JP2961378B2 - 複数色固形状粉末化粧料の充填成形方法 - Google Patents

複数色固形状粉末化粧料の充填成形方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は複数色の固形状化粧料を同一容器内に配置す
る複数色固形状化粧料の充填成形方法、特に内央部に云
わば島状に文字や模様を表出し得る複数色固形状化粧料
の充填成形方法に関する。
〔従来の技術〕
複数色の化粧料を同一容器内に配置した固形状化粧料
を得る試みは、従来より種々検討され、例えば容器内に
取り外し可能な仕切りをセットし、それらの仕切り毎
に色調の異なる粉末化粧料を供給後、仕切りを取り外し
てプレスする方法(特開昭59−44205号、特開昭62−167
721号)や当該仕切り毎に揮発性溶剤を用いてスラリ
ー状化した化粧料を容器の上面開口部から充填し、プレ
ス成形の後、当該仕切りを除去し、乾燥する方法(特開
昭60−67408号)が報告せられている。
〔発明が解決しようとする課題〕 然しながら、粉末化粧料は一般に油剤の配合量が比較
的少ないため流動性がとぼしいと共に付着性が強く、そ
の結果上記の如きプレス成型法では、そもそも容器等
に均等に充填することが困難であると共に、圧縮成型後
の内容物の密度に片寄りが生ずるため耐衝撃性が悪く、
特に薄型で間口面積の広い容器への充填成型は非常に困
難であった。
また、上記の如き溶媒法の場合には、プレス成形後
の仕切り除去の際、一旦成形された化粧料に崩れが生じ
易いと共に、当該仕切り除去後異色化粧料間に隙間が形
成され易いとか、あるいはまた境目が明瞭に形成されに
くいと云う欠点を免れなかった。
そこで、本発明者は斯かる従来の問題を解消すべく、
鋭意研究を重ねた結果、極めて容易かつ確実に複数色の
化粧料を同一容器内に島状等多様かつ美麗に充填配置し
得る本発明方法を完成したものである。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は区分室形成器枠を有する基体に
て、化粧料充填容器の開口部を対向閉止せしめて容器内
部に複数の区分室を形成した後、当該各区分室底壁部に
形設した化粧料充填孔から、まず1区分室又は2以上の
非隣接区分室に、粉末化粧料を溶剤に溶かしてスラリー
状化した化粧料を圧力注入し、然る後当該基体を取り外
し、次いで区分室形成器枠を有しない基体を再度当該容
器開口部に対向閉止せしめて残余空域部に、既に注入済
みの隣接化粧料とは別色のスラリー状化した化粧料の圧
力注入を行ない、基体を外した後圧縮、乾燥、固化させ
ることを特徴とする複数色固形状粉末化粧料の充填成形
方法である。
〔実施例〕
以下実施例を示す図面と共に本発明方法を更に説明す
る。
本発明に用いられる化粧料充填容器1は、コンパクト
の身自体あるいは金皿や合成樹脂製皿の如き中皿等その
如何を問わない。また、後述の基体2の区分室形成器枠
3により形成される容器1の各区分室11対応底壁部11a
には予め化粧料充填孔11bが形設せられている。
本発明に於ける基体2は、その下部に容器1内に挿入
され、複数区分室11を形成する区分室形成器枠3を有す
るものと、該区分室形成器枠3を有しないものが用いら
れる。斯かる基体2としては各々別個のものを用いても
良いが、基体2に区分室形成器枠3が着脱自在に備えら
れたものを用いても良い。
この区分室形成器枠3は上下が開放した枠体で、適宜
フランジ32を付設すると共にシャフト31を介して基体2
に取り付けられるものであるが、その具体的形状や数
は、得ようとする文字や模様に応じて適宜選定される。
尚、基体2の各区分室11対応下面部21は、注入したス
ラリー状化粧料基材表面を凸面状に成形し得るようにな
だらかな凹曲面状とするのが好ましい。
本発明方法は、先ず斯かる化粧料充填容器1の上面開
口部に、区分室形成器枠3を有する基体2を対向閉止
し、容器1内部に複数の区分室11を形成する。
この対向閉止に際しては、容器1の適宜箇所に化粧料
充填孔11bとは別に空気抜け孔(図示せず)の形設、あ
るいは容器1と基体2間に剥離紙、模様付けシート・メ
ッシュ4等の介在等による空気抜け手段を講ずるのが均
一充填効果を得る上で有利である。
次に、第1段階充填として適宜数の充填機5を用い、
化粧料充填孔11bより、1区分室又は2以上の非隣接区
分室に、粉末化粧料を溶剤に溶かし、スラリー状化した
化粧料6aを、同色又は色別に圧力注入する。ここに溶剤
は、粉末化粧料に悪影響を与えない揮発性溶剤であれば
よく、公知のもの等適宜選択して用いることができる。
また、粉末化粧料と溶剤の混合割合は粉末化粧料中の粉
体組成や油剤含有量、あるいは溶剤種によっても異なる
が、通常粉末化粧料100部に対して溶剤45〜110部、特に
60〜85部の範囲が好ましい。尚、当該注入圧力は、スラ
リー状化した化粧料7の粘稠度によって異なるが、通常
0.5〜5kg/cm2の範囲で行なわれる。
然る後、当該基体2を一旦取り外し、区分室形成器枠
3を有しない基体2にて容器1開口部を再度対向閉止
し、第2段階充填として容器1内の残余空域部11cに、
既に注入済みの隣接化粧料とは別色のスラリー状化した
化粧料6bを圧力注入する。
尚、第1段階充填と第2段階充填の具体的部位は、第
2図の如く周辺部次いで内央部であっても良く、また第
3図の如く内央部次いで周辺部であっても良い。
次いで、当該基体2を容器1から取り外せば、容器入
り複数色化粧料が得られる。
そこで、当該化粧料の表面61を容器側壁部12上端と同
一水平面になるように圧縮するが、この圧縮の前処理と
して化粧料6a,6b中に含まれる溶剤を大部分(例えば50
〜90%程度)予備乾燥せしめるのが、目減り、ひび割れ
等の発生防止上有利である。
尚、ここに圧縮は、水平面形成可能なプレス圧であれ
ばよく、例えばプレスパッド7により、通常10kg/cm2
度の圧力で行なわれる。この時模様付のためのシート・
メッシュ等を介してプレスすることができる。
次いで、乾燥して固化させる。ここに、乾燥の具体的
手段はその如何を問わないが、自然乾燥又は化粧料に悪
い影響を与えない程度の温度の温風乾燥等が簡便かつ効
果的である。
〔作用〕
本発明方法は、第1段階充填及び第2段階充填の何れ
のスラリー状化した化粧料をも、開口部を閉止せしめた
状態にて底壁部の充填孔より容器(区分室)内に圧力注
入するものであるため、目減り、ひび割れ、隙間などの
発生がなく、しかも第2段階に於けるスラリー状化した
化粧料の圧力注入及びその後の全体の圧縮成形は何ら仕
切りの存しない状態で行なわれるため、異色化粧料の境
目が明瞭に形成されると共に、仕切り除去に伴なう成形
崩れもない。
〔発明の効果〕
以上従って、本発明方法によれば、極めて容易かつ確
実に複数色の化粧料を混色なく同一容器内に均質状態に
充填成形し得、外観上美麗な容器入り複数色固形状化粧
料を得ることができる。
而して、本発明方法は、内央部に文字や模様等を島状
に表出する場合に特に有利に実施できる。
また、本発明方法によれば、従来困難であった薄型で
間口面積の広い容器の場合であっても、隅々まで均等に
充填することができるので、厚さ2mm以下の所謂薄型タ
イプの容器入り複数色化粧料も容易に製品化することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施例を示す概略工程説明図、第
2図及び第3図は各々本発明方法に於ける充填順序例を
示す概略説明図、第4図及び第5図は各々本発明方法に
より得られた複数色固形状化粧料を示す斜視説明図、第
6図は区分室形成器枠の斜視説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 7/00 A61K 7/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】区分室形成器枠を有する基体にて、化粧料
    充填容器の開口部を対向閉止せしめて容器内部に複数の
    区分室を形成した後、当該各区分室底壁部に形設した化
    粧料充填孔から、まず1区分室又は2以上の非隣接区分
    室に、粉末化粧料を揮発性溶剤に溶かしてスラリー状化
    した化粧料を圧力注入し、然る後当該基体を取り外し、
    次いで区分室形成器枠を有しない基体を再度当該容器開
    口部に対向閉止せしめて残余空域部に、既に注入済みの
    隣接化粧料とは別色のスラリー状化した化粧料の圧力注
    入を行ない、基体を外した後圧縮、乾燥、固化させるこ
    とを特徴とする複数色固形状粉末化粧料の充填成形方
    法。
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