水蒸気を車室内の異なる方向に向かって
    吹き出す複数個の吹出ノズルを有する ハウジングと (e)前記蒸発部と前記複数個の吹出ノズルのいずれか
    とを選択的に連通することが可能な連通路を有する回転
    体と、 (f)この回転体を回転駆動することで、前記蒸発部内
    の水蒸気の吹出方向を切り替える電気式回転体駆動手段
    と、 (g)前記水蒸気発生手段の温度を検出する温度センサ
    と、 (h)この温度センサにて検出された前記水蒸気発生手
    段の温度が所定値以上に上昇する都度、前記電磁弁を開
    弁させるとともに、前記電気式回転体駆 動手段を通電し
    て前記回転体を回転させることで、前記連通路を介して
    前記蒸発部と前記複数個の吹出ノズルのいずれかとを選
    択的に連通させ、 前記水蒸気発生手段の温度が所定値を下回る都度、前記
    電磁弁を閉弁させる制御回路と を備えた車両用蒸発式加
    湿器。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両用蒸発式加湿器にお
    いて、 前記ハウジングは、車両の車室内の天井部に取り付けら
    れていることを特徴とする車両用蒸発式加湿器。
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