JP2964139B2 - 片引き引戸用の横枠 - Google Patents

片引き引戸用の横枠

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JP2964139B2 JP11771998A JP11771998A JP2964139B2 JP 2964139 B2 JP2964139 B2 JP 2964139B2 JP 11771998 A JP11771998 A JP 11771998A JP 11771998 A JP11771998 A JP 11771998A JP 2964139 B2 JP2964139 B2 JP 2964139B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物内の開口部
に施工される片引き引戸の鴨居や敷居などの横枠に関す
る技術である。
【0002】
【従来の技術】従来より、人が出入りする開口部と、開
口部に隣接して形成される小壁に、開口部を閉鎖する引
戸が摺動する枠が取り付けられており、小壁の裏面側で
横枠上を引戸が摺動される片引き引戸を用いられてい
る。その片引き引戸には、小壁側に立って引戸を見たと
きに、開口部の左側に小壁があって左方向に引戸を開け
る左開きのものと、開口部の右側に小壁があって右方向
に引戸を開ける右開きのものがあり、引戸を開く方向並
びに小壁の位置によって、左開きと右開きの2種類があ
る。
【0003】このような片引き引戸を施工するときに用
いられる横枠は、左右開き兼用であって、直方体である
板状体の表面の一方の長辺寄りに長手方向全長にわたっ
て引戸が摺動されるための溝が1本刻設されている。そ
して現場において、左開きの片引き引戸を形成するとき
は横枠の溝が位置しない他方の長辺寄りの左側を切断
し、右開きの片引き引戸を形成するときは横枠の溝が位
置しない他方の長辺寄りの右側を切断して、横枠の小壁
が位置する部分を切断して施工されている。
【0004】しかし、この左右開き兼用の横枠の施工
は、現場で横枠の切断が必要となり、施工業者の手間が
かかるため、建築物へ施工される建材の省施工化が求め
られている現在では徐々に受け入れられなくなってきて
いる。このため、あらかじめ工場において小壁が位置す
る部分を切り欠いた形で出荷される左開き用あるいは右
開き用いずれかの横枠を用いられている。この左開き用
あるいは右開き用の横枠は、横枠を施工する状態に応じ
て左開き用の横枠あるいは右開き用の横枠を任意選択
し、現場では横枠を躯体に施工するだけでよく、施工性
がよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、左開き用ある
いは右開き用の横枠は、同じ寸法で左右2種類の横枠が
必要になり、生産性が悪くコストアップにつながるとと
もに、使う側にとっても左開き用と右開き用を間違えて
注文してしまうこともあって、注文を間違えた場合には
正しい横枠が届くまで工事がストップしてしまい、非常
に紛らわしいものという欠点を有している。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の問題点を解決する
ために発明者は、建築物の開口部内に納まるように施工
される短尺部と、該短尺部より平行して延出され、開口
部に併設された小壁前面に施工される長尺部よりなる横
枠において、長尺部の表裏にその長手方向全長にわたる
摺動部が設けられた片引き引戸用の横枠を発明したもの
である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明を図面に基づいて説明す
る。本発明の横枠1は、建築物の開口部14内に納まる
ように施工される短尺部2(図1の斜線部分)と、該短
尺部2より平行して延出され、開口部14に併設された
小壁10前面に施工される長尺部3(図1の斜線以外の
部分)よりなる横枠1において、長尺部3の表裏にその
長手方向全長にわたる摺動部4が設けられたことを特徴
とする。
【0008】本発明でいう横枠1とは片引き引戸に用い
られる鴨居と敷居を指すものである。図1、2は鴨居で
あり、図3、4は敷居であって、その表裏に摺動部4と
して溝5、5を形成した片引き引戸用の横枠1を示すも
のである。
【0009】この横枠1は無垢材、合板、集成材、単板
積層材、木質繊維板、パーティクルボード、オリエンテ
ッドストランドボードなどの木質系材料、硬質塩化ビニ
ール樹脂、軟質塩化ビニール樹脂、ABS樹脂などの各
種樹脂を成型して得られる合成樹脂板、合成樹脂棒の合
成樹脂系材料、ステンレス、アルミニウムなどからなる
金属板、金属棒の金属系材料が任意選択されて用いられ
て構成される。
【0010】また、横枠1のうち施工後に表面に露出す
る部分には任意で着色塗装や柄印刷が施されたり、化粧
単板、化粧紙や化粧合成樹脂シートを貼着したりして、
化粧を施すこともできる。この横枠1は裏返すことで表
裏面いずれかを用いるので、横枠1のうち、縦枠11及
び方立て12が取り付けられて外部に露出しない木口面
と、小壁10が形成される長尺部3の小壁10側の側面
は露出しないので、化粧を施さなくてもよい。さらに、
摺動部4として溝5を形成する場合はレールが嵌挿され
て隠蔽されたり、上方と下方であまり目立たない溝5の
内面も化粧を施さなくてもよい。
【0011】横枠1の側面にケーシング溝(額縁溝)が
刻設されて、該ケーシング溝内にケーシング(額縁)が
装着される場合には、ケーシング溝内も外部に露出しな
いこととなるので、化粧を施さなくてもよい。横枠1
は、小壁10が位置するところが切り欠かれており、縦
枠11と方立て12間の開口部14に納まるように施工
される短尺部2と、引戸13が摺動する摺動部4が形成
された長尺部3からなる。横枠1の木口面には縦枠11
と組み立てるときにビス、釘が打ち込まれる案内穴を開
けておいてもよい。
【0012】短尺部2は、小壁10の木口と縦枠11間
に形成される開口部14内に納まるように施工される。
長尺部3は、両縦枠11、11間の小壁10の前面に施
工され、引戸13が摺動する長尺の部分であって、その
表裏に長手方向全長にわたって摺動部4が形成される。
【0013】摺動部4は、引戸13が摺動される部分で
あって、図1〜4のように該摺動部4として引戸が摺動
するための溝5が形成されたり、摺動部4を平坦面とし
て摺動部4上に図5のように薄いプレート6が固着され
て引戸13が摺動されるようにしてもよい。
【0014】摺動部4としての溝5はそのまま使用して
もよいし、溝5内にレールを嵌挿させてレール上を引戸
13に設けられる戸車、ピポットやランナーが走行する
ようにしてもよい。摺動部4として溝5を形成する場
合、溝5の形状は横枠1の表裏で同じ形状にしてもよい
し、異なる形状にしてもよい。
【0015】この横枠1が鴨居として用いられる場合、
該摺動部4には、引戸13上部に刻設される戸首あるい
は引戸13の上面に設けられるピポットやランナーが嵌
挿されて摺動する。一方、横枠1が敷居として用いられ
る場合、摺動部4には引戸13の下面に設けられる戸
車、ピポットやランナーが嵌挿されて摺動する。この横
枠1は、寸法や各所の形状を統一して一本で鴨居と敷居
の両方に兼用することができるように構成してもよい
し、鴨居と敷居で寸法や摺動部4の形状などを変えて別
部材としてもよい。
【0016】このように、横枠1の引戸13が摺動する
長尺部3の表裏面に引戸13が摺動する摺動部4を形成
したので、横枠1を裏返しにすることによって、引戸の
開く方向が左開きでも右開きでも、両方に兼用させるこ
とができる。引戸13を左開きにしたい場合は、横枠1
を図1、3のように短尺部2が右側に来るように用い、
手前左側の切り欠かれた部分に小壁が形成され、右開き
にしたい場合は、横枠1を図2、4のように短尺部2が
左側に来るように用い、手前右側の切り欠かれた部分に
小壁が形成される。
【0017】図6のように、長尺部3に形成される摺動
部4として溝5が形成された場合、引戸13が摺動しな
い表裏面いずれかの溝5には、溝5の形状と等しい形状
である棒形の嵌合棒7が嵌合される。長尺部3の表裏面
に摺動部4として形成される引戸13が摺動されるため
の溝5は、施工後には表裏面のいずれが一方の溝5しか
使用されず、他方の溝5は使用されない。また、横枠1
の表裏面の同じ個所に背中合わせに溝5を設けた場合
は、溝5を設けることで溝5の間の厚さが薄くなり、横
枠1としての強度が弱くなる。
【0018】このため、使用されない側の溝5に棒形の
嵌合棒7を嵌合させる。嵌合棒7は溝5内に単に嵌合さ
せるのみでも、溝5内に接着剤や釘、ビスなどで固着し
てもよい。嵌合棒7が溝5内に嵌合されることによっ
て、嵌合棒7が補助的に横枠1を保持し、嵌合棒7が嵌
合されない時に比べて横枠1としての強度が出るもの
で、横枠1の幅方向の反りや変形が防止できる。
【0019】次に、本発明の横枠1の鴨居、敷居を用い
た片引き用引戸枠の施工方法を説明する。まず、鴨居の
両端に縦枠11をビスや釘で固定し、三方枠を形成す
る。この鴨居を縦枠11に固定するときに、引戸13の
開き方向が決定され、鴨居を裏返すことで横枠1を左右
両開きにも対応させることができる。例えば、右開きの
場合は横枠1を図7のように短尺部2が左側に来るよう
に、かつ切り欠かれた部分が手前右側に位置するように
配置して縦枠11に固定される。左開きの場合は横枠1
を裏返して、短尺部2が右側に来るように、かつ切り欠
かれた部分が手前左側に位置するように配置される。
【0020】この三方枠を建築物の引戸枠の取り付け部
分に飼木などで仮固定し、枠の水平および垂直を出した
うえで、枠を開口部14を構成する間柱15に固定す
る。縦枠11、11間の下方の床下地上に、鴨居と同じ
向きに敷居を載置して水平を出すなどの位置決めをした
上で、敷居を床下地上に固着する。敷居と敷居の短尺部
2の木口面に方立て12を固定する。敷居の端面より床
材を床下地上に敷設する。
【0021】方立て12の木口面より、長尺部3側面に
沿って小壁10を形成する。最後に、溝5が形成された
り、プレート6が固着されている摺動部4に引戸13を
嵌挿してもよい。小壁10の形成は、引戸枠の固定前に
前もって形成しておいてもよいものであり、床材の敷設
も敷居の床下地への固定前でもよい。このようにして、
図8のように片引き引戸用の引戸枠が施工される。
【0022】
【効果】以上の構成により、本片引き引戸用の横枠によ
れば、左開きと右開きの両方に適用することができるの
で、右開き用の横枠と左開き用の横枠とを間違えるおそ
れがなく、注文間違いなどのミスをなくすことができる
とともに、右開き用の横枠と左開き用の横枠の2種類で
あったものを1種類の横枠に統合でき、生産性が向上
し、在庫も少なくてすみ、コストダウンすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 横枠として鴨居を形成したときの斜視図、
【図2】 図1の鴨居の裏返したときの斜視図、
【図3】 横枠として敷居を形成したときの斜視図、
【図4】 図3の鴨居の裏返したときの斜視図、
【図5】 摺動部に固着されるプレートの斜視図、
【図6】 摺動部に形成した溝に嵌合棒を嵌合させたと
きの斜視図、
【図7】 横枠を用いて引戸枠を組んだときの斜視図、
【図8】 本発明の横枠を用いて引戸枠を開口部に施工
したときの断面図、
【符号の説明】
1:横枠、2:短尺部、3:長尺部、4:摺動部、5:
溝、6:プレート、7:嵌合棒、10:小壁、11:縦
枠、12:方立て、13:引戸、14:開口部、15:
間柱。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の開口部内に納まるように施工さ
    れる短尺部と、該短尺部より平行して延出され、開口部
    に併設された小壁前面に施工される長尺部よりなる横枠
    において、長尺部の表裏にその長手方向全長にわたる摺
    動部が設けられたことを特徴とする片引き引戸用の横
    枠。
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CN104234589A (zh) * 2014-09-15 2014-12-24 江苏神马铝业有限公司 一种铝合金推拉门外框

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